JP7088416B2 - 送液ポンプ及び液体クロマトグラフ - Google Patents

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Description

本発明は、高速液体クロマトグラフなどの分析装置において用いられる送液ポンプ、及び、その送液ポンプを備えた液体クロマトグラフに関する。
液体クロマトグラフでは、水や有機溶媒などの移動相が送液ポンプによって分析流路中を高圧送液される。分析対象となるサンプルは、サンプルインジェクタによって移動相へ導入及び混合され、分離カラムへ移送される。分離カラムでは、サンプル中の各成分物質が分離カラム及び移動相との親和性に依存して異なる時間だけ保持されたのち、分離カラムから溶出される。順次、分離カラムから溶出された各成分物質は、検出器で検出される。検出器を通り過ぎた移動相及び各成分物質はドレインへ排出される。検出器で得られた信号はデータ処理装置に転送され、各成分物質の定性処理や定量処理が実施される。
液体クロマトグラフなどの分析装置における移動相の送液方式には、アイソクラティック方式、低圧グラジエント方式、高圧グラジエント方式といった方式が存在する。アイソクラティック方式は、1種類の移動相を1台の送液ポンプによって送液する方式である。低圧グラジエント方式は、比例電磁弁と1台の送液ポンプを用いて複数種類(通常は最大で4種類)の移動相を順次送液することで、所望の移動相組成を実現する方式である。高圧グラジエント方式は、複数種類(通常は最大で2種類)の移動相のそれぞれに1台の送液ポンプを対応させ、各送液ポンプの出口(かつサンプルインジェクタの前)で移動相を合流させることで、所望の移動相組成を実現する方式である。特に、1台で2種類の移動相による高圧グラジエント方式の送液を実現できる送液装置は、バイナリポンプと呼ばれている。
液体クロマトグラフでは、移動相を所望の組成に制御することは、分析結果の信頼性を担保する上で必須の要求である。特に、高圧グラジエント方式では、送液ポンプの流量安定性は移動相組成の再現性に直接的に影響を与える。また、検出器の種類によっては、移動相の組成や圧力などの脈動がノイズとなって感知されてしまう場合もある。
これらの理由から、液体クロマトグラフの送液ポンプには、高い流量安定性(低脈動性能)が求められてきた。液体クロマトグラフで利用される低流量(例えば数mL/min以下)を高圧(例えば数十MPa)で送液するために、送液ポンプとしてプランジャポンプが一般的に採用されている。そして、単一のプランジャポンプでは送液が間欠的になってしまうため、2つのプランジャポンプを直列又は並列に接続して相補的に動作させるダブルプランジャ方式の送液ポンプがよく用いられている。
US5637208A US2012/216886A1 US2010/275678A1 US2008/206067A1 US5664937A
ダブルプランジャ方式の送液ポンプでは、少なくとも一方のプランジャポンプにおいて、液の吸引行程が完了した後、ポンプ室内の圧力をシステム圧力又はその近傍の圧力にまで上昇させる予圧行程が行われる。この予圧行程においてポンプ室内の予圧が不十分であるとその後の吐出行程の際に送液流量が欠損し、逆に、予圧が過剰になると送液流量も過剰となり、いずれの場合にも送液安定性が損なわれる。このような問題を解決するため、予圧行程中のポンプ室内の圧力を測定し、システム圧力の測定値と比較することで、予圧行程におけるプランジャの動作を正確に制御する技術が開示されている(特許文献1参照。)。
送液ポンプの送液安定性を損なう副次的な要因として、送液ポンプ内の移動相の温度が非平衡・非定常であることが挙げられる。移動相は吸引行程において室温であるが、予圧行程において断熱的に圧縮されることで昇温し、その後の吐出行程においてポンプヘッドや配管などの周囲の部材と熱交換することで冷却される。このような移動相の周期的な温度変化は、熱膨張を通じて送液流量の周期的な変動として現れる。このような現象は、熱効果脈動と呼ばれる。これを解決する方法として、送液周期の特定の区間(主に、予圧行程を行なったプランジャポンプの吐出行程中の区間)においてのみ送液ポンプの送液動作を定圧制御して熱補償することが提案されている(特許文献2-5参照。)。
本発明は、熱効果脈動を抑制するための定圧制御の精度を向上させ、送液精度を高めることを目的とするものである。
本発明に係る送液ポンプは、1次プランジャポンプと、前記1次プランジャポンプの下流に直列に流体接続された2次プランジャポンプと、前記2次プランジャポンプの出口から送出される移動相の圧力をシステム圧力として検出する圧力センサと、を備え、前記1次プランジャポンプが吐出動作を行なう1次吐出行程と前記2次プランジャポンプが吐出動作を行なう2次吐出行程を交互に連続的に実行する送液ポンプである。