JP7037693B1 - パンツ型吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】クッション性及び通気性に優れた外装体を備え、寝姿勢が多い着用者でも肌に押圧跡が付きにくく、ムレにくいパンツ型吸収性物品を提供すること。【解決手段】自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、内層シート12は、接合部13を底部に有し縦方向Xに延びる複数の凹条部120と、該凹条部120間に位置し該内層シート12の屈曲部12Pを頂部とする凸条部121とからなる襞構造を有し、外層シート11は、内層シート12の1個の凸条部121と平面視で重なる領域に複数の屈曲部11Pを有している。腹側部A及び背側部Rの少なくとも一方に、複合伸縮部10Eが内層シート12を内側にして折り返された部分を含む外装体折り返し部14が設けられている。【選択図】図8

Description

本発明は、パンツ型使い捨ておむつ等のパンツ型吸収性物品に関する。
パンツ型吸収性物品の一種であるパンツ型使い捨ておむつは、典型的には、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、前身頃及び後身頃それぞれにおける縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて、一対のサイド接合部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成された構成を有している。斯かる構成のパンツ型使い捨ておむつでは、着用者の身体へのフィット性を高めるために、ウエスト開口部とレッグ開口部との間における外装体に、横方向に伸長可能に固定された複数の弾性部材が、縦方向に間欠配置されている。なお、縦方向は、着用者の前後方向に対応する方向であり、横方向は、該縦方向と直交する方向である。
特許文献1には、パンツ型使い捨ておむつにおける外装体として、おむつの外面側に位置する外層シートと、おむつの内面側に位置する内層シートと、両シート間に配設された複数本の弾性部材とを有し、複合伸縮部によってギャザーが形成されたものを用いることが記載されている。前記複合伸縮部では、外層シートと内層シートとが、該複合伸縮部の伸縮方向(おむつの横方向)及びその直交方向(おむつの縦方向)の両方向に分散した多数の接合部にて接合され、弾性部材が該接合部を通らないように配されるとともに、該弾性部材の長手方向の両端部が両シート間に固定され、両シートが各々複数本の該弾性部材にわたって連続して延びる複数本の襞を形成しており、外層シートと内層シートとで襞の大きさが異なっている。特許文献1に記載のパンツ型使い捨ておむつによれば、複合伸縮部の通気性及び柔らかさに優れ、外装体の表裏で異なるクッション性を有するとされている。
特許文献2には、パンツ型使い捨ておむつにおける外装体として、伸縮シート及びこれと相対向する面で接合された非伸縮シートとを備えた伸縮性複合部を有するものを用いることが記載されている。自然状態の前記伸縮性複合部では、非伸縮シート側の表面に第1の凸条部が多数形成されるとともに、伸縮シート側の表面に該第1の凸条部よりも高さが低い第2の凸条部が多数形成され、該第1の凸条部が着用者の肌と当接し得るように配置される。特許文献2に記載のパンツ型使い捨ておむつによれば、着用者の肌に接する面側は凸条部によりクッション性を与えるとともに、それよりも高さの低い凸条部が外側面に配されるので、見た目のモコモコ感が減じられ、下着ライクな外観及び感触を実現し得るとされている。
特許文献3には、パンツ型使い捨ておむつのウエスト開口部近傍における外装体が、自然状態において、内層シート表面及び外層シート表面それぞれに、ウエスト開口部周方向に間隔を置いた複数の襞を有し、該内層シート表面の襞間のピッチが、該外層シート表面の襞間のピッチに比べて小さいことが記載されている。特許文献2に記載のパンツ型使い捨ておむつによれば、着用者の肌に接する面側は、内層シートの襞によって良好なクッション性が得られ、おむつの外面側は、外層シートの比較的大きなピッチの襞によって見た目のモコモコ感が減じられ、下着ライクな外観を実現し得るとされている。
特開2009-297096号公報 特開2010-284228号公報 特開2010-284229号公報
パンツ型使い捨ておむつの主な着用者の一人として、低月齢の乳幼児が挙げられる。一般に、低月齢の乳幼児はおむつの着用中に寝姿勢でいる時間が比較的長く、その間、おむつの外装体におけるウエスト領域などが着用者の肌を強く押圧するため、肌にその押圧跡が付きやすく、肌への負担が懸念される。また、おむつを着用した乳幼児が長時間寝姿勢でいると、そのおむつにおける着用者の肌を強く押圧している部分の通気性が低下し、ムレ等の不都合が起こることが懸念される。従来のパンツ型吸収性物品は、外装体のクッション性、通気性等の点で改善の余地があった。
したがって本発明の課題は、クッション性及び通気性に優れた外装体を備え、寝姿勢が多い着用者でも肌に押圧跡が付きにくく、ムレにくいパンツ型吸収性物品を提供することに関する。
本発明は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記外装体の前記縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている、パンツ型吸収性物品に関する。
本発明のパンツ型吸収性物品の一実施形態では、前記外装体は、前記吸収体から相対的に遠い位置に配置された外層シートと、該吸収体から相対的に近い位置に配置された内層シートとを含むことが好ましい。
本発明のパンツ型吸収性物品の一実施形態では、前記外装体の少なくとも一部が、前記横方向に伸縮性を有する複合伸縮部であり、該複合伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとが、前記横方向に間欠配置された複数の接合部にて接合されていることが好ましい。
本発明のパンツ型吸収性物品の一実施形態では、自然状態の前記複合伸縮部において、前記内層シートは、前記接合部を底部に有し前記縦方向に延びる複数の凹条部と、該凹条部の間に位置し該内層シートの屈曲部を頂部とする凸条部とからなる襞構造を有し、前記外層シートは、該内層シートの1個の該凸条部と平面視で重なる領域に複数の屈曲部を有していることが好ましい。
本発明のパンツ型吸収性物品の一実施形態では、前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、前記複合伸縮部が前記内層シートを内側にして折り返された部分を含む外装体折り返し部が設けられていることが好ましい。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
本発明によれば、クッション性及び通気性に優れた外装体を備え、寝姿勢が多い着用者でも肌に押圧跡が付きにくく、ムレにくいパンツ型吸収性物品が提供される。
図1は、本発明のパンツ型吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示すおむつの展開且つ伸長状態における肌対向面(内面)側を一部破断して模式的に示す展開平面図である。 図3は、図1に示すおむつを分解して模式的に示す分解斜視図である。 図4は、図2のI-I線断面を模式的に示す横断面図である。 図5は、図2のII-II線断面を模式的に示す縦断面図である。 図6は、図1に示すおむつの外層シートとして使用可能な伸縮シートの一例を模式的に示す一部破断斜視図である。 図7は、図5のIII-III線断面を模式的に示す横断面図であり、図1に示すおむつの自然状態での外装体折り返し部の横断面図である。 図8は、図7に示す自然状態の外装体折り返し部の模式的な斜視図である。 図9は、図7に示す外装体折り返し部を構成する複合伸縮部の模式的な横断面図である。 図10は、本発明に係る外装体折り返し部の他の実施形態の図7相当図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
本発明のパンツ型吸収性物品は、着用者の前後方向、すなわち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に対応する縦方向(図中符号「X」で示す方向)と、該縦方向に直交する横方向(図中符号「Y」で示す方向)とを有する。
以下の説明において、特に説明しない限り、縦方向は、吸収性物品の縦方向又はその構成部材(例えば吸収体)における縦方向に沿う方向であり、横方向は、吸収性物品の横方向又はその構成部材における横方向に沿う方向である。
本発明のパンツ型吸収性物品は、着用者の股間部に配される股下部(図中符号「B」で示す部分)と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部(図中符号「A」で示す部分)と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部(図中符号「C」で示す部分)とに区分され、吸収体(図中符号「5」で示す部材)を含む吸収性本体(図中符号「2」で示す部材)と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体(図中符号「10」で示す部材)とを備える。
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば外装体)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から近い側であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側に向けられる面、すなわち相対的に着用者の肌から遠い側である。なお、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち当該吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。
本発明のパンツ型吸収性物品は、腹側部及び背側部それぞれの外装体の縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて、ウエスト開口部(図中符号「WH」で示す部分)及び一対のレッグ開口部(図中符号「LH」で示す部分)が形成されている。
