JP7063190B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両の制御装置に係り、特に、排ガス中に含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタを有するエンジンを備える車両の制御装置に関するものである。
エンジンと、そのエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成するように配設され、変速比が異なる複数のギヤ段を成立させることができる有段変速部と、を備える車両が知られている。特許文献1に記載の装置はその一例で、有段変速部のギヤ段を変速マップ等による変速要求に従って自動的に切り替えるようになっている。一方、上記エンジンの排気系に、排ガス中に含まれるPM(Particulate Matter)等の粒子状物質を捕捉するフィルタを設けたもの知られている。特許文献2~4に記載の装置はその一例で、粒子状物質の捕捉量が多くなった場合には、捕捉された粒子状物質が燃焼し易くなるようにエンジンを制御することにより、フィルタから粒子状物質を除去して再生する種々の技術が提案されている。また、引用文献2では、粒子状物質が多くなり過ぎた場合には、整備工場等で整備が必要である旨の警告表示等を行うようになっている。
特開2017-194103号公報 特開2016-183575号公報 特開2017-141791号公報 特開2017-66992号公報
ところで、未だ公知ではないが、整備工場等で技術スタッフ等による強制再生要求に基づいて、フィルタに捕捉された粒子状物質が車両の走行中に燃焼し易くなるようにエンジンを制御してフィルタを強制的に再生する強制再生モードを設けた場合、その強制再生モードでは通常と異なる特殊な制御態様でエンジンが制御される。このため、有段変速部に対する入力トルクが変化して、その有段変速部の変速時に変速ショックが発生する可能性がある。すなわち、有段変速部の変速制御、例えば摩擦係合装置の係合解放制御などは、入力トルクに基づいて係合トルク(油圧など)や係合解放タイミング等が定められているため、入力トルクが変化すると変速ショックが生じる可能性がある。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、強制再生モードでの走行でフィルタを強制的に再生する際に、強制再生用の特殊なエンジン制御に拘らず変速ショックが発生することを防止することにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、(a) 排ガス中に含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタを有するエンジンと、そのエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成するように配設され、変速比が異なる複数のギヤ段を成立させることができる有段変速部と、を備える車両に適用され、(b) 前記車両の走行中に前記有段変速部のギヤ段を前記車両の運転状態に基づく変速要求に従って自動的に切り替える変速制御部を有する車両の制御装置において、(c) 人為的な強制再生要求に基づいて、前記フィルタに捕捉された粒子状物質が前記車両の走行中に燃焼し易くなるように前記エンジンを制御することにより、前記車両の走行中に前記フィルタを強制的に再生する強制再生モードを実行するフィルタ再生制御部を有し、(d) 前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードの実行中における前記変速制御部による前記有段変速部の変速を禁止して、前記ギヤ段を予め定められた一定の固定ギヤ段に維持することを特徴とする。
第2発明は、第1発明の車両の制御装置において、(a) 前記有段変速部は、変速比が異なる3速以上のギヤ段を成立させることが可能で、(b) 前記固定ギヤ段は、変速比が最大の最低速ギヤ段および変速比が最小の最高速ギヤ段を除いた1または複数の中間ギヤ段の何れかであることを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の車両の制御装置において、前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードが終了しても、前記車両が停止し且つ駐車用のPレンジが選択されるまで、前記固定ギヤ段を維持することを特徴とする。
第4発明は、第1発明~第3発明の何れかの車両の制御装置において、(a) 前記変速制御部は、目標変速特性で変速が行われるように変速制御値を学習する変速学習部を備えている一方、(b) 前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードの実行中に前記変速学習部により前記変速制御値の学習が行われることを禁止することを特徴とする。
第5発明は、第1発明~第4発明の何れかの車両の制御装置において、(a) 前記車両は、差動用回転機のトルク制御で前記エンジンの回転速度を無段階に変速して前記有段変速部に伝達する電気式無段変速部を備えており、(b) 前記有段変速部の出力回転速度に対する前記エンジンの回転速度の変速比が異なる複数の模擬ギヤ段を成立させるように前記電気式無段変速部を制御する模擬有段化制御部を有し、(c) 前記模擬有段化制御部は、前記有段変速部の複数のギヤ段毎に1または複数の模擬ギヤ段が割り当てられており、前記車両の運転状態に基づく変速要求に従ってその模擬ギヤ段を自動的に切り替え、(d) 前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードの実行中における前記模擬有段化制御部による前記模擬ギヤ段の変速を、前記固定ギヤ段に割り当てられた範囲内に制限することを特徴とする。
第6発明は、第1発明~第5発明の車両の制御装置において、前記強制再生モードは、前記エンジンの燃料噴射量の増量、空燃比のリッチ化、点火時期の遅角、エンジン回転速度の下限値アップ、エンジン出力制限、およびフューエルカットの何れか1つ、または複数を併用して行われることを特徴とする。
このような車両の制御装置においては、ディーラー等における人為的な強制再生要求に基づいて車両の走行中に強制再生モードが実行されることにより、強制再生用の特殊なエンジン制御によってフィルタの粒子状物質が燃焼により除去され、車両を走行させるだけで簡便にフィルタを再生することができる。しかも、強制再生モードの実行中は、有段変速部のギヤ段が予め定められた固定ギヤ段に維持されるため、特殊なエンジン制御による入力トルクの変化に起因して変速ショックが発生する恐れがない。
第2発明では、前記固定ギヤ段が中間ギヤ段であるため、所定の発進性能を確保しつつ高速走行が可能となり、高速道路などで連続運転を行うことにより、フィルタを効率良く短時間で再生することができる。中間ギヤ段での高速走行では、エンジン回転速度が比較的高回転になって温度が高くなるため、この点でも粒子状物質を燃焼させて除去するフィルタの強制再生処理に都合が良い。
第3発明では、強制再生モードが終了しても、車両が停止し且つ駐車用のPレンジが選択されるまで有段変速部は固定ギヤ段に維持されるため、車両の走行中に固定ギヤ段の維持が解除されて変速が行われることにより、駆動力が急に変化して加速や減速等が生じることが防止される。
第4発明は、目標変速特性で変速が行われるように変速制御値を学習する変速学習部を備えている場合で、強制再生モードの実行中は、その変速学習部による変速制御値の学習が禁止されるため、強制再生モードの実行時に有段変速部が誤って変速された場合の、特殊なエンジン制御に起因する変速制御値の誤学習が防止される。
第5発明は、エンジンの回転速度を無段階に変速して有段変速部に伝達する電気式無段変速部を備えており、有段変速部の出力回転速度に対するエンジン回転速度の変速比が異なる複数の模擬ギヤ段を成立させることができるとともに、有段変速部の複数のギヤ段毎に1または複数の模擬ギヤ段が割り当てられ、強制再生モードの実行中においても固定ギヤ段に割り当てられた範囲で模擬ギヤ段を切り替えることが許容される。このため、適切なエンジン回転速度で走行できる車速範囲が広くなり、強制再生モードでの走行時の運転が容易になる。電気式無段変速部の変速は、差動用回転機のトルク制御でエンジン回転速度を変化させるため、特殊なエンジン制御による入力トルクの変化に拘らず変速ショックを抑制しつつ模擬ギヤ段を切り替えることができる。
