JP7003099B2 - カバーテープおよび電子部品包装体 - Google Patents
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Description
具体的には、キャリアテープに形成された電子部品収納用の凹部に、電子部品(半導体チップ等)を入れ、その後、そのキャリアテープの上面に、カバーテープをヒートシールして電子部品を封入する。そして、それをリール状に巻き取って運搬/保管する。
一観点として、カバーテープには、タック性が小さく(ベタつきが少なく)、電子部品が貼り付きにくいことが求められる。
別の観点として、カバーテープには、良好なヒートシール性が求められる。つまり、カバーテープは、熱により適切に溶融してキャリアテープと十分強く接着することが好ましい。
ポリエチレンテレフタレートを含む基材層と、スチレン系樹脂を含むシーラント層と、前記基材層とシーラント層との間に設けられた中間層と、を備えるカバーテープであって、
前記シーラント層側の露出面における、ジヨードメタン接触角をθd、ヘキサデカン接触角をθhとしたとき、θh/θdの値が0.25~0.55であるカバーテープ
が提供される。
電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、前記カバーテープとを備え、
前記電子部品を密封するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体
が提供される。
図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応しない。
本明細書における「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルとメタクリルの両方を包含する概念を表す。「(メタ)アクリレート」等の類似の表記についても同様である。
本実施形態のカバーテープは、ポリエチレンテレフタレートを含む基材層と、スチレン系樹脂を含むシーラント層と、前記基材層とシーラント層との間に設けられた中間層とを備える。
本実施形態のカバーテープにおいて、シーラント層側の露出面における、ジヨードメタン接触角をθdとし、ヘキサデカン接触角をθhとしたとき、θh/θdの値は0.25~0.55である。
詳細は不明だが、シーラント層側の露出面の状態が、中程度の極性を有するジヨードメタンの接触角は比較的大きく(濡れにくく)、低極性であるヘキサデカンの接触角は比較的小さい(濡れやすい)状態となることで、金属酸化物等の高極性の材料で構成される電子部品との相互作用は小さくなり、ポリスチレン等の低極性の材料で形成されるキャリアテープとの相互作用は大きくなると考えられる。そして、電子部品の貼り付きにくさと、キャリアテープとのヒートシール性とが両立されると考えられる。
基材層は、ポリエチレンテレフタレート(PETとも略記)を含む限り、特に限定されない。換言すると、基材層は、PET含有樹脂フィルムにより構成される。
PETは、低コストで機械的強度が優れている点で好ましい。また、基材層がPETを含むことで、後述の、基材層側の露出面のジヨードメタン接触角θd´や、基材層側の露出面のヘキサデカン接触角θh´などを適当な値に制御しやすい。
PET含有樹脂フィルムの製法は特に限定されない。製法としては、押出法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の製膜法を挙げることができる。
PET含有樹脂フィルムは、延伸されていても未延伸でもよい。強度の観点からは、一軸方向または二軸方向に延伸されていることが好ましく、二軸方向に延伸されていることがより好ましい。
添加成分の例としては、種々のプラスチック配合剤や添加剤、改質用樹脂等を挙げることができる。また、添加成分の別の例として、可塑剤、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸着剤、光安定剤、充填剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、着色剤(染料、顔料等)も挙げることができる。
基材層が添加成分を含む場合、その量は、通常、基材層全体に対して0.001~10質量%程度である。
シーラント層は、スチレン系樹脂を含む限り、特に限定されない。
スチレン系樹脂は、好ましくは、スチレン系エラストマーを含む。詳細は不明だが、スチレン系エラストマーの適度な極性や弾性により、カバーテープとキャリアテープとの密着性が高まり、ヒートシール強度がより大きくなると考えられる。
