本実施形態に係る埋設物の撤去方法(以下、本方法という。)を説明する前に、埋設物の一例としての杭について簡単に説明する。ここでは、埋設物を杭として説明するが、杭に限定されるものではなく、管やシートパイル等であってもよい。杭は、内部が中空のものであってもよいし、断面が円形に限らず、三角形や四角形等の多角形であってもよいし、楕円形であってもよいし、形鋼のようにH形、I形、T形、山形等であってもよい。
杭は、主に軟弱地盤に構造物を構築する際に、その構造物を支える基礎として打ち込まれる棒状のものである。杭には、木杭、鉄筋コンクリート杭、PC(Prestressed Concrete)杭、鋼管杭等がある。また、杭には、現場で削孔し、鉄筋を挿入してコンクリートを打設し、現場で杭を形成する場所打ち杭もある。
杭は、マンション、ビル、橋等の構造物を支持するため、軟弱地盤を貫通し、先端が硬い支持層まで延びるように打ち込まれる。支持層は、地盤の硬さを評価する指標として用いられるN値が50という硬い地層が5m連続する層である。
杭は、構造物の取り壊し等によりその役割を終え、その地盤を更地にする場合や、更地にした後の新築工事で新しく打ち込む杭や土留部材等と干渉する場合等において、地中から撤去される。ここでは、杭を鋼管杭とし、その鋼管杭を引き抜き、撤去する方法について説明する。鋼管杭は、中空の鋼管であってもよいし、内部にコンクリート等が充填されたものであってもよい。
図1は、杭を撤去する作業の流れを示したフローチャートである。ステップ100から作業を開始し、ステップ101では、杭を引き抜いて出来る空隙に注入材を注入し、充填する作業の準備(空隙充填準備)を行う。杭を引き抜く際、引き抜いた跡に出来る孔の壁面が崩壊し、周囲の構造物(家屋や既設護岸等)の沈下を防ぐため、注入材を注入しながら杭を引き上げ、杭に引き上げに伴って形成される空隙へ即座に注入材を充填する工法を採用する。ここでは、そのための準備を行う。準備は、例えば注入管を含む注入プラントの搬入、組み立て等である。
ステップ102では、杭頭位置を確認する。杭頭は、杭の頂部であり、土砂等により杭頭の位置が確認できない場合、人力により土砂等を掘削し、杭頭を露出させる。そして、ステップ103で、杭抜き機を搬入し、組み立てる。杭抜き機本体は、低床トレーラ等により搬入される。本体以外のリーダ、油圧オーガー等は、組み立てを開始した後、トラック等により順次搬入される。
ステップ104では、注入管を設置する。注入管を設置する位置は、図2(a)に示すように、杭10から一定以上の距離離間した位置である。注入管20の設置位置は、注入管20の径方向へ該注入管の外周面から距離X以上離間した位置とされる。これは、注入管20がケーシングを使用して削孔する際、当該ケーシングに絡め捕られ、巻き込み変形するのを防ぐためである。距離Xは、杭10の径にもよるが、概ね0.2m以上であり、例えば0.2~2mとされる。また、注入管20は、杭10の周囲に1本のみ設置してもよいが、好ましくは2または3本設置される。3本設置する場合、1本は予備として使用することができる。なお、これは一例であり、注入管20を設置する本数は4本以上であってもよい。また、注入管20の設置位置は、図2(a)に示すように、紙面に向かって杭10の左側といった一方の側に限られるものではなく、杭10を取り囲むような位置等であってもよい。
注入管20から注入する注入材の流量は、例えば杭10の径が0.8mである場合、余裕を見て径を1mとし、この径と杭10の引き上げ速度とを用い、設計注入量として計算される。杭10の引き上げ速度は、例えば0.1~1m/minとされる。なお、ここに例示した速度は一例であるので、この範囲の速度に限定されるものではない。
注入材は、地表面にリークしてくるまで送り、地表面にリークしてきたところでポンプを止め、注入材が硬化した後、再びポンプを起動して供給を開始するという作業を繰り返しながら、地盤に注入することができる。これにより、杭の引き上げにより形成される空隙を確実かつ密に充填するとともに、それ以外の空隙にも充填することができる。それ以外の空隙としては、注入前から存在する空隙や、箱形の構造物であるボックスカルバートとシートパイルの間の隙間等が挙げられる。
注入管20は、複数本設置する場合、図2(b)に示すように、異なる長さのものが設置される。これにより、深い部分は、最も長い第1の注入管20aから注入し、浅い部分は、第1の注入管20aより長さが短い第2の注入管20bから注入する。すなわち、引き上げた杭10の先端の位置に応じて、注入材の注入口からその先端に形成される空隙までの距離が短く、注入しやすい注入管を選択し、その注入管から注入を行うことで、即時に空隙を充填することができる。図2(b)には、予備の注入管20cが、第1の注入管20aの長さと第2の注入管20bの長さの間の長さとして設置されている。
