JP3482351B2 - インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ - Google Patents

インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ

Info

Publication number
JP3482351B2
JP3482351B2 JP04415599A JP4415599A JP3482351B2 JP 3482351 B2 JP3482351 B2 JP 3482351B2 JP 04415599 A JP04415599 A JP 04415599A JP 4415599 A JP4415599 A JP 4415599A JP 3482351 B2 JP3482351 B2 JP 3482351B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
inductance
frequency
resistance
inductance element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04415599A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11312187A (ja
Inventor
秀美 岩尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP04415599A priority Critical patent/JP3482351B2/ja
Publication of JPH11312187A publication Critical patent/JPH11312187A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3482351B2 publication Critical patent/JP3482351B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インダクタンス
素子の回路定数解析技術にかかり、更に具体的には、フ
ェライト材を使用した場合にも好適なインダクタンス素
子の等価回路,回路定数解析方法,シミュレータ,及び
記録媒体に関するものである。
【0002】
【背景技術】電子機器に対する電磁妨害(EMI)を防止
するため、電気信号ラインや電源ラインにフェライト材
を用いたインダクタンス素子を組み込むことが多い。図
20(A)には、そのモデル回路の一例が示されている。
同図において、5Vの電源電圧が印加されているインバ
ータIC10の出力側には、インダクタンス素子12が
接続されており、このインダクタンス素子12の出力側
には電送線(ケーブル)14が接続されている。そして、
この電送線14の出力側に他のインバータIC16が接
続されている。インダクタンス素子12の周波数特性
は、例えば図20(B)に示すようになる。同図中、Zは
インピーダンス,Rは抵抗分,Xはリアクタンス分を示
す。同図に示すように、周波数が高くなるに従って、リ
アクタンス分Xが減少し、抵抗分Rが増大する特性とな
っている。このような信号ラインに、パルス信号SAを
インバータ10側から入力すると、測定点PDでは、図
20(C)に示すような波形の信号が測定される。
【0003】ところで、インダクタンス素子の選定,素
子挿入による効果の確認などの作業は、従来実測に頼る
ことが多い。しかしながら、シミュレーションによって
実測に匹敵する結果を得ることができれば、実測を行う
必要がなく、検討期間も短縮されて好都合である。そこ
で、その論理的裏付けとなるインダクタンス素子の特性
を良好に表わすことができる等価回路が検討されてい
る。
【0004】このような等価回路として、図21(A)に
示すようなLsCpRp並列等価回路が一般的に知られて
いる。これは、インダクタンスLs,キャパシタンスC
p,抵抗Rpを並列に接続したものである。このような等
価回路を用いて、図20(B)に示した周波数特性を持つ
インダクタンス素子の回路定数を選定すると、以下のよ
うになる。
【0005】まず、図21(A)に示す等価回路全体のイ
ンピーダンスZは、Z=R+jXで表わされる。ここ
で、Rは抵抗分(実数分),Xはリアクタンス分(虚数
分),jは虚数単位である。そして、抵抗分Rは次の数
1式で表わされ、リアクタンス分Xは、次の数2式で表
わされる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】これらの式において、fは周波数である。
抵抗分Rが小さく、Z≒jXとなる低周波領域では、次
の数3式のようになる。周波数1MHzでリアクタンス
分Xの実測値はX=85Ωであるから、これを数3式に
代入すると、Ls=13.5μHが選定される。
【0009】
【数3】
【0010】次に、共振点では、次の数4式となる。
【0011】
【数4】 これにより、共振点での抵抗分Rの実測値Rp=640
Ωが選定される。また、Cpについては、1GHzでの
抵抗分Rの実測値R=200Ω,Ls=13.5μH,
Rp=640Ωを前記数1式に代入し、Cpについて解く
ことで、Cp=0.37pFが選定される。このように
して選定された回路定数Ls=13.5μH,Rp=64
0Ω,Cp=0.37pFを、前記図21(A)の等価回
路に適用すると、そのインピーダンス特性は、図21
(B)に示すようになる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ここで、等価回路によ
るシミュレーション結果である図21(B)と、実測値で
ある図20(B)を比較すれば明らかなように、両者は大
きく異なっており、図21(A)の等価回路では実測値を
精度よく解析できていないことが判る。特に、7.5M
Hz近傍におけるリアクタンス分Xが図21(B)では大
きすぎる。このように、図21(A)の等価回路を用いて
シミュレータを構成しても、十分な精度のシミュレーシ
ョン結果を得ることができない。
【0013】更に、図21(A)の等価回路を用いて、図
22(A)に示すインピーダンスの周波数特性を持つイン
ダクタンス素子の回路定数を選定してみる。 同様に、
10MHzでリアクタンス分Xの実測値がX=60Ωで
あるから、Ls=0.96μHが選定される。共振点で
は、1=(2πf)2LsCp,R=Rpとなるため、共振点
での抵抗分Rの実測値Rp=1170Ωが選定される。
また、Cpについては1.8GHzでの抵抗分Rの実測
値R=530Ω,Ls=0.96μH,Rp=1170Ω
を前記数1式に代入し、Cpについて解くことで、Cp=
0.094pFが選定される。
【0014】図21(A)の等価回路に対して、Ls=
0.96μH,Rp=1170Ω,Cp=0.094pF
を適用したときのインピーダンス周波数特性は、図22
(B)に示すようになる。図22の(A)と(B)は大きく異
なっており、図21(A)の等価回路では実測値を精度よ
く解析できていない。特に、200MHz付近における
リアクタンス分Xが図22(B)では大きすぎる。また、
図22(B)は、100MHz付近でリアクタンス分Xが
最大となっている点や、40MHz付近までは抵抗分R
が小さい点についても、同図(A)と大きく異なってお
り、良好に特性を近似できていない。
【0015】このような不都合は、インダクタンス素子
12に使用するフェライト材の周波数特性を図21(A)
の等価回路によって扱うことができないことに由来して
いる。フェライト材には材料固有の共鳴周波数があり、
この共鳴周波数以上の周波数領域で磁気共鳴現象を持つ
ことが知られている。このため、透磁率の減衰(インダ
クタンス素子としてみたときはインダクタンス分Xの低
下)や、固有振動周波数では透磁率の一時的な上昇が発
生する。
【0016】本発明は、これらの点に着目したもので、
その目的は、インダクタンス素子の特性を良好に表わす
ことができる精度の高い回路定数解析を行うことであ
る。他の目的は、特にフェライト材を用いたインダクタ
ンス素子に好適な回路定数解析を行うことである。
【0017】前記目的を達成するため、本発明は、イン
ダクタンス,キャパシタンス,抵抗の並列回路に対し
て、前記インダクタンスに相互インダクタンスによって
磁気的に結合しており、抵抗とインダクタンスを含む閉
回路を付加した等価回路を用いて回路定数解析を行うこ
とを特徴とする。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】
【実施形態1】……最初に、本発明の実施形態1につい
て詳細に説明する。本形態では、フェライト材を用いた
インダクタンス素子の等価回路として、図1(A)に示す
ような磁気結合回路が用いられる。同図において、上述
したLsCpRp並列回路のインダクタンスLsには、抵抗
Rm1とインダクタンスLm1を接続した閉回路が結合係数
k1で磁気的に結合しており、インダクタンスLsとLm1
との間に相互インダクタンスM1が形成されている。M1
=k1√(LsLm1)である。更に、インダクタンスLsに
は、抵抗Rm2とインダクタンスLm2を接続した閉回路が
結合係数k2で磁気的に結合しており、インダクタンス
LsとLm2との間に相互インダクタンスM2が形成されて
いる。M2=k2√(LsLm2)である。また、抵抗Rpに
は、インダクタンスLrが並列に接続されており、キャ
パシタンスCrが直列に接続されている。加えて、前記
