JP7011744B1 - 冷凍温度帯蓄冷材とそれを用いた保冷具、物流梱包容器および物流システム - Google Patents

冷凍温度帯蓄冷材とそれを用いた保冷具、物流梱包容器および物流システム Download PDF

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【課題】 融点に近く過冷却が起きやすい温度の凍結環境でも、高い確率で凍結する蓄冷材を提供する。【解決手段】 水と、塩化アンモニウムと、炭酸カルシウムとを含み、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、水が83から85重量部であり、前記炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して0.5から5重量部の添加量である。【選択図】 図1

Description

本発明は、冷凍温度帯蓄冷材とそれを用いた保冷具、物流梱包容器および物流システムに関する。
冷凍食品や化学品、医薬品、ワクチンなどの冷凍品の保冷輸送には、その品質を保持するために、少なくとも氷点下で保冷され続ける必要がある。その保冷すべき温度は、冷凍品の種類によって、-10℃以下、-15℃以下および-18℃以下を維持することが望ましいとされる。しかし、これまで冷凍品の輸送には、必要な温度にかかわらずドライアイスが用いられてきた。
しかし、ドライアイスの原料は石油精製で副生した二酸化炭素であり、近年の二酸化炭素排出規制の潮流から、再生エネルギーの利用が高まり、石油精製量が減少している。そのため、ドライアイスは慢性的な原料不足にある。
そこで、ドライアイスを代替する蓄冷材の使用が進んでいる。蓄冷材を用いて保冷輸送するためには、使用前に必ず蓄冷材を凍結させなければならない。これまで主に使用されてきた蓄冷材は-25℃付近に融点を持ち、凍結させるために-35℃以下となる凍結庫が必要となる。その設備投資や凍結時に消費する電力量が大きな課題となっている。
一方で、前述のように保冷すべき温度は冷凍品の温度によって異なる。例えば、-10℃以下で保冷する場合には、より融点の高い蓄冷材を用いても保冷することができる。すなわち、蓄冷材の融点が、保冷すべき温度を超えることなく、且つ保冷すべき温度に近いほど、凍結庫の設定温度を高められるため、凍結時のエネルギーロスを抑えることができる。この観点から、-15℃付近に融点を持つ蓄冷材は、-10℃以下での保冷を可能とするため好適である。
また、-15℃付近に融点を持つ蓄冷材を凍結させるためには、前述の凍結時のエネルギーロスの観点から、融点に近い、高い温度の環境でも凍結できることが望まれる。具体的には、家庭用冷蔵庫の冷凍室や簡易的な冷凍倉庫で凍結することができれば、蓄冷材を凍結させるための凍結庫が不要となり既存の設備を用いることができる。家庭用冷蔵庫の冷却性能の指標としてワンスターからフォースターまでの冷凍庫があるが、日本国内で広く使用されているスリースターおよびフォースターの冷凍室は-18℃以下まで冷却できることが規定されている。また簡易的な冷凍倉庫であるC1級の管理温度は-10℃以下から-20℃未満であり、平均的な温度は-18℃程度であることが多い。すなわち、-15℃付近に融点を持つ蓄冷材を-18℃以上の環境で凍結させることができれば、アイスクリームなどの脂肪比率の高い冷凍食品を除く一般的な冷凍食品が融けることのない-10℃以下を長く保持し、家庭用冷凍庫など広く使用されている既存設備にて凍結させることのできる蓄冷材を提供することができる。これにより、冷凍食品の個人宅配やスーパーマーケットやコンビニエンスストアーからの冷凍食品の持ち帰りなど、一時的または簡易的な保冷に使用していたドライアイスを蓄冷材に代替することができる。
これまで-15℃付近に融点をもつ蓄冷材として、特許文献1が知られており、塩化アンモニウム20%水溶液を凍結させ融解させると-16℃を保持することが記載されている。
特開2003-41242
しかし、特許文献1に記載の蓄冷材では、-18℃の環境では、過冷却状態を維持し易く、蓄冷材を凍結環境に投入してから凍結が完了するまでの時間(以下、凍結時間ということがある)のバラつきが大きく、実用化が難しい。蓄冷材を用いた、低温物流サービスを提供する場合には、大量の蓄冷材を一定期間で凍結させ、冷凍食品などの保冷対象物の保冷輸送に使用し、再び蓄冷材を一定期間で凍結させる循環システムを構築する必要がある。そのため、凍結時間が短い程、循環システムの回転率を上げることができ、使用する蓄冷材数の削減や、凍結環境の容積縮小に繋がるため、望ましい。当然、凍結環境に投入した蓄冷材は一定期間で高い確率で凍結している必要があるが、凍結時間のバラつきが大きい場合には、凍結時間が最も長いものに合わせて循環システムを構築するため、回転率を上げることができない。そのため、-18℃といった蓄冷材の融点に近く、過冷却が起こり易い環境においても、安定して凍結し、凍結時間のバラつきの小さい蓄冷材が実現できれば、効率的な循環システムを構築することができる。
