JP7043178B2 - 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置 - Google Patents

受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7043178B2
JP7043178B2 JP2017057382A JP2017057382A JP7043178B2 JP 7043178 B2 JP7043178 B2 JP 7043178B2 JP 2017057382 A JP2017057382 A JP 2017057382A JP 2017057382 A JP2017057382 A JP 2017057382A JP 7043178 B2 JP7043178 B2 JP 7043178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
equivalent circuit
voltage
reference state
superimposed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017057382A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018160132A (ja
Inventor
宏嘉 小林
慎 板倉
梓 富田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2017057382A priority Critical patent/JP7043178B2/ja
Priority to US15/913,096 priority patent/US10762257B2/en
Publication of JP2018160132A publication Critical patent/JP2018160132A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7043178B2 publication Critical patent/JP7043178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • G06F30/32Circuit design at the digital level
    • G06F30/33Design verification, e.g. functional simulation or model checking
    • G06F30/3323Design verification, e.g. functional simulation or model checking using formal methods, e.g. equivalence checking or property checking
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • G06F30/36Circuit design at the analogue level
    • G06F30/367Design verification, e.g. using simulation, simulation program with integrated circuit emphasis [SPICE], direct methods or relaxation methods
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • G06F30/36Circuit design at the analogue level
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F30/00Computer-aided design [CAD]
    • G06F30/30Circuit design
    • G06F30/36Circuit design at the analogue level
    • G06F30/373Design optimisation
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2111/00Details relating to CAD techniques
    • G06F2111/10Numerical modelling
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2111/00Details relating to CAD techniques
    • G06F2111/20Configuration CAD, e.g. designing by assembling or positioning modules selected from libraries of predesigned modules
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F2119/00Details relating to the type or aim of the analysis or the optimisation
    • G06F2119/16Equivalence checking

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Evolutionary Computation (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、シミュレータなどで用いるコイル素子などの各種回路素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置に関し、特に、電流や電圧が任意のバイアス条件下の素子(以下「基準状態素子」という)に重畳印加されるような場合に好適な受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置に関するものである。
回路素子,例えばコイル素子(インダクタ)は、その材料や構造に起因する周波数特性をもち、理想的なインダクタ特性からずれる。そのため、シミュレータなどでコイル素子の特性を精度良く計算する際には、実測したコイル素子の周波数特性に合わせこんだ等価回路モデルが必要とされ、各コイル素子ベンダから提供されてきた。
しかし近年、電気回路製品の小型化、高精度化に伴い、コイル素子に対してもより高精度なモデルのニーズが高まっている。例えば、下記特許文献1には、フェライト材を用いたコイル素子の特性を良好に表わすことができる精度の高い等価回路が開示されている。すなわち、図12(A)に示すように、LsCpRp並列回路のインダクタンスLsに、抵抗Rm1,Rm2とインダクタンスLm1,Lm2による閉回路を、結合係数M1,M2で磁気的に結合させた回路構成を用いる。同図(B)は、(A)の相互インダクタンスをコイル素子として表現した等価回路である。このような等価回路を用いることで、コイル素子の周波数特性が高精度に再現される。
特開平11-312187号公報
しかしながら、上述した背景技術の等価回路モデルであっても、印加される電流・電圧によっては、必ずしも特性がシミュレーション上良好に再現されないことが課題となっている。
図13には、図12に示した等価回路モデルのインピーダンスアナライザによる実測結果とシミュレーション結果とが比較して示されている。同図中、(A)は任意の微小交流電流が印加された場合のコイル素子のインダクタンスLの周波数特性で、実線が実測結果を示し、破線がシミュレーション結果を示す。このグラフに示すように、実測結果とシミュレーション結果は非常によく一致している。