図1~図5には、本発明のパンツ型吸収性物品の一実施形態であるパンツ型使い捨ておむつ1が示されており、おむつ1は前記の構成を備えている。
本実施形態では、腹側部A及び背側部Cそれぞれの外装体10の縦方向Xに沿う両側縁部10Sどうしが接合されて、一対のサイド接合部Sが形成されている。サイド接合部Sにおける外装体10どうしの接合手段は特に限定されず、例えば、融着、接着剤、縫着等が挙げられ、パンツ型吸収性物品の用途、外装体10の素材等に応じて任意に選択し得る。典型的には、パンツ型使い捨ておむつのサイド接合部Sにおける外装体10どうしの接合手段は融着及び/又は接着剤であり、パンツ型生理用ショーツのサイド接合部Sにおける外装体10どうしの接合手段は縫着である。本実施形態のサイド接合部Sは、外装体10の両側縁部10Sどうしが融着により接合したいわゆるサイドシール部であり、図1に示すように、周辺部よりも外方に突出している。
おむつ1は、前身頃Fと後身頃Rとに区分される。前身頃Fは、図2に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに二等分して横方向Yに延びる縦中心線CLxを基準として、着用時に着用者の身体の腹側(前側)を覆う部分であり、後身頃Rは、着用者の身体の背側(後側)を覆う部分である。ここでいう「展開且つ伸長状態」とは、おむつ1をサイド接合部Sで切り離して展開状態とし、その展開状態のおむつ1を各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
腹側部Aは前身頃Fの一部であり、背側部Cは後身頃Rの一部である。股下部Bは、縦中心線CLxを縦方向Xに跨いでおり、前身頃Fから後身頃Rに存在している。腹側部A及び背側部Cは、それぞれ典型的には、縦方向Xにおいてサイド接合部Sと同位置にある部分である。股下部Bは、典型的には、外装体10の縦方向Xに沿う両側縁部10Sにレッグ開口部LH,LH形成用の凹欠部であるレッグ縁部LS,LSが形成された領域を含み、おむつ1の着用時に着用者のペニス等の***部に対向配置される***部対向部を含む。
本発明において、腹側部A、股下部B及び背側部Cは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに三等分した場合の各領域であり得る。
本実施形態では、図2に示すように、腹側部A及び背側部Cは、それぞれ、着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に対応する腸骨領域D2と、該領域D2よりも縦方向Xの外方(おむつ1の上方)に位置するウエスト領域D1と、該領域D2よりも縦方向Xの内方(おむつ1の下方)に位置する胴周り領域D3とを有している。ここでいう、腸骨稜及び上前腸骨棘は、解剖学の用語である。ウエスト領域D1は、腹側部A及び背側部Cそれぞれの縦方向Xの最外方に位置し、おむつ1の縦方向Xの両端うちの一方である縦方向端1Eを含む。おむつ1の縦方向端1Eは、外装体10の縦方向端でもある。
本発明において、ウエスト領域D1、腸骨領域D2及び胴周り領域D3は、腹側部A又は背側部C(縦方向Xにおいてサイド接合部Sと同位置にある部分)を縦方向Xに三等分した場合の各領域であり得る。
なお本実施形態では、腹側部Aと背側部Cとは基本的に同様に構成されており、特に断らない限り、どちらか一方についての説明は他方にも適用される。
本実施形態では、吸収性本体2は平面視長方形形状を有しており、その長手方向をおむつ1の縦方向Xに一致させて、外装体10の横方向Yの中央部に配置され、腹側部Aから背側部Cにわたって縦方向Xに延在している。吸収性本体2は、接着剤により外装体10に接合されている。
吸収性本体2は、図4及び図5に示すように、吸収体5と、吸収体5の肌対向面側に配置された液透過性の表面シート3と、吸収体5の非肌対向面側に配置された防漏性(具体的には液不透過性、液難透過性又は撥水性)の裏面シート4とを含んで構成されている。吸収体5は、少なくとも木材パルプ、吸水性ポリマー等の吸水性材料を主体とする吸収性コアを含み、更に、該吸収性コアの外面を被覆する液透過性のコアラップシートとして、紙、不織布等を含んでいてもよい。吸収性本体2の構成部材としては、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート3としては各種の不織布や開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート4としては樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布等とのラミネート等を用いることができる。吸収性本体2の構成部材どうしは、接着剤等の公知の接合手段により一体とされている。
吸収性本体2の肌対向面(表面シート3側)における縦方向Xに沿う両側部に、液抵抗性又は撥水性で且つ通気性の防漏カフ形成用シート60から構成された一対の防漏カフ6,6が設けられている。各防漏カフ6の自由端部には1本又は複数本の糸状の防漏カフ形成用弾性部材61が、縦方向Xに伸長可能に固定されている。防漏カフ6は、弾性部材61が収縮することで、少なくとも股下部Bで着用者の肌側に起立し、これにより体液の横方向Yの外方への流出が防止される。なお、本発明のパンツ型吸収性物品は、防漏カフ6を備えていなくてもよい。
以下、おむつ1の要部である外装体10について詳細に説明する。外装体10は、吸収体5から相対的に遠い位置に配置された外層シート11と、吸収体5から相対的に近い位置に配置された内層シート12とを含んで構成されている。
本実施形態では、外装体10は、図2に示す如きおむつ1の展開且つ伸長状態において、股下部Bに対応する部分(縦方向Xの中央域)が、横方向Yの中央に向かって凸の円弧状に湾曲し、腹側部A及び背側部Cに対応する部分(縦方向Xの端部域)が、縦方向Xよりも横方向Yの長さが長い長方形形状を有しており、外装体10全体として砂時計状を有している。
図3及び図5に示すように、外層シート11は、腹側部Aに対応する腹側外層シート11Aと、股下部Bに対応する股下外層シート11Bと、背側部Cに対応する背側外層シート11Cとを含む。各外層シート11A,11B,11Cは、おむつ1の外面を形成する。外層シート11A,11B,11Cは、それらの縦方向Xの端部どうしが重ね合わされ、その重ね合わせ部分において接着剤、ヒートシール、高周波シール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合され一体化されている。シート11A,11Cとシート11Bとの重ね合わせ部分においては、それぞれ、縦方向Xの中央に位置するシート11Bが吸収性本体2から相対的に近い側に位置し、シート11Bの縦方向Xの両端部の非肌対向面はシート11A,11Cで被覆されている(図5参照)。
内層シート12は、腹側部Aに対応する腹側内層シート12Aと、背側部Cに対応する背側内層シート12Cとを含む。両シート12A,12Cは互いに分離した状態で配置されている。
本発明において、外層シート11及び内層シート12は、それぞれ、このような複数のシートを含む形態ではなく、1枚の連続したシートの形態であってもよい。
なお、以下の外層シート11についての説明は、特に断らない限り、各シート11A,11B,11Cに適用される。また、以下の内層シート12についての説明は、特に断らない限り、腹側内層シート12A及び背側内層シート12Cに適用される。
外層シート11と内層シート12とは、互いに同種のシートでもよく、異種のシートでもよい。本実施形態では後述するように、前者は伸縮シートを含み、後者は非伸縮シートからなり、互いに異種のシートである。
外層シート11を構成する複数のシート11A,11B,11Cどうしは、互いに同種のシートでもよく、異種のシートでもよい。本実施形態では、腹側外層シート11Aと背側外層シート11Cとは互いに同種のシート(伸縮シート20)であるが、両シート11A,11Cと股下外層シート11Bとは互いに異種のシート(非伸縮シート)である。
内層シート12を構成する複数のシート12A,12Cどうしは、互いに同種のシートでもよく、異種のシートでもよい。本実施形態では、腹側内層シート12Aと背側内層シート12Cとは互いに同種のシート(非伸縮シート)である。
なお、本明細書において、「同種のシート」とは、シートの製造プロセス、シートの構成繊維の種類、構成繊維の繊維径や長さ、シートの厚みや坪量等がすべて同じであるシートどうしを意味する。これらのうちの少なくとも1つが異なる場合には、「異種のシート」である。
外層シート11の坪量(外層シート11が積層構造である場合は該積層構造の坪量)は特に制限されないが、好ましくは20g/m以上、より好ましくは30g/m以上、そして、好ましくは60g/m以下、より好ましくは55g/m以下である。
内層シート12の坪量(内層シート12が積層構造である場合は該積層構造の坪量)は特に制限されないが、好ましくは13g/m以上、より好ましくは15g/m以上、そして、好ましくは30g/m以下、より好ましくは25g/m以下である。
外装体10の少なくとも一部は、横方向Yに伸縮性を有する複合伸縮部10Eである。複合伸縮部10Eにおいては、図4に示すように、外層シート11と内層シート12とが、横方向Yに間欠配置された複数の接合部13にて接合されている。
複合伸縮部10Eは、該複合伸縮部10Eに伸縮性を付与する伸縮部材を備えている。換言すれば、複合伸縮部10Eは、外装体10における横方向Yに伸縮性を有する伸縮部材が配置された部分である。前記伸縮部材は特に制限されず、例えば、伸縮シートでもよく、糸状又は帯状の弾性部材でもよい。複合伸縮部10Eは、複数種類の前記伸縮部材(例えば、伸縮シート及び弾性部材の両方)を備えていてもよい。例えば、外層シート11及び内層シート12の少なくとも一方が横方向Yに伸縮性を有する伸縮シート(伸縮部材)である場合、該伸縮シートの配置部は複合伸縮部10Eであり得る。また、両シート11,12の間に複数の弾性部材(伸縮部材)が横方向Yに伸長可能に固定されている場合、該両シート11,12の双方が伸縮シートでない場合でも、該弾性部材の配置部は複合伸縮部10Eであり得る。