当該送液ポンプは、前記1次吐出行程及び前記2次吐出行程からなる送液周期のうち、前記1次吐出行程が実行される区間を第1定圧制御区間、前記2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって前記第1定圧制御区間の後に連続する区間を含む区間を第2定圧制御区間とし、前記第1定圧制御区間において第1定圧制御を実行し、前記第2定圧制御区間において第2定圧制御を実行するように構成された送液制御部と、前記2次吐出行程が実行される区間のうち前記第2定圧制御区間以外の区間における前記システム圧力を基準に前記第1定圧制御及び前記第2定圧制御のための目標圧力を設定するように構成された目標圧力設定部と、を備え、前記第1定圧制御は、前記1次プランジャポンプの吐出流量から前記2次プランジャポンプの吸入流量を差し引いた流量である合成流量の操作量を第1の式を用いて計算し、計算した前記操作量だけ前記合成流量を増減させるように前記1次プランジャポンプ及び/又は前記2次プランジャポンプの動作速度を調節する制御であり、前記第2定圧制御は、第2の式を用いて前記2次プランジャポンプの吐出流量の操作量を計算し、計算した前記操作量だけ前記2次プランジャポンプの吐出流量を増減させるように前記2次プランジャポンプの動作速度を調節する制御であり、前記第1の式は、前記目標圧力と前記システム圧力との差である圧力偏差の比例項及び積分項を少なくとも含んでおり、前記第2の式は、前記圧力偏差の比例項を少なくとも含み、かつ、前記圧力偏差の積分項の寄与度が前記第1の式よりも小さい。
上記のように、本発明が対象としている送液ポンプは、2台のプランジャポンプ(1次プランジャポンプと2次プランジャポンプ)が互いに直列に流体接続され、1次プランジャポンプが吐出動作を行なう1次吐出行程と2次プランジャポンプが吐出動作を行なう2次吐出行程を交互に連続的に実行する直列型ダブルプランジャ方式の送液ポンプである。このような送液ポンプでは、1次プランジャポンプの予圧行程中の移動相の発熱に起因する流量欠損によって熱効果脈動が発生するため、1次吐出行程中にのみシステム圧力を一定に維持する定圧制御を実行すれば熱効果脈動を抑制できるようにも考えられる。しかし、1次吐出行程が実行される区間でのみ定圧制御を実行すると、1次吐出行程の後に連続する区間(2次吐出行程)での圧力が迅速に安定しないという問題があることがわかった。そこで、本発明では、1次吐出行程が実行される区間を第1定圧制御区間、2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって第1定圧制御区間の後に連続する区間を含む区間を第2定圧制御区間とし、第1定圧制御区間及び第2定圧制御区間において定圧制御を実行する。
ここで、システム圧力をある目標圧力に維持する定圧制御の方式として、システム圧力と目標圧力との差である圧力偏差の比例項(P)及び積分項(I)を含むPI制御又はPID制御(Dは微分項)が一般的である。1次吐出行程から2次吐出行程へ移行すると、1次プランジャポンプの予圧行程中の移動相の発熱に起因する流量欠損は収束する。そうであるにも拘わらず、第1定圧制御区間及び第2定圧制御区間においてPI制御又はPID制御を一律に実行すると、第1定圧制御区間の後に連続する区間で積分項(I)の寄与が過剰になり、システム圧力のオーバーシュートが発生することがわかった。
本発明では、上記問題を解決するために、第1定圧制御区間において第1の式を用いた第1定圧制御を実行し、第2定圧制御区間において第2の式を用いた第2定圧制御を実行し、第2の式における積分項の寄与度を第1の式における積分項の寄与度よりも小さくする。
本発明に係る液体クロマトグラフは、試料を個々の成分に分離するための分離カラムと、前記分離カラムに通じる分析流路と、前記分析流路中で移動相を送液するための上述の送液ポンプと、前記分離カラムの上流において、前記分析流路を流れる移動相中に試料を注入する試料注入部と、前記分離カラムの下流に流体接続され、前記分離カラムにおいて分離された試料成分を検出するための検出器と、を備えている。
本発明に係る送液ポンプでは、1次吐出行程が実行される区間を第1定圧制御区間、2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって第1定圧制御区間の後に連続する区間を含む区間を第2定圧制御区間とし、第1定圧制御区間において第1の式を用いた第1定圧制御を実行し、第2定圧制御区間において第2の式を用いた第2定圧制御を実行し、第2の式における積分項の寄与度を第1の式における積分項の寄与度よりも小さくしたので、熱効果脈動を抑制するための定圧制御の精度を向上させ、送液精度を高めることができる。
本発明に係る液体クロマトグラフでは、上述の送液ポンプを備えているので、移動相の送液精度が向上し、分析の再現性が向上する。
送液ポンプを備えた液体クロマトグラフの一例を示す概略構成図である。 送液ポンプの一実施例を示す概略構成図である。 同実施例の各送液ポンプの1次プランジャポンプと2次プランジャポンプの動作サイクルを説明するためのフローチャートである。 熱効果脈動のメカニズムを説明するための各種プロファイルである。 同実施例の送液ポンプの1次プランジャポンプ及び2次プランジャポンプのポンプヘッド部分の断面構成図である。 同実施例における送液ポンプの定圧制御区間を説明するための概念図である。 同実施例において実行される定圧制御について説明するためのフローチャートである。 定圧制御による圧力変動の抑制効果の検証結果を示すシステム圧力データである。 送液ポンプの他の実施例を示す概略構成図である。 第1の式における成形係数の時間変化の一例を示すグラフである。 改良された定圧制御による圧力変動の抑制効果の検証結果を示すシステム圧力データである。
以下、図面を参照しながら本発明に係る送液ポンプ及び液体クロマトグラフの実施形態について説明する。
まず、図1を用いて液体クロマトグラフの一実施例について説明する。
