本発明の実施の形態に係る光源ユニット、照明装置および光源カバーについて図面を参照して説明する。同じまたは対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。
実施の形態1.
図1から図11を参照して、実施の形態1の照明装置600の概要を説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、実施の形態の説明において、上、下、左、右、前、後、表(おもて)、裏(うら)といった方向、向きあるいは位置が示されている場合がある。これらの表記は、説明の便宜上、そのように記載されており、装置、器具、あるいは部品の配置、方向および向きを限定するものではない。
なお、以下の説明では、照明装置600に対して、照明装置600を取り付ける造営部900の向きを上方、光源31が光を照射する向きを下方、照明器具1に対して光源ユニット2を取り付けまたは取り外しする方向を着脱方向または上下方向として説明する。上下方向は矢印zに示される方向である。
また、以下の説明で、長手方向は矢印xで示され、短手方向は矢印yで示される。長手方向xは短手方向yとは、水平方向で直交する。
図1は、実施の形態1に係る照明装置600の斜視図である。照明装置600は、照明器具1と光源ユニット2とを有する。照明装置600の長手方向xは光源ユニット2の長手方向xと平行である。照明装置600の短手方向yは光源ユニット2の短手方向yと平行である。
照明装置600は、天井あるいは壁といった造営部900に取り付けられる。照明装置600は長手方向xに延びた長尺状である。照明装置600は、光源一体型ベース照明、LEDベースライトなどとも称される。図1に示した照明装置600は、天井直付形の所謂逆富士タイプである。照明装置600は、トラフタイプ、笠付タイプ、下面開放タイプ、埋込タイプ、壁取付タイプでもよい。また、照明装置600は、複数台の照明装置を連結した連結タイプであってもよい。
図2は、実施の形態1に係る照明装置600の分解斜視図である。光源ユニット2は、照明器具1に着脱可能に取り付けられる。照明器具1は、本体ユニット10を有する。本体ユニット10は器具本体とも称する。本体ユニット10は、外観主部101と光源ユニット取付部102とを有する。本体ユニット10は、例えば、板金が折り曲げられて形成される。
光源ユニット取付部102は、底面部103と周面部104とを有する。底面部103は、長手方向xに沿って延びる矩形状の底板部である。周面部104は、短手方向yにおける底面部103の両端部から立ち上がっている側壁部である。光源ユニット取付部102は、光源ユニット2を収容する収納部となり、収容部とも称する。光源ユニット取付部102には、光源ユニット2が着脱可能に取り付けられる。
底面部103には、2つの本体側連結具11と、外部電源に電気的に接続された本体側電源線材12が設置される。
本体ユニット10の長手方向xの両端部には、本体端部105が設けられる。本体端部105は、長手方向xにおける外観主部101および光源ユニット取付部102の端部と対向した状態で、本体ユニット10に設けられる。本体端部105は、長手方向xにおける光源ユニット取付部102の両端部を塞ぐ端壁部である。
本体側連結具11は、光源ユニット2を取り付けるための取付バネである。本実施の形態では、本体側連結具11として板バネを用いている。本体側連結具11には、線バネ、スプリングバネなどが用いられてもよい。本実施の形態では、2つの本体側連結具11は、長手方向xにおける底面部103の両端側にそれぞれ1つずつ取り付けられている。本体側連結具11は、後述する光源ユニット2が備える光源側連結具46と係り合う板バネである。このため、本体側連結具11は、光源側連結具46に対応する位置に配置される。本体側連結具11の数は2つに限らず、光源側連結具46に対応する数であればよい。本体側連結具11は、ネジなどの図示しない固定具を用いて底面部103に固定される。
本体側電源線材12は、本体ユニット10に配線され、外部電源に電気的に接続されている。本体側電源線材12は本体側コネクタ13を有する。本体側コネクタ13は、後述する光源側電源線材42と電気的に接続される。
図3は、実施の形態1に係る光源ユニット2の斜視図である。光源ユニット2は、外郭部20と後述する発光部30とを有する。光源ユニット2は、照明具、光源装置、ライトユニットなどとも称する。
光源ユニット2は外郭部20を有する。外郭部20は、後述する発光部30を覆う。外郭部20は、光源カバー21と端部カバー24と光源支持部25とを有する。光源カバー21は、外郭部20における第1外郭部である。光源カバー21は、発光部30を覆うように光源支持部25に取り付けられる。端部カバー24は、外郭部20における第2外郭部である。端部カバー24は、長手方向xにおける光源カバー21の端部と対向した状態で光源カバー21に取り付けられる。光源支持部25は、外郭部20の第3外郭部である。