本実施形態では、外層シート11、より具体的には、腹側外層シート11A及び背側外層シート11Cは、それぞれ、後述する伸縮シート20(図6参照)からなり、横方向Yに伸縮性を有しているのに対し、内層シート12(12A,12C)は非伸縮シートからなり、伸縮性を有しない。すなわち本実施形態では、外層シート11は複合伸縮部10Eに伸縮性を付与する伸縮部材であるが、内層シート12は該伸縮部材ではない。外装体10において、伸縮シートである外層シート11A,11Cと非伸縮シートである内層シート12A,12Cとが接合部13を介して接合された部分は、該部分全体として横方向Yに伸縮性を有しており、複合伸縮部10Eである。したがって本実施形態では、外層シート11A,11Cの配置部、すなわち伸縮シート20の配置部が、複合伸縮部10Eである。
複合伸縮部10Eの構成部材として使用可能な伸縮シートについて説明すると、伸縮シートは、好ましくは横方向Yの最大伸度が50%以上であり、該シートを横方向Yに伸度100%まで伸長させた後、収縮させたときの伸長回復率(すなわち100%伸長時の伸長回復率)が、少なくとも70%以上であることが好ましい。
伸縮シートは、横方向Yにおいて縦方向Xよりも最大伸度が高く且つ伸長回復率が高い。より具体的には、伸縮シートは、横方向Yにおいては、好ましくは最大伸度50%以上且つ伸長回復率70%以上であり、伸長後に収縮するが、縦方向Xにおいては、伸長後に収縮しない。シートの伸長回復率は、以下の測定方法により測定される。
<伸長回復率の測定方法>
測定対象のシート(伸縮シート)から長さ50mm、幅25mmのサンプル片を用意する。引張試験機(株式会社オリエンテックの「テンシロン」RTC-1150A)のチャック間(チャック間隔K0)にサンプル片を非伸長且つ弛みのない状態で固定し、引張速度300mm/minでチャック間を拡げることでサンプル片を引っ張り、サンプル片の100%伸長時の長さK2(=K0×2)まで伸長させた後、引張速度と同速度でチャック間を狭めていき、引張応力が0になった時点でのサンプル片の長さを伸長回復後の長さK1とする。次式により、測定対象のシートの100%伸長時の伸長回復率を算出する。
100%伸長時の伸長回復率(%)=〔(K2-K1)/(K2-K0)〕×100
伸縮シートとしては、例えば(1)弾性繊維層の両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、(2)ネット状の弾性シートの両面又は片面に伸長可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、(3)弾性フィルムからなる弾性シートの両面又は片面に伸張可能な繊維層が一体化されている伸縮性不織布、(4)互いに交差せずに一方向に延びるように配列した多数の弾性フィラメントが、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な繊維層に接合されてなる伸縮性不織布等を好ましく用いることができる。
ここでいう「伸長可能な繊維層」には、弾性を有する材料と一体化する前から伸長可能である繊維層の他に、弾性を有する材料との一体化後に機械加工等により伸長可能とされた繊維層が含まれる。
弾性繊維層と伸長可能な繊維層との一体化の方法としては、例えば、これらを積層して水流交絡又はエアスルー等により繊維を交絡させる方法、ヒートエンボス、接着剤、超音波等によって接合させる方法が挙げられる。
図6には、伸縮シートの一例である伸縮シート20が示されている。伸縮シート20は、前記(4)の伸縮性不織布に相当するものである。伸縮シート20は、横方向Yに伸長可能な繊維層と、該繊維層の一方の面に接合され、横方向Yに延在する複数の弾性フィラメント23とを含んで構成されている。図6に示す形態では、前記繊維層として、相対向する2枚の繊維シート21,22を含み、複数の弾性フィラメント23は、両繊維シート21,22の間に介在配置されている。
伸縮シート20は、例えば、特開2009-61743号公報に記載の方法に従って製造することができる。具体的には例えば、紡糸ノズルから紡出された溶融状態の複数の弾性フィラメント23を所定速度で引き取って延伸しつつ、該弾性フィラメント23の固化前に、該弾性フィラメント23が互いに交差せず一方向に配列するように該弾性フィラメント23を繊維シート21,22に融着させた後、その弾性フィラメント23が融着した両シート21,22を、該弾性フィラメント23の延びる方向に沿って延伸することによって、伸縮シート20を製造することができる。
伸縮シート20は、その全体が一方向(横方向Y)に伸縮性を有している。伸縮シート20においては、該伸縮シート20に横方向Yへの伸縮性を付与する弾性フィラメント23のピッチP(図6参照)が比較的短く、複数の弾性フィラメント23が縦方向Xにおいて比較的高密度に配置されており、斯かる弾性フィラメント23の配置により、伸縮シート20の全体が横方向Yに伸縮性を有している。弾性フィラメント23のピッチP、すなわち縦方向Xに隣り合う任意の2本の弾性フィラメント23,23の中心間距離Pは、伸縮シート20の全体に伸縮性を付与する観点から、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下である。弾性フィラメント23のピッチPの下限は特に制限されないが、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上である。
伸縮シート20を構成する2枚の繊維シート21,22は、何れも弾性フィラメント23の延びる方向(横方向Y)と同方向に伸長可能である。ここでいう「伸長可能」には、(イ)繊維シート21,22の構成繊維自体が伸長する場合と、(ロ)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、繊維シート21,22全体として伸長する場合とが包含される。
弾性フィラメント23は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものである。複数の弾性フィラメント23は、それぞれ、伸縮シート20の横方向Yの全長に連続して配されている。複数の弾性フィラメント23は、互いに交差せずに一方向(横方向Y)に延びるように配列している。弾性フィラメント23は、実質的に非伸長状態で2枚のシート21,22に接合されている。弾性フィラメント23と繊維シート21,22との接合は、両シート21,22の構成繊維(非弾性繊維)が弾性フィラメント23中に埋没した状態で該弾性フィラメント23に融着することによりなされたものであり、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いてなされたものではない。したがって、繊維シート21,22(非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維層)とこれに接合されている弾性フィラメント23との間には接着剤が存在しない。
伸縮シート20は、弾性フィラメント23の延びる方向(横方向Y)と同方向に伸縮可能である。伸縮シート20の伸縮性は、弾性フィラメント23の弾性に起因して発現する。伸縮シート20を弾性フィラメント23の延びる方向と同方向に引き伸ばすと、弾性フィラメント23及び繊維シート21,22が伸長する。そして伸縮シート20の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント23が収縮し、その収縮に連れて繊維シート21,22が引き伸ばし前の状態に復帰する。また、伸縮シート20においては、特開2009-61743号公報に記載されているように、その製造時に繊維シート21,22が該弾性フィラメント23の延びる方向に沿って延伸されることで、両シート21,22どうしの繊維の結合が一部破壊されており、それによって両シート21,22に「伸びしろ」が設けられている。具体的には、このような延伸処理を経て製造された伸縮シート20の繊維シート21,22には、図9に示すように、構成繊維の密度が相対的に高い高密度部24と、構成繊維の密度が相対的に低い低密度部25とが、弾性フィラメント23の延在方向に交互に形成されており、そのため繊維シート21,22は、低密度部25が容易に変形することで弾性フィラメント23の伸縮に追従することが可能である。したがって、伸縮シート20を弾性フィラメント23の延びる方向(横方向Y)に引き伸ばした場合には、伸縮シート20が横方向Yに縮む、いわゆる幅縮みをほとんど起こさずに伸長し得る。また伸縮シート20は、伸縮に伴う見かけ厚みの変化が比較的少なく、伸縮しても平坦なシートとなり得る。なお、図9に示す形態では、外層シート11として伸縮シート20が用いられており、外層シート11は前述の特徴を有する。図9に示す形態の詳細については後述する。
伸縮シート20を構成する2枚の繊維シート21,22は、それぞれ、短繊維の不織布であり得る。不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。両シート21,22は、互いに同種でもよく、異種でもよい。
伸縮シート20を構成する弾性フィラメント23は、例えば熱可塑性エラストマーやゴム等を原料とするものである。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた弾性フィラメントは熱融着させやすいので、伸縮シート20に好適である。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン-ブタジエン-スチレン)、SIS(スチレン-イソプレン-スチレン)、SEBS(スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン)、SEPS(スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。
本実施形態では前述したとおり、内層シート12(12A,12C)は非伸縮シートからなる。また、外層シート11の一部である股下外層シート11Bも非伸縮シートからなる。非伸縮シートは、前記<伸長回復率の測定方法>により測定した伸長回復率が20%以下であるか、又は100%伸長する前に破断することが好ましい。
