JP6091200B2 - 浮き架台用型枠材及び浮き架台構造の施工方法 - Google Patents
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Description
スライド用の空間を構築する場合には、下部基礎の上にジャッキを配置して型枠を設置しジャッキアップして上部基礎を築造することが一般的に行われてきた。
しかし、免震装置の配置位置が建物の垂直荷重を受ける支柱の直下であることから、特に支柱下部分のスライド用の空間としては、なるべく上下間隔を小さく設定してすべり支承のような比較的高さの低い免震装置を使用できるようにする技術が提案されている(例えば特許文献1)。
特許文献1の発明によれば、型枠を持ち上げるためのジャッキを使用しないので、免震基礎構造を上下方向にコンパクト化でき、その分、掘削深さを浅くすることができる。
また、長尺支持体は、下部基礎上に載置され、長尺支持体の長手方向に沿って傾斜した第一の傾斜面を上面に備えた下側部材と、下側部材上に重ねて載置され、下面に、第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面を備えた上側部材と、を備えるため、まず、下側部材又は上側部材の一方を引き出し、その次に、他方を引き出すことにより、容易に、長尺支持体を取り除くことができる。また、下側部材及び上側部材が、第一の傾斜面及び第二の傾斜面をそれぞれ備えるため、最初に引き出す部材の引き出し時に、第一の傾斜面及び第二の傾斜面によってガイドされ、最初に引き出す部材をスムーズに引き出すことができる。
また、上側部材及び下側部材のうち、最初に空間から引き出される部材は、部材を引き出す引き出し治具を取付けるための引き出し治具取付部を備えているため、建物の上部基礎からの荷重を受けて上側部材又は下側部材を素手では引き出せない場合でも、引き出し治具取付部に引き出し治具を取付けることにより、上側部材又は下側部材を小さな力で容易に引き出すことが可能となる。
このように構成しているため、上側部材及び下側部材を空間から引き出した後、分割された分割板を一つずつ引き出すことにより、板体の全体を取り出すことができ、取り出し作業が容易になる。
また、隣り合う一対の分割板が互いに当接する当接面の下端線は、全長が、上側部材の上面の範囲内に含まれるため、板体を分割した分割線が、上側部材により支持され、板体が空間内で垂れさがることを防止でき、板体による型枠材としての役割を担保することができる。
このように構成しているため、第一の分割板は、分割板を取り出す開口側が幅広となり、スムーズに第一の分割板を取り出すことができる。
このように構成しているので、分割板が相互に係合することとなり、分割板の端部が、上側部材の上面からずれた場合でも、空間内に垂れ下がることを防止できる。
また、下側部材と上側部材の両端部間の領域で、下側部材と上側部材が当接するため、下側部材及び上側部材の一方を引き出す力が一旦掛かると、下側部材と上側部材の傾斜面の全長がスライド面となり、途中で引っかかることなく、スムーズに、その部材を引き出すことができる。
更に、上側又は下側の楔状長尺体は、厚肉端部が、空間から楔状長尺体を引き出すための開口側に位置するように配置されるため、上側及び下側の楔状長尺体のうち、最初に引き出したい方の楔状長尺体の厚肉端部を開口側に位置させることにより、その楔状長尺体を先に引き出すことができる。
また、引き出し治具取付部は、厚肉端部側に設けられた引き出し治具が係止される係止孔からなるため、引き出し治具を、係止孔に係止するだけで、楔状長尺体に取付けることができ、作業性がよい。
このように構成しているため、引き出し治具を、楔状長尺体の側面に沿って空間内に挿入し、側面に当てて係止孔に係止した後、引き出し治具を手前に引けばよいので、引き出し作業が単純となり、楔状長尺体の前面に係止孔を備える場合等と対比して、作業性を向上できる。
