JP7079624B2 - 繊維材料捺染又は染色用組成物、捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法、ならびに捺染又は染色された繊維材料の製造方法 - Google Patents

繊維材料捺染又は染色用組成物、捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法、ならびに捺染又は染色された繊維材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、繊維材料捺染又は染色用組成物、捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法、ならびに捺染又は染色された繊維材料の製造方法に関する。
捺染又は染色に供する繊維材料には、捺染又は染色の滲みを防止する等の目的で、処理剤による処理が施される場合がある。この処理剤は、捺染又は染色後は、水洗やスチーム処理等により除去されるものである。特許文献1には、糸に、にじみ防止および染色性を促進させる処理剤(前処理剤)をあらかじめ付与し、この糸を編むことにより製造したことを特徴とするインクジェット捺染用編物が記載されている。また、特許文献2には、布帛を構成する繊維の少なくとも一部又は全部が合成繊維からなる布帛にインクジェット捺染する際に、あらかじめ布帛に特定の水溶性高分子物質(A)及び(B)を含有する処理液を付与し、乾燥することを特徴とするインクジェット捺染方法が記載されている。
また、特許文献3には、布帛上に、少なくとも色材及び外部エネルギー線の照射により重合可能な水溶性化合物を含む捺染用インクジェットインクを印字した後、前記重合可能な水溶性化合物に対して前記外部エネルギー線を照射して重合化合物を生成し、次いで発色処理の後に、水洗浄処理を施して画像記録することを特徴とする布帛への記録方法が記載されている。
捺染又は染色に供する繊維材料の処理剤、ならびに重合可能な水溶性化合物を有するインクでは、上記処理剤や上記水溶性化合物の重合化合物が、繊維材料から容易に除去される材料が求められるが、これらには改良の余地があった。
特開平10-53973号公報 特開2001-295186号公報 特許第4834979号公報
従って、本発明の課題は、捺染又は染色に供する繊維材料の処理剤として、または重合可能な水溶性化合物を有するインク等の染料含有組成物として使用される繊維材料捺染又は染色用組成物であって、重合処理後の水溶性硬化物が、繊維材料から容易に除去される組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体を含む繊維材料捺染又は染色用組成物が、繊維材料への付与・重合処理後の水等による洗浄で、上記単量体由来の構成単位を含む硬化物の繊維材料からの除去が容易なことを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明の繊維材料捺染又は染色用組成物は、繊維材料の捺染又は染色時に使用する組成物であって、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体を含む。
上記繊維材料捺染又は染色用組成物では、さらに光重合開始剤を含むことが好ましい。
また、本発明の捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法では、上記何れかの繊維材料捺染又は染色用組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と;上記処理工程で繊維材料に付与された上記処理剤を電子線で硬化して処理層を形成する重合工程と;を含む。
また、本発明の捺染又は染色された繊維材料の製造方法では、上記何れかの繊維材料捺染又は染色用組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と;上記処理工程で繊維材料に付与された上記処理剤を電子線で硬化して、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を含む処理層を形成し、処理層を有する繊維材料を製造する重合工程と;上記重合工程で形成した上記処理層を有する繊維材料に、さらに、染料を用いて捺染又は染色して、捺染又は染色処理した繊維材料を得る印刷工程と;上記印刷工程で得られた上記捺染又は染色処理した繊維材料から、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を除去する除去工程と;を含む。
本発明の繊維材料捺染又は染色用組成物によれば、繊維材料への付与・重合処理後に、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を、水等による洗浄で容易に除去できる。
また、本発明の捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法によれば、繊維材料への付与・重合処理後に、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を、水等による洗浄で容易に除去できる、捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料を製造できる。
また、本発明の捺染又は染色された繊維材料の製造方法によれば、繊維材料への付与・重合処理後に、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物が、水等による洗浄で容易に除去された、捺染又は染色された繊維材料を製造方法できる。
実施例の捺染又は染色用組成物で処理した布に、油性ペンで線を引いた写真である。 比較例の捺染又は染色用組成物で処理した布に、油性ペンで線を引いた写真である。
[繊維材料の捺染又は染色に使用する組成物]
本発明に係る繊維材料の捺染又は染色時に使用する組成物(以下、単に捺染又は染色用組成物という場合がある)は、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体を含む。イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体を含む捺染又は染色用組成物は、繊維材料への付与・重合処理後に、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を、水等による洗浄で容易に除去できる。また、好ましくは、後述のように粘度が低いため、繊維材料に塗布しやすく、また、繊維材料への浸透性にも優れている。また、好ましくは、繊維材料に塗布後に電子線を用いて重合硬化することにより処理層を形成するため、捺染又は染色時の滲みを抑制できる。