第1の注入管20aは、先端から下方に向けて注入材を流出させる場合、図2(b)に示すように、支持層11の上面より上に距離Yほど離間させた(浮かせた)状態で設置される。支持層11は、土粒子等が蜜に詰まり、注入材が浸透しにくいため、第1の注入管20aの先端にある注入口を、支持層11から一定距離離すことで、適切に注入材を注入できるようにするためである。距離Yは、例えば0.02~0.1m程度とされる。なお、注入管の側面に注入口がある場合は、注入管の先端が支持層11に隣接していてもよいし、注入口が支持層11上にあれば、注入管の先端が支持層11内に挿入されていてもよい。
図3および図4を参照して、注入管20の構造について説明する。なお、この構造は一例であり、この構造に限定されるものではない。注入管20は、地盤を削孔し、挿入する形で地中に建て込む削孔建込型の注入管であり、スイベル21と、ロッド24と、モニタ27とを含む。スイベル21は、注入材を構成する2つの液(A液、B液)をポンプから別々に供給する2つの管と接続し、ロッド24を回転可能に接続する。スイベル21は、図4(a)に示すように内部に、例えばA液を供給する略S字状の管22と、B液を供給する、流路が拡張された略漏斗状の管23とを含む。これにより、A液は、中央の流路へ、B液は、A液の流路の外側への流路へそれぞれ移動する。スイベル21は、注入管20の長手方向の途中が分離されていて、一方は動きが固定され、他方が回転可能に構成されている。
ロッド24は、図4(b)に示すように二重管構造となっていて、内管25にスイベル21の中央の流路を流れてきたA液が、内管25と外管26との間にスイベル21の外側の流路を流れてきたB液が供給され、A液とB液とを別々にモニタ27へ供給する。
モニタ27は、注入管20の先端に設けられ、注入材を下方の土壌へ向けて吐出する。モニタ27は、図4(c)に示すように二重管部28と、混合部29と、球状物(ボール)30と、バネ部31と、吐出部32とを含む。二重管部28は、ロッド24に連結され、A液、B液を別々に混合部29へ供給する。混合部29は、A液とB液を混合する空間を提供する。ボール30は、混合部29の下方に設けられた穴を閉鎖する。バネ部31は、混合部29で混合され、製造された注入材によりボール30が押し下げられる際、バネが収縮する。これにより、ボール30により閉鎖されていた混合部29の下方の穴が開き、注入材が吐出部32へと流れ、吐出部32から下方の土壌へと吐出される。
注入管20を設置するために、注入管建込装置が使用される。注入管建込装置は、尖った円錐状の先端を有し、螺旋状の溝が形成された削孔部材であるモニタと、そのモニタが接続される棒状のロッドと、そのロッドを回転可能、かつ昇降可能に挟持する挟持手段とを備えるものとすることができる。これらのモニタやロッドは、図3および図4に示した注入管20のロッド24やモニタ27とは異なる部材である。モニタは、先端が尖った円錐状で、螺旋状の溝が形成されたものに限定されるものではなく、地盤を切削しながら貫入する複数の刃(チップ)を先端にもつビット等であってもよい。
注入管建込装置は、挟持手段を備えるため、削孔のための先端にモニタが取り付けられたロッドに代えて、注入管20を挟持させ、注入管20を挟み込む力(回転させ押し込む力)を調節することで、一定速度で降下させて注入管20を挿入し、挿入孔内へ注入管20を挿設する(建て込む)ことができる。これは一例であるので、このような構成の注入管建込装置に限定されるものではない。
次に、図5を参照して、注入管20に注入材を構成するA液、B液を供給するプラント設備について説明する。ここでは、A液、B液をそれぞれ別々に注入管20へ供給し、注入管20内で混合して注入材を作製し、地盤内へ作製された注入材を注入するものとして説明するが、これに限られるものではない。したがって、1液からなる注入材を注入管20へ供給し、供給した注入材をそのまま地盤内へ注入してもよい。
プラント設備は、注入材を注入するための注入管20内へ注入材を構成するA液を供給する供給ポンプ40と、B液を供給する供給ポンプ41と、A液、B液をそれぞれ作製するためのミキサー42、43と、A液、B液の原料となる水、硬化剤、促進剤、高炉セメントB種をそれぞれ収容する容器44~47と、水中ポンプ48と、供給ポンプ40、41やミキサー42、43等に電源を供給する発電機49とを含んで構成される。
プラント設備は、トラック等の車両に搭載し、移動可能とされていることが望ましい。これは、施工場所までのプラント設備の移動を容易にし、プラント設備の設置作業をなくすことができ、工事を短縮することができるからである。
供給ポンプ40、41としては、2つの液を別々に供給することが可能なポンプで、例えば容積式の往復ポンプを採用することができる。容積式の往復ポンプとしては、吐出量を変化させることが容易な2液プランジャーポンプを用いることができる。2液プランジャーポンプは、ロッド状のピストンをカムやクランクにより往復動させる機構を2組備えている。