第6発明は、エンジンの燃料噴射量の増量、空燃比のリッチ化、点火時期の遅角、エンジン回転速度の下限値アップ、エンジン出力制限、およびフューエルカットの何れか1つ、または複数を併用して強制再生モードが実行されるため、フィルタの再生を適切に行うことができる。
本発明が適用された車両に備えられている車両用駆動装置の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。 図1で例示した機械式有段変速部の複数のATギヤ段とそれを成立させるための係合装置を説明する係合作動表である。 電気式無段変速部と機械式有段変速部とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。 複数のATギヤ段に複数の模擬ギヤ段を割り当てたギヤ段割当テーブルの一例を説明する図である。 図3と同じ共線図上に、機械式有段変速部のATギヤ段および電気式無段変速部によって成立させられる模擬ギヤ段を例示した図である。 ATギヤ段および模擬ギヤ段の変速制御に用いられる変速マップの一例を説明する図である。 図1のGPF強制再生制御部によって実行されるGPF強制再生処理を具体的に説明するフローチャートである。 図7のフローチャートに従ってGPF強制再生処理が行われた場合の各部の状態の変化を説明するタイムチャートの一例である。
エンジンは、燃料の燃焼で動力を発生する内燃機関で、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等であり、フィルタとしてGPF(Gasoline Particulate Filter)やDPF(Diesel Particulate Filter)が排気管等に設けられる。本発明は、動力源としてエンジンのみを備えているエンジン駆動車両に適用されるが、エンジンの他に走行用電動モータを有するハイブリッド車両にも適用され得る。有段変速部としては、例えば複数の摩擦係合装置の係合解放状態によって複数のギヤ段が成立させられる遊星歯車式や平行軸式等の変速機が好適に用いられる。この有段変速部のギヤ段を切り替える変速制御部は、例えば車両の運転状態に基づいて予め定められた変速条件に従って自動的にギヤ段を切り替える自動変速制御を行うように構成されるが、自動変速制御に加えて運転者の変速指示に従ってギヤ段を切り替える手動変速制御を行うものでも良い。自動変速制御の変速条件は、運転者の加速要求を表すアクセル操作量や車速等の運転状態をパラメータとして定められた変速マップなどである。
人為的な強制再生要求は、例えば車両とは別に用意された強制再生要求ツールを用いて行われるが、車両に設けられたスイッチ等を操作して強制再生要求を行うことができるようにしても良い。強制再生要求ツールは、例えばディーラー(販売店)の整備工場等に備えられたパソコン等のツールで、車両の制御装置のフィルタ再生制御部に対して有線または無線によってフィルタの強制再生を要求できるものである。車両に設けられた強制再生要求部を、強制再生要求ツールである工具を用いて機械的に操作することにより、フィルタ再生制御部に対してフィルタの強制再生を要求するなど、種々の態様が可能である。強制再生モードは、例えばエンジンの燃料噴射量の増量、空燃比のリッチ化、点火時期の遅角、エンジン回転速度の下限値アップ、エンジン出力制限、フューエルカットなど、フィルタに捕捉された粒子状物質が車両走行中に燃焼し易くなるようにする種々のエンジン制御を採用できる。
フィルタ再生制御部は、例えばフィルタの強制再生が必要か否かを判断して、強制再生が必要と判断した場合に、警告装置によって強制再生を促す警告を行うように構成される。警告装置は、警告表示器や警告音発生器などで、警告ランプ等の点灯や点滅、警告音の発生等により警告する。強制再生が必要か否かは、例えばフィルタの前後の圧力差が所定の判定値以上か否かによって判断できるが、車両の走行距離やエンジン運転時間などの車両状態に基づいて判定することもできる。警告を行うことなく、車両の定期点検時等に強制再生が必要か否かを調べて、必要に応じて強制再生モードを実行するようにしても良い。
有段変速部が3速以上のギヤ段を有する場合、中間ギヤ段を固定ギヤ段とすることが望ましいが、最低速ギヤ段や最高速ギヤ段を固定ギヤ段とすることも可能である。2段変速の有段変速部を用いることも可能である。強制再生モードが終了した場合、例えば車両が停止し且つ駐車用のPレンジが選択されるまで固定ギヤ段に維持することが望ましいが、車両が停止した段階で固定ギヤ段の維持を解除しても良い。また、手動変速制御の場合、車両が走行中であっても強制再生モードが終了した時点で直ちに固定ギヤ段の維持を解除しても良い。自動変速制御でも、例えば車両の運転状態が固定ギヤ段に適合している場合など、車両が走行中であっても強制再生モードが終了した時点で直ちに固定ギヤ段の維持を解除しても良い。強制再生モードが終了した時点で、無条件で固定ギヤ段の維持を解除することも可能である。
有段変速部を変速制御する変速制御部が、目標変速特性で変速が行われるように変速制御値を学習する変速学習部を備えている場合、強制再生モードの実行中はその変速学習部による変速学習を禁止しても良いが、強制再生モードの実行中は基本的に有段変速部の変速が禁止されるため、変速学習部による変速学習を必ずしも禁止する必要はない。上記目標変速特性は、変速所要時間や変速に伴う入力回転速度の変化率等の変速特性の目標値であり、変速学習部は、例えばその目標値との偏差に応じて、変速に関与する係合装置の係合圧指令値や係合圧の変化タイミング等の変速制御値を学習するように構成される。
本発明は、電気式無段変速部および模擬有段化制御部を備える車両に好適に適用されるが、電気式無段変速部および模擬有段化制御部を備えていない車両にも適用され得る。模擬ギヤ段を成立させることなく無段変速される電気式無段変速部や機械式無段変速部を有する車両や、その無段変速部が有段変速部と車輪との間の動力伝達経路に配置される車両など、種々の車両に適用され得る。電気式無段変速部および模擬有段化制御部を備えており、有段変速部の複数のギヤ段毎に1または複数の模擬ギヤ段が割り当てられている場合、強制再生モードの実行中でも固定ギヤ段に割り当てられた範囲で模擬ギヤ段が切り替えられるようにすることが望ましいが、通常よりも広い変速範囲で模擬ギヤ段が切り替えられるようにすることもできるし、模擬ギヤ段についても一定の固定模擬ギヤ段に維持されるようにしても良いなど、種々の態様が可能である。
以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両10に備えられている車両用駆動装置12の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両用駆動装置12は、走行用の動力源として機能するエンジン14、車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース16内において共通の軸心上に直列に配設された、電気式無段変速部18及び機械式有段変速部20等を備えている。電気式無段変速部18は、直接的に或いは図示しないダンパーなどを介して間接的にエンジン14に連結されている。機械式有段変速部20は、電気式無段変速部18の出力側に連結されている。又、車両用駆動装置12は、機械式有段変速部20の出力回転部材である出力軸22に連結された差動歯車装置24、差動歯車装置24に連結された一対の車軸26等を備えている。車両用駆動装置12において、エンジン14や後述する第2回転機MG2から出力される動力は、機械式有段変速部20へ伝達され、その機械式有段変速部20から差動歯車装置24等を介して車両10が備える左右の駆動輪28へ伝達される。車両用駆動装置12は、例えば車両10において縦置きされるFR(=フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものである。尚、以下、トランスミッションケース16をケース16、電気式無段変速部18を無段変速部18、機械式有段変速部20を有段変速部20という。又、動力は、特に区別しない場合にはトルクや力も同意である。又、無段変速部18や有段変速部20等は上記共通の軸心に対して略対称的に構成されており、図1ではその軸心の下半分が省略されている。上記共通の軸心は、エンジン14のクランク軸、後述する連結軸34などの軸心である。
エンジン14は、車両10の走行用の動力源で、燃料の燃焼によって動力を発生する内燃機関であり、本実施例では燃料としてガソリンを使用するガソリンエンジンが用いられている。このエンジン14は、車両10に備えられた電子スロットル弁や燃料噴射装置、点火装置等のエンジン制御装置50が、後述する電子制御装置90によって制御されることにより、エンジン14の出力トルクであるエンジントルクTe が制御される。本実施例では、エンジン14は、トルクコンバータやフルードカップリング等の流体式伝動装置を介することなく無段変速部18に連結されている。