上記繊維材料としては、例えば、糸、織物繊維材料、編物繊維材料、不織布繊維材料が挙げられる。素材としては特に限定されず、木綿、亜麻、羊毛、絹又は***のような天然繊維材料、ビスコース、ポリエステル、ナイロン又はキュプラ、レーヨンのような合成繊維材料、再生繊維材料、それらの混用品等が挙げられる。
1.水溶性エチレン性不飽和単量体
本発明の捺染又は染色用組成物に含まれる水溶性エチレン性不飽和単量体は、エチレン性不飽和基を分子内に1つ以上有する単量体であり、イオン性基と対イオンとを含有することにより、水溶性が高い単量体である。
エチレン性不飽和基としては、エチレン基、プロペニル基、ブテニル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、マレイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基、アセチルビニル基およびビニルアミド基などが挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」、「メタクリル」の双方又は何れかを意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」、「メタクリレート」の双方又は何れかを意味する。なかでも、(メタ)アクリル基、ビニルエーテル基および(メタ)アクリルアミド基が好ましく、(メタ)アクリル基がより好ましい。
上記イオン性基としては、カルボン酸、リン酸、スルホン酸等が挙げられる。中でもカルボン酸が好ましい。
上記対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオン等の1価の対イオン;亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ネオジウムイオン等の多価の金属イオンなどが挙げられる。中でも、1価の対イオンが好ましく、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはアンモニウムイオンがより好ましく用いられ、さらに好ましくはカリウムイオンが用いられる。1価の対イオンに加えて、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、またはネオジウムイオンなどの多価の金属イオンを用いることも好ましい。
対イオンとして、1価の対イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、多価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体とを併用した場合に、捺染又は染色用組成物を光硬化して得られる処理層の染料の滲み抑制性をより向上できる。また、これらに加えて、さらに後述の有機酸及び/又はその塩と併用することは本発明の好ましい形態である。多価金属イオンで好ましくは、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンである。
本発明の捺染又は染色用組成物中に含まれるイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量としては、上記組成物100質量%中、上限としては好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、下限としては好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。このようにした場合に、捺染又は染色用組成物の粘度と重合処理後のフェザリングのバランスをより向上できる。
対イオンとして1価の対イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、対イオンとして多価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体と、の合計含有量としては、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
対イオンとして1価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
対イオンとして多価の金属イオンを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合に捺染又は染色用組成物の重合処理後の溶解性をより向上できる。
本発明に係る捺染又は染色用組成物に含まれる、イオン性基としてのカルボン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4-(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2-ビニル安息香酸、3-ビニル安息香酸、4-ビニル安息香酸、N-(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、ω-(メタ)アクロイルアルカン-1,1ジカルボン酸類の、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等の1価塩;亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、またはネオジウム塩等の多価塩などが挙げられる。
中でも、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等の1価塩が好ましく、より好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩である。さらに好ましくはカリウム塩である。
カルボン酸の1価塩と多価金属塩を併用した場合に、捺染又は染色用組成物を光硬化して得られる処理層の染料の滲み抑制機能をより向上できる。また、これらに加えて、さらに後述の有機酸及び/又はその塩と併用することは本発明の好ましい形態である。カルボン酸多価金属塩で好ましくは、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩である。
カルボン酸の1価塩と多価金属塩の合計含有量としては、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
カルボン酸の1価金属塩の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