回路の一端には、抵抗Rsが接続されている。
【0029】次に、本形態では、図2〜図5に示すフロ
ーチャートの手順で、図1(A)の等価回路の回路定数が
選定される。以下、上述した図20(B)に示した周波数
特性を持つインダクタンス素子の回路定数選定手順を説
明する。
【0030】(1)Lsの決定(ステップS10)………ま
ず、共振点以下でZ≒jXとなる周波数fLでインピー
ダンスXLを計測し、前記数3式を変形したLs=XL/
(2πfL)に代入する。本例では、図20(B)から、1
MHzでZ≒jXであり、XL=85Ω,fL=1MHz
を代入すると、Ls=13.5μHとなる。
【0031】(2)Rpの決定(ステップS12)…Z=j
Xとなる共振点における実測値Roを計測し、数4式に
代入する。図20(B)では、共振点で実測値Ro=64
0Ωであり、これからRp=640Ωとなる。
【0032】(3)Cpの決定(ステップS14〜S18)
…共振点以上の周波数帯域で、Z≒jXとなる周波数f
cと、その実測値Xcを計測する。その結果、それらが得
られたときは、Cp=1/(2πfcXc)に代入する。得
られないときは、共振点以上の周波数fhにおけるRhを
実測し、前記Ls,Rpと合わせて、以下の数5式からC
pを演算する。
【0033】
【数5】
【0034】本例では、周波数fh=1GHzにおける
実測値であるRh=200Ω,Ls=13,5μH,Rp
=640Ωを前記数5式に代入して、Cp=0.37p
Fを得る。
【0035】(4)リアクタンス分Xの決定(ステップS
20)…こうして得たLs,Rp,Cpを、前記数2式に代
入し、各周波数fに対するリアクタンス分Xの変化を表
す関係式を得る。
【0036】(5)Rm1,Lm1の決定(ステップS22〜
S26)…リアクタンス分Xについて、前記数2式によ
るグラフと、実測値のグラフを比較する。その結果、両
者の差が大きく、リアクタンス分Xを減少させたい場合
は、最も減少させたい周波数fm1を決定し、Rm1/Lm1
=2πfm1を満たすようにRm1,Lm1を決定する。そし
て、次の(6)のステップに進む。
【0037】しかし、両者の差が小さく、リアクタンス
分Xを減少させる必要がないときは、Rm1,Lm1,Rm
2,Lm2を任意選定する。ただし、Lm1≠0、Lm2≠
0,k1=0,k2=0する。なお、k1=0,k2=0と
することは、図1(A)に示した等価回路から、Rm1及び
Lm1の閉回路と、Rm2及びLm2の閉回路がそれぞれ結合
係数k1,k2で磁気結合する回路が、いずれも除かれる
ことになる。この場合は、以下の(11)のステップに進
む。
【0038】図20(B)の例では、算出値と実測値の差
が大きく、最も減少させるべき周波数はfm1=7.5M
Hzである。そこで、Rm1/Lm1=2πfm1を満たすよ
うに、Lm1=13.5μH,Rm1=635Ωとする。
【0039】(6)k1の決定(ステップS28)…周波数
fm1,Ls,Cp,Rpを、次の数6式に代入してリアク
タンスX1を算出し、減少させる実測値の目標値Xm1を
計測する。そして、それらX1,Xm1を、k1=√(2(1
−Xm1/X1))に代入して、結合定数k1を決定する。
【0040】
【数6】
【0041】図20(B)の例では、前記周波数fm1=
7.5MHzにおいて、LsCpRp並列回路におけるリ
アクタンス分の値がX1=310Ω,減少させる実測値
の目標値がXm1=240Ωであったから、これらから結
合定数k1=0.67を得る。
【0042】(7)閉ループが磁気結合したLsRpCp並
列回路のリアクタンス分算出(ステップS30)…以上の
ようにして得た回路定数Ls、Cp,Lm1,Rm1,k1
を、以下の数7式〜数9式に代入してRL,XL,Bcを
求める。そして、これらRL,XL,Rp,Bcを、以下の
数10式に代入して、各周波数に対するリアクタンス分
Xを算出する。
【0043】
【数7】
【0044】
【数8】
【0045】
【数9】
【0046】
【数10】
【0047】(8)Rm2,Lm2の決定(ステップS32〜
S36)…次に、以上のようにして得たリアクタンス分
Xを実測値と比較する。その結果、両者の差が大きく、
リアクタンス分Xを減少させたい場合は、最も減少させ
たい周波数fm2を決定し、数11式を満たすように、R
m2,Lm2を決定する。そして、次の(9)のステップに進
む。
【0048】
【数11】
【0049】しかし、両者の差が小さく、リアクタンス
分Xを減少させない場合は、Rm2,Lm2を任意に選定す
る。ただし、Lm2≠0,k2=0とし、(10)のステッ
プに進む。ここで、k2=0とすることによって、図1
(A)の等価回路から、Rm2及びLm2の直列閉回路が結合
係数k2で磁気結合する回路が除かれることになる。
【0050】図20(B)の例では、リアクタンス分Xに
ついて算出値と実測値を比較した結果、両者の差が大き
く、最も減少させるべき周波数はfm2=30MHzであ
った。そこで、前記数11式から、Lm2=13.5μ
H,Rm2=2600Ωを得る。
【0051】(9)k2の決定(ステップS38)…次に、
前記周波数fm2,Ls,Cp,Lm1,Rm1,k1を、以下
の数12式及び数13式に代入するとともに、前記数9
式に代入してRL,XL,Bcを求める。そして、これら
RL,XL,Rp,Bcを、以下の数14式に代入してリア
クタンスX2を算出する。そして、減少させる実測値の
目標値Xm2を計測するとともに、これを、数15式に代
入し、結合定数k2を決定する。
【0052】
【数12】
【0053】
【数13】
【0054】
【数14】
【0055】
【数15】
【0056】図20(B)の例では、上記周波数fm2にお
けるLsCpRp並列回路によるリアクタンスの値X2=1
85Ω,減少させる実測値の目標値Xm2=170Ω,k
1=0.67を数12式に代入し、結合定数k2=0.3
0を得る。
【0057】(10)Rpの再決定(ステップS40)…次
に、共振点の周波数fo,インピーダンスの抵抗分Ro
と、回路定数Ls,Cp,Lm1,Rm1,k1,Lm2,Rm
2,k2を、次の数16式,数17式に代入するととも
に、数9式に代入して、RL,XL,Bcを求め、更に数
18式を解いて、Rpを再決定する。
【0058】
【数16】
【0059】
【数17】
【0060】
【数18】
【0061】図20(B)の例では、RL=504Ω,XL
=4830Ω,Bc=0.283mSが得られる。また、
共振点の抵抗分Ro=640Ωを数18式に代入して、
Rp=640Ωを得た。
【0062】(11)Lr,Crの決定(ステップS42〜
S46)…次に、図20(B)において、インピーダン
スZの抵抗分Rとリアクタンス分Xが交差する周波数
と、リアクタンス分Xが最大となる周波数を比較する。
そして、両者が一致するか、又は前者が低周波側にある
場合は、Lr→∞,Cr→∞とし、次の(12)のステッ
プに進む。この場合、図1(A)の等価回路から、インダ
クタンスLrとキャパシタンスCrが除かれることにな
る。
【0063】これに対し、前者が後者よりも高周波側に
ある場合は、インピーダンスZの抵抗分Rの立ち上がり
を抑制したい周波数frLと、Rpを、Lr=Rp/(2πf
rL)に代入してLrを求める。また、インピーダンスZの
リアクタンス分Xを大きくとどめておきたい周波数frc
と、Rpを、Cr=1/(2πfrcRp)に代入してCrを求
める。
【0064】図20(B)の例では、インピーダンスZの
抵抗分Rとリアクタンス分Xが交差する周波数は6MH
z程度,リアクタンス分Xが最大となる周波数は8MH
z程度にある。このため、r→∞,Cr→∞とする。
【0065】(12)Rsの決定(ステップS48)…次
に、直流抵抗を実測し、その値をRsとする。図20
(B)の例では、直流抵抗実測値は0.28Ωであったの
で、Rs=0.28Ωとする。
【0066】以上のようにして得た各回路定数を、図1
の等価回路に適用したときの周波数特性を示すと、図1
(B)のようになる。これを図20(B)と比較すると、両
特性は非常に近似しており、図1(A)に示した等価回路
が極めて精度の高いインダクタンス素子の等価回路であ
ることが分かる。
【0067】また、以上のような解析結果により得られ
た回路定数の等価回路を、図20(A)に示したインダク
タンス素子12に当てはめ、図20(A)の回路の信号波
形をシミュレートした結果を示すと、図1(C)に示すよ
うになる。これを、前記図20(C)と比較すれば明らか
なように、図1(A)の等価回路が、極めて精度の高いシ
ミュレータを構成し得るものであることが分かる。
【0068】次に、特に閉ル−プの回路定数選定方法に
ついて説明する。抵抗Rm1とインダクタンスLm1が直列
接続した一つの閉ループが、インダクタンスLsに、結
合係数k1によって磁気結合した回路は、図6(A)のよ
うに表され、この回路のインダクタンスは、次の数19
式によって表される。
【0069】
【数19】
【0070】ここで、上述したように、Ls=13.5
μH,k1=0.67,Rm1=635Ω,Lm1=13.
5μHとしたときの回路のインダクタンスの周波数特性
を示すと、図6(B)のようになる。この図6(B)におい
て、グラフの傾きが最も大きくなる周波数は、周波数を
対数表示した関数にて前記数19式を1回微分すること
で、得られ、次の数20式のようになる。
【0071】
【数20】
【0072】これを更に1回微分し、変分が「0」とな
る条件を求めると、数11式に相当する2πf=Rm1/