本発明の一形態の蓄冷材は、本実施形態にかかる蓄冷材は、水と、塩化アンモニウムと、炭酸カルシウムとを含み、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、水が83から85重量部であり、前記炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して0.5から5重量部の添加量である。
本発明の蓄冷材の凍結特性を示す図である。 本発明の蓄冷材の融解特性を示す図である。 保冷具としてのブロー容器型保冷具の一例を示す図である。 保冷具としてのフィルムパック型保冷具の一例を示す図である。 保冷具としてのブリスターパック型保冷具の一例を示す図である。 図5に示すブリスターパック型保冷具の断面図である。 物流梱包容器の一例を示す図である。 実施例4に係る蓄冷材の凍結特性を示す図である。 比較例2に係る蓄冷材の凍結特性を示す図である。 本発明の蓄冷材の凍結時間のバラつきを示す図である。 本発明の物流システムの概略を示す図である。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
本実施形態にかかる蓄冷材は、水と、塩化アンモニウムと、炭酸カルシウムとを含み、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、水が83から85重量部であり、前記炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して0.5から5重量部の添加量である。これにより、-18℃の環境で安定して凍結し、凍結時間のバラつきが小さく、-15℃に主な融点を持つ蓄冷材が得られる。図1および図2に本蓄冷材の基本的な凍結特性と融解特性をそれぞれ示す。本蓄冷材は、常温(例えば25℃)において、液体の形態となっている。これを-18℃まで冷却すると、図1に示すように、蓄冷材の温度は環境温度よりも高い温度を維持し、その後、環境温度である-18℃まで低下する。高い温度を推移している間は、蓄冷材が液体から固体に相転移していることを示している。そして、環境温度の-18℃まで到達するということは、相転移が完了し、完全に凍結していることを示している。また、凍結した蓄冷材を常温まで環境温度を徐々に上昇させると、図2に示すように、蓄冷材の温度は-15℃付近を維持する。蓄冷材の温度が-15℃付近を維持している間は、蓄冷材は固体から液体に相転移していることを示している。
本実施形態にかかる蓄冷材の水および塩化アンモニウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、前記水が83から85重量部である。
塩化アンモニウムと水との共晶を形成する組成比(共晶濃度)は、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムが18重要部であり、水が82重量部である。すなわち、本発明の塩化アンモニウムと水との共晶を形成する組成比は、共晶濃度に比べて、塩化アンモニウムの組成比が1から3重量部少なく、水の組成比が1から3重量部多い。水の組成比が多いことで、本発明の蓄冷材を凍結させる時に、余剰の水の方が共晶を形成する温度よりも凝固点が高いため、先に凍結し氷になる。その氷を核に、-15℃に融点をもつ塩化アンモニウムと水との共晶を形成することができる。一般に、均質な状態の液体が固体への相転移する場合には、均一核発生により凍結が開始されるが、塩化アンモニウムと水との共晶を形成が開始される前に、氷のような固体が存在すると、その氷の界面を足が掛かりに、不均一核発生させることができる。不均一核発生は、均一核発生よりも、核発生の自由エネルギーが低いため、凍結が開始され易くなる。これにより、共晶濃度の塩化アンモニウムと水とからなる蓄冷材に比べて、凍結し易く、例えば-18℃のような融点に近く、過冷却が起こり易い環境温度でも、高い確率で安定して凍結させることができる。
一方で、水の組成比が多すぎる場合には、塩化アンモニウムと水との共晶の組成比が低くなるため、-15℃で保持する時間が短くなる。そのため、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、水が83から85重量部であることが好ましい。
