JP7008564B2 - 合成石英ガラス基板用研磨液組成物 - Google Patents

合成石英ガラス基板用研磨液組成物 Download PDF

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Description

本発明は、合成石英ガラス基板を研磨するための研磨液組成物に関する。また、上記研磨液組成物を用いた被合成石英ガラス基板の研磨方法、合成石英ガラス基板の製造方法に関する。
半導体修正回路等の製造には、フォトリソグラフィ技術が用いられている。フォトリソグラフィ技術に使用されるフォトマスクは、マスクブランクスに所定の波長の光を透過させない材料で一定の回路パターンが形成されたものである。マスクブランクスには、光の透過率が高く耐熱性が優れた合成石英ガラス基板が使用されているが、LSIの微細化と高集積化にともない、合成石英ガラス基板に対し平坦度の要求が一段と厳しくなっている。
石英ガラス基板を研磨により平坦化するための技術として、特許文献1には、高精度に平滑な研磨表面が効率的に得られる研磨剤の製造方法が開示されており、当該製造方法では、セリウム化合物の昇温過程で加湿したガスを供給しながら加熱する段階を経由する。当該製造方法により得られた酸化セリウム粒子の(D50-D10)/(D90-D50)の比は、0.1~0.3である。
特許文献2には、バリア層および絶縁膜に対する高い研磨速度を十分に維持でき、かつファングやエロージョンといった表面欠陥を抑制し、金属配線層に対する高い研磨速度を維持したままディッシング等の段差欠陥の低減を実現しうる研磨液組成物であって、砥粒と、酸化剤と、金属防食剤と、pH調整剤と、水と、を含み、前記砥粒のアスペクト比が1.22以下であり、かつ、前記砥粒のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において微粒子側から積算粒子重量が全粒子重量の90%に達するときの粒子の直径D90と全粒子の全粒子重量の10%に達するときの粒子の直径D10の比D90/D10が1.5以上3.0以下である、研磨用組成物が開示されている。
特許文献3には、ガラス光学素子等を研磨するための研磨材粒子であって、研磨材粒子を構成する全希土類元素の総含有量に対し、セリウムの平均含有率が81mol%以上であり、横座標に研磨材粒子の粒子径をプロットし縦座標に研磨材粒子の累積粒子個数をプロットして作成された粒子径累積分布曲線から求められる、累積粒子個数が50%における粒子径D50(nm)が,300~500nm範囲内である研磨材粒子が開示されている。
特許文献4には、研磨用途に適用して、線状痕やスクラッチ等の発生が抑制され、優れた研磨速度を持続して示すことが可能とする、シリカ微粒子が分散媒に分散してなるシリカゾルであって、該シリカ微粒子の粒子径分布における最頻値粒子径が5~100nmの範囲にあり、更に以下の1)および2)の条件を満たすことを特徴とする研磨用シリカゾルが開示されている。1)最頻値粒子径を超えるシリカ微粒子の割合が、全シリカ微粒子に対して5~30体積%の範囲である。2)最頻値粒子径以下の粒子径分布における粒子径変動係数が、30~70%の範囲である。
特許文献5には、CMPにおけるポリッシングレートをより高めるための窒化物半導体基板の製造方法が開示されており、当該製造方法の窒化物半導体結晶の表面を平坦化する工程において、所定の粒度分布のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨を行うことが開示されている。
特開2004-168639号公報 特許第6113741号公報 WO2015/019888号公報 特開2010-105136号公報 特開2015-153852号公報
しかし、合成石英ガラス基板は化学的に非常に安定で加工効率が低いため、研磨速度の更なる向上の要請がある。
本発明では、高速で合成石英ガラス基板を研磨可能とする、合成石英ガラス基板用研磨液組成物、及びこれを用いた、被研磨合成石英ガラス基板の研磨方法、合成石英ガラス基板の製造方法を提供する。
本発明の合成石英ガラス基板用研磨液組成物は、シリカ粒子と、水系媒体とを含有し、前記シリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において小粒径側からの累積体積が50%に達するときの粒子の二次粒径D50が、70nm以上200nm以下であり、前記粒度分布の歪度が1.30以上2.05以下である、合成石英ガラス基板用研磨液組成物に関する。
本発明の合成石英ガラス基板の研磨方法は、
