以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kが設けられている。各作像部4Y,4M,4C,4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y,4M,4C,4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y,4M,4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f-θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
各作像部4Y,4M,4C,4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34、ベルトクリーニング装置35を備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33及びテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32が回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも図示しない電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)及び/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35から伸びた図示しない廃トナー移送ホースは、図示しない廃トナー収容器の入り口部に接続されている。
プリンタ本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には補給用のトナーを収容した4つのトナーボトル2Y,2M,2C,2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kと上記各現像装置7との間には、図示しない補給路が設けてあり、この補給路を介して各トナーボトル2Y,2M,2C,2Kから各現像装置7へトナーが補給されるようになっている。
一方、プリンタ本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けてある。ここで、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
プリンタ本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、二次転写ニップへ用紙Pを搬送する搬送手段としての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙を装置外へ排出するための一対の排紙ローラ13が設けられている。また、プリンタ本体の上面部には、装置外に排出された用紙をストックするための排紙トレイ14が設けてある。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y,4M,4C,4Kにおける各感光体5が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。そして、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加される。これにより、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5表面のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5表面のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。その後、図示しない除電装置によって各感光体5の表面が除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置の下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によってタイミングを計られて、二次転写ローラ36と二次転写バックアップローラ32との間の二次転写ニップに送られる。このとき二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30表面のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。
その後、中間転写ベルト30の周回走行に伴って、中間転写ベルト30表面のトナー画像が二次転写ニップに達したときに、上記二次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、除去されたトナーは図示しない廃トナー収容器へと搬送され回収される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P表面のトナー画像が当該用紙Pに定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にストックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y,4M,4C,4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
