JP7064892B2 - シールドトンネル - Google Patents

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Description

本発明は、シールドトンネルに関する。
シールドトンネルは一般に、トンネルの軸方向(延伸方向)に複数のセグメントリングがリング継手を介して接続されることにより、形成されている。このセグメントリングは、トンネルの周方向(円弧方向)に複数の円弧状のセグメントがセグメント継手を介して接続されることにより、形成されている。尚、このセグメントには、鋼製セグメントやRCセグメント(鉄筋コンクリート製セグメント)、鋼殻とコンクリートによる合成セグメントなどがある。ところで、例えば大深度にてトンネルの切拡げを行う場合、この切拡げ箇所には過大な曲げモーメントやせん断力といった断面力が生じ得る。そのため、このように過大な断面力に対して、例えば上記するセグメント継手やリング継手を構成する継手金物(ボルトや所謂クイックジョイント用の金物等)には、太径の金物が往々にして適用されることになる。そして、継手金物が太径のものになると、継手金物を締結するトルクレンチ等の締結器具も自ずと大きくなる。従って、先施工されているセグメントリングに対して、後施工されるセグメントリングを構成するセグメントをリング継手を介して接続しながら、セグメント継手を介して周方向に接続していく場合に、例えば締結器具とリング継手が干渉する可能性が高くなる。このように締結器具とリング継手が干渉すると、セグメント継手を介したセグメントの締結が実質不可能になってしまう。
従来、シールドトンネルを構成するセグメントの継手構造に関しては様々な提案がなされている。例えば、セグメント継手に関しては、セグメントの継手板に凸部をなす継手部材と凹部をなす継手部材を設け、一方のセグメントの凹部に他方のセグメントの凸部を嵌め込んでセグメント継手を形成する。また、リング継手に関しては、セグメントの主桁にピン孔とピンを設け、一方のセグメントのピン孔に他方のセグメントのピンを差し込んでリング継手を形成するセグメントが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-89310号公報
特許文献1に記載のセグメントは、セグメント継手とリング継手の双方にボルト継手ではなくて所謂クイックジョイントを適用するものである。そのため、シールドトンネルの施工に際して、例えばセグメント継手にこのようなクイックジョイントを適用せず、締結器具による締付けを要するボルト継手を適用するシールドトンネルにおいて、先施工されたセグメントリングを構成するリング継手と、後施工されるセグメントリングを構成するボルト継手施工用の締結器具とが干渉するといった課題を解消することはできない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、先施工されたセグメントリングを構成するリング継手と、後施工されるセグメントリングを構成するボルト継手施工用の締結器具との干渉を解消することのできる、シールドトンネルを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるシールドトンネルの一態様は、トンネルの周方向に複数の鋼製セグメントがセグメント継手を介して接続されてセグメントリングが形成され、トンネルの軸方向に複数の該セグメントリングがリング継手を介して接続されてなるシールドトンネルであって、
前記リング継手は、少なくともトンネルの軸方向の引張力に抵抗する引張りせん断継手と、トンネルの軸方向に直交する方向のせん断力に抵抗するせん断継手と、を有し、
前記せん断継手がピン継手であり、
前記セグメント継手の近傍にある前記リング継手に前記ピン継手が適用されていることを特徴とする。
