JP7047050B1 - エレベータのロープ検査システム - Google Patents

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Abstract

【課題】マーク欠損が発生した場合でも、マーク間隔の測定を継続可能とし、その測定結果からローブ伸びを判断して信頼性の高い強度管理を行う。【解決手段】エレベータのロープ検査システムは、巻上機のトラクションシーブ22を介して乗りかごとカウンタウェイト21を吊持し、表面が樹脂被覆された構造を有するロープを備え、前記ロープの表面上に一定の間隔で設けられた複数のマークの間隔を測定する。前記ロープ検査システムは、前記ロープに対するマーク間隔の基準値を有し、測定結果として得られたマーク間隔が前記基準値の整数倍で規定される許容範囲内にある場合に当該測定結果を有効とし、当該測定結果からロープ伸びを判断する制御手段を備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータのロープ検査システムに関する。
巻上機等のエレベータ機器を昇降路内に収めることで省スペース化を図るマシンルームレスタイプのエレベータが一般的になっている。マシンルームレスタイプのエレベータでは、巻上機のシーブ(トラクションシーブ)が小型化されている。このため、曲げ疲労に強く、高強度のロープ構造を有するメインロープとして、抗張力部材の表面をポリウレタンのような耐摩耗性と高摩擦係数を有する樹脂材で被覆したワイヤロープが用いられる。
この種のワイヤロープは、内部の抗張力部材を目視できず、一般的なワイヤロープのように、素線の摩耗状態や断線数の目視点検で強度管理を行うことはできない。そこで、ロープの表面に略一定の間隔でマークを施しておき、ロープの送り量に対するマーク間隔をロープ伸びとして測定することにより、その測定結果から劣化状態を判定して強度管理を行うロープ検査システムが提案されている。
特許第6271680号公報
上述したマークは、ロープが移動しているときに、光電センサによって光学的に検知される。ところが、ロープの使用環境や経年劣化などで、ロープ上の各マークの一部を光電センサで検知できない状態になる。この状態を「マーク欠損」と呼ぶ。このような場合、マーク間隔の測定結果からロープの劣化状態(ロープ伸び)を正しく判断できないので、ロープを交換するしかない。
なお、1本のロープに対して、複数の光電センサを配置しておけば、マークの検知率が高くなるので、マーク欠損を防ぐことができる。しかし、昇降路内の限られたスペースに複数の光電センサを配置することは難しく、また、システムのコストアップにも繋がる。
本発明が解決しようとする課題は、マーク欠損が発生した場合でも、マーク間隔の測定を継続可能とし、その測定結果からローブ伸びを判断して信頼性の高い強度管理を行うことのできるエレベータのロープ検査システムを提供することである。
一実施形態に係るロープ検査システムは、巻上機のトラクションシーブを介して乗りかごとカウンタウェイトを吊持し、表面が樹脂被覆された構造を有するロープを備え、前記ロープの表面上に一定の間隔で設けられた複数のマークの間隔を測定する。
前記エレベータのロープ検査システムは、センサと、マーク検知手段と、マーク間隔演算手段と、制御手段とを備える。前記センサは、前記ロープの近傍に設けられる。前記マーク検知手段は、前記ロープの移動に伴い、前記センサから出力される信号と前記乗りかごの昇降位置を示すデータとに基づいて、前記各マークの位置を検知する。前記マーク間隔演算手段は、前記マーク検知手段によって検知された前記各マークの位置に基づいてマーク間隔を演算する。前記制御手段は、前記ロープに対するマーク間隔の基準値を有し、前記マーク間隔演算手段によって測定結果として得られたマーク間隔が前記基準値の整数倍で規定される許容範囲内にある場合に当該測定結果を有効とし、当該測定結果からロープ伸びを判断する。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの概略構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータに用いられるメインロープの構造を示す断面図である。 図3は同実施形態におけるエレベータに用いられるメインロープの外観を示す斜視図である。 図4は同実施形態におけるパルス信号とマーク間隔の関係を説明するための図であり、図4(a)はメインロープの移動に同期して出力されるパルス信号、同図(b)は据付け時のマーク間隔、同図(c)は経年変化によりロープ伸びしているときのマーク間隔である。 図5は同実施形態におけるロープの劣化に伴う伸び率と残存強度と関係を示す図である。 図6は同実施形態におけるセンサを用いたマーク間隔の測定方法を説明するための図であり、図6(a)はセンサの出力電圧、同図(b)はセンサの出力電圧とマーク位置との関係を示す図である。 図7は同実施形態におけるマーク間隔の演算結果の例を示す図であり、マーク欠損なしの場合のマーク間隔の演算結果を示している。 図8は同実施形態におけるマーク間隔の演算結果の例を示す図であり、1カ所にマーク欠損が発生した場合のマーク間隔の演算結果を示している。 図9は同実施形態におけるマーク間隔の演算結果の例を示す図であり、連続的にマーク欠損が発生した場合のマーク間隔の演算結果を示している。 図10は同実施形態におけるロープ検査システムのメインルーチンの処理動作を説明するためのフローチャートである。 図11は前記メインルーチンに含まれる測長運転処理を説明するためのフローチャートである。 図12は前記メインルーチンに含まれるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。 図13は前記メインルーチンに含まれるマーク間隔演算処理を説明するためのフローチャートである。 図14は前記メインルーチンに含まれるマーク間隔演算処理を説明するためのフローチャートである。 図15は第2の実施形態における閾値電圧調整方法を説明するための図であり、マーク検知数が少ない場合の閾値電圧調整方法を示す図である。 図16は第2の実施形態における閾値電圧調整方法を説明するための図であり、マーク検知数が多い場合の閾値電圧調整方法を示す図である。 図17は第2の実施形態におけるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。 図18は第2の実施形態におけるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。 図19は第3の実施形態におけるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。 図20は第3の実施形態におけるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
