JP7019899B2 - 乾燥装置内のカビ菌除去方法 - Google Patents

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Description

本発明はさつま芋等の芋類、カボチャや人参等の野菜類、ブドウや柿等の果実類の乾燥、更にはイカや魚貝類の乾燥を行う乾燥装置において、カビ菌の除去を行うカビ菌除去方法に関する。
今日、食品加工技術の向上により多くの乾燥食品が製造され、市販されている。例えば、干し芋は元々さつま芋の保存食として作られたものであるが、乾燥技術の向上により味や触感を重視した美味しい干し芋が製造されている。また、野菜を乾燥させた乾燥カボチャや乾燥人参は各種料理の食材として広く使用されている。さらに、干しブドウや干し柿等のドライフルーツは美容や健康によい食品として広く認識されている。
しかしながら、これらの食材は自然界からの収穫物であり、自然環境の中には青カビや、麹カビ、黒カビ等の各種のカビ菌が寄生している。特に青カビや麹カビは、さつま芋等の芋類、カボチャや人参等の野菜類、ミカンや柿等の農産収穫物に寄生しており、更に収穫の際のキズや虫食い痕がカビ菌の発生を助長する。このようなカビ菌はアレルギーや各種感染症の原因にもなり、これらの食材を乾燥処理して上記各種乾燥食品を製造する際、カビ菌の除去は重要な課題である。
例えば、特許文献1は乾燥装置内のカビ菌を除去するため、放電式静電イオン発生器を使用して静電イオンを発生させ、装置内に浮遊するカビ菌とマイナスイオンを結合させ、カビ菌を除去する方法を提案する。
特許第4936876号公報
しかしながら、上記方法では、装置内に静電イオン発生器を設置する必要があり、乾燥装置全体のコストアップの原因となる。また、上記方法では、後述する本発明の効果の1つである乾燥芋や、乾燥野菜、乾燥果実等の乾燥食品の糖度を増すという効果を実現することができない。
そこで、本発明は、乾燥芋や乾燥野菜、ドライフルーツ等の製造に必要な乾燥装置において、イオン発生器等の除菌専用装置を設置することなく、装置内の温度を制御することによってカビ菌を除去し、その際装置内の湿度を高湿度に制御することによってカビ菌の除菌を効率良く行うカビ菌除去方法を提供するものである。さらに、本発明は装置内の温度を調整することによって、糖度が増した乾燥芋や、乾燥野菜、乾燥果実等の乾燥食品の製造を行うものである。
上記課題は本発明によれば、装置内に設けられた加熱手段と、外気を装置内に取り入れる外気取入手段と、装置内の内気を外部に排出する内気排出手段とを備えた乾燥装置に使用され、前記装置内の温度と湿度を計測する装置内温度及び装置内湿度測定処理と、乾燥処理の対象である食材の乾燥度を計測する計測処理と、前記加熱手段を駆動し、前記装置内温度が(60+α)℃に達した時、前記内気排出手段を駆動し、前記加熱手段によって加熱され前記食材から発生した湿気とカビ菌を外部に排出すると共に、前記外気取入手段を駆動して前記装置内に外気を取り入れて装置内の温度を低下させる第1の処理と、前記装置内温度が(60-α)℃以下に低下した時、前記内気排出手段の駆動及び前記外気取入手段の駆動を停止する第2の処理と、前記第1、第2の処理を繰り返し、外気を使用して前記装置内温度を(60+α)℃~(60-α)℃の温度範囲内に常時維持し、前記乾燥処理の対象である食材のカビ菌を外部に除去する吸排気繰返処理と、を行い、前記乾燥処理の対象である食材の乾燥度が所定値に達したとき、乾燥処理を完了するカビ菌除去方法を提供することによって達成できる。
また、乾燥装置内の一定温度範囲は、上記乾燥処理の対象である食品の糖度を増加させる為に適した温度範囲でもあることを特徴とする。
