JP7046514B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転がり軸受の内部を密封する密封装置に関する。
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外輪に固定される環状体と、環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップと、環状体から側方に延びる2つのサイドリップとを備える。ラジアルリップは、軸受の内輪の外周面または内輪に固定される部品の外周面に接触して、軸受内部の潤滑剤を密封する機能を有し、2つのサイドリップは、内輪のフランジに接触して、外部から水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
特許3991200号公報
製造工程、搬送工程または設置工程において、多数の密封装置を積み重ねた場合、安定性が高いことが望ましい。
そこで、本発明は、安定して積み重ねることが可能な密封装置を提供する。
本発明のある態様に係る密封装置は、転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、中心軸線を有する内周面を有しており、前記内周面に前記転がり軸受の前記外側部材の円筒状の端部が嵌め入れられ、前記端部の外周面に接触する筒状部と、前記筒状部から半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部と、前記環状壁部の半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部よりも半径方向内側に配置された内側環状部と、前記内側環状部から前記転がり軸受の前記内側部材に向けて延びる少なくとも1つのリップと、前記筒状部よりも半径方向外側に配置され、前記筒状部とは反対方向に延びており、前記転がり軸受の前記内側部材のうち前記外側部材よりも半径方向外側に張り出したフランジに向けて延びる補助リップとを備え、前記筒状部は、前記環状壁部に連なった基端面と、前記環状壁部の反対側にある先端面とを有しており、前記基端面と前記先端面は、前記中心軸線に直交し、互いに平行であって、前記内側環状部は、前記中心軸線に平行な方向において前記筒状部の前記先端面から突出しない。
この態様においては、密封装置の筒状部が互いに平行な基端面と先端面とを有する。したがって、密封装置の筒状部の先端面を同タイプの他の密封装置の筒状部の基端面に載せるようにして、多数の密封装置を安定して積み重ねることが可能である。上記の態様においては、密封装置の筒状部に転がり軸受の外側部材の円筒状の端部が嵌め入れられるようになっている。このため、密封装置の筒状部は、ある程度大きな寸法を有するように形成することが可能であり、このことは密封装置の安定的な積み重ねに寄与する。また、筒状部とリップとの間に介在する内側環状部は、転がり軸受の軸線に平行な方向において筒状部の先端面から外に突出しない。したがって、複数の密封装置を積み重ねたときに、内側環状部が他の密封装置に接触することがなく、密封装置を積み重ねたときの安定性を向上させることができる。また、外部から到来する水(泥水または塩水を含む)およびダスト等の異物を、補助リップが跳ね返すことができる。
好ましくは、密封装置は、弾性体で形成された弾性環と、前記弾性環を補強する剛体で形成された補強環とを有しており、前記筒状部は前記補強環で形成された同心の2つの円筒を有しており、前記2つの円筒は半径方向に重なっている。この場合には、筒状部が補強環で形成された同心の半径方向に重なる2つの円筒を有するので、筒状部の幅を大きく確保することができる。このため、筒状部に広い面積の先端面を設けることが可能であり、積み重ねられた密封装置の安定性をさらに高めることができる。
好ましくは、前記環状壁部は、前記外側部材の前記端部とは反対側にある外面を有しており、前記外面には、前記筒状部の前記基端面よりも突出する凸部が形成されている。この場合には、他の密封装置の先端面が載せられる基端面の半径方向の内側に、基端面よりも突出する凸部が設けられているため、積み重ねられた密封装置の半径方向の移動(すなわち水平方向の移動)が抑制される。したがって、積み重ねられた密封装置の安定性をさらに高めることができる。
前記補助リップと前記筒状部の前記基端面の交わる部分の直径が、前記筒状部の前記先端面の外径以上であり、前記直径と前記外径の相違が1.5mm未満であってよい。この場合には、密封装置の筒状部の先端面を、同タイプの他の密封装置の補助リップの内側にある基端面に接触させることができ、積み重ねられた密封装置の安定性をさらに高めることができる。
本発明の複数の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る密封装置の使用時の部分断面図である。 第1実施形態に係る密封装置の非使用時の断面図である。 第1実施形態に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。 比較例に係る密封装置の使用時の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る複数の実施の形態を説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、自動車以外の機械に使用される転がり軸受にも本発明は適用可能である。
