JP4072112B2 - 電力系統解析装置および電力系統解析方法 - Google Patents

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Description

この発明は、電力系統の応動を模擬(シミュレート)することによって電力系統の挙動を解析する電力系統解析装置に関するものである。
電力系統シミュレータは、その実現方法に着目すると、大きく分けて以下の2種類に分類することが出来る。
その1つは、アナログシミュレータと呼ばれるもので、実際の電力系統を縮小した電気回路を構成し、その回路に電圧を印加することにより電力系統の応動を模擬するものであり、2つ目はディジタルシミュレータと呼ばれるもので、電力系統の各構成要素を数式によってモデル化し、演算機を用いてその数式を解くことにより、電力系統の応動を模擬するものである。
上記2種類の電力系統シミュレータには、それぞれ長所・短所があるため、電力系統の一部をアナログシミュレータで模擬し、残りの部分をディジタルシミュレータで模擬し、両者を接続することにより全体として1つの電力系統を模擬する方法が用いられることがある。
なお、アナログシミュレータは、その電圧が高いほうが抵抗分による誤差を小さくすることが出来るため、解析精度を上げるためにアナログシミュレータとして高電圧のものが用いられることがある。
1つの電力系統を、長距離送電線部分で、例えば第一の電力系統と第二の電力系統に分割し、第一の電力系統と第二の電力系統を別々のシミュレータでシミュレーションすることにより、全体として1つの電力系統をシミュレーションするための手法として、系統中の送電線部分で生じる伝搬遅延時間を利用したものが従来から用いられている(「電力系統解析装置におけるアナログ部とディジタル部の結合方法に関する研究」電学論B2000年,Vol.120-B No.2, 154頁)。一般にこの方式はBergeron法と呼ばれている。
なお、実際の送電線は印加される電圧および電流の波長に比べて亘長(送電線の長さ)が充分長いため、その特性を正確に模擬するためには上記Bergeron法を用いる方法が適切である。
しかしながら、一般的なアナログシミュレータでは送電線は、集中定数の抵抗、インダクタンス、キャパシタンスを組み合わせてその特性を模擬している。
前述したように、分割された第一の電力系統および第二の電力系統の2つの電力系統は、送電線を介して接続され、全体として1つの電力系統を構成している。
電力系統を従来の方式で分割した場合の構成を図12に示す。
図12において、1は第一の電力系統11を含む第一の電力系統解析装置であり、2は第二の電力系統12を含む第二の電力系統解析装置である。
破線で囲んだ符号28の部分は、送電線の等価回路であり、第一の電力系統11は第一の電力系統解析装置1上で、第二の電力系統12は第二の電力系統解析装置2上でシミュレーション(模擬)する。
送電線の等価回路28において、31および32は電圧検出器、41および42は電流検出器、51および52は履歴電流演算部、61および62は履歴電流源、71および72は抵抗である。
電圧検出器31の出力値をV、電圧検出器32の出力値をV、電流検出器41の出力値をI、電流検出器42の出力値をIとし、履歴電流演算部51の出力値をJ、履歴電流演算部52の出力値をJとすると、JおよびJは下記(1)および(2)式により与えられる。
(t)=V(t−τ)/Z + I(t−τ) ・・・(1)
(t)=V(t−τ)/Z + I(t−τ) ・・・(2)
なお、図12の抵抗71および抵抗72の値は送電線のサージインピーダンスに相当するものであり、抵抗71と抵抗72は等しい値になる。
これらの値は上記(1)式および(2)式ではZで表した。
Zの大きさは、送電線のインダクタンスをL、キャパシタンスをCとすると、
Z=(L/C)1/2 ・・・(3)
により与えられる。
また、(1)式および(2)式において、“t”は現在の時刻を表しており、“τ”は次の(4)式で表される送電線部分での伝搬遅延時間である。
τ=(L・C)1/2 ・・・(4)
次に動作について説明する。
系統の一部をアナログシミュレータで、残りの部分をディジタルシミュレータで模擬する場合には、図12の第一の電力系統解析装置1と第二の電力系統解析装置2は、一方がアナログシミュレータであり、他方がディジタルシミュレータとなる。
第一の電力系統解析装置1側の電圧および電流値はそれぞれ電圧検出器31および電流検出器41によって検出され、それらの値から履歴電流演算部51によって第二の電力系統解析装置2側の履歴電流源62の値Jが算出され、t 時間後に履歴電流源62に与えられる。
逆に第二の電力系統解析装置2側の電圧および電流値はそれぞれ電圧検出器32および電流検出器42によって検出され、それらの値から履歴電流演算部52によって装置1側の履歴電流源61の値Jが算出され、τ 時間後に履歴電流源61に与えられる。
図12に示したように、第一の電力系統解析装置1および第二の電力系統解析装置2上の電力系統(即ち、第一の電力系統11あるいは第二の電力系統12)をそれぞれ別々の電力系統解析装置上でシミュレーションし、それぞれの電圧および電流値を互いにやりとりする際には時間遅れが生じる。
例えば、第一の電力系統解析装置1側がディジタルシミュレータで第二の電力系統解析装置2側がアナログシミュレータである場合には、第一の電力系統解析装置1と第二の電力系統解析装置2の間には、ディジタルシミュレータの演算時間、D/A・A/D変換時間、アナログシミュレータのセンサの計測遅延時間といった遅れが生じる。
この時間遅れが実現象として生じる時間遅れに等しい場合、即ち、接続部の遅延時間が系統分割に用いた送電線の伝搬遅延時間と等しい場合には、安定でかつ正確なシミュレーションを行うことができる。また、接続部の遅延時間が送電線の伝搬遅延時間より短い場合には、接続部に無駄時間要素を挿入することにより安定なシミュレーションが可能である。なお、接続部(接続回路とも称す)とは、具体的には図12の送電線の等価回路28のことを指す。
図12ではアナログシミュレータ側に履歴電流源62が必要であるが、時間遅れが充分小さく、正確に指令値通りの電流を出力することが可能な電流源を実際の装置として実現することが困難である場合には、履歴電流源62と抵抗72の並列回路の部分を図13のように履歴電圧源63と抵抗72が直列に接続された回路に等価変換した回路が用いられることが多い。
「電力系統解析装置におけるアナログ部とディジタル部の結合方法に関する研究」、電学論(T,IEE Japan)B2000年,Vol.120-B No.2,154頁
図13において、接続回路(即ち、接続部である等価回路29)のアナログ側の電圧をV、接続部を流れる電流をIとし、履歴電圧計算部51の出力に応動して、履歴電圧源63から出力される電圧をVJ2とすると、VJ2は次の(5)式で表すことが出来る。
J2=V+Z×(−I) ・・・(5)
即ち、履歴電圧源63からは接続部を流れる電流に比例して大きな電圧を出力しなければならない。
系統内での地絡事故などを模擬する場合には、定常時の数倍から数十倍の大電流が接続部を流れるため、履歴電圧源63からは定常時の数倍から数十倍の電圧を出力しなければならないことになる。
また、流れる電流の自乗に比例して抵抗72の部分で損失が生じるため、履歴電圧源63としては、定常時の数倍から数十倍の高電圧が出力でき、しかも抵抗72部分での損失に相当する電力を供給できるだけの容量を持った高圧大容量の電圧増幅器(即ち、履歴電圧源63)が必要になるという問題点がある。なお、履歴電圧源は、電圧増幅器の機能も兼ね備えている。