無段変速部18は、第1回転機MG1と、エンジン14の動力を第1回転機MG1及び無段変速部18の出力回転部材である中間伝達部材30に機械的に分割する動力分割機構としての差動機構32とを備えている。中間伝達部材30には第2回転機MG2が動力伝達可能に連結されている。無段変速部18は、第1回転機MG1の運転状態(トルクなど)が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式無段変速機である。第1回転機MG1は、エンジン14の回転速度であるエンジン回転速度Ne を制御可能な回転機であって、差動用回転機に相当し、又、第2回転機MG2は、走行用の動力源として機能する回転機であって、走行用電動モータに相当する。車両10は、走行用の動力源として、エンジン14及び第2回転機MG2を備えたハイブリッド車両である。
第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、各々、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられた蓄電装置としてのバッテリ54に接続されており、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々の出力トルクであるMG1トルクTg 及びMG2トルクTm が制御される。回転機の出力トルクは、加速側となる正トルクでは力行トルクであり、又、減速側となる負トルクでは回生トルクである。バッテリ54は、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々に対して電力を授受する蓄電装置である。
差動機構32は、シングルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、サンギヤS0、キャリアCA0、及びリングギヤR0を備えている。キャリアCA0には連結軸34を介してエンジン14が動力伝達可能に連結され、サンギヤS0には第1回転機MG1が動力伝達可能に連結され、リングギヤR0には中間伝達部材30が動力伝達可能に連結されている。差動機構32において、キャリアCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能する。
有段変速部20は、中間伝達部材30と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する有段変速機としての機械式変速機構、つまり無段変速部18と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する機械式変速機構である。中間伝達部材30は、有段変速部20の入力回転部材としても機能する。中間伝達部材30には第2回転機MG2が一体回転するように連結されているとともに、無段変速部18の入力側にはエンジン14が連結されているため、有段変速部20は、動力源である第2回転機MG2およびエンジン14と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機である。中間伝達部材30は、駆動輪28に動力源の動力を伝達する為の伝達部材である。有段変速部20は、例えば第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の複数組の遊星歯車装置と、ワンウェイクラッチF1を含む、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、ブレーキB2の複数の係合装置とを備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。以下、クラッチC1、クラッチC2、ブレーキB1、及びブレーキB2については、特に区別しない場合は単に係合装置CBという。
係合装置CBは、油圧アクチュエータにより押圧される多板式或いは単板式のクラッチやブレーキ、油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成される、油圧式の摩擦係合装置である。係合装置CBは、車両10に備えられた油圧制御回路56内のソレノイドバルブSL1-SL4等から各々出力される調圧された係合装置CBの各係合圧としての各係合油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量である係合トルクTcbが変化させられることで、各々、係合や解放などの状態である作動状態が切り替えられる。尚、係合トルクTcb(或いは伝達トルク)と係合油圧PRcbとは、例えば係合装置CBのパック詰めに必要な係合油圧PRcbを供給する領域を除けば、略比例関係にある。
有段変速部20は、第1遊星歯車装置36及び第2遊星歯車装置38の各回転要素が、直接的に或いは係合装置CBやワンウェイクラッチF1を介して間接的に、一部が互いに連結されたり、中間伝達部材30、ケース16、或いは出力軸22に連結されている。第1遊星歯車装置36の各回転要素は、サンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1であり、第2遊星歯車装置38の各回転要素は、サンギヤS2、キャリアCA2、リングギヤR2である。
有段変速部20は、複数の係合装置CBのうちの所定の係合装置の係合によって、変速比γat(=AT入力回転速度Ni /出力回転速度No )が異なる複数のギヤ段のうちの何れかのギヤ段が形成される有段変速機である。つまり、有段変速部20は、複数の係合装置CBの何れかが係合されることで、ギヤ段が切り替えられるすなわち変速が実行される。有段変速部20は、複数のギヤ段の各々が形成される、有段式の自動変速機である。本実施例では、有段変速部20にて形成されるギヤ段をATギヤ段と称す。AT入力回転速度Ni は、有段変速部20の入力回転部材の回転速度である有段変速部20の入力回転速度であって、中間伝達部材30の回転速度と同値であり、又、第2回転機MG2の回転速度であるMG2回転速度Nm と同値である。出力回転速度No は、有段変速部20の出力回転速度である出力軸22の回転速度であって、無段変速部18と有段変速部20とを合わせた全体の変速機である複合変速機40の出力回転速度でもある。複合変速機40は、エンジン14と駆動輪28との間の動力伝達経路の一部を構成する変速機である。
有段変速部20は、例えば図2の係合作動表に示すように、複数のATギヤ段として、AT1速ギヤ段(図中の「1st」)-AT4速ギヤ段(図中の「4th」)の4段の前進用のATギヤ段が形成される。AT1速ギヤ段の変速比γatが最も大きく、ハイ側のATギヤ段程、変速比γatが小さくなる。図2の係合作動表は、各ATギヤ段と複数の係合装置CBの各作動状態との関係をまとめたものである。すなわち、図2の係合作動表は、各ATギヤ段と、各ATギヤ段において各々係合される係合装置CBとの関係をまとめたものである。図2において、「○」は係合、「△」はエンジンブレーキ時や有段変速部20のコーストダウンシフト時に係合、空欄は解放をそれぞれ表している。AT1速ギヤ段を成立させるブレーキB2には並列にワンウェイクラッチF1が設けられているので、発進時や加速時にはブレーキB2を係合させる必要は無い。尚、複数の係合装置CBが何れも解放されることにより、有段変速部20は、動力伝達を遮断するニュートラル状態とされる。
有段変速部20は、後述する電子制御装置90によって、運転者のアクセル操作や車速V等に応じて、変速前のATギヤ段を形成する所定の係合装置CBのうちの解放側係合装置の解放と、変速後のATギヤ段を形成する所定の係合装置CBのうちの係合側係合装置の係合とが制御されることで、形成されるATギヤ段が切り替えられる。すなわち複数のATギヤ段が選択的に形成される。つまり、有段変速部20の変速制御においては、係合装置CBの何れか2つの掴み替え、すなわち一方を解放するとともに他方を係合させることによって変速が実行され、所謂クラッチツウクラッチ変速が実行される。尚、AT2速ギヤ段からAT1速ギヤ段へ変速する2→1ダウンシフトは、解放側係合装置であるブレーキB1の解放によってワンウェイクラッチF1が自動的に係合されることでも実行され得る。