液体クロマトグラフは、分析流路100中で移動相を送液するためのバイナリポンプ1を備えている。バイナリポンプ1は、2台の送液ポンプ2A及び2B(図2を参照)を備えており、送液ポンプ2A及び2Bのそれぞれによって2種類の移動相を予め設定された比率で送液することができる。分析流路100上には、ミキサ102、試料注入部104、分離カラム106及び検出器108が設けられている。なお、ミキサ102は、バイナリポンプ1の構成要素の一部であってもよい。
バイナリポンプ1によって送液される2種類の移動相はミキサ102において混合された後、分析流路100中を流れる。試料注入部104は、分析流路100を流れる移動相中に試料を注入する。試料注入部104により移動相中に注入された試料は分離カラム106に導入され、試料中に含まれる各成分が時間的に分離され、順に分離カラム106から溶出する。分離カラム106から順に溶出した各成分が検出器108により検出される。
図2にバイナリポンプ1の概略的構成を示す。
バイナリポンプ1は、2台の送液ポンプ2A,2B、切替バルブ4及びコントローラ10を備えている。送液ポンプ2Aは流路6Aを介して切替バルブ4のポートaに接続されており、送液ポンプ2Bは流路6Bを介して切替バルブ4のポートdに接続されている。
切替バルブ4はa~fの6つのポートを備えている。ポートb及びcにはドレインに通じる流路が接続されており、ポートe及びfはミキサ102(図1参照)へ通じる流路が接続されている。切替バルブ4は、送液ポンプ2A及び/又は2Bをミキサ102へ流体接続した状態(図2の状態)、送液ポンプ2A及び2Bのいずれか一方をドレインへ流体接続した状態に切り替えることができる。
送液ポンプ2Aと2Bは同等の構成を有するものであり、直列に接続された2台のプランジャポンプが相補的に動作することによって連続的な送液を実現する。
送液ポンプ2Aは1次プランジャポンプ8A及び2次プランジャポンプ9Aを備えている。1次プランジャポンプ8Aのプランジャ81A(以下、一次プランジャ81A)はモータ82Aによって駆動され、2次プランジャポンプ9Aのプランジャ91A(以下、2次プランジャ91A)はモータ92Aによって駆動される。1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84Aへの入口部にチェック弁83Aが設けられ、ポンプ室84Aからの出口部に1次圧力センサ85Aが設けられている。1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84Aの出口と2次プランジャポンプ9Aのポンプ室94Aの入口との間にチェック弁93Aが設けられ、ポンプ室94Aからの出口部に2次圧力センサ95Aが設けられている。1次圧力センサ85Aは1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84A内の圧力を検出するためのものであり、2次圧力センサ95Aは送液ポンプ2Aによる送液圧力を検出するためのものである。送液ポンプ2Aがミキサ102に接続されている状態において、送液ポンプ2Aによる送液圧力は分析流路100内のシステム圧力にほぼ等しい。したがって、2次圧力センサ95Aはシステム圧力を検出するシステム圧力センサを構成する。
送液ポンプ2Bは1次プランジャポンプ8B及び2次プランジャポンプ9Bを備えている。1次プランジャポンプ8Bのプランジャ81B(以下、1次プランジャ81B)はモータ82Bによって駆動され、2次プランジャポンプ9Bのプランジャ91B(2次プランジャ91B)はモータ92Bによって駆動される。1次プランジャポンプ8Bのポンプ室84Bへの入口部にチェック弁83Bが設けられ、ポンプ室84Bからの出口部に1次圧力センサ85Bが設けられている。1次プランジャポンプ8Bのポンプ室84Bの出口と2次プランジャポンプ9Bのポンプ室94Bの入口との間にチェック弁93Bが設けられ、ポンプ室94Bからの出口部に2次圧力センサ95Bが設けられている。1次圧力センサ85Bは1次プランジャポンプ8Bのポンプ室84B内の圧力を検出するためのものであり、2次圧力センサ95Bは送液ポンプ2Bによる送液圧力を検出するためのものである。送液ポンプ2Bがミキサ102に接続されている状態において、送液ポンプ2Bによる送液圧力は分析流路100内のシステム圧力にほぼ等しい。したがって、2次圧力センサ95Bはシステム圧力を検出するシステム圧力センサを構成する。
送液ポンプ2A及び2Bの動作はコントローラ10によって制御される。コントローラ10は、中央演算装置(CPU)や情報記憶装置等を備えた専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータによって実現される。コントローラ10は、動作状態認識部12、送液制御部14及び目標圧力設定部16を備えている。動作状態認識部12、送液制御部14及び目標圧力設定部16は、情報記憶装置に格納されたプログラムがCPUによって実行されることにより実現される機能である。
動作状態認識部12は、各プランジャポンプ8A、9A、8B及び9Bを駆動するモータ82A、92A、82B及び92Bに与えられた駆動用信号に基づいて、各送液ポンプ2A及び2Bが実行している行程、及び、プランジャ81A、91A、81B、91Bの位置を各送液ポンプ2A及び2Bの動作状態として認識するように構成されている。
送液制御部14は、動作状態認識部12により認識される各送液ポンプ2A及び2Bの動作状態に基づいて、各送液ポンプ2A及び2Bが設定された流量で連続的な送液を行なうように、各プランジャポンプ8A、9A、8B及び9Bの動作制御を行なう。動作制御部14は、各プランジャポンプ8A、9A、8B及び9Bを以下に説明するサイクルで動作させる。