端部カバー24は、底部240と周部241とを有する。端部カバー24は、長手方向xにおける光源カバー21の端部を覆う。端部カバー24の周部241は光源カバー21の内部に嵌め込まれる。端部カバー24は、例えば、接着、溶着といった方法を用いて光源カバー21に取り付けられる。端部カバー24は、光源支持部25に取り付けられた発光部30の長手方向xにおける端部側を覆う。端部カバー24が光源カバー21に取り付けられた状態で、底部240は、長手方向xにおける外郭部20の端面部となる。
端部カバー24は後述する透光部22と同様に、全体が透光性を有する波長弁別部である。本実施の形態では、端部カバー24は透光性の樹脂材料である基材に波長弁別機能を有する光色調整材が添加された混合材料によって形成される。なお、端部カバー24のうち周部241の上方側は、後述する反射部23と同様に、遮光性を有する高反射部から形成されてもよい。
光源支持部25は、取付部となる板状の主部26を有する。主部26は、第1面と第1面と反対側の面である第2面261とを有する。第1面は、発光部30の基板が取り付けられる基板取付部である。第1面は、主部26の一方の面であり、照射側である下方の面である。
第2面261は、電源ユニット40が取り付けられる電源取付部である。第2面261は、光源側電源線材42、給電線材44、光源側連結具46、電線保持具48および電線留め具49などが取り付けられる付属装置取付部である。第2面261は、主部26の他方の面であり、器具側である上方の面である。
電源ユニット40は、主部26の長手方向xにおける中央より一端部263の側に寄せて取り付けられている。電源ユニット40は、図示しないネジなどの固定具を用いて、第2面261に取り付けられている。なお、電源ユニット40は、主部26の長手方向xにおける中央に取り付けられていても構わない。電源ユニット40は電源装置、点灯装置などとも称する。
電源ユニット40は、ベースカバーである第1筐体404とトップカバーである第2筐体410とを有する。図示は省略するが、電源ユニット40は、第1筐体404に取り付けられている電源基板と、電源基板に実装されている電源回路部品と、給電コネクタと、電源コネクタとを有する。図示は省略するが、第1筐体404は、例えば、特殊ネジなどの固定具を用いて、第2面261に取り付けられている。第2筐体410は、電源回路部品を覆った状態で第1筐体404に取り付けられている。電源基板、電源回路部品、給電コネクタおよび電源コネクタは、電位固定部を除いて、第1筐体404と第2筐体410とのいずれとも電気的に絶縁されている。
光源ユニット2は、光源側電源線材42、光源側コネクタ43、給電線材44、電線保持具48および電線留め具49を有する。光源側電源線材42の端部には、光源側コネクタ43が配置されている。光源側コネクタ43と本体側コネクタ13とが電気的に接続されることによって、外部電源から電源ユニット40に対して外部電力が供給される。外部電力は、例えば、商用交流電力である。
給電線材44は、光源ユニット2の長手方向xにおける一端の側で、電線保持具48によって保持される。給電線材44は、電線保持具48の内部でU字状に折り返され、光源支持部25の第1面に取り付けられた基板の実装面に電気的に接続される。基板の実装面において、給電線材44の図示しない給電コネクタと発光部30の基板コネクタとが接続される。このようにして、基板に点灯電力を供給することが可能となる。ここで、電線保持具48は、電線保持部材、電線保持装置、配線保持装置あるいはハーネスクランプなどとも称される。
図示は省略するが、電線保持具48は、ベース部、取付フック、クランプ部、ヒンジ部、電線挿通溝、第1係合部、第2係合部および張出部などの構成を有する。ベース部は矩形状の板である。取付フックは、電線保持具48を光源支持部25の電線保持具装着孔266に係着させるための爪である。クランプ部は、給電線材44を電線挿通溝に保持する保持部である。ヒンジ部は、ベース部とクランプ部とを繋ぐとともに、ベース部にクランプ部を回転可能に取り付けた可動連結部である。電線挿通溝は、給電線材44を挟みこんで固定するための凹形状の溝である。第1係合部は、クランプ部の一端に形成されたクランプ部側係合部であり、第2係合部は、ベース部側に形成されたベース部側係合部である。張出部は、クランプ部の下端から光源ユニット2の長手方向xにおける一端の側に突出した部分であり、端部カバー24の周部241と重なるオーバーラップ部となる。
