JP7085369B2 - 持出し梁を有する門型架構 - Google Patents

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Description

本発明は、持出し梁を有する門型架構に関する。
例えば鉄骨造の軸組構法住宅において、角形鋼管等からなる柱と形鋼等からなる梁が一次部材として相互に剛接続されてラーメン架構を形成し、このラーメン架構にて構面が形成される構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、例えば多雪地域や都市部においては、住宅の一つの構面(鉛直構面)から持出し梁を持出し、持出し梁の上下にバルコニー等のキャンチルームとガレージが形成された住宅が施工される場合があり、このようなガレージはビルドインガレージと称されている。多雪地域においては、車両を積雪等から防護するとともに居室から車両へ風雨に晒されることなくアクセスを可能にすること、都市部においては限られた建設敷地面積の中でガレージとバルコニーの双方を確保すること、などが上記形態の住宅施工に対する要請理由の一つである。
平屋建て住宅~3階建て住宅といった一般の鉄骨造の住宅の施工においては、柱と梁を中ボルトで繋ぐことにより軸組架構が形成されている。このような一般の住宅に対して、上記するようなバルコニー等を階上に備えたガレージを建設する場合、ガレージの階上(バルコニー等の床)を支持する持出し梁が鉛直構面を形成する梁や柱から持出されるようにして施工される。このような持出し梁を鉛直構面から持出す場合、鉛直構面を形成する梁や柱に対して持出し梁を剛接続する必要があることから、例えば、鉛直構面を形成する控え梁等と持出し梁を高力ボルトや溶接にて剛接続する方法が適用され得る。
しかしながら、一般の住宅の施工では、上記するように部材同士の現場接続が中ボルトにて行われることから、一部の接続箇所にのみ高力ボルトを使用した施工を行うと、中ボルトによる接続の際には不要であった摩擦面処理やトルク管理等が付加されることから、施工性が著しく低下する。また、溶接による部材同士の接続も一般住宅の現場施工では一般に行われないことから、一部の接続箇所にのみ溶接を実施することは、高力ボルトを使用する場合と同様に施工性を大きく低下させる要因となり得る。
また、一般住宅の施工において使用される中ボルトは、メッキ処理等によってその耐食性が保証されているが、高力ボルトは摩擦接続継手であることから中ボルトのようにメッキ処理を施し難いといった課題もある。
特開平11-131663号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、鉄骨造の住宅に対してビルドインガレージ等の張出し構造が施工される場合において、施工現場における主たる部材同士の接続箇所の中に、高力ボルトや溶接による接続を要する剛接続箇所がなく、従って良好な施工性が得られる持出し梁を有する門型架構を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による持出し梁を有する門型架構の一態様は、
二つの梯子型耐力壁架構と、二つの該梯子型耐力壁架構に接続される門型架構用梁と、を有する門型架構と、
前記梯子型耐力壁架構から持出される持出し梁と、を有し、
前記梯子型耐力壁架構は、
相互に平行な二本の金属製の縦材であって、前記門型架構の内側にある第一縦材、及び、前記門型架構の外側にある第二縦材と、を含む縦材と、
二本の前記縦材間において該縦材の長手方向に間隔を置いて配設され、それぞれの該縦材に接続されている複数の横材と、を有しており、
前記門型架構用梁は前記第一縦材にピン接続されており、
前記持出し梁は前記第二縦材にピン接続されており、該持出し梁の側面に前記門型架構用梁の端部がピン接続されていることを特徴とする。
本態様によれば、持出し梁を有する門型架構の施工において、施工現場における主たる部材の接続箇所がいずれもピン接続されることにより、高力ボルトや溶接による部材の接続を不要にでき、良好な施工性が得られる。ここで、持出し梁を有する門型架構の用途としては、この門型架構が例えばガレージ(ビルドインガレージ)の出入り口開口を形成する架構であり、この門型架構に対して、その前後に連続した持出し梁が延びている形態が挙げられる。すなわち、門型架構に対して、持出し梁は所謂持出し梁勝ちの態様でピン接続され、ガレージ等の階上に形成されるバルコニーや居室などを支持する支持梁となる。持出し梁は、門型架構に対してピン接続されるとともに、その端部は、住宅の鉛直構面を形成する例えば控え梁等にピン接続される。また、店舗兼住宅の建物においては、門型架構が店舗の出入り口開口を形成し、持出し梁が店舗上に形成される住宅の居室やバルコニー等に供されてもよい。ここで、「ピン接続」とは、接続部における部材相互の回転が許容され、接続部に曲げモーメントが発生しない(として設計することが可能な)接続を意味する。これに対して、「剛接続」とは、接続部において部材間のなす角度が外力が作用した際にも実質的に変化せず、接続部に曲げモーメントが発生する(として設計される)接続を意味する。接続部における部材間のなす角度が外力作用時においても変化しない接続形態としては、複数の高力ボルトによる接続や、開先溶接等の溶接による接続が挙げられる。