非伸縮シートとしては、各種製法による不織布を用いることができ、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられる。非伸縮シート(内層シート12A,12C、外層シート11B)は単層構造でもよく、2枚以上のシート(不織布)が積層された積層構造でもよく、典型的には、単層構造である。
本実施形態では、複合伸縮部10E(外装体10)における腹側部A及び背側部C(ウエスト領域D1、腸骨領域D2、胴周り領域D3)に対応する部分に、複数の胴周りギャザー形成用弾性部材7が横方向Yに伸縮可能に配置されている。複数の弾性部材7は、外装体10を構成する外層シート11(11A,11C)と内層シート12(12A,12C)との間において横方向Yに伸長可能に接着剤により固定され、且つ縦方向Xに間欠配置されている。すなわち本実施形態では、複合伸縮部10Eは、該複合伸縮部10Eに伸縮性を付与する伸縮部材として、外層シート11を構成する伸縮シート20に加えて更に、外層シート11と内層シート12との間に横方向Yに伸縮可能に配置された弾性部材7を備える。
おむつ1の自然状態あるいは着用状態では、弾性部材7の収縮により、外装体10における腹側部A及び背側部Cに対応する部分に弾性部材7の収縮方向と交差する方向に延びる複数の襞(ギャザー)が形成され、これにより腹側部A及び背側部Cそれぞれの全周にわたって該襞が実質的に連続した環状の胴周りギャザーが形成される。なお、弾性部材7における吸収体5(吸収性本体2)と平面視で重複する部分は、切断、加熱などの伸縮阻害処理を施されている(図3参照)。
また本実施形態では、一対のレッグ開口部LH,LHそれぞれの開口縁部を形成するレッグ縁部LSに、1本又は複数本のレッグギャザー形成用弾性部材8が配置されている。弾性部材8は、外層シート11(11A,11C)と内層シート12(12A,12C)との間に伸長可能に接着剤により固定されている。おむつ1の自然状態あるいは着用状態では、弾性部材8の収縮により、外装体10におけるレッグ開口部LHの開口縁部を構成する部分に弾性部材8の収縮方向と交差する方向に延びる複数の襞(ギャザー)が形成され、これによりレッグ開口部LHの開口縁部の全周にわたって該襞が実質的に連続した環状のレッグギャザーが形成される。
弾性部材7,8をはじめとする、おむつ1における各種の弾性部材の素材としては、特に断らない限り、この種の吸収性物品に通常用いられる各種公知の弾性材料を特に制限なく用いることができ、例えば、スチレン-ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。弾性部材の形態としては、断面が長方形、正方形、円形、多角形状等の糸状(糸ゴム等)若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
腹側部A及び背側部Cの少なくとも一方には、複合伸縮部10Eが内層シート12を内側にして折り返された部分を含む外装体折り返し部14が設けられている。本実施形態では、図2及び図5に示すように、腹側部A及び背側部Cの双方に外装体折り返し部14が設けられている。図7には、腹側部Aの外装体折り返し部14の横方向Yに沿う断面、図8には、該外装体折り返し部14をその外面側14aから見た場合の斜視図が示されている。図7及び図8はともに、おむつ1の自然状態(おむつ1に外力がかかっていない状態)、すなわち外装体10が備える弾性部材や伸縮シート等の伸縮部材が非伸長状態であるときの外装体折り返し部14の状態を模式的に示したものである。以下では、腹側部Aの外装体折り返し部14を例にとって説明するが、斯かる説明は特に断らない限り、背側部Cの外装体折り返し部14にも適用される。
外装体折り返し部14は、外層シート11(11A,11C)と内層シート12(12A,12C)との2層構造を含む複合伸縮部10Eが折り返されて構成された部分であり、4枚のシートを含む4層構造を含む。外装体折り返し部14は、複合伸縮部10Eの折り返しにおける折曲線よりも厚み方向の外方側に位置しおむつ1の外面(非肌対向面)を形成する外面側14aと、折り返された複合伸縮部10Eを含み、該折曲線よりも厚み方向の内方に位置しおむつ1の内面(肌対向面)を形成する内面側14bとに区分される。
本実施形態では、外層シート11及び内層シート12が、それぞれ、吸収体5の縦方向端5Eから縦方向Xの外方に延出する延出部を有し、その両シート11,12の延出部が内層シート12A,12Cを内側にして折り返されることで、外装体折り返し部14が形成されている。おむつ1の縦方向端1Eは、斯かる外装体10の折り返しにおける折曲線に一致する。したがって本実施形態では、外装体折り返し部14は、少なくともおむつ1の縦方向Xの端部であるウエスト領域D1に配置されている。
本発明では、外装体折り返し部14は、ウエスト領域D1に加えて更に腸骨領域D2、胴周り領域D3に配置される場合があり得る。
本実施形態では、外層シート11に比べて、内層シート12の方が、内面側14bに位置する部分の縦方向Xの長さが長い。
本発明では、外装体折り返し部14の内面側14bにおける両シート11,12の長さの大小関係は特に制限されず、図示の形態とは逆に、外層シート11の方が内層シート12に比べて長くてもよく、あるいは両シート11,12が同じ長さでもよい。
本実施形態では、複合伸縮部10E、すなわち外装体10における伸縮シート20の配置部は、下記(1)ないし(3)の構成を全て具備している。
(1)外層シート11(11A,11C)と内層シート12(12A,12C)とが、縦方向X及び横方向Yの両方向において間欠的に配置された複数の接合部13にて接合された構成を有する(図4及び図8参照)。
(2)外層シート11(11A,11C)が、横方向Yに伸縮性を有する伸縮シート20(図6参照)からなり、内層シート12(12A,12C)が非伸縮シートからなる。
(3)外層シート11(11A,11C)と内層シート12(12A,12C)との間に、横方向Yに延在する複数の弾性部材7が縦方向Xに間欠配置され、各弾性部材7は、接合部13を通らないように横方向Yに伸長可能に固定されている。換言すれば、複数の接合部13が横方向Yに間欠配置されて列を形成し、その横方向Yに延びる接合部13の列が、縦方向Xに複数間欠配置されており、該接合部13の列と弾性部材7とが、縦方向Xに交互に配されている(図5及び図8参照)。弾性部材7は、接着剤によって両シート11,12に接合されている。
自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、内層シート12は、図7及び図8に示すように、接合部13を底部に有し縦方向Xに延びる複数の凹条部120と、該凹条部120間に位置し該内層シート12の屈曲部12Pを頂部とする凸条部121とからなる襞構造を有している。凸条部121は、内層シート12における接合部13の非形成部に位置する部分が、外層シート11とは反対側に突出した部分であり、凸条部121は中空、すなわち凸条部121における外層シート11と内層シート12との間は空間部である。
一方、自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、外層シート11(伸縮シート20)は、図9に示すように、内層シート12の1個の凸条部121と平面視(外層シート11の厚み方向の投影視)で重なる領域に複数の屈曲部11Pを有している。すなわち自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、横方向Yの単位長さ当たりの屈曲部の数は、外層シート11(伸縮シート20)の方が内層シート12(非伸縮シート)に比べて多い。つまり自然状態の複合伸縮部10Eでは、外層シート11も内層シート12と同様に、縦方向Xに延びる複数の凹条部と、該凹条部の間に位置し該外層シート11の屈曲部11Pを頂部とする凸条部とからなる襞構造を有しているところ、外層シート11における凸条部又は凹条部のピッチ(間隔)は、内層シート12におけるそれと比べて短い。
自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、外層シート11がこのように、横方向Yに間欠的に形成された複数の屈曲部11Pにて屈曲するように変形する理由の1つとして、外層シート11を形成する伸縮シート20が、「形状又は物性が互いに異なる2種類の部位」を横方向Yに交互に有していることが考えられる。
本実施形態では前述したとおり、伸縮シート20は、その製造工程において、弾性フィラメント23の延在方向(横方向Y)に延伸されているところ、この延伸処理により、伸縮シート20を構成する繊維シート21,22には、図9に拡大して示すように、構成繊維の密度が相対的に高い高密度部24と、構成繊維の密度が相対的に低い低密度部25とが、弾性フィラメント23の延在方向(横方向Y)に交互に形成されており、斯かる繊維密度の差が、伸縮シート20(外層シート11)の屈曲変形を促進していると考えられる。伸縮シート20の自然状態では、典型的には図9に示すように、高密度部24が屈曲の起点となって屈曲部11Pとなり、隣り合う2個の屈曲部11P,11P間に低密度部25が位置する。なお、図9の点線で囲んだ部分の拡大図では、理解容易の観点から、伸縮シート20の構成部材として繊維シート21,22のみを記載し、弾性フィラメント23を記載していないが、実際には、弾性フィラメント23は繊維シート21,22の間に介在配置されて一体となっている。
外層シート11(伸縮シート20)の屈曲変形を促進し得る、前記の「形状又は物性が互いに異なる2種類の部位」における「形状又は物性」としては、前記の「繊維密度」の他に、例えば、剛性、繊維間距離、坪量、延伸処理の有無、繊維端部の多少、平坦度合い等が挙げられる。
複合伸縮部10Eは、典型的には、非伸縮性の内層シート12に対して、弾性部材7を横方向Yに伸長させた状態で接合するとともに、外層シート11(伸縮シート20)を横方向Yに伸長させた状態で接合部13にて接合した後、伸縮部材(弾性部材7及び外層シート11)を伸長状態から解放して自然状態とすることによって作製される。こうして作製された複合伸縮部10Eの自然状態では、伸縮部材が横方向Yに収縮することにより、横方向Yに隣り合う接合部13,13間にて内層シート12が屈曲するように変形し、その変形後の内層シート12には、その屈曲部12Pを頂部とする凸条部121と、接合部13を底部に有する凹条部120とが、横方向Yに交互に配置される。一方、伸縮シート20からなる外層シート11は、内層シート12と同様に、横方向Yに間欠的に形成された複数の屈曲部11Pにて屈曲するように変形するものの、その凹凸ピッチは内層シート12におけるそれと比べて短く、また、外層シート11の凸条部の高さは内層シート12の凸条部121の高さに比べて低い(外層シート11の凹条部の深さは内層シート12の凹条部120の深さに比べて浅い)ため、外層シート11は、場合によっては、凹凸の無い平坦なシートに見える。