送液ポンプ2A及び2Bの動作サイクルについて図2とともに図3のフローチャートを用いて説明する。なお、送液ポンプ2Aと2Bの動作サイクルは同じであるため、ここでは送液ポンプ2Aについてのみ説明する。
送液ポンプ2Aは、1次プランジャポンプ8Aが吐出動作を行なう1次吐出行程と2次プランジャポンプ9Aが吐出動作を行なう2次吐出行程とを交互に連続的に実行することで連続的な送液を実現する。1次吐出行程においては、1次プランジャポンプ8Aと2次プランジャポンプ9Aの合成流量、すなわち、1次プランジャポンプ8Aの吐出流量から2次プランジャポンプ9Aの吸引流量を差し引いた流量が、送液ポンプ2Aの送液流量となる。一方で、2次吐出行程においては、2次プランジャポンプ9Aの吐出流量が送液ポンプ2Aの送液流量となる。
2次プランジャポンプ9Aが2次吐出行程を開始すると(ステップ201)、1次プランジャポンプ8Aは吸引行程を開始し(ステップ101)、吸引行程が終了すると(ステップ102)、第1予圧行程を開始する(ステップ103)。第1予圧行程では、1次圧力センサ85Aによって検出されるポンプ室84A内の圧力を、大気圧よりも高く、2次圧力センサ95Aによって検出されるシステム圧力よりも第1の規定値だけ低い圧力にまで上昇させる。第1の規定値は、システム圧力の50%以下(例えば、20%、10%、5%、2%)の値である。ここで、この実施例においては、「吸引行程」には、1次プランジャ81Aが上死点において一時的に停止する上死点待機行程、及び1次プランジャ81Aが下死点において一時的に停止する下死点待機行程が含まれる。なお、上死点待機行程及び下死点待機行程は必須の行程ではない。
1次プランジャポンプ8Aは、第1予圧行程が終了した後(ステップ104)、待機行程に移行する(ステップ105)。待機行程では、第1プランジャ81Aの動作をほぼ停止させ、ポンプ室84A内の圧力を第1予圧行程終了時の圧力に維持する。この待機行程は、例外的な場合を除いて、2次プランジャ91Aが所定位置に達するまで続行される。例外的な場合とは、送液ポンプ2Aと2Bの1次吐出行程の実行時間帯が互いに重ならないように待機行程の実行時間が短縮される場合である。2次プランジャ91Aが所定位置に達すると、1次プランジャポンプ8Aは待機行程を終了して第2予圧行程に移行する(ステップ107)。第2予圧行程では、1次プランジャポンプ8Aを吐出動作させ、ポンプ室84A内の圧力を上昇させる。ポンプ室84A内の圧力がシステム圧力よりも第2の規定値だけ低い圧力に達すると、第2予圧行程から1次吐出行程へ遷移する(ステップ108)。このとき、2次プランジャポンプ9Aは、2次吐出行程を終了させ(ステップ202)、吸引行程に移行する(ステップ203)。ここで、第2の規定値は、システム圧力の5%以下(例えば、2%、1%、0.5%、0.2%)の値である。1次プランジャポンプ8Aの1次吐出行程が終了すると(ステップ109)、2次プランジャポンプは吸引行程を終了して2次吐出行程へ移行する(ステップ204、201)。
以上のように、送液ポンプ2A及び2Bは、2次プランジャポンプ9A、9Bが2次吐出行程を実行している間に、1次プランジャポンプ8A、8Bが吸引行程、第1予圧行程、待機行程及び第2予圧行程を実行する。
ここで、各送液ポンプ2A及び2Bの予圧行程(第1予圧行程及び第2予圧行程)に起因して発生する熱効果脈動について、図4の熱効果プロファイルを用いて説明する。以下の説明では、送液ポンプ2Aの1次プランジャポンプ8Aを例に挙げて説明するが、送液ポンプ2Bの1次プランジャポンプ8Bについても同様である。図4において、最上段は1次プランジャ81Aの速度プロファイルであり、上から2段目は1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84A内の移動相の温度プロファイルである。上から3段目及び4段目はそれぞれ、ポンプ室84A内の移動相の発熱量と放熱量のプロファイルであり、上から5段目は、ポンプ室84A内の実効体積のプロファイルである。実効体積のプロファイルは、熱効果脈動に関係する1次吐出行程の区間でのみ表示している。上から6段目は、1次プランジャポンプ8Aによる送液流量の欠損量のプロファイルであり、最下段は、システム圧力のプロファイルである。
1次プランジャポンプ8Aが吸引行程を実行している間、ポンプ室84A内の移動相温度(T)は室温に等しい。ここで移動相温度(T)は,室温にあるときをゼロと定義する。第1予圧行程が開始されると、1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84A内での移動相の圧縮により移動相温度(T)は上昇する。この過程において、移動相の発熱量は、単位時間当たりの圧力上昇の大きさに比例し、1次プランジャ81Aの速度プロファイルと相似形となる。一方で、移動相から1次プランジャポンプ8Aのポンプヘッドへの放熱量は移動相温度(T)に比例する。移動相温度(T)は、移動相の発熱量と放熱量のバランスによって決定される。
待機行程においては、移動相の圧縮と発熱はほぼ停止するため、放熱が優勢となり、移動相温度(T)は低下する。第2予圧行程においては、1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84A内おいて再び移動相が圧縮されるため、移動相温度(T)は上昇する。その後の1次吐出行程においては、移動相は圧縮されないので、放熱が優勢となり、移動相温度(T)は低下する。また、1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84Aから吐出された移動相は、圧力センサ85A及び配管を流れる際に室温にまで冷却される。
