JP7083243B2 - 補強土壁に設置する安全柵 - Google Patents
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Description
その盛土の露出面には、薄いコンクリート製のパネルを鉛直に近い角度に積み上げて崩壊を防止する。このパネルは、外側の正面から見て十字状に形成してあり、中央部を中心として上方に上片、両側に側片を、下方に下片を備えている。そのような形状のパネルを、裏込め盛土の作業と同時進行によって高さ方向に千鳥状に積み上げる。
図7に示すように、パネルの積み上げに際しては上段のパネルxと、下段のパネルyとの間には常にパネル高さの半分の段差zが生じるので、そのような段差部分からの転落事故を防止するための措置が必要となる。
簡易なロープを張り渡す方法では、安全性に問題がある。
1.盛土層の外側に、高さ方向に段差を設けてパネルを積み上げる補強土壁において、上段パネルであって水平方向に隔てられて隣接する各パネル間に形成される開口部に設置する、工事用安全柵であって、
各パネルの上片に取付けられた鞍型基部と、鞍型基部の外側面に設置した支柱と、支柱に取付けられた防護体からなり、
防護体は各パネルの外面側の面外に配置される安全柵であって、
鞍型基部は、パネル外面側の外側板とパネル上片側に配置された上板とパネル内面側の内側板から形成され、外側板のパネルに接触する下端に緩衝材が設けられており、
安全柵の支柱は鞍型基部の外面から上方に向けて設置されていることを特徴とする安全柵。
2.防護体が開口部に設けられていることを特徴する安全柵。
3.外側板の内面上端にスペーサが設けられていることを特徴とする安全柵。
1.本発明の安全柵は、安全柵の鞍型基部が工事箇所ですでに設置されている上段パネルで隔てられている隔パネルの上片に取付けられ、防護体は隔てられた空間に配置され、土留壁の面外に位置している。このため、本発明の安全柵を取り外すことがなく、隔パネル間に次段のパネルを設置することができる。これによって、次段のパネルを設置する間でも、開口部に安全柵が設置された状態となり、安全に施工することができる。
2.鞍型基部の外側板の下端に緩衝材が設けられているとともに、外面側に防護柵の支柱取付部が設けられているので、防護柵は確実に面外側に重心があることとなり、面外側に付勢される。このため、鞍型基部の外側板の下端部は取り付けられているパネルに圧接することとなり、パネルに圧接痕が残って、完成した補強土壁に汚れが残る恐れがあるが、本発明では緩衝材を設けることによって、これが防止され、きれいな仕上がりになる。
3.防護柵の支柱を鞍型基部から上方に向けて設けたので、既設のパネルに上に防護柵が設けられており、次段のパネル積み上げ操作の空間である上方作業が安全である。
4.防護体を隔パネル間に形成された空間にも設けることにより、この隙間からの落下も防止できる。
発明の安全柵は補強土壁工法の施工中に用いる柵である。
補強土壁工法は、図1に示すように、盛土層4の間にストリップ3と称する鋼材の帯を敷設し、その盛土層4の前面にパネル1を千鳥状に積み上げる。パネル1を積み上げた後に、ストリップ3の上にさらに盛り土を行う、これらを繰り返して補強土壁を形成するものである。
その際に使用するパネル1の形状と名称を図2(a)で説明する。パネル1は、前記したように補強土壁の正面から見た場合に十文字状に形成されている。
四角の中央部5の上方に上片51、両側に側片52を、下方に下片53を備えている。そして一方の側片52の上縁には鉛直方向にボルト材であるジベル54が突出している。
また他方の側片52の上縁には、鉛直方向にジベル54の直径よりも多少大きい直径の穴である受穴55が形成してある。
そのため、一時的にも安全柵を取り外すことがないため、安全に工事をすすめることができる。
図4は、鞍型基部のその他の例を示し、(a)は補強板を設けた鞍型基部の側面図であり、(b)は補強板付き鞍型基部を組み立てた状態を示す図である。
図5は、本発明の安全柵の設置過程を示す説明図であり、(a)は取り付け概略図、(b)は設置状態図、(c)は平面図である。
そして、図3に示すように、鞍型基部21は、上板21bの一方端からパネルの外面側に添う外側板21aと他方端からパネルの内面側に添う内側板21cを備えており、外側板の下方には緩衝材24が設けられている。そして、外側板21aの外面には支柱取付部21dが設けられている。支柱の取り付けは、鞍型基部に固定接合あるいは差し込みなど取り外し可能にする。
上板、外側板、内側板は、よじれなどの十分に耐えられる幅と厚みを持っている。
また、上板はパネルの厚さと同程度か、若干長い幅である。
