JP7016454B2 - 判定装置、判定方法及び判定プログラム - Google Patents
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Description
作業者が着手した着手作業の次に実施される可能性のある1つ以上の作業である候補作業のうち、実施により危険事象が発生する可能性のある候補作業を抽出候補作業として抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記抽出候補作業が前記着手作業の次に実施される確率に基づき、前記抽出候補作業の実施により危険事象が発生する可能性である危険事象発生可能性を前記作業者及び作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する報知決定部とを有する。
なお、以下の実施の形態では、作業の例として、昇降機の保守作業を用いて説明を進める。
***構成の説明***
図1は、本実施の形態に係る判定装置30のハードウェア構成例を示す。
判定装置30は、昇降機制御盤10、センサ20、補助記憶装置40、及び報知装置50と接続される。
なお、判定装置30の動作手順は、判定方法に相当する。また、判定装置30の動作を実現するプログラムは、判定プログラムに相当する。
制御盤信号インタフェース31は、昇降機制御盤10と通信する。
センサインタフェース32は、センサ20と通信する。
プロセッサ33は、中央処理装置である。
メモリ34は、主記憶装置であり、補助記憶装置40に記憶されるプログラムがロードされる。また当該プログラムはプロセッサ33に読み出され、実行される。
報知装置インタフェース35は、報知装置50と通信する。
報知装置50は、作業者の五感を刺激して報知する。あるいは、報知装置50は、言葉又は文字等の言語情報を、視覚情報、音声情報で伝えて報知する。また、報知装置50は、1名以上の作業者に、同じ報知内容を報知しても、異なる報知内容を報知してもよい。さらに、報知装置50は、危険を知らせるアラート、安全な位置への移動誘導等を報知する。
実施確率情報には、実施順序が定義されている複数の作業の組合せが複数記述される。また、実施確率情報には、組合せごとに、組合せに含まれる複数の作業が実施順序に従って実施される確率が示される。このため、実施確率情報に3つ以上の作業の組合せが記述される場合もある。本実施の形態においては、説明の簡明化のため、2つの作業の組み合わせが記述される実施確率情報を用いて説明を行う。
候補作業とは、着手作業の次に実施される可能性のある1つ以上の作業である。抽出候補作業とは、実施により危険事象が発生する可能性のある候補作業である。
抽出部3306で行われる処理は抽出処理に相当する。
危険事象発生可能性は、抽出部3306が抽出した抽出候補作業の実施により危険事象が発生する可能性である。
そして、報知決定部3307は、危険事象発生可能性を報知することを決定した場合、報知部3308へ、報知決定信号を出力する。報知決定信号では、危険事象発生可能性を報知すべき対象者(作業者又は作業関係者、作業者及び作業関係者)と抽出候補作業の実施により発生する可能性のある危険事象の詳細が通知される。
報知決定部3307で行われる処理は報知決定処理に相当する。
報知命令は報知装置50に危険事象発生可能性を報知するよう指示する命令である。報知命令には、報知決定信号で通知された内容が含まれる。
危険事象リストには、作業と、当該作業の実施により発生する可能性のある危険事象とが示される。危険事象リストの詳細は後述する。
情報管理部341は、図3に示す実施確率情報T10を記憶する。
実施確率情報T10には、複数の着手作業が示される。また、実施確率情報T10には、着手作業ごとに、着手作業の次に実施される可能性のある候補作業が示される。また、実施確率情報T10には、候補作業が実施される確率(実施確率)が示される。
図3の例では、左端の欄に記載される作業が着手作業である。そして、着手作業以外の作業が候補作業である。図3では、着手作業:#001の次に候補作業:#001が実施される確率は0.10である。また、着手作業:#001の次に候補作業:#002が実施される確率は0.10である。また、着手作業:#001の次に候補作業:#XXXが実施される確率は0.02である。