外装体折り返し部14はこのように、自然状態で凹凸構造を有する複合伸縮部10Eの折り返しによる積層構造を有しているため、クッション性及び通気性に優れている。また、おむつ1の着用者の肌と接触し得る、外装体折り返し部14の表面は、凹凸の程度が比較的少ない外層シート11によって形成され、典型的には、実質的に平坦であるため、着用者の肌に対する負担が少なく、寝姿勢が多い着用者でも肌に押圧跡が付きにくい。おむつ1は、外装体10がこのような特長を有する外装体折り返し部14を含んで構成されているため、寝姿勢が多い着用者でも肌に押圧跡が付きにくく、ムレにくい。
自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、外層シート11(伸縮シート20)における、1個の凸条部121と平面視で重なる領域(横方向Yに隣り合う2個の接合部13,13の間)に存在する屈曲部11Pの数(外層シート11の一面側に存在するものと他面側に存在するものとの合計数)は、外層シート11をはじめとする複合伸縮部10Eの構成部材の種類や坪量、伸縮シート20及び弾性部材7の伸長特性等にもよるが、外装体折り返し部14による作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、好ましくは2個以上、より好ましくは3個以上である。斯かる屈曲部11Pの数の上限については、特に制限されないが、低密度部25の増加に伴う伸縮シート20の強度低下を防止する観点から、好ましくは10個以下、より好ましくは5個以下である。
1個の凸条部121の横方向Yの長さ(幅)、すなわち横方向Yに隣り合う2個の接合部13,13の間隔は、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上、そして、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。
前記の「外層シート11における屈曲部11Pの数」は、例えば、外層シート11の伸縮方向における厚み方向に沿う断面を、任意の倍率でマイクロスコープを用いて観察し、外層シート11の伸長状態から自然長の状態(非伸長状態)への変化の過程において、1個の凸条部121と平面視で重なる領域(横方向Yに隣り合う2個の接合部13,13の間)に形成される屈曲部11Pの数を目視によりカウントすることで測定することができる。以下、この測定方法を「測定方法A」とも言う。前記測定方法Aにおいて、カウントする対象となる屈曲部11Pは、外層シート11の見かけ厚みが伸長状態(屈曲部11Pが実質的に形成されていない状態)の外層シート11の厚みの2倍以上である場合において、当該屈曲部11Pを頂部とする外層シート11の凸条部の高さが、該凸条部と平面視で重なる内層シート12の凸条部121の高さと同じか又は該凸条部121の高さに比べて低いものとする。
前記測定方法Aは、屈曲部11Pのサイズが比較的小さく目視で視認し難い場合は適用し難い。例えば、外層シート11が、特開2009-61743号公報に記載されているような延伸処理を伴う方法によって製造された伸縮シート20である場合は、屈曲部11Pが細かいものになりやすく、屈曲部11Pの数を測定方法Aで測定することは困難である場合が多い。このような場合は、外装体10から複合伸縮部10E(外装体10における横方向Yに伸縮性を有する伸縮部材が配置された部分)を切り出し、切り出した複合伸縮部10Eを伸長状態にして高密度部24及び低密度部25の数をカウントする方法(以下、「測定方法B」とも言う。)によって、前記の「外層シート11における屈曲部11Pの数」を測定することができる。すなわち図9を参照して、屈曲部11Pは、弾性フィラメント23の伸縮によって、高密度部24は変形せずに低密度部25が変形することによって形成されるので、外層シート11(伸縮シート20)の凸条部又は凹条部は、「2つの低密度部25と1つの高密度部24との組み合わせ」又は「1つの低密度部25と2つの高密度部24との組み合わせ」に対して1つ形成される。そこで前記測定方法Bでは、伸長状態の外層シート11(伸縮シート20)を観察し、その状態での高密度部24及び低密度部25の数をそれぞれカウントし、そのカウント数と接合部13の数とに基づいて、前記の「外層シート11における屈曲部11Pの数」を算出する。
複合伸縮部10E(外装体折り返し部14)を厚み方向に圧縮した場合、具体的には例えば、複合伸縮部10Eに3kPaの荷重をかけて厚み方向に圧縮した場合、外層シート11(伸縮シート20)は、内層シート12に比べて、厚みの減少率が高いことが好ましい。厚みの減少率は次式によって算出される。
厚みの減少率(%)={(圧縮前のシートの厚み-圧縮状態でのシートの厚み)/圧縮前のシートの厚み}×100
外層シート11(伸縮シート20)は、外装体折り返し部14の表面を形成し、おむつ1の着用者の肌と接触し得るものであるところ、外層シート11の厚みの減少率が内層シート12に比べて高い、すなわち外層シート11が圧縮変形しやすく、一定の荷重で圧縮された場合に平坦状になりやすいものであることにより、おむつ1の着用者の肌に押圧跡がつきにくくなる。一方、内層シート12は、外層シート11に比べて厚みの減少率が低いことにより、自然状態で形成される凸条部121の形状が維持されやすくなり、外装体折り返し部14(複合伸縮部10E)のクッション性及び通気性が一層向上し得る。
このような「外層シート11の厚みの減少率>内層シート12の厚みの減少率」という大小関係は、外層シート11及び内層シート12が本明細書に記載のとおりに構成されることで成立し得る。
接合部13は、ホットメルト接着剤等の接着剤で形成されていてもよい、すなわち両シート11,12どうしは接着剤によって接合されていてもよいが、本実施形態では、接合部13は両シート11,12の融着部からなる。接合部13が接着剤で形成されていると、接着剤の染み出しが懸念されるが、融着部から形成されていることで、斯かる懸念が払拭され、おむつ1の着用者の肌に対する負担を一層低減することが可能となる。
両シート11,12の融着部からなる接合部13では、両シート11,12がフィルム状又はそれに準じた形態をなしている。両シート11,12の融着による接合部13の形成は、熱を伴うエンボス加工、超音波シール加工等の公知の樹脂製シートの融着方法によって実施できる。
接合部13は、図8に示すように、縦方向Xに延在していることが好ましい。斯かる構成により、外装体折り返し部14のクッション性が一層向上し、例えばおむつ1の着用者が寝姿勢をとるなどして、外装体折り返し部14に荷重がかかったときに、良好なクッション感が得られる。ここでいう「縦方向Xに延在」には、1)複数の接合部13が縦方向Xに間欠配置され、縦方向Xに延びる接合部13の列を形成している形態(図8参照)と、2)接合部13が平面視において連続線状(直線状、曲線状など)を有している形態(不図示)とが包含される。前記1)の形態において、接合部13の平面視形状は、特に制限されず、図示の如き四角形形状の他に、例えば、円形形状、楕円形形状、三角形形状、四角形形状等であり得る。前記2)の形態の場合、弾性部材7は連続線状の接合部13と交差し得る。
本実施形態では、自然状態の複合伸縮部10Eにおいて、内層シート12が有する襞構造を構成する凸条部121は、前述したとおり図7及び図8に示す如くに中空であり、斯かる凸条部121の中空構造が、外装体折り返し部14のクッション性及び通気性の向上に少なからず寄与している。この凸条部121の中空構造がおむつ1の着用中に安定的に維持されるようにする観点から、内層シート12は、外層シート11(伸縮シート20)に比べて、剛性が高いことが好ましい。
複合伸縮部10E(外装体10)を構成するシートの剛性は下記方法により測定される。
<剛性の測定方法>
測定対象のシート、具体的には例えば外層シート11(伸縮シート20)又は内層シート12)から、該シートを含む複合伸縮部10Eの伸縮方向(吸収性物品の横方向Y)の長さが150mm、該伸縮方向と直交する方向(吸収性物品の縦方向X)の長さが30mmである、平面視長方形形状を切り出して試験片とする。なお、前記伸縮方向は、典型的には、当該シートの製造時の流れ方向(機械方向MD)に一致する。吸収性物品(複合伸縮部)から測定対象のシートを取り出す場合において、測定対象のシートが他の部材と接合されている場合には、ドライヤー等の加熱手段又はコールドスプレー、有機溶剤等を用いて、測定対象のシートと他の部材との接合を無効化させた上で、測定対象のシートを他の部材から丁寧に剥がして単離する。
前記試験片を、該試験片の長手方向が周方向となるように丸め、該試験片の長手方向の両端を5mm重ねて、直径45mmの円筒を作る。そして両端の重ねた部分において、円筒の軸方向の上端及び下端の2箇所を、マックス(株)製No.10-1Mの針等のステープルを用いて止着して、円筒形状の測定サンプルを作製する。なお、ステープルの向きは周方向と平行とする。作製した円筒状の各測定サンプルを、それぞれ、その軸方向を鉛直方向に一致させるように立たせ、株式会社オリエンテック社製の「RTA-100」等の圧縮試験機にセットする。そして、直径70mm以上の円形圧縮プレートにより、測定サンプルを円筒の軸方向に10mm/minの圧縮速度で圧縮し、その圧縮時に示す最大荷重(N/30mm)を記録する。測定対象のシート1種類につき、5つの測定サンプルを用意してそれぞれの最大荷重を測定し、それらの算術平均値を、測定対象のシートの剛性の値とする。
内層シート12の剛性と外層シート11(伸縮シート20)の剛性との比率は、前者>後者を前提として、前者/後者として、1.1以上、より好ましくは1.2以上、そして、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.0以下である。