次に、図2に基づき、上記定着装置20の構成について説明する。図2に示すように、定着装置20は、用紙Pの未定着画像が担持された側を加熱する定着部材としての定着ベルト21と、定着ベルト21に圧接して定着ベルト21との間にニップ部Nを形成する加圧部材としての加圧ローラ22と、定着ベルト21を加熱する加熱源としてのハロゲンヒータ23と、定着ベルト21の内側に配設されたニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持する支持部材としてのステー25と、ハロゲンヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26と、定着ベルト21の温度を検知する第一温度検知手段としての非接触式温度センサ27と、定着ベルト21から用紙を分離する分離部材28とを備えている。ハロゲンヒータ23の本数を本実施例では複数で説明するが、単数であってもよい。
また、前述したとおり第一温度検知手段27は画像形成装置1本体に取り付けられているが、本願では第一温度検知手段27を含めて定着装置として説明を行う。
定着装置20は以下で説明する非接触式温度センサ27を備え、その検知する検知温度により、定着装置20が有する開口部53を遮蔽手段により遮蔽することができる。
図3は、第一温度検知手段27を含む画像形成装置1のハードウェア構成を例示するブロック図である。制御手段としての制御部200は、コントローラ部200aとエンジン制御部200bとを備えている。
コントローラ部200aはCPU、ROM、RAMなどを備え、エンジン制御部200b、操作部151、外部通信インターフェース部152等と接続されている。コントローラ部200aは、予め組み込まれている制御プログラムを実行することにより、画像形成装置1全体の制御や、外部通信インターフェース部152及び操作部151からの入力の制御などを行う。例えば、コントローラ部200aは、操作部151を介して入力されたユーザからの指示入力を受け付け、その指示入力に従って各種処理を行う。また、コントローラ部200aは、外部通信インターフェース部152を介して外部のホストコンピュータ装置などから印刷ジョブ(画像形成ジョブ)の指令や画像データを受信し、エンジン制御部200bを制御し、用紙にカラー画像やモノクロ画像を形成して出力する画像形成動作を制御する。
エンジン制御部200bは、CPU、ROM、RAMなどを備え、予め組み込まれている制御プログラムを実行することにより、コントローラ部200aからの指令に基づいて、画像形成処理を行うためのプリンタエンジン(複数の作像部、定着装置20など)の制御を行う。例えば、エンジン制御部200bは、第一温度検知手段27で検出した定着ベルト21の温度が所定の目標温度となるように、ハロゲンヒータ23への通電を制御したり、加圧ローラ22を回転駆動する駆動手段たる加圧ローラ駆動部129を制御したりする。
また、エンジン制御部200bは第一温度検知手段27が検知する温度により遮蔽手段の駆動手段としての移動機構駆動部167を制御する。第一温度検知手段27が検知する温度に代え、第二御温度検知手段としての雰囲気温度センサ102が検知する温度を用いても良い。
上記定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。詳しくは、定着ベルト21は、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミド(PI)などの樹脂材料で形成された内周側の基材と、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などで形成された外周側の離型層によって構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等のゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。弾性層が無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押しつぶして定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。厚さ100μm以上の弾性層を設けることで、弾性層の弾性変形により微小な凹凸を吸収することができるので、光沢ムラの発生を回避することができるようになる。
上記加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22の表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、後述する接離機構60によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21を介してニップ形成部材24に当接している。