また、アナログ回路は印加する電圧の高いものを用いたほうが抵抗分による誤差を小さくすることが出来るため、アナログシミュレータとして数キロボルトの高電圧のものが用いられることがあり、そのような場合には抵抗72の部分で莫大な損失が生じることになる。
その結果、抵抗72は損失に応じた熱を発生することになり、生じる熱を大がかりな装置で冷却する必要がある。
なお、理想的な電流源が実現でき、図13のような等価変換を行わず図12の回路での接続が可能になったとしても、高電圧アナログシミュレータ内に設けられた抵抗72ではやはり大きな損失が生じることになり、生じる熱を大がかりな装置で冷却する必要がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、接続部のアナログシミュレータ側に設ける電圧増幅器(電圧源63)が従来方式を適用する場合より低圧小容量のものでもシミュレーション系統への事故電流を流すことを可能とし、また、高電圧アナログシミュレータにBergeron法を適用した際に、サージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる電力系統解析装置を提供することを目的とする。
また、接続部のアナログシミュレータ側に設ける電圧増幅器(電圧源63)が従来方式を適用する場合より低圧で小容量のものでもシミュレーション系統への事故電流を流すことを可能とし、また、高電圧アナログシミュレータにBergeron法を適用した際に、サージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる電力系統解析方法を提供することを目的とする。
この発明に係る電力系統解析装置は、分割された第一の電力系統あるいは第二の電力系統の応動を解析するための電力系統解析装置であって、
第一の電力系統、上記第一の電力系統の出力電圧を検出する第一の電圧検出器、上記第一の電力系統の出力電流を検出する第一の電流検出器、上記第一の電圧検出器が検出する電圧値および上記第一の電流検出器が検出する電流値に基づいて上記第一の電力系統の履歴電圧値を演算して出力する履歴電圧演算部、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗が並列に接続される共に、上記第一の電力系統に接続された履歴電流源で構成された第一の電力系統解析装置と、第二の電力系統、上記第二の電力系統の出力電圧を検出する第二の電圧検出器、上記第二の電力系統の出力電流を検出する第二の電流検出器、上記第二の電圧検出器が検出する電圧値および上記第二の電流検出器が検出する電流値に基づいて上記第二の電力系統の履歴電流値を演算して出力する履歴電流演算部、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスの並列接続体を介して上記第二の電力系統に接続された履歴電圧源、上記第二の電力系統の過去の電流値に基づいて上記インダクタンスによる影響を補正するための補正電圧値を演算して出力する補正電圧演算部で構成された第二の電力系統解析装置を備え、
上記第一の電力系統解析装置の上記履歴電流源は上記第二の電力系統解析装置の上記履歴電流演算部の出力に応じて電流を出力し、上記第二の電力系統解析装置の上記履歴電圧源は上記第一の電力系統解析装置の上記履歴電圧演算部から出力される履歴電圧値に上記第二の電力系統解析装置の上記補正電圧演算部から出力される補正電圧値を加算した電圧値に応じて電圧を出力するものである。
この発明に係る電力系統解析方法は、分割された第一の電力系統あるいは第二の電力系統の応動を解析するための電力系統解析方法であって、
上記第一の電力系統には上記第二の電力系統の過去の電圧値および電流値から求まる履歴電流源、および上記履歴電流源に並列に接続される送電線のサージインピーダンス相当の抵抗を設け、上記第二の電力系統には上記第一の電力系統の過去の電圧値および電流値および上記第二の過去の電流値からから求まる履歴電圧源、および上記履歴電圧源に直列に接続される送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスを設けることにより、上記送電線の部分で上記電力系統を上記第一の電力系統側と上記第二の電力系統側に分割して模擬し、それぞれ別々に電力系統の応動を解析するものである。
この発明に係る電力系統解析装置によれば、高電圧アナログシミュレータにBergeron法を適用した際にサージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。また、シミュレーション系統に大電流を流す際に履歴電圧源から出力すべき電圧が従来方式より小さくて済むため、最大出力電圧の小さな電圧増幅器で同様の事故電流を流すことが可能となる。
また、この発明に係る電力系統解析方法によれば、高電圧アナログシミュレータにBergeron法を適用した際にサージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができ、また、シミュレーション系統に大電流を流す際に履歴電圧源から出力すべき電圧が従来方式より小さくすることができる電力系統解析方法を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
なお、各図間において、同一符号は同一あるいは相当のものを表す。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による電力系統解析装置の構成を示す図である。
図において、1は第一の電力系統解析装置、2は第二の電力系統解析装置、11は第一の電力系統、12は第二の電力系統、21は送電線の等価回路、31は第一の電力系統11の出力電圧値を検出する第一の電圧検出器、32は第二の電力系統12の出力電圧値を検出する第二の電圧検出器、41は第一の電力系統11の出力電流値を検出する第一の電流検出器、42は第二の電力系統12の出力電流値を検出する第二の電流検出器である。
また、52は第二の電力系統解析装置2に設けられ、第二の電力系統12の履歴電流値を演算する履歴電流演算部、61は第一の電力系統解析装置1に設けられた履歴電流源、71は履歴電流源61に並列に接続された抵抗、63は第二の電力系統解析装置2に設けられた履歴電圧源、72は第二の電力系統12と履歴電圧源63の間で直列に接続された抵抗、73は抵抗72と並列に接続されたインダクタンス、81は第一の電力系統11の履歴電圧を演算する履歴電圧演算部、85はインダクタンス73による影響を補正するための補正電圧を演算する補正電圧演算部、100は第一の電力系統解析装置11および第二の電力系統解析装置21を合わせた電力系統全体である。
図2は、本発明により分割可能な電力系統の例を示す。
図2に示すように、第一の電力系統11および第二の電力系統12の2つの電力系統は、分布定数線路である送電線20を介して接続されている。なお、図1の21は、本実施の形態の場合の送電線20の等価回路である。
図1において、第一の電圧検出器31の出力値をV1、第二の電圧検出器32の出力値をV、第一の電流検出器41の出力値をI、第二の電流検出器42の出力値をIとし、
履歴電流演算部52の出力値をJ、履歴電圧演算部81の出力値をVJ21とすると、Jは、従来方式であるBergeron法と同様に前記した(1)式(下記に再掲)で求められ、VJ21は下記(6)式で求められる。