実施確率情報T10は、各作業者の過去の作業記録等に基づいて作業者毎に予め設定される。作業者が2名以上の場合、人数分の実施確率情報T10が設定される。
また、実施確率情報T10は、各作業者の作業記録等に基づき、実施確率更新部3305により更新される。
危険事象記憶部342は、図4に示す危険事象リストT21を記憶する。
危険事象リストT21には、危険事象と作業の組合せが示される。つまり、作業者が危険事象リストT21に記載の作業を実施した場合に、危険事象リストT21に記載の危険事象が発生する可能性がある。図4に示される作業は、着手作業及び候補作業のいずれかである。
危険事象リストT21は、作業者の人数ごとに用意される。図4の(a)は、作業者が1名のときの危険事象リストT21を示す。図4の(b)は、作業者が2名のときの危険事象リストT21を示す。
図4の(a)の危険事象リストT21は、作業者1が作業:#001を実施すると、危険事象:001が発生する可能性があることを表す。
図4の(b)の危険事象リストT21は、作業者1が作業:#001を実施し、並行して作業者2が作業:#012を実施すると、危険事象:011が発生する可能性があることを表す。
危険事象リストT21は、過去の災害事例、ヒヤリハット事例等に基づいて予め設定される。
次に、図5のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る判定装置30の動作例について説明する。以下では、作業者が1名の例を説明する。作業者が2名以上の例は別途説明する。
なお、作業推定部3304は、作業が終了したことを示す作業者の操作を検出した場合には、作業の終了を推定する。
また、作業推定部3304は、作業者位置から作業者人数を特定する。上述したように、ここでは、作業者人数が1名であると仮定する。
そして、作業推定部3304は、抽出部3306に着手作業の推定結果、作業者人数を通知する。更に、作業推定部3304は、実施確率更新部3305へ着手作業の推定結果を通知する。
具体的には、抽出部3306は、情報管理部341から実施確率情報T10を読み出す。そして、抽出部3306は、実施確率情報T10に基づき、候補作業を抽出する。より詳細には、抽出部3306は、作業推定部3304から通知された着手作業の次に実施される確率が0を超える作業を候補作業として抽出する。
また、抽出部3306は、危険事象記憶部342から危険事象リストT21を読み出す。そして、抽出部3306は、抽出した候補作業のうち危険事象リストT21に含まれる候補作業を抽出候補作業として抽出する。
そして、抽出部3306は、報知決定部3307に作業者の着手作業、作業者人数、抽出候補作業を通知する。
具体的には、報知決定部3307は、危険事象記憶部342から危険事象リストT21を読み出す。そして、報知決定部3307は、作業者の着手作業が危険事象リストT21に含まれているか確認する。着手作業が危険事象リストT21に含まれている場合は、報知決定部3307は、着手作業が危険事象を起こすと判定する。
着手作業が危険事象を起こすと判定された場合は、処理がステップS80に進む。一方、着手作業が危険事象を起こさないと判定された場合は、処理がステップS70に進む。
具体的には、報知決定部3307は、情報管理部341から実施確率情報T10を読み出す。そして、報知決定部3307は、実施確率情報T10から、着手作業と抽出候補作業との組合せに対応する実施確率を抽出する。更に、報知決定部3307は、抽出した実施確率と設定閾値との比較を行う。
実施確率が設定閾値よりも高い場合は、処理がステップS80に進む。一方、実施確率が設定閾値以下の場合は、処理がステップS90に進む。
そして、報知決定部3307は、報知部3308に報知決定信号を出力する。報知部3308は、報知決定部3307からの報知決定信号に従い、報知命令を報知装置50に送信する。
作業が終了している場合は、処理がステップS100に進む。一方、作業が終了していない場合は、処理がステップS10に進む。
具体的には、実施確率更新部3305は、作業者が作業した作業が学習データとして用いるのに適しているか否かを判定する。実施確率更新部3305は、具体例としては、合計作業時間が設定時間より長いかどうか等によってステップS100の判定を行う。
