JP6996960B2 - ニッケル水素二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル水素二次電池に関する。
一般的に、二次電池を電源として用いる電子機器等においては、二次電池が電子機器等を正常に駆動できる状態にあるかどうかを判断するため、あるいは、二次電池の放電と充電の切替えの適切な時期を判断するために、当該二次電池の残存容量を検知する必要がある。
電池の残存容量は、例えば、電池容量に対して充電されている電気量の割合を百分率で表した充電量(State of Charge:以下、SOCという)で示すことができる。ここで、SOC、ひいては電池の残存容量を検知する方法としては、電池の放電特性カーブを利用する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
ここで、放電特性カーブは、電池をある電流値で放電した際の、電池の電圧と放電時間との関係、又は、電池の電圧と放電容量との関係から求められる。この放電特性カーブにより、電池の電圧とSOCとの関係が把握できる。つまり、放電特性カーブを実験により予め求めておけば、ある電流値のときの電圧を検出し、当該電流値のときの放電特性カーブを利用することにより、SOC、ひいては電池の残存容量を検知することができる。
具体的には、放電特性カーブから、例えば、SOCが25%に対応する電圧(以下、基準値V1という)及びSOCが75%に対応する電圧(以下、基準値V2という)を予め求めておく。そして、電池の電圧の実測値と、これら基準値V1及びV2とを比較する。電池の電圧の実測値が基準値V1程度であれば、容量はまだ十分残っていると判断でき、電池の電圧の実測値が基準値V2程度であれば、容量は残り少ないと判断することができる。ここで、例えば、SOC=25%が、電池の残存容量の許容下限に相当するとした場合、電池の放電末期における残存容量が許容下限、つまりSOC=25%に達したか否かを電池の電圧を測定することにより検知することが可能である。これにより、これ以上の放電は、過放電となるので放電を停止し、充電に切り替える制御を行うことができる。
特開平11-111348号公報
ところで、二次電池の一種として、アルカリ二次電池が知られている。このアルカリ二次電池のうち、ニッケル水素二次電池は、アルカリ二次電池の中でも高容量であることから、各種の電子機器、ハイブリッド電気自動車等、さまざまな用途に使用されるようになっている。
このニッケル水素二次電池においても、残存容量又はSOCを精度良く判定することが望まれている。
基本的に上記した方法の場合、基準値V1と基準値V2との差が大きいほど電池の残存容量の検知が容易となる。
しかしながら、従来のニッケル水素二次電池は、機器に使用されている際、その電圧は残存容量が無くなる直前まで安定している。つまり、放電特性カーブが、放電の初期から末期にかけてほぼ一定の電圧を示す。このため、基準値V1と基準値V2との差が比較的小さい。したがって、ニッケル水素二次電池は、実測した電池の電圧に基づいて電池の残存容量を検知することが、他の二次電池に比べて困難であるという問題がある。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、残存容量の検知を精度良く行うことができるニッケル水素二次電池を提供することにある。
本発明によれば、容器と、前記容器内にアルカリ電解液とともに収容された電極群とを備え、前記電極群は、セパレータを介して重ね合わされた正極及び負極を有しており、前記正極は、組成の異なる正極活物質を2種類以上含んでおり、前記正極活物質のそれぞれは、水酸化ニッケルを主成分としており、マグネシウムの固溶量が互いに異なっている、ニッケル水素二次電池が提供される。
前記正極活物質は、第1正極活物質と、第2正極活物質とを含んでおり、前記第1正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をAとし、前記第2正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をBとした場合に、A>B≧0の関係を満たしている構成とすることが好ましい。
前記Aが2.0質量%以上、5.0質量%以下である構成とすることが好ましい。
より好ましくは、前記Aが2.48質量%以上、4.05質量%以下である構成とする。
更に好ましくは、前記Bが0質量%である構成とする。
前記第1正極活物質は、前記第2正極活物質よりも多く含まれている構成とすることが好ましい。
本発明のニッケル水素二次電池は、正極に組成の異なる正極活物質を2種類以上含んでおり、前記正極活物質のそれぞれは、水酸化ニッケルを主成分としており、マグネシウムの固溶量が互いに異なっている。これにより、本発明のニッケル水素二次電池は、放電特性カーブにおける放電初期の電圧と放電末期の電圧との差を大きくすることができ、電池の残存容量の検知を容易に行うことができる。このため、本発明のニッケル水素二次電池は、残存容量の検知を精度良く行うことができる。
よって、本発明によれば、残存容量の検知を精度良く行うことができるニッケル水素二次電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るニッケル水素二次電池を部分的に破断して示した斜視図である。 各電池の充放電特性カーブを示したグラフである。
以下、本発明に係るニッケル水素二次電池(以下、電池という)2について、図面を参照して説明する。
本発明が適用される電池2としては特に限定されないが、例えば、図1に示すAAサイズの円筒型の電池2に適用される。
