JP7003430B2 - 植物系白濁スープベース - Google Patents

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Description

本発明は、植物系白濁スープベースに関する。
一般に、ラーメンや鍋物料理に使われるスープ類は、鶏ガラや豚骨といった畜肉類の骨や、鰹節やイリコ節といった魚介類の乾物などを主原料にしており、アク抜きなどの下処理や、長時間の煮出し工程が必要であり、手間と時間を要する。
一方で、近年の健康志向の潮流や宗教上の観点から、ベジタリアン向けに動物性原料を使用しない食品を嗜好するニーズがある。動物性原料以外でスープ類を作成する場合も、各種野菜を長時間、煮出す工程が必要であり、また煮出し後には野菜の残渣の廃棄が必要である。
スープ類は、清湯(チンタン)スープといわれる澄んだスープ類(例:鶏がらスープ)と、白湯(パイタン)スープと呼ばれる脂肪が乳化して白濁しているスープ類(例:豚骨スープ)に大別される。通常、野菜類からスープを作成する場合は、脂肪が含まれず清湯スープとなるため、豚骨など畜肉原料を含まない植物系の白湯スープを製造することが難しい。
一方、市販品においてはラーメンや鍋物料理などの用途で豆乳スープが販売されており、豆乳スープは白濁している。しかし、これは豆乳に鶏がらスープや豚骨スープを混ぜたものである。
特許文献1、2などでも、豆乳を用いた豆乳スープが提供されている。これらは健康イメージを付与する目的で豆乳が用いられており、豆乳をスープ類に用いたときに、生ずる凝集や黄色味を押さえる技術が開示されている。
特開2014-264号公報 特開2008-167698号公報
特許文献1,2のような豆乳スープは、健康イメージを付与する目的で豆乳を用いているため、豆乳の風味が前面に感じられ、そのままではスープの旨味は感じられないものである。そのため、実際にラーメン等のスープ類に適用する際には、豚骨や鶏がらを煮込んだエキスを併用することが必須であろう。
本発明は、豚骨、鶏がら、鰹節などの動物性原料を用いなくとも、十分な旨味やコクを有し、白湯スープのような植物系白濁スープベースを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に対して鋭意研究を重ねた結果、特定の豆類抽出物、油脂、及び、植物系オイルや野菜エキスを含有する水中油型乳化物を調製することにより、旨味やコクを有する白湯スープのような植物系白濁スープベースが得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は下記の発明を包含する。
(1)下記A)及びB)の要件を満たす豆類抽出物、油脂、及び、植物性調味料を含有する水中油型乳化組成物であって、液体状態のときに白濁していることを特徴とする、植物系白濁スープベース。 A)該豆類抽出物の原料が、予め加熱処理された豆類であること、 B)該豆類抽出物中の脂質含量が、固形分換算で15質量%以下、
(2)要件A)において、該加熱処理された豆類のNSI(水溶性窒素指数)が、15~77である、前記(1)記載の植物系白濁スープベース、
(3)C)該豆類抽出物中の炭水化物に対する蛋白質の含量比が、100~200質量%である、前記(1)又は(2)記載の植物系白濁スープベース、
(4)C)該豆類抽出物中の炭水化物に対する蛋白質の含量比が、1~100質量%である、前記(1)又は(2)記載の植物系白濁スープベース、
(5)該豆類が全脂大豆である、前記(1)~(4)の何れか1項記載の植物系白濁スープベース、
(6)動物性原料を含まない、前記(1)~(5)の何れか1項記載の植物系白濁スープベース。
本発明により、豚骨や鶏がら等の動物性原料を使用しなくとも、充分な旨みやコクを有する植物系白濁スープベースを提供できる。
本発明の植物系白濁スープベースは、特定の豆類抽出物、油脂、及び、植物系オイル及び/又は野菜エキスを含有する水中油型乳化組成物であって、液体状態のときに白濁していることを特徴とするものであり、該豆類抽出物は、原料が予め加熱処理された豆類であること、および、該豆類抽出物の脂質含量が、固形分換算で15質量%以下であることを特徴とする。以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
(豆類抽出物の原料)