また、上記課題は本発明によれば、装置内に設けられた加熱手段と、外気を装置内に取り入れる外気取入手段と、装置内の内気を外部に排出する内気排出手段とを備えた乾燥装置に設置された制御装置のプログラムであって、装置内の温度と湿度を計測する装置内温度及び装置内湿度測定処理と、乾燥処理の対象である食材の乾燥度を計測する計測処理と、前記加熱手段を駆動し、前記装置内温度が(60+α)℃に達した時、前記内気排出手段を駆動し、前記加熱手段によって加熱され前記食材から発生した湿気とカビ菌を外部に排出すると共に、前記外気取入手段を駆動して前記装置内に外気を取り入れて装置内の温度を低下させる第1の処理と、前記装置内温度が(60-α)℃以下に低下した時、前記内気排出手段の駆動及び前記外気取入手段の駆動を停止する第2の処理と、前記第1、第2の処理を繰り返し、外気を使用して前記装置内温度を(60+α)℃~(60-α)℃の温度範囲内に常時維持し、前記乾燥処理の対象である食材のカビ菌を外部に除去する吸排気繰返処理と、前記乾燥処理の対象である食材の乾燥度が所定値に達したとき、該乾燥処理を完了させる処理と、を前記制御装置に行わせるカビ菌除去プログラムによって達成できる。
本実施形態の乾燥装置の正面図である。 乾燥装置の内部構成を説明する図である。 乾燥装置の内部構成を説明する斜視図である。 乾燥装置の中央部の断面図であり、吸気ダクト弁及び排気ダクト弁が閉じた状態であり、本体循環ダクト弁が開いた状態を示す図である。 乾燥装置の中央部の断面図であり、吸気ダクト弁及び排気ダクト弁が開いた状態であり、本体循環ダクト弁が閉じた状態を示す図である。 ファンやヒータ、及び3つの弁の駆動制御を行う制御装置の構成を示すブロック図である。 本実施形態のカビ菌の除去処理を説明するフローチャートである。 本実施形態のカビ菌の除去処理を説明するフローチャートである。 本実施形態のカビ菌の除去処理を説明する乾燥装置内の温度及び湿度の変化、更に食材の乾燥度の変化を説明する特性図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施形態のカビ菌除去方法を実施する為に使用する乾燥装置の正面図である。同図において、乾燥装置1は中央部に制御パネル兼モニタ部2が位置し、左右に乾燥室3、4が設けられている。乾燥装置1の中央内部には後述するコンピュータが内蔵された制御装置が配設され、本体循環ダクトを流れる乾燥風の温度制御を行うヒータや、本体循環ダクトに流れる乾燥風の風量を制御するファン等も配設されている。
左右に設けられた乾燥室3及び4には夫々両開きの扉5、6が設けられ、例えば扉5に設けられた取手5aを握持して左右に開くことによって、乾燥室3を開放することができる。同様に、扉6に設けられた取手6aを握持して左右に開くことによって、乾燥室4を開放することができる。
図2は乾燥装置1の内部構成を説明する図であり、図3はその斜視図である。両図において、上記左右の乾燥室3及び4には夫々2台の台車8に載せられた2台のラック9が設置され、夫々のラック9には、例えば20段のトレー10が設けられている。
ここで乾燥室3及び4に設けられたラック9は同じ構造であるが、本実施例の説明上、乾燥室3側の2台のラック9を9a、9bとして説明し、乾燥室4側の2台のラック9を9c、9dとして説明する。また、ラック9を載せる台車8についても、同様にラック9a~9dに対応して、台車8a~8dとして説明する。