本実施形態にかかる蓄冷材の炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して0.5から5重量部の質量が添加されている。炭酸カルシウムは25℃における水100gへの溶解度は0.015g程度と水に対して難溶性であり、常温において、水溶液中で分散もしくは沈殿している。すなわち、炭酸カルシウムは、相転移の主剤としては関与しておらず、水と塩化アンモニウムの共晶を形成する際に、最初に生成する核の発生確率を高め、凍結時間のバラつきを抑制する作用を果たす。
前述のように、一般に均質な状態の液体が固体への相転移する場合には、均一核発生により固体化が開始されるが、炭酸カルシウムのような難溶性の物質が存在することで、難溶性物質の結晶と蓄冷材との界面で不均一核発生が起こる。不均一核発生は、均一核発生の時よりも、核発生の自由エネルギーが下がるため、安定して凍結させることができる。
しかし、不均一核発生は、難溶性の物質の結晶と蓄冷材との親和性に依存するため、一概に難溶性の物質であれば、過冷却抑制効果を発現するものではなく、蓄冷材の主剤と難溶性物質との最適な組み合わせが存在する。例えば、難溶性の物質として、シリカゲルや酸化チタン、四ほう酸ナトリウムを本発明の蓄冷材の炭酸カルシウムの代わりに添加しても、安定して凍結する効果は発現しない。
また、炭酸カルシウムは、一部の四級アンモニウム塩の包接水和物の系、糖アルコールの系や、カルシウムイオン、塩化物イオン、臭化物イオン及びアンモニウムイオンを含む水溶液の系において、過冷却抑制剤または結晶核剤として適用された例がある(例えば、国際特許公報WO2019/235468、特開平9-249875や国際特許公報WO2019/172149)。これらの発明の炭酸カルシウムは、炭酸カルシウムを含まない状態では、過冷却が大きく、凍結が難しい温度でも凍結できるように凍結開始温度を高めることが目的であった。
しかし、本発明における炭酸カルシウムは、広義には過冷却抑制剤であるが、炭酸カルシウムを含まない状態でも、凍結時間を伸長すれば凍結する、または一定期間でも低い確率で凍結するものを、凍結開始時間を揃え、凍結時間のバラつきを小さくし、一定期間における凍結確率を高める役割を果たす。凍結時間のバラつきが小さくなり、一つの凍結設備内の複数の蓄冷材が一斉に凍結を開始し、最短の時間で凍結することで、蓄冷材を用いた低温物流システムにおいて、保冷に必要な蓄冷材の数量に応じた数量を凍結させれば良くなる。また、最短時間で高い確率で凍結できることで、凍結と保冷の循環システムの回転率を高めることができる。これらにより、蓄冷材を凍結させるための設備の導入数量の削減や、凍結庫内の蓄冷材が占有する割合を減少することができる。
炭酸カルシウムの添加量は、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記合計質量に対して0.5から5重量部の添加量である。0.5重量部未満の場合には、凍結確率が低下する。5重量部を超える場合には、炭酸カルシウムは相転移に関与しないため、質量あたりの吸熱量、すなわち潜熱が減少する。凍結確率の高さと潜熱の大きさの観点、炭酸カルシウムの添加量は1から3重量部であることが特に好ましい。
本実施形態にかかる蓄冷材は、上述した成分以外の成分を含んでもよい。上述した成分以外の成分としては、例えば、増粘剤、示温材、色素及び抗菌剤が挙げられ、これらの群より選択される少なくとも1種を含む。
なお、本実施形態にかかる蓄冷材は以下の方法により、各原料の組成比を確認することができる。まず、蓄冷材中に分散または析出している炭酸カルシウムなどの難溶性物質と水溶性物質とに分離する。具体的には、ろ紙を用いたろ過で、それぞれ分離する。次に、難溶性物質は、乾燥後、秤量することで組成比を明らかにし、炭酸カルシウムであることは、例えば、X線回折(XRD)測定により確認することができる。一方で水溶性物質は、例えば、イオンクロマトグラフィーの測定により、含有するイオンを確認し、組成比はイオンクロマトグラフィーの各ピークの面積比から算出することができる。
以下、本蓄冷材を用いる保冷具について説明する。本保冷具は、食品、医薬品、化学品等の保冷対象物を保冷する。この保冷具としては、上述の蓄冷材を収納した収納部を備え、例えば、この収納部を保冷対象物に近接または接触させることにより保冷対象物を保冷する。
本保冷具としては、例えば、ブロー容器型保冷具、フィルムパック型保冷具、ブリスターパック型保冷具等が挙げられる。以下、各保冷具の例について、図3から図7に基づいて説明する。
図3は、保冷具1であるブロー容器型保冷具の一例を示す図である。
保冷具1は、例えば、蓄冷材収容部2と、封止部材3と、を備える。
蓄冷材収容部2は、内部空間4を有し、注入口5を備える。注入口5は、内部空間4と連通している。内部空間4には、蓄冷材6が収容されている。
封止部材3は、注入口5から注入された蓄冷材6を内部空間4に封止するように、注入口5を封止する。