作業が規定の基準を満たすと判定された場合は、処理がステップS110に進む。一方、作業が規定の基準を満たすと判定されなかった場合は、処理が終了する。
実施確率更新部3305は、具体例として、作業の遷移をマルコフ連鎖モデル、又は、ベイジアンネットワークとして設定する。また、実施確率更新部3305は、具体例として、昇降機での作業における時系列での作業の遷移過程を入力とし、遷移行列成分の最尤推定を行い、各作業間の遷移確率を出力することで、実施確率情報を更新する。
また、抽出部3306は、報知決定部3307に各作業者の着手作業、作業者人数、抽出組合せを通知する。
着手作業の組合せが危険事象リストT21に含まれている場合は、処理がステップS80に進む。一方、着手作業の組合せが危険事象リストT21に含まれていない場合は、処理がステップS70に進む。
積算値が設定閾値よりも高い場合は、処理がステップS80に進む。積算値が設定閾値以下である場合は、処理がステップS90に進む。
ステップS80からステップS110は、上述の通りであるため、説明を省略する。
以上のように、本実施の形態では、作業者の現在の着手作業から、次に実施される候補作業の実施確率に基づき、危険事象が発生する可能性を予測する。そして、危険事象が発生する可能性が高い場合に、報知装置を動作させる。このため、本実施の形態によれば、作業者は、将来引き起こされる可能性のある危険に対する予防安全策を講じることが可能である。従って、作業者は将来の危険に対して事前に回避行動をとることができる。
また、本実施の形態では、現在の着手作業そのものが危険事象を発生させる可能性があるか否かも判定する。そして、本実施の形態では、着手作業が危険事象を発生させる可能性が高い場合に、報知装置を動作させる。このため、本実施の形態によれば、以前に行われた、抽出候補作業に基づく予測が外れた場合にも、着手作業の段階で、作業者は安全を確保するための策を講じることが可能である。
本実施の形態では、報知決定部3307が危険事象発生の可能性を報知することを決定した場合に、制御信号無効化部が作業者操作信号を無効化する例を説明する。
本実施の形態では、主に実施の形態1との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態では、判定装置30は、新たに制御信号無効化部3309を備え、昇降機制御盤10と接続される。なお、実施の形態1と同一構成部分には同一番号を付してその説明を省略する。
この結果、昇降機制御盤10は作業者操作信号を無効化する。
なお、作業者操作信号とは、作業者が昇降機を上下移動させる操作、扉を開閉させる操作等を行う際に、作業者が制御盤に入力する制御信号である。
また、無効化とは、作業者操作信号を取り消し、作業者の操作を無効にすることを示す。
本実施の形態では、作業者が特定の視線方向を向かずに作業を実施することにより危険事象が発生する可能性を判定する例を説明する。
本実施の形態では、主に実施の形態2との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態2と同様である。
本実施の形態では、判定装置30は、新たに作業者視線方向検出部3310を備え、センサ20の作業者視線方向取得装置22と接続される。
作業者視線方向取得装置22は、作業者の視線方向を取得する。
なお、実施の形態2と同一構成部分には同一番号を付してその説明を省略する。
危険事象記憶部342は、図9に示す危険事象リストT22を記憶する。
危険事象リストT22には、危険事象と作業者の視線方向と作業との組合せが示される。つまり、作業者の視線方向が危険事象リストT22に記載の特定の方向になく危険事象リストT22に記載の作業を実施した場合に、危険事象リストT22に記載の危険事象が発生する可能性がある。上述の特定方向とは、具体例としては、錘方向、かご下方向、昇降路頂部方向等である。また、図9に示される作業は、着手作業及び候補作業のいずれかである。
危険事象リストT22は、作業者の人数ごとに用意される。図9の(a)は、作業者が1名のときの危険事象リストT22を示す。図9の(b)は、作業者が2名のときの危険事象リストT22を示す。
図9の(a)の危険事象リストT22は、作業者1が昇降路頂部を見ずに作業:#101を実施すると、危険事象:101が発生する可能性があることを表す。