この加圧ローラ22と定着ベルト21とが圧接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押しつぶされることで、所定の幅のニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ22は、装置本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータ等の加熱源を配設してもよい。弾性層22bはソリッドゴムでもよいが、加圧ローラ22の内部に加熱源が無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの方が、断熱性が高まり定着ベルト21の熱が奪われにくくなるのでより望ましい。また、定着ベルト21と加圧ローラ22は、互いに圧接する場合に限らず、加圧を行わず単に接触させるだけの構成とすることも可能である。
上記各ハロゲンヒータ23は、それぞれの両端部が定着装置20の側板(不図示)に固定されている。各ハロゲンヒータ23は、プリンタ本体に設けられた電源部により出力制御されて発熱するように構成されており、その出力制御は、第一温度検知手段27による定着ベルト21の表面温度の検知結果に基づいて行われる。このようなヒータ23の出力制御によって、定着ベルト21の温度(定着温度)を所望の温度に設定できるようになっている。また、定着ベルト21を加熱する加熱源として、ハロゲンヒータ以外に、IH、抵抗発熱体、又はカーボンヒータ等を用いてもよい。
上記ニップ形成部材24は、ベースパッド241と、ベースパッド241の表面に設けられた摺動シート(低摩擦シート)240とを有する。ベースパッド241は、定着ベルト21の軸方向又は加圧ローラ22の軸方向に渡って長手状に配設されており、加圧ローラ22の加圧力を受けてニップ部Nの形状を決めるものである。また、ベースパッド241は、両端を側板に固定したステー25によって支持されている。これにより、加圧ローラ22による圧力でニップ形成部材24に撓みが生じるのを防止し、加圧ローラ22の軸方向に渡って均一なニップ幅が得られるようにしている。
なお、ステー25は、ニップ形成部材24の撓み防止機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが望ましい。本実施形態では、ベースパッド241の加圧ローラ22との対向面が平坦面状に形成されており、そのためにニップ部Nはストレート形状になっている。ニップ部Nをストレート形状にすることで、加圧ローラ22による加圧力を軽減することができる。ニップ部Nの形状は任意であり、ストレート形状以外にも例えば凹形状にすることもできる。
ベースパッド241は、強度確保のためにある程度硬い材料で、かつ耐熱温度200℃以上の耐熱性材料で構成されている。これにより、トナー定着温度域で、熱によるニップ形成部材24の変形を防止し、ニップ部Nの表面形状が安定するので、出力画質の安定化を図っている。ベースパッド241の材料としては、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの一般的な耐熱性樹脂の他、金属、あるいはセラミックなどを使用することが可能である。
摺動シート240は、ベースパッド241の少なくとも定着ベルト21と対向する表面に配設されていればよい。これにより、定着ベルト21が回転する際、この低摩擦シートに対し定着ベルト21が摺動することで、定着ベルト21に生じる駆動トルクが低減され、定着ベルト21への摩擦力による負荷が軽減される。なお、摺動シート240を有しない構成とすることも可能である。
上記反射部材26は、ステー25とハロゲンヒータ23との間に配設されている。本実施形態では、反射部材26をステー25に固定している。反射部材26の材料としては、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。このように反射部材26を配設していることにより、ハロゲンヒータ23からステー25側に放射された光が定着ベルト21へ反射される。これにより、定着ベルト21に照射される光量を多くすることができ、定着ベルト21を効率良く加熱することが可能となる。また、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がステー25等に伝達されるのを抑制することができるので、省エネルギー化も図れる。
また、図示は省略するが、定着ベルト21の軸方向両端部は、その内周に挿入したベルト保持部材によって保持されている。二つのベルト保持部材は、それぞれ側板に取り付けられている。このように、定着ベルト21の両端部のみをベルト保持部材によって保持することで、両端部間では定着ベルト21がニップ部Nを除いてフリー変形可能な状態にある。また、ニップ部Nをストレート形状にしたことに伴い、定着ベルト21には楕円状に変形しようと力が常時作用する。
また、本実施形態に係る定着装置20は、さらなる省エネ性及びファーストプリントタイムなどの向上のために、種々の構成上の工夫が施されている。
具体的には、ハロゲンヒータ23によって定着ベルト21をニップ部N以外の箇所において直接加熱できるようにしている(直接加熱方式)。本実施形態では、ハロゲンヒータ23と定着ベルト21の図2の左側の部分の間に何も介在させないようにし、その部分においてハロゲンヒータ23からの輻射熱を定着ベルト21に直接与えるようにしている。