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された複数の玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された複数の玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
外輪8が固定されている一方で、ハブ4および内輪6は、スピンドルの回転に伴って回転する。
スピンドルおよびハブ軸受1の共通の中心軸線Axは、図1の上下方向に延びている。図1においては、中心軸線Axに対する左側部分のみが示されている。詳細には図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。図1に示した外側、内側は、それぞれ半径方向の外側、内側を意味する。
ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は、外輪8よりも半径方向外側に張り出したアウトボード側フランジ18を有する。アウトボード側フランジ18には、ハブボルト19によって、車輪を取り付けることができる。
外輪8のアウトボード側の端部の付近には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置21が配置されている。これらの密封装置20,22の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物(水(泥水または塩水を含む)およびダストを含む)の流入が防止される。図1において、矢印Fは、外部からの異物の流れの方向の例を示す。
密封装置20は、ハブ軸受1の回転するハブ4と固定された外輪8との間に配置され。ハブ4と外輪8との間の間隙を封止する。図2に示すように、密封装置20の一部は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aと、ハブ軸受1のハブ4の玉10の近傍の外周面4Aと、ハブ4の外周面4Aよりも外側に広がるフランジ面4Bと、外周面4Aとフランジ面4Bとを連結する円弧面4Cとで囲まれた空間内に配置される。フランジ面4Bはアウトボード側フランジ18のインボード側の表面である。密封装置20は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。
密封装置20は、弾性体、例えばエラストマーで形成された弾性環22と、弾性環22を補強する剛体、例えば金属製の単一の補強環24とを有する。補強環24は、その一部が弾性環22に埋設されており、弾性環22に密着している。
密封装置20は、筒状部26と、外縁部27と、環状壁部28と、内側環状部30と、ラジアルリップ32と、2つのサイドリップ34,36と、補助リップ37とを有する。
筒状部26は、中心軸線Ax(図1および図3参照)を中心とする円筒状の部分であり、その内周面には、外輪8の円筒状の端部8Aが嵌め入れられる。筒状部26は端部8Aに固定される。固定の方式は、限定されないが、例えば締まり嵌めであってよい。すなわち、筒状部26には端部8Aが圧入されてもよい。
筒状部26は、弾性環22と補強環24から構成されており、補強環24で形成された同心の2つの円筒24A,24Bを有する。これらの円筒24A,24Bは半径方向に重なっており、それらの端部は補強環24の一部である連結部24Cで接続されている。小径の円筒24Bが筒状部26の内周面を有しており、端部8Aの外周面に締まり嵌め状態で接触する。また、筒状部26を構成する弾性環22は、補強環24の連結部24Cの周囲に厚肉部22Aを有する。厚肉部22Aは、円筒24Bの内径よりも小さい内径を有しており、筒状部26の内周面を構成し、外輪8の端部8Aの外周面に締まり嵌め状態で接触する。
外縁部27は、筒状部26から半径方向外側に向けて延びており、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交する。外縁部27も弾性環22と補強環24から構成されている。
環状壁部28は、筒状部26から半径方向内側に向けて延びており、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交する。環状壁部28も弾性環22と補強環24から構成されており、補強環24に相当する部分が外輪8の端部8Aの端面に対向させられ、その端面に接触する。
内側環状部30は、環状壁部28の半径方向内側に延びており、外輪8の端部8Aよりも半径方向内側に配置される。この実施形態では、内側環状部30は、環状壁部28から半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。内側環状部30も弾性環22と補強環24から構成されている。