まず、本発明の実施形態をする前に、図5を参照してロープの伸び率と強度との関係について説明する。
例えば、エレベータのメインロープなどに用いられるワイヤロープは、抗張力部材であるストランドと心綱が張力により絞られ、かつ、シーブ等から受ける曲げにより互いに擦れ合う。このため、ロープ劣化の形態は、心綱付近部の素線の摩耗と断線が支配的である。この部分の劣化によりストランドは心綱の方向(ロープ径が減少する方向)に移動するため、ロープ構造として伸びが生じる。
このような構造を有するワイヤロープに対して検証を行った結果、伸び率と強度との間に図5に示すような相関性があることが判明した。図5において、横軸はロープの伸び率を表している。機密上、具体的な数値は省略するが、図中のλは数%程度であり、距離にして数mm程度である。縦軸はロープの強度率(これを残存強度率と言う)を表している。ロープが据付け時の新品の状態から経年劣化により徐々に伸びてくると、それに伴い強度も低下する。通常、強度率80%を基準強度として定められ、ロープの伸び率がλになった時点を交換時期とすることで安全性が得られる。
ロープ伸びの測定は、点検運転によってロープを一定量送り、その間にロープの表面に付された複数のマークをセンサで検出し、その検出タイミングでエンコーダのパルス信号をカウントすることで行う。
マーク測定用のパルス信号を発生する方法として、例えば回転部材をガイドレールに当接させるロータリーエンコーダを用いた場合には、レール継目の段差や付着物等によって一定のロープ送り量に対するパルス数にバラつきがあり、マーク間隔の測定に誤差が生じやすい。また、調速機にエンコーダを設けておく方法もあるが、点検作業スペースも含めて余分なスペースを要する。
そこで、トラクションシーブの回転と同期する巻上機の回転制御用のエンコーダを利用することを考える。このエンコーダを用いれば、調速機にエンコーダのような余分なスペースを要することなく、コスト的にも抑えられる。
ところが、ロープ使用環境や経年劣化などで、マーク部の反射率が低下するとともに、マーク検知手段の出力が低下し、一定のマーク検知閾値ではマーク欠損が発生し、マーク間隔測定ができなくなる。ここで、マーク検知手段を複数設けて、マーク検知を補償することは可能だが、システムのコストアップに繋がる。また、マーク検知手段に、例えば廉価なフォト・マイクロセンサを使用する場合、センサの個体差による出力差が生じ、一定のマーク検知閾値では、マーク欠損が頻発してマーク間隔を測定できない。この対策として出力差が小さい高精度のセンサを用いると、更にコストアップする。
以下では、マーク欠損が発生した場合でも、測定精度を損なうことなく、マーク間隔の測定を継続するための方法について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの概略構成を示す図である。図1の例では、機械室を持たないマシンルームレスタイプのエレベータを想定している。
乗りかご20とカウンタウェイト21は、それぞれに昇降路10内に立設されたガイドレール11,12に昇降可能に支持されている。更に、トラクションシーブ22を有する巻上機23が昇降路10の上部に設置されている。乗りかご20およびカウンタウェイト21は、複数本のメインロープ24により昇降路10内に吊り下げられている。なお、図1では、一本のメインロープ24のみを示し、その他のメインロープ24については図示を省略している。
メインロープ24の両端部は、それぞれに昇降路10の上端にロープヒッチ25a,25bを介して固定されている。また、メインロープ24は中間部でカーシーブ26、トラクションシーブ22およびカウンタウェイトシーブ27に連続的に巻き掛けられている。これにより、乗りかご20とカウンタウェイト21を2:1ローピンク形式で支持している。巻上機23の駆動によりトラクションシーブ22が回転すると、そのトラクションシーブ22の回転に伴い、乗りかご20とカウンタウェイト21がメインロープ24を介して昇降路10内をつるべ式に昇降動作する。
なお、機械室がないマシンルームレスタイプのエレベータでは、巻上機23が昇降路10内に設置されるが、本発明は特にこの構成に限定されるものではなく、機械室を有するエレベータであってもよい。機械室を有するエレベータでは、巻上機23が機械室に設置される。また、ローピングについても、図1に示したような2:1ローピングに限らず、例えば1:1ローピングなどの他の方式であっても良い。
ここで、本実施形態のロープ検査システムは、センサ28と、エンコーダ29と、演算装置30と、表示装置31と、制御盤40とを備える。
センサ28は、検査対象とするメインロープ24の近くに設置され、このメインロープ24の長手方向に一定間隔で設けられた複数のマーク45(図3参照)を光学的に検出する。エンコーダ29は、トラクションシーブ22の回転に同期してパルス信号を発生する。このエンコーダ29は、かご位置や速度を検出するためにエレベータに組み込まれた既設のエンコーダである。このエンコーダ29をマーク間隔の測定に用いることで、例えば調速機にエンコーダを設置する構成で問題となるレイアウト上の不都合を回避できる。
演算装置30は、一定周期でセンサ28の出力電圧をサンプリングしてメモリ30aに記憶するとともに、エンコーダ29が発生するパルス信号をカウントしてメモリ30aに記憶する。なお、実際にはメインロープ24が複数本のロープから構成されているので、演算装置30は、各ロープ毎に一定周期でセンサ28の出力電圧とパルス信号のカウント値をメモリ30aに記憶する。
演算装置30は、メモリ30aに記憶されたセンサ28の出力電圧Vと閾値電圧Vsとに基づいて各マーク45の位置を検知し、エンコーダ29が発生するパルス信号のカウント値からマーク間隔を演算する機能を備える。また、演算装置30は、マーク間隔からメインロープ24の伸び量を求める機能を備える。表示装置31は、演算装置30によって得られたマーク間隔やロープ伸び量などを表示する。なお、演算装置30と表示装置31は、汎用のコンピュータからなる。この演算装置30の機能を制御盤40に持たせて、制御盤40だけでマーク間隔の測定に関わる一連の処理を行う構成としても良い。
制御盤40は、巻上機23の駆動制御を含め、エレベータ全体の制御を行うための制御装置である。制御盤40は、エンコーダ29のパルス信号に基づいて乗りかご20の位置を検出し、乗りかご20を目的階まで所定の速度で移動させるなどの制御を行う。本実施形態では、演算装置30を制御盤40に接続して、演算装置30がエンコーダ29のパルス信号を制御盤40から取得するように構成されている。
制御盤40は、通信ネットワーク50を介して監視センタ51に接続されている。監視センタ51は、監視対象とする各物件のエレベータの状態を通信ネットワーク50を介して遠隔監視しており、何らかの異常等が発生した場合に保守員を現場に派遣するなどの対応を行う。保守員は、保守点検用の端末装置52を所持している。この端末装置52には、制御盤40及び監視センタ51との間で無線通信を行う機能が備えられている。