外層シート11(伸縮シート20)の剛性は、内層シート12のそれに比べて低いことを前提として、好ましくは10.0N以下、より好ましくは8.0N以下である。
内層シート12の剛性は、外層シート11(伸縮シート20)のそれに比べて高いことを前提として、好ましくは16.0N以下、より好ましくは15.0N以下である。
本実施形態では、複合伸縮部10Eは、前述したとおり図8及び図9に示す如くに、複合伸縮部10Eに伸縮性を付与する伸縮部材として、外層シート11(伸縮シート20)の他に、外層シート11と内層シート12との間に横方向Yに伸縮可能に配置された弾性部材7を備えているところ、この弾性部材7は、凸条部121の中空構造がおむつ1の着用中に一層安定的に維持されることに寄与し、延いては外装体折り返し部14のクッション性及び通気性の一層の向上に寄与し得る。すなわちおむつ1の着用中に、内層シート12における凸条部121の中空部に外層シート11の一部が侵入し、それによって凸条部121が実質的に中空構造ではなくなり、外装体折り返し部14のクッション性や通気性の低下を招くことが懸念されるところ、本実施形態では、両シート11,12の間に弾性部材7が配置されていることで、外層シート11の凸条部121の中空部への侵入が抑制され、斯かる懸念が払拭されている。
このような弾性部材7による凸条部121の中空構造の安定性向上効果を確実に奏させるようにするとともに、過剰な数の弾性部材7による着用者の過度の締め付けを防止する観点から、縦方向Xに隣り合う弾性部材7,7どうしの間隔7P(図8参照)は、好ましくは4mm以上、より好ましくは5mm以上、そして、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下である。
本発明の所定の効果、特に外装体折り返し部14による作用効果を確実に奏させるようにするためには、外装体折り返し部14の複数の凸条部121が一様に縦方向Xに沿って延在するとともにその中空構造が維持されることが好ましい。凸条部121の形成に影響を及ぼす要素の1つとして、複合伸縮部10Eの伸縮特性(伸縮部材の伸長倍率、伸長応力等)が挙げられる。また、複合伸縮部10Eの伸縮特性は、これと平面視で重なる吸収体5の影響を受けるため、凸条部121が所望の形態で安定的に存在し得るようにするためには、吸収体5の配置等も考慮する必要がある。
この点、本実施形態では図2及び図5に示すように、腹側部A及び背側部Cそれぞれにおいて、吸収体5の縦方向端5Eが、おむつ1の縦方向端1Eよりも縦方向Xの内方に位置し、両縦方向端5E,1Eに挟まれた領域が吸収体非配置領域5Nとなっているところ、前述の観点から、複合伸縮部10Eにおいて、吸収体非配置領域5Nに位置する部分は、吸収体非配置領域5Nと縦方向Xにおいて隣接する吸収体配置領域に位置する部分に比べて、複合伸縮部10Eに伸縮性を付与する伸縮部材の伸長倍率が低いことが好ましい。
前記「吸収体配置領域」は、腹側部A又は背側部Cを横方向Yに横断する1本の仮想直線(図示せず)を引いた場合に、該仮想直線が吸収体5と重なる領域であり、換言すれば、腹側部A又は背側部Cにおいて吸収体5の横方向Yへの投影像が形成され得る領域である。本実施形態では、腹側部A及び背側部Cそれぞれにおける吸収体非配置領域5N以外の領域は、前記吸収体配置領域である。
吸収体非配置領域5Nは、比較的剛性の高い吸収体5が配置されていないため、前記吸収体配置領域に比べて伸縮部材の影響を受けやすい。そのため、複合伸縮部10Eが備える伸縮部材の伸縮特性によっては、吸収体非配置領域5Nの凸条部121の延在方向が縦方向Xに対して平行にならずに縦方向Xに対して交差する方向になる、凸条部121の形状が崩れて中空構造が維持できなくなる等の不都合が生じるおそれがある。これに対し、前記のように、複合伸縮部10Eの伸縮部材の伸長倍率に関して、「吸収体非配置領域5N<前記吸収体配置領域」の大小関係が成立することで、斯かる不都合の発生が防止され、本発明の所定の効果が一層確実に奏されるようになる。
前記「伸長倍率」は、複合伸縮部10Eの伸縮部材(弾性部材、伸縮シート等)の張設具合の指標となるもので、伸縮部材の自然状態(非伸長状態)での長さを100としたときに何%伸長しているかを示すものである。伸長倍率は以下の方法で測定される。
先ず、測定対象の伸縮部材(例えば弾性部材7)を含む吸収性物品(例えばおむつ1)を、該伸縮部材の伸縮方向(例えば横方向Y)に最大に伸長させた状態にし、油性ペンを用いて、該伸縮部材に該伸縮方向に一定間隔L0(例:100mm)をあけて2つの印を付ける。なお、伸縮部材が不織布等のシートで被覆されている場合は、そのシート越しに油性ペンで伸縮部材に印をつければよく、そうすることで、油性ペンのインクがそのシートを介して伸縮部材に移行し、伸縮部材に印を付すことができる。次いで、伸縮部材から前記2つの印に挟まれた部分を切り出し、その切り出した伸縮部材の自然状態(非伸長状態)での長さL1を測定する。そして、下記式〔1〕により、伸長倍率を求める。
伸長倍率(%)=(L0/L1)×l00・・・〔1〕
本実施形態では前述したとおり、複合伸縮部10Eは伸縮部材として外層シート11(伸縮シート20)及び弾性部材7を備えるところ、このように複合伸縮部10Eが複数種類の伸縮部材を備える場合、その複数種類の伸縮部材の一部の伸長倍率について前記大小関係を成立させてもよく、複数種類の伸縮部材の全部の伸長倍率について前記大小関係を成立させてもよい。特に弾性部材7の伸縮特性が凸条部121の形成に与える影響が大きいので、少なくとも弾性部材7の伸長倍率について前記大小関係を成立させることが好ましい。
前述した複合伸縮部10Eの伸縮部材の伸長倍率の大小関係の成立による作用効果を一層確実に奏させるようにする観点から、複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5Nに位置する部分は、複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域に位置する部分に比べて、伸長応力が低いことが好ましい。
前記「伸長応力」は、複合伸縮部10Eの当該部分をその伸縮方向(横方向Y)に沿って一定長さ伸長させるのに要する荷重であり、伸長応力の値が大きいほど、当該部分は伸長し難い。伸長応力は下記方法により測定される。
複合伸縮部10Eの伸長応力は、例えば、複合伸縮部10Eが備える伸縮部材の種類(伸縮シート、弾性部材等)、該伸縮部材の配置、 該伸縮部材が弾性部材であればその配置数・配置間隔・弾性部材の太さ等を適宜調整することによって調整することができる。
本実施形態では、図2及び図5に示すように、吸収体非配置領域5Nは、着用者の腰周りに対応するウエスト領域D1を含み、前記吸収体配置領域は、着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に対応する腸骨領域D2を含み、更に胴周り領域D3を含む。
前記の複合伸縮部10Eの伸縮部材の伸長倍率に関する大小関係、及び複合伸縮部10Eの伸長応力に関する大小関係において、吸収体非配置領域5Nの比較対象となる前記吸収体配置領域は、少なくとも腸骨領域D2を含むことが好ましい。すなわち、前記の伸長倍率及び伸長応力それぞれに関して、「ウエスト領域D1(吸収体非配置領域5N)<腸骨領域D2」の大小関係が成立することが好ましい。
<伸長応力の測定方法>
測定対象のパンツ型吸収性物品が前述のおむつ1である場合を例にとって説明する。まず、サイド接合部Sで接合されている外装体10どうしを剥がし、おむつ1を展開して平面状に拡げ、おむつ1の横方向Yと平行な直線に沿って、測定対象領域(複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N、腸骨領域D2に位置する部分等)をそれぞれ切り出して測定サンプルとする。この切り出しの際には、複合伸縮部10E(外装体10)のみならず、吸収性本体2等を含むおむつ1全体を切断する。また、測定対象領域に弾性部材7の如き、複合伸縮部に伸縮性を付与する弾性部材又はそれに準ずるもの(以下、「弾性部材等」とも言う。)が存在する場合、該測定対象領域から切り出す測定サンプルには、該測定サンプルの縦方向X(弾性部材等の延在方向と直交する方向)において弾性部材等が少なくとも1本含まれるようにする。
測定サンプルの長手方向(横方向Y)の両端(サイド接合部S又はその近傍)を、(株)ORIENTEC社製のテンシロン万能試験機(RTC-1210A)のチャックに挟み、測定サンプルを300mm/minの速度で長手方向に伸長させ、その際の測定サンプルの応力(伸長応力)を測定する。具体的には、複合伸縮部10Eの内寸、より具体的には、弾性部材7により複合伸縮部10Eを構成するシート11,12が収縮していない状態での一対のサイドシール部S,S間の長さを100(例えば350mm)とした場合に、測定サンプルを80相当(例えば280mm)の長さまで伸長させた後に、71相当(例えば250mm)の長さまで収縮させた時の引張り荷重(cN)をその測定サンプルの伸長応力とする。測定サンプルの伸長応力は、当該測定対象領域の引張方向(測定サンプルの長手方向)と直交する方向(縦方向X)の長さあたりに換算することで、平均伸長応力として算出される。
測定サンプルの応力として前記のように、外装体の内寸を100としたときの71相当の長さにおける戻りの力を規定した理由は、おむつ1の如きパンツ型吸収性物品を着用する主たる幼児の腹周りの長さがおむつ内寸と比して71%程度となるからである。ここでいう、腹周りの長さは、幼児の姿勢が変化したときの腹周りの周長の変化を考慮し、立位及び座位で測定した腹周りの平均値である。
複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N(ウエスト領域D1)に位置する部分の伸縮部材(弾性部材7又は外層シート11)の伸長倍率と、複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域(腸骨領域D2)に位置する部分の該伸縮部材の伸長倍率との比率は、前述したとおり前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N(ウエスト領域D1)に位置する部分の伸縮部材の伸長倍率は、複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域(腸骨領域D2)に位置する部分の伸縮部材の伸長倍率に比べて低いことを前提として、好ましくは150%以上、より好ましくは200%以上、そして、好ましくは300%以下、より好ましくは250%以下である。