門型架構を形成する柱と梁(門型架構用梁)を、通常のラーメン架構のように剛接続ではなくてピン接続するべく、本態様では、梯子型耐力壁架構からなる柱を適用する。梯子型耐力壁架構は、二本の縦材と、縦材間において上下方向に間隔を置いて配設された複数の横材とを有している。梯子型耐力壁架構では、通常一般の地震ではなくて大地震時の水平力が作用した際に、横材が先行して降伏するように各構成部材が設定されている。このように横材を先行降伏させることにより、大地震時において二本の縦材は初期の剛性を維持することができ、住宅の崩壊を解消することを可能にしている。なお、縦材間において上下方向に間隔を置いて配設される横材は、綴り材と称することもできる。例えば角形鋼管等から縦材を形成し、角形鋼管等よりも剛性の低い形鋼鋼等の形鋼材にて横材を形成してもよい。さらに、この横材において、せん断降伏誘発用の孔を開設しておくことにより、横材の先行降伏を促進させるようにしてもよい。また、各種のダンパーを横材に適用してもよい。
2つの梯子型耐力壁架構と、門型架構用梁とを相互にピン接続してなる門型架構は、部材同士がピン接続された架構ではあるものの、大地震時の繰り返し荷重を受けた際の変位-荷重の履歴ループは、梁と柱が剛接合されて形成されるラーメン架構のように紡錘型の履歴ループを描くこと、言い換えれば、ラーメン架構と同様のエネルギー吸収性能を有することが本発明者等によって特定されている。
梯子型耐力壁架構を形成する第一縦材と門型架構用梁の間のピン接続、梯子型耐力壁架構を形成する第二縦材と持出し梁の間のピン接続、及び、門型架構用梁の端部と持出し梁の間のピン接続はいずれも、例えば一般住宅の現場施工の際に一般に適用されている、中ボルトによるプレート同士の接続方法にて実現できる。また、その他、万力のように2つのプレートを挟み込んで固定する接続治具などが適用されてもよい。持出し梁を有する門型架構であっても、施工現場において主たる部材同士の接続が全てピン接続にて行われることにより、高力ボルトや溶接によって持出し梁を剛接続する施工が不要になる。なお、持出し梁と門型架構用梁がともにH形鋼等の形鋼材から形成される場合、双方の梁は強軸方向が直交するようにして相互にピン接続されることになるが、門型架構用梁の端部と持出し梁の側面の双方にエンドプレートを固定しておき、双方のエンドプレート同士を中ボルト等でピン接続することができる。
また、本発明による持出し梁を有する門型架構の他の態様において、前記門型架構用梁の端部には、該門型架構用梁の一般部の梁成よりも低い高さを有し、かつ上端レベルが該一般部と同じレベルにある、金属製の段差部が設けられ、
前記段差部が前記第一縦材の上に載置されて該第一縦材にピン接続されるとともに、該段差部の端部が前記持出し梁にピン接続されており、
前記持出し梁と前記門型架構用梁のそれぞれの上端レベルが同じレベルであることを特徴とする。
本態様によれば、広幅のガレージ開口等に対応するべく門型架構用梁のスパンが長くなり、相応の曲げ耐力を有するべく、門型架構用梁の梁成が高くなった場合において、門型架構用梁の全長に亘ってその上端レベルを揃えた状態で、左右の梯子型耐力壁架構に架設することができる。この架設状態においては、門型架構用梁と持出し梁の双方の上端レベルも同じレベルに揃えることができる。従って、門型架構用梁の上端レベルを、例えば持出し梁がピン接続される住宅の鉛直構面内の控え梁等とも同じレベルに揃えることができ、持出し梁が持出される住宅の鉛直構面の梁と、この梁にピン接続される持出し梁と、この持出し梁にピン接続される門型架構用梁を、全て同じレベルに揃えることができる。
ここで、金属製の段差部は、例えば角形鋼管等から形成することができる。工場等において、門型架構用梁の端部に固定されているエンドプレートに対して段差部を形成する角形鋼管を固定して門型架構用梁を製作し、これを現場にて建て付けられた梯子型耐力壁架構の第一縦材に対して中ボルト等を介して接続することができる。