図4は乾燥装置1の中央部の断面図である。前述のように、乾燥装置1の前面には制御パネル兼モニタ部2が設けられ、内部に後述する制御部が設けられている。中央の本体循環ダクト11は左右の乾燥室3及び4に最適な状態に制御された温度と湿度の乾燥風を送る為のダクトであり、この本体循環ダクト11を流れる乾燥風の温度と湿度と風量は制御装置によって最適に制御される。
ファン12は制御された温度と湿度の乾燥風を乾燥室3及び4に送る為の装置であり、回転軸12aに架け渡させた動力伝達ベルト13を介してモータ14に接続されている。したがって、モータ14の駆動を制御することによって、モータ14側の回転軸14aの回転速度を調整し、本体循環ダクト11に流す乾燥風の風量を制御する。
本体循環ダクト11にはヒータ15が突出して設けられ、本体循環ダクト11に流れる乾燥風を後述する最適温度に調整する。
また、本体循環ダクト11には分岐して外気を導入する吸気ダクト11aと装置内の熱気を機外に排出する排気ダクト11bが設けられている。尚、吸気ダクト11aは乾燥装置1の裏面に設けられた不図示の吸気口まで延設され、排気ダクト11bも乾燥装置1の裏面に設けられた不図示の排気口まで延設されている。また、吸気ダクト11aには弁16aが設けられ、排気ダクト11bには弁16bが設けられ、制御装置の制御に従って開閉制御が行われる。尚、ここで、弁16aを以下では吸気ダクト弁で示し、弁16bを排気ダクト弁で示す。
尚、本体循環ダクト11の上部は乾燥室3及び4側の上部に連通しており、ファン12は左右は乾燥室3及び4の下部に連通しており、ファン12によって風量が制御される乾燥風は、本体循環ダクト11を介して左右の乾燥室3及び4に送られ、ファン12に戻る構造である。また、夫々の乾燥室3及び4に送られた乾燥風はラック9に並列に設置されたトレー10内を均一に流れ、干し芋の最適な乾燥環境を形成する。
尚、本体循環ダクト11にも弁(以後、本体循環ダクト弁で示す)17が設けられ、制御部の制御に従って開閉制御が行われる。図4に示す状態は、上記吸気ダクト弁16a及び排気ダクト弁16bが閉じた状態であり、本体循環ダクト弁17が開いた状態を示す。この場合、乾燥風は装置内で矢印c方向に流れる。
一方、図5は上記吸気ダクト弁16a及び排気ダクト弁16bが開いた状態であり、本体循環ダクト弁17が閉じた状態を示す図である。この場合、不図示の吸気口から導入された外気は吸気ダクト11a及び本体循環ダクト11内を矢印c1、c2方向に流れ、左右の乾燥室3及び4で芋の乾燥に使用された後、ファン12を通して本体循環ダクト11及び排気ダクト16b内を矢印c3、c4方向に流れ、不図示の排気口から外部に排出される。
尚、乾燥装置1内の所定位置には室内の温度と湿度を計測する温度計及び湿度計が設けられ、乾燥装置1の外壁には外部の温度と湿度を計測する温度計及び湿度計が設けられている。ここで、装置内の温度と湿度を計測する温度計及び湿度計を、以後内部温度計及び内部湿度計で示し、外部の温度と湿度を計測する温度計及び湿度計を以後外気温度計及び外気湿度計で示す。
図6は上記ファン12、ヒータ15、及び3個の弁(吸気ダクト弁16a、排気ダクト弁16b、本体循環ダクト弁17)の駆動制御を行う制御装置の構成を示す図である。制御装置の中心である制御部18はCPUやROM、RAM等で構成され、記憶部19に記憶された制御データに基づいてファン12の回転制御やヒータ15の温度制御、及び3個の弁の開閉制御を行う。
荷重計7(7a~7d)は台車8a~8dの所定位置に設置され、夫々の台車8a~8dに載せられたラック9の自重とラック9に並べられた芋の荷重の加算値を計測し、荷重データとして制御部18に送信する。
外気温度計20は本例の乾燥装置1が設置された周辺の外気の温度を測定し、外気湿度計21は、同様に本例の乾燥装置1が設置された周辺の外気の湿度を測定し、測定した温度データ及び湿度データを制御部18に送信する。