図6は、4台の2液プランジャーポンプ50を、注入管20の各ロッド24と接続する場合の接続例を示した図である。2液プランジャーポンプ50は、A液を供給するポンプとB液を供給するポンプとを含み、各ポンプが接続管51と接続管52に接続される。
接続管51は、A液を供給するロッド24aと接続され、接続管52は、B液を供給するロッド24bと接続される。接続管51内へ供給されたA液は、ロッド24aを通してモニタ27へ運ばれる。接続管52内へ供給されたB液は、ロッド24bを通してモニタ27へ運ばれる。モニタ27は、混合部29でA液とB液とを混合し、吐出部32から下方の土壌へ向けて噴射する。
ここで、本方法に類似する工法として知られている、薬液注入工法について簡単に説明しておく。薬液注入工法は、任意に硬化時間を調節することができる薬液を地盤に注入し、地盤の強度を高める工法である。この薬液注入工法では、薬液を注入し、良好にまとまった固結形状にするための薬液の浸透面となる割裂面積の許容限界となる限界注入速度以下の注入速度を用いることが必要条件とされている。このため、現場の注入工事で実用上使用される最大の注入速度は、20L/min以下の注入速度とされている。したがって、例えば約25L/minの注入速度で注入材を供給できる2液プランジャーポンプ1台のみが使用される。
本方法では、径が大きな杭の引き抜きにより形成される大きな空隙を、しかも離れた箇所から即時に充填するため、20L/minを超える、例えば50L/min以上の注入速度が必要とされる。図6に示す例では、1台当たり約25L/minの注入速度で注入材を注入できる4台の2液プランジャーポンプ50を使用し、約100L/minの注入速度で注入するように構成している。しかしながら、これに限られるものではなく、50L/min以上の速度で注入することができれば、2台もしくは3台または5台以上の供給ポンプを使用してもよい。また、1液からなる注入材の場合、50L/min以上の速度で供給することができれば、供給ポンプは1台であってもよい。
再び図5を参照して、容器45に収容される薬剤としては、促進剤を含む薬剤が使用され、容器46に収容される薬剤としては、硬化剤を含む薬剤が使用される。容器47には、高炉セメントB種が収容される。
A液は、水に高炉セメントB種、促進剤(沈降材入り)を加えて練り上げた液で、B液は、水に硬化剤を加えて練り上げた液とされる。A液は、容器44から水中ポンプ48により適量の水を加え、容器47、45からミキサー42へ適量の高炉セメントB種(例えば187.5kg)、促進剤(沈降材入り)(例えば10kg)を投入し、混練することにより作製される。B液も同様に、容器44から水中ポンプ48により適量の水を加え、容器46からミキサー43へ適量の硬化剤(例えば35kg)を入れ、混練することにより作製される。A液、B液に添加される水の量は、練り上がりに影響を与えるため、一定の精度が必要であり、水計量器を使用して計量することが望ましい。
A液、B液は、供給ポンプ40、41により別々に注入管20へ供給され、注入管20内で混合され、注入材が作製される。
注入材は、注入管20から注入した後、土壌中を広く浸透せず、杭10を引き抜くことにより出来た負圧の空隙に入り込むように比較的粘性が低い液体が好ましく、また、即座にゲル化するものが好ましい。浸透を防止するためには、注入材が流動性を失い、粘性が急激に増加するまでの時間(ゲルタイム)が、60秒程度であることが望ましい。
上記のA液とB液を混合すると、短時間でゲル化するが、ゲルタイムは、これらの割合を変えることにより調整することができる。このように短時間でゲル化するため、土壌へ流出させる直前の、注入管内で混合するようにしている。なお、ゲル化は、注入材が流動している間は生じないので、1つの液からなる注入材を注入管内へ供給し、地盤内へ吐出させてもよい。
再び図1を参照して、ステップ105では、杭抜き機を、撤去する杭10に近隣した位置に設置する。杭抜き機の設置後、ステップ106で、ケーシングによる削孔を行う。ケーシングは、杭頭の周囲を包囲するように設置され、地面に対して垂直に設置されているかを水平器により確認した後、オーガーにより回転され、地盤が削孔される。
図7を参照して、ケーシングおよび杭抜き機について説明する。杭抜き機60は、図7(a)に示すように、伸縮可能な棒状部材(ブーム)61を備えるクレーン62を本体とし、枠部材(ケーシング)63を回転させ、地盤を掘削する回転手段(オーガー)64と、オーガー64を吊支し、オーガー64を昇降可能にする昇降手段(リーダ)65と、ケーシング63により地盤を掘削する際に地盤からリーダ65に働く反力を受ける反力台66とを備えている。
杭抜き機60は、本体に、リーダ65を取り付け、オーガー64を取り付け、最後にケーシング63を取り付けることにより組み立てられる。オーガー64は、モータを備え、リーダ65に沿って昇降するともに、ケーシング63を一定の方向に回転させる。