被研磨合成石英ガラス基板と研磨パッドとの間に、本発明の合成石英ガラス基板用研磨液組成物を供給し、前記被研磨合成石英ガラス基板と前記研磨パッドとが接した状態で、前記研磨パッドを前記被研磨合成石英ガラス基板に対して相対運動させることにより、前記被研磨合成石英ガラス基板を研磨する工程を含む。
本発明の合成石英ガラス基板の製造方法は、
被研磨合成石英ガラス基板と研磨パッドとの間に、本発明の合成石英ガラス基板用研磨液組成物を供給し、前記被研磨合成石英ガラス基板と前記研磨パッドとが接した状態で、前記研磨パッドを前記被研磨合成石英ガラス基板に対して相対運動させることにより、前記被研磨合成石英ガラス基板を研磨する工程を含む。
本発明によれば、高速で研磨対象物を研磨可能とする合成石英ガラス基板用研磨液組成物、及びこれを用いた、被研磨合成石英ガラス基板の研磨方法、合成石英ガラス基板の製造方法を提供できる。
本発明は、合成石英ガラス基板用研磨液組成物中に砥粒として含まれるシリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において小粒径側からの累積体積が50%に達するときの粒子の二次粒径D50、及び前記粒度分布の歪度(skewness)が、各々所定の範囲内の値であると、合成石英ガラス基板の研磨速度が向上するという知見に基づく。
すなわち、本発明は、一態様において、シリカ粒子と、水系媒体とを含有し、前記シリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において小粒径側からの累積体積が50%に達するときの粒子の二次粒径D50が、70nm以上200nm以下であり、前記粒度分布の歪度が1.30以上2.05以下である、合成石英ガラス基板用研磨液組成物(以下、「本発明の研磨液組成物」と略称する場合もある。)に関する。
[シリカ粒子]
本発明の研磨液組成物は、砥粒としてシリカ粒子を含有する。前記シリカ粒子としては、例えば、コロイダルシリカ、フュームドシリカ等が挙げられる。また、官能基でシリカを表面修飾あるいは表面改質したもの等もシリカ粒子として用いることができる。中でも、研磨速度向上及び被研磨合成石英ガラス基板(以下、「被研磨基板」と略称する場合もある。)の表面粗さ低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。これらのシリカ粒子は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。シリカ粒子は、例えば、珪酸ナトリウム等の珪酸アルカリ金属塩を原料とし、水溶液中で縮合反応させて粒子を成長させる水ガラス法、またはテトラエトキシシラン等のアルコキシシランを原料とし、アルコール等の水溶性有機溶媒を含有する水中で縮合反応させて成長させるアルコキシシラン法で得られる。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子のD50は、研磨速度向上の観点から、70nm以上であり、好ましくは75nm以上、より好ましくは80nm以上であり、そして、表面粗さ低減の観点から、200nm以下であり、好ましくは160nm以下、より好ましくは120nm以下である。本発明においてD50は、実施例に記載の方法により測定できる。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子の前記粒度分布の歪度は、研磨速度向上の観点から、1.30以上であり、好ましくは1.35以上、より好ましくは1.40以上であり、そして、同様の観点から、2.05以下であり、好ましくは2.00以下、より好ましくは1.95以下である。前記歪度は下記式により算出される値であり、粒子分布における左右対称性を表す尺度である。歪度が0である場合、粒子分布は左右対称であり、歪度が0よりも大きい場合、シリカ粒子の二次粒径D50は最頻値よりも大きく、逆に歪度が0よりも小さい場合、前記二次粒径D50は最頻値よりも小さい。
Figure 0007008564000001
但し、上記式中、nはデータの個数、xはデータ全体の平均値、sはデータ全体の標準偏差、Skは歪度である。
