JP7015656B2 - 密封装置 - Google Patents

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Description

本発明は、転がり軸受の内部を密封する密封装置に関する。
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外輪に固定される環状体と、環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップと、環状体から側方に延びる2つのサイドリップとを備える。ラジアルリップは、軸受の内輪の外周面または内輪に固定される部品の外周面に接触して、軸受内部の潤滑剤を密封する機能を有し、2つのサイドリップは、内輪のフランジに接触して、外部から水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
特許3991200号公報
製造工程、搬送工程または設置工程において、多数の密封装置を積み重ねた場合、安定性が高いことが望ましい。
そこで、本発明は、安定して積み重ねることが可能な密封装置を提供する。
本発明のある態様に係る密封装置は、転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、中心軸線を有する内周面を有しており、前記内周面に前記転がり軸受の前記外側部材の円筒状の端部が嵌め入れられ、前記端部の外周面に接触する筒状部と、前記筒状部から半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部と、前記環状壁部の半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部よりも半径方向内側に配置された内側環状部と、前記内側環状部から前記転がり軸受の前記内側部材に向けて延びる少なくとも1つのリップとを備え、前記筒状部は、前記環状壁部に連なった基端面と、前記環状壁部の反対側にある先端面とを有しており、前記基端面と前記先端面は、前記中心軸線に直交し、互いに平行であって、前記内側環状部は、前記中心軸線に平行な方向において前記筒状部の前記先端面から突出しない。
この態様においては、密封装置の筒状部が互いに平行な基端面と先端面とを有する。したがって、密封装置の筒状部の先端面を同タイプの他の密封装置の筒状部の基端面に載せるようにして、多数の密封装置を安定して積み重ねることが可能である。上記の態様においては、密封装置の筒状部に転がり軸受の外側部材の円筒状の端部が嵌め入れられるようになっている。このため、密封装置の筒状部は、ある程度大きな寸法を有するように形成することが可能であり、このことは密封装置の安定的な積み重ねに寄与する。また、筒状部とリップとの間に介在する内側環状部は、転がり軸受の軸線に平行な方向において筒状部の先端面から外に突出しない。したがって、複数の密封装置を積み重ねたときに、内側環状部が他の密封装置に接触することがなく、密封装置を積み重ねたときの安定性を向上させることができる。
前記筒状部は、前記基端面の反対側にフランジを有しており、前記フランジに前記先端面が設けられていると好ましい。この場合には、外部から到来する水(泥水または塩水を含む)およびダスト等の異物を、広い面積を有するフランジが跳ね返すことができる。また、フランジを利用して広い面積の先端面を設けることが可能であり、積み重ねられた密封装置の安定性をさらに高めることができる。特に、筒状部の厚さが小さい場合には、フランジは、他の密封装置の基端面に接触する先端面の面積を広く確保することに貢献する。例えば、密封装置が弾性体で形成された弾性環と、弾性環を補強する剛体で形成された補強環とを有しており、筒状部が補強環に相当する円筒を1つだけ有する場合には、筒状部の厚さは小さいが、フランジは他の密封装置の基端面に接触する先端面の面積を広く確保することに貢献する。
フランジを設ける場合には、前記筒状部の外周面は、前記先端面側ほど直径が小さくなるテーパ面を有するとさらに好ましい。この場合には、異物がフランジを乗り越えたとしても、テーパ面を有する筒状部の外周面を乗り越えてリップに到達することが困難である。また、テーパ面に付着した異物は、例えば重力のような外力によって、テーパ面をつたって移動し、テーパ面から離れ、密封装置から離脱しやすい。
この場合には、密封装置は、前記転がり軸受の前記内側部材に固定され、前記リップが摺動するシール部材をさらに備えるのが好ましく、前記シール部材は、前記筒状部の外周面を包囲し、前記フランジを覆っていないことが好ましい。この場合には、シール部材が筒状部の外周面を包囲するため、異物がリップに到達することが困難である。他方、シール部材はフランジを覆っていないため、筒状部の外周面に到達した異物は、例えば重力のような外力によって、シール部材とフランジとの間の間隙を抜けて排出されやすい。
前記基端面の外径は、前記先端面の外径以上であると好ましい。この場合には、密封装置の先端面のすべてまたは大部分を、同タイプの他の密封装置の基端面に接触させることができ、積み重ねられた密封装置の安定性をさらに高めることができる。