ケーシング63は、図7(b)に示すように、鋼製の中空円筒状の枠部材で、先端に先鋭な削孔部材である削孔ビット67と、側面に複数の一列に並び、確認用の窓として使用される開口部68とを備えている。ケーシング63は、中空の内径が、杭10の径より大きく、杭10の周囲の地盤を掘削し、地盤に挿入される。
ケーシング63は、先端に水を噴射するための穴を有する。このため、ケーシング63による削孔は、水を噴射しながら行われる。ケーシング63は、1本の長い部材であってもよいが、複数本が接続可能な構造とされ、所定の深さだけ挿入される毎に接続してもよい。ケーシング63は、回転、降下、接続を、杭10の先端と略同じ深さに達すまで繰り返すことにより地盤に挿入される。
図8に、ケーシング63のセットからケーシング63による削孔完了までの様子を示す。図8(a)は、杭10の中心に、ケーシング63の中心を合わせ、杭抜き機60を設置している様子を示した図である。杭10の直上にケーシング63が配置できる範囲内に杭抜き機60を設置し、本体を回転およびブーム61を前後に移動させる等して、断面が円形の杭10の中心に、断面がリング状のケーシング63の中心を合わせる。
図8(b)は、杭10の外周を、ケーシング63の先端から水を噴射し、地盤の土をほぐしながら削孔している様子を示した図である。ケーシング63は、露出した杭頭の外周を包囲するように配置され、オーガー64により回転され、リーダ65に沿って降下され、これにより、杭10の外周が削孔される。このとき、先端から水を噴射することで、土壌が泥状になりケーシング63に付着しやすくなるが、削孔しやすくなる。噴射した水は、濁水となるが、濁水は、水中ポンプ等を使用して適宜くみ上げ、浮遊物や泥土等を取り除き、pH調整等の処理を行い、河川へ放流することができる。
図8(c)は、予定した深さまでケーシング63を挿入し、ケーシング63による削孔が完了した様子を示した図である。予定した深さまでケーシング63を挿入すると、杭10の周囲をケーシング63で覆った状態になる。
再び図1を参照し、ステップ107では、ケーシング63の側面に設けられた開口部68より内部の杭10の自沈もしくは回転を確認し、杭10の縁切りを行う。
杭10は、周囲の土壌と密着している。杭10の周囲をケーシング63で削孔し、周囲の土壌と完全に縁切りされると、杭10が周囲の土壌により支持されなくなり、杭10の周囲は泥土化し、やわらかくなっているため、自重により自沈し、また、ケーシング63と杭10との間には泥土化した土壌が詰まった状態で存在しているため、ケーシング63とともに回転する。これらのことから、自沈もしくは一緒に回転しているかを確認することで、縁切りが完了したか否かを判断する。
縁切りが完了したところで、ステップ108へ進み、ケーシング63を、低速で回転させながら引き上げる。ケーシング63は、引き上げ時、削孔時と同じ方向に回転される。複数本を接続した場合は、接続部分を地面から1m程度引き上げた段階で回転を止め、上側に接続されたケーシングを取り外す。ステップ103およびステップ105~ステップ108の作業は、ステップ104の作業と並行して実施してもよい。
ケーシング63の引き上げが完了した後、ステップ109で、注入材の充填準備を行う。注入材の充填準備は、上記のA液、B液の作製等である。ステップ110では、ケーシング63に紐状部材である玉掛けワイヤー70を取り付ける。ステップ109の作業は、ステップ110の作業と並行して実施してもよい。
図9に、ケーシング63の引き上げから玉掛けワイヤー70の取り付けまでの様子を示す。図9(a)は、ケーシング63を削孔時と同じ方向に回転させながら引き上げている様子を示した図である。ケーシング63は、ケーシング63の周囲の泥土化した土壌が抵抗となってそのまま引き上げることが難しいため、回転させながら引き上げられる。回転方向は、ケーシング63の回転をスムーズに行わせるため、削孔時と同じ方向とされている。このとき、ケーシング63で削孔された孔69の中に杭10が挿入された状態となる。
ケーシング63は、ジャーミング現象が発生し、地盤中で締め付けられ、回転させることができない場合、無理に回転させて引き上げることも可能であるが、周囲の地盤が崩壊するおそれがあるため、ケーシング63の滑りを良くし、締め付けを弱め、回転させながら引き上げることが望ましい。ケーシング63の滑りを良くするためには、油等の潤滑剤を使用することができるが、土壌を汚染するため、植物性の原料を用いた薬剤が望ましい。
本方法では、法面植栽吹付工事において植栽の接着に使用される植物性の原料を用いた粘結剤が望ましいことを見出した。この粘結剤をケーシング63の外表面に沿って注入することで、ケーシング63の滑りが良くなり、地盤中での締め付けを弱め、ケーシング63の回転を容易にし、ケーシング63を回転させながら引き上げることができる。