これに対し、前記(A)における微小電流に更に電流が重畳された場合のインダクタンスLの特定周波数における実測結果とシミュレーション結果は、同図(B)に示すようになり、破線で示すシミュレーション値は、実線で示す実測値と一致せず、重畳印加された電流分が大きくなるほど乖離が大きくなっている。このように、電流条件が大きくなるにつれてシミュレーションの精度は低下するようになる。
図14(A)のようなDC-DCコンバータにおけるインダクタ電流ILの実測値とシミュレーション値の比較結果を示すと、同図(B)のようになる。DC-DCコンバータは、MOSFETQp,Qn,ゲートドライバGD,コイル素子Ld,コンデンサCdによって構成されており、コイル素子Ldの等価回路として、上述した背景技術の等価回路を使用している。同図(B)の実線は実測結果であり、破線はシミュレーション結果である。これらのグラフを比較すれば明らかなように、電流の増加ないし重畳による特性変化の影響が等価回路モデル上良好に再現できていないため、実測波形とシミュレーション波形との間に差が見られる。このように、背景技術では、時間軸で負荷電流が変化するような過渡解析においても精度を欠くことになる。
本発明は、以上のような点に着目したもので、簡素な構成でありながら、良好に電流や電圧が重畳されたときの特性を精度よく表現することができ、実用性,作業性に優れた受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置を提供することを、その目的とする。
本発明の受動素子の等価回路のシミュレーション方法は、
電流もしくは電圧が重畳されていない基準状態における受動素子の基準状態等価回路を利用して、前記電流もしくは電圧が重畳された重畳状態における受動素子の重畳等価回路を構成し、この重畳等価回路を利用して、前記受動素子の特性をコンピュータ計算する受動素子の等価回路のシミュレーション方法であって、
前記重畳等価回路は、
その外部端子間に接続される電圧源と電流センサーと、
前記外部端子間に接続されない独立した閉ループ回路と、
を備えており、
前記閉ループ回路は、
前記基準状態等価回路と電流源と電圧センサーとを備えており、
前記電流センサーで検知された前記外部端子間の電流に対して第1の演算を行った電流を、前記電流源から前記基準状態等価回路に通電するとともに、この通電によって前記基準状態等価回路に生ずる電圧を前記電圧センサーで検知し、この検知電圧に対して第2の演算を行った電圧を出力し、
この出力電圧が、前記受動素子の基準状態における無重畳時特性と重畳状態における重畳時特性との差異を補正した電圧となるように、前記第1及び第2の演算の少なくとも一方を設定し、
設定後の電圧を、前記重畳等価回路の電圧源に供給することで、前記差異の補正を行うことを特徴とする。
主要な形態の一つは、
前記第1の演算が、前記電流センサーで検知された前記外部端子間の電流をka倍する演算であり、
前記第2の演算が、前記電圧センサーによって検知された検知電圧をkb倍する演算であり、
前記ka及びkbの少なくとも一方によって、前記重畳等価回路の特性と前記基準状態等価回路の特性の差異の補正を行うことを特徴とする。
他の発明の受動素子の等価回路のシミュレーション方法は、電流もしくは電圧が重畳されていない基準状態における受動素子の基準状態等価回路を利用して、前記電流もしくは電圧が重畳された重畳状態における受動素子の重畳等価回路を構成し、この重畳等価回路を利用して、前記受動素子の特性をコンピュータ計算する受動素子の等価回路のシミュレーション方法であって、
前記重畳等価回路は、その外部端子間に接続される電流源と電圧センサーと、前記外部端子間に接続されない独立した閉ループ回路と、を備えており、
前記閉ループ回路は、前記基準状態等価回路と電圧源と電流センサーとを備えており、
前記電圧センサーで検知された前記外部端子間の電圧に対して第3の演算を行った電圧を、前記電圧源から前記基準状態等価回路に印加するとともに、この印加によって前記基準状態等価回路に生ずる電流を前記電流センサーで検知し、この検知電流に対して第4の演算を行った電流を出力し、
この出力電流が、前記受動素子の基準状態における無重畳時特性と重畳状態における重畳時特性との差異に相当する電流となるように、前記第3及び第4の演算の少なくとも一方を設定し、
設定後の電流を、前記重畳等価回路の電流源に供給することで、前記差異の補正を行うことを特徴とする。

主要な形態の一つによれば、
前記第3の演算が、前記電圧センサーで検知された前記外部端子間の電圧を1/kc倍する演算であり、
前記第4の演算が、前記電流センサーによって検知された検知電流を1/kd倍する演算であり、
前記kc及びkdの少なくとも一方によって、前記重畳等価回路の特性と前記基準状態等価回路の特性の差異の補正を行うことを特徴とする。
本発明の受動素子の等価回路のシミュレーション装置は、前記いずれかの受動素子の等価回路のシミュレーション方法によってシミュレーションを行うことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、基準状態の等価回路を基準とし、これに、電流・電圧重畳時の特性変化を表す電源回路を付加することとしたので、電流・電圧重畳時の受動素子が簡素な構成の等価回路で表現でき、また、電流・電圧重畳時の特性が精度よく表現できるようになる。このため、前記等価回路で表現された受動素子を使用する各種の回路の電流・電圧重畳時のシミュレーションを精度よく行うことができ、回路設計における実用性,作業性の向上を図ることができる。
本発明の実施例1及び2の等価回路の基本構成を示すブロック図である。 前記実施例1の適用例を示す回路図である。 前記実施例2の適用例を示す回路図である。 異なるコイル素子の電流重畳特性の実測結果とシミュレーション結果を比較して示すグラフである。 本発明の実施例4を示す図で、(A)は等価回路の基本構成を示すブロック図であり、(B)は適用例を示す回路図である。 前記実施例1,2を背景技術の直流分基準状態の等価回路に適用した実施例5を示す回路図である。 前記図6の等価回路を使用してインダクタの直流重畳特性のシミュレーションを行った結果を、実測値と比較して示すグラフである。 図14(A)に示すDC-DCコンバータに図6に示した等価回路を適用した場合のインダクタ電流に対する実測波形とシミュレーション波形を比較して示したグラフである。 実施例5他の例を示す回路図である。 前記実施例4を背景技術の基準状態の等価回路に適用した回路例を示す回路図である。 本発明のシミュレーション装置の実施例7を示すブロック図である 従来の等価回路の一例を示す回路図である。 図12の等価回路の特性の実測結果とシミュレーション結果を比較して示すグラフである。 同図(A)はDC-DCコンバータの回路例であり、同図(B)は(A)に図12に示した等価回路を適用した場合の電流の変化を、実測波形とシミュレーション波形を比較して示したグラフである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1(A)及び図2を参照しながら、実施例1について説明する。本発明は、電流センサーないし電圧センサーを利用し、検知した電流値もしくは電圧値を係数倍する方法であり、直列接続される電源には、電圧源,電流源それぞれが適用可能であって、その組合せはセンサーの種類による。図1(A)の実施例1は、電流センサーと電圧源を組み合わせた等価回路の例であり、同図(B)の実施例2は、電圧センサーと電流源を組み合わせた等価回路の例である。まず、同図(A)の実施例1から説明する。