シリカ粒子の歪度の調整は、例えば、粒度分布が広いシリカ粒子aと、粒度分布がシリカ粒子aよりも狭く、二次粒径D50がシリカ粒子aのそれと異なるシリカ粒子bとを用意し、それらを、適切な比率で混合することにより行える。粒度分布が広いシリカ粒子aは、例えば、特公昭48-13833号公報等に記載の方法により調製できる。特公昭48-13833号公報等に記載の方法では、水酸化アンモニウムを含有する水性コロイダルシリカのヒール(元粒子)に金属珪素を添加することによって、ヒール粒子の粒子径を増大させている。シリカ粒子aと混合されるシリカ粒子bは、1種のみならず2種以上であってもよい。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において小粒径側からの累積体積が90%に達するときの粒子の二次粒径D90は、研磨速度向上の観点から、好ましくは150nm以上、より好ましくは153nm以上、更に好ましくは155nm以上であり、そして、表面粗さ低減の観点から、好ましくは171以下、より好ましくは165nm以下、更に好ましくは160nm以下である。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において小粒径側からの累積体積が10%に達するときの粒子の二次粒径D10は、研磨速度向上の観点から、好ましくは53.0nm以上、より好ましくは55.0nm以上、更に好ましくは60.0nm以上であり、そして、表面粗さ低減の観点から、好ましくは72.1以下、より好ましくは70.0nm以下、更に好ましくは65.0nm以下である。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子の(D90/D10)は、研磨速度向上の観点から、好ましくは2.14以上、より好ましくは2.20以上、更に好ましくは2.30以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは3.06以下、より好ましくは3.00以下、更に好ましくは2.90以下である。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子の(D50-D10)/(D90-D50)は、研磨速度向上及び表面粗さ低減の両立の観点から、好ましくは0.40以上、より好ましくは0.42以上、更に好ましくは0.44以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.56以下、より好ましくは0.55以下、更に好ましくは0.52以下である。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子の(D90/D50)は、研磨速度向上の観点から、好ましくは1.52以上、より好ましくは1.55以上、更に好ましくは1.58以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは1.89以下、より好ましくは1.85以下、更に好ましくは1.79以下である。
本発明の研磨液組成物の調製に用いる前記シリカ粒子の(D10/D50)は、研磨速度向上の観点から、好ましくは0.62以上、より好ましくは0.63以上、更に好ましくは0.64以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは0.71以下、より好ましくは0.70以下、更に好ましくは0.69以下である。
本発明の研磨液組成物中の前記シリカ粒子の含有量は、研磨速度向上の観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上であり、そして、同様の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは47質量%以下、更に好ましくは45質量%以下である。
[水系媒体]
本発明の研磨液組成物に含まれる水系媒体としては、例えば、水、及び水と水に可溶な溶媒との混合物等が挙げられる。水に可溶な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールが挙げられ、研磨工程での安全性の観点から、エタノールが好ましい。水系媒体としては、合成石英ガラス基板の品質向上の観点から、イオン交換水、蒸留水、超純水等の水からなるとより好ましい。本発明の研磨液組成物における水系媒体の含有量は、本発明のシリカ粒子と下記任意成分と水系媒体との合計質量を100質量%とすると、本発明のシリカ粒子及び後述する任意成分を除いた残余とすることができる。
本発明の研磨液組成物には、任意成分として、濡れ剤、pH調整剤、防腐剤等が含まれていてもよい。中でも、スクラッチ低減の観点から、濡れ剤が含まれていると好ましい。本発明の研磨液組成物中におけるこれらの任意成分の含有量としては、スクラッチ低減の観点から、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下が更に好ましい。