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体としては、スチレンを代表とするビニル芳香族炭化水素を主体とするブロックと、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンを主体とするブロックと、を含むブロック共重合体等が挙げられる(ビニル芳香族炭化水素を「主体」とするブロックとは、ビニル芳香族炭化水素を50質量%以上有するブロックを意味し、共役ジエンを「主体」とするブロックとは、共役ジエンを、50質量%を超えて有するブロックを意味する)。
その誘導体としては、上記ブロック共重合体の二重結合の少なくとも一部を水素添加処理したものや、マレイン酸やアミン、イミンで変性したもの等が挙げられる。
スチレン系エラストマー中のスチレンの含有量(スチレン含有量)は、10質量%以上が好ましく、20質量%以下がより好ましく、25質量%以上がさらに好ましい。
上記「他の構造単位」は、好ましくは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルおよびカルボン酸ビニルからなる群より選ばれるいずれかのモノマーに由来する構造単位である。これら構造単位は適度な極性を有するため、シール強度の調整に関係すると考えられる。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等を挙げることができる。
カルボン酸ビニルの具体例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどを挙げることができる。
オレフィン系樹脂中の「他の構造単位」の比率は、オレフィン系樹脂が市販品である場合には、例えば製造元または販売元から提供されるカタログに記載の値を採用することができる。カタログからは比率が分からない場合は、13C-NMRなどのスペクトル測定で得られるチャートの面積(積分値)から比率を求めてもよい。
・4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1アミノ基、第2アミノ基、第3アミノ基等のカチオン性官能基を有するカチオン型帯電防止剤。好ましくは、第4級アンモニウム塩を側鎖に持つカチオン性高分子型帯電防止剤。市販品としては、三菱ケミカル社製のサフトマーST1000、サフトマーST2000H、高松油脂社製のASA-29CP、ASA-31CP、コニシ社製のボンディップPA、ボンディップPM(四級アンモニウムアクリレートエチル硫酸塩)、DIC社製のSF帯電防止コート剤M-2、等。
・ポリエーテル構造を含むポリマー(例えば、ポリエーテルエステルアミドなどのポリアミド系コポリマー、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、ポリエチレンエーテル及びグリコールからなるポリマーなど)、カリウムアイオノマーなどのカルボン酸塩基含有ポリマー、第4級アンモニウム塩基含有コポリマー当。
・酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属フィラー。
・ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)等のチオフェン系導電性ポリマー。
石油樹脂系の粘着付与剤としては、脂肪族系の石油樹脂、芳香族系の石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系の石油樹脂等が挙げられる。市販品としては、荒川化学工業社の水素化石油樹脂、商品名「アルコン」シリーズなどがある。
シーラント層の厚みが1μm以上であることで、十二分なシール性を担保することができる。
シーラント層の厚みが40μm以下であることで、カバーテープの剛性が高くなりすぎない。これにより、シール後のキャリアテープに対して捻り応力がかかった場合でも、カバーテープがキャリアテープの変形に追従しやすい。よって、カバーテープがキャリアテープから意図せず剥離してしまうことを抑制することができる。また、シーラント層の厚みが40μm以下であることで、ヒートシール時に溶融した樹脂の「染み出し」が抑えられるという利点もある。
中間層は、基材層とシーラント層との間に設けられる。
中間層は、必ずしも基材層とシーラント層に接触していなくてもよい。つまり、基材層と中間層の間には追加の層があってもよいし、シーラント層と中間層の間には追加の層があってもよい。もちろん、中間層は、基材層とシーラント層に接触していてもよい。