本発明の複数の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。 本発明の第1実施形態に係る密封装置の使用時の部分断面図である。 第1実施形態に係る密封装置の非使用時の断面図である。 第1実施形態に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。 第1実施形態の変形例に係る密封装置の使用時の部分断面図である。 第1実施形態の他の変形例に係る密封装置の使用時の部分断面図である。 本発明の第2実施形態に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。 第2実施形態の変形例に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。 第2実施形態の他の変形例に係る密封装置の積み重ね時の部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係る密封装置の使用時の断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る複数の実施の形態を説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、自動車以外の機械に使用される転がり軸受にも本発明は適用可能である。
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された複数の玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された複数の玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
外輪8が固定されている一方で、ハブ4および内輪6は、スピンドルの回転に伴って回転する。
スピンドルおよびハブ軸受1の共通の中心軸線Axは、図1の上下方向に延びている。図1においては、中心軸線Axに対する左側部分のみが示されている。詳細には図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。図1に示した外側、内側は、それぞれ半径方向の外側、内側を意味する。
ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は、外輪8よりも半径方向外側に張り出したアウトボード側フランジ18を有する。アウトボード側フランジ18には、ハブボルト19によって、車輪を取り付けることができる。
外輪8のアウトボード側の端部の付近には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置21が配置されている。これらの密封装置20,21の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物(水(泥水または塩水を含む)およびダストを含む)の流入が防止される。図1において、矢印Fは、外部からの異物の流れの方向の例を示す。
密封装置20は、ハブ軸受1の回転するハブ4と固定された外輪8との間に配置され、ハブ4と外輪8との間の間隙を封止する。図2に示すように、密封装置20の大部分は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aと、ハブ軸受1のハブ4の玉10の近傍の外周面4Aと、ハブ4の外周面4Aよりも外側に広がるフランジ面4Bと、外周面4Aとフランジ面4Bとを連結する円弧面4Cとで囲まれた空間内に配置される。フランジ面4Bはアウトボード側フランジ18のインボード側の表面である。密封装置20は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。
密封装置20は、弾性体、例えばエラストマーで形成された弾性環22と、弾性環22を補強する剛体、例えば金属製の断面がほぼL字形の補強環24とを有する。補強環24は、その一部が弾性環22に埋設されており、弾性環22に密着している。
密封装置20は、筒状部26と、環状壁部28と、内側環状部30と、ラジアルリップ32と、2つのサイドリップ34,36とを有する。
筒状部26は、中心軸線Ax(図1および図3参照)を中心とする円筒状の部分であり、その内周面には、外輪8の円筒状の端部8Aが嵌め入れられる。筒状部26は端部8Aに固定される。固定の方式は、限定されないが、例えば締まり嵌めであってよい。すなわち、筒状部26には端部8Aが圧入されてもよい。筒状部26は、弾性環22と補強環24から構成されており、補強環24に相当する部分が筒状部26の内周面を有しており、端部8Aの外周面に締まり嵌め状態で接触する。
環状壁部28は、筒状部26から半径方向内側に向けて延びており、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交する。環状壁部28も弾性環22と補強環24から構成されており、補強環24に相当する部分が外輪8の端部8Aの端面に対向させられ、その端面に接触する。
内側環状部30は、環状壁部28の半径方向内側に延びており、外輪8の端部8Aよりも半径方向内側に配置される。この実施形態では、内側環状部30は、環状壁部28から半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延びている。内側環状部30も弾性環22と補強環24から構成されている。