本発明の植物系白濁スープベースに含まれる特定の豆類抽出物の原料としては、大豆、エンドウ豆、インゲン、緑豆等の豆類が挙げられる。工業性の観点では、大豆またはエンドウ豆が好ましい。大豆を原料とする場合には、全脂大豆、部分脱脂大豆、脱脂大豆のいずれを用いることもできる。全脂大豆の脂質含量は特に限定されないが、抽出処理がされていない全脂大豆では固形分中15質量%を超えるのが通常であり、多くは18質量%以上である。全脂大豆から得られる大豆抽出物は不快な大豆臭がより少ないため、抹茶の風味改良効果をより発揮しやすくなる。
使用する豆類は未粉砕のままでも良いし、水性溶媒により抽出する前に予め砕かれていても良い。豆類を予め砕く場合の粒子径は任意であり、粗砕でも粉砕でも良い。
(豆類の加熱処理)
前記豆類は生のままではなく、水性溶媒により抽出する前に予め加熱処理されていることが重要である。特に豆類を砕く場合においては砕く前に予め加熱処理を行っておくのがより好ましい。豆類の加熱処理の方法は特に限定されず、例えば乾熱処理、水蒸気処理、過熱水蒸気処理、マイクロ波処理等を用いることができる。また水に浸漬した後、抽出処理前に加熱処理することもできるが、水に浸漬する前の段階で加熱処理されていることがより好ましい。
加熱の程度は抽出物に炒り豆のような焦げ臭が付与されない程度が好ましい。加熱の程度は蛋白質の変性度合を表すNSI(水溶性窒素指数)により表すことができ、加熱度合いが強いほど蛋白質が不溶化し、NSIの値が小さくなる。本発明において、加熱処理された豆類のNSIは特に下限を15以上、20以上、25以上、30以上、35以上、40以上などとすることができる。また上限を77以下、75以下、70以下、65以下、60以下、55以下、50以下などとすることができる。かかる中間的な範囲のNSIとなるように加熱することにより、より旨味やコクの付与効果に優れた豆類抽出物を得ることができる。
加熱処理の条件は加熱処理装置により異なるため特に限定されず、好ましくはNSIが上記範囲となるように適宜設定すれば良い。例えば乾熱加熱処理を行う場合、その処理条件は製造環境にも影響されるため一概に言えないが、おおよそ120~250℃の過熱水蒸気を用いて5~10分の間で豆類のNSIが上記範囲となるように処理条件を適宜選択すれば良く、処理条件の決定に特段の困難は要しない。
なお、NSIは所定の方法に基づき、全窒素量に占める水溶性窒素(粗蛋白)の比率(質量%)で表すことができ、本発明においては以下の方法に基づいて測定された値とする。
すなわち、試料2.0gに100mlの水を加え、40℃にて60分攪拌抽出し、1400×gにて10分間遠心分離し、上清1を得る。残った沈殿に再度100mlの水を加え、40℃にて60分攪拌抽出し、1400×gにて10分遠心分離し、上清2を得る。上清1および上清2を合わせ、さらに水を加えて250mlとする。No.5Aろ紙にてろ過したのち、ろ液の窒素含量をケルダール法にて測定する。同時に試料中の窒素含量をケルダール法にて測定し、ろ液として回収された窒素(水溶性窒素)の試料中の全窒素に対する割合を質量%として表したものをNSIとする。
(豆類抽出物)
本発明の植物系白濁スープベースに用いられる特定の豆類抽出物は、上記の加熱処理された豆類を水性溶媒で抽出して得られ、下記の組成を有する豆類抽出物である(以下、この抽出物を「本抽出物」と称する場合がある)。該豆類抽出物には、該水性溶媒からの抽出物からさらに特定の画分を分画、濃縮又は精製したものも含まれる。
本抽出物中の脂質含量は固形分中15質量%以下であり、12質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。なお、本発明において、脂質含量は酸分解法により測定される。本抽出物を豆類から抽出するための水性溶媒は、水や含水アルコール等を用いることができ、水や含水エタノールが食品製造上好ましい。本抽出物を豆類から抽出するときの加水量、抽出温度、抽出時間等の抽出条件は特に限定されず、例えば加水量は豆類に対して2~15質量倍、抽出温度は20~99℃、抽出時間は20分間~14時間などで設定すればよい。本抽出物は液状、固形状、粉末状の何れの形態もとり得る。