図中の32は着床検出部材である。着床検出部材32は、「着検板」とも呼ばれ、昇降路10内に乗りかご20の昇降方向に沿って各階床毎に設けられている。着床検出部材32は、乗りかご20が各階に停止するときに、非接触スイッチ33と連動して停止位置を検出するために用いられる。
ここで、図2および図3を参照してメインロープ24の構造について説明する。
メインロープ24として、樹脂被覆されたワイヤロープが用いられる。図2に示すように、メインロープ24は、抗張力部材としてのロープ本体41と、ロープ本体41を全面的に被覆した外部被覆層42とを主要な要素として備えている。
ロープ本体41は、複数本の鋼鉄製ストランド43を所定のピッチで撚り合わせることで構成されている。外部被覆層42は、例えばポリウレタンのような耐摩耗性および高摩擦係数を有する熱可塑性の樹脂材で形成されている。外部被覆層42は、メインロープ24の外表面を規定する外周面44aを有している。外周面44aは、円形の断面形状を有するとともに、各シーブ22,26,27に巻き掛けられた際に、摩擦を伴いながら接触する。
更に、外部被覆層42を形成する樹脂材は、隣り合うストランド43の間の隙間に充填されている。そのため、外部被覆層42は、ロープ本体41の周方向に隣り合うストランド43の間に入り込む複数の充填部44を有している。充填部44は、外部被覆層42の外周面44aの内側に位置されている。
図3に示すように、メインロープ24の表面(つまり外部被覆層42の外周面44a)に複数のマーク45が設けられている。これらのマーク45は、メインロープ24の劣化による伸び量を検出するための要素であって、メインロープ24の全長に亘って長手方向に一定の間隔(例えば500mm間隔)で並んでいる。これらのマーク45の1つ1つは、メインロープ24の周方向に連続的な直線あるいは間欠的な点線で形成されている。
ところで、メインロープ24は、使用期間の経過に伴ってストランド43の間の隙間およびストランド43を構成する複数の素線間の隙間が減少する。これにより、ストランド43や素線が互いに摩擦を繰り返し、ストランド43や素線の摩耗・断線が進行する。
特に、メインロープ24が各シーブ22,26,27と接触する部分では、摩擦を繰り返し受ける。このため、メインロープ24の摩耗・断線の進行度合いは、メインロープ24がシーブ22,26,27を通過しない部分に比べて大きく、これによりロープ径が減少したり、局部的な伸びが生じる。したがって、ロープ伸びと強度低下率との関係を明確化し、メインロープ24の中でも劣化が最大となる部分の伸びを検出することで、メインロープ24の強度を管理することができる。
センサ28は、例えば巻上機23の近傍でメインロープ24に対向させるようにして固定しておく。これにより、点検運転で最上階と最下階の間で乗りかご20を昇降させると、ロープヒッチ25a,25bに近い部分を除き、メインロープ24の全長の大部分はセンサ28を通過し、その通過時に連続的にマーク45を検出することができる。
センサ28は、応答性に鑑みてレーザ反射光を用いた光電センサで構成することが望ましいが、より廉価なLED反射光を用いたフォト・マイクロセンサなどで構成しても良い。市販の光電センサでは、近年レーザ光などを対象物に照射し、反射光強度(反射率)の差によって表面の色(反射率)の変化を検出するセンサが普及している。
エンコーダ29は、乗りかご20の移動に同期してパルス信号を出力するため、略ロープ送り量に応じたパルス出力となる。エレベータ据付け時には、メインロープ24の長手方向にマーク45が等間隔で配列されている。したがって、メインロープ24の劣化による伸びがない場合には、前記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値と略同じになる。一方、メインロープ24の劣化によりメインロープ24が伸びている場合には、前記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値を超えることになる。
この様子を図4に示す。
図4はパルス信号とマーク間隔の関係を説明するためのであり、図4(a)はメインロープ24の移動に同期して出力されるパルス信号、同図(b)は据付け時のマーク間隔、同図(c)は経年劣化によりロープ伸びしているときのマーク間隔である。
据付け時のマーク間隔でパルス信号をカウントしたときの基準値をnパルスとすると、メインロープ24が劣化していない場合には、点検運転で得られるカウント値は据付け時のnパルスと多少の誤差を含み略同じである。しかし、劣化によりメインロープ24が伸びた状態にあると、点検運転で得られるカウント値は据付け時のマーク間隔に対応したnパルスよりも多くなる。
ここで、マーク間隔の測定について、図6を用いて説明する。
図6はセンサ28を用いたマーク間隔の測定方法を説明するための図であり、図6(a)はセンサ28の出力電圧、同図(b)はセンサ28の出力電圧とマーク位置Pとの関係を示す図である。
いま、メインロープ24が図1に示す矢印A方向に送られているとする。センサ28は、アナログ電圧出力機能を有しており、メインロープ24の非マーク部とマーク部分の反射率に応じた出力電圧Vを出力する。このセンサ28の出力電圧Vと、エンコーダ29から出力されるパルスを積算した積算パルス数を一定周期で演算装置30のメモリ30aに記憶する。このメモリ30aに記憶された出力電圧Vと閾値電圧Vsとを比較する。そして、出力電圧Vが閾値電圧Vsを超えたときの立上りのタイミングで、その間にカウントされた積算パルス数にパルスレートを乗じた昇降位置をマーク位置P1,P2,P3…Pnとして求め、メモリ30aに順次記憶する。これにより、乗りかご20の昇降位置とマーク間隔は、以下の式(1),式(2a)~(2c)のように求められる。
昇降位置=積算パルス数×パルスレート …(1)
マーク間隔L1=|P1-P2| …(2a)
マーク間隔L2=|P2-P3| …(2b)
マーク間隔Ln-1=|Pn-1-Pn| …(2c)
図7乃至図9にマーク間隔の演算結果の例を示す。
図7はマーク欠損なしの場合のマーク間隔の演算結果を示している。図8は1カ所にマーク欠損が発生した場合のマーク間隔の演算結果を示している。図9は連続的にマーク欠損が発生した場合のマーク間隔の演算結果を示している。
いま、エレベータ設置時にメインロープ24の長手方向に500mm間隔で複数のマーク45が設けられていたとする。この場合、マーク間隔の基準値は、500mmに設定される。メインロープ24上の各マーク45がセンサ28によって正しく検出されていれば、図7に示すように、マーク間隔が略500mmで算出される。