中間層が存在することで、カバーテープのクッション性、耐衝撃性などを高めうる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、ポリエチレンが好ましい。特にクッション性の点からは、低密度ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)がより好ましい。また、クッション性と強度の両立の点から、高密度ポリエチレン(HDPE)も好ましい。
中間層は、各種の添加剤を含んでもよい。添加剤の例としてはシーラント層や基材層で挙げたもの等が挙げられる。
本実施形態のカバーテープは、基材層、シーラント層および中間層以外の任意の層を備えていてもよい。
一例として、基材層とシーラント層の間、かつ/または、シーラント層と中間層の間に、接着層が存在してもよい。接着層を形成する材料としては、例えば、公知の溶剤系または水系の各種アンカーコート剤を使用することができる。アンカーコート剤についてより具体的には、イソシアネート系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリオレフィン系、アルキルチタネート系などのものを挙げることができる。
本発明者の知見によれば、適当なアンチブロッキング剤を用いることで、アンチブロッキングの効果を得つつ、θh/θdの値を0.25~0.55に調整しやすい。
カバーテープがキャリアテープから剥離されるときの機構には、界面剥離機構、転写剥離機構、凝集破壊機構、の3つがある。界面剥離機構とは、カバーテープとキャリアテープのシール面が剥離されるものである。転写剥離機構とは、キャリアテープからカバーテープを剥がす際に、シーラント層自身がさほど破壊されることなく、キャリアテープに接触していた層がキャリアテープに「転写」される(キャリアテープ側に残る)ものである。凝集破壊機構とは、シーラント層とは異なる別の層或いはシーラント自身が破れる事により剥離されるタイプのものである。「転写層」とは、それをシーラント層の上に設けることで、キャリアテープからカバーテープを剥離する際に、転写剥離機構により剥離するようになる層のことをいう。転写層は、例えば(メタ)アクリル系樹脂、具体的には三菱ケミカル社製の塗料・インキ用アクリルレジン「ダイヤナール」(登録商標)シリーズなどを用いて設けることができる。
薄層が設けられる場合、その厚みは、基材層やシーラント層の役割を過度に阻害しない観点から、0.01~3μm程度が好ましい。
もちろん、薄層は無くてもよい。その場合、基材層の、中間層とは反対側の面、および、シーラント層の、中間層とは反対側の面は、露出面となる。そして、それら露出面における各種接触角が測定される。
本実施形態においては、θh/θdの値が0.25~0.55であれば、電子部品の貼り付きにくさやキャリアテープとの良好なヒートシール性の効果を得ることができるが、θdやθhそのものの値や、たはθh/θdの値を適切に調整することで、剥離強度と耐ブロッキング性(カバーテープ同士の貼り付き防止)のバランスをとることができる。
現実的な設計の観点も考慮すると、θdは、好ましくは28~65°、より好ましくは28~64°さらに好ましくは30~63°である。また、θhは、好ましくは5~35°、より好ましくは7~33°である。さらに、θh/θdの値は、好ましくは0.25~0.53である。
本実施形態においては、シーラント層側の露出面のθh/θdの値などを適切に設計することに加え、基材層側の露出面の各種接触角を適切に設計することが好ましい。これにより、例えば、カバーテープが巻かれた状態において、シーラント層側-基材層側の耐ブロッキング性を担保できる等のメリットがありうる。
θh´の値は、好ましくは3~30°、より好ましくは5~28°である。
θd´の値は、好ましくは35~62°、より好ましくは35~61°、さらに好ましくは37~59°、特に好ましくは37~60°である。
本実施形態のカバーテープの幅や長さは、主として、カバーテープの接着相手であるキャリアテープの幅および長さに応じて適宜設定することができる。
典型的には、カバーテープの幅は1~100mm程度、長さは100~30000m程度である。
カバーテープの製造方法は限定されないが、好ましくは以下のような手順で製造される。
この際、表面粗さ(最大高さRz)が1~2μm程度の突起を備える冷却ロールに、固化前のシーラント層を押し当てることが好ましい。この際の圧力は、好ましくは0.05~0.4MPa、より好ましくは0.1~0.3MPaである。圧力は、好ましくは、基材層側からシリコーンゴム製タッチロールを押し当てることにより調整することができる。このようにすることで、表面性状が調整され、θh/θdの値が0.25~0.55であるカバーテープを得やすい。