内部温度計22は、前述のように乾燥室3及び4内の所定位置に設置され、乾燥処理の対象である芋(干し芋)近傍の温度を測定し、内部湿度計23も同様に乾燥処理の対象である芋(干し芋)近傍の湿度を測定し、測定した温度データ及び湿度データを制御部18に送信する。
制御部18は上記荷重計7(7a~7d)から送信される荷重データ、及び外気温度計20と外気湿度計21、内部温度計22と内部湿度計23から送信される温度及び湿度データに基づいて干し芋の乾燥制御、及び本例のカビ菌の除去処理を行う。
を行う。
ファン駆動制御部24は制御部18からのファン駆動制御信号に基づいてファン12の駆動制御を行う。また、ヒータ駆動制御部25も制御部18からのヒータ駆動制御信号に基づいてヒータ15の駆動制御を行い、ヒータ15内の発熱体を加熱制御し、本体循環ダクト11に流れる乾燥風の温度制御を行う。
駆動制御部26aは駆動信号を吸気ダクト弁16aに送り、吸気ダクト弁16aの開閉制御を行う。また、駆動制御部26bは駆動信号を排気ダクト弁16bに送り、排気ダクト弁16bの開閉制御を行う。同様に、駆動制御部26cは駆動信号を本体循環ダクト弁17に送り、本体循環ダクト弁17の開閉制御を行う。
以上の構成において、本例では、例えば芋を乾燥させて干し芋を作る際に行うカビ菌の除菌処理について具体的に説明する。
図7及び図8は本例の処理を説明するフローチャートである。先ず、平板状にスライスした芋を前述の4台のラック9a~9d(20段のトレー10)に並べ、ラック9a~9dを対応する台車8a~8dに載せ、左右の乾燥室3及び4に収納する(ステップ(以下、Sで示す)1)。この作業により、各台車8a~8dは前述の図2及び図3に示す乾燥装置1内の所定位置にセットされる。
尚、このとき使用される芋は前処理として、デンプンを水と加熱することでデンプン分子の規則性を失くし、生デンプン(βデンプン)を糊状(α状)にする糊化作業が行われたものを使用する。例えば、芋を水に浸し、60℃からスタートして、さつま芋デンプンの糊化温度である65℃~75℃まで加熱し、糊化させた芋を乾燥室3及び4内にセットする。
次に、この状態で夫々の扉5、6を閉じ、例えば制御パネル兼モニタ部2に設けられた電源スイッチを投入する(S2)。
この電源スイッチの投入によって、制御部18は駆動を開始し、先ず弁駆動制御部26(駆動制御部26a~26c)を制御し、吸気ダクト弁16a及び排気ダクト弁16bを閉状態に制御し、本体ダクト弁17を開状態に制御する(S3)。この制御によって、乾燥装置1内のダクトの開閉状態は、図4に示す状態に設定される。
次に、荷重計7(7a~7d)に測定開始信号を送信し、以後所定間隔で荷重計7(7a~7d)からの荷重データを受信する(S4)。また、外気温度計20と外気湿度計21から乾燥装置1周辺の外気温度及び外気湿度のデータを取得する(S5)。さらに、内部温度計22と内部湿度計23から乾燥装置1内(ラック近傍)の温度と湿度のデータを取得する(S6)。
電源投入当初、乾燥室3及び4内の温度は、例えば20℃の常温であり、室内温度を上昇させる為ヒータ15の駆動を開始し、更にファン12の駆動を開始する(S7)。この時、乾燥装置1のダクトの状態は上記のように図4に示す状態であり、ファン12及びヒータ15の駆動によって左右の乾燥室3及び4には乾燥風が送られ、左右の乾燥室3及び4内の温度は徐々に上昇する。