図1(A)において、等価回路20の外部端子間には、電流センサー22と電圧源24が直列に接続されている。インピーダンスZの基準状態素子(基準状態等価回路)26は、電流源28と閉ループを構成している。基準状態素子26は、任意のバイアス(測定用の微小交流電流)を印加したときの特性を示すインピーダンス素子の等価回路で、図13(B)のグラフのILが「0」付近における特性を示す等価回路が該当する。あるいは、図13(B)における点線のグラフと実線のグラフが一致する電流領域における特性を示す等価回路が基準状態素子であるといってもよい。基準状態素子26には、その両端の電位差V(0)を検知する電圧センサー29が並列に接続されている。電流センサー22で等価回路20に流れる電流Iを検出し、その電流Iを閉ループ回路の電流源28で再現し、基準状態素子26に印加する。電流Iは、基準状態に流れる微小電流と、それに重畳される電流を加えたものとなる。このとき、基準状態素子26の両端には電位差V(0)が生じ、これが電圧センサー29で検知される。この電位差V(0)に補正係数Gをかけた電圧を電圧源24にフィードバックし、電流センサー22に直列に接続した電圧源24で出力する。
等価回路20の外部端子間の電圧Vは、基準状態素子26のインピーダンスZに対して、見かけ上次の数1式のようになり、インピーダンスZがG倍(乗算)されたのと同等になる。なお、1/Gの除算と考えることもできる。
Figure 0007043178000001
ここで、補正係数Gを、電流Iもしくは端子間電圧Vに依存した関数特性を持たせてG(I)もしくはG(V)とすることにより、等価回路20を全体として見たときのインピーダンス(外部端子間のインピーダンス)を、電流Iもしくは端子間電圧Vに依存した特性として再現することが可能になる。
なお、前記説明では、電流センサー22の検出電流Iをコピー(1倍)して、そのまま電流源28の電流Iとしたが、電流源28の電流をG倍とするとともに、基準状態の電位差V(0)を1倍としてもよい。あるいは、電流源28の電流をka倍とするとともに、基準状態の電位差V(0)をkb倍とし、全体でG=ka×kb倍とするようにしてもよい。この場合、係数ka,kbのうち、少なくとも一方を電流Iもしくは端子間電圧Vに依存させるようにする。
図2には、前記図1(A)の等価回路を実際の回路シミュレータで使用する際の具体的な等価回路例が示されている。これらのうち、同図(A)は、基準状態素子26を基準状態コイル素子26Lとした場合の例である。電流センサー22は電圧源で表され、両端の電圧は0[V]とする。電流源28の電流(電流センサー22による検知電流)をISL,基準状態コイル素子26LのインダクタンスをL20,電流ISLが流れたときの基準状態コイル素子26Lの素子電圧をV_L20すると、これをG倍したものが電圧源24から出力される。従って、電圧源24の出力電圧V_BVLは、次の数2式で表されるようになる。なお、「j」は虚数単位,「ω」は角周波数である。
Figure 0007043178000002
このように、本例によれば、等価回路の外部端子からみたとき、基準状態コイル素子26LのインダクタンスL20が、見かけ上G倍されるようになる。従って、補正係数Gに、電流センサー22で検出した電流ISLに依存する関係性を持たせることにより、電流重畳時のコイル素子の電流依存性が再現可能となる。
次に、図2(B)は、基準状態素子26を基準状態抵抗素子26Rとした場合の例である。電流源28の電流(電流センサー22による検知電流)をISR,基準状態抵抗素子26Rの抵抗値をR20,電流ISRが流れたときの基準状態抵抗素子26Rの素子電圧をV_R20すると、これをG倍したものが電圧源24から出力される。従って、電圧源24の出力電圧V_BVRは、次の数3式で表されるようになる。
Figure 0007043178000003
このように、本例によれば、等価回路の外部端子からみたとき、基準状態抵抗素子26Rの抵抗値R20が、見かけ上G倍されるようになる。従って、補正係数Gに、電流センサー22で検出した電流ISRに依存する関係性を持たせることにより、電流重畳時の抵抗素子の電流依存性が再現可能となる。
次に、図2(C)は、基準状態素子26を基準状態インピーダンス素子26Zとした場合の例である。基準状態インピーダンス素子26Zは、図示の例では、抵抗値R22の基準状態抵抗素子,インダクタンスL22の基準状態コイル素子,キャパシタンスC22の基準状態コンデンサ素子を並列に接続した構成となっているが、各種の構成としてよい。電流源28の電流をISZ,基準状態インピーダンス素子26Zの抵抗値をZ20,電流ISZが流れたときの基準状態インピーダンス素子26Zの素子電圧をV_Z20すると、これをG倍したものが電圧源24から出力される。従って、電圧源24の出力電圧V_BVZは、次の数4式で表されるようになる。
Figure 0007043178000004
このように、等価回路の外部端子からみたとき、基準状態インピーダンス素子26Zの抵抗値Z20が、見かけ上G倍されるようになる。従って、補正係数Gに、電流センサー22で検出した電流Iszに依存する関係性を持たせることにより、電流重畳時のインピーダンス素子の電流依存性が再現されるようになる。
以上のように、本実施例によれば、等価回路の外部端子間に電流センサー及び電圧源を直列接続するとともに、基準状態の受動素子に対して電流源をループ接続する。そして、前記電流センサーで検知した電流値に前記電流源の電流値を依存させるとともに、これによって生ずる前記受動素子の素子電圧に前記電圧源の電圧値を依存させることとしたので、以下のような効果が得られる。
(1)重畳時の等価回路の特性と基準状態の等価回路の特性の差異を補正して、受動素子の電流重畳時の特性を良好に表すことができ、回路特性のシミュレーションにおける再現性が向上する。
(2)電子部品メーカーやその代理商社は、自社が提供する各種受動素子について、その電流重畳時の等価回路を顧客に提供し、もしくは会社のホームページにて公開し、自社製品を採用する顧客に対して回路設計上の便宜を図ることができ、更には、製品販売機会の創出につなげることができる。
(3)電子機器メーカーや電子回路の設計会社は、前記公開された電流重畳時の等価回路を使用することで、設計回路に最適な電子部品を効率よく選定して電子機器を精度よく設計でき、設計時間を大幅に短縮できる。
次に、図1(B)の電圧センサーと電流源を組み合わせた実施例2について説明する。等価回路30の外部端子間には、電圧センサー32と電流源34が並列に接続されている。インピーダンスZの基準状態素子36は、電圧源38と閉ループを構成している。基準状態素子36には、素子電流I(0)を検知する電流センサー39が直列に接続されている。電圧センサー32で等価回路30の外部端子間電圧Vを検出し、閉ループ回路の電圧源38でその電圧Vを再現し、基準状態素子36に印加する。電圧Vは、基準状態における微小電圧と、それに重畳される電圧を加えたものとなる。このとき、基準状態素子36には素子電流I(0)が流れ、電流センサー39で検知される。この素子電流I(0)を補正係数Gで割った(もしくは「1/G」倍した)電流を電流源34にフィードバックし、電圧センサー32に並列に接続した電流源34で出力する。
等価回路30の外部端子間の電圧Vは、基準状態素子36のインピーダンスZに対して、見かけ上次の数5式のようになり、インピーダンスZがG倍された場合と同等になる。
Figure 0007043178000005