ラジアルリップ32およびサイドリップ34,36は、弾性体のみから形成されており、内側環状部30の弾性環22に相当する部分から延びる薄板状の円環であって、それぞれの先端はハブ4に接触する。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、ハブ4は回転するので、リップ32,34,36はハブ4に対して摺動する。
ラジアルリップ32は、内側環状部30の最も内側の縁部から延び、ハブ4の玉10の近傍の外周面4Aに接触する。ラジアルリップ32は、半径方向内側かつインボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
サイドリップ34,36は、内側環状部30の弾性環22に相当する部分から側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。サイドリップ34は、ハブ4のフランジ面4Bに接触し、サイドリップ36はフランジ面4Bまたは円弧面4Cに接触する。サイドリップ34,36は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。サイドリップ36は、サイドリップ34をすり抜けて流入した異物を阻止するバックアップ機能を有する。サイドリップ36は、ラジアルリップ32とサイドリップ34との間に存在するので、中間リップと呼ぶこともできる。
図3においては、密封装置20をハブ軸受1に配置していない時のラジアルリップ32およびサイドリップ34,36が示されている。この時、ラジアルリップ32およびサイドリップ34,36は、外力を受けておらず、真っ直ぐな状態である。しかし、図2に示すように、密封装置20をハブ軸受1に配置すると、これらのリップはハブ4に接触し反力を受けて変形する。
密封装置20の筒状部26は、環状壁部28に連なった基端面38と、環状壁部28の反対側にある先端面40とを有する。基端面38と先端面40は、ハブ軸受1の中心軸線Axに直交し、互いに平行である。この実施形態では、基端面38は、環状壁部28のアウトボード側の外面28A(外輪8と反対側の面)と面一である。
図4は、複数の密封装置20を台Stの上に積み重ねた状態を示す。製造工程、搬送工程または設置工程において、多数の密封装置20を積み重ねた場合、安定性が高いことが望ましい。この実施形態においては、密封装置20の筒状部26が、ハブ軸受1の中心軸線Ax(すなわち密封装置20の中心軸線)に直交し、互いに平行な基端面38と先端面40とを有する。したがって、密封装置20の筒状部26の先端面40を同タイプの他の密封装置20の筒状部26の基端面38に載せるようにして、多数の密封装置20を安定して積み重ねることが可能である。
この実施形態においては、密封装置20の筒状部26にハブ軸受1の外輪8の円筒状の端部8Aが嵌め入れられるようになっている。このため、密封装置20の筒状部26は、ある程度大きな寸法を有するように形成することが可能である。すなわち、筒状部26の基端面38および先端面40の面積を大きくすることが可能である。このことは密封装置20を積み重ねたときの安定性を向上させる。
筒状部26とリップ32,34,36との間に介在する内側環状部30は、環状壁部28のアウトボード側の外面28Aと、筒状部26の先端面40との間の空間内に存在し、その空間の外に突出しない。すなわち、内側環状部30は、ハブ軸受1の中心軸線Axに平行な方向において筒状部26の先端面40から外に突出しない。したがって、複数の密封装置20を積み重ねたときに、内側環状部30が他の密封装置に接触することがなく、密封装置20を積み重ねたときの安定性を向上させることができる。これに対して、もし、内側環状部30が先端面40よりも図中の下方に突き出す部分を有する場合には、その部分が当該密封装置20の直下にある他の密封装置20の部分(例えばサイドリップ34または内側環状部30)に接触してしまい、積み重ね時の安定性が阻害されることになるおそれがある。
リップ32,34,36が他の密封装置20に接触しないように、リップ32,34,36の各々の長さ、向きおよび位置は設計されている。要するに、複数の密封装置20を積み重ねたときには、密封装置20の筒状部26の先端面40と、他の密封装置20の筒状部26の基端面38とが接触し、他の部分が接触しないように、考慮されている。
リップ32,34,36の半径方向内側の面32A,34A,36AにはグリースGが塗布されることがある。この場合、面32A,34A,36A上のグリースGが他の密封装置20に接触しないように、グリースGの厚さを考慮して、リップ32,34,36の各々の長さ、向きおよび位置を設計することが好ましい。
この実施形態においては、ほぼL字形の補強環24に弾性環22を固着することによって、密封装置20が形成されている。したがって、密封装置20の形状が簡素であり、その製造が容易である。
不可欠ではないが、この実施形態において、筒状部26は、基端面38の反対側にフランジ41を有しており、フランジ41に先端面40が設けられている。したがって、フランジ41を利用して広い面積の先端面40を設けることが可能であり、積み重ねられた密封装置20の安定性を高めることができる。この実施形態においては、筒状部26は補強環24に相当する円筒を1つだけ有するので、フランジ41以外の筒状部26の厚さは小さいが、フランジ41は、他の密封装置20の基端面38に接触する先端面40の面積を広く確保することができる。但し、筒状部26は、補強環24で形成された半径方向に重なる同心の2つの円筒を有していてもよい。