ここで、経年劣化などにより、各マーク45の一部がセンサ28によって検出されない状態、つまり、マーク欠損が発生することがある。図8に示すように、マーク欠損が1カ所あれば、その欠損箇所に対応したマーク間隔は500mmの略2倍になる。図9に示すように、マーク欠損が連続して3カ所あれば、その欠損箇所に対応したマーク間隔は500mmの略4倍になる。したがって、マーク欠損時には、マーク間隔が基準値の整数倍で長くなることがわかる。
また、ロープ移動距離は物件毎に決まるため、ロープ1本あたりのマーク検知の期待数は、ロープ移動距離をマーク間隔の基準値で除して求めることができる。この期待数に尤度を持たせることで、測定時に得られるマーク検知数の期待範囲を以下のように定めておく。
検知数小<期待範囲<検知数大
なお、検知数小は、マーク検知時の測定誤差などを考慮して、前記マーク検知の期待数よりも若干少なく設定されている。検知数大は、マーク検知時の測定誤差などを考慮して、前記マーク検知の期待数よりも若干多く設定されている。
以下に、本システムの動作について、(a)メインルーチン、(b)測長運転処理、(c)マーク検知処理、(d)マーク間隔演算処理に分けて詳しく説明する。
(a)メインルーチン
図10は第1の実施形態におけるロープ検査システムのメインルーチンの処理動作を説明するためのフローチャートであり、メインロープ24に付された複数のマーク45の間隔を自動測定するための全体的な流れを示す。このフローチャートで示される処理は、主として制御盤40によって実行される。
なお、実際にはメインロープ24は複数本のロープから構成されているため、各ロープ毎にマーク間隔の測定処理が行われる。以下では、説明を簡単にするため、メインロープ24に含まれる任意の1本のロープに対するマーク間隔の測定処理について説明する。
まず、制御盤40は、初期設定として、例えば昇降範囲、運転速度などを含め、マーク間隔の測定に関わる各種条件を設定しておく(ステップS101)。マーク間隔の測定は、例えば夜間など、エレベータ利用者に対する運転サービスが終了した後に行われる。制御盤40は、巻上機23の駆動により乗りかご20を所定の速度で昇降動作させ、メインロープ24を一方向に送りながら測長運転処理を行う(ステップS102)。この測長運転処理によって、メインロープ24の移動に伴って、センサ28から出力される信号(電圧V)と、エンコーダ29から出力されるパルス信号の積算値(積算パルス数)が演算装置30のメモリ30aに一定周期毎に記憶される。詳しくは、後に図11を用いて説明する。
何らかの原因で乗りかご20の運転が一時停止して、測長運転処理が正常に終了しなかった場合(ステップS102のNo)、制御盤40は、リトライカウンタRCの値を更新する(ステップS103)。リトライカウンタRCは、測定運転処理のリトライ回数をカウントするためのカウンタであり、制御盤40内に設けられている。後述する各種カウンタも同様であり、制御盤40内に設けられている。
リトライカウンタRCを設けておくのは、測定運転処理を何度も繰り返すことを回避するためである。このリトライカウンタRCの値(リトライ回数)に対する制限値は、予め定められている。リトライカウンタRCの値が予め定めた制限内であれば(ステップS104のNo)、制御盤40は、測長運転処理を再実行する(ステップS200)。リトライカウンタRCの値が前記制限外であれば(ステップS104のYes)、制御盤40は、リトライ異常を設定し(ステップS105)、所定の発報先にリトライ異常を発報する(ステップS109)。「所定の発報先」とは、保守員が持つ端末装置52、あるいは、遠隔地の監視センタ51などが含まれる。
測長運転処理が正常に終了した場合には(ステップS102のYes)、制御盤40は、演算装置30を通じてマーク検知処理を実行する(ステップS300)。このマーク検知処理では、センサ28から出力される信号(電圧V)と乗りかご20の昇降位置を示すデータ(累積パルス数)を用いて、メインロープ24上に付された各マーク45の位置と、各マーク45の数(マーク検知数)が求められる。詳しくは、後に図12を用いて説明する。
マーク検知数が異常であった場合(ステップS106のNo)、制御盤40は、測定結果(マーク検知位置)を無効として、マーク間隔演算処理を中止する。その際、制御盤40は、前記所定の発報先にマーク検知数の異常を発報する(ステップS109)。
マーク検知数が正常であった場合(ステップS106のYes)、制御盤40は、マーク間隔演算処理を実行する(ステップS400)。このマーク間隔演算処理では、前記ステップS300で検知されたマーク位置を基にマーク間隔が演算される。詳しくは、後に図13および図14を用いて説明する。
前記ステップS400のマーク間隔演算処理において、マーク間隔が正常である旨が設定された場合には(ステップS107のYes)、制御盤40は、マーク間隔の測定結果を有効として、その測定結果からロープ伸びを判断する。その際、制御盤40は、前記所定の発報先に正常に測定できた旨を発報する(ステップS108)。一方、マーク間隔に異常がある場合には(ステップS107のNo)、制御盤40は、マーク間隔の測定結果を無効として、前記所定の発報先にマーク間隔の異常を発報する(ステップS109)。
(b)測長運転処理
図11は図10のステップS200で実行される測長運転処理を説明するためのフローチャートである。
制御盤40は、初期設定として、例えば測長開始位置、測長終了位置などを含め、測長運転処理に関わる各種条件を設定しておく(ステップS201)。制御盤40は、乗りかご20を測長開始位置(例えば最下階)まで移動させた後、演算装置30に測長運転の開始を指示する(ステップS202)。
乗りかご20が所定の運転速度で測長開始位置から移動すると、エンコーダ29からパルス信号が出力され、制御盤40を介して演算装置30に与えられる。また、センサ28からメインロープ24の表面反射に応じた電圧信号が出力される。この電圧信号は、図示せぬA/D変換器を介してデジタルデータとして演算装置30に与えられる。
ここで、測長運転中に、演算装置30によって乗りかご20の昇降位置に相当するエンコーダ29の積算パルス数が演算され、センサ28の出力電圧V(デジタルデータ)と共にメモリ30aに一定の周期毎に記憶される(ステップS203)。乗りかご20が測長終了位置(例えば最上階)に到着してなければ(ステップS204のNo)、制御盤40は、所定の待機処理を行う(ステップS205)。
乗りかご20が測長終了位置に到着し、測長運転処理が正常に終了すると(ステップS206のYes)、制御盤40は、正常終了設定を行った後(ステップS207)、測長運転処理を終える。一方、何らかの原因で測長運転処理に正常に終了しなかった場合には(ステップS206のNo)、制御盤40は、異常終了設定を行った後(ステップS208)、測長運転処理を終える。
図10で説明したように、測長運転処理が正常に終了しなかった場合には、予め定めた制限内で測長運転処理が再実行される。測長運転処理が正常に終了した場合には、後述するマーク検知処理が実行される。
(c)マーク検知処理