また、定着ベルト21の低熱容量化を図るために、定着ベルト21を薄くかつ小径化している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、弾性層、離型層のそれぞれの厚さを、20~50μm、100~300μm、10~50μmの範囲に設定し、全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21の直径は、20~40mmに設定している。さらに低熱容量化を図るためには、望ましくは、定着ベルト21全体の厚さを0.2mm以下にするのがよく、さらに望ましくは、0.16mm以下の厚さとするのがよい。また、定着ベルト21の直径は、30mm以下とするのが望ましい。
なお、本実施形態では、加圧ローラ22の直径を20~40mmに設定しており、定着ベルト21の直径と加圧ローラ22の直径を同等となるように構成している。ただし、この構成に限定されるものではない。例えば、定着ベルト21の直径が加圧ローラ22の直径よりも小さくなるように形成してもよい。その場合、ニップ部Nにおける定着ベルト21の曲率が加圧ローラ22の曲率よりも小さくなるため、ニップ部Nから排出される記録媒体が定着ベルト21から分離されやすくなる。
また、上記のように、定着ベルト21を小径化した結果、定着ベルト21の内側のスペースが小さくなるが、ステー25を両端側において折り曲げられた凹状に形成し、その凹状に形成した部分の内側にハロゲンヒータ23を収容することで、小さいスペース内でもステー25やハロゲンヒータ23の配設を可能にしている。
また、小さいスペース内でもステー25をできるだけ大きく配設するために、ニップ形成部材24を反対にコンパクトに形成している。具体的には、ベースパッド241の用紙搬送方向の幅を、ステー25の用紙搬送方向の幅よりも小さく形成している。さらに、図2において、ベースパッド241の用紙搬送方向上流側端部24a及び下流側端部24bにおけるそれぞれのニップ部N又はその仮想延長線Eに対する高さをh1,h2とし、上流側端部24a及び下流側端部24b以外のベースパッド241の部分におけるニップ部N又はその仮想延長線Eに対する最大高さをh3とすると、h1≦h3、h2≦h3となるように構成している。
このように構成することで、ベースパッド241の上流側端部24aと下流側端部24bは、ステー25の用紙搬送方向上流側及び下流側の各折り曲げ部と定着ベルト21との間に介在しないので、各折り曲げ部を定着ベルト21の内周面に近づけて配設することができる。これにより、定着ベルト21内の限られたスペース内でステー25をできるだけ大きく配設できるようになり、ステー25の強度を確保することができるようになる。その結果、加圧ローラ22によるニップ形成部材24の撓みを防止でき、定着性の向上を図れる。
さらにステー25の強度を確保するために、本実施形態では、ステー25が、ニップ形成部材24と接触し用紙搬送方向(図2の上下方向)に延在するベース部25aと、そのベース部25aの用紙搬送方向上流側と下流側の各端部から加圧ローラ22の加圧方向(図2の左側)に向かって延びる立ち上がり部25bとを有するように構成している。すなわち、ステー25に立ち上がり部25bを設けることで、ステー25が加圧ローラ22の加圧方向に延在する横長の断面を有するようになり、断面係数が大きくなって、ステー25の機械的強度を向上させることが可能となる。
また、立ち上がり部25bを加圧ローラ22の加圧方向により長く形成する方が、ステー25の強度が向上する。従って、立ち上がり部25bの先端は、定着ベルト21の内周面に対し、できる限り近接していることが望ましい。しかし、回転中、定着ベルト21には大小なりとも振れ(挙動の乱れ)が生じるので、立ち上がり部25bの先端を定着ベルト21の内周面に近づけすぎると、定着ベルト21が立ち上がり部25bの先端に接触する虞がある。特に、本実施形態のように、薄い定着ベルト21を用いている構成においては、定着ベルト21の振れ幅が大きいので、立ち上がり部25bの先端の位置設定には注意が必要である。
このように、立ち上がり部25bの先端を定着ベルト21の内周面に対し可能な限り近接するように配設することで、立ち上がり部25bを加圧ローラ22の加圧方向に長く配設することができる。これにより、小径の定着ベルト21を用いた構成においても、ステー25の機械的強度を向上させることが可能となる。
以下、図2を参照しつつ、本実施形態に係る定着装置の基本動作について説明する。プリンタ本体の電源スイッチが投入されると、ハロゲンヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図2中の時計回りに回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図2中の反時計回りに従動回転する。
その後、上述の画像形成工程により未定着のトナー画像Tが担持された用紙Pが、不図示のガイド板に案内されながら図2の矢印A1方向に搬送されて、圧接状態にある定着ベルト21及び加圧ローラ22のニップ部Nに送入される。そして、ハロゲンヒータ23によって加熱された定着ベルト21による熱と、定着ベルト21と加圧ローラ22との間の加圧力とによって、用紙Pの表面にトナー画像Tが定着される。
トナー画像Tが定着された用紙Pは、ニップ部Nから図2中の矢印A2方向に搬出される。このとき、用紙Pの先端が、定着ベルト21の表面に対して分離ギャップgを介在させた分離部材28の先端28aに接触することにより、用紙Pが定着ベルト21から分離される。その後、分離された用紙Pは、上述のように、排紙ローラによって機外に排出され、排紙トレイにストックされる。