図9(b)は、ケーシング63の引き上げが完了した様子を示した図である。引き上げられたケーシング63は、泥土が付着しているため、高圧洗浄機等により付着した泥土を洗い流す。図9(c)は、ケーシング63に玉掛けワイヤー70を取り付けた様子を示した図である。泥土を洗い流した後のケーシング63の先端、すなわち削孔ビットが設けられた側の端部に、輪を形成したワイヤーの当該輪を掛ける。
再び図1を参照し、ケーシング63の先端に玉掛けワイヤー70を取り付けた後、ステップ111へ進み、注入材の注入を開始し、杭10の引き抜きを開始する。杭10を引き抜く際、挿入された注入管20から注入材を注入し、引き抜きにより生じた空隙に注入材を即座に充填する。注入材は、図5に示した供給ポンプ40、41を起動させ、A液、B液を別々に注入管20内へ供給し、注入管20内で混合することにより作製され、注入口から噴射される。
図10に、ケーシング63の挿入から杭10の引き上げまでの様子を示す。図10(a)は、玉掛けワイヤー70を取り付けたケーシング63を再び地盤の所定の深さまで、ケーシング63を回転することなく挿入している様子を示した図である。ケーシング63を回転しながらケーシング63を挿入すると、ケーシング63に取り付けた玉掛けワイヤー70が外れてしまうため、ケーシング63は、回転させずに挿入する。
図10(b)は、玉掛けワイヤー70を杭10に取り付け、玉掛けワイヤー70が杭10に固定されたことを確認した後、ケーシング63を引き上げている様子を示した図である。玉掛けワイヤー70は、ケーシング63に緊張した状態で取り付けられており、引き上げる際、その緊張を解く。この状態で、ケーシング63のみを引き上げる。そして、玉掛けワイヤー70を再度緊張させて、杭10に玉掛けワイヤー70を取り付ける。
図10(c)は、玉掛けワイヤー70を少しずつ引き上げ、杭10を引き抜いている様子を示した図である。図10(b)に示すようにして杭10に玉掛けワイヤー70を固定した後、玉掛けワイヤー70の他端をブーム61の先端に取り付け、上方に引き上げることで杭10を引き上げる。
玉掛けワイヤー70は、図11に示すように、一端に小さい輪71を作り、他端をその小さい輪71を通すことでケーシング63や杭10の周囲に掛ける大きい輪72を作ることにより作成される。この小さい輪71は、安全帯等で使用されるフックとしてもよい。ケーシング63の周囲に取り付けるときは、大きい輪72にケーシング63を通してケーシング63の周囲に掛け、玉掛けワイヤー70の他端を、ケーシング63から離れる方向に引っ張ることでケーシング63の周囲に密着させる。
ケーシング63から杭10へと掛ける部材を変える場合は、玉掛けワイヤー70の他端を引っ張るのをやめて緊張を解き、緩んだ状態にしてケーシング63を引き上げる。玉掛けワイヤー70の大きい輪72は、ケーシング63に密着した状態から解放されるため、ケーシング63が引き上げられても、ケーシング63が引き上げられるのみで、玉掛けワイヤー70の輪の部分は地中のその深さ位置に留まり続ける。このとき、杭10の周囲を取り囲むように配置された状態となる。
このため、玉掛けワイヤー70の他端を、再び引っ張ることで、杭10の周囲に密着して固定することができる。このように杭10に玉掛けワイヤー70が固定されるため、玉掛けワイヤー70を引き上げることで杭10を引き抜くことができる。
杭10の引き抜きは、注入管20から、少なくとも杭10の径に応じて決定された流量で注入材を地盤内へ注入することにより行われる。例えば、約1mの径に対しては、設計注入量を50~200L/minとすることができる。注入材の注入は、供給ポンプ40、41の圧送圧力、土圧、杭10の引き抜きにより発生する負圧によって行われる。
杭10の引き抜き作業では、杭10を一定の高さだけ引き上げる毎に、一定量の注入材が注入されたかどうかを確認することができる。杭10を一定の高さだけ引き上げ、それと同時に注入材の注入を行うが、一定の高さだけ引き上げることにより形成された空隙へ注入材が注入されたか否かは、その空隙への注入が終わり、ケーシング63による削孔で出来た杭10の周囲の隙間等を通して地上に注入材が漏洩してきたか否かにより確認することができる。なお、杭10の引き抜き作業は、杭10を連続して引き上げ、注入材の注入も連続して行うことも可能である。
設計注入量を一般の薬液注入工法に比較して多い注入量とし、かつ注入材を比較的粘性が低い液体のものを使用することで、杭10から注入管20の設置位置が離れていても、杭10の引き上げにより形成された空隙に瞬時に充填することができる。注入材は、土壌中に噴射すると、粘性が低いことから、比較的軟らかく、土粒子間の隙間が大きい支持層11上の土壌を広がるように流れようとするが、杭10の引き上げにより空隙が形成されると、空隙が負圧であるため、空隙へ向かう流路が形成され、集中的に空隙へ流れることになる。