図12は図10のステップS300で実行されるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。
制御盤40は、初期設定として、例えば昇降範囲に対するマーク検知数の期待範囲など、マーク検知処理に関わる各種条件を設定しておく(ステップS301)。マーク検知処理は、制御盤40の制御の下で演算装置30を通じて実行される。
演算装置30は、メモリ30aに一定周期で記憶されたセンサ28の出力電圧Vを予め設定された閾値電圧Vsと比較することで、メインロープ24上に付されたマーク45の位置を検知する。詳しくは、演算装置30は、出力電圧Vが閾値電圧Vsを超えたときの電圧信号の立上り時刻あるいは配列指標を求め、その立上り時刻あるいは配列指標に対応したエンコーダ29の積算パルス数をメモリ30aから抽出する。そして、演算装置30は、その積算パルス数にパルスレートを乗じて得られる昇降位置をマーク45の位置として求め、メモリ30aに記憶する(ステップS302)。
また、演算装置30は、マーク45の位置を検知する毎にマーク検知数を更新して、メモリ30aに記憶する(ステップS303)。検知対象とするデータが終了するまで(ステップS304のNo)、演算装置30は、上述したマーク位置の演算とマーク検知数の更新を繰り返す。
データ終了後、制御盤40は、演算装置30からマーク検知数を取得し、そのマーク検知数が予め定めた期待範囲内にあるか否かを判定する(ステップS305)。メインロープ24上の各マーク45を検知できていれば、マーク検知数は期待範囲内にある。しかし、例えば経年劣化などで各マーク45の一部を検知できなかった場合、あるいは、ノイズの影響で誤検知が生じている場合には、マーク検知数は期待範囲外になる。
マーク検知数が期待範囲内であれば(ステップS305のYes)、制御盤40は、マーク検知数が正常であることを設定した後(ステップS306)、マーク検知処理を終了する。一方、マーク検知数が期待範囲よりも少なかった場合には(ステップS307のYes)、制御盤40は、マーク検知数小の異常を設定した後(ステップS308)、マーク検知処理を終了する。また、マーク検知数が期待範囲よりも多かった場合には(ステップS307のNo)、制御盤40は、マーク検知数大の異常を設定した後(ステップS309)、マーク検知処理を終える。
なお、図12では、データ終了後にマーク検知数の判定を行うシーケンスとしたが、例えばマーク検知数を更新したときに、少なくともマーク検知数がマーク検知の期待範囲よりも多いか否かを判定し、マーク検知数がマーク検知の期待範囲より多ければ、異常設定してからマーク検知処理を終了することでも良い。これにより、マーク位置を記憶するメモリ30aの容量と不必要な処理時間を抑制することができる。また、このマーク検知処理は、メインロープ24を構成する各ロープに用いられるセンサ28毎に行うことが望ましい。
このように、マーク検知数の判定を行うことで、少なくともマーク検知数が期待範囲内であったメインロープ24に関しては、後述するマーク間隔演算処理を行うことが可能となる。一方、マーク検知数が期待範囲外であったメインロープ24に関しては、マーク45の反射率の低下や、昇降路内の粉塵、路内コンクリート紛の付着などが考えられる。したがって、異常発報を行うことで、メインロープ24の詳細点検や清掃指示などの対応を取ることができる。
(d)マーク間隔演算処理
図13および図14は、図10のステップS400で実行されるマーク間隔演算処理を説明するためのフローチャートである。
制御盤40は、初期設定として、例えばマーク間隔の基準値や許容範囲などを設定するとともに、マーク間隔に関する各種カウンタMC1~MC4を初期化しておく(ステップS401)。
マーク間隔演算処理は、制御盤40の制御の下で演算装置30を通じて実行される。演算装置30は、前記マーク検知処理で求めた各マーク45の位置に基づいてマーク間隔を演算する(ステップS402)。制御盤40は、この演算装置30で演算されたマーク間隔のデータを読み込み、以下のような判定処理を行う。
すなわち、まず、制御盤40は、演算装置30から読み込んだマーク間隔が基準値に対して予め定められた正常範囲内にあるか否かを判定する(ステップS403)。マーク間隔が正常範囲内にあれば(ステップS403のYes)、制御盤40は、当該マーク間隔を有効と判定して、マーク間隔正常カウンタMC1の値を更新する(ステップS404)。
例えばセンサ28の出力電圧Vに閾値電圧Vs以上のノイズが含まれていると、そのノイズの影響でマーク45の位置が誤検知され、マーク間隔が正常範囲よりも短くなることがある。したがって、演算装置30から読み込んだマーク間隔が正常範囲よりも短い場合には(ステップS405のYes)、制御盤40は、当該マーク間隔を無効とし、マーク間隔小カウンタMC2の値を更新する(ステップS406)。
また、各マーク45の一部が検知できない状態つまりマーク欠損が生じている場合に、マーク間隔が正常範囲よりも長くなる。一般的には、マーク欠損があった場合にはマーク間隔の測定処理が中止されていたが、本実施形態では、マーク欠損時のリカバリー用に新たに許容範囲Ltempを定めておくことで、マーク間隔の測定処理の継続を実現する。後述するように、この許容範囲Ltempは、マーク欠損が基準値の整数倍で発生することに着目して設定されている。
演算装置30から読み込んだマーク間隔が許容範囲Ltemp内であれば(ステップS407のYes)、制御盤40は、当該マーク間隔を有効と判定して、マーク欠損カウンタMC3の値を更新する(ステップS408)。一方、演算装置30から読み込んだマーク間隔が許容範囲Ltemp外であったならば(ステップS407のNo)、制御盤40は、当該マーク間隔を無効と判定し、マーク間隔大カウンタMC4の値を更新する(ステップS409)。
ここで、許容範囲Ltempについて詳しく説明する。
前記式(2a)~(2c)により、マーク位置を基にマーク間隔が求められる。このマーク間隔は、表示装置31に表示されるとともに、図7に示したような配列で演算装置30内のメモリ30aに順次記憶される。制御盤40は、このマーク間隔が以下のように定められる許容範囲Ltemp内にあるか否かを判定する。
・許容範囲Ltemp
マーク間隔の基準値をLbとする。この基準値Lbに対する縮み側マーク間隔の許容値をΔm、伸び側マーク間隔の許容値をΔpとすると、許容範囲Ltempは、下記の式(3)で表せる。
M×(Lb-Δm)<Ltemp<M×(Lb+Δp) …(3)
但し、1≦M≦Mmaxであり、Mは正の整数、Mmaxは予め定めた最大値。
つまり、許容範囲Ltempは、マーク間隔の基準値Lb(例えば500mm)のM倍で規定される。許容範囲Ltempの下限値は、基準値Lbに第1の許容値Δmを減算した値をM倍した値である。許容範囲Ltempの上限値は、基準値Lbに第2の許容値Δpを加算した値をM倍した値である。