図9の(b)の危険事象リストT22は、作業者1が作業:#111を実施し、並行して作業者2が錘を見ずに作業:#112を実施すると、危険事象:111が発生する可能性があることを表す。
そして、作業者視線方向検出部3310は、抽出部3306に作業者の視線方向を通知する。
まず、抽出部3306は、危険事象記憶部342から危険事象リストT22を読み出す。そして、抽出部3306は、作業者の視線方向が危険事象リストT22に示される視線方向に合致するか否かを判定する。作業者の視線方向が危険事象リストT22に示される視線方向に合致する場合に、抽出部3306は、実施の形態1と同様に候補作業を抽出する。更に、抽出部3306は、抽出した候補作業のうち、危険事象リストT22に示される作業に合致する候補作業を抽出候補作業として抽出する。
図9の(a)に示す危険事象リストT22が用いられる場合は、作業者が昇降路頂部を見ていないときに、作業:#101が抽出候補作業として抽出される。
また、作業者が2名以上の場合は、抽出部306は、図9の(b)に示す危険事象リストT22の条件に合致する作業者の候補作業の組合せを抽出組合せとして抽出する。具体的には、いずれかの作業者が錘を見ていない場合に、錘を見ていない作業者の候補作業が作業:#112に該当し、他方の作業者の候補作業が作業:#111であるときに、抽出部306は、作業:#112と作業:#111を抽出組合せとして抽出する。
そして、抽出部3306は、報知決定部3307に抽出候補作業又は抽出組合せを通知する。
まず、報知決定部3307は、危険事象記憶部342から危険事象リストT22を読み出す。また、報知決定部3307は、作業者の視線方向と推定された着手作業の組み合わせが危険事象リストT22に示される視線方向と着手作業との条件に合致するか否かを確認する。報知決定部3307は、視線方向と着手作業の組合せが危険事象リストT22に示される視線方向と着手作業との条件に合致する場合に、着手作業が危険事象を起こすと判定する。
また、報知決定部3307は、作業者が2名以上の場合は、2名以上の作業者の視線方向と着手作業の組合せが図9の(b)に示す危険事象リストT22の条件に合致する否かを確認する。報知決定部3307は、2名以上の作業者の視線方向と着手作業の組合せが危険事象リストT22に示される条件に合致する場合に、着手作業が危険事象を引き起こすと判定する。具体的には、いずれかの作業者が錘を見ていない場合に、錘を見ていない作業者の着手作業が作業:#112に該当し、他方の作業者の着手作業が作業:#111であるときに、報知決定部3307は、いずれかの作業者又は全作業者の着手作業が危険事象を引き起こすと判定する。
着手作業が危険事象を起こすと判定された場合は、処理がステップS80に進む。一方、着手作業が危険事象を起こさないと判定された場合は、処理がステップS70に進む。
本実施の形態では、作業者の生理状態が特定の状態のときに作業者が作業を実施することにより危険事象が発生する可能性を判定する例を説明する。
本実施の形態では、主に実施の形態3との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態3と同様である。
本実施の形態では、判定装置30は、新たに作業者生理状態検出部3311を備え、センサ20の作業者生理状態取得装置23と接続される。
作業者生理状態取得装置23は、心拍数、体温、呼吸等から作業者の生理状態を検出する。なお、生理状態とは、時間の経過により変化する身体又は精神の状態である。生理状態には、具体例としては、作業に集中していない漫然状態、熱中症等の高温障害状態、緊急時対応等で時間が切迫した中での緊張した状態等が含まれる。
なお、実施の形態3と同一構成部分には同一番号を付してその説明を省略する。
危険事象記憶部342は、図12に示す危険事象リストT23を記憶する。
危険事象リストT23には、危険事象と作業者の生理状態と作業との組合せ示される。つまり、作業者が危険事象リストT23に記載の生理状態で危険事象リストT23に記載の作業を実施した場合に、危険事象リストT23に記載の危険事象が発生する可能性がある。図12に示される作業は、着手作業及び候補作業のいずれかである。