ラジアルリップ32およびサイドリップ34,36は、弾性体のみから形成されており、内側環状部30の弾性環22に相当する部分から延びる薄板状の円環であって、それぞれの先端はハブ4に接触する。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、ハブ4は回転するので、リップ32,34,36はハブ4に対して摺動する。
ラジアルリップ32は、内側環状部30の最も内側の縁部から延び、ハブ4の玉10の近傍の外周面4Aに接触する。ラジアルリップ32は、半径方向内側かつインボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
サイドリップ34,36は、内側環状部30の弾性環22に相当する部分から側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。サイドリップ34は、ハブ4のフランジ面4Bに接触し、サイドリップ36はフランジ面4Bまたは円弧面4Cに接触する。サイドリップ34,36は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。サイドリップ36は、サイドリップ34をすり抜けて流入した異物を阻止するバックアップ機能を有する。サイドリップ36は、ラジアルリップ32とサイドリップ34との間に存在するので、中間リップと呼ぶこともできる。
図3においては、密封装置20をハブ軸受1に配置していない時のラジアルリップ32およびサイドリップ34,36が示されている。この時、ラジアルリップ32およびサイドリップ34,36は、外力を受けておらず、真っ直ぐな状態である。しかし、図2に示すように、密封装置20をハブ軸受1に配置すると、これらのリップはハブ4に接触し反力を受けて変形する。
補助リップ37は、弾性体のみから形成されており、筒状部26よりも半径方向外側に配置され、筒状部26とは反対方向(アウトボード側)に延びている。補助リップ37は、ハブ4のアウトボード側フランジ18に形成された凹部4Dに向けて延びる。凹部4Dは、フランジ面4Bよりも凹んだ部分である。補助リップ37は、外部から到来する異物を跳ね返し、サイドリップ34に到達する異物を最小限にすることができる。
この実施形態では、補助リップ37はアウトボード側フランジ18の凹部4Dには接触せず、補助リップ37の先端縁と凹部4Dとの間に環状かつラビリンス状の間隙4Eが設けられている。但し、補助リップ37は凹部4Dに接触し、凹部4Dに対して摺動してもよい。
密封装置20の筒状部26は、環状壁部28に連なった基端面38と、環状壁部28の反対側にある先端面40とを有する。基端面38と先端面40は、ハブ軸受1の中心軸線Axに直交し、互いに平行である。
この実施形態では、環状壁部28のアウトボード側の外面28A(外輪8の端部8Aと反対側の面)には、筒状部26の基端面38よりも突出する凸部29が形成されている。凸部29は、平坦面を有し、この平坦面と筒状部26の基端面38との間に段差が設けられている。
図4は、複数の密封装置20を台Stの上に積み重ねた状態を示す。製造工程、搬送工程または設置工程において、多数の密封装置20を積み重ねた場合、安定性が高いことが望ましい。この実施形態においては、密封装置20の筒状部26が、ハブ軸受1の中心軸線Ax(すなわち密封装置20の中心軸線)に直交し、互いに平行な基端面38と先端面40とを有する。したがって、密封装置20の筒状部26の先端面40を同タイプの他の密封装置20の筒状部26の基端面38に載せるようにして、多数の密封装置20を安定して積み重ねることが可能である。
この実施形態においては、密封装置20の筒状部26にハブ軸受1の外輪8の円筒状の端部8Aが嵌め入れられるようになっている。このため、密封装置20の筒状部26は、ある程度大きな寸法を有するように形成することが可能である。すなわち、筒状部26の基端面38および先端面40の面積を大きくすることが可能である。このことは密封装置20を積み重ねたときの安定性を向上させる。
図5は、比較例に係る密封装置60の使用時の状態を示す。この密封装置60では、実施形態とは逆に、筒状部66が外輪8の円筒状の端部8Aに嵌め入れられる。したがって、実施形態の筒状部26に比べて、比較例の筒状部66は小さい直径を有する。複数の密封装置60を積み重ねる場合には、筒状部66の下端が他の密封装置60の平坦面68に載せられる。この場合、筒状部66自体の直径が小さく、また密封装置60同士の接触面積も小さくせざるを得ない。比較例の密封装置60に比べて、実施形態の密封装置20は安定して積み重ねることが可能である。
また、図5の比較例では、筒状部66が外輪8の円筒状の端部8Aに嵌め入れられるため、リップ32,34,36がそれぞれの機能を果たすような長さを有するには、ハブ4の外周面4Aと外輪8の距離Lが、ある程度長くなければならない。しかし、この実施形態においては、密封装置20の筒状部26にハブ軸受1の外輪8の円筒状の端部8Aが嵌め入れられる。このため、図2に示すように、ハブ4の外周面4Aと外輪8の距離Lが小さくても、リップ32,34,36がそれぞれの機能を果たすような長さを有するように設計するのが容易である。