光源側連結具46は、光源側取付装置、光源側取付具、バネ受け金具などとも称される。本実施の形態では、光源ユニット2は2つの光源側連結具46を有しており、2つの光源側連結具46は、長手方向xにおける光源支持部25の主部26の両端にそれぞれ1つずつ取り付けられている。光源側連結具46は、照明器具1が備える本体側連結具11と係り合い、光源ユニット2を照明器具1に固定する。このため、光源側連結具46は、本体側連結具11に対応する位置に配置される。光源側連結具46の数は2つに限らず、本体側連結具11に対応する数であればよい。光源側連結具46は、ネジ51などの固定具を用いて光源支持部25の主部26に固定される。
図4は、実施の形態1に係る光源ユニット2の主要部を説明する分解斜視図である。光源支持部25は、主部26と突出部27とを有する。光源支持部25は、長手方向xに沿って延設している。本実施の形態では、短手方向yにおける光源支持部25の断面はU字方またはコ字形状をなしている。光源支持部25は、発光部30が取り付けられる取付部であり、台座である。また、光源支持部25は、発光部30の光源31の動作熱を放散させるヒートシンクである。
光源支持部25において、短手方向yにおける主部26の両側には一対の突出部27が形成されている。突出部27は側部とも称する。突出部27は、光源ユニット2が照明器具1に取り付けられた状態で、光源ユニット取付部102の底面部103に向かって立ち上がるように形成されている。突出部27の先端部276は、光源カバー21の係合部231と係り合う。
光源支持部25の一端部263は、電線保持具装着部264と電線挿通切欠き部265と電線保持具装着孔266とを有する。電線保持具装着部264は、電線保持具48が配置される部分である。電線挿通切欠き部265は、電線保持具48が取り付けられるとともに、電線保持具48に保持された給電線材44が挿通される。電線保持具装着孔266は、電線保持具48の取付フックが係着される貫通孔である。光源支持部25の他端部267は、張出部268を有する。張出部268は、長手方向xに沿って突出しており、端部カバー24の周部241と重なるオーバーラップ部となる。
発光部30は、光源31と基板34とを有する。本実施の形態では、光源31としてLEDが用いられる。光源31は、例えば基板34の実装面に面実装される。光源31は、基板34の実装面に一定の間隔で一列に配置される。実装面は、基板34のうち主部26と反対側の面である。光源31と、基板34に設けられた配線パタンとが電気的に接続されて、光源回路が形成される。光源31と配線パタンとは、例えば半田付けなどによって接続される。基板34に点灯電力が供給されると、光源31が点灯する。
基板34は、矩形状に形成されており、長手方向xに沿って光源支持部25の第1面260に配置されている。基板34は、光源支持部25の形状に対応して形成されている。また、基板34は、光源カバー21の反射部23と当接しないように配置されている。
図5は、実施の形態1に係る照明装置600の断面図である。図5は図1をA-A直線で切断することで得られる断面図である。図5に示されるように、光源ユニット取付部102には、光源ユニット2のうち電源ユニット40が収容される。基板34は、実装面340と非実装面341とを有する。実装面340は、光源31が実装される面であり、発光部30のおもて面である。
実装面340は、反射率が高い高反射タイプのレジストが敷設された高反射面である。高反射タイプのレジストは、例えば白色である。実装面340には、高反射タイプのレジストに限らず、他の反射部材が、塗布、印刷、蒸着などの方法によって直接設けられてもよい。また、実装面340には、基板34とは別部材である反射部材が貼合されてもよい。
非実装面341は、主部26の第1面260と当接し、接着される接着面である。基板34は、接着部材によって光源支持部25に貼合される。接着部材は、例えば接着剤、粘着シート等である。非実装面341は、発光部30のうら面である。非実装面341は、第1面260と当接した状態で、光源31の動作熱を光源支持部25へ伝達する熱伝達面である。
基板34の基材には、ガラスエポキシ材料、紙フェノール材料、コンポジット材料あるいはアルミニウム(Al)などの金属材料が使用される。基板34の基材は、例えば、部品の配置、放熱性および材料コストなどを考慮して決定される。本実施の形態では、基板34の厚さは、例えば1mm程度である。基板34の厚さはこれに限定されない。
図示は省略するが、基板34の実装面340には、点灯電力の入力端である基板コネクタと、光源31を点灯させるための回路部品とが実装される。回路部品は、例えば、整流ダイオード、ヒューズおよび抵抗などを含む。すなわち、本実施の形態の発光部30には、光源31、回路部品、基板コネクタおよび基板34が含まれる。回路部品および基板コネクタは、配線パタンと電気的に接続されて給電回路を形成する。回路部品および基板コネクタは、例えば半田付けなどによって配線パタンと接続される。基板34は、給電線材44を介して電源ユニット40と電気的に接続される。
