JP7084560B1 - 液晶表示素子用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、液晶表示素子の製造においては、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、シール剤として特許文献1、特許文献2に開示されているような液晶表示素子用シール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式が用いられている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより枠状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を貼り合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
以下に本発明を詳述する。
上記イオン捕捉剤は、カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物を含む。
上記イオン捕捉剤として上記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物を含有することにより、本発明の液晶表示素子用シール剤は、接着性に優れ、かつ、イオン成分による液晶汚染の発生を防止することができるものとなる。
即ち、カチオン成分については、カルボキシル基と錯体を形成することによって捕捉され、該カチオン成分による液晶汚染が防止されると考えられる。この際に放出されるカチオンは水素イオンであり、系中の水分の平衡に組み込まれることから、放出されるカチオンによる液晶汚染も生じない。更に、アニオン成分については、芳香環の共役により捕捉され、該アニオン成分による液晶汚染が防止されると考えられる。特に、上記カルバゾール骨格を有することにより、複数の芳香環による広いπ共役を有することで電子の安定性が増加し、かつ、液晶への溶解性が低くなることで液晶汚染を防止することができると考えられる。
なお、本明細書において上記「光重合開始基」は、光照射により水素引き抜きや開裂等を行ってラジカル等を発生し、硬化性樹脂の重合反応を促進する基を意味する。
また、シール剤内部でのイオン捕捉剤の運動性を確保する観点から、上記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物の分子量の好ましい上限は2000である。
なお、上記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物の分子量は、分子構造が特定される化合物については、構造式から求められる分子量であるが、重合度の分布が広い化合物及び変性部位が不特定な化合物については、重量平均分子量を用いて表す場合がある。また、本明細書において上記「重量平均分子量」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際に用いるカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル化合物を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、エポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。また、上記(メタ)アクリル化合物は、反応性の観点から1分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するものが好ましい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味し、上記「(メタ)アクリル化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味し、上記「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。また、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。更に、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ化合物中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ビスフェノールF型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER806、jER4004(いずれも三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON EXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’-ジアリルビスフェノールA型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、RE-810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON EXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EP-4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EX-201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER YX-4000H(三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV-50TE(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV-80DE(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EP-4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON HP4032、EPICLON EXA-4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON N-770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON N-670-EXP-S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、EPICLON HP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、NC-3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、ESN-165S(日鉄ケミカル&マテリアル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、jER630(三菱ケミカル社製)、EPICLON 430(DIC社製)、TETRAD-X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、ZX-1542(日鉄ケミカル&マテリアル社製)、EPICLON 726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX-611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、YR-450、YR-207(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル社製)、エポリードPB(ダイセル社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX-147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ化合物のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC-1312、YSLV-80XY、YSLV-90CR(いずれも日鉄ケミカル&マテリアル社製)、XAC4151(旭化成社製)、jER1031、jER1032(いずれも三菱ケミカル社製)、EXA-7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3708、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、EA-1010、EA-1020、EA-5323、EA-5520、EA-CHD、EMA-1020等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシエステルM-600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA等が挙げられる。