また、この実施形態においては、外部から到来する異物(図2において、外部からの異物の流れの方向の例を矢印Fで示す)の多くを、広い面積を有するフランジ41が跳ね返すことができる。フランジ41の内周面は、外輪8の端部8Aの外周面に締まり嵌め状態で接触する。
不可欠ではないが、この実施形態において、筒状部26のフランジ41を除く部分の外周面全体は、先端面40側ほど直径が小さくなるテーパ面42である。したがって、異物がフランジ41を乗り越えたとしても、筒状部26の外周面(テーパ面42)を乗り越えてサイドリップ34に到達することが困難である。また、テーパ面42に付着した異物は、重力によって、テーパ面42をつたって落下し、さらにはテーパ面42から離れるので、密封装置20から離脱しやすい。
この実施形態においては、筒状部26のフランジ41を除く部分の外周面全体がテーパ面42である。しかし、図5および図6に示すように、筒状部26のフランジ41を除く部分の外周面の一部をテーパ面としてもよい。図5に示す変形例では、フランジ41を除く筒状部26の外周面は、テーパ面44と円筒面46からなり、テーパ面44がフランジ41の近傍に配置され、円筒面46が基端面38の近傍に配置されている。図6に示す変形例では、フランジ41を除く筒状部26の外周面は、テーパ面48と円筒面50からなり、円筒面50がフランジ41の近傍に配置され、テーパ面48が基端面38の近傍に配置されている。これらの変形例においても、異物がフランジ41を乗り越えたとしても、テーパ面44または48を有する筒状部26の外周面を乗り越えてサイドリップ34に到達することが困難である。また、テーパ面44または48に付着した異物は、重力によって、テーパ面44または48をつたって落下し、さらにはテーパ面42から離れるので、密封装置20から離脱しやすい。
第2実施形態
図7は、本発明の第2実施形態に係る密封装置20の積み重ね時の部分断面図である。図7以降の図面において、第1実施形態と共通する構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
図7に示すように、第2実施形態においては、筒状部26の基端面38の外径D1は、先端面40の外径D2以上である。したがって、密封装置20の先端面40のすべてを、同タイプの他の密封装置20の基端面38に接触させることができ、積み重ねられた密封装置20の安定性をさらに高めることができる。
また、この実施形態においては、環状壁部28のアウトボード側の面に凸部52が形成されている。凸部52は平坦面を有し、この平坦面と筒状部26の基端面38との間に段差が設けられている。凸部52の平坦面と基端面38は互いに平行である。面52を含む凸部の外径D3は、先端面40の内径D4(すなわちフランジ41の内径)よりわずかに小さい。他の密封装置20の先端面40が載せられる基端面38の半径方向の内側に、基端面38よりも突出する凸部52が設けられているため、積み重ねられた密封装置20の半径方向の移動(すなわち水平方向の移動)が抑制される。したがって、積み重ねられた密封装置20の安定性をさらに高めることができる。多数の密封装置20を積み重ねても、その積み重ねがくずれるおそれが少ない。
図8および図9は、それぞれ第2実施形態の変形例に係る密封装置20の積み重ね時の部分断面図である。図8に示す変形例では、凸部52は、図7の凸部52よりも大きな外径を有しており、フランジ41の内周の隅部分には、他の密封装置20の凸部52の外周縁を受け入れる凹部54が形成されている。図9に示す変形例では、基端面38に凸部56が形成され、先端面40に凹部58が形成され、凹部58に他の密封装置20の凸部56が嵌め込まれるようになっている。いずれの変形例においても、積み重ねられた密封装置20の半径方向の移動(すなわち水平方向の移動)が抑制され、積み重ねられた密封装置20の安定性をさらに高めることができる。多数の密封装置20を積み重ねても、その積み重ねがくずれるおそれが少ない。図9に示す変形例とは逆に、基端面38に凹部を形成し、先端面40に凸部を形成してもよい。
第3実施形態
図10は、本発明の第3実施形態に係る密封装置20の使用時の断面図である。この密封装置20は、他の密封装置であるシール部材60とともに使用される。
シール部材60は、ハブ4に固定されて、ハブ4とともに回転する。シール部材60は、円筒部分61、円弧部分62、円環部分64、および円筒部分66を有する。円筒部分61は、ハブ4の外周面4Aに接触し、円弧部分62は、円筒部分61の端部に連なっており、ハブ4の円弧面4Cに接触する。円環部分64は、円弧部分62の外縁に連なっており、ハブ4のフランジ面4Bに接触する。円筒部分66は、円環部分64の外縁に連なっている。
密封装置20は、シール部材60に組み付けられて使用される。具体的には、密封装置20の大部分は、円筒部分61、円弧部分62、円環部分64、および円筒部分66で画定された空間内に配置される。組み付け状態では、密封装置20のラジアルリップ32は、円筒部分61に接触し、サイドリップ34は円環部分64に接触し、サイドリップ36は円弧部分62または円環部分64に接触する。ラジアルリップ32は、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。サイドリップ34,36は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、シール部材60はハブ4と一緒に回転するので、リップ32,34,36はシール部材60に対して摺動する。