(t)=V(t−τ)/Z + I(t−τ) ・・・(1)
J21(t)=Z・〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕 ・・・(6)
(6)式において、Z、t、およびτ は、従来方式と同様に、それぞれ、送電線20のサージインピーダンス、現在の時刻、および送電線部分での伝搬遅延時間を表している。
補正電圧演算部85から出力される電圧値をVHとすると、VHは下記(7)式で求められる。
(t)={Z/(Z+Ls)}・I(t−τ) ・・・(7)
(7)式において、Lは図1におけるインダクタンス73の値であり、sはラプラス演算子である。
また、τHは補正電圧演算部の遅れ時間、すなわち電流I2を計測してから補正電圧演算部85で補正電圧値を求め、履歴電圧源63に与えられるまでの遅れ時間を表している。
上記(6)式および(7)式により求められたVJ21(t)とV(t)の和をVJ2とするとVJ2は(8)式となる。
加算器91からは(8)式で表されるVJ2が出力され、履歴電圧源63の出力指令値として与えられる。
J2(t)=Z・〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+ {Z/(Z+Ls)}・I(t−τ) ・・・(8)
図1および(6)式、(7)式、(8)式により表される接続方式が、従来方式と等価(即ち、電圧電流の応答が等価)であることを以下に示す。
図3は、従来方式の接続回路の第二の電力系統12側を表しており、図4は、図3と同じ部分に本実施の形態による方式を適用した回路である。
図3および図4において、Vは当該部分の電圧を表しており、Iは当該部分を流れる電流を表している。図3のVをIおよびJで表すと、下記(9)式となる。
(t)=Z・{I(t)+J(t)} ・・・(9)
同様に、図4におけるVをIおよびJJ2で表すと、下記(10)式となる。
(t)=VJ2(t)+{Z・Ls/(Z+Ls)}・I(t)・・・(10)
(10)式に(8)式を代入すると(11)式、(12)式となる。
(t)=Z・〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+ {Z/(Z+Ls)}・I(t−τ
+ {Z・Ls/(Z+Ls)}・I(t) ・・・(11)
=Z・〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+{Z/(Z+Ls)}・{Z・I(t−τ)+Ls・I(t)}
・・・(12)
(12)式の右辺第一項の〔 〕内は(2)式で表されるJ(t)と等しい。
また、(12)式右辺第二項内のI2の遅延時間tHが充分小さく無視できると仮定すると、(12)式は次式となる。
(t)=Z・J(t)
+{Z/(Z+Ls)}・{(Z+Ls)・I(t)}・・・(13)
=Z・{I(t)+J(t)} ・・・(14)
(9)式と(14)式は等しく、本実施の形態による方式が従来方式と等価であることが分かる。但し、補正電圧演算部85の遅延時間は充分小さいものと仮定している。
補正電圧演算部85の遅延時間がゼロである場合、図1のようにサージインピーダンス相当の抵抗72と並列にインダクタンス73を挿入したときに、抵抗72を流れる電流をIZL−Zとし、インダクタンス73を挿入しない場合の電流をIとすると、IZL−Zは、(15)式で表される。
ZL−Z={Ls/(Z+Ls)}・I ・・・(15)
(15)式中のL、すなわち接続回路に挿入するインダクタンス73の値が小さいほど抵抗72を流れる電流は少なくなり、抵抗72の部分で発生する損失は少なくなる。
従来方式では接続部の高電圧アナログシミュレータ側に設けたサージインピーダンス相当の抵抗部分で大きな損失が生じ、損失に応じた莫大な熱が生じるため、大がかりな冷却装置が必要であったが、この発明の接続方式では、サージインピーダンス相当の抵抗と並列にインダクタンスを接続することにより、接続部を流れる電流の一部をインダクタンス側に流すことになり、サージインピーダンス相当の抵抗部分で生じる損失を少なくすることができる。
また、接続部を流れる電流I、サージインピーダンス相当の抵抗72の値Z、インダクタンス73の値Lを用いて履歴電圧源63から出力される電圧VJ2を表すと(16)式となる。
J2=V+{Z・Ls/(Z+Ls)}×(−I) ・・・(16)
図13の従来方式を適用した場合にはVJ2は前記の(5)式で表される。(5)式を以下に再掲する。
J2=V +Z×(−I) ・・・(5)
(5)式と(16)式とを比較すると、右辺第2項のIに対する係数が異なっており、(16)式においてLの値が無限大の場合には(5)式と同じになる。
また、Lが小さいほど(16)式のIの係数は小さくなる。
従来方式を適用した場合でも本実施の形態の方式を適用した場合でも、接続部を流れる電流Iに比例してVJ2を大きくする必要があるが、本実施の形態による方式を適用した場合には電流Iにかかる係数が小さいため、Iとして大電流が流れた場合であっても、従来方式より小さなVJ2で同様の現象を模擬することが出来る。
すなわち、例えば、系統内での地絡事故などを模擬する場合には定常時の数倍から数十倍の大電流が接続部を流れるため、従来方式では履歴電圧源63からは定常時の数倍から数十倍の電圧を出力しなければならず、履歴電圧源63として大電圧が出力可能なものが必要となるが、本実施の形態による方式であれば、従来方式に比べ最大出力電圧の小さな電圧増幅器(即ち、履歴電圧源63)で同じ事故電流を流すことが出来ることになる。
以上説明したように、本実施の形態による電力系統解析装置は、分割された第一の電力系統11と第二の電力系統12が送電線(分布定数線路)20によって接続された電力系統100を模擬(シミュレーション)し、上記第一の電力系統11あるいは上記第二の電力系統12の応動を解析するための電力系統解析装置であって、送電線20の第二の電力系統12側が高電圧アナログシミュレータで模擬されている場合、上記送電線20の第一の電力系統11側は、第一の電力系統11の過去の電圧値Vおよび電流値Iに基づいて第一の電力系統11の履歴電圧値を演算して出力する履歴電圧演算部81と、第一の電力系統12に接続され、上記第二の電力系統12の過去の電圧値Vおよび電流値Iに基づいて演算された上記第二の電力系統12の履歴電流値Jが与えられる履歴電流源61とで模擬され、送電線20の第二の電力系統12側は、第二の電力系統12の過去の電圧値Vおよび電流値Iに基づいて第二の電力系統12の履歴電流値Jを演算して、履歴電流源61に出力する履歴電流演算部52と、サージインピーダンス相当の抵抗72とインダクタンス73の並列接続対を介して第二の電力系統12に接続された履歴電圧源63と、第二の電力系統12の過去の電流値に基づいてインダクタンス73による影響を補正するための補正電圧値を演算して出力する補正電圧演算部85と、履歴電圧演算部81から出力される履歴電圧値と補正電圧演算部85から出力される補正電圧値を加算し、加算された電圧値を履歴電圧源63に与える加算器91とで模擬されていることを特徴とする。
これにより、本実施の形態による電力系統解析装置は、電力系統100を送電線(分布定数線路)20の部分で第一の電力系統11側と第二の電力系統12側に分割し、それぞれ別々に電力系統の応動を模擬することが可能となる。