ここで、補正係数Gを、電流Iもしくは端子間電圧Vに依存した関数特性をもたせてG(I)もしくはG(V)とすることにより、等価回路30を全体として見たときのインピーダンスZを、電流Iもしくは端子間電圧Vに依存した特性として再現することが可能になる。なお、前記説明では、電圧センサー32の検出電圧Vをコピー(1倍)して、そのまま電圧源38の電圧Vとしたが、電圧源38の電圧を1/G倍とするとともに、基準状態の電流I(0)を1倍としてもよい。あるいは、電圧源38の電圧を1/kc倍とするとともに、基準状態の電流I(0)を1/kd倍とし、全体で1/G=1/(kc×kd)倍とするようにしてもよい。この場合、係数kc,kdのうち、少なくとも一方を電流Iもしくは端子間電圧Vに依存させるようにする。
図3には、前記図1(B)の等価回路を実際の回路シミュレータで使用する際の具体的な等価回路例が示されている。これらのうち、同図(A)は、基準状態素子36を基準状態コイル素子36Lとした場合の例である。なお、同図中、係数Gに電流依存性を持たせるための電流センサー40は、図1(B)では省略されている。また、電圧センサー32と電圧源38は兼用となっている。
電圧源38の電圧(電圧センサー32による検知電圧)をVSL,基準状態コイル素子36LのインダクタンスをL30,電圧VSLが印加されたときの基準状態コイル素子36Lの素子電流をI_L30すると、これを1/G倍したものが電流源34から出力される。従って、電流源34の出力電流I_BIL2は、次の数6式で表されるようになる。
Figure 0007043178000006
このように、本例によれば、等価回路の外部端子からみたとき、基準状態コイル素子36LのインダクタンスL30が、見かけ上G倍されるようになる。従って、補正係数Gに、電流センサー40で検出した電流ISLに依存する関係性を持たせることにより、電流重畳時のコイル素子の電流依存性が再現可能となる。
図3(B)は、基準状態素子36を基準状態抵抗素子36Rとした場合の例である。電圧源38の電圧(電圧センサー32による検知電圧)をVSR,基準状態抵抗素子36Rの抵抗値をR30,電圧VSRが印加されたときの基準状態抵抗素子36Rの素子電流をI_R30すると、これを1/G倍したものが電流源34から出力される。従って、電流源34の出力電流I_BIR2は、次の数7式で表されるようになる。
Figure 0007043178000007
このように、本例によれば、等価回路の外部端子からみたとき、基準状態抵抗素子36Rの抵抗値R30が、見かけ上G倍されるようになる。従って、補正係数Gに、電流センサー40で検出した電流ISRに依存する関係性を持たせることにより、電流重畳時の抵抗素子の電流依存性が再現可能となる。
図3(C)は、基準状態素子36を基準状態インピーダンス素子36Zとした場合の例である。基準状態インピーダンス素子36Zは、図示の例では、抵抗値R32の基準状態抵抗素子,インダクタンスL32の基準状態コイル素子,キャパシタンスC32の基準状態コンデンサ素子を並列に接続した構成となっているが、各種の構成としてよい。電圧源38の電圧(電圧センサー32による検知電圧)をVSZ,基準状態インピーダンス素子36ZのインピーダンスをZ30,電圧VSZが印加されたときの基準状態インピーダンス素子36Zの素子電流をI_Z30すると、これを1/G倍したものが電流源34から出力される。従って、電流源34の出力電流I_BIZ2は、次の数8式で表されるようになる。
Figure 0007043178000008
このように、本例によれば、等価回路の外部端子からみたとき、基準状態インピーダンス素子36ZのインピーダンスZ30が、見かけ上G倍されるようになる。従って、補正係数Gに、電流センサー40で検出した電流ISZに依存する関係性を持たせることにより、電流重畳時のインピーダンス素子の電流依存性が再現可能となる。
以上のように、本実施例によれば、等価回路の外部端子間に電圧センサー及び電流源を並列接続するとともに、基準状態の受動素子に対して電圧源をループ接続する。そして、前記電圧センサーで検知した電圧値に前記電圧源の電圧を依存させるとともに、これによって生ずる前記受動素子の素子電流に前記電流源の電流値を依存させることとしたので、電流重畳時の特性を良好に表すことができ、回路特性のシミュレーションにおける再現性が向上するなど、前記実施例と同様の効果を得ることができる。
次に、上述した係数Gを決定する手法の実施例3について説明する。上述した図13(B)に示したように、図12に示した等価回路モデルの電流重畳時におけるインダクタンスは、重畳電流ILが大きくなるほど乖離が大きくなる。この乖離を、シミュレーション結果を示す破線が実測結果を示す実線となるように、係数Gで修正することから、係数Gは電流依存性を有することとなる。係数Gの電流依存性は、実測データの基準状態(IL=0)のインダクタンス値(図13(B)では「1.2μH」)を「1」と基準化したときの電流依存性曲線として再現できる。また、重畳電流ILは、受動素子に流れる電流の方向に関係なく大きさのみに依存するため、関数内では絶対値として扱うか、もしくは偶関数であることが望ましい。
図4には、異なるコイル素子部品(型番の異なるコイル素子部品)の電流重畳特性INa~INeが示されている。横軸は重畳電流ILであり、縦軸はインダクタンスの減少の割合を、IL=0の場合を基準として示す。同図のグラフに示す各種コイル素子部品の電流重畳特性に対して、上述した各等価回路の条件を満たすように、数9式を係数Gの関数とすることで、高精度に電流依存性を再現することが可能となる。また、nを増やすことによって、より複雑な特性曲線を滑らかに表現することが可能となる。なお、数9式において、An,Bn(n=1,2,3,・・・)は、図4のグラフINa~INeから求められる定数である。
Figure 0007043178000009
前記図4において、実線は実測結果で、破線は前記数9式によって求めた係数Gを上述した等価回路に適用したシミュレーション結果であり、本発明の等価回路によれば、さまざまなコイル素子の周波数特性も精度良く再現できている。なお、数9式は一例であり、破線で示すシミュレーション結果を、実線で示す実測結果に近づけることができれば、どのような数式を用いてもよい。
次に、図5を参照しながら、本発明の実施例4について説明する。本実施例は、インピーダンスの等価回路を、電流センサーと電流源を使用して表現した例である。本実施例の等価回路10は、図5(A)に示すように、電流センサー12と基準状態素子14を直列に接続し、基準状態素子14に電流源16を並列に接続した構成となっている。
電流センサー12は、等価回路10の外部端子間に流れる電流Isを検知しており、検知した電流Isが電流源16にフィードバックされ、電流Isに依存した電流Icが電流源16によって流れるようになっている。この等価回路10の外部端子間の電圧Vと電流Iの関係は、基準状態素子14のインピーダンスをZとすると、次の数10式で表される。なお、電流センサー12は電圧源で構成され、両端の電圧は0[V]とする。
Figure 0007043178000010
この数10式を、基準状態素子14のインピーダンスZを表す式に変換すると、次の数11式のようになる。
Figure 0007043178000011
この数11式からすると、基準状態素子14のインピーダンスZは、電流源16の電流Icに依存して変化する(Icの加減算)。従って、電流源16の電流Icを電流センサー12の検知電流Isに依存した関数とすることにより、等価回路10全体として電流重畳特性を再現することが可能となる。
図5(B)~(D)には、実際の回路シミュレータで使用する際の具体的な等価回路モデルが示されている。これらのうち、同図(B)は、基準状態素子14を基準状態コイル素子14Lとした場合の例である。基準状態コイル素子14LインダクタンスをL 10 ,電流源16の電流をI_BILとしたとき、等価回路全体の電圧Vと電流Iの関係は、数12式で示すようになる。この式から、基準状態コイル素子14Lに電流源16を並列に接続することで、等価回路の全体が、電流源16の電流I_BILに依存する可変コイル素子となることが分かる。従って、電流源16の電流I_BILに、電流センサー12で検出した電流ISLに依存する関係を持たせることで、電流重畳時におけるコイル素子の電流依存性を再現することができる。