図4は、保冷具10であるフィルムパック型保冷具の一例を示す図である。
保冷具10は、例えば、複数の蓄冷材収容部11と、複数の接続部12と、を備える。
蓄冷材収容部11は、内部空間13を有する。内部空間13には、蓄冷材6が収容されている。また、蓄冷材収容部11は、短冊状に形成されている。なお、蓄冷材収容部11の断面形状は、例えば、楕円形であるが、これに限らず、例えば長方形等であってもよい。これにより、保冷対象物の形状に応じて、保冷具10の形状を変えることができる。
接続部12は、隣り合う蓄冷材収容部11同士を接続する。接続部12は、可撓性を有することが好ましい。これにより、接続部12で折り曲げることができ、例えば、蓄冷材収容部11同士を重ねたり、保冷対象に沿って、蓄冷材収容部11を接触させたりすることができる。例えば、保冷具10における蓄冷材収容部11を保冷対象に近接または接触させて保持することにより、保冷対象を保冷することができる。
保冷具10は、例えば、2つのフィルム部材を接合して、内部空間13を有する蓄冷材収容部11および接合部12を形成することにより製造される。このフィルム部材の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等のポリマーおよびこれらの材料の組み合わせが挙げられるが、特に限定されるものではない。このフィルム部材は、単層であっても、複数層であってもよい。さらに、フィルム部材は、アルミニウムや二酸化ケイ素等で形成された薄膜を有し、耐久性やバリア性を高めていてもよい。さらに、保冷具10の外側をさらにフィルムで包装した、いわゆるパックインパック構造であってもよい。パックインパック構造とすることにより、保冷具10の物理的な強度を向上、肌触りの改善、断熱性の向上等を図ることができる。
図4においては、3個の蓄冷材収容部11を例示しているが、これに限らず、例えば、蓄冷材収容部11の数を変更したり、蓄冷材収容部11の大きさを変更したりしてもよい。これにより、例えば、保冷対象物の大きさに応じて、保冷具10の大きさを変えることができる。
図5、図6は、保冷具20であるブリスターパック型保冷具の一例を示す図である。
保冷具20は、例えば、複数の蓄冷材収容部21と、複数の接続部22と、を備える。
蓄冷材収容部21は、内部空間23を有する。内部空間23には、蓄冷材6が収容されている。また、蓄冷材収容部21は、短冊状に形成されている。図4に示すように、蓄冷材収容部21の断面形状は、例えば、台形であるが、これに限らず、例えば長方形等であってもよい。これにより、保冷対象物の形状に応じて、保冷具20の形状を変えることができる。
接続部22は、隣り合う蓄冷材収容部21同士を接続する。接続部22は、可撓性を有することが好ましい。これにより、接続部22で折り曲げることができ、例えば、蓄冷材収容部21同士を重ねたり、保冷対象に沿って、蓄冷材収容部21を接触させたりすることができる。例えば、保冷具20における蓄冷材収容部21を保冷対象に近接または接触させて保持することにより、保冷対象を保冷することができる。
保冷具20は、図6に示すように、例えば、凹部24を有するフィルム状部材25と、シート状のフィルム部材26とを接合することにより製造される。上記凹部24とフィルム部材26とに囲まれる空間が内部空間23となる。このフィルム部材25・26は、保冷具10におけるフィルム材料と同様の材料を使用することができる。
以下、本保冷具を用いる物流梱包容器について説明する。
図7は、物流梱包容器100である物流梱包容器の一例を模式的に図示する断面図である。物流梱包容器100は、保冷対象物Xを保冷する。物流梱包容器100は、保冷対象物Xを保冷した状態で輸送するために用いられる。保冷対象物Xは、例えば、-15℃以下の温度で保冷される冷凍食品である。
図7に図示されるように、物流梱包容器100は、本発明の保冷具10と、物流梱包容器本体101と、を備える。物流梱包容器本体301は、保冷具10及び保冷対象物Xを収容する。保冷具10は、保冷対象物Xを上方及び下方から挟む。これにより、保冷対象物Xへの熱の流入を抑制することができ、効果的に-15℃以下もしくは―10℃以下で保冷することができる。
物流梱包容器100が、保冷具10の上方に断熱部材を備えてもよい。これにより、物流梱包容器100の保冷性能を向上することができる。
保冷具10の形状、数、使用時の姿勢等は、保冷対象物の形状、性質等に応じて変更される。