このように構成しているため、引き出し治具の係止部を、左右の側面に設けられた一対の係止孔に挿通させることが可能となり、引き出し治具からの引張力を、楔状長尺体の左右に均等に伝達できるため、小さな力で効率よく楔状長尺体を引き出すことが可能となる。
このように構成することにより、上側と下側の楔状長尺体を相互に係合させることができるため、下部基礎上に一対の楔状長尺体を重ね、その上に、板体を載せる作業を行うときに、上側の楔状長尺体が、下側の楔状長尺体上から落下することを防止できる。
また、長尺支持体は、下部基礎上に載置され、長尺支持体の長手方向に沿って傾斜した第一の傾斜面を上面に備えた下側部材と、下側部材上に重ねて載置され、下面に、第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面を備えた上側部材と、を備えるため、まず、下側部材又は上側部材の一方を引き出し、その次に、他方を引き出すことにより、容易に、長尺支持体を取り除くことができる。また、下側部材及び上側部材が、第一の傾斜面及び第二の傾斜面をそれぞれ備えるため、最初に引き出す部材の引き出し時に、第一の傾斜面及び第二の傾斜面によってガイドされ、最初に引き出す部材をスムーズに引き出すことができる。
また、前記上側部材及び前記下側部材のうち、最初に前記空間から引き出される部材の引き出し治具取付部に、引き出し治具を取付けて、前記最初に前記空間から引き出される部材を取り出す工程を備えているため、建物の上部基礎からの荷重を受けて上側部材又は下側部材を素手では引き出せない場合でも、引き出し治具取付部に引き出し治具を取付けることにより、上側部材又は下側部材を小さな力で容易に引き出すことが可能となる。
また、長尺支持体は、下部基礎上に載置され、長尺支持体の長手方向に沿って傾斜した第一の傾斜面を上面に備えた下側部材と、下側部材上に重ねて載置され、下面に、第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面を備えた上側部材と、を備えるため、まず、下側部材又は上側部材の一方を引き出し、その次に、他方を引き出すことにより、容易に、長尺支持体を取り除くことができる。また、下側部材及び上側部材が、第一の傾斜面及び第二の傾斜面をそれぞれ備えるため、最初に引き出す部材の引き出し時に、第一の傾斜面及び第二の傾斜面によってガイドされ、最初に引き出す部材をスムーズに引き出すことができる。
また、上側部材及び下側部材のうち、最初に空間から引き出される部材は、部材を引き出す引き出し治具を取付けるための引き出し治具取付部を備えているため、建物の上部基礎からの荷重を受けて上側部材又は下側部材を素手では引き出せない場合でも、引き出し治具取付部に引き出し治具を取付けることにより、上側部材又は下側部材を小さな力で容易に引き出すことが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る浮き架台用型枠材が用いられる免震基礎構造を示す模式図である。図2は、本発明の一実施形態に係る浮き架台用型枠材が用いられる免震基礎構造の外観斜視図である。図3は本発明の一実施形態に係る楔状長尺体の斜視図である。図4は、本発明の一実施形態に係る楔状長尺体と板体の設置状態を示す斜視説明図である。図5は、本発明の一実施形態に係る板体の設置状態を示す平面説明図である。図6は、本発明に係る板体の変形例を示す斜視説明図である。図7は、本発明の他の実施形態に係る楔状長尺体を示す斜視説明図である。図8は、本発明の一実施形態に係る引き出し治具を示す斜視説明図である。図9は、本発明の他の実施形態に係る引き出し治具を示す説明図である。図10は、本発明の更に他の実施形態に係る引き出し治具を示す説明図である。