本態様によれば、セグメント継手の近傍にあるリング継手にピン継手を適用したことにより、例えば、後施工されるセグメントリングを構成するセグメント継手の施工に適用される締結器具と、先施工されたセグメントリングを構成するリング継手との干渉を解消することができる。ここで、本発明の対象とするシールドトンネルは、鋼製セグメントから形成される。そして、セグメント継手にはボルト継手が適用され、トンネルの周方向に生じる引張力に対してこのボルト継手にて対抗することができる。また、セグメント継手がボルト継手であることから、その施工に際して締結器具を要する。一方、リング継手は、引張りせん断継手とせん断継手の二種類の継手を有する。引張りせん断継手は、文字通り、引張力とせん断力の双方に抵抗可能な継手である。対して、せん断継手は、引張りせん断継手にて対処できない分のせん断力に抵抗する継手であり、せん断力にのみ抵抗する継手である。
リング継手に生じる引張力としては、リング継手間に介在されるシール部材による反発力や、地震時の軸方向の引張力などが挙げられる。いずれの引張力に対しても、セグメントリング間の目開き量を所定値以内とし、シールドトンネルのリング継手における止水性を引張りせん断継手にて担保する。また、リング継手に生じるせん断力は、トンネルの軸方向に直交する方向、より具体的には、トンネルの径方向や周方向へのせん断力が挙げられ、地震時に作用するせん断力の他、上記するように大深度トンネルの切拡げ箇所などに顕著に生じ得る。リング継手において、引張りせん断継手とせん断継手の双方がせん断力に抵抗し、ピン継手からなるせん断継手により、引張りせん断継手によるせん断耐力にて足りない分のせん断耐力が負担される。
本態様のシールドトンネルでは、引張りせん断継手とせん断継手から構成されるリング継手において、ピン継手からなるせん断継手をセグメント継手の近傍に適用するものである。本明細書において、「セグメント継手の近傍」とは、リング継手の設置箇所のうち、セグメント継手に最も近い設置箇所や、セグメント継手の施工の際に締結器具がリング継手に干渉し得る領域などを意味している。従って、セグメント継手の近傍にない領域においては、リング継手として引張りせん断継手が適用され、必要に応じてピン継手からなるせん断継手が適用される。ここで、引張りせん断継手としては、ボルト継手の他、所謂クイックジョイントの双方が適用可能である。本明細書において、「クイックジョイント」とは、受け金具を含む雌継手に対して挿入金具を含む雄継手を嵌入させることによって形成される継手や、雌継手に雄継手を差し込み、セグメントをトンネルの軸方向に移動させることによって雌継手と雄継手を係合させる継手などを含んでいる。
また、本発明によるシールドトンネルの他の態様は、トンネルの周方向に複数の鋼製セグメントがセグメント継手を介して接続されてセグメントリングが形成され、トンネルの軸方向に複数の該セグメントリングがリング継手を介して接続されてなるシールドトンネルであって、
前記リング継手は、少なくともトンネルの軸方向の引張力に抵抗する引張りせん断継手と、トンネルの軸方向に直交する方向のせん断力に抵抗するせん断継手と、を有し、
前記せん断継手がピン継手であり、
前記ピン継手を形成するピンは、接続する2つの前記鋼製セグメントの主桁を貫通しておらず、
前記ピンの一端は、接続される一方の鋼製セグメントの主桁に形成されている継手孔に固定され、
前記ピンの他端は、接続される他方の鋼製セグメントの主桁に形成されている継手孔に挿入されていることを特徴とする。
本態様によれば、ピン継手からなるせん断継手が接続される双方の鋼製セグメントの主桁を貫通していない、すなわち、双方の鋼製セグメント間に埋設されていることにより、リング継手を形成するせん断継手が後施工のセグメントリングを構成するセグメント継手の施工に適用される締結器具と干渉することが解消される。また、ピン継手が主桁を貫通していないことから、特別な止水対策を講じる必要もない。さらに、ピン継手が主桁を貫通していないことから、貫通する場合の完全なる断面欠損に対して断面欠損による影響を低減することができる。また、特に、このように主桁を貫通していないピン継手からなるせん断継手がセグメント継手の近傍に適用されていることにより、後施工のセグメントリングを構成するセグメント継手の施工に適用される締結器具と、先施工のセグメントリングを構成するリング継手との間の干渉を確実に解消することができる。