本抽出物は、例えば原料が大豆の場合、丸大豆から抽出した通常の脂質含量の高い豆乳や、未変性の脱脂大豆から抽出した脱脂豆乳とは明確に区別される。本抽出物は、加熱処理した豆類から抽出された脂質含量が上記範囲の低脂肪の抽出物が典型的には包含され、該抽出物に人為的に油脂が混合された組成物を除外するものではない。本抽出物に含まれる脂質以外の成分は水可溶性の成分であり、炭水化物、蛋白質、遊離アミノ酸、低分子ペプチド、ミネラル、有機酸、イソフラボン、サポニン等の成分の一部又は全部が含まれるものである。必ずしも本抽出物中に蛋白質が多く含まれている必要はなく、原料が予め加熱処理されている限り、本抽出物には例えば豆類の浸漬液、煮汁、ホエーなどの態様も包含され、豆類加工品の製造時に副生される抽出液なども包含される。
本抽出物中の炭水化物含量に対する蛋白質含量の質量比は、一般の豆乳や脱脂豆乳のように高くなく、具体的には1~200質量%が良好であり、より限定的には1~170質量%が好ましく、さらに限定的には1~150質量%の範囲が好ましい。
なお、本発明において、蛋白質含量はケルダール法により測定される。また炭水化物含量は、固形分から脂質、蛋白質及び灰分の含量の和を引いた計算値とする。以下、本抽出物のより具体的な例を示す。
本抽出物の一形態として、加熱処理された大豆や脱脂大豆等を水中で磨砕抽出するか、予め粉砕してから水を加えて抽出し、繊維分と脂質を遠心分離等で除去して得られた低脂肪の抽出物は、固形分中の脂質含量が上記範囲にあるものである。上記の通り、公知の方法で抽出して得たスラリー(大豆粉砕液)から不溶性画分であるオカラを除去して得られる豆乳では固形分中の脂質含量が上記範囲よりも高くなり、20質量%以上となる。かかる低脂肪の抽出物を得る具体的な方法は特開2012-16348号公報に記載の方法などを参照することができる。
該低脂肪の抽出物の場合は原料から蛋白質がある程度抽出されているため、炭水化物含量に対する蛋白質含量の質量比は比較的高く、100~200質量%程度である。ただし、この範囲は通常の豆乳や未変性の脱脂大豆から抽出した脱脂豆乳と比べると十分に低いレベルである。かかる特定の範囲において当業者は任意に選択することができ、下限は120質量%以上、130質量%以上や140質量%以上の範囲、上限は190質量%以下、180質量%以下、170質量%以下、160質量%未満、155質量%以下、150質量%以下等の範囲を選択することができる。蛋白質含量の比率をなるべく低減したい場合には、例えば限外ろ過等により高分子の蛋白質を除去してその透過液を回収したり、蛋白質をpH調整により沈殿させたりしてその上清を回収する方法等を用いることができる。
本抽出物の他の一形態としては、予め加熱処理された豆類から公知の方法で蛋白質がなるべく抽出されない条件で抽出された抽出物、あるいは、該豆類から蛋白質と共に抽出した抽出液から蛋白質が除去された抽出物である。具体的な呼称として浸漬液、煮汁やホエーなどと称されるものが該当しうるが、これらの呼称には限定されない。いずれも炭水化物に対する蛋白質の含量比は上記の形態に比べて低くすることができ、1質量%以上100質量%未満程度とすることができる。かかる範囲において当業者は任意に選択することができ、下限は5質量%以上、10質量%以上や20質量%以上の範囲、上限は90質量%以下、80質量%以下や70質量%以下の範囲を選択することができる。
加熱処理後の豆類の浸漬液や煮汁は通常、豆類を砕かずに丸豆のまま水に浸漬し、必要により熱水で煮沸して得られる。大豆の場合は味噌,豆乳,豆腐,醤油,納豆などの大豆加工製品を製造する過程で副産物として生成するものを利用することができる。
ホエーは、豆類から調製した水抽出液(豆乳)に酸を加えて蛋白質の等電点付近であるpH4~5に調整したり、豆乳にカルシウム塩やマグネシウム塩などの2価金属塩を加えたり、豆類に50~80%のアルコール溶液を用いてアルコール抽出したり、あるいは豆類にpH4~5の酸溶液を加えて酸洗浄したりすることにより、不溶化した蛋白質を分離して得られる水可溶性画分である(この場合必要により中和してもよい)。また該抽出物を限外ろ過膜等のろ過膜に通して蛋白質、好ましくは分画分子量50万以上ないし1万以上の蛋白質を除去した透過液なども該当する。
(油脂)