Lm1となる。このようにして、Rm1とLm1の関係式が得
られる。
【0073】また、この周波数におけるインダクタンス
は、前記数19式に、2πf=Rm1/Lm1を代入するこ
とで、Ls(1−k12/2)として求められる。周波数を
乗ずることで、インピーダンスZのリアクタンス分X
と、結合係数k1の関係式であるXm1=X1(1−k12
2)が得られる。
【0074】ところで、フェライト材の透磁率は、ある
周波数から減衰を始める。そして、下限をもたず、最後
には「0」になるまで減衰し続けることが知られてい
る。しかし、一つの閉ループが磁気結合した等価回路の
インピーダンスZのインダクタンス分Xは、図6(B)に
示すように、周波数に対する変化がしだいに鈍り、下限
値Ls(1−k12)に収束してしまう。フェライト材を磁
芯に用いたインダクタンス素子の場合、前記下限値に収
束してしまう周波数域で、等価回路による特性の誤差が
大きくなることが懸念される。
【0075】そこで、本形態では、2つ目の閉ループを
用意し、誤差が大きくなる周波数域でインダクタンス分
Xが減少するように、回路定数を選定する。抵抗Rm2と
インダクタンスLm2を直列接続した2つ目の閉ループが
結合係数k2で更に磁気結合した等価回路のインピーダ
ンスZのインダクタンス分Xは、次の数21式で表され
る。
【0076】
【数21】
【0077】この式から、閉ループによる減衰の傾きが
最も大きくなる周波数は、同様に、2πf=Rm2/Lm2
として得られる。また、この周波数を、閉ループが1つ
だけの場合における前記下限値に収束する周波数域に選
定すると、その周波数における等価回路のインダクタン
ス分Xは、Ls(1−k12−k22/2)として得られる。
これに周波数を乗ずることで、図1(A)の等価回路の
インピーダンスZのリアクタンス分Xと結合係数k1の
関係式Xm2=X2(1−k22/(1−k12)/2)が得られ
る。
【0078】上述した回路定数であるLs=13.5μ
H,k1=0.67,Rm1=635Ω,Lm1=13.5
μH,k2=0.30,Rm2=2600Ω,Lm2=1
3.5μHとしたときの図1(A)の等価回路における
インダクタンス分Xの周波数特性を、図6(C)に示
す。これと、同図(B)を比較すれば明らかなように,
下限値に収束してしまう周波数が、更に高周波化されて
いる。なお、必要があれば、3つ目以降の閉ループを用
意して更に高周波化を図ることが可能である。しかし、
インダクタンス素子の共振点まで高周波化できれば、そ
れ以上は不要である。本形態では、共振点は120MH
zであるから、3つ目の開ループは特に必要とされな
い。
【0079】以上のように、本形態によれば、高い精度
でインダクタンス素子,特にフェライト材を用いたイン
ダクタンス素子の特性を表わすことができる。このた
め、図1(A)の等価回路をシミュレータに使用すれ
ば、精度の高いシミュレーションが可能となる。また、
得られた回路定数の部品を図1(A)のように接続すれ
ば、所望の特性のインダクタンス素子を得ることが可能
となる。
【0080】
【実施形態2】……次に、本発明の実施形態2について
説明する。本形態では、図7に示す等価回路が用いられ
る。この図7は、上述した図1(A)の回路の等価回路
である。前記図1(A)の等価回路は、閉回路が相互イ
ンダクタンスで磁気結合した回路構成となっている。こ
こで、相互インダクタンスの値は上述したようにして決
定されるが、そのような値の相互インダクタンスを実際
の回路で得ることは容易ではない。これに対し、図7に
示す等価回路は、相互インダクタンスがコイル素子とし
て表現されている。このため、実際に部品を接続すると
きは、図7の等価回路のほうが図1(A)の等価回路よ
りも簡便で有利である。
【0081】以下、図20(B)に示した特性を持つイ
ンダクタンス素子を、図7の等価回路で表す場合の解析
手順を説明する。なお、基本的な手順は、上述した実施
形態1と同様である。図8には、本形態の手順が示され
ている。
【0082】まず、上述した実施形態1と同様にして、
図22(A)のグラフのデータから、以下の値を得る。
Ls=13.5μH,Cp=0.37pF,Lm1=13.
5μH,Rm1=635Ω,k1=0.67,Lm2=1
3.5μH,Rm2=2600Ω,k2=0.30,Rp=
640Ω,Lr→∞,Cr→∞,Rs=0.28Ω
【0083】次に、図8に示したステップS51〜S6
2の処理を順に行う。これにより、次の値が決定され
る。Rp=640Ω,Cp=0.37pF,L1=4.5
μH,L2=9.45μH,LN1=9μH,LN2=4.
05μH,R1=635Ω,R2=2600Ω,Lo=−
0.45μH,Lr→∞,Cr→∞,Rs=0.28Ω
【0084】以上のようにして得た回路定数を、図7の
等価回路に適用したときの周波数特性は、図1(B)に
−致した。これと、実測値である図20(B)を比較す
れば明らかなように、両者はよく一致しており、本形態
も、精度の高いインダクタ素子の等価回路であることが
分かる。また、以上のような解析結果によって得られた
等価回路を、図20(A)に示したインダクタンス素子
12に当てはめ、図20(A)の回路の信号波形をシミ
ュレートした結果も、図1(C)に一致し、図20
(C)と比較すれば明らかなように、精度の高いシミュ
レーションを行うことができる。
【0085】なお、図8に示したステップS53〜S5
9に示した関係式は、次のようにして求められる。ま
ず、図1(A)に示す等価回路から図9(A)に示すよ
うに磁気結合部分の回路を取り出す。そのインピーダン
スを求めると、次の数22式に示すようになる。これを
解くと、次の数23式が得られる。
【0086】
【数22】
【0087】
【数23】
【0088】次に、図7から、磁気結合部分の等価回路
部分を図9(B)に示すように取り出す。この回路のイ
ンピーダンスは、次の数24式のようになる。これを解
くと、次の数25式が得られる。
【0089】
【数24】
【0090】
【数25】
【0091】このようにして得た数25式を、前記数2
3式と比較すれば、ステップS53〜S59に示した関
係式が導かれる。
【0092】
【実施形態3】……次に、本発明の実施形態3について
説明する。この形態は、図22(A)に示した特性を持
つインダクタンス素子を、図1(A)の等価回路で実現
するための解析手法を示す。まず、図22(A)の特性
によれば、10MHzでZ≒jXあるから、前記数3式
であるLs=XL/(2πfL)にXL=60Ω,fL=10
MHzを代入して、Ls=0.96μHを得る。次に、
共振点における実測値Ro=1170Ωから、Rp=Ro
より、Rp=1170Ωを決定する。
【0093】次に、周波数fh=1.8GHzにおける
実測値Rh=530Ω,Ls=0.96μH,Rp=11
70Ωを、前記数5式に代入して、Cp=0.09pF
を得た。こうして得られたLs、Rp、Cpを前記数5式
に代入し、各周波数に対するリアクタンス分Xを算出す
る。そして、リアクタンス分Xについて実測値と算出値
を比較する。その結果、両者の差が大きく、最もリアク
タンス分Xを減少させる必要がある周波数は、fm1=1
60MHzであった。そこで、実施形態1と同様に、R
m1/Lm1=2πfm1を満たすように、Lm1=0.96μ
H,Rm1=965Ωと決定する。
【0094】更に、上記周波数でのLsCpRp並列回路
によるリアクタンス分Xの値X1=580Ω、減少させ
る実測値の目標値Xm1=430Ωを、前記実施形態1と
同様に、k1=√(2(1−Xm1/X1))に代入し、結合定
数k1=0.72を得る。このようにして得られたLs,
Cp,Lm1,Rm1,k1を前記数7〜数10式を用いて演
算し、各周波数に対するリアクタンス分Xを算出した。
そして、リアクタンス分Xについて算出値と実測値と比
較したとき、両者の差は小さく、特に算出値を減少させ
る必要はなかった。このため、Rm2,Lm2を任意選定す
る。例えば、Rm2=965Ω,Lm2=0.96μH,k
1=0とする。
【0095】続いて、共振点の周波数fo=650MH
zと、前記回路定数Ls,Cp,Lm1,Rm1,k1,Lm
2,Rm2,k2を数16〜数18式に代入し,RL=47
0Ω,XL=2000Ω,Bc=0.367mSを求め
る。また、共振点のリアクタンス分Ro=1170Ωか
ら、Rp=1300Ωを得る。
【0096】次に、インピーダンスZの抵抗分Rとリア
クタンス分Xのグラフが交差する周波数と、リアクタン
ス分Xが最大となる周波数を図22(A)から求める
と、前者は120MHz,後者は90MHz程度であ
る。そこで、それらの周波数の値を利用して、以下のよ
うにLr,Crを求める。
【0097】図1(A)では、インダクタンスLrは抵
抗Rpに並列接続されている。このため、インダクタン
スLrのインピーダンス2πfLrの値が抵抗Rpの値を
越える周波数までは、それら並列回路の抵抗性が抑えら
れる。すなわち、それら並列回路のインピーダンスの抵
抗分の立ち上がりが抑えられる。そこで、インピーダン
スの抵抗分の立ち上がりを抑えておきたい周波数frL=
40MHzと、Rp=1300Ωを、Lr=Rp/(2πf
rL)に代入して、Lr=5.1μHを得た。
【0098】以上のインダクタンスLrと抵抗Rpの並列
回路には、キャパシタンスCrが直列接続されている。
このため、キャパシタンスCrのインピーダンス1/(2
πfCr)の値が抵抗Rpの値を下回る周波数から抵抗性
が急激に大きくなる。そこで、LrRpCr回路のインピ