以下、本発明の特徴部分の基本構成を説明する。本発明における定着装置20においては、図4に示すように、定着ベルト21、加圧ローラ22、が外装部材50の内部に収容される。
外装部材50は、ニップ部Nの出口と対向する出口側開口部51と、ニップ部Nの入口と対向する入口側開口部52と、定着ベルト21の外周面と対向する検知用開口部53とを有する。これらの開口部51,52,53を除き、定着ベルト21および加圧ローラ22の周辺空間は外装部材50によって基本的に密閉された状態にある。
定着ベルト21の両端を支持するベルト保持部材(図示せず)、ハロゲンヒータ23、およびニップ形成部材24は、前述のように何れも側板に取り付けられている。また、分離部材28も側板に取り付けられている。側板を外装部材50に取り付けることで(あるいは外装部材50と一体に形成することで)、定着ベルト21、ハロゲンヒータ23、ニップ形成部材24、および分離部材28が外装部材50に保持される。また、図4(a)に示すように加圧ローラ22の芯金22aは図示しない軸受を介して外装部材50に回転自在に支持されている。そのため、加圧ローラ22も外装部材50に保持されている。
図4(b),(c)に示すように、外装部材50の検知用開口部53(531、532)の外側に非接触式温度センサとしての第一温度検知手段27が配置され、この検知用開口部53を介して定着ベルト21の表面温度が検出可能になっている。実施例では、定着ベルト21を加熱する熱源が端部ヒータと中央ヒータの2本あるため、それぞれの温度制御用に非接触式温度センサを2つ使用しており、定着装置20は2箇所の検知用開口部53を有する。検知用開口部53の数はこれに限られないことは言うまでも無く、検知対象を加圧ローラ22としても良く、その場合は加圧ローラ側に検知用開口部を設けることになる。
定着ベルト21および加圧ローラ22は、接離機構60によって相対的に接近および離隔可能に構成される。接離機構60は、ローラ駆動カム65の回転により加圧レバー61がO1を支点として変位する。接離機構60による定着ベルト21および加圧ローラ22の接近時には、両者の圧接部でニップ部Nが形成され、両者の離反時にはニップ部Nが解消される。以下では、加圧ローラ22を可動側とし、加圧ローラ22を固定側の定着ベルト21に対して接近・離反させるように構成した場合を例示する。
印刷動作時には、ニップ部Nに用紙が進入し、用紙とトナーが定着ベルト21から熱を奪うため、低下した分の定着ベルト21の温度を第一温度検知手段27にて検知し、加熱量を決定する必要がある。そのため、定着動作中は常に温度計測・制御というサイクルが必要であり、第一温度検知手段27が画像形成装置1本体側にある場合には、外装部材50に検知用開口部53を設け、温度計測できる状態にしておく必要がある。
一方、印刷が終了し、画像形成装置1が待機状態や省エネモードなどの非印刷時は、定着ベルト21の温度を監視し、常に所定の温度に保つ必要性は印刷時に比べて低く、再度印刷要求があった際に、定着ベルトがすばやく所定の温度となるように加熱できれば良い。
上述のとおり、外装部材50は検知用開口部53を有するので、定着ベルト21が露出する部分である検知エリア53aは外気に晒されており、図4(c)のように軸方向では他の部分に比べて温度低下がしやすく、軸方向で温度偏差が発生する。第一温度検知手段27の出力に基づき、検知エリア53aにあわせて温度を制御しようとするので、検知エリア53a以外の部分である53bが過熱されてしまう。
また、検知用開口部53があることで定着装置全体の保温効果も低下してしまい、省エネ性が低下するため、温度計測が不要な状態においては閉じるほうが好ましい。よって、温度検知領域である外装部材50に設けられた検知用開口部53を適時塞ぐ構成があることが省エネにつながる。
(1)センサ一体体型実施例
図5は実際に検知用開口部53を閉じる構成の実施例1である。検知用開口部531、532を図面の都合上53と記載しているが、本実施例は検知用開口部531及び532のいずれにも適用可能である。
図5(a)に示すように、第一温度検知手段27は開口部を有するセンサ取り付け部材93の中に設けられ、検知用開口部53より定着ベルト21の温度を計測する。センサ取り付け部材93は第一温度検知手段27を外装部材50に取り付けるためのものである。第一温度検知手段27により定着ベルト21の温度を計測する際は、センサ取り付け部材93は外装部材50から所定の離れた距離に位置するようになっている。
ここで言う温度を計測する際とは、例えば通紙動作等を行っているときである。本実施の形態では、第一温度検知手段27は、定着ベルト21の温度を計測しているが、加圧ローラ22の温度を計測しても良い。また、定着装置20内の温度を検知する雰囲気温度センサ102によって定着ベルト21または加圧ローラ22の温度を計測するようにしても良い。
検知用開口部53側以外の辺が囲まれたセンサ取り付け部材93にセンサを取り付け、外装部材50と接触することで検知用開口部53を塞ぐ。外装部材50と接触する部分には耐熱スポンジやゴムなど、定着装置20に対して変形して追従するような部品101を設けて密着させる構成とすると、より確実に外気を遮蔽することが可能となる。実際の駆動としては、本体側にモータを設けてその駆動列から最終的にカムB等を回転して移動させる方法が考えられる。カムB以外にもリニアアクチュエータでも可能である。