危険事象リストT23は、作業者の人数ごとに用意される。図12の(a)は、作業者が1名のときの危険事象リストT23を示す。図12の(b)は、作業者が2名のときの危険事象リストT23を示す。
図12の(a)の危険事象リストT23は、作業者1が高温障害状態で作業:#201を実施すると、危険事象:201が発生する可能性があることを表す。
図12の(b)の危険事象リストT23は、作業者1が作業:#211を実施し、並行して作業者2が漫然状態で作業:#212を実施すると、危険事象:211が発生する可能性があることを表す。
そして、作業者生理状態検出部3311は、抽出部3306に作業者の生理状態を通知する。
まず、抽出部3306は、危険事象記憶部342から危険事象リストT23を読み出す。そして、抽出部3306は、作業者の生理状態が危険事象リストT23に示される生理状態に合致するか否かを判定する。作業者の生理状態が危険事象リストT23に示される生理状態に合致する場合に、抽出部3306は、実施の形態1と同様に候補作業を抽出する。更に、抽出部3306は、抽出した候補作業のうち、危険事象リストT23に示される作業に合致する候補作業を抽出候補作業として抽出する。
図12の(a)に示す危険事象リストT23が用いられる場合は、作業者が高温障害状態であるときに、作業:#201が抽出候補作業として抽出される。
また、作業者が2名以上の場合は、抽出部3306は、図12の(b)に示す危険事象リストT23の条件に合致する作業者の候補作業の組合せを抽出組合せとして抽出する。具体的には、いずれかの作業者が漫然状態である場合に、漫然状態の作業者の候補作業が作業:#212に該当し、他方の作業者の候補作業が作業:#211であるときに、抽出部306は、作業:#212と作業:#211を抽出組合せとして抽出する。
そして、抽出部3306は、報知決定部3307に抽出候補作業又は抽出組合せを通知する。
まず、報知決定部3307は、危険事象記憶部342から危険事象リストT23を読み出す。また、報知決定部3307は、作業者の生理状態と推定された着手作業の組み合わせが危険事象リストT23に示される生理状態と着手作業との条件に合致するか否かを確認する。報知決定部3307は、作業者の生理状態と推定された着手作業の組み合わせが危険事象リストT23に示される生理状態と着手作業との条件に合致する場合に、着手作業が危険事象を起こすと判定する。
また、報知決定部3307は、作業者が2名以上の場合は、2名以上の作業者の生理状態と着手作業の組合せが図12の(b)に示す危険事象リストT23の条件に合致する否かを確認する。報知決定部3307は、2名以上の作業者の生理状態と着手作業の組合せが危険事象リストT23に示される条件に合致する場合に、着手作業が危険事象を引き起こすと判定する。具体的には、いずれかの作業者が漫然状態である場合に、漫然状態である作業者の着手作業が作業:#212に該当し、他方の作業者の着手作業が作業:#211であるときに、報知決定部3307は、いずれかの作業者又は全作業者の着手作業が危険事象を引き起こすと判定する。
着手作業が危険事象を起こすと判定された場合は、処理がステップS80に進む。一方、着手作業が危険事象を起こさないと判定された場合は、処理がステップS70に進む。
本実施の形態では、作業者の性格が特定の性格である場合において、作業者が作業を実施することにより危険事象が発生する可能性を判定する例を説明する。
本実施の形態では、主に実施の形態4との差異を説明する。
なお、以下で説明していない事項は、実施の形態4と同様である。
本実施の形態では、判定装置30は、新たに作業者性格記憶部343を備える。
作業者性格記憶部343は、予め設定せれた各作業者の性格を記憶する。
作業者の性格には、作業者の気質と作業者の能力が含まれる。作業者の気質の具体例としては、せっかちな気質である。一方、作業者の能力の具体例としては、作業者の刺激に対する反応速度である。
なお、実施の形態4と同一構成部分には同一番号を付してその説明を省略する。
危険事象記憶部342は、図15に示す危険事象リストT24を記憶する。
危険事象リストT24は、危険事象と作業者の性格と作業との組合せが示される。つまり、危険事象リストT24に記載の性格の作業者が、危険事象リストT24に記載の作業を実施した場合に、危険事象リストT24に記載の危険事象が発生する可能性がある。図15に示される作業は、着手作業及び候補作業のいずれかである。