図6は、実施の形態1に係る光源ユニット2の取り付け方法を説明する図である。図6を用いて、照明装置600の施工方法を説明する。まず、造営部900である天井に照明器具1を取り付ける。照明器具1を天井に取り付ける方法には、天井からつり下げられている吊ボルトに照明器具1を固定する方法およびネジなどの固定具により直接天井に照明器具1を固定する方法などがある。
照明器具1を造営部900に取り付ける際、天井から引き出された外部電源線材であるFケーブルを、照明器具1の光源ユニット取付部102の内部に引き込み、図示しない端子台と接続する。このようにして、本体側電源線材12と本体側コネクタ13はFケーブルと電気的に接続される。
次に、板バネである本体側連結具11を光源ユニット2の光源側連結具46と係合させる。このとき、光源ユニット2と照明器具1との間に作業空間が存在する状態で、本体側電源線材12と光源側電源線材42とを電気的に接続するなどの作業が行われる。その後、光源ユニット2を照明器具1に向かって上方に押し上げると、光源ユニット2は板バネである本体側連結具11の弾性力によって引き上げられる。この結果、光源ユニット2が照明器具1に取り付けられる。
図7は、実施の形態1に係る光源ユニット2の主要部を説明する断面図である。図7を用いて、光源カバー21および光源支持部25の構造について詳しく説明する。光源カバー21は、光源31を覆う透光部22と、光源31の両側にそれぞれ設けられた複数の反射部23とを有する。複数の反射部23は互いに対向し、互いに向かって突出するように設けられる。透光部22は、複数の反射部23に挟まれた領域を覆う。透光部22と光源31との間には、空間54が形成される。
光源支持部25は光源31が設けられた第1面260と第1面260と反対側の第2面261とを有する主部26を有する。透光部22は、光源31に対して主部26と反対側に設けられる。また、各々の反射部23は、第1面260を覆う。突出部27は、主部26の端部275から光源31と離れる方向に突出する。反射部23は、突出部27と嵌合する。突出部27の先端部276は、光源支持部25の内側に向かって湾曲している。
透光部22は、カバー主部220と複数のカバー側部221と複数のカバー接続部222とを有する。カバー主部220は全面が透光性である。カバー主部220は、光源カバー21の前面に位置し、発光部30に対向する。カバー主部220は第1面260と対向する。カバー主部220は、下方に向かって凸状に膨らんでいる。つまり、カバー主部220は光源31と離れる方向に突出している。カバー主部220は、長手方向xに沿って延設されている。
複数のカバー側部221は側面透光部であり、光源カバー21の側面に位置している。複数のカバー側部221は、短手方向yにおけるカバー主部220の両端から上方に向ってそれぞれ立ち上がる。複数のカバー側部221は互いに対向している。各々のカバー側部221はカバー主部220の端部から第1面260側に延びる。カバー側部221は、短手方向yの内側に向って凹状に括れている。カバー側部221は、透光部22によって囲まれた空間の内側に向かって突出している。カバー側部221は、長手方向xに沿って延設されている。
複数のカバー接続部222は背面透光部であり、光源カバー21の背面に位置している。各々のカバー接続部222は、カバー側部221の上端から短手方向yの内側に向って屈曲する。つまり、カバー接続部222は、カバー側部221から光源31側に延びる。カバー接続部222は、長手方向xに沿って延設されている。カバー接続部222は、カバー主部220と対向している。カバー接続部222の内側の先端部は反射部23と接続されている。カバー接続部222は、カバー側部221と反射部23とを接続する。
透光部22は全体が透光性を有する波長弁別部である。透光部22は、例えば、透光性の樹脂材料である基材に、波長弁別機能を有する光色調整材が添加された混合材料によって形成される。光色調整材は例えば、有機顔料等である。透光部22は第1波長帯域λ1の放射強度を低下させる。つまり、透光部22は、第1波長帯域λ1の透過量を低下させる。放射強度は分光放射強度とも呼ばれる。透光部22の波長弁別機能の調整は、透光部22の厚さの変更、透光部22の光色調整材の体積含有率の変更などにより行っても良い。
反射部23は、透光部22から透光部22の内側に突出するように設けられる。反射部23は、光源カバー21を光源支持部25に保持する保持部である。反射部23は、光源31を支持する光源支持部25を保持する。光源カバー21は、反射部23が光源支持部25の突出部27と嵌め合わされることによって光源支持部25に取り付けられる。