[濡れ剤]
本発明の研磨液組成物には、研磨速度の向上及び表面粗さ低減の観点から、濡れ剤が含まれていると好ましい。濡れ剤としては、好ましくは、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリンから選ばれる少なくとも1種であり、スクラッチ低減と保存安定性の両立の観点からより好ましくはグリセリンである。これらの濡れ剤は、スクラッチの原因となる被研磨基板の乾燥防止に効果的であると考えられる。
[防腐剤]
防腐剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、(5-クロロ-)2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、過酸化水素、または次亜塩素酸塩等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物の25℃におけるpHは、研磨速度向上の観点から、8以上が好ましく、9以上がより好ましく、そして、12以下が好ましく、10.5以下がより好ましい。研磨液組成物のpHはpH調整剤を用いて調整されてもよい。ここで、25℃におけるpHは、pHメータ(東亜電波工業株式会社、HM-30G)を用いて測定でき、電極の研磨液組成物への浸漬後1分後の数値である。
pH調整剤としては、塩基性化合物、または酸性化合物等が挙げられる。塩基性化合物としては、アンモニア、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、水溶性有機アミンおよび四級アンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。酸性化合物としては、硫酸、塩酸、硝酸またはリン酸等の無機酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸または安息香酸等の有機酸等が挙げられる。
次に、本実施形態の研磨液組成物の調製方法の一例について説明する。
本実施形態の研磨液組成物の製造方法の一例は、何ら制限されず、例えば、シリカ粒子と、水系媒体と、必要に応じて任意成分とを混合することによって調製できる。
シリカ粒子を水系媒体と混合する場合、濃縮されたスラリーの状態で混合されてもよいし、水等で希釈してから混合されてもよい。シリカ粒子の水系媒体への分散は、例えば、ホモミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル、又はビーズミル等の撹拌機等を用いて行うことができる。シリカ粒子を水系媒体に分散した後は、シリカ粒子が凝集等してできた粗大粒子が水系媒体中に含まれる場合、遠心分離やフィルターろ過等により、当該粗大粒子を除去すると好ましい。シリカ粒子は、必要に応じて分散剤の存在下で水系媒体に分散させることが好ましい。
次に、本発明の研磨液組成物を用いた、被研磨合成石英ガラス基板の研磨方法(以下、「本発明の研磨方法」と略称する場合もある。)、及びフォトマスク用合成石英ガラス基板の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と略称する場合もある。)について説明する。
合成石英ガラス基板の製造は、例えば、円柱状の合成石英ガラスインゴットを高温で加熱溶融して四角いブロック状に熱間成型し、歪除去のためのアニール処理後、スライスして薄い四角形の合成石英ガラス基板を得、その後、一般には、研削工程、端面加工工程、研磨工程が行われる。
研削工程は、例えば1段あるいは2段の研削工程(1次ラッピング、2次ラッピング)からなり、ある程度基板表面を平滑化する。研削工程では、炭化ケイ素やアルミナ等の硬質な研磨剤が広く用いられている。この後、複数枚の基板を重ねた状態でその側面を研磨して各基板の端面に鏡面加工を施す(端面加工工程)。
研磨工程は、一般に、第一研磨工程と第二研磨工程に分かれるが、表面品質の向上を目的として更に最終(仕上げ)研磨工程を行う場合が多い。第一研磨工程では砥粒として酸化セリウム粒子が、最終(仕上げ)研磨工程では砥粒としてシリカ粒子が好適に用いられる。従って、本発明の研磨液組成物は、合成石英ガラス基板の製造工程において、第二研磨工程以降に用いられることが好ましく、表面粗さを顕著に低減し、優れた表面平滑性を得る観点から、仕上げ研磨工程に用いられることがより好ましい。
研磨工程後は、合成石英ガラス基板表面に残留したシリカ粒子や研磨屑を除去するために、例えば中性洗剤により洗浄され、さらに合成石英ガラス基板に対して溶解力をもつ薬液(強アルカリ溶液、HF溶液等)に基板を浸漬し、基板の研磨面の最表層をエッチングして不純物を除去する。次いで純水、イソプロパノール等での浸漬洗浄、及びイソプロパノール等での蒸気乾燥が行われる。