ここで、1次プランジャポンプ8A及び2次プランジャポンプ9Aのポンプヘッド部分の断面構造を示した図5を参照して説明すると、1次プランジャポンプ8Aの予圧行程(第1予圧行程及び第2予圧行程)では、1次プランジャポンプ8Aの入口部に設けられたチェック弁83Aから2次プランジャポンプ9Aの入口部に設けられたチェック弁93Aまでの間に存在する移動相が圧縮される。しかし、圧縮による温度上昇を考慮する必要があるのは、1次プランジャポンプ8Aのポンプ室84A内の破線で囲われた部分に存在する移動相だけである。その他の部分に存在する移動相は、流路壁面までの距離が短いため、相対的に短時間で(小さな時定数で)冷却され、温度平衡に達しやすいためである。以下では、圧縮による温度上昇を考慮する必要がある部分の体積を実効体積VEFFと称する。移動相の熱膨張率をβ、移動相の温度上昇をTとすれば、ポンプ室84Aに蓄えられている(又は残されている)熱膨張体積は、βTVEFFと表すことができる。このことから、熱効果によって生じる送液ポンプ2Aの送液流量の欠損量QTEは、次式にように表すことができる。
Figure 0007088416000001
上記式から、移動相温度Tの低下(自然冷却)及び実効体積VEFFの減少(強制冷却)の両方が熱効果による送液流量の欠損量QTEに転換されることがわかる。このような送液流量の欠損が存在すると、図4の最下段のシステム圧力プロファイル(やや誇張して示している)のように、システム圧力が周期的に変動する。これが熱効果脈動の発生メカニズムである。
図4の下から2段目の送液流量の欠損量のプロファイルからわかるように、送液流量の欠損量が発生するのは1次吐出行程に限られる。このような送液流量の欠損を補償するため、送液ポンプ2A及び2Bのそれぞれについて、1次吐出行程が実行される区間を含む区間(定圧制御区間)において定圧制御が実行される。定圧制御とは、システム圧力が予め設定された目標圧力となるように1次プランジャ及び/又は2次プランジャの動作速度を制御することをいう。具体的には、目標圧力とシステム圧力との差である圧力偏差を用いて対象となる送液ポンプ2A又は2Bの送液流量の操作量を計算し、対象となる送液ポンプ2A又は2Bの1次プランジャポンプ及び2次プランジャポンプの合成流量を計算した操作量だけ増減させるように、1次プランジャ及び/又は2次プランジャの動作速度を制御する。
送液制御部14は、図6に示されているように、1次吐出行程が実行される区間を第1定圧制御区間、2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって第1定圧制御区間の後に連続する区間を第2定圧制御区間とし、第1定圧制御区間において第1定圧制御を実行し、第2定圧制御区間において第2定圧制御を実行するように構成されている。第1定圧制御は、システム圧力Psysと目標圧力Ptargetとの偏差(以下、圧力偏差P)の積分項Iを含む第1の式を用いて送液流量の操作量QTCを計算する制御である。第2定圧制御は、積分項Iを含まないか、含んでいても計算結果に対する積分項Iの寄与度が第1の式よりも小さい第2の式を用いて送液流量の操作量QTCを計算する制御である。
なお、この実施例では、2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって第1定圧制御区間の後に連続する区間のみを第2定圧制御区間としているが、第1定圧制御区間の前に連続する区間も第2定圧制御区間に含めてもよい。これにより、第2予圧行程でポンプ室84A内の圧力がシステム圧力よりも高くなり、システム圧力に正の脈動が生じてしまうような場合においても、第1定圧制御区間の前に連続する第2定圧制御区間における定圧制御によって、正の脈動が抑制される効果が得られる。
目標流量設定部16は、定圧制御で用いられる目標圧力Ptargetを設定するように構成されている。目標圧力Ptargetは、定圧制御区間(第1定圧制御区間及び第2定圧制御区間)の開始直前のシステム圧力であってよい。また、目標圧力Ptargetは、定圧制御区間の開始直前のシステム圧力を基準として、線形的な時間推移の予測を加えて決定されてもよい。このような目標圧力Ptargetの設定方法は、特許文献4にも開示されている。
圧力偏差Pは、次式のように、目標圧力Ptargetとシステム圧力Psysの差として計算される。
=Ptarget-Psys
また、圧力偏差Pから、次式によって積分項Iと微分項Dが誘導される。
Figure 0007088416000002
Figure 0007088416000003
第1定圧制御は、次の第1の式を用いたPID制御とすることができる。
Figure 0007088416000004
一方で、第2定圧制御は次の第2の式を用いたPD制御とすることができる。
QTC = KPPe + TdDe
なお、上記第2の式は積分項を含んでいない、すなわち、操作量QTCに対する積分項の寄与度がゼロである。しかし、第2定圧制御に用いられる第2の式も積分項Iを含んでいてもよい。その場合、第2の式に含まれる積分項Iの寄与度は第1の式の積分項Iの寄与度よりも小さくする。これは、第2の式における積分ゲイン1/Tを第1の式の積分ゲイン1/Tに対して相対的に小さくすることによって実現することができる。また、上記第1の式及び第2の式は微分項Tを含んでいるが、微分項Tは必須ではない。