図9は乾燥室3及び4内の温度及湿度の変化を示す図である。尚、本例の乾燥装置1は左右に乾燥室3及び4を備える為、乾燥室3及び4内の温度及湿度の変化は近似するが一致はしない。この為、乾燥室3及び4内の温度の変化を実線a、bで示し、乾燥室3及び4内の湿度の変化を点線c、dで示す。また、同図には芋の乾燥度の変化を太線eで示す。尚、同図に示す一点鎖線fは外気温度を示し、一点鎖線gは外気湿度を示す。
上記ヒータ15の駆動によって熱気を帯びた乾燥風がスライスした芋に供給され、ラック9上に載置されたスライス状の芋から水分が放出される。この為、図9に示すように乾燥室3及び4内の温度が上昇すると共に、スライスされた芋から放出される水分によって室内の湿度も上昇する。
制御部18は常時内部温度計22によって計測される乾燥室3及び4内の温度情報を確認し、乾燥室3及び4内の温度が60℃に達し、更に60+α℃を超えたか判断している(S8)。ここで、未だ室内温度が60+α℃を超えていなければ(S8がNO)、上記ヒータ15の駆動を継続し、乾燥風をスライスした芋に供給し、芋の乾燥処理を繰り返す(S3~S8)。
尚、上記αは、例えば2~3℃であるが、使用する芋の種類や、寄生するカビ菌の種類、又は乾燥に使用する食材によって最適な温度範囲に設定される。
その後、乾燥室3及び4内の温度が60℃に達し、更に60+α℃を超えると(S8がYES)、制御部18からヒータ駆動制御部25に制御信号が送られ、ヒータ15の駆動を停止する(S9)。さらに、弁開閉制御部26に制御信号を送り、吸気ダクト弁16a、排気ダクト弁16bを開状態とし、本体ダクト弁17を閉状態に設定する(S10)。すなわち、図5に示す状態に設定し、乾燥室3及び4内の湿気を帯びた空気を外部に排出する。また、外気を室内に導入し、乾燥装置1内の温度及び湿度を低下させる。図8に示すT1はこのタイミングを示す。
この制御によって、乾燥室3及び4内の湿度は徐々に低下し、例えば図9に示すように80%台であった室内湿度は60%近くまで低下する。また、室内温度も徐々に低下し、制御部18は乾燥室3及び4内の温度が60℃を超えて60-α℃まで低下したか判断する(S11)。そして、乾燥室3及び4内の温度が60-α℃まで低下しない間、上記状態を維持する(S11がNO、S9~S11)。
この60℃近傍の温度はカビ菌を死滅させるための最も適した温度であり、この間芋の表面に寄生したカビ菌の除菌処理を効率よく行い、また芋の表面から剥がれ、乾燥室3及び4内に浮遊するカビ菌の除菌処理も効率よく行う。さらに、乾燥室3及び4内の湿度は、上述のように高湿度状態であり、熱伝導率が良く、浮遊するカビ菌の温度を容易に60℃まで上昇させ、カビ菌の除菌を促進し、更に効率よくカビ菌の除去を行うことができる。
その後、乾燥室3及び4内の温度が60-α℃まで低下ると(S11がYES)、弁駆動制御部26を制御に、本体ダクト弁17、及び吸気ダクト弁16a、排気ダクト弁16bを駆動し、図4に示す状態に戻す(S12)。そして、再度ヒータ15の駆動を開始し(S13)、室内の温度を上昇させる。図9に示すT2はこのタイミングを示す。
したがって以後、乾燥室3及び4内の温度は上昇に転じ、60℃を超え、60+α℃に達するまで、乾燥風をスライスされた芋に供給し、芋の乾燥作業を行う。したがって、この間も乾燥室3及び4内の温度は60℃近傍に維持され、芋に寄生したカビ菌を効率良く除去することができる。また、この間も乾燥室3及び4内の湿度は、図9に示すように高湿度状態であり、高い熱伝導率を利用してカビ菌の温度を容易に60℃近傍に維持し、カビ菌を更に効率よく除去することができる。