ーダンスのリアクタンス分を抵抗分よりも大きくしたい
周波数frC=100MHzと、Rp=1300Ωを、Cr
=1/(2πfrC・Rp)に代入して、Cr=1.2pFを
得た。また、直流抵抗実測値は0.5Ωであったので、
Rs=0.5Ωとした。
【0099】図1(A)の等価回路に、以上のようにし
て得た回路定数を適用したときの周波数特性を示すと、
図10に示す。これを、実測値である図22(A)と比
較すれば明らかなように、本形態の等価回路によれば、
非常に高い精度でインダクタ素子の周波数特性を表現す
ることができる。
【0100】
【実施形態4】……次に、本発明の実施形態4について
説明する。本形態は、図22(A)に示す特性を持つイ
ンダクタンス素子を、図7の等価回路を図8に示す手順
に従って解析したものである。上述した実施形態3と同
様にして、Ls=0.96μH,Cp=0.09pF,L
m1=0.96μH,Rm1=965Ω,k1=0.72,
Lm2=0.96μH,Rm2=965Ω,k2=0,Rp=
1300Ω,Lr=5.1μH,Cr=1.2pF,Rs
=0.5Ωを得る。
【0101】次に、図8のステップS51〜S62に従
って、Rp=1300Ω,Cp=0.09pF,L1=
0.27μH,L2=0.96μH,LN1=0.69μ
H,LN2=0μH,R1=965Ω,R2=965Ω,L
o=0.27μH,Lr=5.1μH,Cr=1.2p
F,Rs=0.5Ωを得た。
【0102】図7の等価回路に、以上のようにして得た
回路定数を適用したときの周波数特性は、図10に一致
した。従って、本形態の等価回路でも、非常に高い精度
でインダクタ素子の周波数特性を表現することができ
る。
【0103】
【実施形態5】……次に、本発明の実施形態5について
説明する。本形態では、フェライト材を用いたインダク
タンス素子の等価回路として、図11(A)に示すような
磁気結合回路が用いられる。この回路は、上述した図1
(A)の等価回路を簡略化したもので、LsCpRp並列
回路のインダクタンスLsに、抵抗Rmとインダクタンス
Lmを接続した閉回路を、結合係数kで磁気的に結合さ
せて相互インダクタンスMを形成したものである。従っ
て、図1(A)の等価回路には存在しており、図11
(A)の等価回路には存在しない素子の回路定数を
「0」として解析すればよい。
【0104】次に、本形態では、図12に示すフローチ
ャートの手順で、等価回路の回路定数が選定される。以
下、図11(A)に示す等価回路を用い、図12の手順
に沿って、図20(B)に示した周波数特性を持つイン
ダクタンス素子の回路定数選定手順を例として説明す
る。
【0105】(1)回路定数Lsの決定(ステップS1)
………インダクタンス素子全体のインピーダンスXLを
実測する。そして、共振点以下の周波数で、Z≒jXと
なる周波数fLと実測値XLより、以下の数26式を解い
て回路定数Lsを決定する。図20(B)の例では、1MH
zでZ≒jXであり、実測値XL=17Ωであったの
で、これらを下記数26式に代入して、回路定数Ls=
2.7μHを得た。
【0106】
【数26】
【0107】(2)回路定数Rpの決定(ステップS2)
………インダクタンス素子の共振点における抵抗分の実
測値Roより、Rp=Roとして回路定数Rpを決定する。
本例では、共振点では実測値Ro=260Ωであったか
ら、Rp=RoよりRp=260Ωを得た。
【0108】(3)回路定数Cpの決定(ステップS3)
………インダクタンス素子の共振点以上の周波数で、Z
≒jXとなる周波数fCと実測値Xcより、以下の数27
式を解いて回路定数Cpを決定する。なお、測定周波数
が低く共振点以上でZ≒jXとなる周波数fCと実測値
Xcが得られていないときは、共振点以上の周波数で、
周波数fh,実測値Rh,先に決定した回路定数Ls及び
Rpを用い、以下の数28式を解いて回路定数Cpを決定
する。本例では、周波数fh=1GHzにおける実測値
Rh=124Ω,回路定数Ls=2.7μH,Rp=26
0Ωを、下記数28式に代入して、回路定数Cp=0.
65pFを得た。
【0109】
【数27】
【0110】
【数28】
【0111】(4)等価回路全体のリアクタンス分Xの
決定(ステップS4)………こうして得られた回路定数L
s,Rp,Cpを、以下に示す数29式に代入し、各周波
数に対する等価回路のリアクタンス分Xを算出する。こ
れにより、周波数に対するリアクタンス分Xの変化のグ
ラフが得られた。
【0112】
【数29】
【0113】(5)回路定数Rm,Lmの決定(ステップ
S5)………上述したように、フェライト材によってイ
ンダクタンス素子を構成したときは、その磁気共鳴現象
によりインダクタンス分が低下する。そこで、本形態で
は、この低下分を、結合等価回路Lm,Rmによって補う
こととしている。すなわち、リアクタンス分Xについ
て、実測値との差が大きく、最も減少させたい周波数f
mとの間で、以下の数30式を満たすように、Rm,Lm
を決定する。本例では、最も減少させたい周波数はfm
=15.3MHzであったので、下記数30式から、回
路定数Lm=2.7μH,Rm=260Ωを得た。
【0114】
【数30】
【0115】(6)結合係数kの決定(ステップS6)…
……周波数fmにおけるLsCpRp並列回路によるリアク
タンス分Xの値X1と、減少させる実測値の目標値X2か
ら、以下の数31式を解いて結合定数kを決定する。本
例では、リアクタンス値X1=126Ω,減少させる実
測値の目標値X2=95Ωを前記数31式に代入し、結
合定数k=0.70を得た。なお、相互インダクタンス
Mは、M=k√(LsLm)から求めることができる。
【0116】
【数31】
【0117】(7)回路定数Rpの再決定………次に、
共振点の周波数foと、回路定数Ls,Cp,Lm,Rm,
kを、以下の数32式〜数34式に代入して、RL,X
L,Bcを求め、合わせてインピーダンスの抵抗分Ro
を、数35式に代入し、Rpを再決定する。
【0118】
【数32】
【0119】
【数33】
【0120】
【数34】
【0121】
【数35】
【0122】以上のようにして得た回路定数を、図11
(A)に示す等価回路に適用して周波数特性を求めたと
ころ、図11(B)に示すようなグラフが得られた。こ
れと、実測値である前記図20(B)と比較すると、両
グラフはほぼ一致しており、本形態による解析手法が極
めて精度の高いものであることが分かる。
【0123】次に、以上の解析結果により得られた等価
回路を、図20(A)に示す信号ラインのインダクタン
ス素子12に適用し、パルス信号SAを入力した場合の
測定点PDにおける信号波形をシミュレートした結果、
図11(C)に示すような信号波形が得られた。これ
と、図20(C)を比較すれば明らかなように、本形態
によれば、極めて精度の高いシミュレーションが可能と
なる。
【0124】なお、上述した抵抗Rmとインダクタンス
Lmによる閉ループの回路定数を選定する数30式(Rm
/Lm=2πfm),すなわち閉ループの効果を最大に引
き出すためのRmとLmの関係は、以下のようにして導く
ことができる。まず、閉ループ部分を取り出して示すと
図13(A)のようになり、この回路のインダクタンス
Lは次の数36式によって表される。
【0125】
【数36】
【0126】ここで、Ls=2.7μH,k=0.7,
Rm=260Ω,Lm=2.7μHとしたときのインダク
タンスLの周波数特性を示すと、図13(B)のように
なる。この図13(B)のグラフにおいて最も大きい傾
きは、周波数を対数に変換した関数によって前記数36
式を1回微分することで得ることができ、以下の数37
式で表わされる。
【0127】
【数37】
【0128】これを更に1回微分するとともに、その変
分が「0」となる条件を求めることによって、数30式
である2πf=Rm/Lmが得られる。また、この条件を
満たす周波数におけるインダクタンスL2は、前記イン
ダクタンスLを表わす数36式に前記数30式を代入す
ることで、次の数38式のように求められる。更に、前
記数38式の両辺に周波数を乗ずることで、前記結合係
数kの関係式である数31式のX2=X1(1−k2/2)
が得られる。
【0129】
【数38】
【0130】なお、前記実施形態5において、インダク
タンス素子12(図20(A)参照)の直流抵抗分を解
析する場合には、図14(A)〜(B)に示すような抵
抗Rsが接続された等価回路を用いればよい。また、イ
ンダクタンス素子12のインピーダンスZのリアクタン
ス分Xを、複数の周波数で減衰させる必要があるとき
は、図14(C)に示すような誘導結合する閉回路を複
数設けるようにすればよい。
【0131】
【実施形態6】……次に、本発明の実施形態6を説明す
る。この形態は、図22(A)に示した特性を持つイン
ダクタンス素子を、図15(A)の等価回路を用いて解
析したものである。この等価回路は、図11(A)に示
した実施形態5の等価回路と比較して、抵抗Rpにキャ
パシタンスCrを接続した点が異なる。
【0132】まず、4MHzでZ≒jXあるから、以下
の数39式にXL=14Ω,fL=4MHzを代入し、L
s=0.56μHを得る。
【0133】
【数39】
【0134】次に、共振点では実測値Ro=350Ωで
あるから、Rp=Roより、Rp=350Ωを決定する。
【0135】次に、周波数fh=1GHzにおけるの実
測値Rh=150Ω,Ls=0.56μH,Rp=350
Ωを、以下の数40式に代入し、Cp=0.57pFを
得る。
【0136】
【数40】