図1に示すように、電池2は、上端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備えている。外装缶10は導電性を有し、その底壁35は負極端子として機能する。外装缶10の開口には、封口体11が固定されている。この封口体11は、蓋板14及び正極端子20を含み、外装缶10を封口するとともに正極端子20を提供する。蓋板14は、導電性を有する円板形状の部材である。外装缶10の開口内には、蓋板14及びこの蓋板14を囲むリング形状の絶縁パッキン12が配置され、絶縁パッキン12は外装缶10の開口縁37をかしめ加工することにより外装缶10の開口縁37に固定されている。即ち、蓋板14及び絶縁パッキン12は互いに協働して外装缶10の開口を気密に閉塞している。
ここで、蓋板14は中央に中央貫通孔16を有し、蓋板14の外面上には中央貫通孔16を塞ぐゴム製の弁体18が配置されている。更に、蓋板14の外面上には、弁体18を覆うようにしてフランジ付き円筒形状をなす金属製の正極端子20が電気的に接続されている。この正極端子20は弁体18を蓋板14に向けて押圧している。なお、正極端子20には、図示しないガス抜き孔が開口されている。
通常時、中央貫通孔16は弁体18によって気密に閉じられている。一方、外装缶10内にガスが発生し、その内圧が高まれば、弁体18は内圧によって圧縮され、中央貫通孔16を開き、その結果、外装缶10内から中央貫通孔16及び正極端子20のガス抜き孔(図示せず)を介して外部にガスが放出される。つまり、中央貫通孔16、弁体18及び正極端子20は電池2のための安全弁を形成している。
外装缶10には、電極群22が収容されている。この電極群22は、それぞれ帯状の正極24、負極26及びセパレータ28を含んでいる。詳しくは、これら正極24及び負極26は、セパレータ28を間に挟み込んだ状態で渦巻状に巻回されている。即ち、セパレータ28を介して正極24及び負極26が互いに重ね合わされている。電極群22の最外周は負極26の一部(最外周部)により形成されており、外装缶10の内周壁と接触している。即ち、負極26と外装缶10とは互いに電気的に接続されている。
外装缶10内には、電極群22の一端と蓋板14との間に正極リード30が配置されている。詳しくは、正極リード30は、その一端が正極24に接続され、その他端が蓋板14に接続されている。従って、正極端子20と正極24とは、正極リード30及び蓋板14を介して互いに電気的に接続されている。なお、蓋板14と電極群22との間には円形の上部絶縁部材32が配置され、正極リード30は上部絶縁部材32に設けられたスリット39内を通って延びている。また、電極群22と外装缶10の底部との間にも円形の下部絶縁部材34が配置されている。
更に、外装缶10内には、所定量のアルカリ電解液(図示せず)が注入されている。このアルカリ電解液は、電極群22に含浸され、正極24と負極26との間での充放電反応を進行させる。このアルカリ電解液としては、KOH、NaOH、LiOHを溶質として含むアルカリ水溶液を用いることが好ましい。
セパレータ28の材料としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したもの等を用いることができる。具体的には、スルホン化処理が施されてスルホン基が付与されたポリオレフィン繊維を主体とする不織布を用いることが好ましい。ここで、スルホン基は、硫酸又は発煙硫酸等の硫酸基を含む酸を用いて不織布を処理することにより付与される。このようなスルホン基を有する繊維を含むセパレータを用いた電池は、優れた自己放電特性を発揮する。
正極24は、多孔質構造を有する導電性の正極基体と、この正極基体の空孔内に保持された正極合剤とを含んでいる。
このような正極基体としては、例えば、ニッケルめっきが施された網状、スポンジ状もしくは繊維状の金属体、あるいは、発泡ニッケルを用いることができる。
正極合剤は、正極活物質、導電材、正極添加剤及び結着剤を含む。この結着剤は、正極活物質、導電材及び正極添加剤を結着させるとともに正極合剤を正極基体に結着させる働きをなす。ここで、結着剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)ディスパージョン、HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)ディスパージョンなどを用いることができる。
正極活物質は、第1正極活物質と、第2正極活物質とを含んでいる。これら第1正極活物質及び第2正極活物質は、水酸化ニッケルを主成分としている。そして、第1正極活物質と、第2正極活物質とでは、マグネシウムの固溶量が異なっている。
正極活物質を構成する水酸化ニッケルは高次化されている高次水酸化ニッケルであると導電性が向上するので好ましい。なお、「水酸化ニッケルを主成分としている」とは、第1正極活物質中において水酸化ニッケルの含有量が50質量%を超えていることを指し、同じく、第2正極活物質中において水酸化ニッケルの含有量が50質量%を超えていることを指す。
第1正極活物質は、少なくともマグネシウムを固溶している。一方、第2正極活物質は、マグネシウムを必ずしも固溶している必要はないが、マグネシウムを固溶する場合は、第1正極活物質に固溶されているマグネシウムの固溶量よりも少ない固溶量で含まれていることが好ましい。なお、本発明において、マグネシウムの固溶量が異なる態様には、第1正極活物質はマグネシウムを固溶しており、第2正極活物質はマグネシウムを全く固溶していない態様も含まれる。