許容値Δm,Δpは、測定誤差の範囲で任意に設定され、同じ値でも良いし、異なる値であっても良い。Mの最低値は1であり、Mの最大値(Mmax)は5~10である。最大値Mmaxは、ロープ移動距離と階床間隔との関係からマーク欠損時のマーク間隔が1階床分以内に収まるように定められる。
例えば、昇降行程100mの建物に設けられるメインロープ24の場合、図1のような2:1ロービング形式であれば、メインロープ24の移動距離は200mである。また、メインロープ24が適用される建物の階床間隔は、一般的に4m程度である。メインロープ24の移動距離200mを考慮した場合に、1階床分の4m程度のマーク欠損であれば、マーク欠損以外で連続して検知可能なマーク45の位置を用いてマーク間隔の測定処理を継続しても、特に支障はないと考えられる。
なお、メインロープ24の強度管理を行う上で、図5のロープの伸び率がλになった時点を交換時期とすることで、安全性が得られる。したがって、伸び側マーク間隔の許容値Δpは、下記の式(4)で求めることが望ましい。また、伸び側マーク間隔の許容値Δpを縮み側マーク間隔の許容値Δmとともに、初期設定(ステップ401)で、Mmax個のデータテーブルとして予め求めておくことでも良い。
M×Lb×λ … (4)
また、一般的には、交換時期に到達する前に、交換作業の作業員割当や、ロープ調達期間などを考慮した作業日程調整が必要なため、これらを考慮して、伸び率λより小さい係数を要観察用の係数αとして定めておき、λ及びαでロープ伸びを管理しても良い。
メインロープ24が伸びていなければ、演算装置30で算出されたマーク間の距離は据付け時にメインロープ24に付されたマーク間隔(例えば500mm)と同じである。経年劣化によりメインロープ24が伸びると、演算装置30で算出されたマーク間の距離は据付け時のマーク間隔(例えば500mm)よりも長くなる。
ここで、エレベータ据付け時には、メインロープ24の長手方向にマーク45が等間隔で配列されている。したがって、メインロープ24の劣化による伸びがない場合には、前記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値と略同じになる。一方、メインロープ24の劣化により伸びている場合には、前記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値を超えることになる(図4参照)。
マーク間隔の判定処理後、判定対象となるマーク位置のデータが残っている場合には(ステップS410のNo)、マーク間隔の演算から判定までの処理が繰り返される(ステップS402~ステップS409)。すべてのデータに対する処理が終了すると(ステップS410のYes)は、制御盤40は、マーク間隔小カウンタMC2の値とマーク間隔大カウンタM4の値をチェックする(ステップS411)。カウンタMC2,M4がともに初期値のままであったならば(ステップS411のYes)、制御盤40は、マーク間隔の測定結果が正常である旨を設定した後(ステップS412)、マーク間隔演算処理を終了する。
一方、カウンタMC2,MC4がともに初期値でなければ(ステップS411のNo)、制御盤40は、マーク間隔の測定結果に異常がある旨を設定した後(ステップS413)、マーク間隔演算処理を終了する。
マーク間隔演算処理が終了すると、演算装置30は、メモリ30aに測定結果として記憶された各マーク間隔の距離に基づいてメインロープ24の伸び量を算出し、その結果を表示装置31に表示する。その際、前記許容範囲Ltemp内でマーク欠損が生じている場合には、マーク欠損部分を除いた各マーク間隔の距離に基づいて伸び量を算出すれば、伸び量の測定精度を上げることができる。マーク欠損部分(図8の例ではL22,図9の例ではL23)は、マーク欠損カウンタMC3が更新されるタイミングから判断できる。
なお、演算装置30で伸び量を算出せずに、マーク間隔だけを表示装置31に表示することでも良い。この場合、マーク間隔の測定結果に応じて、図10のステップS108では正常発報がなされ、図10のステップS109では異常発報がなされる。異常発報時には、どの箇所のマーク間隔に異常が発生しているのかを具体的に知らせるようにしても良い。マーク間隔の異常箇所は、マーク間隔小カウンタMC2が更新されるタイミングと、マーク間隔大カウンタMC4が更新されるタイミングから判断できる。
また、例えばマーク間隔が基準値を超えていた場合に、例えば表示装置31に警告メッセージを表示したり、アラーム音を発するなどして、保守員にロープ交換時期が近付いている旨を知らせるようにしても良い。制御盤40から保守員が持つ端末装置52に警告メッセージを送ることでも良い。これにより、保守員による点検作業を削減でき、ロープ交換が必要な時期を把握して対処することができる。
また、マーク間隔の測定結果を遠隔地の監視センタ51に定期的に送るようにすれば、監視センタ51側では各物件のメインロープ24の劣化状態を一元管理できるようになり、ロープ交換時期が近い物件を保守員に知らせることができる。
なお、前記実施形態では、マーク間隔の基準値をLbとし、2個のマーク間隔を基本として、マーク欠損補償とマーク間隔を演算する構成としたが、予め定めた2個以上のマーク間隔を基本とし、移動平均を求めてマーク欠損補償とマーク間隔を演算する構成としても良い。これにより、測定誤差を抑制して、マーク間隔の測定精度向上が見込める。
また、前記実施形態では、測長運転処理(ステップS200)の後に、マーク検知処理(ステップS300)及びマーク間隔演算処理(ステップS400)を行う構成としたが、予め定めた昇降範囲に対するメモリ30aに記憶されたデータブロック単位で一連の処理を分割して行っても良い。これにより、演算装置30に実装するメモリ30aの容量を抑制できる。
また、マーク検知処理に関し、例えば比較素子を用いてセンサ28の出力電圧Vとマーク検知の閾値電圧Vsとを比較し、その比較素子の出力の立上りをトリガにして、エンコーダ29の積算パルス数をメモリ30aに記憶し、その積算パルス数から昇降位置をマーク位置として求める構成としても良い。これにより、センサ28の出力電圧Vとエンコーダ29からの積算パルスを一定周期毎に記憶する必要がなくなり、演算装置30の負荷が軽減されて高速処理可能になるとともに、メモリ30aの容量をさらに抑制できる。
このように第1の実施形態によれば、ロープの経年劣化などでマーク欠損が発生した場合であっても、予め定めた許容範囲内でマーク間隔の測定を継続でき、高精度な測定結果を得ることができる。また、ロープの周囲に複数のセンサ28を配置しなくても、マーク欠損に対応でき、コスト増加を抑制できる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