本実施形態の浮き架台用型枠材は、浮きRC(Reinforced-Concrete;鉄筋コンクリート)架台用型枠材であって、RC架台用に用いられるが、これに限定されるものではなく、他の架台にも適用可能である。
本実施形態の浮き架台用型枠材が用いられる免震基礎構造1は、戸建て住宅の免震基礎構造である。戸建て住宅の免震構造は、下部基礎,免震装置,上部基礎,住人が居住する部分である上部構造が、順次築造されてなり、免震基礎構造1は、このうち、図1,図2に示すように、砕石,捨コンを介して地盤2上に築造された公知の下部基礎3,下部基礎3上に設置された免震装置5及び免震装置5上に築造された公知の上部基礎としてのRC(鉄筋コンクリート)架台4からなる部分である。
本実施形態では、平滑板5aと滑り板5bとは、同一の平面形状を有する矩形板体からなり、上下に重ねて下部基礎3上に載置される。平滑板5aと滑り板5bの空間6の幅方向の長さは、空間6の幅よりも若干短く形成されている。
本実施形態では、下部基礎3とRC架台4の間に空間6を形成するために、浮き架台用型枠材が用いられる。
本実施形態の浮き架台用型枠材は、図3,図4に示す楔状長尺体7と、図4,図5に示す板体8を備えている。
楔状長尺体7は、金属性からなり、長尺矩形平板状の下板部71と、断面コの字状で、長手方向の一端から他端に向かって厚みが徐々に薄くなったテーパ枠部72とが、溶接により一体に溶着されてなる。
テーパ枠部72は、長尺矩形平板状の上板部75と、上板部75の幅方向の両端から垂直に立設された側部76が、折り曲げ加工により一体形成されている。側部76の長さは、先端部73から厚肉端部74に向かって徐々に厚くなっている。
楔状長尺体7は、全体として、断面が略矩形で、長手方向の一端の先端部73から、他端の厚肉端部74に向かって、厚みが徐々に厚くなる楔状の長尺中空体となっている。
一対の側部76には、厚肉端部74の近くに、矩形の係止孔77が穿孔され、RC架台4を築造した後に、楔状長尺体7を空間6から引き出す際に用いられる引き出し治具91,92,97を係止するために用いられる。
また、本実施形態では、厚肉端部74が矩形の開口として構成されているが、厚肉端部74の開口を閉じるように、楔状長尺体7の長手方向に垂直な面を備えていてもよい。この面を貫通する貫通孔が穿孔され、この貫通孔を、引き出し治具91,92,97を係止する引き出し治具取付部として構成してもよい。
また、特許請求の範囲の上側部材及び下側部材は、下側部材が、長手方向に沿って傾斜した傾斜面を備え、上側部材が、この斜面に当接する傾斜面を備えると共に、上側部材を下側部材上に重ねたときに、上側部材の下面が、下側部材により持ち上げられて空間6内で浮いた状態となって、下部基礎3に接しなければよく、楔状長尺体7とは異なる形状から構成してもよい。
3つの分割板81〜83のうち、中央の分割板82は、台形状に形成されている。中央の分割板82が両側の分割板81,83と接する端辺82a,82bは、開口61側が開口61逆側よりも、分割板82の中央から遠くなるよう、空間6の幅方向に対して傾斜している。
また、分割板82の左右両側に配置される分割板81,83は、台形状に形成されている。分割板82と接する端辺81a,83bは、開口61側が開口61逆側よりも、分割板81,83それぞれの中央に近くなるよう、開口61に垂直な方向に対して傾斜している。
また、端辺81a,82a,82b,83bは、楔状長尺体7の幅の範囲内において傾斜している。
本実施形態の板体8の代わりに、図6の分割板81´〜83´を備えた板体8´を用いてもよい。図6の板体8´では、中央の分割板82´の左右端辺82a´,82b´には、上方が突出した段差82c´,82d´が、左右端辺82a´,82b´の全長に亘って形成されている。
また、左右両側の分割板81´,83´の中央の分割板82´側の端辺81a´,83b´には、下方が突出した段差81d´,83c´が、端辺81a´,83b´の全長に亘って形成されている。