【0137】次に、このようにして得たLs,Rp,Cp
を、次の数41式に代入し、各周波数に対するリアクタ
ンス分Xを表す数式を得る。
【0138】
【数41】
【0139】次に、リアクタンス分Xについて、図22
(A)の実測値と比較し、両者の差が大きく、最も減少
させるべき周波数を求める。本例では、fm=110M
Hzであったので、Rm/Lm=2πfmを満たすよう
に、Lm=0.56μH,Rm=387Ωとした。更に、
前記周波数fmにおけるLsCpRp並列回路によるリアク
タンス分の値X1=169Ω,減少させる実測値の目標
値X2=128Ωを、k=√(2−2X2/X1)に代入
し、結合定数k=0.70を得る。
【0140】続いて、共振点における周波数fo=32
0MHzと、回路定数Ls,Cp,Lm,Rm,kを、次の
数42式に代入し、RL=170Ω,XL=632Ω,B
c=1.15mSを得る。更に、インピーダンスZの抵
抗Ro=350Ωを、数43式に代入し、Rp=392Ω
を再決定した。
【0141】
【数42】
【0142】
【数43】
【0143】次に、図22(A)の実測値において、イ
ンピーダンスZのリアクタンス分Xが最大となる周波数
は、fr=60MHzであるから、Cr=1/(Lsf
r2)を解いて、Cr=12.5pFを得た。
【0144】本形態では、抵抗Rpに直列接続したキャ
パシタンスCrとインダクタンスLsが並列共振する。こ
のため、その共振点近傍におけるリアクタンス分Xが増
幅されることになる。図15(A)の等価回路に、上述
した回路定数を適用したときの周波数特性を示すと、図
15(B)に示すようになる。実測値である図22
(A)と比較すれば明らかなように、高い精度でインダ
クタ素子の特性が表現されている。
【0145】なお、本形態において、インダクタンス素
子の直流抵抗分を解析するには、図16(A)や(B)
に示すような抵抗Rsを接続した等価回路を採用すれば
よい。また、複数の周波数でリアクタンス分Xの減衰を
図る必要がある場合には、図16(C)に示すように、
誘導結合する閉回路を複数設けるようにすればよい。
【0146】
【実施形態7】……次に、本発明の実施形態7を説明す
る。この形態は、図22(B)に示した特性を持つイン
ダクタンス素子を、図17(A)の等価回路を用いて解
析したものである。この等価回路は、図15(A)に示
した実施形態6の等価回路と比較して、抵抗Rpにイン
ダクタンスLrを接続した点が異なる。
【0147】まず、図22(B)では、100MHzで
Z≒jXあるから、Ls=XL/(2πfL)にXL=66
Ω,fL=100MHzを代入し、Ls=0.105μH
を得る。共振点では、実測値Ro=380Ωであるか
ら、Rp=RoからRp=380Ωを決定する。
【0148】次に、周波数fh=1GHzにおける実測
値Rh=260Ω,Ls=0.105μH,Rp=380
Ωを、次の数44式に代入し、Cp=0.52pFを得
る。
【0149】
【数44】
【0150】次に、このようにして得たLs,Rp,Cp
を、数45式に代入し、各周波数に対するリアクタンス
分Xを表す式を得る。
【0151】
【数45】
【0152】そして、このリアクタンス分Xについて、
図22(B)の実測値と比較する。その結果、両者の差
が大きいときは、最もリアクタンス分Xを減少したい周
波数を求める。本例では、最も減少させるべき周波数
は、fm=600MHzであったので、これがRm/Lm
=2πfmを満たすように、Lm=0.105μH,Rm
=395Ωとした。また、前記周波数fmにおけるLsC
pRp並列回路のリアクタンス分の値X1=47Ω,減少
させる実測値の目標値X2=41Ωを、k=√(2−2
X2/X1)に代入し、結合定数k=0.50を得た。
【0153】続いて、共振点の周波数fo=700MH
zと、前記回路定数Ls,Cp,Lm,Rm,kを、以下の
数46式に代入し、RL=57.1Ω,XL=339Ω,
Bc=2.29mSを得る。更に、インピーダンスの抵
抗分Ro=380Ωを、数47式に代入し、Rp=445
Ωを再決定した。
【0154】
【数46】
【0155】
【数47】
【0156】次に、インピーダンスの抵抗分の立ち上が
りを抑えておきたい周波数frL=180MHzと、Rp
=445Ωを、Lr=Rp/(2πfrL)に代入し、Lr
=0.39μHを得た。最後に、インピーダンスZのリ
アクタンス分Xを大きくしておきたい周波数frc=36
0MHzと、Rp=445Ωを、Cr=1/(2πfrcR
p)に代入して、Cr=0.99pFを得た。本形態で
は、抵抗RpにインダクタンスLrが並列に接続されてい
るので、インタクタンスLrのインピーダンス2πfLr
の値が抵抗Rpの値を越える周波数までは、抵抗性が抑
えられるとともに、インピーダンスZの抵抗分Rの立ち
上がりも抑えられることになる。
【0157】更に、直列接続されているキャパシタンス
Crのインピーダンス1/(2πfCr)の値が、抵抗R
pの値を下回る周波数から抵抗性は急激に大きくなり、
その周波数までインピーダンスZのリアクタンス分Xは
大きいものとなる。
【0158】図17(A)の等価回路に、上述した回路
定数を適用したときの周波数特性を示すと、図17
(B)のようになる。これと、実測値である図22
(B)とを比較すれば明らかなように、本形態において
も、精度の高いインダクタ素子の解析が可能である。
【0159】なお、本形態において、インダクタンス素
子の直流抵抗分を解析するには、図18(A)や(B)
に示すような抵抗Rsを接続した等価回路を採用すれば
よい。また、複数の周波数でリアクタンス分Xの減衰を
図る必要がある場合には、図1(A)に示したように、
誘導結合する閉回路を複数設けるようにすればよい。
【0160】
【実施形態8】……次に、本発明の実施形態8について
説明する。本形態は、上述した解析手法を利用したイン
ダクタンス素子の周波数特性のシミュレータの実施形態
である。上述した解析手法を利用すれば、コンピュータ
システムなどを利用して、インダクタンス素子のインピ
ーダンスの周波数特性のシミュレーションを行うことが
できる。
【0161】図19には、そのようなシミュレータの構
成が示されている。同図において、シミュレータ30
は、CPUなどで構成されている演算処理部32,キー
ボードやマウスなどによって構成されている入力部3
4,メモリ36,表示部38,CD−ROMドライブ4
0,出力部37が備えている。
【0162】上述した解析手法を実行するシミュレーシ
ョンプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒
体の一つであるCD−ROM42に格納されている。こ
のCD−ROM42がCD−ROMドライブ40にセッ
トされると、シミュレーションプログラムが読み込まれ
て演算処理部32で実行される。表示部38には、入力
データ表示領域38Aと、周波数特性波形表示領域38
Bが設定されている。ユーザは、入力データ表示領域3
8Aを参照しながら、入力部34によって実測値などの
データを入力する。入力データは、メモリ36に保存さ
れるとともに、表示部38の入力データ表示領域38A
に表示される。
【0163】演算処理部32では、入力データに基づい
て、上述した演算処理が実行される。その結果、リアク
タンス素子のインピーダンスZ,抵抗分R,リアクタン
ス分Xの周波数特性が得られたときは、そのグラフを表
示部38の周波数特性グラフ表示領域38Bに表示す
る。ユーザは、このグラフを参照し、修正の必要があれ
ば、更にデータの入力や入力データの修正を行う。
【0164】上述した実施形態1の場合について説明す
ると、ユーザは、ステップS10〜S18の実測値を入
力部34によって入力する。演算処理部32は、それら
の入力に従って、ステップS10〜S20に至る演算処
理を実行する。これにより、リアクタンス分Xの周波数
特性が得られるので、これが表示部38に表示される。
ユーザは、この結果を参照して、ステップS22〜S2
6の決定を行い、該当する数値を入力する。この入力に
基づいて、演算処理部32は、ステップS28〜S30
の演算処理を実行する。これにより、修正されたリアク
タンス分Xの周波数特性が得られるので、これが表示部
38に表示される。
【0165】ユーザは、この結果を参照して、ステップ
S32〜S36の決定を行い、該当する数値を入力す
る。この入力に基づいて、演算処理部32は、ステップ
S38〜S48の演算処理を実行する。これにより、最
終的に、インピーダンスZ,抵抗分R,リアクタンス分
Xの周波数特性が得られるので、これらが表示部38に
表示される。また、最終的に確定した回路定数は、出力
部37からプリントアウトされる。
【0166】
【実施形態9】……次に、上述したインダクタンス素子
の等価回路及びその解析方法を利用した伝送回路の信号
波形のシミュレータ及びシミュレーション方法について
説明する。インダクタンス素子を含む伝送回路として、
図23のような伝送線14にインピーダンスZS,ZLが
接続された回路を想定する。この回路中、V0は入力信
号の直流分,Vは入力信号の交流分,εrは伝送線14
の実効比誘電率,Z0は伝送線14の特性インピーダン
ス,Lは伝送線14の線路長である。また、ZSは出力
インピーダンス,ZLは入力インピーダンス(負荷イン
ピーダンス)である。
【0167】このような伝送線14のP点及びQ点にお
ける電圧及び電流の関係は、次の数48式で表される。
なお、数48式において、P点における入射波の電位は
Vpf,入射波の電流はIpf,反射波の電位はVpr,反射