ここで、Kは比例ゲインである。Tは積分時間であり、1/Tは積分ゲインと呼ばれる。Tは微分時間又は微分ゲインと呼ばれる。これらの係数は定数でもよいし、対象となる送液ポンプ2A又は2Bの動作条件(流量、圧力など)に応じて可変としてもよい。
図2とともに図7のフローチャートを用いて、定圧制御区間における定圧制御について説明する。なお、ここでは送液ポンプ2Aを対象として説明するが、送液ポンプ2Bに対しても同様に適用される。
送液ポンプ2Aの動作状態が定圧制御区間に入ると、目標圧力設定部16は定圧制御区間に入る直前のシステム圧力を基準に目標圧力を設定する(ステップ301)。コントローラ10は、送液ポンプ2Aの制御周期ごとに圧力センサ95Aからシステム圧力Psysを読み取る(ステップ302)。送液制御部14は、読み取ったシステム圧力Psysと目標圧力Ptargetを用いて圧力偏差Pを計算する(ステップ303)。送液制御部14は、送液ポンプ2Aの動作状態が第1定圧制御区間にある場合には、第1の式を用いて送液流量の操作量QTCを計算し(ステップ304、305)、送液ポンプ2Aの動作状態が第2定圧制御区間にある場合には、第2の式を用いて送液流量の操作量QTCを計算する(ステップ304、306)。そして、送液制御部14は、送液ポンプ2Aの1次プランジャポンプ8Aと2次プランジャポンプ9Aの合成流量を計算された操作量QTCだけ増減させるように、1次プランジャ81A及び/又は2次プランジャ91Aの動作速度を調節する(ステップ307)。
図8は、定圧制御による圧力変動の抑制効果の検証結果を示すシステム圧力データである。この検証では、第1定圧制御区間において第1の式を用いた第1定圧制御(PID制御)を実行し、第2定圧制御区間において第2の式を用いた第2定圧制御(PD制御)を実行した場合(実施例1)と、第1定圧制御区間及び第2定圧制御区間の両方において第1の式を用いた第1定圧制御(PID制御)を実行した場合(比較例)とで、システム圧力の変動具合について比較した。
図8の実施例1と比較例を比較すると、第1定圧制御区間(1次吐出行程)の後に連続する第2定圧制御区間において、圧力偏差が比較例よりも実施例1のほうが小さいことがわかる。この理由は以下のように説明される。
このフィードバックグループ系における主な外乱要因は、熱効果による流量欠損である。流量欠損は、送液ポンプ2A又は2Bが1次吐出行程にある間は持続する。そのため、図8の実施例1及び比較例の両波形において、1次吐出行程(第1定圧制御区間)の開始とともに圧力の低下が観測される。その後、積分時間T程度の時間が経過すると、積分項Iの寄与度が大きくなり、システム圧力の回復が観測される。
送液ポンプ2A又は2Bの動作が1次吐出行程から1次プランジャポンプ8A又は8Bの吸入行程に遷移すると、外乱要因である流量欠損が収束する。このとき、比較例のようにPID制御を続行していると、操作量QTCへの積分項Iの寄与が持続するため、圧力のオーバーシュートが発生する。一方で、実施例1では、1次吐出行程から1次プランジャポンプ8A又は8Bの吸入行程に遷移したときに積分項Iが無効化されてPD制御に移行するため、比較例で観測されたオーバーシュートが抑制される。このように、第2定圧制御区間での定圧制御における積分項Iの寄与度を第1定圧制御区間での定圧制御における積分項Iの寄与度よりも小さくすることで、システム圧力の変動を抑制することができる。
ところで、PID制御(若しくは、PI制御)では、送液周期ごとに積分項Iがゼロに初期化されることが一般的である。しかし、熱効果によるシステム圧力の変動は周期的であるため、圧力偏差Pは送液周期によって大きく変動するものではない。そこで、前の送液周期の定圧制御区間での定圧制御の積分項Iを、少なくとも部分的に、次の送液周期の定圧制御区間での定圧制御の積分項Iの初期値として引き継ぐようにしてもよい。すなわち、図9に示されているように、コントローラ10に、定圧制御区間における積分項Iの最終値を記憶する積分項最終値記憶部18を備えさせ、送液制御部14に、積分項最終値記憶部18に記憶された前の送液周期の定圧制御区間における積分項Iの最終値の少なくとも一部(例えば、50%、100%など)を、次の送液周期の定圧制御区間における積分項Iの初期値として使用させてもよい。
また、第1の式における積分ゲインは、第1定圧制御区間において必ずしも一定である必要はない。すなわち、第1の式を次式のように成形係数Aを備えたものとしてもよい。
Figure 0007088416000005
上記第1の式の成形係数Aは、図10に示されているように、対象となる送液ポンプ2A又は2Bの1次プランジャ81A又は81Bの第1吐出行程における動作速度に比例して0~1の間で変化するように設定することができる。送液流量の欠損量QTCは、1次吐出行程中における1次プランジャの動作速度にほぼ比例して変動するため、第1の式における積分項Iの寄与度も1次プランジャの動作速度に比例させることで、より高精度な定圧制御が実現できる。