各々の反射部23は、対向部230と係合部231と支持部232と反射板233とを有する。光源カバー21は、互いに対向する複数の対向部230を備える。各々の対向部230は、透光部22に接続されている。対向部230は、カバー接続部222の先端部と接続されている。対向部230は、カバー接続部222の先端部から上方と下方とにそれぞれ分岐するように形成されている。対向部230は、長手方向xに沿って延設されており、突出部27と対向している。
光源カバー21は、複数の対向部230の一端からそれぞれ内側に屈曲する複数の係合部231を備える。各々の係合部231は、対向部230の支持部232と反対側の端部から延び、突出部27の先端部276と係合する。係合部231は、対向部230の上端に鉤状に形成されている。係合部231は、長手方向xに沿って延設されている。係合部231は、光源カバー21の内側に向かって屈曲する。
光源カバー21は複数の支持部232を備える。複数の支持部232は、複数の対向部230の他端から複数の反射部23に挟まれた領域に向かってそれぞれ延びる。各々の支持部232は、第1面260の端部から第1面260に沿って光源31に向かって延びる。支持部232は、基板34に隣接する位置まで延びる。支持部232は、対向部230の下端から短手方向yの内側に向って屈曲して形成される。支持部232は、長手方向xに沿って延設されている。支持部232は、主部26と当接している。支持部232は、主部26の側縁部262側における第1面260を覆った状態で光源支持部25を支持している。側縁部262は、主部26のうち基板34の両側の部分である。支持部232の光源31と反対側の端部からは、対向部230が突出部27に沿って延びる。
光源カバー21は複数の反射板233を備える。各々の反射板233は、透光部22が接続される部分よりも係合部231側で、光源カバー21の外側に突出する。反射板233は、カバー接続部222に対してカバー主部220と反対側で、カバー接続部222と対向する。反射板233は、短手方向yにおける対向部230の外側に形成されている。反射板233は、対向部230から斜め上方に向って突出する。つまり、反射板233は、対向部230から突出し、係合部231側に傾いている。
反射部23は全体が遮光性を有する高反射部である。反射部23は、少なくとも可視光を反射する。反射部23は光源31から照射される光および光源カバー21から反射される光を反射する。反射部23は、例えば、樹脂材料である基材に遮光性と高反射性を有する反射材が添加された混合材料によって形成されている。本実施の形態では、反射部23は全体が白色である。これに限らず、反射部23の表面は鏡面状であっても良い。
以上から、光源カバー21は、光源支持部25に取り付けられた状態において、光源支持部25に取り付けられた発光部30を覆う。また、反射部23は、光源支持部25の少なくとも一部を覆う。また、光源カバー21の係合部231は、突出部27の先端部276を覆う。光源カバー21の支持部232は、主部26の側縁部262側における第1面260を覆う。
光源カバー21は、透光性を有する波長弁別部として形成された透光部22と遮光性を有する高反射部として形成された反射部23とが一体に形成されている。光源カバー21は、例えば押出成形の一例である2色成形の方法を用いて製造される。
次に、光源31の特性について説明する。図8は、XY色度図における光源31の発する光の分布を示す図である。図8に示されるXY色度図は、CIE(International Comission on Illumination:国際照明委員会)1931-XYZ表色系であるXY色度図である。CIE1931-XYZ表色系であるXY色度図は、CIEで標準表色系として表された色度図である。
光源31が発する光は、例えば、CIE1931-XYZ表色系であるXY色度図でのx座標が0.42以上0.45以下であり、y座標が0.38以上0.42以下である。このとき、光源31が発する光は、一般的な擬似白色LEDの色度の範囲である。光源31は少なくとも第1波長帯域λ1と、第1波長帯域λ1と異なる波長帯域である第2波長帯域λ2の光を発する。ここで、第1波長帯域λ1は500nm以下であり、第2波長帯域λ2は505nm以上である。第1波長帯域λ1と第2波長帯域λ2は可視光を含む。また、光源31の色温度は、例えば、2900K以上である。
図9は、光源31のスペクトラムを示す図である。ここで、図9の相対強度は、光源31から発せられた光の最大量を1としたときの相対値を表している。光源31は、例えば、窒化ガリウムを用いた青色LEDチップとYAG系の黄色蛍光体とを組み合わせてパッケージすることによって得られる。図9に示されるように、青色LEDチップは、例えば440nm~460nmの波長域に主たる発光ピークを有するものが好適である。このような擬似白色LEDでは、青色LEDチップから青色光が出射される。また、青色光によって励起された黄色蛍光体から黄色光が出射される。青色光と黄色光とが混合されることにより、図9に示すようなスペクトラムを示す擬似的な白色光を得ることができる。