ここで、ピンの一端が一方の鋼製セグメントの主桁に形成されている継手孔に固定され、ピンの他端が他方の鋼製セグメントの主桁に形成されている継手孔に挿入されていることにより、一方の鋼製セグメントの主桁の継手孔にピンを固定した状態で移動させ、ピンの他端を他方の鋼製セグメントの主桁の継手孔に挿入する方法により、せん断力(ピン継手)を施工することができる。この「固定」には、勘合や螺子係合など、様々な固定形態が包含される。一方、「挿入」は、ピンの外径に対して若干大きな内径の継手孔に対してピンを挿入することを意味しており、ピンや継手孔の加工誤差や、様々な施工誤差を吸収することを可能としている。
また、本発明によるシールドトンネルの他の態様は、トンネルの周方向に複数の鋼製セグメントがセグメント継手を介して接続されてセグメントリングが形成され、トンネルの軸方向に複数の該セグメントリングがリング継手を介して接続されてなるシールドトンネルであって、
前記リング継手は、少なくともトンネルの軸方向の引張力に抵抗する引張りせん断継手と、トンネルの軸方向に直交する方向のせん断力に抵抗するせん断継手と、を有し、
前記せん断継手がピン継手であり、
前記ピン継手を形成するピンは、接続する2つの前記鋼製セグメントの主桁を貫通しており、
前記ピンの一端には係止フランジが設けられ、接続される一方の鋼製セグメントの主桁の側面に該係止フランジが係止され、
係止フランジを有する係合キャップが、接続される他方の鋼製セグメントの主桁の側面に該係止フランジを係止させた状態で、前記ピンの他端に係合していることを特徴とする。
本態様によれば、接続される双方の主桁をピン継手が貫通するものの、ピンの一端の係止フランジが一方の主桁の側面に係止され、ピンの他端に係合される係合キャップの係止フランジが他方の主桁の側面に係止される。そのため、ボルト継手のように主桁の内部にピンが張出し、セグメント継手施工用の締結機器とピンが干渉する可能性は少ない。また、本態様においても、主桁を貫通するピン継手からなるせん断継手がセグメント継手の近傍に適用されていることにより、セグメント継手施工用の締結器具と先施工されているセグメントリングを構成するリング継手との間の干渉を確実に解消することができる。
本発明のシールドトンネルによれば、セグメント継手施工用の締結器具とリング継手との干渉を解消することのできるシールドトンネルを提供できる。
本発明の実施形態に係るシールドトンネルを構成する2つのセグメントリングの一部を示した斜視図である。 図1のII方向の矢視図である。 リング継手を構成するせん断継手の一例を示す施工フロー図であって、(a)はせん断継手の形成前の状態を示す図であり、(b)は形成されたせん断継手の一例を示す図である。 リング継手を構成するせん断継手の他の例を示す施工フロー図であって、(a)はせん断継手の形成前の状態を示す図であり、(b)は形成されたせん断継手の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[本発明の実施形態に係るシールドトンネル]
図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係るシールドトンネルについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係るシールドトンネルを構成する2つのセグメントリングの一部を示した斜視図であり、図2は、図1のII方向の矢視図である。また、図3は、リング継手を構成するせん断継手の一例を示す施工フロー図であって、(a)はせん断継手の形成前の状態を示す図であり、(b)は形成されたせん断継手の一例を示す図である。なお、図1では、リング継手やせん断継手を構成するボルト継手やピン継手等の図示を省略している。
図1に示すように、シールドトンネル100は、複数のセグメントリング20がトンネルの軸方向にリング継手40を介して接続されることにより、形成されている。また、セグメントリング20は、複数の円弧状の鋼製セグメント10が周方向にせん断継手30を介して接続されることにより、形成されている。
鋼製セグメント10は、所定の曲率を備えた円弧状の一組の鋼製の主桁11と、主桁11の周方向端部において2つの主桁11を溶接にて繋ぐ鋼製の継手板12と、円弧状の主桁11の径方向外側において2つの主桁11と継手板12に溶接にて接続されているスキンプレート14と、対向する主桁11間に亘って配設された複数の鋼製の縦リブ13とを有する。なお、図示例の鋼製セグメント10は、2つの主桁11を有して双方の主桁11間の幅が比較的狭いセグメントであるが、主桁11間の幅が広く、かつ3つ以上の主桁11を有する形態であってもよい。また、図示例の鋼製セグメント10はスキンプレート14を有しているが、スキンプレート14に代わって、厚みのあるフランジが適用されてもよい。