危険事象リストT24は、作業者の人数ごとに用意される。図15の(a)は、作業者が1名のときの危険事象リストT24を示す。図15の(b)は、作業者が2名のときの危険事象リストT24を示す。
図15の(a)の危険事象リストT24は、せっかちな性格の作業者1が作業:#301を実施すると、危険事象:301が発生する可能性があることを表す。
図15の(b)の危険事象リストT24は、反応速度が平均値と比較してかなり遅い作業者2が作業:#312を実施し、並行して作業者1が作業:#311を実施すると、危険事象:311が発生する可能性があることを表す。
まず、抽出部3306は、危険事象記憶部342から危険事象リストT24を読み出す。そして、抽出部3306は、作業者の性格が危険事象リストT24に示される性格に合致するか否かを判定する。作業者の性格が危険事象リストT24に示される性格に合致する場合に、抽出部3306は、実施の形態1と同様に候補作業を抽出する。更に、抽出部3306は、抽出した候補作業のうち、危険事象リストT24に示される作業に合致する候補作業を抽出候補作業として抽出する。
図15の(a)に示す危険事象リストT24が用いられる場合は、作業者の性格がせっかちであるときに、作業:#301が抽出候補作業として抽出される。
また、作業者が2名以上の場合は、抽出部3306は、図15の(b)に示す危険事象リストT24の条件に合致する作業者の候補作業の組合せを抽出組合せとして抽出する。具体的には、いずれかの作業者の反応速度が平均値と比較してかなり遅い場合に、反応速度の遅い作業者の候補作業が作業:#312に該当し、他方の作業者の候補作業が作業:#311であるときに、抽出部306は、作業:#312と作業:#311を抽出組合せとして抽出する。
そして、抽出部3306は、報知決定部3307に抽出候補作業又は抽出組合せを通知する。
まず、報知決定部3307は、危険事象記憶部342から危険事象リストT24を読み出す。報知決定部3307は、作業者の性格と推定された着手作業の組み合わせが危険事象リストT24に示される性格と着手作業との条件に合致するか否かを確認する。報知決定部3307は、作業者の性格と推定された着手作業の組み合わせが危険事象リストT24に示される性格と着手作業との条件に合致する場合に、着手作業が危険事象を起こすと判定する。
また、報知決定部3307は、作業者が2名以上の場合は、2名以上の作業者の性格と着手作業の組合せが図15の(b)に示す危険事象リストT24の条件に合致する否かを確認する。報知決定部3307は、2名以上の作業者の性格と着手作業の組合せが危険事象リストT24に示される条件に合致する場合に、着手作業が危険事象を引き起こすと判定する。具体的には、いずれかの作業者の反応速度が平均値に比べてかなり遅い場合に、反応速度の遅い作業者の着手作業が作業:#312に該当し、他方の作業者の着手作業が作業:#311であるときに、報知決定部3307は、いずれかの作業者又は全作業者の着手作業が危険事象を引き起こすと判定する。
着手作業が危険事象を起こすと判定された場合は、処理がステップS80に進む。一方、着手作業が危険事象を起こさないと判定された場合は、処理がステップS70に進む。
あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
最後に、判定装置30のハードウェア構成の補足説明を行う。
図1に示すプロセッサ33は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。
プロセッサ33は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等である。
図1に示すメモリ34は、RAM(Random Access Memory)である。
図3に示す制御盤信号インタフェース31、センサインタフェース32及び報知装置インタフェース35は、それぞれ、データの通信処理を実行する電子回路である。
制御盤信号インタフェース31、センサインタフェース32及び報知装置インタフェース35は、それぞれ、例えば、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