図11は、第1定圧制御において成形係数Aを含んだ第1の式を用いるとともに、第1定圧制御の積分項Iの初期値として、前の送液周期における第1定圧制御の積分項Iの最終値の一部を用いたことによるシステム圧力の変動の抑制効果の検証結果を示している。図11の実施例2では、第1定圧制御区間において成形係数Aを含まない第1の式を用いてPID制御を行ない、送液周期ごとに積分項Iをゼロに初期化している。一方、実施例3では、第1定圧制御区間において成形係数Aを含む第1の式を用いてPID制御を行ない、かつ、そのPID制御の積分項Iの初期値として、前の送液周期の第1定圧制御区間の積分項Iの最終値の一部(50%)を用いている。第2定圧制御区間では、実施例2及び3の両方において、積分項Iを含まない第2の式を用いたPD制御を行なっている。
図11の実施例2及び実施例3の波形を比較すれば、PID制御の積分項Iに成形係数Aを積算し、かつ、前の送液周期の第1定圧制御区間の積分項Iの最終値を次の送液周期の定圧制御における積分項Iの初期値に利用することで、第1定圧制御区間(1次吐出行程)の前半における圧力偏差が改善していることがわかる。この理由は以下のように説明される。
先に述べたように、実施例2では、送液周期ごとに積分項Iをゼロに初期化している。そのため、積分時間T程度の時間が経過するまでは(操作量QTCへの積分項Iの寄与度が大きくなるまでは)、システム圧力の回復が遅れることになる。一方、1次吐出行程が終了する時点においては、操作量QTCの計算式のうち積分項Iの寄与が支配的となる。すなわち、積分項Iは、外乱要因である流量欠損の大きさに関する情報を有している。流量欠損は周期的に再現するので、図11の実施例3のように、積分項Iを少なくとも部分的に引き継ぎ、さらに成形係数を積分項Iに積算することで、1次吐出行程の開始直後から積分項Iを有効に寄与させることができ、1次吐出行程の開始直後のシステム圧力の落ち込みを抑制することができる。
以上において説明した実施例は、本発明に係る送液ポンプ及び液体クロマトグラフの実施形態の一例を示しているに過ぎない。本発明に係る送液ポンプ及び液体クロマトグラフの実施形態は以下の通りである。
本発明に係る送液ポンプの実施形態では、1次プランジャポンプと、前記1次プランジャポンプの下流に直列に流体接続された2次プランジャポンプと、前記2次プランジャポンプの出口から送出される移動相の圧力をシステム圧力として検出する圧力センサと、を備え、前記1次プランジャポンプが吐出動作を行なう1次吐出行程と前記2次プランジャポンプが吐出動作を行なう2次吐出行程を交互に連続的に実行する送液ポンプであって、前記送液ポンプは、前記1次吐出行程及び前記2次吐出行程からなる送液周期のうち、前記1次吐出行程が実行される区間を第1定圧制御区間、前記2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって前記第1定圧制御区間の後に連続する区間を含む区間を第2定圧制御区間とし、前記第1定圧制御区間において第1定圧制御を実行し、前記第2定圧制御区間において第2定圧制御を実行するように構成された送液制御部と、前記2次吐出行程が実行される区間のうち前記第2定圧制御区間以外の区間における前記システム圧力を基準に前記第1定圧制御及び前記第2定圧制御のための目標圧力を設定するように構成された目標圧力設定部と、を備え、前記第1定圧制御は、前記1次プランジャポンプの吐出流量から前記2次プランジャポンプの吸入流量を差し引いた流量である合成流量の操作量を第1の式を用いて計算し、計算した前記操作量だけ前記合成流量を増減させるように前記1次プランジャポンプ及び/又は前記2次プランジャポンプの動作速度を調節する制御であり、前記第2定圧制御は、前記2次プランジャポンプの吐出流量の操作量を第2の式を用いて計算し、計算した前記操作量だけ前記2次プランジャポンプの吐出流量を増減させるように前記2次プランジャポンプの動作速度を調節する制御であり、前記第1の式は、前記目標圧力と前記システム圧力との差である圧力偏差の比例項及び積分項を少なくとも含んでおり、前記第2の式は、前記圧力偏差の比例項を少なくとも含み、かつ、前記圧力偏差の積分項の寄与度が前記第1の式よりも小さい。
本発明に係る送液ポンプの上記実施形態の第1態様では、前記第2の式における前記積分項の寄与度はゼロである。このような態様により、熱効果による送液流量の欠損が発生しない前記1次吐出行程以外の区間において積分項の寄与がなくなり、積分項の寄与によるシステム圧力のオーバーシュートを抑制することができる。
本発明に係る送液ポンプの上記実施形態の第2態様では、前記第1の式及び前記第2の式は前記圧力偏差の微分項を含んでいる。このような態様では、前記第1定圧制御はPID制御となり、前記第2定圧制御はPD制御となる。
本発明に係る送液ポンプの上記実施形態の第3態様では、前記第1の式は前記積分項に乗じられる成形係数を含み、前記成形係数は前記1次プランジャポンプのプランジャの動作速度に比例して0~1の間で変化する。送液流量の欠損量は、1次吐出行程中における前記1次プランジャポンプのプランジャの動作速度に連動して変動するため、第1の式における積分項の寄与度もプランジャの動作速度に連動させることで、より高精度な定圧制御が実現できる。
本発明に係る送液ポンプの上記実施形態の第4態様では、前記第2定圧制御区間は、前記第1定圧制御区間の前に連続した区間を含む。前記1次吐出行程に先立って実施される予圧行程で前記1次プランジャポンプのポンプ室内の圧力がシステム圧力よりも高くなり、システム圧力に正の脈動を発生させる場合がある。そのような場合にも、第1定圧制御区間の前に連続する区間において第2の定圧制御を実施することで、正の脈動を抑制することができる。