以下、保冷具を用いた物流システム500について説明する。本物流システム500は、上述した保冷具1(10、20)を適用する。好ましくは、同種の保冷具1(10、20)を複数適用する。例えば、保冷具1を複数適用する。また、本物流システム500は、図11に示すように、前記保冷具1(10、20)と複数の保冷具1(10、20)を凍結させる凍結庫200と、凍結させた前記保冷具1(10、20)にて、輸送対象物を保冷する輸送部を備える。凍結庫は、保冷具を凍結することができれば特に限定はされない。また、輸送部400は、輸送対象物を輸送できれば特に限定はされない。輸送対象物は、上述した保冷具を備える物流梱包容器100を用いてもよい。本発明の物流システムでは、複数の保冷具を凍結庫に投入しても、本蓄冷材の凍結時間のバラつきが小さいため、凍結と保冷使用の回転率を高めることができる。
<実施例および比較例>
塩化アンモニウム、水および炭酸カルシウムを表1に示す組成比で混合し、実施例1から4および比較例1から2にかかる蓄冷材を調製した。なお、塩化アンモニウムと水の合計質量が100重量部となるように調製した。
Figure 0007011744000002
実施例1から4および比較例1から2にかかる蓄冷材について、凍結の安定性を評価するために、以下の評価を行った。まず、50mlのネジ蓋付きのプラスチック容器に、実施例1から4および比較例1から2にかかる蓄冷材40gを注ぎ、蓄冷材の中心部分に熱電対をセットする。これを、一つの組成のものに対して、それぞれ6個(N1~N6)用意した。蓄冷材の入ったプラスチック容器6つを恒温槽内に設置し、室温から-18℃に急冷し、18時間放置した。
実施例4と比較例2について、このときの蓄冷材の温度変化を図8および図9にそれぞれ示す。実施例4の蓄冷材は6つとも、3から4時間後に-16から-17℃に低下した後に-15℃付近まで温度上昇し、一定に保持した。その後、10時間から12時間で環境温度の-18℃に近づくことが分かる。一方で、比較例2の蓄冷材は温度が低下する時間に幅があることが分かる。特にN2の蓄冷材は、8.5時間後まで-18℃であり、その後、温度が急激に上昇し-15℃付近を一定時間保持した後に、約14.5時間後に-18℃に近づいている。これは8.5時間後まで、融点以下でも液体状態である、いわゆる過冷却状態であり、その後凍結を開始し、14.5時間後に凍結が完了したことが分かる。
実施例3および4、比較例1および2にかかる蓄冷材について、凍結を開始した後に-18℃に到達した時間を凍結時間とし、炭酸カルシウムの添加量に対する、それぞれ6つの凍結時間の標準偏差を図10に示す。図10に示すように、比較例1や比較例2のように炭酸カルシウムの添加率が0.5%未満の場合には、標準偏差が大きく、凍結時間のバラつきが大きいことがわかる。すなわち、本実施形態にかかる蓄冷材のように、水と、塩化アンモニウムと、炭酸カルシウムとを含み、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、水が83から85重量部であり、前記炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して0.5から5重量部の添加量であることで、-18℃のような融点に近く、過冷却が起き易い環境においても、安定して凍結することができ、凍結時間のバラつきが小さい。
また、実施例1から4にかかる蓄冷材の融解時の潜熱を示差走査熱量計(DSC)によって評価したところ、いずれも300J/g以上の高い値を示した。
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。

Claims (7)

  1. 水と、塩化アンモニウムと、炭酸カルシウムとを含み、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記塩化アンモニウムは15から17重量部であり、水が83から85重量部であり、前記炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して0.5から5重量部の添加量であり、-15℃付近に融点を持つとともに、-18℃の環境で完全に凍結する蓄冷材。
  2. 前記炭酸カルシウムは、前記水と前記塩化アンモニウムの合計質量を100重量部としたときに、前記100重量部に対して1から3重量部の添加量である請求項1記載の蓄冷材。
  3. 請求項1または2に記載の蓄冷材を収容する収容部を備える保冷具。
  4. 前記収容部を複数有し、
    隣り合う前記収容部同士を接続する接続部を備える、
    請求項3に記載の保冷具。
  5. 前記接続部は、可撓性を有する、
    請求項4に記載の保冷具。
  6. 請求項3~5のいずれか1項に記載の保冷具を備える物流梱包容器。
  7. 請求項3~5のいずれか1項に記載の保冷具を用いた物流システムであり、
    前記保冷具を複数凍結させる凍結庫と、
    凍結させた前記保冷具にて、輸送対象物を保冷する輸送部を備える物流システム。
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