ちなみに、以下(4)のように、シーラント層の露出面にさらに帯電防止層または帯電防止層兼転写層を設ける場合であっても、これらが十分薄ければ、シーラント層の表面性状は帯電防止層または帯電防止層兼転写層に反映される。その結果、θh/θdの値が0.25~0.55であるカバーテープを得やすい。
上述のカバーテープと、電子部品が凹部に収容されたキャリアテープとから、電子部品包装体を得ることができる。これについて図1を参照しつつ説明する。
具体的には、カバーテープ10は、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面に接着(通常、ヒートシール)される。なお、以降、カバーテープ10と、キャリアテープ20とを接着して得られた構造体のことを、電子部品包装体100と称する。
まず、キャリアテープ20のポケット21内に電子部品を収容する。
次いで、キャリアテープ20のポケット21の開口部全面を覆うように、キャリアテープ20の表面にカバーテープ10をヒートシール法により接着する。この際、カバーテープ10におけるシーラント層側の面がキャリアテープ20と接するようにする。こうすることで、電子部品が密封収容された構造体(電子部品包装体100)が得られる。
ヒートシールの具体的なやり方や条件は、カバーテープ10がキャリアテープ20に十分強く接着する限り特に限定されない。典型的には、公知のテーピングマシンを用い、温度100~240℃、荷重0.1~10kgf、時間0.0001~1秒の範囲内で行うことができる。
<素材の準備>
以下素材を準備した。
・E5102:ポリエチレンテレフタレート(PET)を主原料とした二軸延伸フィルム、東洋紡株式会社製、東洋紡エステル(登録商標)フィルム、品名「E5102」(厚みは後掲の表に記載のとおり)
・H1041:スチレン系エラストマー、旭化成社製、商品名「タフテックH1041」、スチレン/ブタジエン・ブチレン比=30/70(質量比)
・H1043:スチレン系エラストマー、旭化成社製、商品名「タフテックH1043」、スチレン/ブタジエン・ブチレン比=67/33(質量比)
・KF260T:ポリオレフィン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名「カーネルKF260T」
・AC1820:ポリオレフィン系樹脂、エチレン-アクリル酸メチル共重合体、三井・ダウポリケミカル社製、商品名「エルバロイAC1820」、アクリル酸メチルに由来する構造単位の比率=20質量%
・サフトマーST-1000:カチオン性高分子型帯電防止剤、三菱ケミカル社製、商品名「サフトマーST-1000」
2000H:カチオン性高分子型帯電防止剤(三菱ケミカル社製、商品名「サフトマーST-2000H」
・AERODISP W630:アンチブロッキング剤、メジアン径が0.14μmのアルミナ粒子の分散液(アルミナ量29-31%)、日本アエロジル社製
・SNS-10T:導電フィラー、アンチモンドープ酸化錫溶液、石原産業社製、商品名「SNS-10T」
・ASA-2030:ポリエステル系帯電防止剤、高松油脂社製、商品名「ASA-2030」
・BR-113:アクリル樹脂、三菱ケミカル社製、商品名「ダイヤナールBR-113」
各実施例および比較例のカバーテープは、大略、以下のような手順で製造した。各層を構成する原材料としては、表1に記載のものを用いた。
(1)基材層を構成するポリエステルフィルムの片面に、押出ラミネート法(押出温度300℃程度)により、中間層を設けた。
(2)設けられた中間層の上(露出面)に、押出ラミネート法(押出温度280℃程度)により、シーラント層を設けた。
(3)基材層における中間層を設けた側と反対側の面に、グラビアコート法により、帯電防止層を設けた。
(4)(2)で設けたシーラント層の表面(露出面)をコロナ処理し、その後、そのコロナ処理面に、塗布法により、帯電防止層または帯電防止層兼転写層を設けた。
なお、実施例2においては(3)および(4)を行わなかった。よって、実施例2のカバーテープは、帯電防止層も帯電防止層兼転写層も備えない。
基材層である膜厚16μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製:商品名E5102)の片面に、押出ラミネート法により、直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名「カーネルKF260T」)を、押出温度300℃で厚み20μmに製膜した。これにより中間層を設けた。
また、基材層における中間層を設けた側と反対側の面に、帯電防止剤2「サフトマーST-2000H」(三菱ケミカル製)を、グラビアコーターを用いて、乾燥後の厚みが0.1μmになるように塗布した。これにより帯電防止層を設けた。