波の電流はIprである。また、Q点における入射波の電
位はVqf,入射波の電流はIqf,反射波の電位はVqr,
反射波の電流はIqrである。また、伝送線14の透過波
の電圧はVt,P点における反射係数はΓP,Q点におけ
る反射係数はΓQであり、入出力間の位相ずれはAであ
る。ここで、透過波の電圧Vtは、出力インピーダンス
ZS,伝送線14の特性インピーダンスZ0,入力信号の
交流分Vからなる関係式に置き換えられる。
【0168】
【数48】
【0169】更に、出力インピーダンスZSには、直列
にインダクタンス素子が接続される。このインダクタン
ス素子のインピーダンスZ1=R1+jX1の値は、上述
した実施形態で求められる。また、伝送線14のQ点に
おける電圧波形Vq,電圧スペクトラム|Va|,電流
波形Iq,電流スペクトラム|Ia|は、次の数49式で
表される。これらの数式を利用すれば、インダクタンス
素子が付加された伝送線における出力波形のシミュレー
ションを行うことができる。
【0170】
【数49】
【0171】図24には、本形態にかかるシミュレータ
の構成が示されており、図25には、本形態にかかるシ
ミュレータの動作がフローチャートとして示されてい
る。シミュレータ50の装置構成は、上述した図19と
ほぼ同様である。ただし、本形態では、CD−ROM5
2に格納されているシミュレーションプログラムは、図
24に示す動作を実行する。また、表示部54には、入
力データ・選択素子表示領域54Aと、波形表示領域5
4Bが設けられている。
【0172】(1)初期設定……まず、伝送線14の入
力側及び出力側のインピーダンスZS,ZLの条件(R,
Xの値),伝送線14の長さL,実効比誘電率εr及び
特性インピーダンスZ0の各値,入力パルスの電圧振
幅,周波数,立ち上がり時間を、入力部34によって設
定する(ステップS70)。入力された値は、表示部3
8の入力データ・選択素子表示領域54Aに表示され
る。
【0173】(2)挿入部品の選定……次に、信号配線
に挿入するインダクタンス素子を、同様に入力部34で
選定する(ステップS72)。具体的には、上述したイ
ンダクタンス素子の回路定数解析方法を利用して適切な
等価回路と回路定数を選定する。あるいは、上述したイ
ンダクタンス素子の回路定数解析方法を用いて、予め各
部品の回路定数をテーブルとしてメモリ36に格納して
おき、このテーブルを参照することによって、挿入する
インダクタンス素子に対応した回路定数を得るようにし
てもよい。選択結果は、表示部54の入力データ・選択
素子表示領域54Aに表示される。
【0174】(3)伝送特性の計算……次に、以上のよ
うにして入力された値を用いて、演算処理部32は、前
記数48式によって伝送特性を計算する(ステップS7
4)。そして、数49式によって振幅,位相を加算する
(ステップS76)。このとき、上述したインダクタン
ス素子の回路定数解析方法で得た回路定数が利用され
る。あるいは、予め、メモリ36に保存されている回路
定数の値が利用される。
【0175】(4)信号波形の表示……以上の演算の結
果を前記数53式に代入し、電圧電流波形やスペクトラ
ム波形を得る。すなわち、図20(C)に示すような信
号波形が得られる。これらの波形は、表示部54の波形
表示領域54Bに表示され(ステップS58)、オペレ
ータによって評価される(ステップS80)。そして、
もし信号波形にオーバーシュート,アンダーシュートな
どの不具合があれば、前記ステップS70又はS72に
戻って、再度初期設定やインダクタンス素子選択を行う
(ステップS80のNG)。
【0176】なお、オペレータによる評価の他に、信号
波形のオーバーシュート,アンダーシュート,立ち上が
り時間などの評価基準を予め用意しておき、この評価基
準と前記シミュレーションによって得られた信号波形を
比較して、自動的に評価判定を行うようにしてもよい。
【0177】この発明には数多くの実施形態があり、以
上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。
例えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記実施例に示した周波数,実測値,回路定数の
数値は一例であり、何らそれらに限定されるものではな
い。また、前記形態において決定された回路定数を、よ
り実測値に近づけるために、それらの近傍の値で微調整
することを妨げるものでもない。 (2)前記形態では、抵抗とインダクタンスによる磁気
結合回路が2つ等価回路に含まれることとしたが、必要
があれば、更に複数設けるようにしてもよい。例えば、
インダクタンス分が複数個所で実測値からはずれるよう
な場合に好適である。 (3)本発明は、特にフェライト材を使用したインダク
タンス素子のインピーダンス特性の解析に好適である
が、インダクタンス素子(コイル素子)一般に適用可能
である。 (4)更に、本発明によって得た回路定数の回路素子を
等価回路のように接続して、所望のインピーダンス特性
のインダクタンス素子を擬似的に得るようにしてもよ
い。
【0178】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
フェライト材の磁気共鳴現象によって生ずるインダクタ
ンス分の低下を、磁気結合回路を考慮することによって
補うこととしたので、精度の高いインダクタ素子の回路
定数解析が可能となり、フェライト材によって構成した
インダクタンス素子の周波数特性やそれを含む回路の動
作特性のシミュレーションを精度よく行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す図である。(A)は
等価回路,(B)は等価回路の特性例,(C)は等価回
路を用いた場合の信号波形例である。
【図2】前記実施形態1における解析手順を示すフロー
チャートである。
【図3】前記実施形態1における解析手順を示すフロー
チャートである。
【図4】前記実施形態1における解析手順を示すフロー
チャートである。
【図5】前記実施形態1における解析手順を示すフロー
チャートである。
【図6】図1の等価回路から閉ループ部分を取り出して
示す図である。(A)は閉ループの回路図,(B)は閉
ループが一つの場合のインダクタンスの周波数変化を示
すグラフ,(C)は実施形態1の場合のインダクタンス
の周波数変化を示すグラフである。
【図7】実施形態2の等価回路を示す回路図である。
【図8】前記実施形態2における解析手順を示すフロー
チャートである。
【図9】図8に示した関係式を導くための回路図であ
る。
【図10】実施形態3及び実施形態4の周波数特性を示
すグラフである。
【図11】実施形態5を示す図である。(A)は等価回
路,(B)は等価回路の特性例,(C)は等価回路を用
いた場合の信号波形例である。
【図12】前記実施形態5における解析手順を示すフロ
ーチャートである。
【図13】図12に示した関係式を導くための図であ
る。(A)は回路図,(B)は特性例を示すグラフであ
る。
【図14】前記実施形態5の変形例を示す回路図であ
る。
【図15】実施形態6を示す図である。(A)は等価回
路を示す回路図,(B)は特性例を示すグラフである。
【図16】前記実施形態6の変形例を示す回路図であ
る。
【図17】実施形態7を示す図である。(A)は等価回
路を示す回路図,(B)は特性例を示すグラフである。
【図18】前記実施形態7の変形例を示す回路図であ
る。
【図19】実施形態8の構成を示すブロック図である。
【図20】インダクタンス素子を使用した信号ラインを
示す図である。(A)は構成を示すブロック図,(B)
はそのインピーダンスの周波数特性のグラフ,(C)は
信号波形例を示す図である。
【図21】従来技術を示す図である。(A)は等価回路
を示す回路図,(B)はそのインピーダンス周波数特性
の一例を示す図である。
【図22】(A)はインダクタンス素子のインピーダン
ス周波数特性の他の例を示すグラフ、(B)は従来技術
による解析例を示すグラフである。
【図23】伝送回路の一例を示す回路図である。
【図24】実施形態9の構成を示すブロック図である。
【図25】実施形態9のシミュレーション手順を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
10,16…インバータIC 12…インダクタンス素子 14…電送線 30,50…シミュレータ 32…演算処理部 34…入力部 36…メモリ 37…入力部 38,54…表示部 38A…入力データ表示領域 38B…周波数特性グラフ表示領域 40…CD−ROMドライブ 42…CD−ROM 54A…入力データ・選択素子表示領域 54B…波形表示領域 Cp,Cr…等価キャパシタンス Lm,Lm1,Lm2,Lr,Ls,…等価インダクタンス M,M1,M2…等価相互インダクタンス Rm,Rm1,Rm2,Rp,Rs…等価抵抗 Z…インピーダンス R…抵抗分 X…リアクタンス分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−269255(JP,A) 特開 平7−219983(JP,A) 特開 平4−307663(JP,A) 岩尾秀美,高速ボードのEMI対策, 最適なビーズはこう選ぶ,日経エレクト ロニクス,日経BP社,1998年 9月 7日,No.725,p.137−144 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 662 G01R 27/26