また、本発明による持出し梁を有する門型架構の他の態様は、前記第二縦材よりも前記第一縦材の高さが低く、前記門型架構用梁が前記第一縦材の上に載置されて該第一縦材にピン接続されるとともに、該門型架構用梁の端部が前記持出し梁にピン接続されており、
前記持出し梁と前記門型架構用梁のそれぞれの上端レベルが同じレベルであることを特徴とする。
本態様でも、門型架構用梁のスパンが長くなり、それに応じて門型架構用梁の梁成が高くなった場合において、門型架構用梁の全長に亘ってその上端レベルを同じレベルに揃えた状態で梯子型耐力壁架構に架設することができ、持出し梁の上端レベルとも同じレベルに揃えることができる。本態様では、梯子型耐力壁架構を形成する第一縦材と第二縦材の高さを調整することにより、門型架構用梁の端部に段差部を設けることなく、全長に亘って同じ梁成の門型架構用梁を用いて門型架構を形成することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の持出し梁を有する門型架構によれば、鉄骨造の住宅に対してビルドインガレージ等の張出し構造が施工される場合において、施工現場における主たる部材同士の接続箇所の中に、高力ボルトや溶接による接続を要する剛接続箇所がなく、従って、良好な施工性が得られる持出し梁を有する門型架構を提供することができる。
実施形態に係る持出し梁を有する門型架構を含む住宅の一例を示す斜視図である。 実施形態に係る持出し梁を有する門型架構のモデルを住宅の鉛直構面のモデルとともに示した図である。 第1の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構の一部を示す正面図である。 (a)、(b)はともに横材の実施形態を示す斜視図である。 第2の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構の一部を示す正面図である。 第3の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構の一部を示す正面図である。
以下、実施形態に係る持出し梁を有する門型架構について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態]
<住宅の一例>
はじめに、図1を参照して、実施形態に係る持出し梁を有する門型架構を含む住宅の一例について説明する。図1は、実施形態に係る持出し梁を有する門型架構を含む住宅の一例を示す斜視図である。図1に示す住宅100は、軽量鉄骨等を用いた2階建て住宅であり、複数の居室を有する住宅の一般部30に対して、その正面側の側面においてビルドイン形式のガレージ10が接続された住宅である。なお、図示例の住宅100は、陸屋根を有する2階建て住宅であるが、屋根形式や住宅の外観形状は様々な形態のものが適用でき、主として、平屋建て~3階建ての鉄骨造の一般住宅が対象である。
ガレージ10は正面に出入り開口11を有し、図示例のように電動式シャッターが昇降することにより、車両の出入りが行われる。また、ガレージ10の階上にはバルコニー20があり、二階の掃出し窓からバルコニーへアクセス自在となっている。このように、図示例の住宅100では、住宅の一般部30の前面に、バルコニー20を階上に備えたガレージ10が接続された形態である。なお、ガレージ10の階上にはバルコニー20に代わって居室が住宅の一般部30から延びていてもよいし、ガレージ10に代わって店舗が設けられてもよい。
ガレージ10の出入り開口11を形成する門型架構と、この門型架構に接続されてバルコニー20の床面を支持する持出し梁からなる、持出し梁を有する門型架構が、図1に示す「対象エリア」の架構となる。以下、複数の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構について説明する。
[第1の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構]
次に、図2乃至図4を参照して、第1の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構について説明する。ここで、図2は、実施形態に係る持出し梁を有する門型架構のモデルを住宅の鉛直構面のモデルとともに示した図であり、図3は、第1の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構の一部を示す正面図である。なお、図3は、門型架構用梁の左側のみを示しているが、右側の構成は図示する左側の構成と同様であり、このことは、他の実施形態を示す図5,6にも当てはまる。