カルボン酸の多価金属塩の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合に捺染又は染色用組成物の重合処理後の溶解性をより向上できる。
イオン性基としてのカルボン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、炭素数が3~15のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、及びカルシウム塩が好ましく、炭素数3~12のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、及びカルシウム塩がより好ましい。上記炭素数としては、炭素数3~9がさらに好ましく、炭素数3~6が特に好ましい。中でも、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸カルシウムが最も好ましい。炭素数が少ない単量体を用いることにより、分子中の疎水性部分を小さくすることができ、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合処理後の水溶性をより高められる。
本発明に係る捺染又は染色用組成物に含まれる、イオン性基としてのリン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、モノ(2-アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジフェニル(2-アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、ジフェニル(2-メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート、フェニル(2-アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、メタクロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコールメタクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ-3-ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシ-3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルアシッドホスフェート、ならびにビニルリン酸、p-ビニルベンゼンリン酸等の分子内にホスホノ基を有する化合物の、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。
本発明に係る捺染又は染色用組成物に含まれる、イオン性基としてのスルホン酸と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アリルスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、3-(メタ)アクリルアミドプロピルスルホン酸、4-(メタ)アクリルアミドブチルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、p-ビニルベンゼンスルホン酸、およびビニルスルホン酸等の化合物の、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。
上記例示のイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の捺染又は染色用組成物中に含まれるイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、アクリル酸塩が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等、アクリル酸の1価塩がより好ましく、さらに好ましくはアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、特に好ましくはナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩である。最も好ましくはカリウム塩である。
本発明の捺染又は染色用組成物中に含まれるイオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体としては、上記に加えて、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、またはネオジウム塩等のアクリル酸多価金属塩を含んでいてもよい。アクリル酸多価金属塩で好ましくは、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩である。
アクリル酸の1価塩と多価金属塩を併用した場合に、捺染又は染色用組成物を光硬化して得られる処理層の染料の滲み抑制機能をより向上できる。アクリル酸の1価塩と多価金属塩を併用する組み合わせとしては、アクリル酸カリウムとアクリル酸亜鉛の組み合わせが好ましい。アクリル酸亜鉛を併用することにより硬化性が向上し、より高い染料の滲み抑制機能を有する処理層を得ることができる。
アクリル酸の1価塩と多価金属塩の合計含有量としては、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
中でも、アクリル酸カリウムとアクリル酸亜鉛の合計含有量が、捺染又は染色用組成物100質量%中、10~30質量%であることが好ましい。このようにすることにより、組成物の粘度を低くすることができる。
また、アクリル酸の1価塩の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下である。下限としては、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上である。
アクリル酸の多価金属塩の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、下限としては好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。
上記のようにした場合に捺染又は染色用組成物の重合処理後の溶解性に加えて染料の滲み抑制機能をより向上できる。
2.他の不飽和単量体