本方法では、粘性の低い液体の注入材を使用し、かつ注入材の注入速度を速くし、注入量を多くしているため、空隙が形成されると瞬時にその空隙内に注入材を充填することができる。また、地盤に他に空隙がある場合でも、当該他の空隙へも注入材を注入することができる。したがって、空隙へ向けて周囲の地盤が崩壊してその空隙へ入り込み、地盤が沈下することを確実に防止することができる。
再び図1を参照して、ステップ112では、杭10を切断するかを判断する。ステップ112の判断は、杭10を一定の高さだけ引き上げる毎に注入材の注入量を確認する際に実施することができる。杭10を切断するか否かは、杭10の長さが7m以上か否かにより判断する。杭10の長さが7m未満であれば、切断することなく、杭10を引き抜く。一方、杭10の長さが7m以上の場合、ステップ113へ進み、注入材の注入を中断し、パイプカッター等の切断手段を使用し、杭10を切断する。
杭10は、切断後、切断面下部の杭が削孔穴に落下するのを防止するため、図12に示すように、落下防止用ワイヤーロープ73を巻き付け、シートパイル74や作業用足場に緊結し、仮止めする。
注入材は、形成された空隙の充填のほか、ケーシング63により削孔された杭10の周囲の隙間を通して地上へ流出する。上記の杭の切断や落下防止用ワイヤーロープ73の取り付け等の作業は、杭10の周囲での作業であるため、注入材が硬化してある程度の強度を有する状態にならないと実施することができない。
しかしながら、本方法で使用される注入材は、ゲルタイムが短く、即時に所定の強度を発現するため、上記作業を即時に実施することができる。このため、施工期間を短縮し、作業効率を向上させることができる。
切断した杭10aから玉掛けワイヤー70を外し、ステップ110へ戻り、仮止めされた切断面下部の杭10bに取り付け、再び注入材を注入しながら玉掛けワイヤー70を引き上げ、同じく杭を切断するか否かを判断する作業を繰り返す。
ステップ112で杭10を切断しないと判断した場合は、ステップ114へ進み、引き抜きが完了したかどうかを判断する。完了していない場合は、ステップ111へ戻り、注入材を注入しながら玉掛けワイヤー70を引き上げる。
ステップ114で杭10の引き抜きが完了した後、ステップ115で注入管20を引き抜き、ステップ116で他にも引き抜く杭10が存在するかを確認する。存在する場合は、注入管20を引き抜き、ステップ104へ戻る。
一方、ステップ116で引き抜く杭が存在しない場合、ステップ117へ進み、注入プラントを解体し、トラック等に乗せて搬出するとともに、杭抜き機60も解体し、本体を低床トレーラに載せ、その他のリーダやオーガー等をトラックに乗せ、搬出する。そして、ステップ118で作業を終了する。
本方法では、注入材としてゲルタイムが短い注入材を使用するため、杭10を撤去した後の杭10が存在していた地盤上での作業も即時に実施することが可能であり、その地盤に注入管建込装置を設置し、注入管20を引き抜くことができる。
注入管20は、上記の注入管建込装置を使用するほか、クレーンにより吊り下げられたバイブロハンマーを使用して地盤に設置することも可能である。バイブロハンマーは、杭を掴むチャック部を有し、振動力を杭に加え、杭の周辺摩擦力や先端抵抗力を低減させて地盤に挿入する機械である。
また、注入管20は、ケーシング63の外周に溶接する等して取り付けられ、ケーシング63の挿入と同時に挿入してもよい。ケーシング63は、地盤への挿入時、水を噴射し、先端に設けられた削孔ビットにより地盤を削孔しながら挿入される。このため、図13(a)に示すように、ケーシング63の外周には、水を供給するための管80も溶接等して取り付けられる。管80は、一定の量の水を供給するため、少なくとも2本設けられる。
ケーシング63に注入管20を取り付ける場合、少なくとも2本設けられる管80のうちの少なくとも1つに、矢線Cに示す回転方向の後方側に、管80と並ぶように取り付けることができる。図13(a)に示す例では、管80が2本取り付けられており、2本の管80の回転方向の後方側に2本の注入管20が取り付けられている。
注入管20と管80は、図13(b)に示すように、ケーシング63の外面の長手方向に沿って延びるように取り付けられる。注入管20と管80の注入口は、ケーシング63の先端から突出した部分にあり、ケーシング63内に向けて噴射することができるように形成されている。
ケーシング63に注入管20を取り付けて使用する場合、杭10に玉掛けワイヤー70を取り付けた後、管80から水を噴射させながらケーシング63により削孔し、杭10の周囲をケーシング63で覆った状態にする。そして、注入管20から注入材を注入しながら、杭10をケーシング63とともに引き抜いていく。