その後、フォトマスク製造工程において、蒸着やスパッタにてクロム等の金属薄膜をつけ、これにレジスト等を塗布した後に露光し、エッチングして表面にパターンを形成してフォトマスクが得られる。次いで純水、イソプロパノール等での浸漬洗浄、及びイソプロパノール等での蒸気乾燥が行われる。
合成石英ガラス基板には、微細化されたパターンを精度良く露光できる平滑性が要求される。即ち、基板表面の平坦性(粗さ、うねり等)が高く、欠陥(砥粒等の凸部、スクラッチやピット等の凹部)数が少ないことが求められ、基板の製造工程の中で研磨工程がその役割を担い、第二研磨工程、又は最終(仕上げ)研磨工程が特に重要である。
すなわち、本発明の研磨方法及び本発明の製造方法では、被研磨基板と研磨装置を構成する研磨パッドとの間に、本発明の研磨液組成物を供給し、被研磨基板と研磨パッドとが接した状態で、研磨パッドを被研磨基板に対して相対運動させることにより、被研磨基板を研磨する工程を含む。
具体的には、例えば、被研磨基板をキャリアで保持し、研磨パッドを貼り付けた研磨定盤で挟み込み、本発明の研磨液組成物を研磨パッドと被研磨基板との間に供給し、所定の圧力の下で研磨定盤及び/又は被研磨基板を動かすことにより、本発明の研磨液組成物を被研磨基板に接触させながら研磨する研磨方法が挙げられる。研磨装置は、板状の被研磨基板の両主面を同時に研磨可能とする両面研磨装置であってもよいし、片面のみを研磨可能とする片面研磨装置であってもよい。
研磨工程における研磨荷重は、研磨速度の向上の観点から、好ましくは60g/cm2以上であり、より好ましくは70g/cm2以上、更に好ましくは80g/cm2以上であり、そして、表面品質向上の観点から、好ましくは200g/cm2以下、より好ましくは170g/cm2以下、更に好ましくは150g/cm2以下である。
研磨パッドの回転数は、5~200rpmが好ましく、より好ましくは10~150rpmであり、更に好ましくは20~60rpmである。
研磨工程におけるにおける研磨液組成物の好ましい供給速度は、被研磨合成石英ガラス基板と接触する研磨パッドの面積と投入した基板の総面積によって異なるため、一概には決められないが、研磨速度の向上及び経済性の観点から、被研磨基板の単位被研磨面積(1cm2)当り、0.01~0.50mL/minが好ましく、0.03~0.40mL/minがより好ましく、0.05~0.30mL/minが更に好ましい。
研磨パッドとしては、有機高分子系の発泡体、無発泡体、不織布状の研磨パッドを用いることができ、例えば、第一研磨工程ではスウェード調のウレタン製硬質パッド、第二研磨工程及び最終研磨工程ではスウェード調のウレタン製軟質パッドが好適に用いられる。
1.各種パラメータの測定方法
[シリカ粒子のD10、D50、D90の測定]
研磨液組成物中のシリカ粒子について、動的光散乱(DLS)粒径分布計(マルバーン社製、ゼータサイザーナノS)を用いて下記の条件で、体積換算平均二次粒径(D10,D50,D90)を求めた。
溶媒:水(屈折率1.333)
砥粒:コロイダルシリカ粒子(屈折率1.45、減衰係数0.02)
測定温度:25℃
[歪度]
本発明においては、動的光散乱(DLS)粒径分布計で得られたデータをもとに、各二次粒径の粒子数割合を算出し、下記式を用いて粒度分布の歪度を求めている。
Figure 0007008564000002
但し、上記式中、nはデータの個数、xはデータ全体の平均値、sはデータ全体の標準偏差、Skは歪度である。
2.研磨液組成物の調製
[シリカ粒子A~O]
下記のようにして調製されたシリカ粒子aと市販品であるシリカ粒子b1,b2,b3(詳細は下記記載)とを、表1に記載の質量割合で混合し、研磨液組成物調製用の、シリカ粒子A~Oを用意した。
[シリカ粒子aの調製]
水酸化アンモニウムを含有する水性シリカゾルのヒール(元粒子)に、微細に粉砕した金属珪素を導入し、アンモニア存在下で珪素と水とを反応させてシリカ粒子を成長させ、ヒール中のシリカ濃度と表面積および反応混合物中のシリカの生成速度を調節する。このとき、シリカが新しい核を形成するよりも既存のヒール上でシリカを重合させ、水性シリカゾル中の粒子サイズを増大させることにより(ビルドアップ)、従来よりも大きなサイズまで含んだシリカ粒子aを用意した。
[シリカ粒子a,b1,b2,b3の詳細]
(1)シリカ粒子a(D10:65.1nm、D50:99.0nm、D90:171.0nm、D90/D10=2.63)