図2に示すモデル図のうち、住宅の一般部のモデル図については、持出し梁80がピン接続される前面の鉛直構面を主として示している。図2に示すモデル図では、梁や柱といった部材が他の部材に対してピン接続される場合に、ピン接続される側の部材のビームモデルの先端にピン接続を示す円モデルを繋いで示している。
ガレージの出入り開口を形成する門型架構70は、左右の梯子型耐力壁架構50と、これらの梯子型耐力壁架構50の上端に架設された門型架構用梁60とを有する。梯子型耐力壁架構50は、二本の縦材51,52と、これら二本の縦材51,52間において上下に間隔を置いて配設された複数の横材53とを有する。
第一縦材51は門型架構70の内側に位置し、第二縦材52は門型架構70の外側に位置する。縦材51,52はいずれも角形鋼管から形成される。一方、縦材51,52に対して上下方向に間隔を置いて配設され、接続される横材53は、角形鋼管よりも低剛性の溝形鋼から形成される。なお、これらの角形鋼管や溝形鋼の組み合わせは一例であり、縦材51,52に比べて横材53の剛性が低くなる組み合わせであれば、円形鋼管とH形鋼の組み合わせなど、様々な組み合わせ形態があり得る。図3に示すように、縦材51,52に対して金属製の当て板54が溶接等で接続され、この当て板54に対して横材53の端面が溶接等で接続される。
このように、縦材51,52よりも低剛性の複数の横材53を縦材51,52の間に配設した構成により、大地震時に過度の水平力が門型架構70に作用した際に、梯子型耐力壁架構50の縦材51,52や門型架構用梁60ではなくて、各横材53を先行して降伏させることができる。そのため、大地震時においても、縦材51,52は初期の剛性を維持することができ、縦材51,52による上部荷重の支持能力を維持しながら、門型架構70の崩壊を解消することができ、大地震後においても、安全に住宅100の補修を行うことができる。そして、綴り材である横材53の塑性変形は、基本的には面内変形が支配的となり得ることから、横材53の塑性変形によってガレージ等の内装材や窯業系パネル等からなる外装材への影響も少ない。すなわち、大地震後は、塑性変形した横材53を取り換えるのみの補修にて、門型架構70の復旧を図ることが可能になる。梯子型耐力壁架構50は、工場にて製作され、現場に搬送されて建込まれる部材であり、建込みの後、門型架構用梁60と現場にてピン接続される。
梯子型耐力壁架構50の幅Bは、1P(1Pはモジュール幅を示し、例えば910mm)の幅の他、門型架構70の開口自由度を高めるべく、0.5P幅や0.25P幅など、多様な幅の形態が適用できる。
第一縦材51と第二縦材52はいずれも、上端にエンドプレート55が溶接等で接続されており、この溶接加工は工場にて行われる。門型架構用梁60はH形鋼等の形鋼材から形成される。第一縦材51の上端に門型架構用梁60が載置され、門型架構用梁60の下方のフランジと第一縦材51のエンドプレート55とが複数の中ボルト90にてピン接続される。
一方、門型架構70に接続される持出し梁80もH形鋼等の形鋼材から形成され、図2のモデル図に示すように、連続した持出し梁80に対して門型架構70が接続される、所謂持出し梁勝ちの形態で持出し梁80と門型架構70が接続される。図3に示すように、持出し梁80のうち、門型架構用梁60が接続される側方箇所にはエンドプレート81が溶接等で接続されている。梯子型耐力壁架構50の第二縦材52の上端のエンドプレート55に持出し梁80が載置され、持出し梁80の下方のフランジと第二縦材52のエンドプレート55とが複数の中ボルト90にてピン接続される。
さらに、持出し梁80のエンドプレート81と門型架構用梁60の端部のエンドプレート61も、複数の中ボルト92にてピン接続される。
このように、持出し梁を有する門型架構200を構成する主たる構成部材同士の現場における接続は、全て中ボルトを用いた一般住宅の施工の際の標準的なボルト接続にて行われる。高力ボルトや溶接にて部材同士を接続するものでなく、各接続箇所において、例えば4本乃至6本程度の中ボルトにて部材同士を接続することから、係る接続態様はピン接続に含めるのが妥当である。このように、主たる構成部材同士の現場における接続が全て中ボルトを用いた接続となることにより、良好な施工性が得られる。
図3に示す持出し梁を有する門型架構200では、梯子型耐力壁架構50を形成する二本の縦材51,52は同じ長さを有し、持出し梁80と門型架構用梁60の梁成も同じである(梁成h1)。そして、図2に示すように、持出し梁80の住宅側の端部は、住宅の一般部の鉛直構面を形成する柱や梁にピン接続される。
また、梯子型耐力壁架構50を用いて門型架構70を形成することにより、梯子型耐力壁架構50と門型架構用梁60の接続をピン接続としながら、柱と梁が剛接続されて形成されるラーメン架構と同様のエネルギー吸収性能を有する門型架構が得られる。