図3は、無段変速部18と有段変速部20とにおける各回転要素の回転速度の相対的関係を表す共線図である。図3において、無段変速部18を構成する差動機構32の3つの回転要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素RE2に対応するサンギヤS0の回転速度を表すg軸、第1回転要素RE1に対応するキャリアCA0の回転速度を表すe軸、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR0の回転速度(すなわち有段変速部20の入力回転速度)を表すm軸である。又、有段変速部20の4本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7は、左から順に、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2の回転速度、第5回転要素RE5に対応する相互に連結されたリングギヤR1及びキャリアCA2の回転速度(すなわち出力軸22の回転速度)、第6回転要素RE6に対応する相互に連結されたキャリアCA1及びリングギヤR2の回転速度、第7回転要素RE7に対応するサンギヤS1の回転速度、をそれぞれ表す軸である。縦線Y1、Y2、Y3の相互の間隔は、差動機構32のギヤ比ρ0に応じて定められている。又、縦線Y4、Y5、Y6、Y7の相互の間隔は、第1、第2遊星歯車装置36、38の各ギヤ比ρ1、ρ2に応じて定められている。すなわち、サンギヤとキャリアとの間隔を1とすると、キャリアとリングギヤとの間隔はギヤ比になる。ギヤ比ρ0、ρ1、ρ2は(サンギヤの歯数Zs /リングギヤの歯数Zr )である。
図3の共線図を用いて表現すれば、無段変速部18の差動機構32において、第1回転要素RE1にエンジン14(図中の「ENG」参照)が連結され、第2回転要素RE2に第1回転機MG1(図中の「MG1」参照)が連結され、中間伝達部材30と一体回転する第3回転要素RE3に第2回転機MG2(図中の 「MG2」参照)が連結されて、エンジン14の回転を中間伝達部材30を介して有段変速部20へ伝達するように構成されている。
又、有段変速部20において、第4回転要素RE4はクラッチC1を介して中間伝達部材30に選択的に連結され、第5回転要素RE5は出力軸22に連結され、第6回転要素RE6はクラッチC2を介して中間伝達部材30に選択的に連結されると共にブレーキB2を介してケース16に選択的に連結され、第7回転要素RE7はブレーキB1を介してケース16に選択的に連結されている。有段変速部20では、係合装置CBの係合解放制御によって縦線Y5を横切る各直線L1、L2、L3、L4、LRにより、出力軸22における「1st」、「2nd」、「3rd」、「4th」、「Rev」の各回転速度が示される。
図3中の実線で示す、直線L0及び直線L1、L2、L3、L4は、少なくともエンジン14を動力源として走行するハイブリッド走行モードでの前進走行における各回転要素の相対回転速度を示している。このハイブリッド走行モードでは、差動機構32において、キャリアCA0に入力されるエンジントルクTe に対して、第1回転機MG1による負トルクである反力トルク(回生トルク)が正回転にてサンギヤS0に入力されると、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるエンジン直達トルクTd (=Te /(1+ρ0)=-(1/ρ0)×Tg )が現れる。そして、要求駆動力に応じて、エンジン直達トルクTd とMG2トルクTm との合算トルクが車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。このとき、第1回転機MG1は正回転にて負トルクを発生する発電機として機能する。第1回転機MG1の発電電力Wg は、バッテリ54に充電されたり、第2回転機MG2にて消費されたりする。第2回転機MG2は、発電電力Wg の全部又は一部を用いて、或いは発電電力Wg に加えてバッテリ54からの電力を用いて、MG2トルクTm を出力する。
図3に図示はしていないが、エンジン14を停止させると共に第2回転機MG2を動力源として走行するモータ走行が可能なモータ走行モードでの共線図では、差動機構32において、キャリアCA0はゼロ回転とされ、リングギヤR0には正回転にて正トルクとなるMG2トルクTm が入力される。このとき、サンギヤS0に連結された第1回転機MG1は、無負荷状態とされて負回転にて空転させられる。つまり、モータ走行モードでは、エンジン14は駆動されず、エンジン回転速度Ne は略ゼロとされ、MG2トルクTm が車両10の前進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段のうちの何れかのATギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。ここでのMG2トルクTm は、正回転の力行トルクである。
図3中の破線で示す、直線L0R及び直線LRは、モータ走行モードでの後進走行における各回転要素の相対回転速度を示している。このモータ走行モードでの後進走行では、リングギヤR0には負回転にて負トルクとなるMG2トルクTm が入力され、そのMG2トルクTm が車両10の後進方向の駆動トルクとして、AT1速ギヤ段が形成された有段変速部20を介して駆動輪28へ伝達される。車両10では、後述する電子制御装置90によって、複数のATギヤ段のうちの前進用のロー側のATギヤ段である例えばAT1速ギヤ段が形成された状態で、前進走行時における前進用のMG2トルクTm とは正負が反対となる後進用のMG2トルクTm が第2回転機MG2から出力させられることで、後進走行を行うことができる。ここでは、前進用のMG2トルクTm は正回転の正トルクとなる力行トルクであり、後進用のMG2トルクTm は負回転の負トルクとなる力行トルクである。このように、車両10では、前進用のATギヤ段を用いて、MG2トルクTm の正負を反転させることで後進走行を行う。前進用のATギヤ段を用いることは、前進走行を行うときと同じATギヤ段を用いることである。後進時のAT1速ギヤ段では、クラッチC1およびブレーキB2が係合させられる。尚、ハイブリッド走行モードにおいても、直線L0Rのように第2回転機MG2を負回転とすることが可能であるので、モータ走行モードと同様に後進走行を行うことが可能である。
車両用駆動装置12では、エンジン14が動力伝達可能に連結された第1回転要素RE1としてのキャリアCA0と、第1回転機MG1が動力伝達可能に連結された第2回転要素RE2としてのサンギヤS0と、中間伝達部材30が連結された第3回転要素RE3としてのリングギヤR0と、の3つの回転要素を有する差動機構32を備えて、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより差動機構32の差動状態が制御される電気式変速機構としての無段変速部18が構成される。無段変速部18は、入力回転部材となる連結軸34の回転速度と同値であるエンジン回転速度Ne と、出力回転部材となる中間伝達部材30の回転速度であるMG2回転速度Nm との比の値である変速比γ0(=Ne /Nm )が変化させられる電気的な無段変速機として作動させられる。
例えば、ハイブリッド走行モードにおいては、有段変速部20にてATギヤ段が形成されたことで駆動輪28の回転に拘束されるリングギヤR0の回転速度に対して、第1回転機MG1の回転速度を制御することによってサンギヤS0の回転速度が上昇或いは下降させられると、キャリアCA0の回転速度つまりエンジン回転速度Ne が上昇或いは下降させられる。従って、ハイブリッド走行では、エンジン14を効率の良い運転点にて作動させることが可能である。つまり、ATギヤ段が形成された有段変速部20と無段変速機として作動させられる無段変速部18とで、無段変速部18と有段変速部20とが直列に配置された複合変速機40全体として無段変速機を構成することができる。
又は、無段変速部18を有段変速機のように変速させることも可能であるので、ATギヤ段が形成される有段変速部20と有段変速機のように変速させる無段変速部18とで、複合変速機40全体として有段変速機のように変速させることができる。つまり、複合変速機40において、エンジン回転速度Ne の出力回転速度No に対する比の値を表す変速比γt(=Ne /No )が異なる複数のギヤ段を選択的に成立させるように、有段変速部20と無段変速部18とを制御することが可能である。本実施例では、複合変速機40にて成立させられるギヤ段を模擬ギヤ段と称する。変速比γtは、直列に配置された、無段変速部18と有段変速部20とで形成されるトータル変速比であって、無段変速部18の変速比γ0と有段変速部20の変速比γatとを乗算した値(γt=γ0×γat)となる。