主桁11には、リング継手を構成するピンやボルト等が挿通される継手孔11aが開設されており、この継手孔11aは一般に、主桁11の側面において、継手板12と縦リブ13の間の位置や、縦リブ13と縦リブ13の間の位置に開設される。一方、継手板12には、セグメント継手を構成するボルトが挿通される継手孔12aが開設されている。
また、図示を省略するが、隣接するセグメントリング20間にはシール材が介在しており、このシール材からの反発力に対抗して、セグメントリング20同士をリング継手によって引き付ける。このリング継手による引付け力により、セグメントリング20間の目開き量が所定値以下となるように調整されている。
図2に示すように、隣接するセグメントリング20同士は、各セグメントリング20を構成する鋼製セグメント10同士を繋ぐセグメント継手30が、トンネルの軸方向に揃わないように相互にずらした態様にて接続されている。セグメント継手30は、継手板12に開設されている継手孔12a(貫通孔)と、ボルト継手33とを有する。ボルト継手33は、頭付きボルト31と、締付けナット32とを有する。セグメント継手30がボルト継手33から構成されることにより、セグメントリング20に作用する土水圧等に起因してセグメント継手30に生じる周方向の引張力に対して対抗することができる。
一方、隣接するセグメントリング20同士は、リング継手40によって接続されている。リング継手40は、引張りせん断継手43とせん断継手45の二種類の継手を有する。引張りせん断継手43は、主桁11に開設された貫通孔からなる継手孔11aと、ボルト継手43とを有し、このボルト継手43は、頭付きボルト41と、締付けナット42とを有する。一方、せん断継手45は、主桁11に開設されて主桁11を貫通しない継手孔11a1、11a2(図3参照)と、これらの継手孔11a1、11a2内に配設されて2つの主桁11内に埋設されるピン44とを有する。
引張りせん断継手43は、接続されるセグメントリング20間に生じる引張力とせん断力の双方に抵抗可能な継手である。このリング継手40に生じる引張力としては、セグメントリング20間に介在される不図示のシール部材による反発力や、地震時におけるトンネルの軸方向の引張力などが挙げられる。いずれの引張力に対しても、セグメントリング20間の目開き量を所定値以内とし、シールドトンネル100の止水性をこの引張りせん断継手43にて担保する。
また、リング継手40に生じるせん断力としては、トンネルの軸方向に直交する方向、より具体的には、トンネルの径方向や周方向へのせん断力が挙げられ、地震時に作用するせん断力の他、大深度トンネルの切拡げ箇所などに往々に生じ得るせん断力等である。リング継手40において、引張りせん断継手43とせん断継手45の双方がせん断力に抵抗し、ピン継手からなるせん断継手45により、引張りせん断継手43によるせん断耐力にて足りない分のせん断耐力が負担される。
図2から明らかなように、仮に、ボルト継手33からなるセグメント継手の近傍Aにあるリング継手にボルト継手を適用すると、後施工のセグメントリング20を構成するセグメント継手30を施工する際に、セグメント継手30を構成する締付けナット32を、不図示の締結器具(例えばトルクレンチ等)にて締付ける十分なスペースが存在しない。そのため、セグメント継手30の施工が実質不可能になり得る。
そこで、ボルト継手33からなるセグメント継手の近傍Aにあるリング継手40には、ピン継手からなるせん断継手45を適用している。一方、セグメント継手の近傍A以外の領域には、ボルト継手からなる引張りせん断継手43を適用する。なお、必要に応じて、セグメント継手の近傍A以外の領域において、引張りせん断継手43とせん断継手45の双方を適用してもよい。