図3においては、各縦材51,52と基礎との接続構成を省略している。コンクリートからなる基礎の天端から上方に複数のアンカーボルトが突設し、縦材51,52の各柱脚を形成する不図示のベースプレート等にアンカーボルトが挿通され、ナット締めされることにより、基礎に対する縦材51,52の固定が現場にて行われる。
図2に示すように、図示例においては、住宅の一般部の鉛直構面においても、複数の梯子型耐力壁架構50と、梯子型耐力壁架構50間に架設された門型架構用梁60とを有する門型架構を基本骨格としている。上記するように、梯子型耐力壁架構50は、1P幅乃至0.25P幅など、多様な幅の耐力壁が適用できることから、住宅一般部の開口自由度を高めることが可能になる。なお、住宅一般部の構面が、梯子型耐力壁架構50以外の耐力壁、例えばブレスを有する耐力壁を備えていてもよい。
次に、図4(a)、(b)を参照して、横材の他の実施形態について説明する。図4(a)、(b)はともに、横材の実施形態を示す斜視図であり、図4(a)にのみ、横材の一方側にある縦材52を図示している。図3に示す横材53は、縦材51,52を形成する角形鋼管よりも低剛性の溝形鋼が適用されているが、図4(a)に示す横材53Aも、溝形鋼から形成される点において共通する。図4(a)に示す横材53Aは、溝形鋼のうち、縦材と接続される左右の端部側にそれぞれ複数の孔53aを有している。この孔は、大地震時において横材53Aが先行してせん断降伏するのを誘発するための孔であり、横材53Aの先行降伏を促進させることができる。溝形鋼に対する孔53aの数や配置態様、孔の形状(図示例は円形)などは、適宜設定することができる。
一方、図4(b)に示す横材53Bは、横材53Bの長手方向に直交する断面の形状がΣ型の鋼材からなる。このΣ型の鋼材は、中央に斜材(鉛直材と水平材の中間材)を有していることから、この斜材が、鉛直材の備える鉛直支持性能と、水平材の備える水平方向への変形性能の双方の性能を有することになる。そのため、大地震時の過大な水平力に対して強さとしなやかさで地震エネルギーを効果的に吸収することができる。また、図示を省略するが、横材には、粘弾性ダンパーや粘性ダンパー、弾塑性ダンパーなど、各種のダンパーが適用されてもよい。
[第2の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構]
次に、図5を参照して、第2の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構について説明する。ここで、図5は、第2の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構の一部を示す正面図である。図5に示す持出し梁を有する門型架構200Aは、広幅のガレージ開口等に対応するべく、スパンの長い門型架構用梁60'を有する門型架構である。門型架構用梁60'のスパンが長いことから、相応の曲げ耐力を有する必要があり、門型架構用梁60'の梁成が高くなる(図3に示す門型架構用梁60の梁成h1よりも高い梁成h2)。
図示例の門型架構用梁60Aは、梁成の高い門型架構用梁の一般部60'の両端部において、高さが一般部60'よりも低くて上端レベルが一般部60'と同じ段差部65を有している。段差部65は、高さが持出し梁80と等しい(高さh1)角形鋼管から形成され、必要に応じて内ダイアフラムのように鋼管内部が金属プレートにて補強されていてもよい。
門型架構用梁の一般部60'はH形鋼等の形鋼材から形成され、その端部にエンドプレート61が溶接等にて接続され、このエンドプレート61と段差部65を形成する角形鋼管が溶接等で接続される。この門型架構用梁60Aも、工場にて製作されたものが現場に搬送され、建て込まれた梯子型耐力壁架構50に対して中ボルトを用いてピン接続される。
図5に示すように、両端に一般部60'よりも高さの相対的に低い段差部65を備えた門型架構用梁60Aを適用することにより、広幅のガレージ開口等に対応するべくスパンが長くなり、そのために一般部60'の梁成が高くなった場合においても、門型架構用梁60Aの全長に亘ってその上端レベルを揃えた状態で、左右の梯子型耐力壁架構50に架設することができる。この架設状態においては、門型架構用梁60Aと持出し梁80の双方の上端レベルも同じレベルに揃えることができる。従って、門型架構用梁60Aの上端レベルを、持出し梁80がピン接続される住宅の鉛直構面内の控え梁等とも同じレベルに揃えることができ、持出し梁80が持出される住宅の鉛直構面の梁と、この梁にピン接続される持出し梁80と、この持出し梁80にピン接続される門型架構用梁60Aを、全て同じレベルに揃えることができる。