(2)シリカ粒子b1(日揮触媒化成社製、品名SI-80P、D10:71.8nm、D50:100.0nm、D90:146.0nm、D90/D10=2.03)
(3)シリカ粒子b2(日揮触媒化成社製、品名SI-50、D10:22.4nm、D50:31.4nm、D90:47.1nm、D90/D10=2.10)
(4)シリカ粒子b3(日揮触媒化成社製、品名SI-550、D10:4.3nm、D50:6.1nm、D90:7.7nm、D90/D10=1.79)
Figure 0007008564000003
[実施例1~10、比較例1~7の研磨液組成物の調製]
シリカ粒子A~Oおよびイオン交換水を用いて、実施例1~10、比較例1~7の研磨液組成物を調製した。実施例1~9、比較例1~6の研磨液組成物中のシリカ粒子の含有量は40質量%であり、残余はイオン交換水である。実施例10、比較例7の研磨液組成物中のシリカ粒子の含有量は36質量%であり、残余はイオン交換水である。実施例1~10、比較例1~7の研磨液組成物の25℃におけるpHは表2に示した通りである。
3.研磨速度の評価
下記の研磨条件で、被研磨石英ガラス基板を研磨した。
[研磨条件]
両面研磨機;スピードファム社製「両面9B研磨機」
研磨パッド;スウェード調のウレタン製硬質パッド
研磨荷重;80g/cm2
定盤回転数;30rpm
キャリア回転数;30rpm
研磨剤流量;30mL/min
研磨時間:30min
(研磨速度の算出方法)
被研磨合成石英ガラス基板の研磨前後の重量変化を求め、合成石英ガラス密度(2.2g・cm2)、合成石英ガラス基板面積(100cm2)から研磨速度(μm/h)を算出した。表2において、実施例1~9、比較例2~6の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度は、比較例1の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度を「100」とした場合の相対値で示し、実施例10の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度は、比較例7の研磨液組成物を用いた場合の研磨速度を「100」とした場合の相対値で示した。
Figure 0007008564000004
表2に示されるように、実施例1~10の研磨液組成物を用いて研磨する場合は、比較例1~7の研磨液組成物を用いて研磨する場合よりも、研磨速度が速い。
本発明のガラス基板用研磨液組成物を用いれば、フォトマスク用合成石英ガラス基板を効率よく研磨できるので、フォトマスクの生産性の向上に寄与できる。

Claims (6)

  1. シリカ粒子と、水系媒体とを含有し、
    前記シリカ粒子のレーザー回折散乱法により求められる粒度分布において小粒径側からの累積体積が50%に達するときの粒子の二次粒径D50が、70nm以上200nm以下であり、
    前記粒度分布の歪度が1.30以上2.05以下である、合成石英ガラス基板用研磨液組成物。
  2. 前記研磨液組成物の25℃におけるpHが8以上12以下である、請求項1に記載の研磨液組成物。
  3. 前記研磨液組成物中の前記シリカ粒子の含有量が、25質量%以上50質量%以下である、請求項1又は2に記載の研磨液組成物。
  4. (D50-D10)/(D90-D50)が、0.40以上0.56以下である、請求項1から3のいずれかの項に記載の研磨液組成物。
    但し、D10は前記粒度分布において小粒径側からの累積体積が10%に達するときの粒子の二次粒径であり、D90は前記粒度分布において小粒径側からの累積体積が90%に達するときの粒子の二次粒径である。
  5. 被研磨合成石英ガラス基板と研磨パッドとの間に、請求項1から4の何れかの項に記載の研磨液組成物を供給し、前記被研磨合成石英ガラス基板と前記研磨パッドとが接した状態で、前記研磨パッドを前記被研磨合成石英ガラス基板に対して相対運動させることにより、前記被研磨合成石英ガラス基板を研磨する工程を含む、被研磨合成石英ガラス基板の研磨方法。
  6. 被研磨合成石英ガラス基板と研磨パッドとの間に、請求項1から4の何れかの項に記載の研磨液組成物を供給し、前記被研磨合成石英ガラス基板と前記研磨パッドとが接した状態で、前記研磨パッドを前記被研磨合成石英ガラス基板に対して相対運動させることにより、前記被研磨合成石英ガラス基板を研磨する工程を含む、合成石英ガラス基板の製造方法。
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