Figure 0007043178000012
同図(C)は、基準状態素子14を基準状態抵抗素子14Rとした場合の例である。基準状態抵抗素子14Rの抵抗値をR 10 ,電流源16の電流I_BIRとしたとき、等価回路全体の電圧Vと電流Iの関係は、数13式で示すようになる。この式から、基準状態抵抗素子14Rに電流源16を並列に接続することで、等価回路の全体が、電流源16の電流I_BIRに依存する可変抵抗素子となることが分かる。従って、電流源16の電流I_BIRに、電流センサー12で検出した電流ISRに依存する関係を持たせることで、電流重畳時における抵抗素子の電流依存性を再現することができる。
Figure 0007043178000013
同図(D)は、基準状態素子14を基準状態インピーダンス素子14Zとした場合の例である。図示の例では、基準状態インピーダンス素子14Zは、図示の例では、抵抗値R12の基準状態抵抗素子,インダクタンスL12の基準状態コイル素子,キャパシタンスC12の基準状態コンデンサ素子を並列に接続した構成となっているが、各種の構成としてよい。基準状態インピーダンス素子14ZのインピーダンスをZ 10 ,電流源16の電流I_BIZとしたとき、等価回路全体の電圧Vと電流Iの関係は、数14式で示すようになる。この式から、基準状態インピーダンス素子14Zに電流源16を並列に接続することで、等価回路の全体が、電流源16の電流I_BIZに依存する可変インピーダンス素子となることが分かる。従って、電流源16の電流I_BIZに、電流センサー12で検出した電流ISZに依存する関係を持たせることで、電流重畳時におけるインピーダンス素子の電流依存性を再現することができる。
Figure 0007043178000014
以上のように、本実施例によれば、基準状態の受動素子を示す基準状態等価回路に対して、電流源を並列に接続するとともに、この電流源の電流値を、前記受動素子に直列接続した電流センサーで検知した電流値に依存させるようにしたので、回路特性のシミュレーションにおける再現性が向上するなど、前記実施例と同様の効果を得ることができる。
次に、図6~図9を参照しながら、実施例5について説明する。図6の実施例は、前記図1に示した電流源及び電圧源と係数を用いた等価回路モデルを、図12(B)の基準状態等価回路に適用した例である。図6の等価回路200において、L0,L1//R1,L2//R2,L3//R3,Rpをそれぞれ電流重畳等価回路210,220,230として、独立した電流重畳特性を持たせている。なお、L1//R1は、インダクタンスL1と抵抗R1の並列回路を示す(他も同様)。これらのうち、電流重畳等価回路210は、図1(A)の電圧源モデルを適用しており、インダクタンスL0に、電流源212,電圧源214を追加している。電流重畳等価回路220にも、同様に電圧源モデルを適用しており、電流源222及び電圧源224を追加している。電流重畳等価回路230は、図1(B)の電流源モデルを適用しており、電圧源232,電流センサー234,電流源236が追加されている。
電流センサー202は、電流IL0に対する依存性を係数Gに持たせるために使用する電流IL0をモニターする。具体的には、前記数9式においてIL=IL0とする。電流センサー204は、電流重畳等価回路210,220のループ回路の電流源212,222にフィードバックするために電流IL1をモニターする。インダクタンスL0の端子電圧VL0×Gは電圧源214にフィードバックされ、L1//R1,L2//R2,L3//R3の端子電圧V(L1//R1),V(L2//R2),V(L3//R3)の和をG倍した電圧は電圧源224にフィードバックされる。
電圧源232は、電流源236の両端電圧をループ内に印加するためのものであり、電流センサー234は、抵抗Rpに流れる電流IRpをモニターし、IRp/Gを電流源236にフィードバックする。なお、コンデンサCp,Crに電流依存性がある場合には、抵抗Rpと同様に電流源モデルもしくは電圧源モデルを接続する。また、電流IL0=IL1+IL2+IL3である。
図6では、フィッティング性と再現性のバランスを考慮して、3つのLi//Ri回路を一つ電流依存性回路としてまとめることとし、電流重畳等価回路210,220,230の3つに分割したが、L0,Li,Ri,Rpの受動素子の各々を独立して電流重畳等価回路を構成することで、より複雑な電流重畳特性を再現することが可能になるが、特性フィッティングの難易度が上昇し、演算に時間を要するようになる。
以上のような図6の等価回路を使用してインダクタの電流重畳特性のシミュレーションを行った結果を、図7に示す。図中の実線が実測結果であり、破線がシミュレーション結果である。同図(A)は、特定の周波数におけるインダクタンスの電流重畳特性であり、実測値とシミュレーション値が精度よく合っている。同図(B)~(C)は、各重畳電流値でのコイル素子のインダクタンスL,抵抗R,インピーダンスZの周波数依存性をそれぞれ示す。これらも、実測値とシミュレーション値の乖離が小さく、再現性のよいシミュレーション結果となっている。
図8は、図14(A)に示したDC-DCコンバータに図6に示した等価回路を適用した場合のインダクタ電流に対する実測波形とシミュレーション波形を比較して示したものである。実線は実測結果を示し、破線はシミュレーション結果を示す。図14(B)のグラフと比較すれば明らかなように、実測結果とシミュレーション結果がよく一致しており、本発明が実際の回路に対して、非常に高い特性再現性を持っていることが確認できる。
図9は、Li//Ri回路の電流依存性を独立させた等価回路モデルの例で、等価回路500において、基準状態抵抗R1については電流源等価回路510を採用し、電流源512の電圧を、電圧源514によって、基準状態抵抗R1を含む閉ループ回路に印加する。また、基準状態抵抗R1に流れる電流を電流センサー516によってモニターし、係数1/G倍した電流を電流源512で出力する。一方、インダクタンスL1については図1(A)の電圧源モデルの等価回路520を採用し、電流センサー550によってモニターした電流を電流源522で再現して基準状態コイル素子L1に通電し、その端子電圧をG倍して電圧源524で出力する。基準状態抵抗R2,R3,基準状態コイル素子L2,L3についても同様である。電流重畳等価回路210,230については、図6と同様である。
次に、図10を参照しながら、実施例6について説明する。本実施例は、前記図5(A)の電流源を用いた差分法による等価回路モデルを、図12(B)に示した背景技術のコイル素子等価回路に適用した例である。図10に等価回路100を示すように、L0,L1//R1,L2//R2,L3//R3,Rpに、電流重畳電流依存性を持った電流源110~115をそれぞれ並列に接続する。抵抗Rsには、電流センサー120が接続される。コンデンサCp,Crについても、電流依存性がある場合には、抵抗Rpと同様に電流源を接続する。
次に、シミュレーション装置の実施例7ついて説明する。上述した図1及び図5(A)に示した等価回路は、例えば代表的シミュレータであるスパイスシミュレータ(LTspice, Pspiceなど)に適合するスパイスモデルフォーマットに記述され、そのスパイスモデルを用いてシミュレータ上でシミュレートが行われる。また、等価回路の定数と回路素子の定数変化率の情報をスタンドアローン、又は、Web用のソフトウェアに記述した上で、本発明による計算方法をソフトウェア上で適用し、対象の回路素子の任意電流における各種特性のグラフやデータの提示、任意電流条件における指定の特性を満たす回路素子の検索、簡単な回路に適用した際の回路特性の計算などに用いられる。