従って、分割板81´〜83´を、下部基礎3上に載置された4組の楔状長尺体7上に載せたときに、段差81d´と段差82d´が当接して相互に係止し、段差83c´と段差82c´が当接して相互に係止する。このとき、左右両側の分割板81´,83´の段差81d´,83c´が、下方が突出しているので、段差81d´,83c´の上に中央の分割板82´の両端辺82a´,82b´を支持することとなり、中央の分割板82´の両端辺82a´,82b´が楔状長尺体7上から抜け落ちて空間6内に垂れ下がることを防止できる。
また、段差81d´,82c´,82d´,83c´が設けられているため、隣接する分割板82´と分割板81´,83´の間に隙間ができることが防止され、RC架台4築造時に、隙間から空間6内にコンクリート中のセメントペーストが垂れることを防止できる。
また、楔状長尺体79には、上板部75の幅方向の中央に、楔状長尺体の長手方向の両端部間に、長手方向に沿って伸びる凸部79aが形成されている。
溝78aの幅は、凸部79aの幅よりも若干広く形成され、溝78aの深さは、凸部79aの高さよりも若干大きく形成されており、楔状長尺体78と楔状長尺体79とを、それぞれ上板部75を当接させて重ねたときに、凸部79aが溝78a内に遊びを持って収納される。
このように、楔状長尺体78,79を用いることにより、下部基礎3上に一対の楔状長尺体78,79を重ね、その上に、板体8を載せる作業を行うときに、上側の楔状長尺体79が、下側の楔状長尺体78上から落下することを防止できる。
なお、凸部79aを有する楔状長尺体79を下側、溝78aを有する楔状長尺体78を上側にして重ねてもよい。
RC架台4築造後に、楔状長尺体7を空間6から引き出すための引き出し治具91を、図8に示す。
図8の引き出し治具91は、連結部91cの両端から、係合部91aと把持部91bがそれぞれ垂直に突設された略コの字状の板状体からなる。引き出し治具91は、係合部91aを、楔状長尺体7の左右の側部76に設けられた一対の係止孔77を貫通させて係止させて、把持部91bを、作業者が引っ張ることにより、楔状長尺体7を空間6から引き出すものである。
支持部材95は、板部95aの両端部から一対の壁部95bが立設された断面コの字状からなり、板部95aの中央に、板部95aを貫通するボルト孔96が穿設されている。このボルト孔96には、ボルト94が螺合している。
図9の引き出し治具92は、ボルト94を緩めた状態で、一方の壁部95bを下部基礎3に当接させ、他方の壁部95bをRC架台4に当接させて、引き出し板93の不図示の係止部を楔状長尺体7の左右の側部76に設けられた一対の係止孔77を貫通させて係止させてから、ボルト94を徐々に締めることにより、楔状長尺体7を空間6から引き出すものである。
図9の引き出し治具92を用いることにより、図8の引き出し治具91では、固くて楔状長尺体7を引き出すことができない場合でも、楔状長尺体7を引き出すことが可能となる。
引き出し治具97は、係合部97aを、楔状長尺体7の左右の側部76に設けられた一対の係止孔77を貫通させて係止させて、把持部97bを、作業者の片手で支え、起立部97dを係合部97aに近い側からハンマーで叩くことにより、楔状長尺体7を空間6から引き出すものである。
このように、連結部97cを長尺とし、係合部97aから離れた位置に、起立部97dを設けているので、起立部97dをハンマーで叩くことが可能となり、図8の引き出し治具91では、固くて楔状長尺体7を引き出すことができない場合でも、楔状長尺体7を引き出すことが可能となる。
本実施形態の浮き架台用型枠材を用いて、戸建て住宅の免震基礎構造に用いられる浮き架台構造を施工する方法について説明する。
まず、下部基礎3を、常法によりコンクリートを打設し養生固化することにより築造する基礎工事を行う。