後述するように、先施工のセグメントリング20に対して、後施工のセグメントリング用の鋼製セグメント10を取付け、セグメント継手30とリング継手40を施工して鋼製セグメント10の取り付けが行われる。この際、せん断継手45を構成するピン44は一方の鋼製セグメント10の主桁11の継手孔11a2に予め取り付けておき、後施工の鋼製セグメント10を先施工のセグメントリング20を構成する鋼製セグメント10に当接させる際に、先施工の鋼製セグメント10の継手孔11a1にピン44を挿入するようにして組み付ける。このような組み付けにより、ピン44は2つの主桁11内に完全に埋まった状態となる。従って、その後の施工にてピン継手45の近傍にセグメント継手30を施工する際に、締付けナット32を締結器具にて締め付ける十分なスペースが確保され、締結器具とせん断継手45との干渉は生じない。
なお、図示例のリング継手40を構成する引張りせん断継手43は、ボルト継手から構成されているが、それ以外の形態の継手であってもよい。具体的には、所謂クイックジョイントを適用することができる。このクイックジョイントには様々な形態がある。例えば、雌継手に雄継手を挿入することによって形成される継手がある。この雄継手がピンからなり、雌継手がピン受けから構成される形態の他、雄継手が雄螺子ボルトからなり、雌継手が雄螺子ボルトの挿通部を備えた複数の雌螺子ボルトからなる形態などがある。さらに、雌継手に雄継手を一端挿入した後、雄継手を雌継手内でスライドさせることによって双方を係合させる形態がある。せん断継手45と異なり、引張りせん断継手43は、セグメント継手30を構成するボルト継手33と干渉する位置に存在しないことから、主桁11内に張出しても問題がない。従って、引張りせん断継手43には図示例のボルト継手33やクイックジョイントなどを適用することができる。
図2に示すせん断継手45の形成方法を、図3(a)、(b)の施工フロー図に示している。接続される2つの鋼製セグメント10のうち、例えば、坑口側の鋼製セグメント10の主桁11に開設されている継手孔11a2には螺子切り11bを設けておき、一端に螺子切り44aが形成されているピン44を継手孔11a2に予め捩じ込んでおく。なお、この捩じ込みは、例えば、ピン44の他端に開設されている六角孔等の締結孔44bに締結機器を嵌め込み、回転させることによって行われる。
坑口側の鋼製セグメント10の主桁11のうち、セグメント継手の近傍Aにあるせん断継手用の継手孔11a2の全てにピン44を捻じ込んだ状態で、この鋼製セグメント10を切羽側の鋼製セグメント10に近接させていく。そして、切羽側の鋼製セグメント10の主桁11の側面において、各ピン44に対応する位置に開設されている継手孔11a1にピン44の他端を挿入することにより、図3(b)に示すピン継手45が形成される。
ピン継手45は、セグメント継手施工用の締結機器と干渉しないことの他にも、主桁11を貫通していないことから、貫通させる場合に必要になり得る固有の止水処置が不要になる。また、貫通孔の場合は主桁に完全な断面欠損が生じるが、図示例のピン継手45は主桁11に貫通孔を有するものでないことから、主桁11における断面欠損の影響を低減することができる。
図3(b)において、接地長さt1、t2はいずれも、例えば、主桁11の厚みの1/3とピン44の直径の大きい方以上の長さに設定することができ、より詳細には、係る大きい方の長さと継手孔の削孔精度(削孔誤差)を加算した値以上の長さに設定することができる。例えば、主桁11の厚みが70mm、ピン44の直径が30mmの場合に、接地長さt1、t2を35乃至40mm程度に設定することができる。
また、ピン44が挿入される側の継手孔11a1とピン44との間には、挿入余裕代t3を設けておくのがよい。このように、継手孔11a1に対して挿入余裕代t3を設けておくことにより、ピンや挿入孔の加工誤差や様々な施工誤差を吸収しながら、ピン44を確実に継手孔11a1に挿入設置することができる。
図4は、ピン継手の他の実施形態を図3と同様に施工フロー図として示した図であって、図4(a)は、せん断継手の形成前の状態を示す図であり、図4(b)は形成されたせん断継手の他の例を示す図である。接続される2つの主桁11がともに貫通孔からなる継手孔11a3を有し、一端に係止フランジ44cを有するピン44Aを、一方の鋼製セグメント10の主桁11の内側から挿入するとともに該側面に係止フランジ44cを係止させる。