この実施形態において、筒状部26とリップ32,34,36との間に介在する内側環状部30は、環状壁部28のアウトボード側の外面28Aと、筒状部26の先端面40との間の空間内に存在し、その空間の外に突出しない。すなわち、内側環状部30は、ハブ軸受1の中心軸線Axに平行な方向において筒状部26の先端面40から外に突出しない。したがって、複数の密封装置20を積み重ねたときに、内側環状部30が他の密封装置に接触することがなく、密封装置20を積み重ねたときの安定性を向上させることができる。これに対して、もし、内側環状部30が先端面40よりも図中の下方に突き出す部分を有する場合には、その部分が当該密封装置20の直下にある他の密封装置20の部分(例えばサイドリップ34または内側環状部30)に接触してしまい、積み重ね時の安定性が阻害されることになるおそれがある。
リップ32,34,36が他の密封装置20に接触しないように、リップ32,34,36の各々の長さ、向きおよび位置は設計されている。要するに、複数の密封装置20を積み重ねたときには、密封装置20の筒状部26の先端面40と、他の密封装置20の筒状部26の基端面38とが接触し、他の部分が接触しないように、考慮されている。
リップ32,34,36の半径方向内側の面32A,34A,36AにはグリースGが塗布されることがある。この場合、面32A,34A,36A上のグリースGが他の密封装置20に接触しないように、グリースGの厚さを考慮して、リップ32,34,36の各々の長さ、向きおよび位置を設計することが好ましい。
この実施形態では、筒状部26が補強環24で形成された半径方向に重なる同心の2つの円筒24A,24Bを有するので、筒状部26の幅Wを大きく確保することができる。このため、筒状部26に広い面積の先端面40を設けることが可能であり、積み重ねられた密封装置20の安定性をさらに高めることができる。
また、この実施形態では、環状壁部28のアウトボード側の外面28A(外輪8の端部8Aと反対側の面)には、筒状部26の基端面38よりも突出する凸部29が形成されている。他の密封装置20の先端面40が載せられる基端面38の半径方向の内側に、基端面38よりも突出する凸部29が設けられているため、積み重ねられた密封装置20の半径方向の移動(すなわち水平方向の移動)が抑制される。したがって、積み重ねられた密封装置20の安定性をさらに高めることができる。多数の密封装置20を積み重ねても、その積み重ねがくずれるおそれが少ない。複数の密封装置20を積み重ねたときに、凸部29が他の密封装置20(特に筒状部26の厚肉部22A)に接触しないように、凸部29の寸法を設計することが好ましい。
また、この実施形態においては、外部から到来する異物(図2において、外部からの異物の流れの方向の例を矢印Fで示す)を、補助リップ37が跳ね返すことができる。したがって、サイドリップ34に到達する異物を最小限にすることができる。
また、この実施形態においては、補助リップ37と筒状部26の基端面38の交わる部分の直径D1が、筒状部26の先端面40の外径D2以上である。したがって、密封装置20の筒状部26の先端面40を、同タイプの他の密封装置20の補助リップ37の内側にある基端面38に接触させることができ、積み重ねられた密封装置20の安定性をさらに高めることができる。
第2実施形態
図6は、本発明の第2実施形態に係る密封装置20の積み重ね時の部分断面図である。図6以降の図面において、第1実施形態と共通する構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
この実施形態では、基端面38は、環状壁部28のアウトボード側の外面28A(外輪8の端部8Aと反対側の面)と面一である。つまり、第1実施形態の凸部29が設けられていない。
補助リップ37と筒状部26の基端面38の交わる部分の直径D1は、筒状部26の先端面40の外径D2以上である。したがって、密封装置20の筒状部26の先端面40を、同タイプの他の密封装置20の補助リップ37の内側にある基端面38に接触させることができ、凸部29が設けられていなくても、ある程度は、積み重ねられた密封装置20の半径方向の移動(すなわち水平方向の移動)が抑制される。
図2に示すように、密封装置20をハブ軸受1に取り付ける場合、ハブ軸受1の外輪8の端部8Aが筒状部26内に嵌め入れられる。この時、環状壁部28が、例えば取り付け治具による外力を受けて、環状壁部28の内面が外輪8の端部8Aの端面に接触させられる。環状壁部28に厚さが大きい凸部29が設けられていると、環状壁部28に外力を与えることが難しくなるおそれがある。しかし、第2実施形態のように、環状壁部28に凸部29が設けられていない場合には、環状壁部28に外力を与えて、密封装置20を外輪8に取り付けるのが容易になる。
第3実施形態
図7は、本発明の第3実施形態に係る密封装置20の積み重ね時の部分断面図である。