その後、乾燥室3及び4内の温度が再度60+α℃に達すると(S14がYES、図9に示すT3のタイミング)、再度ヒータ15の駆動を停止し(S15)、吸気ダクト弁16a、排気ダクト弁16bを開状態とし、本体ダクト弁17を閉状態に設定する(S16)。したがって、図5に示す状態に設定され、湿気を帯びた乾燥室3及び4内の空気を外部に排出し、外気を室内に導入し、室内温度及び湿度を低下させる。
以後、同様な制御を繰り返し(図8に示すフローチャートを参照)、乾燥室3及び4内の温度が60-α℃以下になると(図9に示すT4、T6、・・のタイミング)、再度ヒータ15を加熱し、室内の温度を上げ、弁駆動制御部26を制御し、ダクトを駆動し、図4に示す状態とし、一方逆に乾燥室3及び4内の温度が上昇し、60+α℃を超えると(図9に示すT5、T7、・・のタイミング)、ヒータ15の駆動を停止し、弁駆動制御部26を制御し、ダクトを駆動し、図5に示す状態とし、湿気を帯びた乾燥室3及び4内の蒸気を外部に排出する。
この間、図9に示すように芋の乾燥度は徐々に増し、制御部18は芋の乾燥度が所定値に達したか判断している(Sn)。前述のように乾燥対象である芋は予め前処理として糊化が行われており、本例の乾燥装置1内での60℃の環境化で糊化した芋の糖化が促進される。すなわち、糊化したαデンプンにβアミラーゼという酵素が作用し、麦芽糖(マルトース)に変化する。アミラーゼが活性化する温度は60℃~70℃が最適であり、例えば80℃を超えると活性が急減し、90℃でほぼ作用しなくなる。
したがって、本例のように、乾燥室3及び4内の温度を60℃近傍(60±α℃)に維持して芋の乾燥処理、及び芋の除菌処理を行うことによって、副次的に芋の糖化を促進され、糖度の増した乾燥芋を製造することができる。
その後、例えば図9に示すTnのタイミングで芋の乾燥度が所定値に達すると(SnがYES)、芋の乾燥処理を終了する。
以上のように、本実施形態の制御によれば、芋の乾燥作業の間、乾燥室3及び4内の温度は60℃近傍(60±α℃)に維持され、芋に寄生したカビ菌を効率良く除去することができる。また、芋の表面から剥がれ、室内に浮遊するカビ菌も効率良く除去することができる。また、この間高湿度下で上記処理を行うので、水分の持つ熱の高伝導率の特性を活用してカビ菌を効率良く殺菌することができる。さらに、アミラーゼを活性化させる最適な温度で乾燥処理を行うことによって、糖度が増した美味しい干し芋を作ることができる。
尚、上記実施形態の説明では、干し芋の乾燥処理について説明したが、干し芋に限らず、例えばカボチャや人参等の乾燥野菜の製造においても同様に実施し、野菜に寄生したカビ菌を効率良く殺菌することができ、更にアミラーゼを活性化させる最適で乾燥処理を行うことによって、糖度が増した乾燥野菜を作ることができる。
同様に、ブドウや柿等のドライフルーツの製造においても同様に実施することができ、果物に寄生したカビ菌を効率良く殺菌することができ、更にアミラーゼを活性化させる最適で乾燥処理を行うことによって、糖度が増したドライフルーツを作ることができる。
また、本実施形態の制御によれば、芋の乾燥作業では、温度範囲を60℃近傍に設定したが、乾燥処理の対象となる食材によって、設定温度やその温度範囲も異なり、乾燥対象食材毎に長年の研究と実績によって得られたデータに基づいて温度及びその範囲が設定される。
1・・・乾燥装置
2・・・制御パネル兼モニタ部
3、4・・乾燥室
5、6・・扉
7、7a~7d・・荷重計
8、8a~8d・・台車
9、9a~9d・・ラック
10・・トレー
11・・本体循環ダクト
11a・・吸気ダクト
11b・・排気ダクト
12・・ファン
12a・・回転軸
13・・動力伝達ベルト
14・・モータ
14a・・モータ回転軸
14b・・外気導入口
14c・・遮熱カバー
15・・ヒータ
16a・・吸気ダクト弁
16b・・排気ダクト弁