図11には、本実施例のシミュレーション装置の構成が示されており、シミュレーション装置300は、一般的なコンピュータシステムによって構成されており、CPUを中心に構成された演算処理部310に、キーボードなどの入力部322,液晶ディスプレイなどの出力部324,プログラムメモリ330,データメモリ340が接続された構成となっている。プログラムメモリ330には、シミュレーションプログラム332(例えばSPICEシミュレータ)が格納されている。データメモリ340には、コイルなどの受動素子を含むシミュレーション対象回路342と、図1や図5(A)に示した等価回路344が格納されている。
シミュレーション対象回路342としては、例えば、電流ないし電圧が微小電流ないし微小電圧に重畳印加されるような回路,例えば図14に示したDC-DCコンバータなどが該当する。等価回路344は、各受動素子毎にそれぞれ用意される。例えば、○○社製の型番○○○のコイル素子の等価回路344A,344B,・・・という具合である。なお、シミュレーションプログラム332がSPICEシミュレータのときは、等価回路344はSPICEファイルとして提供される。
シミュレーション対象回路342に含まれる受動素子として、いずれの会社のいずれの型番の受動素子を使用するのかが指示されると、該当する受動素子の等価回路344がデータメモリ340から読み出され、これが、図2,図3,図5(B),図6,図9,あるいは図10に示したように、シミュレーション対象回路342の受動素子の位置に接続される。そして、その回路に基づいて、プログラムメモリ330のシミュレーションプログラム332が演算処理部310で実行され、所望のシミュレーションが行われる。図1や図5(A)に示した重畳印加時の等価回路を用いることで、精度の高いシミュレーションを行うことができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例で示した等価回路構成はいずれも一例であり、各種の構成の等価回路に適用可能である。
(2)前記実施例では、基準状態等価回路に流れる電流や端子間の電圧をG倍ないし1/G倍したが、加減算など、必要に応じて各種の演算を行うようにしてよい。
(3)本発明は、基準状態等価回路に直流電流や直流電圧が重畳印加された場合が好適な例であるが、直流以外の電流や電圧が印加される場合にも適用可能である。
(4)本発明は、特にコイル素子が典型的な適用例であるが、各種の受動素子の等価回路に適用可能である。
(5)シミュレーション対象の電子回路に複数の基準状態素子が含まれている場合に、図1(A)の電圧源モデル,図1(B)の電流源モデル,図5(A)の差分法モデルのいずれを適用するかは、適宜決めてよい。例えば、すべての基準状態素子に同じタイプのモデルを適用してもよいし、異なるタイプのモデルを適用してもよい。
本発明によれば、電流もしくは電圧が基準状態の等価回路を基本とし、これに、電流もしくは電圧重畳時の特性変化を表す電源回路を付加することとしたので、電流もしくは電圧重畳時の受動素子が簡素な構成の等価回路で表現でき、また、電流もしくは電圧重畳時の特性が精度よく表現できるようになる。このため、電流もしくは電圧が重畳される受動素子を使用する各種の回路の設計に好適である。
10:等価回路
12:電流センサー
14:基準状態素子
14L:基準状態コイル素子
14R:基準状態抵抗素子
14Z:基準状態インピーダンス素子
16:電流源
20:等価回路
22:電流センサー
24:電圧源
26:基準状態素子
26L:基準状態コイル素子
26R:基準状態抵抗素子
26Z:基準状態インピーダンス素子
28:電流源
29:電圧センサー
30:等価回路
32:電圧センサー
34:電流源
36:基準状態素子
36L:基準状態コイル素子
36R:基準状態抵抗素子
36Z:基準状態インピーダンス素子
38:電圧源
39:電流センサー
40:電流センサー
100:等価回路
120:電流センサー
200:等価回路
202:電流センサー
204:電流センサー
210,220,230:電流重畳等価回路
212,222:電流源
214:電圧源
222:電流源
224:電圧源
232:電圧源
234:電流センサー
236:電流源
300:シミュレーション装置
310:演算処理部
322:入力部
324:出力部
330:プログラムメモリ
332:シミュレーションプログラム
340:データメモリ
342:シミュレーション対象回路
344:等価回路
500:等価回路
510:電流源等価回路
512:電流源
514:電圧源
516:電流センサー
520:電圧源等価回路
522:電流源
524:電圧源
550:電流センサー

Claims (5)

  1. 電流もしくは電圧が重畳されていない基準状態における受動素子の基準状態等価回路を利用して、前記電流もしくは電圧が重畳された重畳状態における受動素子の重畳等価回路を構成し、この重畳等価回路を利用して、前記受動素子の特性をコンピュータ計算する受動素子の等価回路のシミュレーション方法であって、
    前記重畳等価回路は、
    その外部端子間に接続される電圧源と電流センサーと、
    前記外部端子間に接続されない独立した閉ループ回路と、
    を備えており、
    前記閉ループ回路は、
    前記基準状態等価回路と電流源と電圧センサーとを備えており、
    前記電流センサーで検知された前記外部端子間の電流に対して第1の演算を行った電流を、前記電流源から前記基準状態等価回路に通電するとともに、この通電によって前記基準状態等価回路に生ずる電圧を前記電圧センサーで検知し、この検知電圧に対して第2の演算を行った電圧を出力し、
    この出力電圧が、前記受動素子の基準状態における無重畳時特性と重畳状態における重畳時特性との差異を補正した電圧となるように、前記第1及び第2の演算の少なくとも一方を設定し、
    設定後の電圧を、前記重畳等価回路の電圧源に供給することで、前記差異の補正を行うことを特徴とする受動素子の等価回路のシミュレーション方法。
  2. 前記第1の演算が、前記電流センサーで検知された前記外部端子間の電流をka倍する演算であり、
    前記第2の演算が、前記電圧センサーによって検知された検知電圧をkb倍する演算であり、
    前記ka及びkbの少なくとも一方によって、前記重畳等価回路の特性と前記基準状態等価回路の特性の差異の補正を行うことを特徴とする請求項1記載の受動素子の等価回路のシミュレーション方法。
  3. 電流もしくは電圧が重畳されていない基準状態における受動素子の基準状態等価回路を利用して、前記電流もしくは電圧が重畳された重畳状態における受動素子の重畳等価回路を構成し、この重畳等価回路を利用して、前記受動素子の特性をコンピュータ計算する受動素子の等価回路のシミュレーション方法であって、
    前記重畳等価回路は、
    その外部端子間に接続される電流源と電圧センサーと、
    前記外部端子間に接続されない独立した閉ループ回路と、
    を備えており、
    前記閉ループ回路は、
    前記基準状態等価回路と電圧源と電流センサーとを備えており、
    前記電圧センサーで検知された前記外部端子間の電圧に対して第3の演算を行った電圧を、前記電圧源から前記基準状態等価回路に印加するとともに、この印加によって前記基準状態等価回路に生ずる電流を前記電流センサーで検知し、この検知電流に対して第4の演算を行った電流を出力し、
    この出力電流が、前記受動素子の基準状態における無重畳時特性と重畳状態における重畳時特性との差異を補正した電流となるように、前記第3及び第4の演算の少なくとも一方を設定し、