前記第1の実施形態では、マーク検知処理で得られたマーク検知数が予め定めた期待範囲外であった場合に異常として判断して処理を終えていた(図12のステップS308,S309参照)。これに対し、第2の実施形態では、マーク検知数が予め定めた期待範囲外であった場合に閾値電圧Vsを微調整して、マーク検知処理を再実行する構成としたものである。
図15および図16は第2の実施形態における閾値電圧調整方法を説明するための図であり、図15はマーク検知数が少ない場合の閾値電圧調整方法、図16はマーク検知数が多い場合の閾値電圧調整方法を示している。
マーク検知数が期待範囲より少ない場合には、図15に示すように、マーク検知の閾値電圧Vsを所定の電圧値分だけ減少させて、新たな閾値電圧Vs1に調整する。また、マーク検知数が期待範囲より多い場合には、マーク検知の閾値電圧Vsを所定の電圧値分だけ増加させて、新たな閾値電圧Vs1に調整する。
図17および図18は第2の実施形態におけるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。このマーク検知処理(ステップS500)は、図10のステップS300に代えて実行される。なお、メインルーチン(図10)、測長運転処理(図11)、マーク間隔演算処理(図13)に関しては、前記第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
制御盤40は、初期設定として、例えば昇降範囲に対するマーク検知数の期待範囲の他、閾値電圧Vsの調整範囲や閾値電圧変更カウンタVCなど、マーク検知処理に関わる各種条件を設定しておく(ステップS501)。マーク検知処理は、制御盤40の制御の下で演算装置30を通じて実行される。
ここで、第2の実施形態におけるマーク検知処理において、図17のステップS502~S506までの処理は、図12のステップS302~S306までの処理と同様である。すなわち、演算装置30は、メモリ30aに一定周期で記憶されたセンサ28の出力電圧Vを閾値電圧Vsと比較することで、メインロープ24上に付されたマーク45の位置を検知して、メモリ30aに記憶する(ステップS502)。また、演算装置30は、マーク45の位置を検知する毎にマーク検知数を更新する(ステップS503)。検知対象とするデータが終了するまで、演算装置30は、上述したマーク位置の演算とマーク検知数の更新を繰り返す(ステップS504)。
データ終了後、制御盤40は、演算装置30からマーク検知数を取得し、そのマーク検知数が予め定めた期待範囲内にあるか否かを判定する(ステップS505)。その結果、マーク検知数が期待範囲内であれば(ステップS505のYes)、制御盤40は、マーク検知数が適正であることを示す正常状態情報を設定する。
ここで、第2の実施形態では、マーク検知数が期待範囲外であったとき、制御盤40は、演算装置30に現在設定されているマーク検知の閾値電圧Vsを微調整する(ステップS507)。「閾値電圧Vsの微調整」とは、閾値電圧Vsを一定の電圧単位で段階的に増減する調整のことを言う。
詳しくは、マーク検知数が期待範囲より少ない場合(検知数小の場合)、制御盤40は、閾値電圧Vsを所定の電圧値分だけ減少させて、新たな閾値電圧Vs1に調整する(図15参照)。また、マーク検知数が期待範囲より多い場合(検知数大の場合)、制御盤40は、閾値電圧Vsを所定の電圧値分だけ増加させて、新たな閾値電圧Vs1に調整する(図16参照)。
このようにして、閾値電圧Vsを新たな閾値電圧Vs1に微調整したとき、制御盤40は、その閾値電圧Vs1が予め定めた調整範囲内にあるか否かを判定する(ステップS508)。閾値電圧Vs1が調整範囲外であった場合(ステップS508のNo)、制御盤40は、閾値電圧の調整処理に関する異常を設定した後(ステップS509)、マーク検知処理を終了する。
一方、閾値電圧Vs1が調整範囲内であった場合には(ステップS508のYes)、制御盤40は、マーク検知数を初期値に戻した後(ステップS510)、閾値電圧変更カウンタVCを更新するとともに(ステップS511)、新たな閾値電圧Vs1を演算装置30に設定する(ステップS512)。
このとき、制御盤40は、閾値電圧変更カウンタVCの値が予め定めた制限範囲内であるか否かを判定する(ステップS513)。閾値電圧変更カウンタVCの値が制限範囲内であれば(ステップS513のYes)、制御盤40は、演算装置30に新たな閾値電圧Vs1を用いたマーク検知処理を実行させる(ステップS502)。一方、閾値電圧変更カウンタVCの値が制限範囲外ならば(ステップS513のNo)、制御盤40は、マーク検知数の異常を設定した後(ステップS514)、マーク検知処理を終了する。
このように第2の実施形態によれば、マーク検知処理時に、マーク検知数が予め定めたマーク検知数範囲を外れた場合に閾値電圧Vsが微調整される。これにより、センサ28の個体差による検知精度を調整でき、乗りかご20を再運転しなくても、メモリ30aに既記憶済みの積算パルス数と出力電圧Vを用いてマーク検知処理を再実行できる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、前記第2の実施形態で説明した閾値電圧Vsの微調整の前に、閾値電圧Vsを概調整しておく構成としたものである。「閾値電圧Vsの概調整」とは、閾値電圧Vsを段階的に微調整するのではなく、ある程度定めた値に調整することを言う。
図19および図20は第3の実施形態におけるマーク検知処理を説明するためのフローチャートである。このマーク検知処理(ステップS500)は、図10のステップS300に代えて実行される。なお、メインルーチン(図10)、測長運転処理(図11)、マーク間隔演算処理(図13)に関しては、前記第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。また、前記第2の実施形態と重複する処理に関しては、同じステップ番号を付して、その説明を省略するものとする。
制御盤40は、初期設定として、例えば昇降範囲に対するマーク検知数の期待範囲の他、閾値電圧Vsの調整範囲や閾値電圧変更カウンタVCなど、マーク検知処理に関わる各種条件を設定しておく(ステップS501)。
ここで、第3の実施形態におけるマーク検知処理では、まず、図20に示すように閾値電圧調整処理が実行される(ステップS600)。
すなわち、制御盤40は、メモリ30aに一定周期毎に記憶されている出力電圧Vの平均値Vaを演算する(ステップS601)。制御盤40は、出力電圧Vの平均値Vaが予め定めた電圧変化の許容範囲内であるか否かを判定する(ステップS602)。出力電圧Vの平均値Vaが電圧変化の許容範囲内であれば(ステップS602のYes)、制御盤40は、閾値電圧(初期設定時の閾値電圧Vs)が正常である旨を設定して(ステップS606)、閾値電圧調整処理を終了する。
一方、出力電圧Vの平均値Vaが電圧変化の許容範囲外であれば(ステップS602のNo)、制御盤40は、以下のようにして閾値電圧Vsを概調整する(ステップS603)。
・閾値電圧Vsの概調整