光源31の構成は、上記した構成に限定されない。例えば、COB(Chip on Board:チップオンボード)など、LEDチップを基板34に直接実装したものを発光部30として用いてもよい。光源31の個数、配置および種類は、光源ユニット2に要求される仕様に合わせて決定される。また、光源31は、LEDに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL:Organic Electro-Luminescence)、レーザ素子(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)などの、他の固定発光素子を用いてもよい。
次に、照明装置600の作用効果を説明する。図10は、照明装置600から出射される光のスペクトラムを示す図である。図10の相対強度は、照明装置600から発せられた光の最大量を1としたときの相対値を表している。本実施の形態では、透光部22は第1波長帯域λ1の放射強度を低下させる。このため、第1波長帯域λ1における放射強度を低下させることができる。具体的には、第1波長帯域λ1の全帯域において、相対強度を0.003以下に抑制できる。
図11は、照明装置600から出射される光のスペクトラムを示す拡大図である。図11は、図10の拡大図である。反射部23は光源31が発する光を反射させる。反射部23が、入射した光を透光部22側に反射させることで、光の利用効率を向上できる。
ここで、透光部22は基材に光色調整材が添加された混合材料によって形成される。一般に、光色調整材によって第1波長帯域λ1の光をカットする場合、第1波長帯域λ1とは異なる第2波長帯域λ2の光も一部カットされることがある。このため、放射強度を維持したい第2波長帯域λ2の放射強度が低下し、照明装置が暗くなる場合があった。これに対し、本実施の形態では、反射部23が第2波長帯域λ2の光を反射させることで、光の利用効率を向上できる。このため、第1波長帯域λ1の放射強度を低下させつつ、明るさの低下を抑制できる。
本実施の形態では、第2波長帯域λ2≧505nmにおける放射強度の低下を抑制する効果を得ることができる。具体的には、特に下記の波長での相対強度の低下を抑制できる。
510nm:0.003以上
520nm:0.010以上
530nm:0.050以上
540nm:0.100以上
550nm:0.300以上
560nm:0.500以上
一般に、人間の視覚特性上、明所では555nm付近の波長の光が、暗所では507nm付近の波長の光が、最も強く感じる最大感度の波長と言われている。特に、照明装置600の使用状態では、555nm付近の波長の光量または光束が、使用者が感じる明るさに大きく影響し易い。本実施の形態では、第1波長帯域λ1の全帯域において、相対強度を0.003以下に抑制しつつ、555nm付近の波長の相対強度を0.300~0.500に維持できる。このため、第1波長帯域λ1の放射強度を低下させつつ、使用者が明るく感じる照明装置600を得ることができる。
また、透光部22は、前面透光部であるカバー主部220と側面透光部であるカバー側部221とカバー接続部222とを有する。カバー主部220とカバー側部221とカバー接続部222は波長弁別機能を有する。下方を向くカバー主部220の両側にカバー側部221が設けられることで、照明装置600の下方照度がおよそ80%、側方及び斜め上方の照度がおよそ20%となり、バランスのよい配光分布を得ることができる。照明装置600の下方照度は80%以上、側方および斜め上方の照度は20%以下であっても良い。
また、透光部22と、高反射材が添加された反射部23とは、多色成形または2色成形によって一体の光源カバー21として形成される。このため、透光部22と反射部23とを別々に組み立てる必要が無く、光源ユニット2の組立性を向上できる。
また、本実施の形態の構成であれば、同じ金型を用いた設備によって、多様な波長弁別特性と高反射特性との組合せを容易に実現できる。従って、用途に応じて、さまざまな光学特性の光源ユニット2を容易に提供できる。
また、本実施の形態の光源31には、選別工程などによって提供された特殊で高価なLEDではなく、一般に流通しているLEDを用いる。このため、部品コストおよび製品コストを抑制できる。特に、光源31が発する光は、CIE1931-XYZ表色系であるXY色度図でのx座標が0.42以上0.45以下であり、y座標が0.38以上0.42以下である。これは、一般的なLEDの色度の範囲である。これにより、部品コストを抑制できる。ここで、発光部30全体から出射される光が、上記の色度の範囲であっても良い。