模擬ギヤ段は、例えば有段変速部20の各ATギヤ段と1又は複数種類の無段変速部18の変速比γ0との組合せによって、有段変速部20の各ATギヤ段に対してそれぞれ1又は複数種類を成立させるように割り当てられる。図4は、ギヤ段割当テーブルの一例である。図4において、AT1速ギヤ段に対して模擬1速ギヤ段-模擬3速ギヤ段が成立させられ、AT2速ギヤ段に対して模擬4速ギヤ段-模擬6速ギヤ段が成立させられ、AT3速ギヤ段に対して模擬7速ギヤ段-模擬9速ギヤ段が成立させられ、AT4速ギヤ段に対して模擬10速ギヤ段が成立させられるように予め定められている。
図5は、図3と同じ共線図上に有段変速部20のATギヤ段と複合変速機40の模擬ギヤ段とを例示した図である。図5において、実線は、有段変速部20がAT2速ギヤ段のときに、模擬4速ギヤ段-模擬6速ギヤが成立させられる場合を例示したものである。複合変速機40では、出力回転速度No に対して所定の変速比γtを実現するエンジン回転速度Ne となるように無段変速部18が制御されることによって、あるATギヤ段において異なる模擬ギヤ段が成立させられる。又、破線は、有段変速部20がAT3速ギヤ段のときに、模擬7速ギヤ段が成立させられる場合を例示したものである。複合変速機40では、ATギヤ段の切替えに合わせて無段変速部18が制御されることによって、模擬ギヤ段が切り替えられる。
図1に戻り、車両10は、シフトレバー58を備えている。シフトレバー58は、複数の操作ポジションPOSshのうちの何れかの操作ポジションへ運転者によって操作されるシフト操作部材である。操作ポジションPOSshは、シフトレバー58の操作位置であり、例えばP、R、N、Dの4つの操作ポジションを備えている。Pポジションは、複合変速機40がニュートラル状態とされ且つ機械的に出力軸22の回転が阻止される駐車用のP(パーキング)レンジを選択する操作ポジションである。複合変速機40のニュートラル状態は、例えば第1回転機MG1が無負荷状態で空転させられてエンジントルクTe に対する反力トルクを取らないことによって無段変速部18がエンジントルクTe を伝達不能な状態とされ、且つ第2回転機MG2が無負荷状態とされて、複合変速機40における動力伝達が遮断されることで実現される。機械式有段変速部20の係合装置CBを総て解放してニュートラル状態としても良い。出力軸22の回転が阻止された状態は、出力軸22が回転不能に固定された状態で、例えば図示しないパーキングロック機構等により回転不能に固定される。
Rポジションは、有段変速部20のAT1速ギヤ段が形成された状態で後進用のMG2トルクTm による車両10の後進走行を可能とするR(リバース)レンジを選択する操作ポジションである。Nポジションは、複合変速機40がニュートラル状態とされるN(ニュートラル)レンジを選択する操作ポジションである。Dポジションは、例えば模擬1速ギヤ段-模擬10速ギヤ段の総ての模擬ギヤ段を用いて自動変速制御を実行して前進走行を可能とするD(ドライブ)レンジを選択する操作ポジションである。操作ポジションPOSshがDポジションにあるときには、例えば後述する模擬ギヤ段変速マップのような変速マップに従って複合変速機40を自動変速する自動変速モードが成立させられる。
また、前記エンジン14の排気管42には、触媒44およびGPF(Gasoline Particulate Filter)46が設けられている。触媒44は、排ガス中の炭化水素や一酸化炭素、酸化窒素等を酸化、還元等により除去して浄化するもので、その触媒44の下流側にGPF46が設けられている。GPF46は、排ガス中のPM等の粒子状物質を捕捉して除去するためのフィルタであり、触媒44に加えてGPF46が設けられることにより、排ガスを更に浄化することができる。
一方、車両10は、エンジン14、無段変速部18、及び有段変速部20などの制御に関連するコントローラとして電子制御装置90を備えている。図1は、電子制御装置90の入出力系統を示す図であり、又、電子制御装置90による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、車両10の各種制御を実行する。電子制御装置90は、必要に応じてエンジン制御用、変速制御用等に分けて構成される。電子制御装置90を主体として車両10の制御装置が構成されている。
電子制御装置90には、車両10に備えられたエンジン回転速度センサ60、MG1回転速度センサ62、MG2回転速度センサ64、出力回転速度センサ66、アクセル操作量センサ68、スロットル弁開度センサ70、第1圧力センサ72、第2圧力センサ74、シフトポジションセンサ76、バッテリセンサ78等から、エンジン回転速度Ne 、第1回転機MG1の回転速度であるMG1回転速度Ng 、AT入力回転速度Ni であるMG2回転速度Nm 、車速Vに対応する出力回転速度No 、アクセルペダルなどのアクセル操作部材の操作量であるアクセル操作量(アクセル開度とも言われる)θacc 、電子スロットル弁の開度であるスロットル弁開度θth、GPF46の上流側圧力P1、GPF46の下流側圧力P2、シフトレバー58の操作ポジションPOSsh、バッテリ54のバッテリ温度THbat やバッテリ充放電電流Ibat 、バッテリ電圧Vbat を表す信号など、各種の制御に必要な種々の情報が供給される。アクセル操作量θacc は、運転者の加速要求の大きさや出力要求量に対応する。また、バッテリ充放電電流Ibat 及びバッテリ電圧Vbat などに基づいて、バッテリ54の充電状態(蓄電残量) を示す値として充電状態値SOC[%]が算出される。
電子制御装置90にはまた、車両10とは別に予めディーラーの整備工場等に用意されたGPF強制再生要求ツール82から、GPF強制再生要求信号Spfが供給されるようになっている。すなわち、GPF46に粒子状物質が捕捉されて大量に堆積すると、目詰まりによって性能が低下したり、排ガスの排出が阻害されたりするため、GPF46に捕捉された粒子状物質を車両走行中に燃焼させて除去することによりGPF46を強制的に再生する強制再生モードを設定できるようになっている。GPF強制再生要求ツール82は、電子制御装置90に対して有線または無線によりGPF強制再生要求信号Spfを送信することができるパソコンなどである。
電子制御装置90からは、車両10に備えられたエンジン制御装置50、インバータ52、油圧制御回路56、警告装置80等に対して、エンジン14を制御する為のエンジン制御指令信号Se 、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する為の回転機制御指令信号Smg、係合装置CBの作動状態を制御する為の油圧制御指令信号Sat、GPF46の強制再生を促す強制再生警告信号Sds等の、各種の指令信号が出力される。油圧制御指令信号Satは、有段変速部20の変速を制御する為の油圧制御指令信号でもあり、例えば係合装置CBの各々の油圧アクチュエータへ供給される各係合油圧PRcbを調圧する各ソレノイドバルブSL1-SL4等を駆動する為の指令信号である。電子制御装置90は、係合装置CBの狙いの係合トルクTcbを得る為の、各油圧アクチュエータへ供給される各係合油圧PRcbの値に対応する油圧指示値を設定し、その油圧指示値に応じた駆動電流又は駆動電圧を油圧制御回路56へ出力する。警告装置80は、運転席近傍に設けられた警告ランプ等の警告表示器や警告音発生器などで、GPF46の強制再生処理が必要であることを警告ランプ等の点灯や点滅、警告音の発生等によって運転者に知らせる。
電子制御装置90は、機械式有段変速部20の変速制御に関連してAT変速制御手段すなわちAT変速制御部92、エンジン14や第1回転機MG1、第2回転機MG2の制御に関連してハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部94、及びGPF46の強制再生処理に関連してGPF強制再生制御手段すなわちGPF強制再生制御部98を備えている。