本発明の捺染又は染色用組成物は、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体以外の他の不飽和単量体を含んでいてもよい。上記他の不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2-シアノエチル(メタ)アクリレート、メチル=2-(ヒドロキシメチル)アクリレート、および2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;フェニルアリルエーテル、o-,m-,p-クレゾールモノアリルエーテル、ビフェニル-2-オールモノアリルエーテル、ビフェニル-4-オールモノアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、およびシクロヘキサンメタノールモノアリルエーテル等のアリルエーテル;ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、およびアダマンチルビニルエーテル等のビニルエーテル;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、およびn-ヘキシルマレイミド等のマレイミド;ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエトキシエチルアクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ビス(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ビス(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのEO付加物ビス(メタ)アクリレート等の芳香族基を有するモノマーおよび脂環式基を有するモノマー;ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート;アクロロイルモルホリン;N-ビニルピロリドン;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド等のアクリルアミド等が挙げられる。
これらは1種で単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記他の不飽和単量体の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは20~50質量%、より好ましくは25~45質量%である。他の不飽和単量体の含有量が、上記組成物100質量%中、2質量%未満であることも好ましい。このようにした場合に、捺染又は染色用組成物の臭気をより抑制できる。
3.有機酸及び/又はその塩
本発明の捺染又は染色用組成物は、有機酸及び/又はその塩を含んでいてもよい。有機酸及び/又はその塩は、上記水溶性エチレン性不飽和単量体、及び上記他の不飽和単量体以外の化合物である。
有機酸としては、例えば、p-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸、フェニルホスホン酸などの有機リン酸、有機カルボン酸、リン酸エステルなどが挙げられる。なかでも有機カルボン酸が好ましい。有機カルボン酸としては、例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、トリデカン酸、ペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、グリシン、ポリアクリル酸、ポリ乳酸などが挙げられる。芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、サリチル酸などが挙げられる。なかでも、脂肪族カルボン酸がより好ましく、乳酸、プロピオン酸、ポリアクリル酸がさらに好ましい。
有機酸の塩としては、例えば、金属カルボン酸塩が挙げられる。金属カルボン酸塩の金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;亜鉛;ジルコニウムなどが挙げられる。なかでもカリウムなどのアルカリ金属が好ましい。有機酸の塩としては、乳酸カリウム、プロピオン酸カリウムが好ましい。
本発明の捺染又は染色用組成物は、有機酸及び/又はその塩を含んでいる場合に、貯蔵安定性がより向上する。
有機酸及び/又はその塩の含有量は、捺染又は染色用組成物100質量%中、上限としては好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下、下限としては好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上である。このようにした場合に捺染又は染色用組成物の貯蔵安定性をより向上できる。
4.溶剤
本発明の捺染又は染色用組成物は、溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤としては、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の1価アルコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、ポリオキシプロピレングリコールなどのオキシプロピレン基を含むアルキレンオキサイド付加物等のグリコールが挙げられる。上記溶媒は1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記組成物100質量%中、上記溶剤の含有量は、下限としては、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、上限としては、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である。
5.光重合開始剤
本発明の捺染又は染色用組成物は、光重合開始剤を含むことが好ましい。上記光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1,1-ジクロロアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-フェニルプロパン-1-オン、ジエトキシアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン等のアセトフェノン化合物;2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-クロロアントラキノン、2-アミルアントラキノン等のアントラキノン化合物;2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、[3-(3,4-ジメチル-9-オキソチオキサンテン-2-イル)オキシ-2-ヒドロキシプロピル]-トリメチルアザニウムクロリド等のチオキサントン化合物;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール化合物;ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、4,4’-ビスメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス-(2、6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等のホスフィンオキシド;およびこれらの混合物等が挙げられる。