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インダクタンスLs,キャパシタンスC
    p,及び抵抗Rpが並列接続された並列回路,前記抵抗
    Rpに直列に接続された他のキャパシタンスCr,前記
    抵抗Rpに並列に接続された他のインダクタンスLr,
    前記並列回路に直列に接続された他の抵抗Rs,前記イ
    ンダクタンスLsに、相互インダクタンスMによって磁
    気的に結合係数kで結合しており、抵抗Rmとインダク
    タンスLmを含む複数の閉回路,を備えたインダクタン
    ス素子の等価回路の回路定数を解析するインダクタンス
    素子の回路定数解析方法において、 共振点以下の周波数域において、インダクタンス素子の
    インピーダンスがリアクタンス分とほぼ等しくなるイン
    ピーダンスの実測値から、インダクタンスLsの回路定
    数を決定するステップ; 共振点におけるインダクタンス素子の抵抗分を実測し、
    抵抗Rpの回路定数を決定するステップ; 共振点以上の周波数域において、インダクタンス素子の
    インピーダンスがリアクタンス分とほぼ等しくなるリア
    クタンス分が得られたときはその実測値を利用して、リ
    アクタンス分が得られないときはその周波数における抵
    抗分の実測値及び前記インダクタンスLs及び抵抗Rp
    の回路定数を利用して、キャパシタンスCpの回路定数
    を決定するステップ; 以上の各ステップで得られた回路定数に基づいて、イン
    ダクタンス素子の等価回路におけるリアクタンス分の周
    波数に対する変化を算出するステップ; これによって得られた等価回路のリアクタンス分の周波
    数変化と、インダクタンス素子の実測されたリアクタン
    ス分の周波数変化を比較し、両者が近似するように、閉
    回路を構成する抵抗RmとインダクタンスLmの回路定
    数及び結合係数kを決定するステップ; 以上の各ステップで得られた回路定数を利用して、抵抗
    Rpの回路定数を再決定するステップ; インダクタンス素子のインピーダンスの抵抗分とリアク
    タンス分の実測値が一致する周波数とリアクタンス分が
    最大となる周波数の値を比較し、その結果に応じて前記
    インダクタンスLr及びキャパシタンスCrの回路定数
    を決定するステップ; 前記抵抗Rsの回路定数を決定するステップ; を含むことを特徴とするインダクタンス素子の回路定数
    解析方法。
  2. 【請求項2】 インダクタンスLs,キャパシタンスC
    p,及び抵抗Rpが並列接続された並列回路,前記イン
    ダクタンスLsに、相互インダクタンスMによって磁気
    的に結合係数kで結合しており、抵抗Rmとインダクタ
    ンスLmを含む複数の閉回路,を備えたインダクタンス
    素子の等価回路の回路定数を解析するインダクタンス素
    子の回路定数解析方法において、 インダクタンス素子のインピーダンスがリアクタンス分
    とほぼ等しくなる共振点以下の周波数でインピーダンス
    を実測し、インダクタンスLsの回路定数を決定するス
    テップ; 共振点におけるインダクタンス素子の抵抗分を実測し、
    抵抗Rpの回路定数を決定するステップ; インダクタンス素子のインピーダンスがリアクタンス分
    とほぼ等しくなる共振点以上の周波数で、リアクタンス
    分が得られたときはそれを利用して、リアクタンス分が
    得られないときはその周波数における抵抗分の実測値及
    び前記インダクタンスLs,抵抗Rpの回路定数をそれ
    ぞれ利用して、キャパシタンスCpの回路定数を決定す
    るステップ; 得られたインダクタンスLs,抵抗Rp,キャパシタン
    スCpの回路定数に基づいて、等価回路におけるリアク
    タンス分の周波数に対する変化を算出するステップ; これによって得られた等価回路のリアクタンス分の周波
    数変化と、インダクタンス素子の実測されたリアクタン
    ス分の周波数変化を比較し、リアクタンス分を減少させ
    る周波数fmを決定するとともに、その値に基づいて抵
    抗Rm,インダクタンスLmの回路定数をそれぞれ決定
    するステップ; 前記周波数fm,インダクタンスLs,キャパシタンス
    Cp,抵抗Rpの回路定数から、前記結合係数kを決定
    するステップ; を含むことを特徴とするインダクタンス素子の回路定数
    解析方法。
  3. 【請求項3】 インダクタンスLs,キャパシタンスC
    p,及び抵抗Rpが並列接続された並列回路,前記抵抗
    Rpに直列に接続された他のキャパシタンスCr,前記
    インダクタンスLsに、相互インダクタンスMによって
    磁気的に結合係数kで結合しており、抵抗Rmとインダ
    クタンスLmを含む複数の閉回路,を備えたインダクタ
    ンス素子の等価回路の回路定数を解析するインダクタン
    ス素子の回路定数解析方法において、 インダクタンス素子のインピーダンスがリアクタンス分
    とほぼ等しくなる共振点以下の周波数でインピーダンス
    を実測し、インダクタンスLsの回路定数を決定するス
    テップ; 共振点におけるインダクタンス素子の抵抗分を実測し、
    抵抗Rpの回路定数を決定するステップ; インダクタンス素子のインピーダンスがリアクタンス分
    とほぼ等しくなる共振点以上の周波数で、リアクタンス
    分が得られたときはそれを利用して、リアクタンス分が
    得られないときはその周波数における抵抗分の実測値及
    び前記インダクタンスLs,抵抗Rpの回路定数をそれ
    ぞれ利用して、キャパシタンスCpの回路定数を決定す
    るステップ; 得られたインダクタンスLs,抵抗Rp,キャパシタン
    スCpの回路定数に基づいて、等価回路におけるリアク
    タンス分の周波数に対する変化を算出するステップ; これによって得られた等価回路のリアクタンス分の周波
    数変化と、インダクタンス素子の実測されたリアクタン
    ス分の周波数変化を比較し、リアクタンス分を減少させ
    る周波数fmを決定するとともに、その値に基づいて抵
    抗Rm,インダクタンスLmの回路定数を決定するステ
    ップ; 前記周波数fm,インダクタンスLs,キャパシタンス
    Cp,抵抗Rpの回路定数から、前記結合係数kを決定
    するステップ; 以上の各ステップで得られた回路定数を利用して、抵抗
    Rpの回路定数を再決定するステップ; 実測値においてリアクタンス分が最大となる周波数の値
    から、キャパシタンスCrの回路定数を得るステップ; を含むことを特徴とするインダクタンス素子の回路定数
    解析方法。
  4. 【請求項4】 インダクタンスLs,キャパシタンスC
    p,及び抵抗Rpが並列接続された並列回路,前記抵抗
    Rpに直列に接続された他のキャパシタンスCr,前記
    抵抗Rpに並列に接続された他のインダクタンスLr,
    前記インダクタンスLsに、相互インダクタンスMによ
    って磁気的に結合係数kで結合しており、抵抗Rmとイ
    ンダクタンスLmを含む少なくとも一つの閉回路,を備
    えたインダクタンス素子の等価回路の回路定数を解析す
    るインダクタンス素子の回路定数解析方法において、 共振点以下の周波数域において、インダクタンス素子の
    インピーダンスがリアクタンス分とほぼ等しくなるイン
    ピーダンスの実測値から、インダクタンスLsの回路定
    数を決定するステップ; 共振点におけるインダクタンス素子の抵抗分を実測し、
    抵抗Rpの回路定数を決定するステップ; 共振点以上の周波数域において、インダクタンス素子の
    インピーダンスがリアクタンス分とほぼ等しくなるリア
    クタンス分が得られたときはその実測値を利用して、リ
    アクタンス分が得られないときはその周波数における抵
    抗分の実測値及び前記インダクタンスLs及び抵抗Rp
    の回路定数を利用して、キャパシタンスCpの回路定数
    を決定するステップ; 以上の各ステップで得られた回路定数に基づいて、イン
    ダクタンス素子の等価回路におけるリアクタンス分の周
    波数に対する変化を算出するステップ; これによって得られた等価回路のリアクタンス分の周波
    数変化と、インダクタンス素子の実測されたリアクタン
    ス分の周波数変化を比較し、両者が近似するように、閉
    回路を構成する抵抗RmとインダクタンスLmの回路定
    数及び結合係数kを決定するステップ; 以上の各ステップで得られた回路定数を利用して、抵抗
    Rpの回路定数を再決定するステップ; インダクタンス素子のインピーダンスの抵抗分とリアク
    タンス分の実測値が一致する周波数とリアクタンス分が
    最大となる周波数の値を比較し、その結果に応じて前記
    インダクタンスLr及びキャパシタンスCrの回路定数
    を決定するステップ; を含むことを特徴とするインダクタンス素子の回路定数
    解析方法。
  5. 【請求項5】 前記インダクタンス素子がフェライト材
    を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のインダクタンス素子の回路定数解析方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の回路定
    数解析方法に基づいて、インダクタンス素子の回路定数
    を決定するとともに、決定した回路定数に基づいてイン
    ピーダンスの周波数特性を得る機能をコンピュータによ
    って実現するためのプログラムを記録したことを特徴と
    するコンピュータ読取可能な記録媒体。
  7. 【請求項7】 伝送線の一端にインダクタンス素子が接
    続された伝送回路のシミュレーション方法であって、 伝送回路の初期条件を設定するステップ; 前記インダクタンス素子の回路定数を、請求項1〜4の
    いずれかに記載の回路定数解析方法に基づいて求め、イ
    ンダクタンス素子を選定するステップ; このステップによって選定されたインダクタンス素子の
    回路定数を用いて、所定の数式に基づく伝送特性の計算
    を行い、伝送回路の信号波形を得るステップ; を含むことを特徴とする伝送回路のシミュレーション方
    法。
  8. 【請求項8】 前記伝送回路の信号波形を評価し、その
    結果に応じて、前記初期条件の設定もしくは前記インダ
    クタンス素子の選定を行うステップを含むことを特徴と
    する請求項記載の伝送回路のシミュレーション方法。
  9. 【請求項9】 請求項記載のシミュレーション方法の
    機能をコンピュータによって実現するためのプログラム
    を記録したことを特徴とするコンピュータ読取可能な記
    録媒体。
JP04415599A 1998-02-27 1999-02-23 インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ Expired - Lifetime JP3482351B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04415599A JP3482351B2 (ja) 1998-02-27 1999-02-23 インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-64093 1998-02-27
JP6409398 1998-02-27
JP04415599A JP3482351B2 (ja) 1998-02-27 1999-02-23 インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11312187A JPH11312187A (ja) 1999-11-09
JP3482351B2 true JP3482351B2 (ja) 2003-12-22