一方、他方の鋼製セグメント10の主桁11の内側からは、係止フランジ46bと係合溝46aを有する係合キャップ46を、主桁11の継手孔11a3に挿入していく。図4(b)に示すように、ピン44Aの先端の螺子切り44aに対して、係合キャップ46の係合溝46aを捻じ込むことにより、もしくは係合キャップ46の係合溝46aを押し込んで係合させることにより、ピン継手45Aが形成される。
図4(b)からも明らかなように、ピン継手45Aでは、接続される双方の主桁11をピン44Aが貫通するものの、ピン44Aの一端の係止フランジ44cと係合キャップ46の係止フランジ46bがともに主桁11の側面に係止され、ボルト継手のように主桁11の内部に大きく張出すものではない。従って、これら係止フランジ44c、係止フランジ46bがセグメント継手施工用の締結機器と干渉する可能性は極めて低い。
なお、図示を省略するが、図4(b)に示すピン継手45Aから係合キャップ46を省略した形態、すなわち、図4(a)の係合キャップ46を装着する前の状態でピン継手を形成してもよい。また、図4(a)の係合キャップ46を装着する前の状態で、2つの主桁11に亘る貫通孔に係止フランジ44cを備えていない図3に示すピン44が適用されたピン継手であってもよい。
上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、また、本発明はここで示した構成に何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
10:鋼製セグメント、11:主桁、11a、11a1、11a2,11a3:継手孔、11b:螺子切り、12:継手板、12a:継手孔、13:縦リブ、14:スキンプレート、20:セグメントリング、30:セグメント継手、31:頭付きボルト、32:締付けナット、33:ボルト継手、40:リング継手、41:頭付きボルト、42:締付けナット、43:ボルト継手(引張りせん断継手)、44,44A:ピン、44a:螺子切り、44b:締結孔、44c:係止フランジ、45,45A:ピン継手(せん断継手)、46:係合キャップ、46a:係合溝、46b:係止フランジ、100:シールドトンネル、A:セグメント継手の近傍

Claims (3)

  1. トンネルの周方向に複数の鋼製セグメントがセグメント継手を介して接続されてセグメントリングが形成され、トンネルの軸方向に複数の該セグメントリングがリング継手を介して接続されてなるシールドトンネルであって、
    前記リング継手は、少なくともトンネルの軸方向の引張力に抵抗する引張りせん断継手と、トンネルの軸方向に直交する方向のせん断力に抵抗するせん断継手と、を有し、
    前記せん断継手がピン継手であり、
    前記ピン継手を形成するピンは、接続する2つの前記鋼製セグメントの主桁を貫通しておらず、
    前記ピンの一端は、接続される一方の鋼製セグメントの主桁に形成されている継手孔に固定され、
    前記ピンの他端は、接続される他方の鋼製セグメントの主桁に形成されている継手孔に挿入されていることを特徴とする、シールドトンネル。
  2. トンネルの周方向に複数の鋼製セグメントがセグメント継手を介して接続されてセグメントリングが形成され、トンネルの軸方向に複数の該セグメントリングがリング継手を介して接続されてなるシールドトンネルであって、
    前記リング継手は、少なくともトンネルの軸方向の引張力に抵抗する引張りせん断継手と、トンネルの軸方向に直交する方向のせん断力に抵抗するせん断継手と、を有し、
    前記せん断継手がピン継手であり、
    前記ピン継手を形成するピンは、接続する2つの前記鋼製セグメントの主桁を貫通しており、
    前記ピンの一端には係止フランジが設けられ、接続される一方の鋼製セグメントの主桁の側面に該係止フランジが係止され、
    係止フランジを有する係合キャップが、接続される他方の鋼製セグメントの主桁の側面に該係止フランジを係止させた状態で、前記ピンの他端に係合していることを特徴とする、シールドトンネル。
  3. 前記ピン継手が、前記セグメント継手の近傍にある前記リング継手に適用されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシールドトンネル。
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