これらは1種で単独使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.05~10.0質量%、より好ましくは0.1~7.0質量%、さらに好ましくは0.3~5.0質量%である。
6.染料/顔料
本発明の捺染又は染色用組成物には、染料または顔料もしくはその両方が添加されていてもよい。染料としては、トルイジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエローG、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジPMP、溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット、塩基性染料、酸性染料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、無機顔料としての金属酸化物、カーボンブラック等が挙げられる。
本発明の捺染又は染色用組成物に染料または顔料もしくはその両方が添加されている場合、本発明の捺染又は染色用組成物は糊材を含有するインクとして機能できる。このようなインクを使用することにより、インクの滲みの発生を抑制し、シャープな捺染又は染色を行うことができる。さらに、重合処理後に、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を、水等による洗浄で容易に除去できる。このため、繊維材料本来の風合いを保ち、かつ皮膚刺激の少ない、安全性の高い捺染又は染色物が得られる。
7.添加物
本発明の捺染又は染色用組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要によりその他の添加剤を含有させることができる。具体的には、例えば、光開始助剤、重合禁止剤、界面活性剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、充填剤等が挙げられる。
光開始助剤としては、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミン等の第3級アミン化合物が挙げられる。
重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
界面活性剤としては、フェノールのエチレンオキサイド(EOと略記)1~40モル付加物、ステアリン酸EO1~40モル付加物、高級アルコールへのEO1~40モル付加物、ソルビタンパルミチン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸モノエステル、ソルビタンステアリン酸トリエステル等のノニオン界面活性剤;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、アルキル硫酸塩(AS)、二級アルカンスルホン酸塩(SAS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(AES)、α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、α-スルホ脂肪酸エステル塩(α-SF)、ポリオキシエチレンアルキルエ-テルカルボン酸塩等のアニオン界面活性剤;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤;アルキルアミノ脂肪酸塩、アルキルベタインなどの両性界面活性剤;パーフルオロアルキルEO1~50モル付加物、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン等のフッ素含有界面活性剤;ポリエーテル変性シリコーンオイル、(メタ)アクリレート変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ジラウリル3,3’-チオジプロピオネート、トリフェニルホスファイト、オクチル化ジフェニルアミン、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等が挙げられる。
連鎖移動剤としては、ヒドロキノン、ジエチルメチルアミン、ジフェニルアミン、ジエチルジスルフィド、ジ-1-オクチルジスルフィド、トルエン、キシレン、1-ブテン、1-ノネン、ジクロロメタン、四塩化炭素、メタノール、1-ブタノール、エチルチオール、1-オクチルチオール、アセトン、メチルエチルケトン、2-メチル-2-プロピルアルデヒド、1-ペンチルアルデヒド、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾール、o-クレゾール等が挙げられる。
充填剤としては、アルミナ粉、シリカ粉、タルク、マイカ、クレー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アルミニウム粉、銅粉、炭素繊維、ガラス繊維、コットン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、マイクロバルーン、カーボンブラック、金属硫化物、木粉等が挙げられる。
上記添加物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
上記添加物の含有量としては、上記組成物100質量%中、好ましくは0.05~30質量%、より好ましくは0.05~20質量%である。
本発明の捺染又は染色用組成物は、上述した各種成分を用いて調製することができ、その調製手段や条件は特に限定されないが、例えば、一般的な撹拌羽根や超音波ホモジナイザー、高速ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、遊星撹拌装置、3本ロール、ボールミル、キティーミル、ディスクミル、ピンミル、ダイノーミル等の混合又は撹拌できる装置を用いて撹拌・混合する方法が挙げられる。溶液調製後に各種フィルターを用いてろ過をしてもよい。
8.捺染又は染色用組成物の硬化
