JP6997532B2 - ビール様発泡性飲料の製造方法、及びビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法 - Google Patents
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Description
[1] 発酵原料と原料水とを含む混合物を加温し、澱粉質を糖化して糖液を調製した後、得られた糖液を煮沸し、その後固体分の少なくとも一部を除去して発酵原料液を調製する仕込工程と、
発酵原料液にビール酵母を接種して発酵させる発酵工程を有し、
前記仕込工程後のいずれかの時点で、ゲラニオール、及びβ-シトロネロールからなる群より選択される一種以上を前記発酵原料液に添加し、コリアンダーは前記発酵原料液に添加せず、
ゲラニオールとβ-シトロネロールを含有し、β-シトロネロールの濃度Xとゲラニオールの濃度Yが下記式(1)を満たし、かつ前記β-シトロネロールの濃度Xが5~40ppbであり、前記ゲラニオールの濃度Yが6~100ppbであるビール様発泡性飲料を製造することを特徴とする、ビール様発泡性飲料の製造方法。
[3] 前記β-シトロネロールの濃度Xが20~40ppbであるビール様発泡性飲料を製造する、前記[1]又は[2]のビール様発泡性飲料の製造方法。
[4] 前記ゲラニオールの濃度Yが18~100ppbであるビール様発泡性飲料を製造する、前記[1]~[3]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[5] 苦味価が60以下であるビール様発泡性飲料を製造する、前記[1]~[4]のいずれかのビール様発泡性飲料の製造方法。
[6] 原料として、ゲラニオール及びβ-シトロネロールからなる群より選択される一種以上を用い、
β-シトロネロールの濃度Xとゲラニオールの濃度Yが前記式(1)を満たし、かつ前記β-シトロネロールの濃度Xが5~40ppbであり、前記ゲラニオールの濃度Yが6~100ppbであるように調整することを特徴とする、コリアンダーを原料としないビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法。
[7] 前記β-シトロネロールの濃度Xを20~40ppbに調整する、前記[6]のコリアンダーを原料としないビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法。
[8] 前記ゲラニオールの濃度Yを18~100ppbに調整する、前記[6]又は[7]のコリアンダーを原料としないビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法。
以降の実験において、β-シトロネロール及びゲラニオールの濃度は、攪拌枝吸着抽出法(SBSE法:Stir Bar Sorptive Extraction)を用いて測定した。詳細には、測定対象であるサンプルに、内部標準としてβダマスコンを0.1ppbになるように添加した後に5倍希釈し、希釈サンプル20mLを30mL容バイアルに採取した。47μLのPDMS(ポリジメチルシロキサン)でコーティングした攪拌枝(長さ=20mm;Twister(商品名);Gerstel社製,Germany)を当該バイアルに入れ、蓋を締め、40℃で2時間攪拌し、攪拌枝に各香気成分を吸着させた。次いで、攪拌枝をバイアルから取り出し、水滴を完全に除去後、加熱脱着ユニット(Thermal desorption unit(TDU);Gerstel社製)とプログラマブル温度-蒸発インレット(Programmable temperature-vaporization inlet;CIS4;Gerstel社製)を装備したGC-MSに挿入した。GC-MS条件は、以下の通りである。
検出器:MSD5973N四重極マススペクトル(Agilent Technologies社製)
カラム:DB-WAX capillary column(長さ:60m、内径:0.25mm、膜厚:0.25μm、Agilent Technologies社製)
注入口:250℃ パルス化スプリットレスインジェクションモード(pulsed splitless injection mode)
注入量:1μL
キャリアガス:ヘリウム(1mL/分)
カラム温度設定:40℃(5分間保持)-(3℃/分)-240℃(20分間)
質量-電荷比(mass-to-charge ratio):30~350(m/z)イオン化条件:70eV、シングルイオン-モニタリングモード(single ion-monitoring(SIM) mode)
定量方法:各香気成分のピークエリア面積と内部標準品のピークエリア面積との比較によって行った。
以降の実験において、ビール様発泡性飲料の苦味価は、EBC法に準じて測定した。
以降の実験において、ビール様発泡性飲料のキレとビールらしさの官能評価は、次のようにして実施した。
具体的には、5名の専門パネルにより、ビール様発泡性飲料のキレ及びビールらしさを、下記の対照サンプルを3点とし、1点が対照サンプルに比べて非常に弱く感じる、2点が対照サンプルに比べて弱く感じる、3点が対照サンプルと同等に感じる、4点が対照サンプルに比べて強く感じる、5点が対照サンプルに比べて非常に強く感じる、とする5段階で、ブラインドで評価した。各サンプルの評価点は、5名のパネルの評価点の平均値とした。なお、「キレが良い:味に落差があり、飲んだ後に味感が残らないこと」、「キレが悪い:飲んだ後に、いつまでも味感が残ること」と定義した。また、評点が3.5以上の場合に、キレ又はビールらしさの改善効果があったと評価した。