本発明の植物系白濁スープベースに含まれる油脂としては、例えば食用として用いられているものであれば植物性油脂、動物性油脂の何れを用いてもよく、例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油等の植物性油脂、乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油等の動物性油脂、又はこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される一又は二以上の処理を施した加工油脂が挙げられる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組合せて用いることもできる。
本発明の一つの好ましい形態として、動物性油脂を用いずに植物性油脂を用いることが好ましい。これにより、純植物性の植物系白濁スープベースを製造できる。
本発明の植物系白濁スープベース中の油脂の含量は、上記油脂以外の原料中に含まれる脂質も含めた脂質含量として、1~30質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、4~10質量%がさらに好ましい。油脂の含量を上記範囲に調整することにより、より濃厚な植物系白濁スープベースを得ることができる。
(植物性調味料)
本発明の植物系白濁スープベースに含まれる植物性調味料は、植物の香味を有するオイルやエキスをいう。植物としては特に限定されないが、例えばタマネギ、ネギ、バーメラ、バジル、ニンニク、白菜、チンゲン菜、キャベツ、トマト、セロリ、シソ、ミョウガ、カイワレダイコン、オクラ、アサツキ、ワケギ、タデ、セリ、ニラ、フキノトウ、三つ葉、豆苗、パセリ、クレソン、ミント、パクチー、ルッコラ、セルバチコ、イエルバ・ブエナ、にんじん、唐辛子、コショウ、シナモン、マスタード、ウイキョウ、クミン、ワサビ、生姜、山椒、花椒、タマリンド、椎茸、マッシュルーム、ユズ、カボス、スダチ、シークヮーサー、レモン、ライム等の野菜、種子、果実、キノコ等が挙げられる。
植物系オイルは、植物の香味成分を含むオイルであり、植物系シーズニングオイルが含まれる。植物系エキスは、植物の香味成分を含む水溶性抽出物である。
本発明の植物系白濁スープベース中の植物性調味料の含量は、調味料の種類によって適宜調整することができ、特に限定されないが、例えば0.1~20質量%とすることができる。
(他の原料)
本発明の植物系白濁スープベースは上記の特定の豆類抽出物、油脂、植物性調味料以外の他の原料を含有することができる。例えば、澱粉、デキストリン、オリゴ糖、増粘剤、甘味料、酸味料、乳化剤、豆乳、大豆粉、水等が挙げられる。本発明の植物系白濁スープベースは、動物由来の原料を全く用いずに、植物由来の原料のみを用いることができる。これによって純植物性の白濁スープベースを得ることもできる。
(水中油型乳化組成物)
本発明の植物系白濁スープベースは、上記の水性原料と油性原料が均一に混合され、乳化された水中油型乳化組成物である。
(性状)
本発明の植物系白濁スープベースは、液体状態であるときに白濁していることが特徴である。植物系白濁スープベースは液体状、固形状、粉末状、ペースト状などの何れの形態も取り得る。固体状や粉末状の場合、水に溶解させて液体状態にしたときに白濁していればよい。ここで、本発明における「白濁」とは、濁った状態を意味し、典型的には白色であるが、スープベースに加える原料によって異なるため、必ずしも白く濁った状態に限定されない。
(植物系白濁スープベース)
本発明の「植物系白濁スープベース」について説明する。
本発明において「植物系スープベース」とは、スープベースにおいて、豆類抽出物や植物性油脂などの植物性原料が原料の一部又は全部に使用されているものをいう。すなわち、植物性原料を含有するスープベースを意味し、鶏がら、豚骨等の動物性原料が原料の一部に含まれていてもよい。特に水を除く全原料の50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上又は90質量%以上が植物性原料である植物系スープベースが好ましく、さらに水を除く全原料が植物性原料である植物系スープベース(純植物性スープベース)が好ましい。
「スープベース」とは、ラーメンや鍋物料理のスープを作成する際の基本原料となるものをいう。
本発明の植物系白濁スープベースに種々の原料を加え、各種の食品又は該食品に用いられるスープ類を製造することができる。各種食品としては、コーンスープ、ポタージュスープ等のスープ飲料、ラーメン、うどん、そば、パスタ、フォー、ラクサ、マーラー麺、等の麺類、鍋物料理、リゾットやピラフ等の米飯類、グラタンやカレー等が挙げられる。