本発明の捺染又は染色用組成物は、繊維材料に付与後、電子線で硬化し、処理層を形成する。該硬化としては、100~2000mJ/cmの光を照射することが好ましく、100~1000mJ/cmの光を照射することがより好ましく、100~600mJ/cmの光を照射することがさらに好ましい。
9.捺染又は染色用組成物の硬化後の硬化物(処理層)の洗浄性
本発明の捺染又は染色用組成物は、繊維材料への付与・重合処理後の温水等による洗浄で、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を容易に除去できる。温水等による洗浄では、上記処理層を有する繊維材料を50℃の温水を用いて温水に浸漬させる方法で洗浄した場合に、10分程度で洗浄され、より好ましくは5分程度で洗浄される。
10.染料の滲み抑制機能
本発明の捺染又は染色用組成物による上記処理層を有する繊維材料では、染料の滲み抑制機能に優れている。本発明の捺染又は染色用組成物による上記処理層を有する繊維材料に、インクでフェザリング処理した場合に、インクにほとんど滲みが生じない。
[捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法]
本発明の捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法では、上記何れかの繊維材料捺染又は染色用組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と;上記処理工程で繊維材料に付与された上記処理剤を電子線で硬化して処理層を形成する重合工程と;を含む。
上記繊維材料捺染又は染色用組成物が染料を含む場合には、処理層は印刷層であってもよい。
処理工程で用いる処理剤としては、本発明の捺染又は染色用組成物はそのまま(あるいは直接)用いることもできるし、媒体と上記捺染又は染色用組成物とを混合することによって処理剤を製造することもできる。上記媒体としては、親水性媒体が好ましい。
上記処理剤は必要に応じてその他の添加剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含んでいてもよい。その他の添加剤としては、例えば、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、キレート剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、着色剤、褪色防止剤、比抵抗調整剤、皮膜調整剤、酸化防止剤、均染剤、キャリアー、濃染剤、触媒、吸油剤、防腐剤、保持剤、可塑剤、熱硬化性樹脂、架橋剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、耐光性向上剤、体質顔料、蛍光増白剤、吸着剤、還元防止剤、金属イオン封鎖剤、増量剤、吸湿剤、電解質、香料、抗菌剤、消臭剤、防虫剤及び界面活性剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、たとえば処理剤に直接添加できる。
上記処理剤100質量%中、上記捺染又は染色用組成物の含有量は、下限としては、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上がさらに好ましく、上限としては、100質量%以下が好ましい。
処理剤の25℃における粘度は5~300mPa・sが好ましい。また、表面張力は25~70mN/mが好ましい。
処理剤を繊維材料に付与する方法としては、パッド法、スプレー法、浸漬法、コーディング法、インクジェット法などが挙げられる。本発明の捺染又は染色用組成物を含む処理剤は粘度が低いため、インクジェット法を好ましく使用できる。
繊維材料に付与された上記処理剤を電子線で硬化して処理層を形成する方法としては、100~2000mJ/cmの光を照射することが好ましく、100~1000mJ/cmの光を照射することがより好ましく、100~600mJ/cmの光を照射することがさらに好ましい。
捺染又は染色用組成物に染料が添加されている場合、定着条件は、例えば、セルロース系の繊維材料では、95~105℃にて飽和蒸気付近で、4~12分間程度定着処理するのが好ましい。また、絹や羊毛等のアミド系の繊維材料では、95~105℃にて、飽和蒸気付近で、20~40分間程度定着処理するのが好ましい。
本発明の捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法では、イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物は、水等による洗浄で容易に除去できるため、洗浄性が高い。洗浄は、上記定着処理においても行うことが可能である。また、好ましくは、本発明の捺染又は染色用組成物は粘度が低いため、繊維材料に塗布しやすく、また、繊維材料への浸透性にも優れている。また、好ましくは、繊維材料に塗布後に電子線を用いて重合硬化することにより処理層を形成するため、処理層を有する繊維材料に捺染又は染色した時の滲みが抑制される。
[捺染又は染色された繊維材料の製造方法]
本発明の捺染又は染色された繊維材料の製造方法では、上記何れかの繊維材料捺染又は染色用組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と、
上記処理工程で繊維材料に付与された上記処理剤を電子線で硬化して、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を含む処理層を形成し、処理層を有する繊維材料を製造する重合工程と、
上記重合工程で形成した上記処理層を有する繊維材料に、さらに、染料を用いて捺染又は染色して、捺染又は染色処理した繊維材料を得る印刷工程と、
上記印刷工程で得られた上記捺染又は染色処理した繊維材料から、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を除去する除去工程と
を含む。
捺染又は染色の方法としては、公知の方法が使用できる。また、印刷工程で得られた上記捺染又は染色処理した繊維材料から、上記処理層を除去する方法としては、高熱又は高熱の蒸気で処理する方法が適用できる。
捺染又は染色の定着条件は、例えば、セルロース系の繊維材料では、95~105℃にて飽和蒸気付近で、4~12分間程度処理するのが好ましい。また、絹や羊毛等のアミド系の繊維材料では、95~105℃にて、飽和蒸気付近で、20~40分間程度処理するのが好ましい。
上記処理層を除去する方法としての上記高熱又は高熱の蒸気での処理は、捺染又は染色の定着処理と同時に行うことも可能である。