17・・本体循環ダクト弁
18・・制御部
19・・記憶部
20・・外気温度計
21・・外気湿度計
22・・内部温度計
23・・内部湿度計
24・・ファン駆動制御部
25・・ヒータ駆動制御部
26・・弁開閉制御部
26a~26c・・駆動制御部

Claims (5)

  1. 装置内に設けられた加熱手段と、外気を装置内に取り入れる外気取入手段と、装置内の内気を外部に排出する内気排出手段とを備えた乾燥装置に使用され、
    前記装置内の温度と湿度を計測する装置内温度及び装置内湿度測定処理と、
    乾燥処理の対象である食材の乾燥度を計測する計測処理と、
    前記加熱手段を駆動し、前記装置内温度が(60+α)℃に達した時、前記内気排出手段を駆動し、前記加熱手段によって加熱され前記食材から発生した湿気とカビ菌を外部に排出すると共に、前記外気取入手段を駆動して前記装置内に外気を取り入れて装置内の温度を低下させる第1の処理と、
    前記装置内温度が(60-α)℃以下に低下した時、前記内気排出手段の駆動及び前記外気取入手段の駆動を停止する第2の処理と、
    前記第1、第2の処理を繰り返し、外気を使用して前記装置内温度を(60+α)℃~(60-α)℃の温度範囲内に常時維持し、前記乾燥処理の対象である食材のカビ菌を外部に除去する吸排気繰返処理と、を行い、
    前記乾燥処理の対象である食材の乾燥度が所定値に達したとき、該乾燥処理を完了し、
    前記装置内の温度範囲は、(60+3)℃~(60-3)℃であることを特徴とする乾燥装置内のカビ菌除去方法。
  2. 前記装置内の温度範囲は、前記乾燥処理の対象である食材の糖度を増加させる為の適した温度範囲であることを特徴とする請求項1に記載の乾燥装置内のカビ菌除去方法。
  3. 前記乾燥処理の対象食材は、さつま芋等の芋類、又はカボチャや人参等の野菜類、ブドウや柿等の果実類、更にイカや魚等の魚貝類の食品であることを特徴とする請求項1、又は2に記載の乾燥装置内のカビ菌除去方法。
  4. 装置内に設けられた加熱手段と、外気を装置内に取り入れる外気取入手段と、装置内の内気を外部に排出する内気排出手段とを備えた乾燥装置に設置された制御装置のプログラムであって、
    装置内の温度と湿度を計測する装置内温度及び装置内湿度測定処理と、
    乾燥処理の対象である食材の乾燥度を計測する計測処理と、
    前記加熱手段を駆動し、前記装置内温度が(60+α)℃に達した時、前記内気排出手段を駆動し、前記加熱手段によって加熱され前記食材から発生した湿気とカビ菌を外部に排出すると共に、前記外気取入手段を駆動して前記装置内に外気を取り入れて装置内の温度を低下させる第1の処理と、
    前記装置内温度が(60-α)℃以下に低下した時、前記内気排出手段の駆動及び前記外気取入手段の駆動を停止する第2の処理と、
    前記第1、第2の処理を繰り返し、外気を使用して前記装置内温度を(60+α)℃~(60-α)℃の温度範囲内に常時維持し、前記乾燥処理の対象である食材のカビ菌を外部に除去する吸排気繰返処理と、
    前記乾燥処理の対象である食材の乾燥度が所定値に達したとき、該乾燥処理を完了させる処理と、を行わせ、
    前記装置内の温度範囲は、(60+3)℃~(60-3)℃であることを特徴とする前記制御装置に行わせるカビ菌除去プログラム。
  5. 前記装置内の温度範囲は、前記乾燥処理の対象である食材の糖度を増加させる為の適した温度範囲であることを特徴とする請求項4に記載のカビ菌除去プログラム。
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