AT変速制御部92は、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された関係すなわち予め定められた関係である例えばATギヤ段変速マップを用いて有段変速部20の変速判断を行い、必要に応じて有段変速部20の変速制御を実行する。AT変速制御部92は、この有段変速部20の変速制御では、有段変速部20のATギヤ段を自動的に切り替えるように、ソレノイドバルブSL1-SL4により係合装置CBの係合解放状態を切り替える為の油圧制御指令信号Satを油圧制御回路56へ出力する。上記ATギヤ段変速マップは、例えば出力回転速度No 及びアクセル操作量θacc を変数とする二次元座標上に、有段変速部20の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。出力回転速度No に替えて車速Vなどを用いても良いし、又、アクセル操作量θacc に替えて要求駆動トルクTdem などを用いても良い。上記ATギヤ段変速マップにおける各変速線は、アップシフトが判断される為のアップシフト線、及びダウンシフトが判断される為のダウンシフト線である。この各変速線は、あるアクセル操作量θacc を示す線上において出力回転速度No が線を横切ったか否か、又は、ある出力回転速度No を示す線上においてアクセル操作量θacc が線を横切ったか否か、すなわち変速線上の変速を実行すべき値である変速点を横切ったか否かを判断する為のものであり、この変速点の連なりとして予め定められている。具体的には、アクセル操作量θacc が大きい程、或いは出力回転速度No が低い程、変速比γatが大きい低速側のATギヤ段が選択されるように定められる。上記ATギヤ段変速マップは、車両10の運転状態に基づいて定められた変速条件で、アクセル操作量θacc や出力回転速度No は運転状態に相当する。
AT変速制御部92は、変速制御に関連して変速学習手段すなわち変速学習部93を機能的に備えている。変速学習部93は、有段変速部20の変速時に、例えば変速所要時間やAT入力回転速度Ni の変化率等の変速特性が、予め定められた目標値(目標変速特性)になるように、有段変速部20の変速に関連する係合装置CBの係合油圧PRcbに関する待機圧や油圧の変化開始タイミング、変化率等の指令値を学習する。この待機圧や変化開始タイミング、変化率等の指令値は変速制御値に相当する。目標変速特性は変速の種類毎に定められており、変速制御値の学習すなわち学習値の記憶等も変速の種類毎に行われる。
ハイブリッド制御部94は、エンジン14の作動を制御するエンジン制御手段すなわちエンジン制御部としての機能と、インバータ52を介して第1回転機MG1及び第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御手段すなわち回転機制御部としての機能を含んでおり、それら制御機能によりエンジン14、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2によるハイブリッド駆動制御等を実行する。ハイブリッド制御部94は、予め定められた関係である例えば駆動力マップにアクセル操作量θacc 及び車速Vを適用することで要求駆動パワーPdem を算出する。この要求駆動パワーPdem は、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動トルクTdem である。そして、その要求駆動パワーPdem を実現するように、エンジン14を制御する指令信号であるエンジン制御指令信号Se と、第1回転機MG1及び第2回転機MG2を制御する指令信号である回転機制御指令信号Smgとを出力する。エンジン制御指令信号Se は、例えばそのときのエンジン回転速度Ne におけるエンジントルクTe を出力するエンジン14のパワーであるエンジンパワーPe の指令値である。回転機制御指令信号Smgは、例えばエンジントルクTe の反力トルクとしての指令出力時のMG1回転速度Ng におけるMG1トルクTg を出力する第1回転機MG1の発電電力Wg の指令値であり、又、指令出力時のMG2回転速度Nm におけるMG2トルクTm を出力する第2回転機MG2の消費電力Wm の指令値である。
ハイブリッド制御部94は、例えば無段変速部18を無段変速機として作動させて複合変速機40全体として無段変速機として作動させる場合、エンジン最適燃費点等を考慮して、要求駆動パワーPdem を実現するエンジンパワーPe が得られるエンジン回転速度Ne とエンジントルクTe となるように、エンジン14を制御すると共に第1回転機MG1の発電電力Wg を制御することで、無段変速部18の無段変速制御を実行して無段変速部18の変速比γ0を変化させる。この制御の結果として、無段変速機として作動させる場合の複合変速機40の変速比γtが制御される。
ハイブリッド制御部94はまた、機能的に模擬有段化制御手段すなわち模擬有段化制御部96を備えている。模擬有段化制御部96は、無段変速部18を有段変速機のように変速させて複合変速機40全体として有段変速機のように変速させるもので、予め定められた関係である例えば模擬ギヤ段変速マップを用いて複合変速機40の変速判断を行い、AT変速制御部92による有段変速部20のATギヤ段の変速制御と協調して、複数の模擬ギヤ段を選択的に成立させるように無段変速部18の変速制御を実行する。複数の模擬ギヤ段は、それぞれの変速比γtを維持できるように出力回転速度No に応じて第1回転機MG1によりエンジン回転速度Ne を制御することによって成立させることができる。各模擬ギヤ段の変速比γtは、出力回転速度No の全域に亘って必ずしも一定値である必要はなく、所定領域で変化させても良いし、各部の回転速度の上限や下限等によって制限が加えられても良い。
上記模擬ギヤ段変速マップは、ATギヤ段変速マップと同様に出力回転速度No 及びアクセル操作量θacc をパラメータとして予め定められている。図6は、模擬ギヤ段変速マップの一例であって、実線はアップシフト線であり、破線はダウンシフト線である。模擬ギヤ段変速マップに従って模擬ギヤ段が切り替えられることにより、無段変速部18と有段変速部20とが直列に配置された複合変速機40全体として有段変速機と同様の変速フィーリングが得られる。複合変速機40全体として有段変速機のように変速させる模擬有段変速制御は、例えば運転者によってスポーツ走行モード等の走行性能重視の走行モードが選択された場合や要求駆動トルクTdem が比較的大きい場合に、複合変速機40全体として無段変速機として作動させる無段変速制御に優先して実行するだけでも良いが、所定の実行制限時を除いて基本的に模擬有段変速制御が実行されても良い。
模擬有段化制御部96による模擬有段変速制御と、AT変速制御部92による有段変速部20の変速制御とは、協調して実行される。本実施例では、AT1速ギヤ段-AT4速ギヤ段の4種類のATギヤ段に対して、模擬1速ギヤ段-模擬10速ギヤ段の10種類の模擬ギヤ段が割り当てられている。その為、模擬ギヤ段の変速タイミングと同じタイミングでATギヤ段の変速が行なわれるように、ATギヤ段変速マップが定められている。具体的には、図6における模擬ギヤ段の「3→4」、「6→7」、「9→10」の各アップシフト線は、ATギヤ段変速マップの「1→2」、「2→3」、「3→4」の各アップシフト線と一致している(図6中に記載した「AT1→2」等参照)。又、図6における模擬ギヤ段の「3←4」、「6←7」、「9←10」の各ダウンシフト線は、ATギヤ段変速マップの「1←2」、「2←3」、「3←4」の各ダウンシフト線と一致している(図6中に記載した「AT1←2」等参照)。又は、図6の模擬ギヤ段変速マップによる模擬ギヤ段の変速判断に基づいて、ATギヤ段の変速指令をAT変速制御部92に対して出力するようにしても良い。このように、有段変速部20のアップシフト時は、複合変速機40全体のアップシフトが行われる一方で、有段変速部20のダウンシフト時は、複合変速機40全体のダウンシフトが行われる。AT変速制御部92は、有段変速部20のATギヤ段の切替えを、模擬ギヤ段が切り替えられるときに行う。模擬ギヤ段の変速タイミングと同じタイミングでATギヤ段の変速が行なわれる為、エンジン回転速度Ne の変化を伴って有段変速部20の変速が行なわれるようになり、その有段変速部20の変速に伴うショックがあっても運転者に違和感を与え難くされる。
ハイブリッド制御部94は、走行モードとして、モータ走行モード或いはハイブリッド走行モードを走行状態に応じて選択的に成立させる。例えば、ハイブリッド制御部94は、要求駆動パワーPdem が予め定められた閾値よりも小さなモータ走行領域にある場合には、モータ走行モードを成立させる一方で、要求駆動パワーPdem が予め定められた閾値以上となるハイブリッド走行領域にある場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。又、ハイブリッド制御部94は、要求駆動パワーPdem がモータ走行領域にあるときであっても、バッテリ54の充電状態値SOCが予め定められたエンジン始動閾値未満となる場合には、ハイブリッド走行モードを成立させる。モータ走行モードは、エンジン14を停止した状態で第2回転機MG2により駆動トルクを発生させて走行する走行状態である。ハイブリッド走行モードは、エンジン14を運転した状態で走行する走行状態である。前記エンジン始動閾値は、エンジン14を強制的に始動してバッテリ54を充電する必要がある充電状態値SOCであることを判断する為の予め定められた閾値である。