    設定後の電流を、前記重畳等価回路の電流源に供給することで、前記差異の補正を行うことを特徴とする受動素子の等価回路のシミュレーション方法。
  4. 前記第3の演算が、前記電圧センサーで検知された前記外部端子間の電圧を1/kc倍する演算であり、
    前記第4の演算が、前記電流センサーによって検知された検知電流を1/kd倍する演算であり、
    前記kc及びkdの少なくとも一方によって、前記重畳等価回路の特性と前記基準状態等価回路の特性の差異の補正を行うことを特徴とする請求項3記載の受動素子の等価回路のシミュレーション方法。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の受動素子の等価回路のシミュレーション方法によってシミュレーションを行うことを特徴とする受動素子の等価回路のシミュレーション装置。
JP2017057382A 2017-03-23 2017-03-23 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置 Active JP7043178B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057382A JP7043178B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置
US15/913,096 US10762257B2 (en) 2017-03-23 2018-03-06 Equivalent circuit construction method, simulation method and simulation device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017057382A JP7043178B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018160132A JP2018160132A (ja) 2018-10-11
JP7043178B2 true JP7043178B2 (ja) 2022-03-29

Family

ID=63582744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017057382A Active JP7043178B2 (ja) 2017-03-23 2017-03-23 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10762257B2 (ja)
JP (1) JP7043178B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10755015B2 (en) * 2017-08-21 2020-08-25 Semiconductor Components Industries, Llc Agnostic model of semiconductor devices and related methods

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040034837A1 (en) 2002-08-19 2004-02-19 Lowther Rex E. Numerically modeling inductive circuit elements
WO2014185293A1 (ja) 2013-05-14 2014-11-20 株式会社村田製作所 コンデンサのシミュレーション方法およびコンデンサの非線形等価回路モデル
WO2014185294A1 (ja) 2013-05-14 2014-11-20 株式会社村田製作所 インダクタのシミュレーション方法およびインダクタの非線形等価回路モデル

Family Cites Families (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CH586473A5 (ja) * 1974-11-13 1977-03-31 Sprecher & Schuh Ag
US5455582A (en) * 1992-12-17 1995-10-03 Ulsi Technology, Inc. Digital to analog converter employing R-2R ladders with substituted shunt arms
US5663890A (en) * 1996-04-01 1997-09-02 The Board Of Trustees University Of Illinois Method, apparatus and computer program product for determining a frequency domain response of a nonlinear microelectronic circuit
JP3482351B2 (ja) 1998-02-27 2003-12-22 太陽誘電株式会社 インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ
JP4427115B2 (ja) * 1998-12-04 2010-03-03 株式会社東芝 半導体装置のノイズ解析装置
US6937971B1 (en) * 1999-07-30 2005-08-30 Sun Microsystems, Inc. System and method for determining the desired decoupling components for a power distribution system having a voltage regulator module
JP3555136B2 (ja) * 2000-07-31 2004-08-18 日本精機株式会社 抵抗式液位計測装置
WO2002056145A2 (en) * 2001-01-11 2002-07-18 P C Krause And Associates Inc Circuit simulation
JP2005198433A (ja) * 2004-01-08 2005-07-21 Rohm Co Ltd 電源装置及びこれを用いた携帯機器
WO2005088876A1 (ja) * 2004-03-17 2005-09-22 Nippon Telegraph And Telephone Corporation 光伝送システム、光伝送システムの光送信装置及び光受信装置
DE102006022845B4 (de) * 2005-05-23 2016-01-07 Infineon Technologies Ag Ansteuerschaltung für eine Schaltereinheit einer getakteten Leistungsversorgungsschaltung und Resonanzkonverter
US20070085518A1 (en) * 2005-10-17 2007-04-19 Buda Paul R Phase reference generator with driving point voltage estimator
US20100017186A1 (en) * 2007-03-02 2010-01-21 Jaeha Kim Noise Model Method of Predicting Mismatch Effects on Transient Circuit Behaviors