したがって、密封装置20とシール部材60は、1つの密封アセンブリを構成すると考えることができる。見方を変えれば、シール部材60は密封装置20の部品と考えることもできる。
シール部材60に組み付ける前の密封装置20は、第1実施形態の密封装置20と同じである。したがって、例えば製造工程において、図4を参照して上述したように、複数の密封装置20を積み重ねることが可能である。
シール部材60は、回転部材であって、異物を跳ね飛ばすスリンガーとして機能する。異物の流れの方向の例を矢印Fで示す。外部から到来する異物の多くは、シール部材60の円筒部分66および密封装置20のフランジ41に遮られる。シール部材60の円筒部分66は、密封装置20の筒状部26の外周面を包囲する。したがって、異物がサイドリップ34に到達することが困難である。
但し、シール部材60はフランジ41を覆っていない。より正確に言えば、密封装置20の中心軸線Axに平行な方向において、シール部材60の円筒部分66は、フランジ41に重なっていない。したがって、円筒部分66の端部とフランジ41の外端部の間には、間隙68が存在する。間隙68は微小なので、外部から異物が間隙68を通り抜けることは困難である。間隙68を通過したとしても、異物が筒状部26の外周面のテーパ面42を乗り越えてサイドリップ34に到達することが困難である。
また、間隙68を通過して筒状部26の外周面に到達した異物は、図の破線の矢印Fで示すように、重力によって、筒状部26の外周面をつたって落下し、間隙68のうちの下の部分を通り抜けて排出される。
不可欠ではないが、シール部材60の円筒部分66は、アウトボード側ほど直径が小さいテーパ状に形成されている。すなわち、円筒部分66は開放端側ほど直径が大きい。したがって、円筒部分66の下の部分の内周面に落下した異物は、重力によって当該内周面をつたって落下し、間隙68を通り抜けて排出される。
他の変形例
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
例えば、上記の実施の形態および変形例は、矛盾しない限り、組み合わせてもよい。
密封装置20のリップの形状および数は、上記のものに限定されない。
上記の実施形態では、内側部材であるハブ4が回転部材であり、外側部材である外輪8が静止部材である。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、互いに相対回転する複数の部材の密封に適用されうる。例えば、内側部材が静止し、外側部材が回転してもよいし、これらの部材のすべてが回転してもよい。
1 ハブ軸受(転がり軸受)
Ax 中心軸線
2 孔
4 ハブ(内側部材)
8 外輪(外側部材)
8A 端部
10,12 玉
20 密封装置
22 弾性環
24 補強環
26 筒状部
28 環状壁部
28A 外面
30 内側環状部
32 ラジアルリップ
34,36 サイドリップ
38 基端面
40 先端面
41 フランジ
42,44,48 テーパ面
52,56 凸部
54,58 凹部
60 シール部材
61 円筒部分
62 円弧部分
64 円環部分
66 円筒部分
68 間隙

Claims (3)

  1. 転がり軸受の相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
    中心軸線を有する内周面を有しており、前記内周面に前記転がり軸受の前記外側部材の円筒状の端部が嵌め入れられ、前記端部の外周面に接触する筒状部と、
    前記筒状部から半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部の端面に対向させられる環状壁部と、
    前記環状壁部の半径方向内側に延びており、前記外側部材の前記端部よりも半径方向内側に配置された内側環状部と、
    前記内側環状部から前記転がり軸受の前記内側部材に向けて延びる少なくとも1つのリップとを備え、
    前記筒状部は、前記環状壁部に連なった基端面と、前記環状壁部の反対側にあるフランジと、前記フランジに設けられた先端面とを有しており、前記基端面と前記先端面は、前記中心軸線に直交し、互いに平行であって、
    前記筒状部の外周面は、前記先端面側ほど直径が小さくなるテーパ面を有し、
    前記内側環状部は、前記中心軸線に平行な方向において前記筒状部の前記先端面から突出せず、
    同タイプの複数の密封装置を積み重ねた場合に、上方の密封装置の前記筒状部の先端面が下方の密封装置の前記筒状部の前記基端面に接触し、各密封装置のうち前記内側環状部と前記リップを含む前記筒状部以外の部分は他の密封装置に接触しない
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記転がり軸受の前記内側部材に固定され、前記リップが摺動するシール部材をさらに備え、
    前記シール部材は、前記筒状部の外周面を包囲し、前記フランジを覆っていないことを特徴とする請求項に記載の密封装置。
  3. 前記基端面の外径は、前記先端面の外径以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の密封装置。
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