図5(a)は検知用開口部53を塞いでいない位置、図5(b)は検知用開口部53を完全に塞いでいる位置、図5(c)はその中間位置であり、図5(a)の塞いでいない位置に比べて保温効果が高く、図5(b)の完全に塞いでいる位置に比べると保温効果が低い位置である。センサ取り付け部材93をどの位置にするかの判断は後述する。
図6はセンサ取り付け部材93を有する定着装置20の斜視図であり、第一温度検知手段27は図面の都合上省略している。上述したとおり、センサ取り付け部材93は検知用開口部53(531、532)側以外の辺が囲まれている。なお、図6ではセンサ取り付け部材93(931、932)の形状は直方体だが、これに限られず、円柱や角柱であっても良い。また、二つのセンサ取り付け部材931、932の形状は互いに異なっていても良い。
(2)センサ別体型実施例
図7は検知用開口部53(531、532)を閉じる構成の実施例2である。検知用開口部531、532を図面の都合上53と表現するが、本実施例は検知用開口部531及び532のいずれにも適用可能である。図7(a)のように、本体側に取り付けられた遮蔽部材90の支持柄91が回転体Aを軸に回転することにより、図7(b)のように本体側に取り付けられた第一温度検知手段27と検知用開口部53との間を遮る。実際の駆動としては、本体側にモータを用いて、その駆動列からコロ等を利用して移動させる方法が考えられる。
回転量については、遮蔽部材90が検知用開口部53を遮蔽する、しない、のメリハリがつくように回転できるほか、図7(c)に示すように覆い量を半分とすることも可能である。
また、図8(a),(b)の斜視図に示すように、本体側に取り付けられた遮蔽部材90の支持柄91が回転体Aを軸に略90°回転することにより、本体側に取り付けられた第一温度検知手段27と検知用開口部53との間を遮る構成でもよい。
このとき、図9のように遮蔽部材90の外装部材側に弾性部材100を設け、支持柄91の本体側に設置した偏芯カムCを利用し遮蔽部材90の高さを可変とすると、遮蔽部材90と外装部材50との密着性が向上し、外気の流入をより確実に防ぐことができる。
図10を用いて検知用開口部53を閉じる構成の実施例3を説明する。図10(a)のように、本体側に設けられた折り畳み可能な壁部92が定着装置20と接続することで外気を遮断する。本実施例では折りたたみ可能な壁部92として蛇腹状の壁部を用いた。壁部92は図10(b)のように伸長することで検知用開口部53を遮蔽する。伸長の仕方としては、カム等が考えられるが、これに限られず、磁力で伸長させることも可能である。その際は、磁力を持つ素材で壁部92を構成し、検知用開口部53周辺に電磁石の特性を持つ構成とする。検知用開口部53を検知する必要がある際は検知用開口部53周辺に電気を通すことで検知用開口部53周辺に磁力を帯びさせ壁部92が伸長するように構成する。
図10(c)は壁部92を検知用開口部53側から見た図である。また、図10(d)は、壁部92の斜視図である。図10(c),(d)では三段階の小壁部92a、92b、92cから壁部92を構成しているが、小壁部の数はこれに限られない。壁部92の形状は長方形に限られず、円錐形状であってもよい。
図11を用いて検知用開口部53を閉じる構成の実施例4を説明する。実施例4では第一温度検知手段27の四方が壁部92によって囲まれている。壁部92は角度を有して折れ曲がるものとした。壁部92の折れ曲がり部にはカムcを有し、カムの回転により壁部92が定着装置20に向かって立ち上がることで、開口部53の覆い量を調節することができる。図面の関係上カムcをひとつしか書いていないが、実際は各壁部92にカムを有する。各カムは独立に動くことも可能である。なお、壁部92により第一温度検知手段27が囲まれているため図11では第一温度検知手段27を図示していない。
実施例1~4において、第一温度検知手段27に対応する検知用開口部53が複数個ある場合は、それらを塞ぐように遮蔽部材90や壁部92やセンサ取り付け部材93(総括し遮蔽手段と称する)が一体となって動いてもかまわないし、それぞれ独立して動くような構成でもかまわない。
以下、本発明における検知用開口部53を塞ぐ制御について図3、図12に従い説明する。
まず、S1で示すように印刷動作終了時に印刷指示(JOB)がマシンに投入されているか(S2)をコントローラ部200aが判断する。印刷指示がマシンに投入されていない場合、エンジン制御部200bは待機モードS3に移行する。
非印刷時には遮蔽手段が検知用開口部53を覆い、定着装置20の保温性を高めるが、待機モード移行とともに遮蔽手段が検知用開口部53を遮蔽するわけでない(S4)。定着装置20内に有する雰囲気温度センサとしての第二温度検知手段102または第一温度検知手段27からの雰囲気温度出力が閾値として80℃(以下「塞ぎ時閾値」と称す)以上の場合や被検知対象物の温度が高い場合には、待機モードが継続(S5)し、エンジン制御部200bは検知用開口部53を塞ぐ判断をしない。このことにより、定着装置20内の温度が各部材の耐熱温度を超えることを防ぎ、装置の故障を避けることと装置の保温を両立することができる。