次に、下部基礎3上の、建物の垂直荷重を受ける各支柱下となる位置に、免震装置5を配置し、常法により、コンクリート垂れ防止機構を設置する。
次いで、下部基礎3上の複数の免震装置5の間に形成された空間6に、複数対の楔状長尺体7を配置する。
次いで、この楔状長尺体7の上に、もう一つの楔状長尺体7を、下板部71を上にして、先端部73が、下方の楔状長尺体7の厚肉端部74上に位置し、厚肉端部74が、下方の楔状長尺体7の先端部73上に位置するように、重ねて配置する。このとき、下方の楔状長尺体7の上面を、上方の楔状長尺体7によって完全に被覆し、下方の楔状長尺体7の上面のすべての部分が、上方の楔状長尺体7の上面よりも下方に位置するようにする。
また、上方の楔状長尺体7の全体が、下方の楔状長尺体7に載っており、上方の楔状長尺体7の下面が、下部基礎3に当接しないようにする。
次いで、楔状長尺体7の上に、板体8を載置する。このとき、端辺81a,82a,82b,83bのすべての部分が、楔状長尺体7の上面上に載るようにする。
その後、RC架台4の不図示の型枠を常法により設置し、常法によりコンクリートを打設し、養生固化してRC架台4を築造する。RC架台4上に、上部構造を築造して、戸建て住宅を築造する。
この工程では、まず、引き出し治具91の係合部91aを、上下に重ねられた一対の楔状長尺体7のうち、下側の楔状長尺体7の係止孔77に係合させ、把持部91bを引くことにより、下側の楔状長尺体7を引き出す。下側の楔状長尺体7を引き出すことにより、上側の楔状長尺体7が下部基礎3上に落下し、板体8との間に隙間ができるため、手で上側の楔状長尺体7を引き出す。
同様にして、他の対になった楔状長尺体7もすべて引き出す。
その後、板体8を構成する分割板81,82,83のうち、中央の分割板82を引き出す。中央の分割板82は、両端辺82a,82bが、開口61側が開口61逆側よりも幅広になるように傾斜しているため、容易に取り出すことができる。
続いて、分割板81,83を取り出す。
楔状長尺体7及び板体8を、すべての空間6から引き出した後、開口61を、カバーやエクスパンションジョイント等の遮蔽部材で遮蔽して、浮き架台構造の施工を完了する。
なお、本実施形態では、下側の楔状長尺体7の厚肉端部74及び上側の楔状長尺体7の先端部73を開口61側に配置しているが、下側の楔状長尺体7の先端部73及び上側の楔状長尺体7の厚肉端部74を開口61側に配置し、上側の楔状長尺体7を先に引き抜くようにしてもよい。
2 地盤
3 下部基礎
4 RC架台
5 免震装置
5a 平滑板
5b 滑り板
6 空間
7,78,79 楔状長尺体
8,8´ 板体
61 開口
71 下板部
72 テーパ枠部
73 先端部
74 厚肉端部
75 上板部
76 側部
77 係止孔
78a 溝
79a 凸部
81,82,83,81´,82´,83´ 分割板
81a,81b,82a,82b,83a,83b,81a´,82a´,82b´,83b´ 端辺
81d´,82c´,82d´,83c´ 段差
91,92,97 引き出し治具
91a,97a 係合部
91b,93b,97b 把持部
91c,97c 連結部
93 引き出し板
94 ボルト
95 支持部材
95a 板部
95b 壁部
96 ボルト孔
97d 起立部
Claims (9)
- 建物の下部基礎と上部基礎との間に、免震装置がスライド可能な空間を形成する浮き架台用型枠材であって、
前記下部基礎上に載置される複数の長尺支持体と、該複数の長尺支持体の上に載置される板体と、を備え、
前記長尺支持体は、前記下部基礎上に載置され、前記長尺支持体の長手方向に沿って傾斜した第一の傾斜面を上面に備えた下側部材と、該下側部材上に重ねて載置され、下面に、前記第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面を備えた上側部材と、を備え、