複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域(腸骨領域D2)に位置する部分の伸縮部材の伸長倍率は、複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N(ウエスト領域D1)に位置する部分の伸縮部材の伸長倍率に比べて高いことを前提として、好ましくは200%以上、より好ましくは250%以上、そして、好ましくは400%以下、より好ましくは350%以下である。
複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N(ウエスト領域D1)に位置する部分の伸長応力と、複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域(腸骨領域D2)に位置する部分の伸長応力との比率は、前述したとおり前者<後者を前提として、前者/後者として、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、そして、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。
複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N(ウエスト領域D1)に位置する部分の伸長応力は、複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域(腸骨領域D2)に位置する部分の伸長応力に比べて低いことを前提として、好ましくは0.01N/mm以上、より好ましくは0.02N/mm以上、そして、好ましくは0.1N/mm以下、より好ましくは0.05N/mm以下である。
複合伸縮部10Eにおける前記吸収体配置領域(腸骨領域D2)に位置する部分の伸長応力は、複合伸縮部10Eにおける吸収体非配置領域5N(ウエスト領域D1)に位置する部分の伸長応力に比べて高いことを前提として、好ましくは0.02N/mm以上、より好ましくは0.04N/mm以上、そして、好ましくは0.2N/mm以下、より好ましくは0.1/mm以下である。
外装体折り返し部14においては、図7及び図8に示すように、外面側14a(外装体折り返し部14の厚み方向の外方側に位置する複合伸縮部10E)の凹条部120と、内面側14b(外装体折り返し部14の厚み方向の内方側に位置する折り返された複合伸縮部10E)の凹条部120とが、相対向していることが好ましい。斯かる構成により、外装体折り返し部14のクッション性が一層向上し、例えばおむつ1の着用者が寝姿勢をとるなどして、外装体折り返し部14に荷重がかかったときに、良好なクッション感が得られる。
同様の観点から、外装体折り返し部14においては、図7及び図8に示すように、外面側14a(外装体折り返し部14の厚み方向の外方側に位置する複合伸縮部10E)の凸条部121と、内面側14b(外装体折り返し部14の厚み方向の内方側に位置する折り返された複合伸縮部10E)の凸条部121とが、相対向していることが好ましい。
更には、図示の形態の如くに、外装体折り返し部14において、外面側14a(相対向する複合伸縮部10E,10Eのうちの一方)の凸条部121と内面側14b(相対向する複合伸縮部10E,10Eのうちの他方、折り返された複合伸縮部10E)の凸条部121とが接着されていることが好ましい。図示の形態では、双方の凸条部121の頂部(屈曲部12P)どうしが接着部15を介して接合されている。接着部15は、ホットメルト接着剤等の接着剤が塗布されて形成されている。
接着部15は、外装体折り返し部14のクッション性の更なる向上等の観点から、縦方向Xに延在していることが好ましい。ここでいう「縦方向Xに延在」には、1)複数の接着部15が縦方向Xに間欠配置され、縦方向Xに延びる接着部15の列を形成している形態と、2)接着部15が平面視において連続線状(直線状、曲線状など)を有している形態とが包含される。
図10には、本発明に係る外装体折り返し部の他の実施形態である外装体折り返し部14Aが示されている。外装体折り返し部14Aについては、前述の外装体折り返し部14(図7参照と異なる構成を主に説明し、同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。外装体折り返し部14Aについて特に説明しない構成は、外装体折り返し部14についての説明が適宜適用される。
外装体折り返し部14Aにおいては、外面側14a(外装体折り返し部14Aの厚み方向の外方側に位置する複合伸縮部10E)の複合伸縮部10Eと、内面側14b(外装体折り返し部14Aの厚み方向の内方側に位置する折り返された複合伸縮部10E)とで、凸条部121のパターンが異なる。ここで言う「凸条部121のパターン」とは、凸条部121のピッチ(横方向Yに隣り合う凸条部121,121の頂部どうしの間隔)、凸条部121の幅(凸条部121の延在方向(縦方向X)と直交する方向(横方向Y)の長さ)及び凸条部121の高さを含む概念であり、外面側14aと内面側14bとでこれら3つのうちの1つでも異なれば、外面側14aと内面側14bとで凸条部121のパターンが異なるとなる。
外装体折り返し部14Aでは、外面側14aにおいて横方向Yに隣り合う2個の凸条部121に対して、内面側14bの3個の凸条部121が対応しており、内面側14bの方が凸条部121の幅が短い。また、内面側14bの方が凸条部121の高さが低い。外装体折り返し部14Aではこのように、パンツ型吸収性物品の着用者の肌に当接し得る部分である内面側14bの方が外面側14aに比べて凸条部121が小さいところ、一般に、凸条部121が小さいほど、複合伸縮部10Eは平坦になりやすいので、内面側14bは凹凸の少ない平坦な状態で着用者の肌に当接し得る。これにより、外装体折り返し部14Aによる着用者の肌の擦れ、それに起因する肌トラブルが低減され得る。
なお本発明には、外装体折り返し部14Aとは逆に、内面側14bの方が外面側14aに比べて凸条部121が大きい形態が包含されるところ、斯かる形態のメリットとして、着用者の肌に近い内面側14bの通気性が向上する点が挙げられる。
凸条部121のパターン(ピッチ、幅、高さ)は、複合伸縮部10Eが備える伸縮部材(伸縮シート、弾性部材等)の種類・配置、複合伸縮部10Eを構成する重ね合わされたシート12,13どうしの接合部13のパターン(接合部どうしの間隔、接合部の横方向Yの長さ)等によって定まるので、外面側14aと内面側14bとでこれらを異ならせることで、両者の凸条部121のパターンを互いに異ならせることが可能である。
本発明のパンツ型吸収性物品は、使い捨ておむつのみならず、使い捨てショーツ、ショーツ型ナプキンなどの、パンツ型の構造を有する吸収性物品一般に適用可能であり、乳幼児用のものであっても、成人用のものであってもよい。
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、おむつ1においては、図2に示すように、外装体10が腹側部A、股下部B及び背側部Cにわたる連続した形状をなしているが、これに代えて、外装体10が腹側シート部材と背側シート部材とに分割された形態であり、吸収性本体2が両シート部材に架け渡して固定されていてもよい。
また、前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記外装体の前記縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて、一対のサイドシール部、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている、パンツ型吸収性物品であって、
前記外装体は、前記吸収体から相対的に遠い位置に配置された外層シートと、該吸収体から相対的に近い位置に配置された内層シートとを含み、
前記外装体の少なくとも一部が、前記横方向に伸縮性を有する複合伸縮部であり、該複合伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとが、前記横方向に間欠配置された複数の接合部にて接合されており、
自然状態の前記複合伸縮部において、前記内層シートは、前記接合部を底部に有し前記縦方向に延びる複数の凹条部と、該凹条部間に位置し該内層シートの屈曲部を頂部とする凸条部とからなる襞構造を有し、前記外層シートは、該内層シートの1個の該凸条部と平面視で重なる領域に複数の屈曲部を有し、
前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、前記複合伸縮部が前記内層シートを内側にして折り返された部分を含む外装体折り返し部が設けられている、パンツ型吸収性物品。
<2>
自然状態の複合伸縮部において、前記隣り合う接合部の間に前記屈曲部が2個以上10個以下、好ましくは2個以上5個以下存在する、前記<1>に記載のパンツ型吸収性物品。
<3>
前記隣り合う接合部の間隔が、2mm以上15mm以下、好ましくは3mm以上10mm以下である、前記<2>に記載のパンツ型吸収性物品。
<4>
前記外装体折り返し部が、前記パンツ型吸収性物品の縦方向端を含むウエスト領域に配置されている、請求項<1>~<3>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<5>
前記複合伸縮部を厚み方向に圧縮した場合、前記外層シートは、前記内層シートに比べて、厚みの減少率が高い、請求項<1>~<4>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<6>
前記外層シートは前記横方向に伸縮性を有し、前記内層シートは伸縮性を有しない、請求項<1>~<5>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<7>
前記接合部が、前記外層シートと前記内層シートとの融着部からなる、請求項<1>~<6>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<8>