Family

ID=26384006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04415599A Expired - Lifetime JP3482351B2 (ja) 1998-02-27 1999-02-23 インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3482351B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8620612B2 (en) 2008-12-10 2013-12-31 Taiyo Yuden Co., Ltd. Equivalent circuit of inductance element, method of analyzing circuit constant, circuit constant analysis program, device for analyzing circuit constant, circuit simulator

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7107555B2 (en) * 2003-07-31 2006-09-12 Taiyo Yuden Co., Ltd. Method and apparatus for designing high-frequency circuit, and display method for use in designing high-frequency circuit
US7350175B2 (en) * 2004-09-29 2008-03-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Circuit board design system, design data analysis method and recording medium with analysis program recorded thereon
US7680642B2 (en) 2005-01-12 2010-03-16 The Japan Research Institute, Limited Equivalent circuit for coil incorporated in circuit simulator, circuit simulator and method of preparation of same, and storage medium of circuit simulator program
JP4641246B2 (ja) * 2005-10-31 2011-03-02 株式会社日本総合研究所 回路シミュレータおよび回路シミュレータ用プログラム
JP4481838B2 (ja) * 2005-01-12 2010-06-16 株式会社日本総合研究所 回路シミュレータ、回路シミュレータの作成方法、回路シミュレータ用プログラム、および記録媒体
JP4575896B2 (ja) * 2006-04-10 2010-11-04 株式会社日本総合研究所 シミュレータ、シミュレーション方法、及びプログラム
JP5121757B2 (ja) * 2009-03-02 2013-01-16 太陽誘電株式会社 積層チップインダクタの等価回路モデルの回路定数解析方法及び回路シミュレーション方法
JP5766551B2 (ja) * 2011-08-29 2015-08-19 日置電機株式会社 等価回路パラメータ測定装置および等価回路パラメータ測定方法
JP7043178B2 (ja) 2017-03-23 2022-03-29 太陽誘電株式会社 受動素子の等価回路のシミュレーション方法及びその装置
KR102041686B1 (ko) * 2017-12-06 2019-11-27 삼성전기주식회사 인덕터 등가 회로를 저장하는 저장 장치 및 인덕터 등가 회로를 제공하는 서버

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
岩尾秀美,高速ボードのEMI対策,最適なビーズはこう選ぶ,日経エレクトロニクス,日経BP社,1998年 9月 7日,No.725,p.137−144

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8620612B2 (en) 2008-12-10 2013-12-31 Taiyo Yuden Co., Ltd. Equivalent circuit of inductance element, method of analyzing circuit constant, circuit constant analysis program, device for analyzing circuit constant, circuit simulator

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11312187A (ja) 1999-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3482351B2 (ja) インダクタンス素子,その回路定数解析方法,その記録媒体,そのシミュレータ,その等価回路,伝送回路のシミュレーション方法,その記録媒体,そのシミュレータ
US7657564B2 (en) Method for selecting a ferrite bead for a filter
JP3501674B2 (ja) プリント回路基板特性評価装置、プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体
JP3838328B2 (ja) 設計支援装置および設計支援装置に含まれるコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読みとり可能な記録媒体
EP0880311B1 (en) Electromagnetic field shielding device
US7953566B2 (en) Electromagnetic interference reduction calculation method, device, and program, and its electronic circuit
US7222033B1 (en) Electromagnetic emissions and susceptibility calculating method and apparatus
US6509742B1 (en) Electromagnetic noise measurement apparatus, electromagnetic noise measurement method and recording medium
US6321169B1 (en) Equivalent circuit of inductance element, method of analyzing circuit constants, simulator, and record media
Niewiadomski Filter handbook: a practical design guide
JP2005251223A (ja) プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体
Gavenda Near-field corrections to site attenuation
US5815414A (en) Electromagnetic field intensity calculating device
US4598260A (en) Eddy current proximeter
US8620612B2 (en) Equivalent circuit of inductance element, method of analyzing circuit constant, circuit constant analysis program, device for analyzing circuit constant, circuit simulator
US5636147A (en) Method of providing ultrasound electrical impedance matching circuits
Fischer et al. An analytical model for studying the electromagnetic radiation of power-bus structures
Dolník EMI Pre-Compliance Measurements Reveal Sources of Interference
US20040143804A1 (en) Noise suppression component selecting method and program
JP3690305B2 (ja) プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体
JPH06112048A (ja) 発振防止部材
Mei et al. Analyzing common-mode chokes for induction motor drives
Abakar et al. 3D modeling of shielding structures made by conductors and thin plates
JP3724407B2 (ja) プリント回路基板特性評価装置、プリント回路基板特性評価方法、及び記憶媒体
Spencer A review of the design of helical resonator filters

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030917

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081010

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091010

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101010

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131010

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term