GPF強制再生制御部98は、GPF46に捕捉された粒子状物質が所定量を超えた場合に、GPF46に捕捉された粒子状物質が車両10の走行中に燃焼し易くなるようにエンジン14を制御してGPF46を強制的に再生する強制再生モードを実行する。具体的には、図7のステップS1~S10(以下、単にS1~S10という)に従って信号処理を実行する。このGPF強制再生制御部98はフィルタ再生制御部に相当する。
図7のS1では、GPF46に捕捉された粒子状物質が所定量を超えたか否か、すなわちGPF46が目詰まりか否かを判断する。具体的には、第1圧力センサ72によって計測されたGPF46の上流側圧力P1と、第2圧力センサ74によって計測されたGPF46の下流側圧力P2との圧力差ΔP(=P1-P2)が、予め定められた目詰まり判定値ΔPs 以上か否かを判断する。目詰まり判定値ΔPs は、例えば排ガスの流通が阻害されてエンジン性能を損なうような比較的大きな値で、予め一定値が定められる。そして、ΔP≧ΔPs の場合には目詰まりと判定し、前記警告装置80に強制再生警告信号Sdsを出力してGPF46の強制再生処理が必要であることを運転者に知らせるとともに、S2以下を実行する一方、ΔP<ΔPs の場合はそのまま終了する。なお、排気管42等の条件によっては、下流側圧力P2を大気圧で代用することもできる。また、車両10の走行距離やエンジン運転時間などの車両状態に基づいてGPF46の目詰まりを判定することも可能である。
S2では、GPF46を強制再生する要求があったか否か、具体的には前記GPF強制再生要求ツール82を用いてGPF強制再生要求信号Spfが供給されたか否かを判断する。すなわち、警告装置80による警告に従ってディーラーに車両10が持ち込まれ、技術スタッフ等によりGPF強制再生要求ツール82を用いてGPF強制再生要求信号Spfが制御装置90に送信されることにより、そのGPF強制再生要求信号Spfに従って切り換えられるGPF強制再生要求フラグ等により強制再生要求が為されたか否かを判断する。そして、GPF強制再生要求信号Spfが供給されるまではそのまま終了するが、GPF強制再生要求信号Spfが供給されてフラグ等により強制再生要求が為されたと判断された場合にはS3以下を実行する。
S3では、GPF46に捕捉された粒子状物質が車両走行中に燃焼し易くなるようにエンジン14を制御してGPF46を強制再生する強制再生モードを実行する。具体的には、エンジン14を動力源として用いて走行する際に、エンジン14の燃料噴射量の増量、空燃比のリッチ化、点火時期の遅角、エンジン回転速度Ne の下限値アップ、エンジン出力制限、フューエルカットの何れか1つを実行し、或いは複数を併用して実行する。本実施例では、連続高速運転で効率良く短時間で再生できるように、例えば車速Vが60km/時以上の高速走行を想定して強制再生モード時のエンジン制御が定められる。
このように強制再生モードでは通常と異なる特殊なエンジン制御が行われるため、エンジントルクTe が変化するとともに有段変速部20の入力トルクが変化し、前記AT変速制御部92による変速時に変速ショックが発生する可能性がある。このため、次のS4で変速学習部93による変速学習制御が禁止され、S5で有段変速部20のATギヤ段が予め定められた一定の固定ギヤ段に固定されるとともに、その固定ギヤ段に応じて模擬ギヤ段の変速が制限される。S5でATギヤ段の変速が禁止されるため、変速学習制御を禁止する必要はないが、強制再生モードの実行中に有段変速部20が誤って変速された場合、強制再生モードによる特殊なエンジン制御に起因して変速制御値を誤学習する可能性があるため、これを防止するために変速学習部93による変速学習制御が禁止される。
S5では、車両10の走行状態に拘らず、有段変速部20のATギヤ段が予め定められた一定の固定ギヤ段に固定されるとともに、その固定ギヤ段に応じて模擬ギヤ段の変速が制限されるようにする。すなわち、前記AT変速制御部92による有段変速部20の変速が禁止され、本実施例では発進性能を確保しつつ高速走行が可能なように、また、GPF46の強制再生に適したエンジン回転速度Ne になるように、有段変速部20のATギヤ段がAT2速ギヤ段に固定される。また、模擬有段化制御部96による模擬ギヤ段の変速が制限され、本実施例ではAT2速ギヤ段に割り当てられた模擬4速ギヤ段~模擬6速ギヤ段の範囲内での変速のみが許容される。このS5におけるATギヤ段の固定および模擬ギヤ段の制限は、車両10が停車状態で且つシトフレバー58がPポジションに操作されているPレンジであることを条件として実行され、その後にシトフレバー58がDポジションへ操作されてDレンジで前進走行する際に、走行状態に拘らずATギヤ段がAT2速ギヤ段に固定されるとともに模擬ギヤ段が模擬4速ギヤ段~模擬6速ギヤ段の範囲内で変速される。
このように特殊なエンジン制御が行われる強制再生モードに設定されるとともに、有段変速部20がAT2速ギヤ段に固定され、模擬ギヤ段の変速が模擬4速ギヤ段~模擬6速ギヤ段の範囲内に制限される状態で、技術スタッフ等により車両10が例えば高速道路を100km/時に近い高車速で連続走行させられることにより、GPF46に捕捉された粒子状物質が効率良く燃焼させられて除去される。
そして、次のS6では、GPF46の強制再生が終了したか否か、すなわちGPF46の目詰まり量が略0になったか否かを判断する。具体的には、例えば前記圧力差ΔPが、GPF46の目詰まり量が略0の時の圧力差ΔPである予め定められた再生判定値ΔPr 以下になったか否かを判断する。そして、ΔP>ΔPr の間はS2以下を繰り返して強制再生処理を実行するが、ΔP≦ΔPr になったらS7以下を実行する。S7では、GPF46の強制再生モードを終了し、エンジン14を通常の制御に戻すとともに、警告装置80による警告を解除する。この警告解除で運転者(技術スタッフ等)は、GPF46の強制再生が終了したことを認識することができる。
S8では、GPF強制再生要求ツール82を用いて設定されたGPF強制再生要求中を表すフラグ等を解除する。このGPF強制再生要求の解除は、車両10が整備工場等へ戻った後で技術スタッフ等によりGPF強制再生要求ツール82を用いて行うようにしても良い。S9では変速学習の禁止を解除する。これにより、変速学習部93による有段変速部20の変速学習制御が許容される。S10では、有段変速部20のAT2速ギヤ段の固定を解除するとともに、模擬ギヤ段の変速範囲の制限を解除する。このS10におけるATギヤ段の固定解除および模擬ギヤ段の制限解除は、車両10が停車状態で且つシトフレバー58がPポジションに操作されているPレンジであることを条件として実行される。
図8は、図7のフローチャートに従ってGPF46の強制再生処理が実行された場合の各部の状態の変化を説明するタイムチャートの一例である。図8の時間t1は、GPF強制再生要求ツール82を用いてGPF強制再生要求が為された時間であり、GPF46の強制再生モードの実行が開始されるとともに有段変速部20がAT2速ギヤ段に固定される。すなわち、エンジン14がGPF強制再生用に制御され、且つ有段変速部20がAT2速ギヤ段に固定された状態で、車両10が走行させられることにより、GPF46の粒子状物質が燃焼させられて除去される。本実施例では、連続高速走行させられることにより、GPF46の粒子状物質が速やかに燃焼させられて除去され、GPF46が効率良く短時間で強制再生される。
図8の時間t2は、GPF46の粒子状物質が燃焼して目詰まり量が略0になり、GPF強制再生処理が終了してS6の判断がYES(肯定)になった時間で、GPF強制再生モードが終了してエンジン14が通常制御に戻される。また、有段変速部20の変速学習の禁止が解除され、変速学習部93による変速学習制御が許容される。有段変速部20のATギヤ段固定については、車両10が停車状態で且つシトフレバー58がPポジションに操作された時間t3で解除される。模擬ギヤ段については、ATギヤ段の固定および固定解除に対応して変速範囲の制限および制限解除が行われる。