しかも接続部のアナログシミュレータ側(即ち、第二の電力系統12側)に設ける電圧増幅器(即ち、履歴電圧源63)は従来よりも低圧小容量のものであってもシミュレーション系統への事故電流を流すことが可能となり、また、高電圧アナログシミュレータに適用した際には、サージインピーダンス相当の抵抗72で生じる損失を低減することができ、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2による電力系統解析装置の構成を示す図である。
図5において、86は補正電圧演算部であり、その基本的な機能は実施の形態1における補正電圧演算部85と同じであるが、演算式が異なるものである。
実施の形態1の場合、第二の電力系統解析装置2に設けられた補正電圧演算部85では(7)式で表される演算を行っている。(7)式は時定数がL/Zの一次遅れ伝達関数を電流値I2(t−τH)にかけたものである。また、実施の形態1の方式が従来方式と等価であるためには、(12)式から(13)式への変形時に仮定したように、τHすなわち(7)式の遅れ時間がゼロである必要がある。
しかしながら、実際に補正電圧VHを演算し、履歴電圧源からその電圧が出力されるまでには時間遅れが生じる。そこで本実施例の形態では、(7)式で表される一次遅れ伝達関数にτH の遅れを補償する進み制御を加えることにより、(7)式の遅れ時間による影響を小さくし、実施の形態1の接続方式の安定性および精度を向上させることが可能となる。
図6に、一次遅れ伝達関数に遅れを補償する進み制御を加えた伝達関数の動作図の一例を示す。
このような特性は、例えば、(7)式の一次遅れ伝達関数の部分を一次遅れ進み伝達関数に置き換え、下記(17)式とすることにより容易に実現することが可能である。
HT(t)={Z(1+Ts)/(Z+Ls)}・I(t−τH)・・・(17)
上記(17)式において、Tは進み時定数であり、Tを適切に設定することにより(7)式の遅れ時間を正しく補償することができる。実施形態2では(17)式で表される伝達関数を補正電圧演算部85に適用することにより、実施の形態1の接続方式の安定性および精度を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態による電力系統解析装置の補正電圧演算部86は、第二の電力系統解析装置2側に挿入したインダクタンス73の影響による補正の遅れ時間も補償するので、補正の遅れが大きい場合であってもインダクタンスによる影響を適切に補償し、実施の形態1の場合よりもさらに安定性および精度を向上させ、誤差を低減することが可能となる。
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3による電力系統解析装置の構成を示す図である。なお、92はローパスフィルタである。
前述の実施の形態1による電力系統解析装置では、第一の電力系統解析装置1と第二電力系統解析装置2の間で電圧あるいは電流値をやりとりする際には時間遅れが生じる。
また、ディジタルシミュレータ側からアナログシミュレータ側に出力される履歴電圧値VJ21は、ディジタルシミュレータの演算周期ごとにしか変化しない。そのためディジタルシミュレータの演算周期に応じたカットオフ周波数を持つローパスフィルタとして動作することになる。その結果、履歴電圧値VJ21の高周波成分に対しては、上記ローパスフィルタ特性の影響が大きく現れ、高周波成分が位相遅れを持ってディジタル側に反射され、接続方式が不安定となる場合がある。
そこで、本実施例の形態による電力系統解析装置では、履歴電圧演算部81の出力段にローパスフィルタ92を設け、ディジタルシミュレータからアナログシミュレータへ出力される履歴電圧値VJ21にローパスフィルタをかけ、必要以上の高調波成分を除去する。これにより、実施の形態1の場合よりも安定性を向上させることが可能となる。
なお、実施の形態2による電力系統解析装置に対して同様にローパスフィルタを掛けても、同様の効果を得ることが出来る。
このように、本実施の形態では、第一の電力系統解析装置1側の過去の電圧および電流値から求めた履歴電圧値にローパスフィルタを掛けることにより、高調波成分の位相遅れによる不安定性を改善し、安定性を向上させることができる。
実施の形態4.
図8は、本発明の実施の形態4による電力系統解析装置の構成を示す図である。なお、87は補正電圧演算部であり、基本的な機能は実施の形態1(図1)における補正電圧演算部85と同じであるが、演算式が異なる。また、75はキャパシタンスである。
図8において、第一の電圧検出器31の出力値をV、第二の電圧検出器32の出力値をV、第一の電流検出器41の出力値をI、第二の電流検出器42の出力値をIとし、履歴電流演算部52の出力値をJ、履歴電圧演算部81の出力値をVJ21とすると、Jは従来方式であるBergeron法と同様に上記(1)式で求められ、VJ21は実施の形態1の場合と同様に前記の(6)式で求められる。
補正電圧演算部87から出力される電圧値をVとすると、Vは下記(18)式で求められる。
(t)={ZCs/(1+ZCs)}・I(t−τH) ・・・(18)
(18)式において、Zは従来方式と同じく送電線のサージインピーダンスであり図8における72の抵抗である。Cは図8におけるキャパシタンス75の値であり、sはラプラス演算子である。また、τH は補正電圧演算部87の遅れ時間、すなわち電流Iを計測してから補正電圧演算部87において補正電圧値を求め、履歴電圧源63に与えられるまでの遅れ時間を表している。
前記(6)式より求めたVJ21(t)と上記(18)式により求められたV(t)の和をVJ2とするとV12は下記(19)式となる。加算器91からは(19)式で表されるVJ2が出力され、履歴電圧源63の出力指令値として与えられる。
J2(t)=Z〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+{ZCs/(1+ZCs)}・I(t−τ) ・・・(19)
図8および(1)式、(19)式により表される接続方式が、従来方式と等価であることを以下に示す。実施の形態1でも述べたように、図3は従来方式の接続回路の電力系統2側を表しており、図3のVをIおよびJで表すと、前記の(9)式となる。以下に(9)式を再度記す。
(t)=Z・{I(t)+J(t)} ・・・(9)
同様に、図8におけるVをIおよびJJ2で表すと、下記(20)式となる。
(t)=VJ2(t)+{Z/(1+ZCs)}・I(t) ・・・ (20)
(20)式に(19)式を代入すると(21)式、(22)式となる。
(t)=Z〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+{ZCs/(1+ZCs)}・I(t−τH
+{Z/(1+ZCs)}・I(t) ・・・(21)
=Z〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+{Z/(1+ZCs)}・{ZCs・I(t−τH)+I(t)}
・・・(22)
(22)式の右辺第一項の〔 )〕内は(2)式で表されるJ(t)と等しい。
また、(22)式右辺第二項内のIの遅延時間τH が充分小さく無視できると仮定すると、(22)式は次式となる。
(t)=ZJ(t)+{Z/(1+ZCs)}・{(ZCs+1)・I(t)}
・・・(23)
=Z{I(t)+J(t)} ・・・(24)
(9)式と(24)式は等しく、この発明の実施の形態4による方式が従来方式と等価であることが分かる。但し、補正電圧演算部87の遅延時間は充分小さいものと仮定している。
補正電圧演算部87の遅延時間がゼロである場合、図8のようにサージインピーダンス相当の抵抗72と並列にキャパシタンス75を挿入したときに、抵抗72を流れる電流をIZC−Zとし、キャパシタンス75を挿入しない場合の電流をIとすると、IZC−Zは下記の(25)式で表される。
ZC−Z={1/(1+ZCs)}・I ・・・(25)
(25)式中のC、すなわち接続回路に挿入するキャパシタンス75の値が大きいほど抵抗72を流れる電流は少なくなり、抵抗72の部分で発生する損失は少なくなる。従来方式では接続部の高電圧アナログシミュレータ側に設けたサージインピーダンス相当の抵抗部分で大きな損失が生じ、損失に応じた莫大な熱が生じるため、大がかりな冷却装置が必要であったが、この発明の接続方式では、サージインピーダンス相当の抵抗と並列にキャパシタンスを接続することにより、接続部を流れる電流の一部をキャパシタンスに流すことになり、サージインピーダンス相当の抵抗部分で生じる損失を少なくすることができる。
また、接続部を流れる電流Iおよびサージインピーダンス相当の抵抗72の値Z、キャパシタンス75の値Cを用いて履歴電圧源63から出力される電圧VJ2を表すと(26)式となる。
J2=V+{Z/(1+ZCs)}×(−I) ・・・(26)
図13の従来方式を適用した場合にはVJ2は前記(5)式で表される。(5)式を以下に再掲する。
J2=V+Z×(−I) ・・・(5)
(5)式と(26)式を比較すると、右辺第2項のJに対する係数が異なっており、(26)式においてCの値が0の場合には(5)式と同じになる。また、Cが大きいほど(26)式のIの係数は小さくなる。
従来方式を適用した場合でも本実施の形態の方式を適用した場合でも、接続部を流れる電流Iに比例してVJ2を大きくする必要があるが実施の形態4の方式を適用した場合には電流Iにかかる係数が小さいため、Iとして大電流が流れた場合であっても、従来方式より小さなVJ2で同様の現象を模擬することが出来る。すなわち、例えば系統内での地絡事故などを模擬する場合には定常時の数倍から数十倍の大電流が接続部を流れるため、従来方式では履歴電圧源63からは定常時の数倍から数十倍の電圧を出力しなければならず、履歴電圧源63として大電圧が出力可能なものが必要となるが、実施の形態4の方式であれば従来方式に比べ最大出力電圧の小さな電圧増幅器で同じ事故電流を流すことが出来ることになる。
なお、実施の形態2および実施の形態3の場合と同様に、補正電圧演算部の遅れを補正する進み制御や、ディジタルシミュレータからアナログシミュレータへの履歴電流演算部へのローパスフィルタを適用することにより、本実施の形態による方式の安定性および精度を向上させることも可能である。
以上説明したように、本実施の形態による電力系統解析装置は、分割された第一の電力系統11と第二の電力系統12が分布定数線路である送電線20によって接続された電力系統を模擬する電力系統解析装置であって、第二の電力系統11側が高電圧アナログシミュレータで模擬されている場合、送電線20の第一の電力系統11側には従来のBergeron法と同様に、第二の電力系統12の過去の電圧および電流値から求まる履歴電流源61およびそれと並列に接続されるサージインピーダンス相当の抵抗71を設け、送電線20の第二の電力系統12側には履歴電圧源63およびそれと直列に接続される抵抗72を設けるとともに、抵抗72部分での損失を低減するためのキャパシタンス75を抵抗72と並列に接続し、キャパシタンス75による影響を補償するために、第一の電力系統11の過去の電圧および電流値から求まる履歴電圧値に、第二の電力系統12の過去の電流から求まる補正値を加えたものを最終的に第二の電力系統12側の履歴電圧値とすることにより、電力系統を送電線20の部分で2分割し、それぞれ別々の電力系統解析装置で模擬することを可能とする。しかも接続部のアナログシミュレータ側に設ける電圧増幅器が従来方式を適用する場合より低圧小容量のものでもシミュレーション系統への事故電流を流すことを可能とし、また、高電圧アナログシミュレータに適用した際には、サージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。
また、シミュレーション系統に大電流を流す際に履歴電圧源から出力すべき電圧が従来方式より小さくて済むため、最大出力電圧の小さな電圧増幅器で同様の事故電流を流すことが可能となる。
実施の形態5.
図9は、本発明の実施の形態5による電力系統解析装置の構成を示す図である。なお、53は履歴電流演算部であり、基本的な機能は図12における履歴電流演算部51と同じであるが、演算式が異なる。また、95は補正電流演算部である。
図9において、第一の電圧検出器31の出力値をV、第二の電圧検出器32の出力値をV、第一の電流検出器41の出力値をI、第二の電流検出器42の出力値をIとし、履歴電流演算部52の出力値をJ、履歴電流演算部53の出力値をJ22とすると、Jは従来方式であるBergeron法と同様に前記の(1)式で求められ、J22は下記(27)式で求められる。
22(t)={Z/(Z+Ls)}・〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
・・・(27)
(27)式において、Z、t、およびτ は従来方式と同様に、それぞれ、送電線のサージインピーダンス、現在の時刻、および送電線部分での伝搬遅延時間を表している。
補正電流演算部95から出力される電流値をIとすると、Iは下記(28)式で求められる。
(t)=−{Ls/(Z+Ls)}・I(t−τ) ・・・(28)
(28)式において、Zは従来方式と同じく送電線のサージインピーダンスであり、図9における72の抵抗である。Lは図9におけるインダクタンス73の値であり、sはラプラス演算子である。また、τは補正電流演算部の遅れ時間、すなわち電流Iを計測してから補正電流演算部95で補正電流値を求め、履歴電流源62に与えられるまでの遅れ時間を表している。
上記(27)式より求めたJ22(t)と上記(28)式により求められたI(t)の和をJとすると、Jは下記の(29)式となる。加算器91からは(29)式で表されるJが出力され、履歴電流源62の出力指令値として与えられる。
(t)={Z/(Z+Ls)}・〔{V(t−τ)/Z}+I1(t−τ)〕
−{Ls/(Z+Ls)}・I(t−τ) ・・・(29)
図9および(1)式、(29)式により表される接続方式が、従来方式と等価であることを以下に示す。実施の形態1でも述べたように、図3は従来方式の接続回路の電力系統2側を表しており、図3のVをIおよびJで表すと、前記の(9)式となる。以下に(9)式を再度記す。
(t)=Z・{I(t)+J(t)} ・・・(9)
同様に、図9におけるVをIおよびJで表すと、下記(30)式となる。
(t)=(Z+Ls)・{I(t)+J(t)} ・・・(30)
(30)式に(29)式を代入すると(31)式、(32)式となる。
(t)=(Z+Ls)[I(t)+{Z/(Z+Ls)}・
〔{V(t−τ)/Z}+I1(t−τ)〕
−{Ls/(Z+Ls)}・I(t−τ)] ・・・(31)
=Z・〔{V(t−τ)/Z}+I1(t−τ)〕
+(Z+Ls)・I(t)−Ls・I(t−τ) ・・・(32)
(32)式の右辺第一項の〔 〕内は(2)式で表されるJ(t)と等しい。
また、(32)式右辺第二項内のIの遅延時間τが充分小さく無視できると仮定すると、(32)式は次式となる。
(t)=Z・J(t)+(Z+Ls−Ls)・I(t) ・・・(33)
=Z・{I(t)+J(t)} ・・・(34)
(9)式と(33)式は等しく、この発明の請求項5による方式が従来方式と等価であることが分かる。但し、補正電流演算部95の遅延時間は充分小さいものと仮定している。
補正電流演算部95の遅延時間がゼロである場合、図9のようにサージインピーダンス相当の抵抗72と直列にインダクタンス73を挿入したときに抵抗72に印加される電圧をVZL−Zとし、インダクタンス73を挿入しない場合の電圧をVとすると、VZL−Zは下記(35)式で表される。
ZL−Z={Z/(Z+Ls)}・V ・・・(35)
(34)式中のL、すなわち接続回路に挿入するインダクタンス73の値が大きいほど抵抗72に印加される電圧は小さくなり、抵抗72の部分で発生する損失は少なくなる。
従来方式では接続部の高電圧アナログシミュレータ側に設けたサージインピーダンス相当の抵抗部分で大きな損失が生じ、損失に応じた莫大な熱が生じるため、大がかりな冷却装置が必要であったが、この発明の接続方式では、サージインピーダンス相当の抵抗と直列にインダクタンスを接続することにより、サージインピーダンス相当の抵抗部分に印加される電圧が低減され、サージインピーダンス相当の抵抗部分で生じる損失を少なくすることができる。
なお、実施の形態2および実施の形態3と同様に、補正電圧演算部の遅れを補正する進み制御や、ディジタルシミュレータからアナログシミュレータへの履歴電流演算部へのローパスフィルタを適用することにより、実施の形態5の方式の安定性および精度を向上させることも可能である。
以上説明したように、本子実施の形態による電力系統解析装置は、分割された第一の電力系統11と第二の電力系統12が送電線(分布定数線路)によって接続された電力系統を模擬する電力系統解析装置であって、第二の電力系統12側が高電圧アナログシミュレータで模擬されている場合、送電線20の第一の電力系統11側には従来のBergeron法と同様に、電力系統2の過去の電圧および電流値から求まる履歴電流源61およびそれと並列に接続されるサージインピーダンス相当の抵抗71を設け、第二の電力系統12側には履歴電流源62およびそれと並列に接続される抵抗72を設けるとともに、抵抗72部分での損失を低減するためのインダクタンス73を抵抗72と直列に接続し、インダクタンス73による影響を補償するために、第一の電力系統11の過去の電圧および電流値から求まる履歴電流値に、第二の電力系統12の過去の電流から求まる補正値を加えたものを最終的に第二の電力系統12側の履歴電流値とすることにより、電力系統を送電線の部分で第一の電力系統11と第二の電力系統12に分割し、それぞれ別々の電力系統解析装置で模擬することを可能とする。しかも高電圧アナログシミュレータで模擬している第二の電力系統12側に設けたサージインピーダンス相当の抵抗72部分で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。
実施の形態6.
図10は、本発明の実施の形態6による電力系統解析装置の構成を示す図である。なお、54は履歴電流演算部であり、基本的な機能は図12における履歴電流演算部51と同じであるが、演算式が異なる。また、96は補正電流演算部である。
図10において、第一の電圧検出器31の出力値をV、第二の電圧検出器32の出力値をV、第一の電流検出器41の出力値をI、第二の電流検出器42の出力値をIとし、履歴電流演算部52の出力値をJ、履歴電流演算部54の出力値をJ22とすると、Jは従来方式であるBergeron法と同様に前記(1)式で求められ、J22は下記(36)式で求められる。
22(t)={ZCs/(1+ZCs)}・〔{V(t−τ)/Z}
+I(t−τ)〕 ・・・(36)
(36)式において、Z、t、およびτ は従来方式と同様に、それぞれ、送電線のサージインピーダンス、現在の時刻、および送電線部分での伝搬遅延時間を表している。
補正電流演算部96から出力される電流値をIとすると、Iは下記(37)式で求められる。
(t)=−{1/(1+ZCs)}・I(t−τH) ・・・(37)
(37)式において、Zは従来方式と同じく送電線のサージインピーダンスであり、図10における抵抗72である。Cは図10におけるキャパシタンス75の値であり、sはラプラス演算子である。また、τH は補正電圧演算部の遅れ時間、すなわち電流Iを計測してから補正電流演算部96で補正電流値を求め、履歴電流源62に与えられるまでの遅れ時間を表している。
上記(36)式より求めたJ22(t)と上記(37)式により求められたI(t)の和をI(t)とするとI(t)は下記(38)式となる。加算器91からは(38)式で表されるJが出力され、履歴電流源62の出力指令値として与えられる。
(t)={ZCs/(1+ZCs)}・〔{V(t−τ)/Z}
+I(t−τ)〕−{1/(1+ZCs)}・I(t−τH) ・・・(38)
図10および(1)式、(38)式により表される接続方式が、従来方式と等価であることを以下に示す。実施の形態1でも述べたように、図3は従来方式の接続回路の電力系統2側を表しており、図3のVをIおよびJで表すと、前記の(9)式となる。以下に(9)式を再度記す。
(t)=Z・{I(t)+J(t)} ・・・ (9)
同様に、図10におけるVをIおよびJで表すと、下記(39)式となる。
(t)={(1+ZCs)/Cs}・{I(t)+J(t)}・・・(39)
(39)式に(38)式を代入すると(40)式、(41)式となる。
(t)={(1+ZCs)/Cs}・
[I(t)+{ZCs/(1+ZCs)}・〔{V(t−τ)/Z}
+I(t−τ)〕−{1/(1+ZCs)}・I(t−τH)] ・・・(40)
=Z・〔{V(t−τ)/Z}+I(t−τ)〕
+{(1+ZCs)/Cs}・I(t)−{1/Cs}・I(t−τH) ・・・(41)
(41)式の右辺第一項の〔 〕内は(2)式で表されるJ(t)と等しい。また、(41)式右辺第二項内のIの遅延時間τH が充分小さく無視できると仮定すると、(41)式は次式となる。
(t)=Z・J(t)+{(1+ZCs−1)/Cs}・I(t)
・・・(42)
=Z・{I(t)+J(t)} ・・・(43)
(9)式と(43)式は等しく、この発明の実施の形態6による方式が従来方式と等価であることが分かる。但し、補正電流演算部96の遅延時間は充分小さいものと仮定している。
補正電流演算部96の遅延時間がゼロである場合、図10のようにサージインピーダンス相当の抵抗72と直列にキャパシタンス75を挿入したときに抵抗72に印加される電圧をVZC−Zとし、キャパシタンス75を挿入しない場合の電圧をVとすると、VZC−Zは下記(44)式で表される。
ZC−Z={ZCs/(1+ZCs)}・V ・・・ (44)
(44)式中のC、すなわち接続回路に挿入するキャパシタンス75の値が小さいほど
抵抗72に印加される電圧は小さくなり、抵抗72の部分で発生する損失は少なくなる。従来方式では接続部の高電圧アナログシミュレータ側に設けたサージインピーダンス相当の抵抗部分で大きな損失が生じ、損失に応じた莫大な熱が生じるため、大がかりな冷却装置が必要であったが、この発明の接続方式では、サージインピーダンス相当の抵抗と直列にキャパシタンスを接続することにより、サージインピーダンス相当の抵抗部分に印加される電圧が低減され、サージインピーダンス相当の抵抗部分で生じる損失を少なくすることができる。
なお、実施の形態2および実施の形態3と同様に、補正電圧演算部の遅れを補正する進み制御や、ディジタルシミュレータからアナログシミュレータへの履歴電流演算部へのローパスフィルタを適用することにより、実施の形態6の方式の安定性および精度を向上させることも可能である。
以上説明したように、本実施の形態による電力系統解析装置は、分割された第一の電力系統11と第二の電力系統12が送電線20によって接続された電力系統を模擬する電力系統解析装置であって、第二の電力系統12側が高電圧アナログシミュレータで模擬されている場合、送電線20の第一の電力系統11側には従来のBergeron法と同様に、第二の電力系統12の過去の電圧および電流値から求まる履歴電流源61およびそれと並列に接続されるサージインピーダンス相当の抵抗71を設け、送電線20の第二の電力系統12側には履歴電流源62およびそれと並列に接続される抵抗72を設けるとともに、上記抵抗72部分での損失を低減するためのキャパシタンス75を抵抗72と直列に接続し、キャパシタンス75による影響を補償するために、第一の電力系統11の過去の電圧および電流値から求まる履歴電流値に、第二の電力系統12の過去の電流から求まる補正値を加えたものを最終的に第二の電力系統12側の履歴電流値とすることにより、電力系統を送電線の部分で第一の電力系統11と第二の電力系統12に分割し、それぞれ別々の電力系統解析装置で模擬することを可能とするものである。しかも高電圧アナログシミュレータで模擬している電力系統2側に設けたサージインピーダンス相当の抵抗部分で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。を特徴とするものである。
実施の形態7.
図11は、本発明の実施の形態7による電力系統解析装置の構成を示す図である。
実際の送電線は印加される電圧および電流の波長に比べ亘長が充分長いため、その特性を正確に模擬するためには上記Bergeron法を用いる方法が適切である。しかしながら、一般的なアナログシミュレータでは送電線は、集中定数の抵抗、インダクタンス、キャパシタンスを組み合わせてその特性を模擬している。そのため、そのようなアナログシミュレータでは送電線部分で生じる伝搬遅延や電圧の反射といった現象を正確に模擬することは難しいという問題点がある。また、送電線の亘長に合わせて抵抗、インダクタンス、キャパシタンスの定数を調整する必要があり、解析対象となる系統に合わせて任意の送電線を模擬可能とするためには、数多くの抵抗、インダクタンス、キャパシタンスを用意しておく必要がある。このような問題点を解決するために、送電線部分をマイクロプロセッサ等によりBergeron法で模擬することも考えられるが、高電圧アナログシミュレータの場合、Bergeron法を実現する際に現れるサージインピーダンス相当の抵抗部分での損失が大きく、大がかりな冷却装置が必要になる。
また、Bergeron法を実現する際には履歴電流源が必要であるが、時間遅れが充分小さく、正確に指令値通りの電流を出力することが可能な電流源を実際の装置として実現することが困難である場合には、履歴電流源とサージインピーダンス抵抗の並列回路の部分を、履歴電圧源とサージインピーダンス抵抗が直列に接続された回路に等価変換した回路が用いられることが多い。この場合、履歴電圧源からは接続部を流れる電流に比例して大きな電圧を出力しなければならない。系統内での地絡事故などを模擬する場合には、定常時の数倍から数十倍の大電流が接続部を流れるため、履歴電圧源からは定常時の数倍から数十倍の電圧を出力しなければならないことになる。また、流れる電流の自乗に比例してサージインピーダンス抵抗の部分で損失が生じるため、履歴電圧源としては、定常時の数倍から数十倍の高電圧が出力でき、しかもサージインピーダンス抵抗部分での損失に相当する電力を供給できるだけの容量を持った高圧大容量の電圧増幅器が必要になるという問題点がある。
図11の形態で送電線部分にBergeron法を適用することにより、接続部を流れる電流の一部をインダクタンス側に流すことになり、サージインピーダンス相当の抵抗部分で生じる損失を少なくすることが可能となる。また、実施の形態1の場合と同様に、シミュレーション系統に大電流を流す際に履歴電圧源から出力すべき電圧が従来方式より小さくて済むため、最大出力電圧の小さな電圧増幅器で同様の事故電流を流すことが可能となる。
なお、実施の形態2および実施の形態3と同様に、補正電圧演算部の遅れを補正する進み制御や、ディジタルシミュレータからアナログシミュレータへの履歴電流演算部へのローパスフィルタを適用することにより、実施の形態7の方式の安定性および精度を向上させることも可能である。また、実施の形態4、実施の形態6と同様に、インダクタンスの代わりにキャパシタンスを用いる方式や、電圧源の代わりに電流源を用いる方式へも変形することが可能である。
この発明の実施の形態7による電力系統解析装置は、分割された第一の電力系統11と第二の電力系統12が送電線20によって接続された電力系統であって、両系統が共にアナログシミュレータ上で模擬された電力系統において、第一の電力系解析装置1には第二の電力系統12の過去の電圧、電流値および第二の電力系統11の過去の電流値から求まる履歴電圧源64およびそれと直列に接続される抵抗71とインダクタンス74の並列接続体を設け、第二の電力系統解析装置2には第一の電力系統11の過去の電圧、電流値および第二の電力系統12の過去の電流値から求まる履歴電圧源63およびそれと直列に接続される抵抗72とインダクタンス73の並列接続体を設けることにより、上記送電線の部分を集中定数ではなく分布定数線路として模擬し、しかも接続部に設ける電圧増幅器が従来方式を適用する場合より低圧小容量のものでもシミュレーション系統への事故電流を流すことを可能とする。また、高電圧アナログシミュレータに適用した際には、サージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。
即ち、本実施の形態による電力系統解析装置によれば、高電圧アナログシミュレータにBergeron法を適用した際にサージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、大がかりな冷却装置を不要とすることができる。また、シミュレーション系統に大電流を流す際に履歴電圧源から出力すべき電圧が従来方式より小さくて済むため、最大出力電圧の小さな電圧増幅器で同様の事故電流を流すことが可能となる。その結果、高電圧アナログシミュレータでBergeron法を適用することが可能となり分布定数線路を正しく模擬することが可能となる。
この発明は、電力系統の応動を模擬する電力系統解析装置に関し、特に高電圧アナログシミュレータにBergeron法を適用した際に、サージインピーダンス相当の抵抗部で生じる損失を低減し、冷却装置の小型化が図れる電力系統解析装置に有用である。
実施の形態1による電力系統解析装置の構成を示す図である。 本発明の適用可能な電力系統の一例を示す図である。 従来方式の高電圧アナログシミュレータ側の接続回路を示す図である。 実施の形態1による電力系統解析装置の高電圧アナログシミュレータ側の接続回路を示す図である。 実施の形態2による電力系統解析装置の構成を示す図である。 一次遅れ伝達関数と位相進み制御を加えた伝達関数の動作例を説明するための図である。 実施の形態3による電力系統解析装置の構成を示す図である。 実施の形態4による電力系統解析装置の構成を示す図である。 実施の形態5による電力系統解析装置の構成を示す図である。 実施の形態6による電力系統解析装置の構成を示す図である。 実施の形態7による電力系統解析装置の構成を示す図である。 従来の方式による電力系統シミュレータの構成例を示す図である。 従来の方式による電力系統シミュレータの他の構成例を示す図である。
符号の説明
1 第一の電力系統解析装置
2 第二の電力系統解析装置
11 第一の電力系統
12 第二の電力系統
20 送電線
21〜27 送電線の等価回路
31 第一の電圧検出器
32 第二の電圧検出器
41 第一の電流検出器
42 第二の電流検出器
52、53、54 履歴電流演算部
61、62 履歴電流源
63、64 履歴電圧源
71、72 抵抗
73、74 インダクタンス
75 キャパシタンス
81、82 履歴電圧演算部
85、86、87、88 補正電圧演算部
91 加算器
92 ローパスフィルタ
95、96 補正電流演算部
100 電力系統

Claims (10)

  1. 分割された第一の電力系統あるいは第二の電力系統の応動を解析するための電力系統解析装置であって、
    第一の電力系統、上記第一の電力系統の出力電圧を検出する第一の電圧検出器、上記第一の電力系統の出力電流を検出する第一の電流検出器、上記第一の電圧検出器が検出する電圧値および上記第一の電流検出器が検出する電流値に基づいて上記第一の電力系統の履歴電圧値を演算して出力する履歴電圧演算部、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗が並列に接続される共に、上記第一の電力系統に接続された履歴電流源で構成された第一の電力系統解析装置と、
    第二の電力系統、上記第二の電力系統の出力電圧を検出する第二の電圧検出器、上記第二の電力系統の出力電流を検出する第二の電流検出器、上記第二の電圧検出器が検出する電圧値および上記第二の電流検出器が検出する電流値に基づいて上記第二の電力系統の履歴電流値を演算して出力する履歴電流演算部、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスの並列接続体を介して上記第二の電力系統に接続された履歴電圧源、上記第二の電力系統の過去の電流値に基づいて上記インダクタンスによる影響を補正するための補正電圧値を演算して出力する補正電圧演算部で構成された第二の電力系統解析装置を備え、
    上記第一の電力系統解析装置の上記履歴電流源は上記第二の電力系統解析装置の上記履歴電流演算部の出力に応じて電流を出力し、上記第二の電力系統解析装置の上記履歴電圧源は上記第一の電力系統解析装置の上記履歴電圧演算部から出力される履歴電圧値に上記第二の電力系統解析装置の上記補正電圧演算部から出力される補正電圧値を加算した電圧値に応じて電圧を出力することを特徴とする電力系統解析装置。
  2. 上記第二の電力系統解析装置の上記補正電圧演算部が出力する補正電圧値は、補正の遅れ時間が補償されていることを特徴とする請求項1に記載の電力系統解析装置。
  3. 上記第一の電力系統解析装置はローパスフィルタを設け、上記履歴電圧演算部から出力する上記第一の電力系統の履歴電圧値はローパスフィルタが掛けられることを特徴とする請求項1または2に記載の電力系統解析装置。
  4. 上記第二の電力系統解析装置は、上記インダクタンスに代えてキャパシタンスを設け、上記補正電圧演算部は上記第二の電力系統の過去の電流値に基づいて上記キャパシタンスによる影響を補正するための補正電圧値を演算して出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力系統解析装置。
  5. 上記第二の電力系統解析装置は、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスの並列接続体を介して上記第二の電力系統に接続された履歴電圧源に代えて、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスの直列接続体が並列に接続された履歴電流源を設け、上記補正電圧演算部は上記第二の電力系統の過去の電流値に基づいて上記直列接続体のインダクタンスによる影響を補正するための補正電圧値を演算して出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力系統解析装置。
  6. 上記第二の電力系統解析装置は、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスの直列接続体に代えて、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とキャパシタンスの直列接続体を設け、上記補正電圧演算部は上記第二の電力系統の過去の電流値に基づいて上記直列接続体のキャパシタンスによる影響を補正するための補正電圧値を演算して出力することを特徴とする請求項5に記載の電力系統解析装置。
  7. 上記第一の電力系統解析装置は、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗が並列に接続される共に、上記第一の電力系統に接続された履歴電流源に代えて、送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスの並列接続体を介して上記第一の電力系統に接続された履歴電圧源を設けると共に、上記第一の電力系統の過去の電流値に基づいて上記インダクタンスによる影響を補正するための補正電圧値を演算して出力する補正電圧演算部を設け、
    上記第一の電力系統解析装置の履歴電圧源は、上記第二の電力系統解析装置に設けた履歴電圧演算部から出力される履歴電圧値に上記第一の電力系統解析装置の補正電圧演算部から出力される補正電圧値を加算した電圧値に応じて電圧を出力することを特徴とする請求項1に記載の電力系統解析装置。
  8. 上記第一の電力系統解析装置および上記第二の電力系統解析装置のそれぞれに設けた補正電圧演算部が出力する補正電圧値は、補正の遅れ時間が補償されていることを特徴とする請求項7に記載の電力系統解析装置。
  9. 上記第一の電力系統解析装置および上記第二の電力系統解析装置のそれぞれにローパスフィルタを設け、上記第一の電力系統解析装置の履歴電圧演算部から出力する上記第一の電力系統の履歴電圧値および上記第二の電力系統解析装置の履歴電圧演算部から出力する上記第二の電力系統の履歴電圧値はローパスフィルタが掛けられることを特徴とする請求項7または8に記載の電力系統解析装置。
  10. 分割された第一の電力系統あるいは第二の電力系統の応動を解析するための電力系統解析方法であって、
    上記第一の電力系統には上記第二の電力系統の過去の電圧値および電流値から求まる履歴電流源、および上記履歴電流源に並列に接続される送電線のサージインピーダンス相当の抵抗を設け、上記第二の電力系統には上記第一の電力系統の過去の電圧値および電流値および上記第二の過去の電流値からから求まる履歴電圧源、および上記履歴電圧源に直列に接続される送電線のサージインピーダンス相当の抵抗とインダクタンスを設けることにより、上記送電線の部分で上記電力系統を上記第一の電力系統側と上記第二の電力系統側に分割して模擬し、それぞれ別々に電力系統の応動を解析することを特徴とする電力系統解析方法。

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