上記ナガセケムテックス社製のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、デナコールアクリレートDA-141、デナコールアクリレートDA-314、デナコールアクリレートDA-911等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記二価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記三価のアルコールとしては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等が挙げられる。
上記東亞合成社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、M-1100、M-1200、M-1210、M-1600等が挙げられる。
上記ダイセル・オルネクス社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、EBECRYL210、EBECRYL220、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL1290、EBECRYL2220、EBECRYL4827、EBECRYL4842、EBECRYL4858、EBECRYL5129、EBECRYL6700、EBECRYL8402、EBECRYL8803、EBECRYL8804、EBECRYL8807、EBECRYL9260等が挙げられる。
上記根上工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、アートレジンUN-330、アートレジンSH-500B、アートレジンUN-1200TPK、アートレジンUN-1255、アートレジンUN-3320HB、アートレジンUN-7100、アートレジンUN-9000A、アートレジンUN-9000H等が挙げられる。
上記新中村化学工業社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、U-2HA、U-2PHA、U-3HA、U-4HA、U-6H、U-6HA、U-6LPA、U-10H、U-15HA、U-108、U-108A、U-122A、U-122P、U-324A、U-340A、U-340P、U-1084A、U-2061BA、UA-340P、UA-4000、UA-4100、UA-4200、UA-4400、UA-5201P、UA-7100、UA-7200、UA-W2A等が挙げられる。
上記共栄社化学社製のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、AH-600、AI-600、AT-600、UA-101I、UA-101T、UA-306H、UA-306I、UA-306T等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ化合物とは、例えば、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物の一部のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイル基とをそれぞれ1つ以上有する化合物を意味する。
上記光ラジカル重合開始剤としては、具体的には例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、2-(ジメチルアミノ)-2-((4-メチルフェニル)メチル)-1-(4-(4-モルホリニル)フェニル)-1-ブタノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、1-(4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、1-(4-(フェニルチオ)フェニル)-1,2-オクタンジオン2-(O-ベンゾイルオキシム)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。
なお、本明細書において高分子アゾ化合物とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
なお、本明細書において、上記数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による数平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF-804(昭和電工社製)等が挙げられる。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ化合物としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。
上記高分子アゾ化合物としては、具体的には例えば、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’-アゾビス(4-シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられる。
上記高分子アゾ化合物のうち市販されているものとしては、例えば、VPE-0201、VPE-0401、VPE-0601、VPS-0501、VPS-1001(いずれも富士フイルム和光純薬社製)等が挙げられる。
また、高分子ではないアゾ化合物として市販されているものとしては、例えば、V-65、V-501(いずれも富士フイルム和光純薬社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、大塚化学社製の有機酸ヒドラジド、味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジド等が挙げられる。
上記大塚化学社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、SDH、ADH等が挙げられる。
上記味の素ファインテクノ社製の有機酸ヒドラジドとしては、例えば、アミキュアVDH、アミキュアVDH-J、アミキュアUDH、アミキュアUDH-J等が挙げられる。
上記増感剤としては、例えば、4-(ジメチルアミノ)安息香酸エチル、9,10-ジブトキシアントラセン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ベンゾフェノン、2,4-ジクロロベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、ガラスビーズ、石綿、石膏、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、モンモリロナイト、セリサイト、活性白土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、硫酸バリウム、珪酸カルシウム等が挙げられる。
上記有機充填剤としては、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記シランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
本発明の液晶表示素子としては、狭額縁設計の液晶表示素子がより好ましい。具体的には、液晶表示部の周囲の枠部分の幅が2mm以下であることが好ましい。
また、本発明の液晶表示素子を製造する際の本発明の液晶表示素子用シール剤の塗布幅は1mm以下であることが好ましい。
まず、ITO薄膜等の電極及び配向膜を有する2枚の透明基板の一方に、本発明の液晶表示素子用シール剤をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により塗布して枠状のシールパターンを形成する工程を行う。次いで、本発明の液晶表示素子用シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を基板のシールパターンの枠内に滴下塗布し、真空下で他方の透明基板を重ね合わせる工程を行う。その後、本発明の液晶表示素子用シール剤のシールパターン部分にカットフィルター等を介して光を照射することにより、シール剤を光硬化させる工程を行う方法により、液晶表示素子を得ることができる。また、上記シール剤を光硬化させる工程に加えて、シール剤を加熱して熱硬化させる工程を行ってもよい。
3-(9H-カルバゾール-9-イル)プロピオン酸エチル5重量部と、ヘキサノイルクロリド2.64重量部と、塩化アルミニウム2.62重量部とを、ジクロロメタン80mLに加え、室温にて終夜撹拌した。得られた反応液に、2,5-チオフェンジカルボン酸ジクロリド1.84重量部と、塩化アルミニウム5.24重量部とを加え、室温で更に4時間撹拌した。得られた反応液を氷水へと注いだ後、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて濃縮し、生成物(A1)を得た。