そして、OSの少なくとも一部がプロセッサ33により実行される。
プロセッサ33はOSの少なくとも一部を実行しながら、かご位置検出部3301、作業者操作信号検出部3302、作業者位置検出部3303、作業推定部3304、実施確率更新部3305、抽出部3306、報知決定部3307、及び報知部3308の機能を実現するプログラムを実行する。
プロセッサ33がOSを実行することで、タスク管理、メモリ管理、ファイル管理、通信制御等が行われる。
また、かご位置検出部3301、作業者操作信号検出部3302、作業者位置検出部3303、作業推定部3304、実施確率更新部3305、抽出部3306、報知決定部3307、及び報知部3308の処理の結果を示す情報、データ、信号値及び変数値の少なくともいずれかが、メモリ34、補助記憶装置40、プロセッサ33内のレジスタ及びキャッシュメモリの少なくともいずれかに記憶される。
また、かご位置検出部3301、作業者操作信号検出部3302、作業者位置検出部3303、作業推定部3304、実施確率更新部3305、抽出部3306、報知決定部3307、及び報知部3308の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ブルーレイ(登録商標)ディスク、DVD等の可搬記録媒体に格納されていてもよい。そして、かご位置検出部3301、作業者操作信号検出部3302、作業者位置検出部3303、作業推定部3304、実施確率更新部3305、抽出部3306、報知決定部3307、及び報知部3308の機能を実現するプログラムが格納された可搬記録媒体を流通させてもよい。
また、判定装置30は、処理回路により実現されてもよい。処理回路は、例えば、ロジックIC(Integrated Circuit)、GA(Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)である。
この場合は、かご位置検出部3301、作業者操作信号検出部3302、作業者位置検出部3303、作業推定部3304、実施確率更新部3305、抽出部3306、報知決定部3307、及び報知部3308は、それぞれ処理回路の一部として実現される。
なお、本明細書では、プロセッサと処理回路との上位概念を、「プロセッシングサーキットリー」という。
つまり、プロセッサと処理回路とは、それぞれ「プロセッシングサーキットリー」の具体例である。
Claims (17)
- 作業者が着手した着手作業の次に実施される可能性のある1つ以上の作業である候補作業のうち、実施により危険事象が発生する可能性のある候補作業を抽出候補作業として抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された前記抽出候補作業が前記着手作業の次に実施される確率に基づき、前記抽出候補作業の実施により危険事象が発生する可能性である危険事象発生可能性を前記作業者及び作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する報知決定部とを有する判定装置。 - 前記判定装置は、更に、
前記報知決定部が前記危険事象発生可能性を報知することを決定した場合に、前記作業者及び前記作業関係者のうち少なくともいずれか一方に前記危険事象発生可能性を報知する報知部を有する請求項1に記載の判定装置。 - 前記判定装置は、更に、
実施順序が定義されている複数の作業の組合せが複数記述され、組合せごとに、組合せに含まれる複数の作業が実施順序に従って実施される確率が記述される実施確率情報を管理する情報管理部と、
前記作業者により複数の作業が実施された場合に、前記実施確率情報に記述される複数の組合せのうち、前記作業者により実施された前記複数の作業及び実施順序に対応する組合せに記述される確率を更新する実施確率更新部を有する請求項1に記載の判定装置。 - 前記実施確率更新部は、
前記作業者により実施された前記複数の作業が規定の基準を満たす場合に、前記作業者により実施された前記複数の作業及び実施順序に対応する組合せに記述される確率を更新する請求項3に記載の判定装置。 - 前記報知決定部は、
前記着手作業の実施により危険事象が発生する可能性を前記作業者及び前記作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する請求項1に記載の判定装置。 - 前記抽出部は、