出力電圧Vの平均値Vaには、メインロープ24上のマーク45の長さ分の電圧が含まれる。理想的には、出力電圧Vの平均値Vaは、マーク45の長さ分の電圧を除いた範囲で演算することが望ましい。しかし、マーク間隔に対し、マーキングされるマーク45の長さは微小であり、図3に示したマーク45と外周面44aとのセンサ28の出力電圧Vの比を考慮しても、マーク45の長さ分の電圧については略無視することができる。
ここで、図15に示した出力電圧Vに含まれるピーク電圧(マーク45の部分に対応した電圧)をVp、ピーク電圧Vpの平均値Vpa、閾値電圧の調整係数をkとした場合に、新たな閾値電圧Vs1は下記の式(5)で求められる。
Vs1=Va+k×(Vpa-Va)/2 …(5)
なお、ピーク電圧Vpの算出が困難な場合には、式(6)に示すように、出力電圧Vの平均値Vpaに調整係数kを乗じて新たな閾値電圧Vs1を求めても良い。
Vs1=k×Vpa …(6)
また、ここではピーク電圧Vpの平均値Vpaあるいは出力電圧Vの平均値Vaを使用して閾値電圧Vs1を演算したが、ピーク電圧Vpと出力電圧Vの分散値を考慮して、例えばピーク電圧Vpの中央値あるいは出力電圧Vの中央値を使用して閾値電圧Vs1を演算することでも良い。
このような概調整によって新たな閾値電圧Vs1が求められると、制御盤40は、その閾値電圧Vs1が予め定めた閾値電圧変更範囲内であるか否かを判定する(ステップS604)。閾値電圧Vs1が電圧変更範囲内であれば(ステップS604のYes)、制御盤40は、閾値電圧Vsを閾値電圧Vs1に更新し(ステップS605)、閾値電圧(更新後の閾値電圧Vs1)が正常である旨を設定して(ステップS606)、閾値電圧調整処理を終了する。
一方、閾値電圧Vs1が電圧変更範外であれば(ステップS604のNo)、制御盤40は、閾値電圧(更新後の閾値電圧Vs1)が異常である旨を設定して(ステップS607)、閾値電圧調整処理を終了する。
図19に戻って、閾値電圧が正常に設定されていれば(ステップS601のNo)、ステップS502~S507の処理が実行される。ステップS502~S507の処理については、前記第2の実施形態で説明済みのため、ここでは省略する。
このように第3の実施形態によれば、出力電圧Vの平均値や中央値などを用いて、マーカ検知に必要な閾値電圧Vsを事前に調整しておくことで、昇降範囲に対するマーク検知数の過大や過小が発生したときの閾値電圧の微調整回数を抑制することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、マーク欠損が発生した場合でも、マーク間隔の測定を継続可能とし、その測定結果からローブ伸びを判断して信頼性の高い強度管理を行うことのできるエレベータのロープ検査システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…昇降路、11,12…ガイドレール、20…乗りかご、21…カウンタウェイト、22…トラクションシーブ、23…巻上機、24…メインロープ、25a,25b…ロープヒッチ、26…カーシーブ、27…カウンタウェイトシーブ、28…センサ、29…エンコーダ、30…演算装置、30a…メモリ、31…表示装置、32…着床検出部材、33…非接触スイッチ、40…制御盤、50…通信ネットワーク、51…監視センタ、52…端末装置。

Claims (10)

  1. 巻上機のトラクションシーブを介して乗りかごとカウンタウェイトを吊持し、表面が樹脂被覆された構造を有するロープを備え、前記ロープの表面上に一定の間隔で設けられた複数のマークの間隔を測定するエレベータのロープ検査システムにおいて、
    前記ロープの近傍に設けられたセンサと、
    前記ロープの移動に伴い、前記センサから出力される信号と前記乗りかごの昇降位置を示すデータとに基づいて、前記各マークの位置を検知するマーク検知手段と、
    前記マーク検知手段によって検知された前記各マークの位置に基づいてマーク間隔を演算するマーク間隔演算手段と、
    前記ロープに対するマーク間隔の基準値を有し、前記マーク間隔演算手段によって測定結果として得られたマーク間隔が前記基準値の整数倍で規定される許容範囲内にある場合に当該測定結果を有効とし、当該測定結果からロープ伸びを判断する制御手段と
    を具備したことを特徴とするエレベータのロープ検査システム。
  2. 前記許容範囲の下限値は、前記基準値に第1の許容値を減算した値を前記整数倍した値であり、
    前記許容範囲の上限値は、前記基準値に第2の許容値を加算した値を前記整数倍した値であることを特徴とする請求項1記載のエレベータのロープ検査システム。
  3. 前記整数倍の最低値は、1であり、
    前記整数倍の最大値は、前記ロープの移動距離と階床間隔との関係からマーク欠損時のマーク間隔が1階床分以内に収まるように定められることを特徴とする請求項1記載のエレベータのロープ検査システム。
  4. 前記制御手段は、
    前記マーク間隔が前記許容範囲外であった場合に異常発報を行うことを特徴とする請求項1記載のエレベータのロープ検査システム。
  5. 前記マーク検知手段によって検知された前記各マークの数をカウントするカウント手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記ロープの移動距離と前記基準値との関係から求められるマーク検知の期待数を有し、前記カウント手段によって得られた前記各マークの数が前記期待数に尤度を持たせた期待範囲内にある場合に、前記マーク間隔演算手段によるマーク間隔の演算処理を実行することを特徴とする請求項1記載のエレベータのロープ検査システム。
  6. 前記制御手段は、
    前記各マークの数が前記期待範囲外であった場合に異常発報を行うことを特徴とする請求項5記載のエレベータのロープ検査システム。
  7. 前記制御手段は、
    前記各マークの数が前記期待範囲外であった場合に、前記センサの信号レベルに対する閾値を予め定めた許容範囲内で微調整することを特徴とする請求項6記載のエレベータのロープ検査システム。
  8. 前記制御手段は、
    前記閾値を微調整する前に、前記センサの信号レベルの平均値あるいは中央値に基づいて前記閾値を概調整することを特徴とする請求項7記載のエレベータのロープ検査システム。
  9. 前記制御手段は、
    前記閾値を微調整する前に、前記センサの信号レベルに含まれるピーク値の平均値あるいは中央値に基づいて前記閾値を概調整することを特徴とする請求項7記載のエレベータのロープ検査システム。
  10. 少なくとも、前記センサから出力される信号と前記乗りかごの昇降位置を示すデータを一定周期毎に記憶する記憶手段を具備したことを特徴とする請求項1記載のエレベータのロープ検査システム。
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