したがって、安全柵2は一対の鞍型基部21と鞍型基部21の側面に取付けられた支柱22、支柱22を連結するように取付けられた防護体23によって構成されており、鞍型基部21は上段パネル11の端部を挟むように取り付ける。
そこで、図4(a)に示すように外側板の内面上端にスペーサ25を設けておくと、防護体が面外に確実に傾斜し、内側に倒れ込むことを防止することができる。
なお、鞍型基部は、図4(a)では、板材で示しているが、パイプや棒材などの線材を組み合わせてコ字型に形成することもできる。また、線材で設けた場合、外側板は支柱を兼用することができる。すなわち「h」形となる。
図5(a)では、下段パネル12に2つの上段パネル11(11a、11b)が空間Aを隔てて配置されている状態となっている。この空間Aに次段のパネルを積み上げる作業が行われる。作業員は、盛土の上あるいは既設のパネルの上で作業を行うこととなる。
図5(b)(c)に示すように、本発明の防護柵の設置後は、作業空間となる空間Aと上方空間をカバーしており安全性が高い。また、防護柵は、上段パネルの上端に設けられるので、空間Aよりも広い幅に設けられ、次段パネルの積み上げ作業を横方向からアクセスするときにもカバーすることができる。
鞍型基部21の端部は安全柵2を設置した際に、パネル1の正面に当接する。緩衝材を設けなかった場合、安全柵2を設置する際にパネル1をの欠けや擦れ痕を防止することができる。また、安全柵2を鋼材で製作した際に、パネル1に錆汁などやが付着し汚れることを防止することができる。
緩衝材24の材質は、スポンジ、ゴム、ウレタンフォーム等をクッション性の高いものを使用するのがよい。
また、安全柵2の設置時の妨げとならないように、緩衝材24にテーパーを設けるのが良い。
なお、最下端の防護柵23cを介して緩衝材24を取り付けることもできる。あるいは、緩衝材24を防護柵23cの上下に配置する、あるいは、防護柵23cを外面側に取り付けることもできる。
安全柵2が常に段差に設置されているので、開口部がない状態で隔パネルの間のパネル設置作業が行えるので、安全性が向上する。
鞍型基部と防護柵が一体型の安全柵の場合は、パネル設置に使用するクレーンなどの機材を使用して、次の場所へ盛り変え作業を行う。鞍型基部と防護柵を別体する、あるいは防護体も支柱と防護柵も別体とするなどの組み立て形の場合は、部品毎に移動して組み立てることができる。
パネル間の設置作業を終えたら、安全柵2を吊り上げて取外し、一つ上段のパネル間に設置してから、盛土を行う。安全柵2の設置、パネル1の設置、安全柵2の盛替え、盛土を繰り返すことで、パネル1は欠けや汚れもなく、補強土壁工法を常に安全な状態で施工することができる。
11、11a、11b:上段パネル
12:下段パネル
2:安全柵
21:鞍型基部
21a:外側板
21b:上板
21c:内側板
21d:支柱取付部
22:支柱
23、23a、23b、23c:防護体
24:緩衝材
25:スペーサ
3:ストリップ
4:盛土
5:中央部
51:上片
52:側片
53:下片
54:ジベル
55:受穴
10:補強土壁
x:上段のパネル
y:下段のパネル
z:段差
Claims (3)
- 盛土層の外側に、高さ方向に段差を設けてパネルを積み上げる補強土壁において、上段パネルであって水平方向に隔てられて隣接する各パネル間に形成される開口部に設置する、工事用安全柵であって、
各パネルの上片に取付けられた鞍型基部と、鞍型基部の外側面に設置した支柱と、支柱に取付けられた防護体からなり、
防護体は各パネルの外面側の面外に配置される安全柵であって、
鞍型基部は、パネル外面側の外側板とパネル上片側に配置された上板とパネル内面側の内側板から形成され、外側板のパネルに接触する下端に緩衝材が設けられており、
安全柵の支柱は鞍型基部の外面から上方に向けて設置されていることを特徴とする安全柵。 - 防護体が開口部に設けられていることを特徴する請求項1記載の安全柵。
- 外側板の内面上端にスペーサが設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の安全柵。
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JP3180891U (ja) | 2012-10-29 | 2013-01-17 | 五洋建設株式会社 | 簡易式防護柵 |
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- 2017-12-13 JP JP2017238194A patent/JP7083243B2/ja active Active
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