前記上側部材及び前記下側部材のうち、最初に前記空間から引き出される部材は、該部材を引き出す引き出し治具を取付けるための引き出し治具取付部を備えていることを特徴とする浮き架台用型枠材。 - 前記上側部材と、前記下側部材は、該下側部材上に前記上側部材が重ねられた状態で、前記空間の前記下部基礎上に複数組配置され、
前記板体は、該板体が複数に分割された分割板が側方に並べられてなり、
隣り合う一対の前記分割板が互いに当接する当接面の下端線は、全長が、前記上側部材の上面の範囲内に含まれることを特徴とする請求項1記載の浮き架台用型枠材。 - 複数の前記分割板のうち、最初に引き出される第一の前記分割板の側面は、前記空間から前記上側部材及び前記下側部材を引き出すための開口側が、前記開口の逆側よりも、前記第一の分割板の中央から遠くなるように、前記開口に対して傾斜していることを特徴とする請求項2記載の浮き架台用型枠材。
- 前記第一の分割板の側面は、隣接する他の前記分割板の側面に係合する係合部を備え、
該係合部は、前記第一の分割板の側面の前記他の分割板の側面に対する上下方向の移動を規制することを特徴とする請求項3記載の浮き架台用型枠材。 - 前記下側部材及び前記上側部材は、前記長手方向の一端に、厚さの薄い先端部を備えると共に、他端に、厚さの厚い厚肉端部を備えており、該厚肉端部から前記先端部にかけて、徐々に厚さが薄くなるように形成された楔状長尺体から形成され、
前記長尺支持体は、下側の前記楔状長尺体の前記先端部及び前記厚肉端部に、上側の前記楔状長尺体の前記厚肉端部及び前記先端部がそれぞれ重なるように、前記下側の楔状長尺体上に前記上側の楔状長尺体が重ねられて構成され、
前記上側又は前記下側の楔状長尺体は、前記厚肉端部が、前記開口側に位置するように配置され、
前記引き出し治具取付部は、前記厚肉端部側に設けられた前記引き出し治具が係止される係止孔からなることを特徴とする請求項3又は4記載の浮き架台用型枠材。 - 前記上側及び前記下側の楔状長尺体の少なくとも一方は、前記長手方向の側面の前記厚肉端部側に、前記係止孔を備えていることを特徴とする請求項5記載の浮き架台用型枠材。
- 前記上側及び前記下側の楔状長尺体の少なくとも一方は、一対の前記側面に、それぞれ、前記係止孔を備え、
前記一対の側面に設けられた一対の前記係止孔は、前記厚肉端部から同じ距離を隔てた位置に形成されていることを特徴とする請求項6記載の浮き架台用型枠材。 - 前記上側及び前記下側の楔状長尺体のうち一方は、重ねられたときに他方の前記楔状長尺体に当接する面に、前記長手方向に伸びる凸部を備え、前記他方の楔状長尺体は、重ねられたときに前記一方の前記楔状長尺体に当接する面に、前記凸部を収納可能な溝を備えることを特徴とする請求項5乃至7いずれか記載の浮き架台用型枠材。
- 建物の下部基礎と上部基礎との間に免震装置がスライド可能な空間を形成する浮き架台構造の施工方法であって、
前記下部基礎上に、長尺支持体の長手方向に沿って傾斜した第一の傾斜面を上面に備えた下側部材を載置し、下面に、前記第一の傾斜面に当接する第二の傾斜面を備えた上側部材を、前記下側部材上に載置する手順を、複数回繰り返すことにより、前記下側部材と前記上側部材とからなる前記長尺支持体を前記下部基礎上に載置すると共に、前記下部基礎上に、前記免震装置を載置する工程と、
複数の前記長尺支持体の上に、板体を載置する工程と、
前記板体及び前記免震装置の上に、上部基礎を築造する工程と、
前記上側部材及び前記下側部材のうち、最初に前記空間から引き出される部材の引き出し治具取付部に、引き出し治具を取付けて、前記最初に前記空間から引き出される部材を取り出す工程と、を備えることを特徴とする浮き架台構造の施工方法。
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