この実施形態は、第2実施形態の変形であり、補助リップ37と筒状部26の基端面38の交わる部分の直径D1は、筒状部26の先端面40の外径D2とほぼ等しい。したがって、凸部29が設けられていなくても、積み重ねられた密封装置20の半径方向の移動(すなわち水平方向の移動)がほとんどない。多数の密封装置20を積み重ねても、その積み重ねがくずれるおそれが少ない。この目的のため、好ましくは、直径D1と外径D2の相違は、1.5mm未満である。
但し、この実施形態を変形して、環状壁部28に凸部29を設けてもよい。
他の変形例
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
密封装置20のリップ(補助リップを含む)の形状および数は、上記のものに限定されない。
上記の実施形態では、内側部材であるハブ4が静止部材であり、外側部材である外輪8が回転部材である。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、互いに相対回転する複数の部材の密封に適用されうる。例えば、内側部材が回転し、外側部材が静止してもよいし、これらの部材のすべてが回転してもよい。
1 ハブ軸受(転がり軸受)
Ax 中心軸線
2 孔
4 ハブ(内側部材)
8 外輪(外側部材)
8A 端部
10,12 玉
18 アウトボード側フランジ
20 密封装置
22 弾性環
22A 厚肉部
24 補強環
24A,24B 円筒
24C 連結部
26 筒状部
27 外縁部
28 環状壁部
28A 外面
29 凸部
30 内側環状部
32 ラジアルリップ
34,36 サイドリップ
37 補助リップ
38 基端面
40 先端面

Claims (3)

  1. 転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
    弾性体で形成された弾性環と、前記弾性環を補強する剛体で形成された補強環とを有しており、
    中心軸線を有する内周面を有しており、前記内周面に前記転がり軸受の前記外側部材の円筒状の端部が嵌め入れられ、前記端部の外周面に接触する筒状部と、
    前記筒状部から半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部と、
    前記環状壁部の半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部よりも半径方向内側に配置された内側環状部と、
    前記内側環状部から前記転がり軸受の前記内側部材に向けて延びて、前記内側部材に接触する少なくとも1つのリップと、
    前記筒状部よりも半径方向外側に配置され、前記筒状部とは反対方向に延びており、前記転がり軸受の前記内側部材のうち前記外側部材よりも半径方向外側に張り出したフランジに向けて延びて、前記内側部材に接触しない補助リップとを備え、
    前記筒状部は、前記環状壁部に連なった基端面と、前記環状壁部の反対側にある先端面とを有しており、前記筒状部は、前記補強環で形成された半径方向に重なっている同心の2つの円筒と、前記2つの円筒を連結する前記補強環で形成された連結部分と、前記2つの円筒の間の間隙を埋める前記弾性環で形成された部分と、前記連結部分を覆う前記弾性環で形成された部分を有しており、前記基端面と前記先端面は、前記中心軸線に直交し、互いに平行な平坦面であって、前記基端面は前記2つの円筒の間の間隙を埋める前記弾性環で形成された部分に形成され、前記先端面は前記連結部分を覆う前記弾性環で形成された部分に形成され、
    前記内側環状部は、前記中心軸線に平行な方向において前記筒状部の前記先端面から突出せず、
    同タイプの複数の密封装置を面の上に積み重ねる場合に、最も下方の密封装置の前記筒状部の前記先端面のみが前記面の上に載せられ、より上方の密封装置のうち前記筒状部の前記先端面のみが他の密封装置のうち前記筒状部の前記基端面のみに載せられ、前記補助リップはこの補助リップを有する密封装置の上方に向けられて、この密封装置の真上の密封装置の前記筒状部を包囲して真上の密封装置の半径方向の移動を抑制し、前記リップと前記補助リップが当該リップと当該補助リップを有する密封装置より上方の密封装置に接触しないようになっていることを特徴とする密封装置。
  2. 前記環状壁部は、前記外側部材の前記端部とは反対側にある外面を有しており、前記外面には、前記筒状部の前記基端面よりも突出する凸部が形成されており、
    同タイプの複数の密封装置を面の上に積み重ねる場合に、前記凸部はこの凸部を有する密封装置の上方に向けられて、この密封装置の真上の密封装置の前記筒状部の前記先端面の径方向内側に配置されて、真上の密封装置の半径方向の移動を抑制することを特徴とする請求項1記載の密封装置。
  3. 前記補助リップと前記筒状部の前記基端面の交わる部分の直径が、前記筒状部の前記先端面の外径以上であり、前記直径と前記外径の相違が1.5mm未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
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