本発明に係る送液ポンプの上記実施形態の第5態様では、前記第1定圧制御区間及び前記第2定圧制御区間からなる連続した定圧制御区間における前記積分項の最終値を次の前記送液周期の前記定圧制御区間の開始時点まで記憶するように構成された積分項最終値記憶部をさらに備え、前記送液制御部は、前記積分項最終値記憶部に記憶された前記最終値を少なくとも部分的に次の前記送液周期の前記積分項の初期値として前記操作量の計算に用いるように構成されている。流量欠損は周期的に再現するので、前の送液周期の積分項を少なくとも部分的に引き継ぐことで、次の送液周期の1次吐出行程の開始直後から積分項を有効に寄与させることができ、1次吐出行程の開始直後のシステム圧力の落ち込みを抑制することができる。
本発明に係る液体クロマトグラフの実施形態では、試料を個々の成分に分離するための分離カラムと、前記分離カラムに通じる分析流路と、前記分析流路中で移動相を送液するための上述の送液ポンプと、前記分離カラムの上流において、前記分析流路を流れる移動相中に試料を注入する試料注入部と、前記分離カラムの下流に流体接続され、前記分離カラムにおいて分離された試料成分を検出するための検出器と、を備えている。
1 バイナリポンプ
2A,2B 送液ポンプ
4 切替バルブ
6A,6B 流路
8A,8B 1次プランジャポンプ
9A,9B 2次プランジャポンプ
10 コントローラ
12 動作状態認識部
14 送液制御部
16 目標圧力設定部
18 積分項最終値記憶部
81A,81B 1次プランジャ
82A,82B,92A,92B モータ
83A,83B,93A,93B チェック弁
84A,84B,94A,94B ポンプ室
85A,85B,95A,95B 圧力センサ
100 分析流路
102 ミキサ
104 試料注入部
106 分離カラム
108 検出器

Claims (7)

  1. 1次プランジャポンプと、
    前記1次プランジャポンプの下流に直列に流体接続された2次プランジャポンプと、
    前記2次プランジャポンプの出口から送出される移動相の圧力をシステム圧力として検出する圧力センサと、を備え、前記1次プランジャポンプが吐出動作を行なう1次吐出行程と前記2次プランジャポンプが吐出動作を行なう2次吐出行程を交互に連続的に実行する送液ポンプであって、
    前記送液ポンプは、
    前記1次吐出行程及び前記2次吐出行程からなる送液周期のうち、前記1次吐出行程が実行される区間を第1定圧制御区間、前記2次吐出行程が実行される区間のうちの一部の区間であって前記第1定圧制御区間の後に連続する区間を含む区間を第2定圧制御区間とし、前記第1定圧制御区間において第1定圧制御を実行し、前記第2定圧制御区間において第2定圧制御を実行するように構成された送液制御部と、
    前記2次吐出行程が実行される区間のうち前記第2定圧制御区間以外の区間における前記システム圧力を基準に前記第1定圧制御及び前記第2定圧制御のための目標圧力を設定するように構成された目標圧力設定部と、を備え、
    前記第1定圧制御は、前記1次プランジャポンプの吐出流量から前記2次プランジャポンプの吸入流量を差し引いた流量である合成流量の操作量を第1の式を用いて計算し、計算した前記操作量だけ前記合成流量を増減させるように前記1次プランジャポンプ及び/又は前記2次プランジャポンプの動作速度を調節する制御であり、
    前記第2定圧制御は、前記2次プランジャポンプの吐出流量の操作量を第2の式を用いて計算し、計算した前記操作量だけ前記2次プランジャポンプの吐出流量を増減させるように前記2次プランジャポンプの動作速度を調節する制御であり、
    前記第1の式は、前記目標圧力と前記システム圧力との差である圧力偏差の比例項及び積分項を少なくとも含んでおり、
    前記第2の式は、前記圧力偏差の比例項を少なくとも含み、かつ、前記圧力偏差の積分項の寄与度が前記第1の式よりも小さい、送液ポンプ。
  2. 前記第2の式における前記積分項の寄与度はゼロである、請求項1に記載の送液ポンプ。
  3. 前記第1の式及び前記第2の式は前記圧力偏差の微分項を含んでいる、請求項1に記載の送液ポンプ。
  4. 前記第1の式は前記積分項に乗じられる成形係数を含み、
    前記成形係数は前記1次プランジャポンプのプランジャの動作速度に比例して0~1の間で変化する、請求項1に記載の送液ポンプ。
  5. 前記第2定圧制御区間は、前記第1定圧制御区間の前に連続した区間を含む、請求項1に記載の送液ポンプ。
  6. 前記第1定圧制御区間及び前記第2定圧制御区間からなる連続した定圧制御区間における前記積分項の最終値を次の前記送液周期の前記定圧制御区間の開始時点まで記憶するように構成された積分項最終値記憶部をさらに備え、
    前記送液制御部は、前記積分項最終値記憶部に記憶された前記最終値を少なくとも部分的に次の前記送液周期の前記積分項の初期値として前記操作量の計算に用いるように構成されている、請求項1に記載の送液ポンプ。
  7. 試料を個々の成分に分離するための分離カラムと、
    前記分離カラムに通じる分析流路と、
    前記分析流路中で移動相を送液するための請求項1に記載の送液ポンプと、
    前記分離カラムの上流において、前記分析流路を流れる移動相中に試料を注入する試料注入部と、
    前記分離カラムの下流に流体接続され、前記分離カラムにおいて分離された試料成分を検出するための検出器と、を備えた液体クロマトグラフ。
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