杭10およびケーシング63は、例えば50cm引き上げ、そこで一旦停止し、所定の注入量の注入を行い、注入が完了したところで、再び50cm引き上げることを繰り返して、引き抜くこともできるし、杭10の引き抜き速度に合わせて注入材を連続的に供給して、引き抜くこともできる。
杭10およびケーシング63の長さが長い場合、杭10およびケーシング63を途中で切断し、再び玉掛けワイヤー70を取り付けて残りの杭10およびケーシング63を引き上げることができる。その際、ケーシング63に取り付けられた管80と注入管20とを一緒に切断することができる。
注入材の注入量は、杭10およびケーシング63を引き上げることにより形成される空隙の体積分の量とすることができる。
図13に示した例では、内側の杭10を引き抜く際、杭10が注入管20に当たり、破損しないように、ケーシング63の外周に注入管20を取り付けているが、これに限られるものではない。したがって、引き抜く際に、杭10が当たらない程度の隙間を設けることができれば、ケーシング63の内側に注入管20を取り付けてもよい。ケーシング63の内側に注入管20を取り付けることで、杭10の引き抜き跡を、より速く充填することが可能となる。なお、ケーシング63の内側に注入管20を取り付ける場合、注入管20は、注入口がケーシング63の先端から突出しない部分に位置するように取り付けることが望ましい。これは、注入管20の外側を覆うようにケーシング63が存在することで、吐出した注入材がそれ以上外側へは移動せず、内側の杭10の引き抜き跡をより早く充填することができるからである。
また、ケーシング63の外周に取り付ける場合、図13(b)に示すように、注入管20の先端の注入口が下方に向いたものでもよいが、杭10が存在する内側へ向くように湾曲させる等の加工が施されたものであってもよい。注入管20の先端の注入口を内側に向けることで、ケーシング63の引き抜き跡、およびその内側の杭10の引き抜き跡をより速く充填することができる。
注入管20をケーシング63に取り付けて建て込む場合、ケーシング63に事前に注入管20が取り付けられていることから、事前取付型の注入管90が使用される。事前取付型の注入管90の構造の例を、図14に示す。なお、図14に示した構造は一例であり、この構造に限定されるものではない。
図14に示した注入管90は、平行に設けられた2本の円柱状のパイプであるロッド91、92を含む。ロッド91、92は、A液、B液を別々に供給するための流路を形成する。1液のみを供給する場合は、ロッドは1本でよい。ロッド91、92は、必要に応じて長さ方向に複数に分割可能とされ、接続部材を使用し、長さ方向に差し込む等して連結することができる。
注入管90の頂部には、ロッド91、92の各々と、各接続管51、52とを接続するための各導入口を備えた導入部材93が設けられる。導入部材93と、各接続管51、52とは、長さ方向に差し込む等して連結される。
また、注入管90は、ロッド91、92の下端に接続される先端部材94を含む。先端部材94は、A液、B液の導入口95、96と、導入口95、96に連続し、各液を混合し、注入材を作製するための空間(混合室97)と、混合室97と外部の地盤とを連絡する注入口98とを有する。
注入口98は、注入管90の断面の中心部にある混合室97から径方向へ向けて注入管90の外側面にまで延び、その内部に、外部からの逆流を防ぐための逆止弁99が設けられる。逆止弁99は、注入口98内であれば、地盤側、混合室側、中央等のいずれの位置に配設されていてもよい。逆止弁99は、混合室97内の注入材の背圧により、弁体が逆流を防止するように作動する弁で、弁体の型式によりリフト式やスウィング式等がある。リフト式は、弁体が鉛直方向に移動して開閉するタイプで、スウィング式は、弁体がヒンジを支点としてドアのように回転して開閉するタイプである。
このとき、注入口98と逆止弁99との間には、隙間が生じるので、その隙間を埋め、逆止弁99が注入材に押されて外部へ飛び出さないように固定するための封止部材(シール材)が設けられる。シール材は、例えばシリコンからなる中空円筒形のものとし、注入口98に嵌め込んで使用することができる。シール材は、注入口98との間に摩擦抵抗を生じて、注入材による逆止弁99の押し出しに抵抗する。注入材の供給圧であれば、シール材は逆止弁99を充分に固定することができる。
しかしながら、注入材の供給圧の数倍から数十倍といった大きい圧力をかけると、シール材は、逆止弁99ごと外部へ押し出される。そこで、注入管90内の洗浄では、このような高圧にした水を供給し、逆止弁99とシール材を外部へ押し出し、混合室97内から注入口98まで簡単かつ短時間で洗浄することができる。逆止弁99およびシール材は、洗浄および乾燥した後、注入口98に嵌め込むだけで簡単に取り付けることができる。