エタノール20mL中の生成物(A1)4.0重量部に、20%水酸化ナトリウム水溶液2.77重量部を加え、3時間還流した。反応終了後、水50mLを加え、濃塩酸で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水及び食塩水で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、生成物(B1)を得た。
得られた生成物(B1)3重量部と、塩化ヒドロキシルアンモニウム0.58重量部と、ピリジン0.65重量部とを、エタノール30mLに加え、10時間還流撹拌した。得られた反応液を氷水へと注いだ後、濾過した。濾物を水で洗浄した後、酢酸エチルに溶解し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて濃縮し、生成物(C1)を得た。
得られた生成物(C1)1.5重量部をN,N-ジメチルホルムアミド20量部に溶解した後、アセチルクロリド0.45重量部を加えた。得られた溶液を10℃以下に冷却しながらトリエチルアミン0.59重量部を滴下し、室温で4時間撹拌した。得られた反応液を水へと注いだ後、ろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物を単離することにより、上記式(2)で表される化合物(分子量925)を得た。
なお、得られた上記式(2)で表される化合物の構造は、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IRにより確認した。
3-(9H-カルバゾール-9-イル)プロピオン酸エチル5重量部と、ヘキサノイルクロリド2.64重量部と、塩化アルミニウム2.62重量部とを、ジクロロメタン80mLに加え、室温にて終夜撹拌した。得られた反応液を氷水へと注いだ後、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて濃縮し、生成物(A2)を得た。
エタノール20mL中の生成物(A2)3.5重量部に、20%水酸化ナトリウム水溶液2.77重量部を加え、3時間還流した。反応終了後、水50mLを加え、濃塩酸で酸性にした後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水及び食塩水で洗浄し、その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させて濃縮し、生成物(B2)を得た。
得られた生成物(B2)3重量部と、塩化ヒドロキシルアンモニウム0.58重量部と、ピリジン0.65重量部とを、エタノール30mLに加え、10時間還流撹拌した。得られた反応液を氷水へと注いだ後、濾過した。濾物を水で洗浄した後、酢酸エチルに溶解し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させて濃縮し、生成物(C2)を得た。
得られた生成物(C2)1.5重量部をN,N-ジメチルホルムアミド20量部に溶解した後、アセチルクロリド0.45重量部を加えた。得られた溶液を10℃以下に冷却しながらトリエチルアミン0.59重量部を滴下し、室温で4時間撹拌した。得られた反応液を水へと注いだ後、ろ過した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより化合物を単離することにより、上記式(3)で表される化合物(分子量394)を得た。
なお、得られた上記式(3)で表される化合物の構造は、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IRにより確認した。
上記「(式(2)で表される化合物の合成)」と同様にして生成物(B1)(上記式(4)で表される化合物(分子量811))を得た。
なお、得られた上記式(4)で表される化合物の構造は、1H-NMR、13C-NMR、及び、FT-IRにより確認した。
表1に記載された配合比に従い、各材料を遊星式撹拌機を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例1~6及び比較例1~3の液晶表示素子用シール剤を調製した。遊星式撹拌機としては、あわとり練太郎(シンキー社製)を用いた。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤1gをガラス瓶の底に広げ、メタルハライドランプにて100mW/cm2の光を30秒照射した後、液晶(JNC石油化学社製、「JC-7129XX」)を1g注入した。ガラス瓶に蓋をした後、120℃で60分加熱することによってシール剤で汚染された液晶を得た。得られた液晶を上下基板(ITO薄膜付きガラス基板)の間(セルギャップ5μm)に封入し、上下基板に存在する1cm2の電極間に液晶物性評価システム(東陽テクニカ社製、「6254型」)で電圧を印加することにより液晶の電圧保持率を測定した。なお、電圧保持率(%)は、1V(電圧V1)の交流電圧を0.06秒間印加し、更にその後1秒間25℃で静置した際に保持されている電圧(電圧V2)を測定し、下記式で算出した。
(電圧保持率)=(電圧V2/電圧V1)×100
また、比較対象としてフレッシュな液晶を上下基板(ITO薄膜付きガラス基板)の間(セルギャップ5μm)に封入し、上下基板に存在する1cm2の電極間に液晶物性評価システム(東陽テクニカ社製、「6254型」)で電圧を印加することによりフレッシュな液晶の電圧保持率を測定した。
フレッシュな液晶の電圧保持率に比べて、電圧保持率が高かった場合を「◎」、0%以上10%未満電圧保持率が低くなった場合を「○」、10%以上15%未満電圧保持率が低くなった場合を「△」、15%以上電圧保持率が低くなった場合を「×」として、低液晶汚染性を評価した。
実施例及び比較例で得られた各液晶表示素子用シール剤100重量部にスペーサ微粒子1重量部を分散させ、2枚のITO薄膜付きガラス基板(30×40mm)のうちの一方に微小滴下した。スペーサ微粒子としては、ミクロパールSI-H050(積水化学工業社製)を用いた。これにもう一方のITO薄膜付きガラス基板を十字状に貼り合わせ、メタルハライドランプにて100mW/cm2の光を30秒照射した後、120℃で60分加熱することによって接着性試験片を得た。
得られた接着性試験片について、上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/sec)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が、2.0kgf/cm2以上であった場合を「○」、2.0kgf/cm2未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
Claims (11)
- 硬化性樹脂とイオン捕捉剤とを含有する液晶表示素子用シール剤であって、
前記イオン捕捉剤は、カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物を含む
ことを特徴とする液晶表示素子用シール剤。 - 前記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物は、1分子中に2個以上5個以下のカルボキシル基を有する請求項1又は2記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物は、チエニレン基を有する請求項1、2又は3記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物は、光重合開始基を有する請求項1、2、3又は4記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物は、分子量が300以上である請求項1、2、3、4又は5記載の液晶表示素子用シール剤。
- 液晶表示素子用シール剤全体中における前記カルボキシル基とカルバゾール骨格とを有する化合物の含有割合が0.1重量%以上5重量%以下である請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の液晶表示素子用シール剤。
- 前記硬化性樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含む請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の液晶表示素子用シール剤。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の液晶表示素子用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8若しくは9記載の液晶表示素子用シール剤の硬化物、又は、請求項10記載の上下導通材料の硬化物を有する液晶表示素子。
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