前記内層シートは、前記外層シートに比べて、剛性が高い、請求項<1>~<7>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<9>
前記外層シートの剛性に対する前記内層シートの剛性の比率が、1.1以上3.0以下、好ましくは1.2以上2.0以下である、前記<8>に記載のパンツ型吸収性物品。
<10>
前記複合伸縮部は、該複合伸縮部に伸縮性を付与する伸縮部材として、前記外層シートと前記内層シートとの間に該横方向に伸縮可能に配置された弾性部材を備える、前記<1>~<9>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<11>
前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方において、前記吸収体の縦方向端が、前記パンツ型吸収性物品の縦方向端よりも前記縦方向の内方に位置し、両縦方向端に挟まれた領域が吸収体非配置領域となっており、
前記複合伸縮部における前記吸収体非配置領域に位置する部分は、該複合伸縮部における該吸収体非配置領域と前記縦方向において隣接する吸収体配置領域に位置する部分に比べて、該複合伸縮部に伸縮性を付与する伸縮部材の伸長倍率が低い、前記<1>~<10>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<12>
前記複合伸縮部における前記吸収体非配置領域に位置する部分は、該複合伸縮部における前記吸収体配置領域に位置する部分に比べて、伸長応力が低い、前記<11>に記載のパンツ型吸収性物品。
<13>
前記吸収体非配置領域は、着用者の腰周りに対応するウエスト領域を含み、前記吸収体配置領域は、着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に対応する腸骨領域を含む、前記<11>又は<12>に記載のパンツ型吸収性物品。
<14>
前記外装体折り返し部において、厚み方向の外方側に位置する前記複合伸縮部と、厚み方向の内方側に位置する折り返された前記複合伸縮部とで、前記凸条部のパターンが異なる、前記<1>~<13>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<15>
前記外装体折り返し部において、厚み方向の外方側に位置する前記複合伸縮部の前記凹条部と、厚み方向の内方側に位置する折り返された前記複合伸縮部の前記凹条部とが、相対向している、前記<1>~<14>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<16>
前記外装体折り返し部において、厚み方向の外方側に位置する前記複合伸縮部の前記凸条部と、厚み方向の内方側に位置する折り返された前記複合伸縮部の前記凸条部とが、相対向している、前記<1>~<15>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<17>
前記外装体折り返し部において、相対向する一方の前記複合伸縮部の前記凸条部と他方の前記複合伸縮部の前記凸条部とが接着されている、前記<16>に記載のパンツ型吸収性物品。
<18>
相対向する前記凸条部どうしの接着部が前記縦方向に延在している、前記<17>に記載のパンツ型吸収性物品。
<19>
前記接合部が前記縦方向に延在している、前記<1>~<18>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<20>
前記外層シートの坪量が20g/m以上60g/m以下、好ましくは30g/m以上55g/m以下である、前記<1>~<19>の何れか1に記載のパンツ型吸収性物品。
<21>
前記内層シートの坪量が13g/m以上30g/m以下、好ましくは15g/m以上25g/m以下である、前記<1>~<20>の何れか1に記載のパンツ型吸収
性物品。
1 パンツ型吸収性物品(パンツ型使い捨ておむつ)
1E 吸収性物品(外装体)の縦方向端
X 縦方向
Y 横方向
F 前身頃
R 後身頃
A 腹側部
B 股下部
C 背側部
D1 ウエスト領域
D2 腸骨領域
D3 胴周り領域
2 吸収性本体
3 表面シート
4 裏面シート
5 吸収体
6 防漏カフ
7 胴周りギャザー形成用弾性部材
8 レッグギャザー形成用弾性部材
10 外装体
10E 複合伸縮部
11,11A,11B,11C 外層シート
11P 外層シートの屈曲部
12,12A,12C 内層シート
120 内層シートの凹条部
121 内層シートの凸条部
12P 内層シートの屈曲部
13 外層シートと内層シートとの接合部
14,14A 外装体折り返し部
15 接着部
20 伸縮シート
21,22 繊維シート
23 弾性フィラメント
24 高密度部
25 低密度部

Claims (15)

  1. 着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、着用者の股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、吸収体を含む吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを備え、
    前記腹側部及び前記背側部それぞれの前記外装体の前記縦方向に沿う両側縁部どうしが接合されて、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部が形成されている、パンツ型吸収性物品であって、
    前記外装体は、前記吸収体から相対的に遠い位置に配置された外層シートと、該吸収体から相対的に近い位置に配置された内層シートとを含み、
    前記外装体の少なくとも一部が、前記横方向に伸縮性を有する複合伸縮部であり、該複合伸縮部においては、前記外層シートと前記内層シートとが、前記横方向に間欠配置された複数の接合部にて接合されており、
    自然状態の前記複合伸縮部において、前記内層シートは、前記接合部を底部に有し前記縦方向に延びる複数の凹条部と、該凹条部の間に位置し該内層シートの屈曲部を頂部とする凸条部とからなる襞構造を有し、前記外層シートは、該内層シートの1個の該凸条部と平面視で重なる領域に複数の屈曲部を有し、
    前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方に、前記複合伸縮部が前記内層シートを内側にして折り返された部分を含む外装体折り返し部が設けられており、
    前記内層シートは、前記外層シートに比べて、剛性が高い、パンツ型吸収性物品。
  2. 前記外装体折り返し部が、前記パンツ型吸収性物品の縦方向端を含むウエスト領域に配置されている、請求項1に記載のパンツ型吸収性物品。
  3. 前記複合伸縮部を厚み方向に圧縮した場合、前記外層シートは、前記内層シートに比べて、厚みの減少率が高い、請求項1又は2に記載のパンツ型吸収性物品。
  4. 前記外層シートは前記横方向に伸縮性を有し、前記内層シートは伸縮性を有しない、請求項1~3の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  5. 前記接合部が、前記外層シートと前記内層シートとの融着部からなる、請求項1~4の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  6. 前記複合伸縮部は、該複合伸縮部に伸縮性を付与する伸縮部材として、前記外層シートと前記内層シートとの間に該横方向に伸縮可能に配置された弾性部材を備える、請求項1~の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  7. 前記腹側部及び前記背側部の少なくとも一方において、前記吸収体の縦方向端が、前記パンツ型吸収性物品の縦方向端よりも前記縦方向の内方に位置し、両縦方向端に挟まれた領域が吸収体非配置領域となっており、
    前記複合伸縮部における前記吸収体非配置領域に位置する部分は、該複合伸縮部における該吸収体非配置領域と前記縦方向において隣接する吸収体配置領域に位置する部分に比べて、該複合伸縮部に伸縮性を付与する伸縮部材の伸長倍率が低い、請求項1~の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  8. 前記複合伸縮部における前記吸収体非配置領域に位置する部分は、該複合伸縮部における前記吸収体配置領域に位置する部分に比べて、伸長応力が低い、請求項に記載のパンツ型吸収性物品。
  9. 前記吸収体非配置領域は、着用者の腰周りに対応するウエスト領域を含み、前記吸収体配置領域は、着用者の腸骨稜から上前腸骨棘にかけての部位に対応する腸骨領域を含む、請求項又はに記載のパンツ型吸収性物品。
  10. 前記外装体折り返し部において、厚み方向の外方側に位置する前記複合伸縮部と、厚み方向の内方側に位置する折り返された前記複合伸縮部とで、前記凸条部のパターンが異なる、請求項1~の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  11. 前記外装体折り返し部において、厚み方向の外方側に位置する前記複合伸縮部の前記凹条部と、厚み方向の内方側に位置する折り返された前記複合伸縮部の前記凹条部とが、相対向している、請求項1~10の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  12. 前記外装体折り返し部において、厚み方向の外方側に位置する前記複合伸縮部の前記凸条部と、厚み方向の内方側に位置する折り返された前記複合伸縮部の前記凸条部とが、相対向している、請求項1~11の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
  13. 前記外装体折り返し部において、相対向する一方の前記複合伸縮部の前記凸条部と他方の前記複合伸縮部の前記凸条部とが接着されている、請求項12に記載のパンツ型吸収性物品。
  14. 相対向する前記凸条部どうしの接着部が前記縦方向に延在している、請求項13に記載のパンツ型吸収性物品。
  15. 前記接合部が前記縦方向に延在している、請求項1~14の何れか1項に記載のパンツ型吸収性物品。
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