図14に示す例では、注入口98が紙面に向かって左右両方に設けられ、左右両方に注入材を噴射することができるようになっているが、空隙が存在する片方のみに設けられ、片方のみに噴射するように構成されていてもよい。また、注入口98は、深さ方向に向いた注入管90の先端に設けられ、先端から深さ方向に噴射するように構成されていてもよい。
図14に示した注入管90をケーシング63に取り付けて使用する場合、注入管90の頂部には、接続部材としてスイベルを介して注入材を構成するA液、B液をそれぞれ供給するための管(ホース)が接続される。ここで使用されるスイベルは、固定されているため、回転はしない。
注入管90がケーシング63に取り付けられる場合は、杭10とともに引き上げられ、引き上げにより形成されるケーシング63のリング状の抜け跡(空隙1)に注入材が即座に入り込み、また、その中心に出来た杭10の抜け跡(空隙2)へ向けて、空隙1に充填された注入材が空隙2の周囲から流入し、空隙2を埋める。また、注入管90の注入口98がケーシング63の引き上げに伴って移動し、常に空隙2に近い位置に注入口98が存在する。このため、注入管90が1本のみであっても、空隙1、2を即座に注入材で充填することができる。
一方、図3に例示した削孔建込型の注入管20では、吐出部32の位置は杭10が引き上げられても変わらないため、吐出部32から杭10の引き上げにより形成される空隙までの距離が次第に長くなり、空隙を即座に注入材で充填することが難しくなる。このため、少なくとも2本の異なる長さの注入管20を設置している。
このように異なる長さの注入管20を設置する場合、杭10の引き上げ開始時は、長い方の注入管20から注入材を注入し、途中で、短い方の注入管20から注入材を注入することになる。そこで、最初は、各液を供給する2本の管を長い方の注入管20に接続して注入材を注入し、途中で短い方の注入管20に繋ぎ変え、短い方の注入管20から注入材を注入することができる。
しかしながら、このような繋ぎ変えは、時間や手間がかかる。そこで、図15(a)に示すような切替装置110を用い、切り替えを簡単に行えるようにすることができる。切替装置110は、三方向に流体の出入口を有する2つの三方弁111、112を含む。三方弁111、112は、1つの入口と、2つの出口とを有する。三方弁111の1つの入口は、例えばA液を供給する管(ホース)118と接続され、2つの出口は、長さが異なる2つの注入管20に接続された各スイベル114、115にホース116、117を介して接続される。
三方弁112も同じく、1つの入口は、例えばB液を供給するホース113と接続され、2つの出口は、長さが異なる2つの注入管20に接続された各スイベル114、115にホース119、120を介して接続される。三方弁111、112は、同じ構造であるため、三方弁111についてのみ説明し、三方弁112についてはその説明を省略する。
三方弁111は、略90°回転可能なレバー111aを有し、その内部は、例えば図15(b)に示すように、円柱状の空洞121と、空洞121と各出入口とを繋ぐ3つの連通路122~124と、レバー111aの回転に伴って回転するL字状の通路125とを有している。
図15(c)に示すように、レバー111aが位置Dにあるとき、すなわち一端を中心に回転するレバー111aの他端が位置Dにあるとき、L字状の通路125は、ホース118が接続される連通路122と、ホース116が接続される連通路123とを繋ぎ、ホース118を流れてきたA液を、ホース116へと流し、スイベル114へ供給する。
レバー111aの他端を矢線Eの方向へ傾けることによりレバー111aを回転させると、レバー111aの回転に伴って内部のL字状の通路125も回転する。レバー111aの他端が位置Fに到達すると、通路125は、ホース118が接続される連通路122と、ホース117が接続される連通路124とを繋ぐ形となる。これにより、ホース118を流れてきたA液を、ホース117へと流し、スイベル115へ供給することができる。
切り替えについて、A液のみを参照して説明してきたが、A液を切り替える際、B液も同時に切り替える。切り替えを行うと、スイベル114へはA液、B液が供給されなくなるので、スイベル115へA液、B液を供給している間に、スイベル114からホース116、117を外し、別のスイベルにホース116、117を接続することで、スイベル114から当該別のスイベルへさらに切り替えることが可能となる。長さが異なる注入管20を3本以上設置する場合は、このようにして切り替える毎に別のスイベルに接続し直すことで、連続して各注入管20から注入材を注入することができる。
以上に説明してきたように、本方法を採用することで、適切に注入材を注入しながら埋設物を撤去することができる。したがって、周囲に構造物が存在する場合でも、その構造物の沈下を防止しつつ、埋設物を撤去することができる。
これまで本発明の埋設物の撤去方法について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。