DE102009004556A1 (de) * 2009-01-14 2010-07-15 Eads Deutschland Gmbh Fehlerdetektionsmethode für elektrische Motoren mit einem oder mehreren Sternpunkten
US8395280B2 (en) * 2010-02-16 2013-03-12 Infineon Technologies Ag Circuit arrangement including a multi-level converter
US9697308B2 (en) * 2013-04-12 2017-07-04 The Hong Kong Polytechnic University Innovation and Technology Development Office System and method for generating an electromagnetic field model
CN105453088B (zh) * 2013-07-29 2018-09-11 株式会社村田制作所 考虑到施加交流电压的电容器的静电电容值决定方法及程序
US9923385B2 (en) * 2015-06-02 2018-03-20 Cpg Technologies, Llc Excitation and use of guided surface waves
US9935452B2 (en) * 2015-11-13 2018-04-03 Allegro Microsystems, Llc Circuits and techniques for signaling between devices
US10084407B2 (en) * 2015-11-13 2018-09-25 Allegro Microsystems, Llc Circuits and techniques for voltage monitoring of a solid-state isolator
US20180096088A1 (en) * 2016-09-30 2018-04-05 Taiyo Yuden Co., Ltd. Method of constructing and method of simulating equivalent circuit for capacitor, and simulation device therefor

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20040034837A1 (en) 2002-08-19 2004-02-19 Lowther Rex E. Numerically modeling inductive circuit elements
WO2014185293A1 (ja) 2013-05-14 2014-11-20 株式会社村田製作所 コンデンサのシミュレーション方法およびコンデンサの非線形等価回路モデル
WO2014185294A1 (ja) 2013-05-14 2014-11-20 株式会社村田製作所 インダクタのシミュレーション方法およびインダクタの非線形等価回路モデル

Also Published As

Publication number Publication date
US20180276328A1 (en) 2018-09-27
JP2018160132A (ja) 2018-10-11
US10762257B2 (en) 2020-09-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10521533B2 (en) Inductor simulation method and inductor nonlinear equivalent circuit model
Williams et al. Energy stable flux reconstruction schemes for advection–diffusion problems on triangles
US8718987B2 (en) Circuit simulation model of capacitor, constructing method of simulation model, method of circuit simulation, circuit simulator
US9563728B2 (en) Equivalent circuit model, program, and recording medium
US20110173585A1 (en) Battery characteristic evaluator
US8319507B2 (en) System and method for sensing an amplifier load current
US10650180B2 (en) Capacitor simulation method and capacitor nonlinear equivalent circuit model
CN104820456A (zh) 电流源校准跟踪温度和偏置电流
US20180096088A1 (en) Method of constructing and method of simulating equivalent circuit for capacitor, and simulation device therefor
CN102822686A (zh) 用于测量电流的方法和用于此目的的设备
JP2010204869A (ja) 積層チップインダクタの等価回路モデルの回路定数解析方法及び回路シミュレーション方法
JP7043178B2 (ja) 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置
US6519538B1 (en) Method for predicting stability characteristics of power supplies
JP2002228688A (ja) 変流器の一次電流を決定する装置
JP4260161B2 (ja) 半導体集積回路のシミュレーション方法
JP2018060516A (ja) コンデンサの等価回路の構築方法,シミュレーション方法及びその装置
Kundert Modeling varactors
TW201405154A (zh) 電力資訊的獲取方法
JP2017068492A (ja) 半導体集積回路の設計支援装置、半導体集積回路の不要輻射の対策方法、コンピュータプログラム
JP6657822B2 (ja) インダクタのシミュレーションモデル
Chawda et al. An automated flow for design validation of switched mode power supply
CN111103524B (zh) 基于线性电路的扰动信号注入方法
JP4072112B2 (ja) 電力系統解析装置および電力系統解析方法
Maxim et al. A novel SPICE behavioral macromodel of operational amplifiers including a high accuracy description of frequency characteristics
Suciu et al. Comparison between the current feedback amplifier and the modern voltage feedback amplifier

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7043178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150