前記作業者が2名以上いる場合に、各作業者の前記候補作業を組み合わせて得られる複数の組合せのうち、各作業者の前記候補作業が並行して実施されることにより危険事象が発生する可能性のある組合せを抽出組合せとして抽出し、
前記報知決定部は、
前記抽出部により抽出された前記抽出組合せに含まれる前記候補作業の各々が各作業者の前記着手作業の次に実施される確率に基づき、前記抽出組合せに含まれる前記候補作業の各々が並行して実施されることにより危険事象が発生する可能性を各作業者及び前記作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する請求項1に記載の判定装置。 - 前記報知決定部は、
前記作業者が2名以上いる場合に、各作業者の前記着手作業が並行して実施されることにより危険事象が発生する可能性を各作業者及び前記作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する請求項1に記載の判定装置。 - 前記判定装置は、更に、
前記報知決定部が前記危険事象発生可能性を報知することを決定した場合に、前記着手作業の実施に要する制御信号を無効化する制御信号無効化部を有する請求項1に記載の判定装置。 - 前記判定装置は、更に、
前記着手作業が不明な場合に、前記着手作業を推定する作業推定部を有し、
前記抽出部は、
前記作業推定部により推定された前記着手作業に基づき前記抽出候補作業を抽出する請求項1に記載の判定装置。 - 前記作業者は、昇降機の作業を行う作業者であり、
前記作業推定部は、
前記昇降機のかごの位置が示されるかご位置情報と、前記作業者が実施した操作が示される作業者操作信号と、前記作業者の位置が示される作業者位置情報とに基づき、前記着手作業を推定する請求項9に記載の判定装置。 - 前記抽出部は、
前記作業者の状態が特定の状態にあるときに実施されると危険事象が発生する可能性のある候補作業を前記抽出候補作業として抽出する請求項1に記載の判定装置。 - 前記抽出部は、
前記作業者が2名以上いる場合に、各作業者の前記候補作業を組み合わせて得られる複数の組合せのうち、2名以上いる作業者のうち少なくともいずれか1名の作業者が特定の状態にあるときに、各作業者の前記候補作業が並行して実施されることにより危険事象が発生する可能性のある組合せを前記抽出組合せとして抽出する請求項1に記載の判定装置。 - 前記抽出部は、
前記作業者の視線方向が特定の方向であるときに実施されると危険事象が発生する可能性のある候補作業を前記抽出候補作業として抽出する請求項11に記載の判定装置。 - 前記抽出部は、
前記作業者の生理状態が特定の生理状態にあるときに実施されると危険事象が発生する可能性のある候補作業を前記抽出候補作業として抽出する請求項11に記載の判定装置。 - 前記抽出部は、
前記作業者の性格が特定の性格であるときに実施されると危険事象が発生する可能性のある候補作業を前記抽出候補作業として抽出する請求項11に記載の判定装置。 - コンピュータが、作業者が着手した着手作業の次に実施される可能性のある1つ以上の作業である候補作業のうち、実施により危険事象が発生する可能性のある候補作業を抽出候補作業として抽出し、
前記コンピュータが、抽出された前記抽出候補作業が前記着手作業の次に実施される確率に基づき、前記抽出候補作業の実施により危険事象が発生する可能性である危険事象発生可能性を前記作業者及び作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する判定方法。 - 作業者が着手した着手作業の次に実施される可能性のある1つ以上の作業である候補作業のうち、実施により危険事象が発生する可能性のある候補作業を抽出候補作業として抽出する抽出処理と、
前記抽出処理により抽出された前記抽出候補作業が前記着手作業の次に実施される確率に基づき、前記抽出候補作業の実施により危険事象が発生する可能性である危険事象発生可能性を前記作業者及び作業関係者のうち少なくともいずれか一方に報知するか否かを決定する報知決定処理とをコンピュータに実行させる判定プログラム。
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