さらに、CIE1931-XYZ表色系であるXY色度図でのx座標が0.42以上0.45以下かつy座標が0.38以上0.42以下の色度範囲は、擬似白色光の中でも上記の色度範囲外の光と比較して、色温度が低い傾向がある。つまり、この色度範囲外の光と比較して、光源31が発する光は第1波長帯域λ1の放射強度が低く、第2波長帯域λ2の放射強度が高い傾向にある。従って、この色度範囲の光源31を用いることで、第1波長帯域λ1の放射強度を低下させても、照明装置600の全光束の向上が可能となる。
また、光源31の色温度は、好ましくは、2900K~3200Kの範囲であると良い。これは、一般的なLEDの色温度の範囲である。つまり、XY色度図におけるx座標が0.42以上0.45以下かつy座標が0.38以上0.42以下であり、色温度が2900K以上である場合に、光源31の部品コストをさらに抑制できる。
また、反射板233は、カバー接続部222から造営部900側に照射される光を、本体ユニット10の外側に向けて反射させる。つまり、反射板233は、透光部22から光源ユニット取付部102の内部に照射される光を本体ユニット10の外側に向けて反射させる。これにより、さらに光の利用効率を向上できる。また、反射板233は、カバー接続部222と本体ユニット10との隙間から視認可能な位置に設けられている。反射板233は、光源ユニット2と本体ユニット10の隙間から光を反射する。このため、光源ユニット2と本体ユニット10との隙間が暗く見えることを抑制できる。従って、照明装置600の意匠性を向上できる。
また、基板34の実装面340には、高反射タイプのレジストが敷設される。これにより、光の利用効率をさらに向上できる。さらに、支持部232は、基板34に隣接する位置まで延びる。これにより、主部26の第1面260の大半は、実装面340と支持部232とで覆われる。従って、光の利用効率をさらに向上できる。
また、本実施の形態では反射部23は、光源支持部25を保持する保持部を兼ねている。保持部を反射部23として利用することで、部品を追加せずに、効率よく光の反射機能を追加できる。
以上から、本実施の形態では、高水準の波長弁別性能と高い光の利用効率とを兼ね備えた光源カバー21、光源ユニット2および照明装置600を安価に提供できる。
本実施の形態では、反射部23は少なくとも可視光を反射するものとした。つまり、反射部23は可視光を全波長帯域において高効率に反射する。このため、反射部23は波長弁別機能を有していない。この変形例として、反射部23は、第1波長帯域λ1と第2波長帯域λ2の光を反射させても良い。また、反射部23は光源31の波長帯域の光を反射させるものとしても良い。
また、反射部23は、少なくとも第2波長帯域λ2の光を反射させれば良い。この場合、反射部23は、第2波長帯域λ2の光を選択的に反射し、第1波長帯域λ1の光を選択的に吸収する波長選択吸収機能または波長選択反射機能を有しても良い。これにより、不要な第1波長帯域λ1の光の反射を抑制できる。このため、透光部22および端部カバー24に添加される光色調整剤の使用量を削減できる。従って、材料コストを抑制できる。これに限らず、基板34が波長選択吸収機能を有しても良い。また、反射部23は、第1波長帯域λ1の光と比較して、第2波長帯域λ2の光の吸収量が小さくても良い。
本実施の形態の光源カバー21の形状は、図1から図7に示されるものに限らない。光源カバー21は光源31を覆う透光部22と、光源31の両側に設けられた反射部23とを備えれば良い。例えば、反射部23は、光源支持部25を保持していなくても良い。また、光源支持部25の形状は、図7に示されるものに限らない。光源支持部25は光源31を支持できれば良い。また、光源支持部25は反射部23が保持できる形状であれば良い。
また、本実施の形態に係る照明装置600は、例えば半導体素子工場において使用される。半導体素子工場では、レジストの感光を避けるため、500nm以下の波長帯域の光を抑制した照明装置が求められる場合がある。このような場合に、本実施の形態の照明装置600を適用できる。また、照明装置600は低誘虫照明装置として用いられても良い。これに限らず、本実施の形態は種々の用途に応じた照明装置に適用できる。
これらの変形は以下の実施の形態に係る光源ユニット、照明装置および光源カバーについて適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る光源ユニット、照明装置および光源カバーについては実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
実施の形態2.