煮沸処理時に添加するホップに加えて、煮沸処理後仕込工程終了前、発酵開始時、又は発酵終了後にホップを添加してビールを製造し、得られた各ビールのゲラニオール濃度とβ-シトロネロール濃度の測定と、キレとビールらしさの官能評価を行った。
淡色麦芽と水を混合し、得られた混合物を65℃、70分間保持することにより、麦芽由来成分を糖化させた。得られた麦汁を濾過し、得られた濾過液にホップペレットを液量に対して235g/hLとなるように添加して90分間煮沸した。煮沸処理後、濃度調整湯を添加し、ホップ粕などをワールプール(98℃)で分離して麦汁(発酵原料液)を得た。このワールプール中に、ホップペレットを液量に対して235g/hLとなるように添加した。得られた麦汁を6℃に冷却した後、下面発酵酵母を添加し、10日間、12℃で発酵させた。発酵終了後の発酵液をさらに10℃で7日間熟成させた後、0℃に冷却し、珪藻土濾過を実施することによって、ビール(サンプル1)を得た。
ワールプール中にホップペレットを添加したことに代えて、6℃に冷却した麦汁に、酵母と共に、ホップペレットを液量に対して235g/hLとなるように添加した以外は、対照サンプルと同様にしてビール(サンプル2)を得た。
ワールプール中にホップペレットを添加したことに代えて、発酵終了後熟成前の発酵液に、ホップペレットを液量に対して235g/hLとなるように添加した以外は、対照サンプルと同様にしてビール(サンプル3)を得た。
β-シトロネロール及びゲラニオールがキレの原因物質かどうかを確認するために、実施例1で使用した市販ビール(市販品A)にβ-シトロネロール又はゲラニオールを添加し、キレとビールらしさに対する影響を調べた。
Claims (8)
- 発酵原料と原料水とを含む混合物を加温し、澱粉質を糖化して糖液を調製した後、得られた糖液を煮沸し、その後固体分の少なくとも一部を除去して発酵原料液を調製する仕込工程と、
発酵原料液にビール酵母を接種して発酵させる発酵工程を有し、
前記仕込工程後のいずれかの時点で、ゲラニオール、及びβ-シトロネロールからなる群より選択される一種以上を前記発酵原料液に添加し、コリアンダーは前記発酵原料液に添加せず、
ゲラニオールとβ-シトロネロールを含有し、β-シトロネロールの濃度Xとゲラニオールの濃度Yが下記式(1)
式(1): Y ≧ 1.2X(X≧5ppb、Y≧6ppb)
を満たし、かつ前記β-シトロネロールの濃度Xが5~40ppbであり、前記ゲラニオールの濃度Yが6~100ppbであるビール様発泡性飲料を製造することを特徴とする、ビール様発泡性飲料の製造方法。 - 前記発酵工程後の発酵液に、ホップ、ゲラニオール、及びβ-シトロネロールからなる群より選択される一種以上を添加する、請求項1に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
- 前記β-シトロネロールの濃度Xが20~40ppbであるビール様発泡性飲料を製造する、請求項1又は2に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
- 前記ゲラニオールの濃度Yが18~100ppbであるビール様発泡性飲料を製造する、請求項1~3のいずれか一項に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
- 苦味価が60以下であるビール様発泡性飲料を製造する、請求項1~4のいずれか一項に記載のビール様発泡性飲料の製造方法。
- 原料として、ゲラニオール及びβ-シトロネロールからなる群より選択される一種以上を用い、
β-シトロネロールの濃度Xとゲラニオールの濃度Yが下記式(1)
式(1): Y ≧ 1.2X(X≧5ppb、Y≧6ppb)
を満たし、かつ前記β-シトロネロールの濃度Xが5~40ppbであり、前記ゲラニオールの濃度Yが6~100ppbであるように調整することを特徴とする、コリアンダーを原料としないビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法。 - 前記β-シトロネロールの濃度Xを20~40ppbに調整する、請求項6に記載のコリアンダーを原料としないビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法。
- 前記ゲラニオールの濃度Yを18~100ppbに調整する、請求項6又は7に記載のコリアンダーを原料としないビール様発泡性飲料のキレを向上させる方法。
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Brew. Sci.,2016年,vol.69, no.1-2,pp.1-7 |
J. Am. Soc. Brew. Chem.,2014年,vol.72, no.1,pp.22-29 |
日本醸造協会誌,2014年,vol.109, no.12,pp.874-881 |
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