さらに、上記で形成したシーラント層表面をコロナ処理した。そして、そのコロナ処理面に、アクリル樹脂「ダイヤナールBR-113」(三菱ケミカル社製)と導電フィラー溶液「SNS-10T」(石原産業社製)を樹脂と導電フィラーの質量比率が1:4になるように混合した塗布液を、グラビアコーターを用いて、乾燥後の厚みが0.5μmになるように塗布した。これにより帯電防止層兼転写層を設けた。
以上により、帯電防止層、基材層、中間層、シーラント層および帯電防止層兼転写層の5層を、この順に備えるカバーテープを得た。
素材として表1に記載のものを用いたこと、また、シーラント層の表面粗さの調整について、冷却ロールの最大高さRzおよびタッチロール圧力を以下のように変更したこと以外は、実施例4と同様にしてカバーテープを製造した。
・実施例1および比較例1:1.5μm、0.1MPa
・実施例2:2.5μm、0.2MPa
・実施例3および4:1.5μm、0.3MPa
カバーテープの両面(シーラント層側の露出面と、基材層側の露出面)に、ジヨードメタンもしくはヘキサデカン1μLを滴下した。そして、滴下1秒後の接触角を接触角計(協和界面科学社製:DM-SA)にて測定した。
まず、シーラント層側の露出面が上向きになるように、カバーテープをスライドガラスの上に貼り付けた。そして、その露出面の上に、金属片(縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mm)20個を載せた試験用サンプルを作製した。金属片は、ニッケルを精密切断機で切断し、縦:0.4mm×横:0.8mm×厚み:0.4mmに加工し、そして表面酸化膜を設けたものである。
試験用サンプルを、60℃、95%RHの条件下で24時間静置し、さらに常温常湿下で24時間静置した。その後、スライドガラスを反転させた状態で、25Hzで20秒間の振動を試験片に加えた。そして、露出面に付着している金属片の数から付着割合(%)を算出した。この値が小さいほど電子部品は貼り付きにくく、カバーテープとして好ましい性能を有するといえる。
カバーテープを5.3mm幅にスリットし、ポリスチレン製キャリアテープの表面に、テーピングマシン(東京ウェルズ社製:TWA-6621)を用いて、170℃、5kgf、0.05秒の条件で熱シールした。そして、熱シール直後の剥離強度を測定した。
剥離強度の測定は、剥離試験機を用いて、剥離速度300mm/min、剥離角度約180°の条件で行った。通常、剥離強度が40gf以上60gf以下であればヒートシール性は良好であると判断できる。
カバーテープを紙管に巻き、40℃環境下で24時間放置した。その後、カバーテープの表と裏の密着の強さを確認した。具体的には、カバーテープの自重で巻き出せるものを〇(良い)とし、密着して自重で巻き出せないものを×(悪い)と評価した。
一方、θh/θdの値が0.55超(0.57)である比較例1のカバーテープの評価では、電子部品の貼り付きが見られた。
20 キャリアテープ
21 ポケット
100 電子部品包装体
Claims (7)
- ポリエチレンテレフタレートを含む基材層と、スチレン系樹脂を含むシーラント層と、前記基材層とシーラント層との間に設けられた中間層と、を備えるカバーテープであって、
前記シーラント層側の露出面における、ジヨードメタン接触角をθd、ヘキサデカン接触角をθhとしたとき、θh/θdの値が0.25~0.55であるカバーテープ。 - 請求項1に記載のカバーテープであって、
前記基材層は前記カバーテープの最表面に存在し、
前記基材層側の露出面のジヨードメタン接触角をθd´とし、前記基材層側の露出面のヘキサデカン接触角をθh´としたとき、θh´/θd´の値が0.10~0.50であるカバーテープ。 - 請求項1または2に記載のカバーテープであって、
前記θdが28~65°であるカバーテープ。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
前記θhが5~35°であるカバーテープ。 - 請求項1~4のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
前記シーラント層は、前記スチレン系樹脂としてスチレン系エラストマーを含むカバーテープ。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載のカバーテープであって、
前記中間層は、オレフィン系樹脂を含むカバーテープ。 - 電子部品が凹部に収容されたキャリアテープと、請求項1~6のいずれか1項に記載のカバーテープとを備え、
前記電子部品を密封するように前記シーラント層が前記キャリアテープに接着された電子部品包装体。
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