図12は、実施の形態2に係る照明装置600aの主要部を説明する断面図である。図12において、電源ユニット40等は省略されている。照明装置600aは光源ユニット2aを備える。光源ユニット2aは、光源カバー21aを備える。光源カバー21aは、透光部22aと反射部23aを備える。本実施の形態では、透光部22aと反射部23aの構造が実施の形態1と異なる。他の構造は実施の形態1と同様である。
透光部22aはカバー接続部222aを有する。カバー接続部222aは、実施の形態1の反射部23と同様に遮光性を有する高反射部として形成される。カバー接続部222aは可視光を反射させる。これに限らず、カバー接続部222aは、第2波長帯域λ2の光を反射させれば良い。さらに、反射部23aは反射板233を有さない。
遮光性を有するカバー接続部222aは、光源ユニット取付部102側に光を透過させない。そして、カバー接続部222aは高反射性を有しているため、下方に光を反射させる。これにより、光源ユニット2aの光の利用効率を向上できる。照明器具1に光源ユニット2aが取り付けられた状態で、外観主部101の下端より下方に位置するカバー側部221は透光性を有しているので、実施の形態1と同様に、照明装置600aの光源ユニット2aの側方および斜め上方の照度を得ることができる。さらに、カバー接続部222aから光源ユニット取付部102側に向かって光が照射されることがないので反射板233を設けなくても良い。従って、光源カバー21aの材料コストを抑制できる。
実施の形態3.
図13は、実施の形態3に係る光源ユニット2bの主要部を説明する断面図である。図13において、電源ユニット40等は省略されている。光源ユニット2bは、光源カバー21bを有する。光源カバー21bは、透光部223と、透光部223よりも外側に設けられ、透光部223を覆う外部カバー22bをさらに備える。透光部223と外部カバー22bは、光源31に対して主部26と反対側に設けられる。外部カバー22bは、外郭部20における第1外郭部である。透光部223と光源31との間には、空間55が形成される。透光部223と外部カバー22bとの間には、空間54bが形成される。
外部カバー22bは、カバー主部220bとカバー側部221bとカバー接続部222bを有する。外部カバー22bの形状は、実施の形態1の透光部22と同様である。本実施の形態では、外部カバー22bは透明である。透光部223は、支持部232から延び、光源31を覆う。透光部223は、第1波長帯域λ1の放射強度を低下させる。
本実施の形態では、透光部223の体積は、実施の形態1の透光部22の体積と比較して小さい。また、透光部223の表面積は、実施の形態1の透光部22の表面積と比較して小さい。このため、実施の形態1と比較して、波長弁別機能を有する光色調整剤の量を低減できる。従って、材料コストを低減できる。特に、体積および表面積が大きいカバー主部220b、カバー側部221b、カバー接続部222bを、波長弁別機能を有さず光を透過させる透明な外部カバー22bとして形成することで、材料コストを低減できる。
また、透光部223は外部カバー22bの内側に設けられるため、光源ユニット2bの外郭部としての強度を必要としない。このため、透光部223に使用する材料および厚さの選択範囲を広げることができる。
また、光源カバー21bでは、透光部223、外部カバー22bおよび反射部23により筒状の部分が形成される。これにより、光源カバー21bの剛性を向上できる。同様に、光源ユニット2bの剛性を向上できる。従って、物流または施工の際に製品に加わる振動および衝撃に対する耐性を向上できる。
実施の形態4.
図14は、実施の形態4に係る光源ユニット2cの主要部を説明する断面図である。図14において、電源ユニット40等は省略されている。光源ユニット2cは、光源カバー21cを有する。光源カバー21cは、透光部223cと、透光部223cよりも外側に設けられ、透光部223を覆う外部カバー22bをさらに備える。外部カバー22bは、外郭部20における第1外郭部である。透光部223cと光源31との間には、空間55cが形成される。透光部223cと外部カバー22bとの間には、空間54cが形成される。
透光部223cは、支持部232の光源31側の端部から延び、光源31を覆う。透光部223cは、複数の支持部232の光源31側の端部同士を繋ぐ。透光部223cは、第1波長帯域λ1の放射強度を低下させる。
本実施の形態では、透光部223cの体積は、実施の形態3の透光部223の体積と比較して小さい。また、透光部223cの表面積は、実施の形態3の透光部223の表面積と比較して小さい。このため、実施の形態3と比較して、波長弁別機能に必要な光色調整剤の量をさらに低減できる。従って、材料コストを低減できる。
各実施の形態の複数の部分を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、各実施の形態のうち、1つの部分を実施しても構わない。その他、各実施の形態を、全体としてあるいは部分的に、どのように組み合わせて実施しても構わない。なお、上述した実施の形態は、本質的に好ましい例示であって、特許請求の範囲、実施の形態の適用物の範囲、及び、実施の形態の用途の範囲を制限することを意図するものではない。上述した実施の形態は、必要に応じて種々の変更が可能である。