しかしながら、雰囲気温度のみでの制御では、検知用開口部53を塞ぐべきかの判断が難しい場合がある。例えば、被検知対象物の温度が高い場合は、雰囲気温度が低くても雰囲気温度はその後上昇する可能性が高い。このようなときは、塞ぎ時閾値と被検知対象物の表面温度を用いて塞ぐか塞がないかの判断及び塞ぎ量の判断を行う。
S4において雰囲気温度が塞ぎ時閾値以下の場合は、エンジン制御部200bは移動機構駆動部167を駆動させる判断をし、移動機構駆動部167は開口部53を遮蔽する(S6)。
移動機構駆動部167により開口部53が覆われた後、第一温度検知手段27または第二温度検知手段102は雰囲気温度を検知する(S7)。これにより塞いだ後に雰囲気温度が閾値(開放時閾値)を超えた場合は、エンジン制御部200bは移動機構駆動部167を駆動させる判断をし、移動機構駆動部167は検知用開口部53を塞いでいる状態を解除(開放)する(S8)。これにより、塞ぐ前には温度が塞ぎ時閾値以下であったが、塞いだ後に温度が開放時閾値を越えたために装置が故障することを防ぐことができる。このときに開放時閾値は、塞ぎ時閾値とは異なる温度であることが望ましく、開放時閾値の方が高くなるように設定する。開放時閾値として本実施例では90度としたが、サーモパイルその他の耐久温度を勘案して適宜異ならせることもできる。
ここで言う「塞いでいる状態を解除」というのは、完全に塞いでいる状態を解除するという意味であり、遮蔽手段が初期位置に戻ることを必ずしも意味しない。つまり、図5(c)や図7(c)に示すような中間状態も含まれる。
中間状態の位置は、次のように決定する。塞いでいる状態において第一温度検知手段27または第二温度検知手段102が検知する雰囲気温度が開放時閾値に達した場合、前記雰囲気温度に基づいて移動機構駆動部167は遮蔽を駆動させ前記雰囲気温度が開放時閾値以下になったら移動機構駆動部167の駆動を停止する。これにより、第一温度検知手段27または第二温度検知手段102の耐熱温度範囲内で断熱性を上げることができる。
開口部53を塞いでいる状態から上述のように中間状態を決定するだけでなく、開口部53を塞いでいない初期状態から中間状態を決定することも可能である。その場合は、初期状態から第一温度検知手段27または第二温度検知手段102が検知する雰囲気温度を基にエンジン制御部200bが移動機構駆動部167を駆動させ、移動機構駆動部167の駆動により遮蔽手段を検知用開口部53側へ移動させ、塞ぎ時閾値を越えたところで移動を停止する。そして、塞ぎ時閾値を越えない位置まで遮蔽手段を戻すことにより行うことができる。
開口部53を遮蔽手段により遮蔽しても、定着ベルト21の経時での温度低下は発生してしまう。なので、遮蔽手段による開口部53の遮蔽に加え、待機中に一定の時間・点灯率で熱源に電力を供給することで定着装置20を暖めておくことも有効である。
実施例1では第一温度検知手段27が取り付けられた遮蔽手段が開口部53を遮蔽することで、第一温度検知手段27と制御対象である定着ベルト21が近接することになる。第一温度検知手段27としてサーモパイルを使用すると、サーモパイルの測定原理上正確に温度を測れない恐れがある。
そのため、一定間隔で熱を加えるという方法が考えられるが、待機中に定着ベルト21の実際の温度を計測せずに温度を一定の狙いの温度に保つことは難しい。なので、加熱する一定時間前に第一温度検知手段27を遠ざけ、温度を計測した後に加熱する方法をとると良い。例えば、10秒に1回、0.3秒熱を加えるように、適宜制御可能である。
具体的には、
(1)非接触式温度センサ27を検知対象物から遠ざけた位置にして雰囲気温度を計測する
(2)雰囲気温度計測結果から、エンジン制御部200bが加熱量をあらかじめ決められた計算則から決める
(3)エンジン制御部200bは移動機構駆動部167に駆動の指示をし、遮蔽手段が開口部53を遮蔽する。
(4)一定時間後、再度(1)に戻る
このように制御することで、仮に制御対象との距離が近すぎて温度が正常に計測できないような第一温度検知手段27でも精度良く非印刷時の温度を制御することが可能となる。
このように、本発明は定着ベルト21や加圧ローラ22を外装部材50の内側に収容し、外装部材50の検知用開口部53を遮蔽手段で開放、閉鎖可能にしているので、定着時に温度検知を可能とする一方で、定着時以外は遮蔽手段で検知用開口部53を覆い、定着部材21からの放熱を抑制して保温効果を高めることができる。そのため、待機中でありながら印刷ジョブが与えられた際に定着ベルト21を再昇温させるための消費電力を低減することが可能となる。
本発明は、上述の実施形態のように省エネ性などの向上のために定着ベルトを薄く小径化した定着装置に限定されるものではなく、電磁誘導を用いた加熱方式をはじめ、公知の定着装置に広く適応することが可能である。また、本発明に係る定着装置は、図1に示すカラーレーザープリンタに限られず、モノクロ画像形成装置や、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機などに搭載することも可能である。また、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることはもちろんである。