JP7040967B2 - 車載システム - Google Patents

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Description

本発明は、自動運転機能を搭載した車両上で移動先の目的地が指定された場合に、自動運転機能を利用して目的地の近傍までの走行を制御可能な車載システムに関し、特に車両上で乗員が動画などのコンテンツを視聴するための技術に関する。
例えば、特許文献1の移動体用コンテンツ再生装置は、移動体が目的地に到着する時間に合わせてコンテンツの再生を終了させる技術を示している。具体的には、ナビゲーション部が自動車の到着予想時間を算出する。メディアプレーヤ部は、コンテンツ再生部と、到着予想時間とコンテンツの標準再生時間とに基づいてコンテンツの再生速度を設定する再生速度判断部とを有する。再生速度判断部は、到着予想時間よりも標準再生時間の方が長い場合に、再生終了時間が到着予想時間以内となるように、再生速度を標準速度よりも速める。
また、特許文献2の車載用コンテンツ再生装置は、車両の乗員構成に合わせたコンテンツの再生をユーザに提案するための技術を示している。具体的には、制御部が乗員構成検出部で検出した車両の乗員構成に基づいて同乗者の有無を判定し、同乗者がいると判定したときには音楽コンテンツ及び映像コンテンツの両方の情報をコンテンツリストにして表示装置で表示し、同乗者がいないと判定したときには音楽コンテンツの情報のみを表示装置で表示する。また、制御部は目的地までの走行予想時間を演算し、再生時間が走行予想時間よりも短いコンテンツの情報をコンテンツリストにして表示装置で表示する。
また、特許文献3のコンテンツ再生システムは、電車内で乗客にコンテンツを提供するための技術を示している。具体的には、列車運行管理システムから取得した運行情報に基づき、コンテンツの再生リストを生成し、これに基づいてコンテンツを提供する。再生リストは次の駅の到着時間に基づき、コンテンツ再生時間と既に提供した回数を考慮して作成する。このため、コンテンツ再生中の中断を防ぐことで、乗客の不快感を低減できる。コンテンツが再生される機会が増加することで、広告媒体としての価値を向上できる。
また、特許文献4の車両用情報表示装置は、停止時間に合わせて適切な長さのコンテンツを表示できるようにする技術を示している。具体的には、車両が信号機の表示にしたがって停車されるときの停止時間が予測される。選択されたコンテンツは予測された停止時間の長さと対応するように再構成される。再構成されたコンテンツが表示画面に表示される。
特開2006-31898号公報 特開2006-133006号公報 特開2010-253979号公報 特開2011-208984号公報
自動車の製造業においては、自動車のアクセル操作、ブレーキ操作、ステアリング操作などの運転操作の一部分を自動化する技術や、ほとんど全ての運転操作を乗員の代わりにコンピュータを含むシステムが自動的に実施するような自動運転の技術開発が進められている。
例えば、アクセル操作、ブレーキ操作、およびステアリング操作の全てを運転者の代わりにシステムが制御し、運転者に監視義務が生じていないような場合には、自動車の移動中であっても運転者は運転操作から解放される。そのため、自動車の移動中に運転者が再生時間の長い映画などのコンテンツを鑑賞したり、移動空間を楽しむことが可能になる。
一方、コンテンツの再生時間の長さはコンテンツ毎に異なる。また、自動車が目的地に到着するまでの残り時間の長さも現在位置と目的地との位置関係に応じて変化する。したがって、再生時間長が到着までの残り時間より長い場合には、コンテンツの再生が終了する前に自動車が目的地に到着するので、運転者は自動車の移動中にコンテンツを最後まで視聴することができず不満を感じることになる。
そのため、例えば特許文献1に示されているように、再生終了時間が到着予想時間以内となるように、コンテンツの再生速度を標準速度よりも速めることが考えられる。しかしながら、再生速度を大きく変更すると、コンテンツの視聴の際に運転者が音質などに違和感を覚える可能性がある。また、到着予想時間はあくまでも予想であるので、計算の誤差や、道路状況の変化、渋滞の発生などに伴って大きく変動する可能性がある。そのため、コンテンツの再生速度を調整しても、自動車の移動中にコンテンツの視聴が終了しなかったり、逆にコンテンツの視聴が終了してから目的地に到着するまでの残り時間が長すぎるような状況の発生も考えられる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両が自動運転で移動する間に、運転者や他の乗員が快適な状況で動画等のコンテンツを視聴することが可能な車載システムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る車載システムは、下記(1)~()を特徴としている。
(1) 自動運転機能を搭載した車両上で、移動先の目的地が指定された場合に、前記自動運転機能を利用して前記目的地の近傍までの走行を制御可能な車載システムであって、
コンテンツを再生する車載機器から目的のコンテンツの再生時間長の情報を取得する再生時間取得部と、
前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を算出する運行時間算出部と、
前記再生時間取得部が取得した前記再生時間長と、前記運行時間算出部が算出した前記予想運行時間長とを比較した結果を、少なくとも前記自動運転機能の車速制御に反映し、前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を修正する運行時間調整部と、
を備え、
前記運行時間算出部は、前記車両の運行状況変化に合わせて前記予想運行時間長を少なくとも定期的に再計算し、
前記運行時間調整部は、前記運行時間算出部による再計算の結果を前記自動運転機能の車速制御に随時反映する、
ことを特徴とする車載システム。
上記(1)の構成の車載システムによれば、前記運行時間調整部が前記再生時間長と前記予想運行時間長との比較結果を前記自動運転機能の車速制御に反映するので、目的地に車両が到着するまでの予想運行時間長を修正することができる。したがって、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、車両が目的地に到着するように制御することも可能である。しかも、コンテンツの再生速度に変更を加える必要がないので、コンテンツの視聴の際に違和感が発生するのを避けることができる。
更に、上記(1)の構成の車載システムによれば、車両の運行状況に様々な変化が発生する場合であっても、前記予想運行時間長を随時修正し、その結果を車速制御に反映することができる。したがって、例えば予期しない道路の渋滞などの影響で運行時間の予測に大きな誤差が発生する場合であっても、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、自車両が目的地に到着するように制御することが可能である。
(2) 前記運行時間調整部は、修正前の前記予想運行時間長が前記再生時間長よりも短い場合には、少なくとも前記車両の現在地からの運行開始初期における運行基準速度を標準状態に比べて下げるように自動調整する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の車載システム。
上記(2)の構成の車載システムによれば、自車両が現在地から目的地に到着するまでの間の平均的な走行速度が標準状態に比べて下がるので、前記予想運行時間長が長くなる。その結果、修正後の前記予想運行時間長を前記再生時間長に近づけることができ、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、自車両が目的地に到着するように制御することが可能である。
) 前記運行時間調整部は、ある運行区間で速度規制および渋滞発生が見込まれない場合は、少なくとも法定速度に基づいて定めた上限速度と下限速度との間の範囲内で前記車速制御の基準車速を調整する、
ことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の車載システム。
上記()の構成の車載システムによれば、前記車速制御の基準車速、すなわち車両の走行速度を、前記上限速度と下限速度との間の範囲内で必要に応じて調整できるので、前記予想運行時間長の修正の自由度が高くなる。その結果、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、車両が目的地に到着するように制御することが容易になる。
自動運転機能を搭載した車両上で、移動先の目的地が指定された場合に、前記自動運転機能を利用して前記目的地の近傍までの走行を制御可能な車載システムであって、
コンテンツを再生する車載機器から目的のコンテンツの再生時間長の情報を取得する再生時間取得部と、
前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を算出する運行時間算出部と、
前記再生時間取得部が取得した前記再生時間長と、前記運行時間算出部が算出した前記予想運行時間長とを比較した結果を、少なくとも前記自動運転機能の車速制御に反映し、前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を修正する運行時間調整部と、
を備え、
前記運行時間調整部は、前記車両が現在地から前記目的地に到着するまでの間における前記車速制御の基準車速を、事前に定めたパターン変化に従って更新する、
ことを特徴とする載システム。
上記()の構成の車載システムによれば、前記車速制御の基準車速を、事前に定めたパターン変化に従って更新するので、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、車両が目的地に到着するための制御の精度を上げることが可能である。例えば、走行速度を走行距離に応じて徐々に低下させるような制御パターンを採用する場合には、コンテンツの再生開始から早い時期に走行距離を稼ぎ時間的な余裕を確保できる。これにより、目的地に到着するまでの間に速度規制や渋滞などの予期しない事象が発生した場合でも、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、車両が目的地に到着するように制御することが容易になる。
) 前記運行時間調整部は、前記予想運行時間長が前記再生時間長よりも短い場合に、前記車載機器が目的のコンテンツを再生する際の再生速度を調整し、前記再生時間長を変更する、
上記(1)乃至()のいずれかに記載の車載システム。
上記()の構成の車載システムによれば、前記再生時間長を変更できるので、前記予想運行時間長の調整可能範囲が比較的狭い場合であっても、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、車両が目的地に到着するように制御することが容易になる。また、車両の走行速度の調整と、コンテンツの再生速度の調整とを組み合わせる場合には、再生速度を大きく変更する必要がないので、視聴時の違和感の発生を抑制できる。
本発明の車載システムによれば、車両が自動運転で移動する間に、運転者や他の乗員が快適な状況で動画等のコンテンツを視聴することが可能になる。すなわち、目的のコンテンツの再生が終了するのとほぼ同時刻に、車両が目的地に到着するように制御することが可能である。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、車載システムの主要部の構成例を示すブロック図である。 図2は、自動運転で走行する自動車の位置および状態とコンテンツの再生状態との関連の具体例を示すタイムチャートである。 図3は、自動車の4種類の走行パターンを示すグラフである。 図4は、自動運転で走行する自動車の想定される車速変化および実際の車速変化の例を示すグラフである。 図5は、複数区間のそれぞれで車速を定める場合に特徴的な制御を実施するための基本計算式および条件式を表す模式図である。 図6は、自動運転で走行する自動車が特徴的な制御を実施する場合の動作例-1を示すフローチャートである。 図7は、自動運転で走行する自動車が特徴的な制御を実施する場合の動作例-2を示すフローチャートである。 図8は、自動運転で走行する自動車が特徴的な制御を実施する場合の動作例-3を示すフローチャートである。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<車載システムの主要部の構成例>
車載システム100の主要部の構成例を図1に示す。この車載システム100は、自動車を自動運転するための機能と、動画などのコンテンツの再生を管理する機能と、コンテンツの再生と自動運転とを連携する機能を含んでいる。
図1に示した車載システムは、自動車を自動運転するために必要な構成要素として、自動運転制御部10、無線通信機器11、道路地図データベース(DB)12、位置検出部13、車載カメラ14、レーダ15、アクセル制御部16、ブレーキ制御部17、および操舵制御部18を備えている。
無線通信機器11は、無線通信により車両外部の所定のサーバと接続することにより、自車両が現在走行している道路の進行方向前方の各地点における天候の情報や交通情報などを取得することができる。無線通信機器11が取得した天候の情報や交通情報などが、入力情報SG11として自動運転制御部10に入力される。
道路地図データベース12は、自車両が現在走行している道路を含む広範囲の道路地図や、この道路に関連する様々な情報を予め蓄積し保持している。道路地図データベース12が保持している地図などの情報が入力情報SG12として自動運転制御部10に入力される。
位置検出部13は、例えばGPS(Global Positioning System)の衛星などの電波を受信して利用することにより、自車両の現在位置を表す最新の位置情報を算出することができる。この位置情報が、入力情報SG13として自動運転制御部10に入力される。
車載カメラ14は、自車両の進行方向前方、後方、側方などの周辺のそれぞれの状況を表す映像を撮影し、映像信号を出力することができる。この映像信号が入力情報SG14として自動運転制御部10に入力される。
レーダ15は、例えばミリ波などの電波を用いた探知機能により、先行車両などの障害物の有無や、先行車両と自車両との車間距離などを検出することができる。レーダ15の検出した情報が、入力情報SG15として自動運転制御部10に入力される。
アクセル制御部16は、自車両のアクセル開度を自動的に調整するために必要な電気的に制御可能なアクチュエータを備えている。自動運転制御部10が出力する制御命令SG16に従って、アクセル制御部16はアクセル開度を調整できる。
ブレーキ制御部17は、自車両のブレーキ機構に連結された電気的に制御可能なアクチュエータを備えている。自動運転制御部10が出力する制御命令SG17に従って、ブレーキ制御部17は自車両のブレーキのオンオフや制動力を制御できる。
操舵制御部18は、自車両の操舵機構に連結された電気的に制御可能なアクチュエータを備えている。自動運転制御部10が出力する制御命令SG18に従って、操舵制御部18は自車両の操舵機構を動かしたり、運転者の操舵力を補助するための助勢トルクを発生することができる。
自動運転制御部10は、自動車の自動運転の制御を行うための電子制御ユニット(ECU)であって、例えば日本政府や米国運輸省道路交通***(NHTSA)が規定している自動化レベルのレベル2(LV2)やレベル3(LV3)の自動運転に対応する機能を搭載している。なお、自動車の操舵を運転者が実施し、車速だけを自動運転制御部10が自動制御する場合でも本発明は実施できる。
自動運転機能のレベル2では、車両の加速、操舵、制動のうち複数の操作をシステムが自動的に実施する。但し、レベル2では、運転者は常時、運転状況を監視して必要に応じて運転操作を実施する必要がある。
一方、レベル3では、車両の加速、操舵、制動の制御を全てシステムが実施するので、通常は運転者は運転の状況を監視するだけでよい。また、必ずしも運転者が状況を監視する必要はない。但し、レベル3の場合であっても、緊急時やシステムの精度が低下する場合にシステムが要請したときは、この要請に運転者が応じる必要がある。つまり、運転の責任をシステムから運転者の手動操作にハンドオーバして、レベル3からそれよりも自動化率の低いレベル2などに移行する必要がある。また、同じレベル内でも、自車両の自動運転中に、ステアリングホイールに手を添える、運転者が監視義務を負う、ウィンカー操作を起点とした車線変更の開始、システムの判断に対する運転者の承認などの運転者の補助が不要な走行状態から、これらのいずれかの補助が必要な走行状態に移行する場合もある。つまり、運転制御が自動で実行される第1状態から、当該第1状態よりも運転者による運転制御への関与の度合いが大きい第2状態に移行する場合がある。
自動運転制御部10は、制御命令SG16を利用してアクセル制御部16に指示を与えることにより自車両の加速制御を行うことができる。また、自動運転制御部10は、制御命令SG17を利用してブレーキ制御部17に指示を与えることにより自車両の制動制御を行うことができる。また、自動運転制御部10は制御命令SG18を利用して操舵制御部18に指示を与えることにより、自車両の操舵制御を行うことができる。
また、自動運転制御部10は車載カメラ14の映像を解析することにより、走行レーン境界の各白線や自車両の左右方向の位置を把握して、左右方向の適切な自車両の位置を算出したり、前方の道路のカーブの状況などを把握できる。したがって、自動運転制御部10は例えば自車両が道路上の走行レーンの中央位置を走行するように自動的に制御する車線維持補助機能を実現できる。
また、自動運転制御部10は車載カメラ14の映像を解析した結果や、レーダ15が検出した先行車両の位置や距離情報に基づいて、例えば先行車両と自車両との間の車間距離が安全な範囲内に維持されるように加速及び減速を自動的に実施することができる。つまり、ACC(Adaptive Cruse Control System)を実現できる。
また、自動運転制御部10は、事前に定めた目標地点、位置検出部13が検出した現在位置、道路地図データベース12の道路地図、無線通信機器11が取得した交通情報などに基づいて、自車両が走行すべき道路上の適切な走行経路を算出したり、この先の道路状況の変化を予測することができる。また、車載カメラ14の実際の映像の解析結果を反映することにより、予測精度を上げることもできる。
また、自動運転制御部10は、運転者のスイッチ操作等により発生する自動/手動切替指示を受け付けて、あるいは運転者による手動運転操作の開始を検知することにより、レベル3からそれよりも自動化率の低いレベル2などに移行するためのハンドオーバを実施することができる。
また、自動運転制御部10は、車載カメラ14の映像の解析結果や、レーダ15が検出した距離情報などに基づいて、安全の確保が難しい状況を検出することができる。例えば、自車両とその近傍に存在する他車両とが接触する可能性のある時刻までの残り時間TTC(Time To Collision)等に基づいて時間余裕を把握することにより、安全の確保が難しいような状況を検出できる。時間TTCは、例えば次式により算出できる。
TTC=(自車両と対象物との間の距離)/(相対速度)
したがって、自動運転制御部10は、安全の確保が難しい状況を検知した場合には、運転者に対してハンドオーバを要求する。
操作部21は、例えばタッチパネルや音声入力認識などのデバイスを用いて運転者の入力操作を受け付けることができる。本実施形態では、自車両の行き先である目的地を特定する目的地情報SG21と、自車両の走行速度の指定値を表す設定車速情報SG22と、自車両が目的地に到着するまでの時間の長さを表す旅行時間情報SG23とを運転者が操作部21に入力できる場合を想定している。
コンテンツ管理部22は、例えば映画のように再生時間の長い動画を含む様々な種類のコンテンツの再生等を管理する機能を有している。なお、コンテンツ管理部22が再生するコンテンツのデータについては、車両上の記憶装置に予め蓄積しておいてもよいし、無線通信を利用して車両外部のサーバから取得してもよい。
コンテンツ管理部22が再生するコンテンツの映像は、表示出力デバイス23に出力される。表示出力デバイス23は、例えば車両に搭載されているメータユニットやセンターディスプレイのように、この車両を運転席で運転している乗員が容易に視認可能な位置に配置されている表示機器である。また、コンテンツ管理部22が再生するコンテンツの音声は、車内に設置されたスピーカなどの音出力デバイス24に出力される。
旅行時間管理部25は、操作部21から入力される旅行時間情報SG23と、自動運転制御部10から入力される残区間距離情報SG24と、コンテンツ管理部22から入力される残り時間情報SG25とに基づいて、設定車速情報SG26を生成する。旅行時間管理部25が出力する設定車速情報SG26は、自動運転中の様々な状況の変化を反映して定期的に変動する場合がある。旅行時間管理部25における具体的な制御の内容については、後で詳細に説明する。
車速設定部26は、操作部21から入力される設定車速情報SG22と、旅行時間管理部25から入力される設定車速情報SG26とに基づいて決定した設定車速情報SG27を自動運転制御部10に出力する。車速設定部26が設定車速情報SG27を決定する際には、運転者が指定した設定車速情報SG22と、運転者が指定した旅行時間情報SG23と、コンテンツ管理部22が再生するコンテンツの終了までの残り時間情報SG25とのいずれかを優先するように必要に応じて切り替えることができる。
<車両の状態とコンテンツとの関連の具体例>
自動運転で走行する自動車の位置および状態とコンテンツの再生状態との関連の具体例を図2に示す。
図2に示した例では、時刻t11において運転者の指定した設定車速情報SG22に従い、100[km/h]の車速を基準として制御するように、自動運転制御部10が自動運転の走行を開始している。また、その後の時刻t12において、コンテンツ管理部22が運転者の指定した動画のコンテンツ再生を開始している。
また、時刻t11で決定された100[km/h]の車速に従って目的地まで自動運転を継続する場合には、時刻t14で目的地に到着して自動運転が終了することが想定される。また、実際には目的地に到着する少し手前の時刻t13でハンドオーバ(H/O)要求が発生し、自動運転から手動運転に切り替える必要があるので、運転者がコンテンツの視聴を継続できる区間は時刻t13までとなる。
また、図2の例では、時刻t12からt13の間の区間の残り走行距離が90[km]、再生するコンテンツの再生時間長が60分の場合を想定している。したがって、コンテンツの視聴が終了する予定は時刻t13から6分間を経過した後の時刻t15であり、車速が100[km/h]で一定の場合は、運転者が手動運転を開始する時刻t13までの間に、運転者がコンテンツを最後まで視聴することはできない。これにより、運転者が不満を感じることになる。
そこで、図1に示した車載システム100においては、コンテンツの視聴に関する運転者の不満を解消するために、旅行時間管理部25が、例えば図2に示した各ステップS01、S02の少なくとも一方を実施する。
ステップS01の処理では、コンテンツの再生を開始する時刻t12の近傍で、旅行時間管理部25が、コンテンツの再生時間長(60分)に合わせて設定車速情報SG26を90[km/h]に自動調整する。これにより、自動運転制御部10は車速の基準値を90[km/h]に変更して自動運転を継続する。
ステップS02の処理では、時刻t12~t13の間で、旅行時間管理部25が随時、設定車速情報SG26を自動調整する。すなわち、様々な状況の変化に適応して結果を最適化するように例えば定期的に調整する。具体的には、道路の混雑により実際の車速が基準値に比べて低下することが見込まれる。また、目的地までの全区間で法定速度が同一であるとは限らない。また、渋滞予測や規制情報に基づいて通過経路を変更したり、経路の途中で予定に休憩を追加する場合もある。更に、コンテンツの再生において、早送りや巻き戻しが行われる可能性もある。このような変化をS02で定期的に検出し、手動運転が必要になる予定時刻と、コンテンツの再生が終了する時刻とがほぼ同じになるように、設定車速情報SG26を修正する。
<自動運転の場合の設定車速の具体的な決定方法>
ある予定区間xを自動車が自動運転で走行する場合に、自動運転制御部10が制御の基準値とする設定車速SP_xは、以下のように定めることが望ましい。
(a)区間xで速度規制や渋滞等の速度変動要因がない場合は、次の第(1)式のように、設定車速SP_xは下限速度VLと上限速度VUとの間の範囲内で変動しうる値とする。
VL ≦ SP_x ≦ VU ・・・(1)
VU:この上限速度は法定最高速度、又は自動運転システムが対応可能な最高速度に定める。
VL:この下限速度は法定下限速度、又は「法定最高速度-β」とする。定数βは、下限速度が遅すぎて危険な走行状態にならないように考慮して定める。
(b)区間xで速度規制や渋滞等の速度変動要因が見込まれる場合は、工事・渋滞等による規制の上限速度、渋滞情報に基づく予測速度、天候不良等の影響を受ける場合の自動運転が可能な制限速度のように想定される制限速度に、設定車速SP_xを固定する。このようにする理由は、規制等で制限された制限速度よりも低い速度で自動運転を行うと、後続車両など周囲の他の車の交通の流れを乱す要因となり、危険な交通状況を誘発したり、自車両および他車両の運転者をいらいらさせる原因にもなるためである。
<走行パターンの具体例>
自動車が自動運転で走行する場合に想定される代表的な4種類の走行パターンPT1、PT2A、PT2B、およびPT2Cを図3に示す。すなわち、出発点から終点までの間の走行距離の変化に伴う走行速度の変化パターンを示してある。
PT1:出発点と終点との間の区間の全体を平均的な一定の速度、例えば90[km/h]で走行する。
PT2A:出発点では比較的速度が高く、出発点から終点にかけて徐々に速度を低下させるように走行する。
PT2B:出発点から中間地点P1までは比較的速度が高く、中間点P1で低速、例えば80[km/h]に切り替えてそのままの速度で終点まで走行する。
PT2C:出発点から中間地点P1までは比較的速度が高く、中間点P1から終点にかけて徐々に速度を低下させるように走行する。
自動車が比較的長い区間を走行する場合には、予期しない状況が発生する可能性が高く、途中の道路状況に合わせて減速が必要になることが見込まれる。また、道路の各区間の最高速度が途中で変わったり、渋滞等が発生する場合もある。したがって、図2のステップS02のような制御を旅行時間管理部25が実施する場合には、走行パターンPT1よりも、他の走行パターンPT2A、PT2B、およびPT2Cを採用した方が、変化が発生するまでの間に時間及び走行距離の余裕を増やすことができ、好ましい制御結果が得られる。特に、走行パターンPT2Bは効果的である。
<想定される車速変化と実際の車速変化の具体例>
自動運転で走行する自動車の想定される車速変化および実際の車速変化の例を図4に示す。
自動車を運転する場合には安全運転が最優先されるので、自動運転を実施する場合であっても、事前に決定した車速で常に同じように走行できるわけではない。図4に示した例では、出発点から中間地点P1までの区間は100[km/h]の速度で走行し、中間地点P1から終点までの区間は80[km/h]の速度で走行する場合を想定している。しかし、実際には途中の地点P0付近で速度の遅い先行車両の影響を受けたため、一時的に速度が低下している。
このような地点P0における想定外の速度低下が発生した場合であっても、図4に示すように設定車速[km/h]を100から80に切り替える地点を、中間地点P1から少し先の地点P2に修正することにより、自車両が終点に到着する時刻が予定と変わらないように制御できる。
<特徴的な制御の基本計算式および条件式>
複数区間のそれぞれで車速を定める場合に本発明の特徴的な制御を実施するための基本計算式および条件式を図5に示す。
現在地点と終了地点との間が長距離の場合には、例えば道路の区間毎に制限速度が変化する可能性があるので、図5に示すように区間1、区間2、・・・、区間N-1、区間Nのそれぞれについて、自動運転のための設定車速SP_1、SP_2、・・・、SP_N-1、SP_Nを個別に定める必要がある。なお、図5中の「終了地点」は、レベル3の自動運転の場合はハンドオーバの通知(要求)が発生する地点、レベル4以上の自動運転の場合は自動運転が終了する地点に相当する。
このような状況において、図5中の「終了地点」でコンテンツの再生が終了するためには、図5中の基本計算式EQ1に基づいて各区間の設定車速SP_1~SP_Nを算出する必要がある。つまり、区間毎に距離と設定速度から算出される時間の総和が動画再生時間長T0と一致するように制御する必要がある。
また、図5中の「終了地点」でコンテンツ再生が終了するように制御できるのは、図5中の条件式EQ2の条件を満たす場合のみである。つまり、通常は各区間の設定車速を上限速度と下限速度との間の範囲で調整できるので、基本計算式EQ1が成立するように調整できる可能性があるが、この調整範囲を外れる状況においては基本計算式EQ1が成立しない。したがって、基本計算式EQ1に基づく自動運転の速度制御を実施する場合には、図5中の条件式EQ2の条件を満たすか否かを確認する必要がある。
<具体的な動作例-1>
自動運転で走行する自動車が特徴的な制御を実施する場合の動作例-1を図6に示す。すなわち、図5に示した複数区間の区間数Nが2の場合に、図5中の「終了地点」でコンテンツの再生を終了させるための旅行時間管理部25等の動作例が図6に示されている。
旅行時間管理部25は、必要な情報を取得して最初に図5中の条件式EQ2の条件を満たすか否かを確認する(S11)。条件式EQ2の条件を満たす場合は、1番目の区間の上限速度VU1を1番目区間の設定車速SP_1に定め(S12)、基本計算式EQ1から2番目区間の設定車速SP_2を仮に算出する(S13)。
更に、旅行時間管理部25は、S13で算出した設定車速SP_2をこの区間の下限速度VL2と比較し(S14)、この条件を満たす場合はS17に進み、条件を満たさない場合はS15に進む。
旅行時間管理部25は、S15で2番目区間の設定車速SP_2をこの区間の下限速度VL2に定めた後、S16で基本計算式EQ1から1番目区間の設定車速SP_1を算出する。
旅行時間管理部25はS17で1番目区間の設定車速SP_1を確定する。この設定車速SP_1は、設定車速情報SG26として車速設定部26に入力され、更に設定車速情報SG27として車速設定部26から自動運転制御部10に入力される。
1番目の区間の走行が継続している間は、旅行時間管理部25はS19で一定時間だけ待機した後、再び上記の処理を実行する。つまり、同じ処理を定期的に繰り返すことにより、例えば図4に示した地点P0における想定外の速度変化などにも対応し高精度の制御結果を得ることができる。
また、1番目の区間が終了して2番目の区間に移ると、旅行時間管理部25はS18からS20の処理に進み、2番目の区間についても基本計算式EQ1の条件を満たすように設定車速SP_2の調整を繰り返す。
一方、条件式EQ2の条件を満たさない場合は、S11からS21に進み、旅行時間管理部25は総走行時間と動画再生時間長T0とを比較する。S21の条件を満たす場合はS22に進み、動画の再生速度を微調整するように、旅行時間管理部25がコンテンツ管理部22に対して指示する。すなわち、動画の再生速度を例えば数パーセント程度速くすることにより、動画の視聴者に対して違和感を感じさせることなく、動画再生時間長T0を短縮し、S11で条件式EQ2の条件を満たすように状況を変えることができる。
また、S21の条件を満たさない場合はS23に進み、旅行時間管理部25は運転者に対して時間調整を提案する。具体的には、「終了地点」までの走行区間の途中で休憩を実施することを勧めるメッセージを表示や音声で出力する。また、現在視聴中の動画が終了した後で、別の動画を再生することを勧めるメッセージを表示や音声で出力する。また、別の動画を早送り再生で視聴することを勧めるメッセージを表示や音声で出力する。
ところで、現在地点と終了地点との間で長い距離を走行する場合には、途中で渋滞などの予期しない状況が発生する可能性がある。また、そのような状況では、途中から条件式EQ2の条件を満たさなくなる可能性が高くなる。そこで、例えば図3に示した走行パターンPT2Bを採用し、設定速度を途中で切り替えることで早い段階で走行距離を稼ぐことができる。これにより、途中で渋滞などが発生しても、条件式EQ2の条件を満たさなくなる可能性を減らすことができる。
そのため、図6に示した動作例-1においては、1番目の区間の設定車速SP_1を設定車速SP_2よりも優先し、設定車速SP_1が上限速度VU1になるようにS12で定めた上で、2番目の区間の設定車速SP_2をS13で算出している。但し、設定車速SP_2が下限速度VL2を下回る場合は、安全を確保するためにS15で設定車速SP_2を下限速度VL2に定めた上で、設定車速SP_1をS16で再計算している。
<具体的な動作例-2>
自動運転で走行する自動車が特徴的な制御を実施する場合の動作例-2を図7に示す。すなわち、図5に示した複数区間の区間数Nが3の場合に、図5中の「終了地点」でコンテンツの再生を終了させるための旅行時間管理部25等の動作例が図7に示されている。
旅行時間管理部25は、必要な情報を取得して最初に図5中の条件式EQ2の条件を満たすか否かを確認する(S31)。条件式EQ2の条件を満たす場合は、1番目および2番目の各区間の上限速度VU1、VU2を各区間の設定車速SP_1、SP_2に定める(S32)。そして、基本計算式EQ1から3番目区間の設定車速SP_3を仮に算出する(S33)。
更に、旅行時間管理部25は、S33で算出した設定車速SP_3をこの区間の下限速度VL3と比較し(S34)、この条件を満たす場合はS40に進み、条件を満たさない場合はS35に進む。
旅行時間管理部25は、S35で1番目区間の設定車速SP_1をこの区間の上限速度VU1に仮に定め、3番目区間の設定車速SP_3をこの区間の下限速度VL3に定めた後、S36で基本計算式EQ1から2番目区間の設定車速SP_2を算出する。
更に、旅行時間管理部25は、S36で算出した設定車速SP_2をこの区間の下限速度VL2と比較し(S37)、この条件を満たす場合はS40に進み、条件を満たさない場合はS38に進む。
旅行時間管理部25は、S38で2番目区間の設定車速SP_2をこの区間の下限速度VL2に仮に定め、3番目区間の設定車速SP_3をこの区間の下限速度VL3に定めた後、S39で基本計算式EQ1から1番目区間の設定車速SP_1を算出する。
旅行時間管理部25はS40で1番目区間の設定車速SP_1を確定する。この設定車速SP_1は、設定車速情報SG26として車速設定部26に入力され、更に設定車速情報SG27として車速設定部26から自動運転制御部10に入力される。
1番目の区間の走行が継続している間は、旅行時間管理部25はS42で一定時間だけ待機した後、再び上記の処理を実行する。つまり、同じ処理を定期的に繰り返すことにより、図4に示した地点P0における想定外の速度変化などにも対応し高精度の制御結果を得ることができる。
また、1番目の区間が終了して2番目の区間に移ると、旅行時間管理部25はS41からS43の処理に進み、2番目以降の区間についても基本計算式EQ1の条件を満たすように設定車速SP_2、およびSP_3の調整を繰り返す。
一方、条件式EQ2の条件を満たさない場合には、旅行時間管理部25はS31からS44を通ってS45又はS46の処理に進み、図6に示した前述の動作と同様の処理を実行する。
ところで、現在地点と終了地点との間で長い距離を走行する場合には、途中で渋滞などの予期しない状況が発生する可能性がある。また、そのような状況では、途中から条件式EQ2の条件を満たさなくなる可能性が高くなる。そこで、例えば図3に示した走行パターンPT2Bを採用し、設定速度を途中で切り替えることで早い段階で走行距離を稼ぐことができる。これにより、途中で渋滞などが発生しても、条件式EQ2の条件を満たさなくなる可能性を減らすことができる。
そのため、図7に示した動作例-2においては、1番目および2番目の区間の設定車速SP_1、SP_2を設定車速SP_3よりも優先し、各設定車速SP_1、SP_2が上限速度VU1、VU2になるようにS32で定めた上で、3番目の区間の設定車速SP_3をS33で算出している。但し、設定車速SP_3が下限速度VL3を下回る場合は、安全を確保するためにS35で設定車速SP_3を下限速度VL3に定め、設定車速SP_1を上限速度VU1に定めた上で、設定車速SP_2をS36で再計算している。
更に、S36で算出した設定車速SP_2が下限速度VL2を下回る場合は、安全を確保するためにS38で各設定車速SP_2、SP_3を下限速度VL2、VL3に定めた上で、設定車速SP_1をS39で再計算している。
<具体的な動作例-3>
自動運転で走行する自動車が特徴的な制御を実施する場合の動作例-3を図8に示す。すなわち、図5に示した複数区間の区間数Nが3であって、且つ2番目の区間で渋滞の発生が予想される場合に、図5中の「終了地点」でコンテンツの再生を終了させるための旅行時間管理部25等の動作例が図8に示されている。なお、図8において図7と同じ動作は同じステップ番号を付けて示してある。
図8中で図7と異なる箇所の動作について以下に説明する。
旅行時間管理部25は、条件式EQ2の条件を満たす場合は、1番目区間の設定車速SP_1をこの区間の上限速度VU1に定め、2番目区間の設定車速SP_1をこの区間の渋滞予測速度Vp2に定め(S32B)た後、S33で基本計算式EQ1から3番目区間の設定車速SP_3を仮に算出する。ここでは渋滞予測速度Vp2は固定値とする。
更に、旅行時間管理部25は、S33で算出した設定車速SP_3をこの区間の下限速度VL3と比較し(S34)、この条件を満たす場合はS40に進み、条件を満たさない場合はS38Bに進む。
旅行時間管理部25は、S38Bで2番目区間の設定車速SP_2を渋滞予測速度Vp2に定め、3番目区間の設定車速SP_3をこの区間の下限速度VL3に定めた後、S39で基本計算式EQ1から1番目区間の設定車速SP_1を算出し、S40に進む。
上記以外の動作は図7の動作と同様である。勿論、2番目の区間を走行する場合には、設定車速SP_2を渋滞予測速度Vp2に定めて自動運転を実行する。つまり、渋滞している区間では、設定速度の上限および下限は考慮せず、周囲の車両の流れを乱さないように、渋滞予測速度Vp2を基準とする車速で自動運転する。
<車載システム100の利点>
図1に示した車載システム100は、例えば図2に示したステップS01の処理を実行することにより、動画などのコンテンツの再生が終了する時刻t13とほぼ同時刻に手動運転の準備等が必要になるように、車速の調整を自動的に実施することができる。したがって、目的地に到着するまでの間に運転者がコンテンツを最後まで視聴できない状況が発生するのを避けることができ、運転者の不満を解消できる。
また、車載システム100が例えば図2に示したステップS02の処理を実行する場合には、道路状況などに様々な変化が発生する場合であっても、動画などのコンテンツの再生が終了する時刻t13とほぼ同時刻に手動運転の準備等が必要になるように、車速の調整を自動的に実施することができる。
また、車載システム100が例えば図3に示した走行パターンPT2A、PT2B、PT2Cなどに基づいて自動車の運行速度を自動制御することにより、時間及び走行距離の余裕を持たせることが可能になる。したがって、想定外の渋滞などが発生した場合であっても、動画などのコンテンツの再生が終了する時刻t13とほぼ同時刻に手動運転の準備等が必要になるように制御できる可能性が高まる。更に、例えば図4に示すように、車載システム100が設定速度を切り替える地点を必要に応じて修正することにより、予期しない状況の変化にも対応可能になる。
また、例えば図6に示すように、車載システム100が各区間の上限速度VU1および下限速度VL2を規定することにより、安全な運転状態を維持したまま、車速を適切に調整することが可能になる。
また、車速の調整だけでは図5の条件式EQ2の条件を満たさない場合であっても、例えば図6に示すS22で動画の再生速度を微調整することにより、調整可能な範囲を広げることができる。したがって、動画などのコンテンツの再生が終了する時刻t13とほぼ同時刻に手動運転の準備等が必要になるように制御できる。また、動画再生速度の調整範囲を狭い範囲のみに限定することにより、コンテンツの視聴の際に運転者が違和感を覚えるのを防止できる。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る車載システムの特徴をそれぞれ以下[1]~[6]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 自動運転機能を搭載した車両上で、移動先の目的地が指定された場合に、前記自動運転機能を利用して前記目的地の近傍までの走行を制御可能な車載システム(100)であって、
コンテンツを再生する車載機器(コンテンツ管理部22)から目的のコンテンツの再生時間長の情報(残り時間情報SG25)を取得する再生時間取得部(旅行時間管理部25)と、
前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を算出する運行時間算出部(旅行時間管理部25、基本計算式EQ1)と、
前記再生時間取得部が取得した前記再生時間長と、前記運行時間算出部が算出した前記予想運行時間長とを比較した結果を、少なくとも前記自動運転機能の車速制御に反映し、前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を修正する運行時間調整部(旅行時間管理部25、S01、S02、S11~S17)と、
を備えた車載システム。
[2] 前記運行時間調整部は、修正前の前記予想運行時間長が前記再生時間長よりも短い場合には、少なくとも前記車両の現在地からの運行開始初期における運行基準速度を標準状態に比べて下げるように自動調整する(S01)、
ことを特徴とする上記[1]に記載の車載システム。
[3] 前記運行時間算出部は、前記車両の運行状況変化に合わせて前記予想運行時間長を少なくとも定期的に再計算し、
前記運行時間調整部は、前記運行時間算出部による再計算の結果を前記自動運転機能の車速制御に随時反映する(S02、S11~S19)、
ことを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の車載システム。
[4] 前記運行時間調整部は、ある運行区間で速度規制および渋滞発生が見込まれない場合は、少なくとも法定速度に基づいて定めた上限速度(VU1)と下限速度(VL2)との間の範囲内で前記車速制御の基準車速(設定車速SP_1、SP_2)を調整する(S12~S17)、
ことを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の車載システム。
[5] 前記運行時間調整部は、前記車両が現在地から前記目的地に到着するまでの間における前記車速制御の基準車速を、事前に定めたパターン変化(PT2A、PT2B、PT2C)に従って更新する、
ことを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の車載システム。
[6] 前記運行時間調整部は、前記予想運行時間長が前記再生時間長よりも短い場合に、前記車載機器が目的のコンテンツを再生する際の再生速度を調整し、前記再生時間長を変更する(S22)、
ことを特徴とする上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の車載システム。
10 自動運転制御部
11 無線通信機器
12 道路地図データベース
13 位置検出部
14 車載カメラ
15 レーダ
16 アクセル制御部
17 ブレーキ制御部
18 操舵制御部
21 操作部
22 コンテンツ管理部
23 表示出力デバイス
24 音出力デバイス
25 旅行時間管理部
26 車速設定部
100 車載システム
SG11,SG12,SG13,SG14,SG15 入力情報
SG16,SG17,SG18 制御命令
SG21 目的地情報
SG22 設定車速情報
SG23 旅行時間情報
SG24 残区間距離情報
SG25 残り時間情報
SG26,SG27 設定車速情報
EQ1 基本計算式
EQ2 条件式
T0 動画再生時間長
SP_1,SP_2,SP_N-1,SP_N 設定車速
X_1,X_2,X_N-1,X_N 区間距離

Claims (5)

  1. 自動運転機能を搭載した車両上で、移動先の目的地が指定された場合に、前記自動運転機能を利用して前記目的地の近傍までの走行を制御可能な車載システムであって、
    コンテンツを再生する車載機器から目的のコンテンツの再生時間長の情報を取得する再生時間取得部と、
    前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を算出する運行時間算出部と、
    前記再生時間取得部が取得した前記再生時間長と、前記運行時間算出部が算出した前記予想運行時間長とを比較した結果を、少なくとも前記自動運転機能の車速制御に反映し、前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を修正する運行時間調整部と、
    を備え
    前記運行時間算出部は、前記車両の運行状況変化に合わせて前記予想運行時間長を少なくとも定期的に再計算し、
    前記運行時間調整部は、前記運行時間算出部による再計算の結果を前記自動運転機能の車速制御に随時反映する、
    ことを特徴とする車載システム。
  2. 前記運行時間調整部は、修正前の前記予想運行時間長が前記再生時間長よりも短い場合には、少なくとも前記車両の現在地からの運行開始初期における運行基準速度を標準状態に比べて下げるように自動調整する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
  3. 前記運行時間調整部は、ある運行区間で速度規制および渋滞発生が見込まれない場合は、少なくとも法定速度に基づいて定めた上限速度と下限速度との間の範囲内で前記車速制御の基準車速を調整する、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載システム。
  4. 自動運転機能を搭載した車両上で、移動先の目的地が指定された場合に、前記自動運転機能を利用して前記目的地の近傍までの走行を制御可能な車載システムであって、
    コンテンツを再生する車載機器から目的のコンテンツの再生時間長の情報を取得する再生時間取得部と、
    前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を算出する運行時間算出部と、
    前記再生時間取得部が取得した前記再生時間長と、前記運行時間算出部が算出した前記予想運行時間長とを比較した結果を、少なくとも前記自動運転機能の車速制御に反映し、前記目的地の近傍に前記車両が到着するまでの予想運行時間長を修正する運行時間調整部と、
    を備え、
    前記運行時間調整部は、前記車両が現在地から前記目的地に到着するまでの間における前記車速制御の基準車速を、事前に定めたパターン変化に従って更新する、
    ことを特徴とする載システム。
  5. 前記運行時間調整部は、前記予想運行時間長が前記再生時間長よりも短い場合に、前記車載機器が目的のコンテンツを再生する際の再生速度を調整し、前記再生時間長を変更する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の車載システム。
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