下処理剤を繊維材料に付与する方法、繊維材料に付与された上記下処理剤を電子線で硬化して処理層を形成する方法としては、上記と同様である。
捺染又は染色用組成物に染料が添加されている場合、上記印刷工程は省略できる。
本発明の捺染又は染色された繊維材料の製造方法では、上記処理層が水分等への溶解性が高く繊維材料からの除去が容易である。また、好ましくは、本発明の捺染又は染色用組成物は粘度が低いため、繊維材料に塗布しやすく、また、繊維材料への浸透性にも優れている。また、繊維材料に塗布後に電子線を用いて重合硬化することにより処理層を形成するため、捺染又は染色時の滲みが抑制された、捺染又は染色された繊維材料を製造することができる。
また、他の実施態様の捺染又は染色された繊維材料の製造方法では、上記繊維材料捺染又は染色用組成物として、染料もしくは顔料またはその両方、および上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体を含む組成物を用い、該組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と、
上記処理工程で繊維材料に付与された上記処理剤を電子線で硬化して、上記染料もしくは顔料またはその両方、および上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を含む処理層を形成し、該処理層を有する繊維材料を製造する重合工程と、
上記重合工程で得られた上記処理層を有する繊維材料から、上記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を除去する除去工程と
を含んでいてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例1>
水50質量部に、水溶性エチレン性不飽和単量体としてアクリル酸カリウム[(株)日本触媒製]10質量部とアクリル酸亜鉛[(株)日本触媒製]10質量部、ポリエチレングリコール[PEG200、和光純薬工業(株)製]30質量部、光重合開始剤としてルシリンTPO[BASFジャパン(株)製]0.3質量部を加えて撹拌混合し、捺染又は染色用組成物を得た。
この捺染又は染色用組成物0.5gを、コットン製の布(5cm×5cm)に塗布・乾燥後、400mJ/cmの光を照射して、処理層を有する布を作成した。
得られた処理層を有する布に、マッキー極細油性ペン[ゼブラ(株)社製]を用いて線を引いた。線を引いた布の写真を図1に示す。
<実施例2~9>
実施例2~9のそれぞれについて、下記表1に記載された配合(質量部)に変更した以外は実施例1と同様にして、捺染又は染色用組成物ならびに処理層を有する布を作成した。なお、表1において、AA(アクリル酸)、MEA(メトキシエチルアクリレート)は(株)日本触媒製、乳酸は和光純薬工業(株)製、プロピオン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールは(株)日本触媒製、イルガキュア184、イルガキュア2959はBASFジャパン(株)製から、他は上記と同様の市販のものを使用した。
得られた処理層を有する布に、実施例1と同様に線を引いた。
<比較例1>
無処理の、コットン製の布(5cm×5cm)に、実施例1と同様に線を引いた。
<比較例2>
下記表1に記載された配合(質量部)に変更した以外は実施例1と同様にして、捺染又は染色用組成物ならびに処理層を有する布を作成した。なお、表1において、ACMO(アクリロイルモルフォリン)は東京化成工業(株)製から、他は上記と同様の市販のものを使用した。
得られた処理層を有する布に、実施例1と同様に線を引いた。線を引いた布の写真を図2に示す。
実施例1~9、比較例1、2で作成した線を引いた布について、以下の評価方法で評価を行った。
(i)フェザリング
実施例1~9、比較例1、2で作成した線を引いた布について、目視観察して、下記の基準に従ってフェザリングを評価した。結果を表1に示す。
○:インクにじみがない
△:多少ぼやけている
×:にじんでいる
(ii)洗浄性評価
実施例1~9、比較例1、2で作成した線を引いた布について、50℃の温水を用いて温水に浸漬させる方法で洗浄性を評価した。評価基準は、次の通りである。結果を表1に示す。
○:5分以内でインクが落ちる
△:5分超10分以内でインクが落ちる
×:インクを落とすのに10分超かかる
Figure 0007079624000001
実施例1~9の捺染又は染色用組成物、及びそれを用いて作成した処理層を有する布では、フェザリング、洗浄性が共に優れていた。
本発明の繊維材料捺染又は染色用組成物によれば、洗浄性に優れた捺染又は染色用組成物、洗浄性に優れた捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料、ならびに高度に洗浄された捺染又は染色された繊維材料を提供できる。

Claims (4)

  1. 繊維材料の捺染又は染色時に使用する組成物であって、
    イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体を含み、
    該水溶性エチレン性不飽和単量体がアクリル酸の1価塩を含む、
    繊維材料捺染又は染色用組成物。
  2. さらに光重合開始剤を含む
    請求項1に記載の繊維材料捺染又は染色用組成物。
  3. 請求項1または2に記載の繊維材料捺染又は染色用組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と、
    前記処理工程で繊維材料に付与された前記処理剤を電子線で硬化して処理層を形成する重合工程と、
    を含む、
    捺染又は染色用の処理層を有する繊維材料の製造方法。
  4. 請求項1または2に記載の繊維材料捺染又は染色用組成物を含む処理剤を繊維材料に付与する処理工程と、
    前記処理工程で繊維材料に付与された前記処理剤を電子線で硬化して、前記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を含む処理層を形成し、処理層を有する繊維材料を製造する重合工程と、
    前記重合工程で形成した前記処理層を有する繊維材料に、さらに、染料を用いて捺染又は染色して、捺染又は染色処理した繊維材料を得る印刷工程と、
    前記印刷工程で得られた前記捺染又は染色処理した繊維材料から、前記イオン性基と対イオンとを含有する水溶性エチレン性不飽和単量体由来の構成単位を有する硬化物を除去する除去工程と
    を含む、
    捺染又は染色された繊維材料の製造方法。
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