[第3の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構]
次に、図6を参照して、第3の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構について説明する。ここで、図6は、第3の実施形態に係る持出し梁を有する門型架構の一部を示す正面図である。図6に示す持出し梁を有する門型架構200Bは、持出し梁を有する門型架構200Aと同様に、広幅のガレージ開口等に対応するべく、スパンの長い門型架構用梁60Bを有する門型架構である。
図示例では、第二縦材52よりも高さの低い第一縦材51Aを有する梯子型耐力壁架構50Aを適用する。梁成が高い(梁成h2)門型架構用梁60Bは、第一縦材51Aの上に載置されて第一縦材51Aにピン接続され、さらにその端部は門型架構用梁60Bよりも高さの低い(高さh1)持出し梁80の側方のエンドプレート81にピン接続されることにより、持出し梁を有する門型架構200Bが形成される。
このように、持出し梁を有する門型架構200Bでは、第二縦材52と第一縦材51Aの高さを調整することにより、持出し梁を有する門型架構200Aのように段差部65を門型架構用梁の端部に設けることなく、門型架構用梁60Bが左右の梯子型耐力壁架構50に架設された状態において、門型架構用梁60Bと持出し梁80の双方の上端レベルを同じレベルに揃えることができる。従って、門型架構用梁60Bの上端レベルを、持出し梁80がピン接続される住宅の鉛直構面内の控え梁等とも同じレベルに揃えることができ、持出し梁80が持出される住宅の鉛直構面の梁と、この梁にピン接続される持出し梁80と、この持出し梁80にピン接続される門型架構用梁60Bを、全て同じレベルに揃えることができる。
なお、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:ガレージ(ビルドインガレージ)、20:バルコニー、30:住宅の一般部、50,50A:梯子型耐力壁架構、51:第一縦材(縦材)、52:第二縦材(縦材)、53,53A,53B:横材、60,60A,60B:門型架構用梁、60':門型架構用梁(の一般部)、65:段差部、70,70A,70B:門型架構、80:持出し梁、90,91,92:中ボルト(ピン接続)、100:住宅、200,200A,200B:持出し梁を有する門型架構

Claims (4)

  1. 持出し梁を有する門型架構であって、
    鉄骨造の二つの梯子型耐力壁架構と、二つの該梯子型耐力壁架構に接続される鉄骨造の門型架構用梁と、を有する門型架構と、
    前記梯子型耐力壁架構から持出される鉄骨造の持出し梁と、を有し、
    前記梯子型耐力壁架構は、
    相互に平行な二本の縦材であって、前記門型架構の内側にある第一縦材、及び、前記門型架構の外側にある第二縦材と、を含む縦材と、
    二本の前記縦材間において該縦材の長手方向に間隔を置いて配設され、それぞれの該縦材に接続されている複数の横材と、を有しており、
    前記門型架構用梁は前記第一縦材にピン接続されており、
    前記持出し梁の下方は前記第二縦材の上端にピン接続されており、該持出し梁の側面に前記門型架構用梁の端部がピン接続されていることを特徴とする、持出し梁を有する門型架構。
  2. 前記門型架構用梁の端部には、該門型架構用梁の一般部の梁成よりも低い高さを有し、かつ上端レベルが該一般部と同じレベルにある、鉄骨造の段差部が設けられ、
    前記段差部が前記第一縦材の上に載置されて該第一縦材にピン接続されるとともに、該段差部の端部が前記持出し梁にピン接続されており、
    前記持出し梁と前記門型架構用梁のそれぞれの上端レベルが同じレベルであることを特徴とする、請求項1に記載の持出し梁を有する門型架構。
  3. 前記第二縦材よりも前記第一縦材の高さが低く、前記門型架構用梁が前記第一縦材の上に載置されて該第一縦材にピン接続されるとともに、該門型架構用梁の端部が前記持出し梁にピン接続されており、
    前記持出し梁と前記門型架構用梁のそれぞれの上端レベルが同じレベルであることを特徴とする、請求項1に記載の持出し梁を有する門型架構。
  4. 前記ピン接続は、接続される二つの鉄骨造のプレート同士が中ボルトで接続されていることにより形成されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の持出し梁を有する門型架構。
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