上記変速学習部93による変速学習制御の制限は、GPF強制再生モードが開始される時間t1よりも前から行われている。すなわち、GPF46が目詰まりするとエンジン14の出力制限が行われるようになっており、その段階で有段変速部20の変速に関する学習制御が禁止され、GPF強制再生モードの実行中もその変速学習制御の禁止が継続される。GPF46の目詰まりに基づくエンジン14の出力制限は、S1と同様に圧力差ΔPが目詰まり判定値ΔPs 以上になった場合に実行しても良いが、目詰まり判定値ΔPs よりも低い別の判定値が定められても良く、そのエンジン14の出力制限に対応して変速学習部93による変速学習制御を禁止すれば良い。なお、このようなGPF46の目詰まりに基づくエンジン14の出力制限は無しでも良い。
このように、本実施例の車両10の電子制御装置90においては、GPF46が目詰まりした場合に、ディーラーでGPF強制再生要求ツール82を用いて行われたGPF強制再生要求に基づいて、車両10の走行中に強制再生モードが実行されることにより、強制再生用の特殊なエンジン制御によってGPF46の粒子状物質が燃焼により除去され、車両10を走行させるだけで簡便にGPF46を強制再生することができる。しかも、強制再生モードの実行中は、有段変速部20が予め定められた一定の固定ギヤ段(AT2速ギヤ段)に維持されるため、特殊なエンジン制御による入力トルクの変化に起因して変速ショックが発生する恐れがない。
また、有段変速部20の固定ギヤ段が中間のAT2速ギヤ段であるため、所定の発進性能を確保しつつ高速走行が可能となり、高速道路などで連続運転を行うことによりGPF46を効率良く短時間で再生することができる。AT2速ギヤ段での高速走行では、エンジン回転速度Ne が比較的高回転になって温度が高くなるため、この点でも粒子状物質を燃焼させて除去するGPF46の強制再生処理に都合が良い。
また、強制再生モードが終了しても、車両10が停止し且つ駐車用のPレンジが選択されるまで有段変速部20は固定ギヤ段に維持されるため、車両10の走行中に固定ギヤ段の維持が解除されて変速が行われることにより、駆動力が急に変化して加速や減速等が生じることが防止される。
また、有段変速部20の通常の変速時には、変速学習部93により目標変速特性で変速が行われるように係合油圧PRcb等に関する変速制御値が学習されるが、強制再生モードの実行中は、その変速学習部93による変速学習制御が禁止されるため、強制再生モードの実行時に有段変速部20が誤って変速された場合の、特殊なエンジン制御に起因する変速制御値の誤学習が防止される。
また、エンジン回転速度Ne を無段階に変速して有段変速部20に伝達する無段変速部18を備えており、有段変速部20の出力回転速度No に対するエンジン回転速度Ne の変速比γtが異なる複数の模擬ギヤ段を成立させることができるとともに、有段変速部20の複数のATギヤ段毎に1または複数の模擬ギヤ段が割り当てられ、強制再生モードの実行中においても固定ギヤ段(AT2速ギヤ段)に割り当てられた範囲で模擬ギヤ段を切り替えることが許容される。このため、適切なエンジン回転速度Ne で走行できる車速範囲が広くなり、強制再生モードでの走行時の運転が容易になる。無段変速部18の変速は、差動制御用の第1回転機MG1のトルク制御でエンジン回転速度Ne を変化させるため、特殊なエンジン制御による入力トルクの変化に拘らず変速ショックを抑制しつつ模擬ギヤ段を切り替えることができる。
また、エンジン14の燃料噴射量の増量、空燃比のリッチ化、点火時期の遅角、エンジン回転速度Ne の下限値アップ、エンジン出力制限、およびフューエルカットの何れか1つ、または複数を併用して強制再生モードが実行されるため、GPF46の再生を適切に行うことができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、4種類のATギヤ段に対して10種類の模擬ギヤ段を割り当てる実施態様を例示したが、この態様に限らない。好適には、模擬ギヤ段の段数はATギヤ段の段数以上であれば良く、ATギヤ段の段数と同じであっても良いが、ATギヤ段の段数よりも多いことが望ましく、例えば2倍以上が適当である。ATギヤ段の変速は、中間伝達部材30やその中間伝達部材30に連結される第2回転機MG2の回転速度が所定の回転速度範囲内に保持されるように行なうものであり、又、模擬ギヤ段の変速は、エンジン回転速度Ne が所定の回転速度範囲内に保持されるように行なうものであり、それら各々の段数は適宜定められる。無段変速部18によって模擬ギヤ段を形成する模擬有段化制御部96を備えていないハイブリッド車両10や、無段変速部18を備えていないエンジン駆動車両等に本発明を適用することも可能である。
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両 14:エンジン 18:電気式無段変速部 20:機械式有段変速部(有段変速部) 28:駆動輪 46:GPF(フィルタ) 90:電子制御装置(制御装置) 92:AT変速制御部(変速制御部) 93:変速学習部 96:模擬有段化制御部 98:GPF強制再生制御部(フィルタ再生制御部) MG1:第1回転機(差動用回転機)

Claims (6)

  1. 排ガス中に含まれる粒子状物質を捕捉するフィルタを有するエンジンと、該エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の一部を構成するように配設され、変速比が異なる複数のギヤ段を成立させることができる有段変速部と、を備える車両に適用され、
    前記車両の走行中に前記有段変速部のギヤ段を前記車両の運転状態に基づく変速要求に従って自動的に切り替える変速制御部を有する車両の制御装置において、
    人為的な強制再生要求に基づいて、前記フィルタに捕捉された粒子状物質が前記車両の走行中に燃焼し易くなるように前記エンジンを制御することにより、前記車両の走行中に前記フィルタを強制的に再生する強制再生モードを実行するフィルタ再生制御部を有し、
    前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードの実行中における前記変速制御部による前記有段変速部の変速を禁止して、前記ギヤ段を予め定められた一定の固定ギヤ段に維持する
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記有段変速部は、変速比が異なる3速以上のギヤ段を成立させることが可能で、
    前記固定ギヤ段は、変速比が最大の最低速ギヤ段および変速比が最小の最高速ギヤ段を除いた1または複数の中間ギヤ段の何れかである
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードが終了しても、前記車両が停止し且つ駐車用のPレンジが選択されるまで、前記固定ギヤ段を維持する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記変速制御部は、目標変速特性で変速が行われるように変速制御値を学習する変速学習部を備えている一方、
    前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードの実行中に前記変速学習部により前記変速制御値の学習が行われることを禁止する
    ことを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  5. 前記車両は、差動用回転機のトルク制御で前記エンジンの回転速度を無段階に変速して前記有段変速部に伝達する電気式無段変速部を備えており、
    前記有段変速部の出力回転速度に対する前記エンジンの回転速度の変速比が異なる複数の模擬ギヤ段を成立させるように前記電気式無段変速部を制御する模擬有段化制御部を有し、
    前記模擬有段化制御部は、前記有段変速部の複数のギヤ段毎に1または複数の模擬ギヤ段が割り当てられており、前記車両の運転状態に基づく変速要求に従って該模擬ギヤ段を自動的に切り替え、
    前記フィルタ再生制御部は、前記強制再生モードの実行中における前記模擬有段化制御部による前記模擬ギヤ段の変速を、前記固定ギヤ段に割り当てられた範囲内に制限する
    ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の車両の制御装置。
  6. 前記強制再生モードは、前記エンジンの燃料噴射量の増量、空燃比のリッチ化、点火時期の遅角、エンジン回転速度の下限値アップ、エンジン出力制限、およびフューエルカットの何れか1つ、または複数を併用して行われる
    ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の車両の制御装置。
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