以下、実施例等により本発明の実施形態についてさらに具体的に記載する。なお、以下「%」及び「部」は特に断りのない限り「質量%」及び「質量部」を意味するものとする。
(試験例1)植物系白濁スープベースの調製
豆類抽出物として全脂豆乳、低脂肪豆乳、脱脂豆乳粉末および大豆ホエーの4点を試験サンプルとして、表1の通り用意した。
(表1)
Figure 0007003430000001
各試験区のサンプル45部に、パーム分別油5部、野菜エキス(焼津水産化学工業(株)製)4部、水46部を60℃に調温しつつ混合して100部として乳化液を調製し、UHT殺菌にて加熱殺菌を行い、ホモゲナイザーにて混合液を均質化後、冷却し、植物系スープベースを調製した。得られた各スープベースは何れも白濁しており、外観上は白湯スープ様であった。
社内の嗜好パネラー10名に依頼し、各試験区1~4で得られたスープベースを試食してもらい、風味(旨味、コク、バランス)について、下記評価基準により官能評価を実施し、採点してもらった。
(評価基準)
・旨味
5点:非常に良好(非常に強く旨味を感じる)
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良(ほとんど旨味を感じない)

・コク
5点:非常に良好(非常に強くコクを感じる)
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良(ほとんどコクを感じない)

・バランス
5点:非常に良好(非常に風味バランスに優れる)
4点:良好
3点:普通
2点:やや不良
1点:不良(風味バランスが悪い)
各パネラーの評点の平均値を求めた。そして平均値より、
A:4.5点以上
B:3.5点以上4.5点未満
C:2.5点以上3.5点未満
D:1.5点以上2.5点未満
E:1.5点未満
の5段階で評価付けを行い、何れの評価項目もC評価以上のものを合格品質とした。結果を表2に示した。
(表2)
Figure 0007003430000002
以上の通り、予め加熱処理した大豆から得られる低脂肪豆乳や大豆ホエーを用いると、豚骨や鶏がらを用いずに十分な旨味やコクが増強されており、バランスにも優れたスープベースが得られた。一方、予め加熱処理がされていない全脂豆乳や脱脂豆乳を用いた場合、旨味に欠け、風味バランスが悪いものであった。
(実施例1) ラーメン(麺類)用スープ
試験区1の白濁スープベース3部、塩ダレ1部、水6部を混合し、ラーメン用スープを調製した。得られたラーメン用スープは白濁しており、十分な旨味とコクを有しており、ラーメンを入れて食すると白湯スープに比べて外観、風味ともに遜色のない品質であった。
(実施例2)鍋用だし汁
試験区1の白濁スープベース4部、白味噌3部、水2部を混合し、鍋用のだし汁を調製した。得られただし汁に野菜を加え、野菜鍋を調製した。野菜の風味が引き立った旨味の豊かな品質であった。
本発明の植物系白濁スープベースを用いることにより、植物性原料を多く用いたラーメンや鍋物料理等の各種スープ類を簡便に調製することができ、純植物性のスープ類を調製することもできる。

Claims (6)

  1. 下記A)及びB)の要件を満たす豆類抽出物、食用油脂、及び、植物の香味を有するオイル又はエキスである植物性調味料を含有し、脂質含量が1~30質量%である水中油型乳化組成物であって、液体状態のときに白濁していることを特徴とする、植物系白濁スープベース。
    A)該豆類抽出物の原料が、予め加熱処理された豆類であること、
    B)該豆類抽出物中の脂質含量が、固形分換算で15質量%以下。
  2. 要件A)において、該加熱処理された豆類のNSI(水溶性窒素指数)が、15~77である、請求項1記載の植物系白濁スープベース。
  3. C)該豆類抽出物中の炭水化物に対する蛋白質の含量比が、100~200質量%である、請求項1又は2記載の植物系白濁スープベース。
  4. C)該豆類抽出物中の炭水化物に対する蛋白質の含量比が、1~100質量%である、請求項1又は2記載の植物系白濁スープベース。
  5. 該豆類が全脂大豆である、請求項1~4の何れか1項記載の植物系白濁スープベース。
  6. 動物性原料を含まない、請求項1~5の何れか1項記載の植物系白濁スープベース。
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