ここで、水酸化ニッケルにマグネシウムを固溶させることによって、水酸化ニッケルの平衡電位が上昇する。マグネシウムの固溶量と平衡電位は相関するため、マグネシウムの固溶量の異なる活物質を混合させることで、放電カーブに変化が起こる。特に平衡電位の高いものから放電するため、マグネシウム量に違いを持たせることで放電カーブに変化を持たせることができる。
第1正極活物質及び第2正極活物質においては、水酸化ニッケルに固溶させる元素としては、マグネシウムの他に、亜鉛及びコバルトのうちの少なくとも一種を固溶させることが好ましい。
ここで、亜鉛は正極の充放電に伴う膨化を抑制し、電解液の枯渇を防止する。また、コバルトは水酸化ニッケルの導電性を確保する効果を有している。
導電材としては、例えば、コバルト化合物及びコバルト(Co)から選択された1種又は2種以上を用いることができる。前記したコバルト化合物としては、コバルト酸化物(CoO)、コバルト水酸化物(Co(OH))等を挙げることができる。この導電材は、必要に応じて正極合剤に添加されるものであり、添加される形態としては、粉末の形態の他に、正極活物質の表面を覆う被覆の形態で正極合剤に含まれていてもよい。好ましくは、正極活物質の粒子の表面に水酸化コバルトの層を形成し、この水酸化コバルトの層を酸化させて導電性の高いオキシ水酸化コバルトの導電層とする態様を採用する。また、ナトリウムを含有したオキシ水酸化コバルトの導電層とすることがより好ましい。オキシ水酸化コバルト中にナトリウムを含有させると、導電性が大きく向上する。このため、水酸化ニッケルの利用率を大きく向上させる効果を奏する。
正極添加剤は、正極の特性を改善するために添加されるものであり、例えば、酸化イットリウム、酸化亜鉛等を用いることができる。
第1正極活物質は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、所定組成となるように計量した硫酸ニッケル及び硫酸マグネシウムを所定量の水に投入し、硫酸ニッケルと硫酸マグネシウムとの第1混合水溶液を調製する。次いで、得られた第1混合水溶液を撹拌しながら、この第1混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して反応させることにより水酸化ニッケルを主成分とし、マグネシウムを固溶した粒子を析出させる。このようにして、第1正極活物質の粒子を得ることができる。
ここで、第1正極活物質中におけるマグネシウムの固溶量が、2.0質量%以上である場合、得られる電池の放電特性カーブは、放電末期に傾きが変化する形状となり、電池の電圧からSOC、ひいては残存容量を精度良く検知することができる効果を奏する。しかし、マグネシウムの固溶量が2.0質量%未満では、このような効果を十分に得ることが難しくなる。よって、マグネシウムの固溶量は2.0質量%以上とすることが好ましく、より好ましくは2.48質量%以上とする。
一方、マグネシウムの固溶量が5.0質量%を超えると、それにともない水酸化ニッケル中のニッケルの純度が低下し、容量が低下する。また、水酸化ニッケルの粒子径が小さくなり易く、サイクル寿命特性が低下する。加えて、平衡電位が上昇するため、酸素発生電位との差が小さくなるため、高温での充電受入性が低下する。よって、マグネシウムの固溶量は5.0質量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、マグネシウムの固溶量は4.05質量%以下とする。
なお、第1正極活物質に亜鉛及びコバルトを固溶させる場合は、所定組成となるように計量した硫酸亜鉛及び硫酸コバルトを更に添加して第1混合水溶液を調製し、この第1混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して反応させることにより水酸化ニッケルを主成分とし、マグネシウム、亜鉛及びコバルトを固溶した第1正極活物質粒子を析出させる。
第2正極活物質は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、硫酸ニッケルの水溶液を調製する。この硫酸ニッケル水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して反応させることにより水酸化ニッケル粒子を析出させる。これにより第2正極活物質の粒子を得ることができる。ここで、第2正極活物質の粒子に亜鉛、マグネシウム及びコバルトを固溶させる場合は、所定組成となるように硫酸ニッケル、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛及び硫酸コバルトを計量し、第2混合水溶液を調製する。得られた第2混合水溶液を攪拌しながら、この第2混合水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して反応させることにより水酸化ニッケルを主成分とし、マグネシウム、亜鉛及びコバルトを固溶した第2正極活物質の粒子を析出させる。なお、第2正極活物質においてマグネシウムを固溶させる場合は、マグネシウムの固溶量を第1正極活物質のマグネシウムの固溶量よりも少なく設定することが好ましい。つまり、第1正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をAとし、第2正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をBとした場合に、A>B≧0の関係を満たしていることが好ましい。ここで、第2正極活物質は、マグネシウムの固溶量が0で、マグネシウムを全く含まない態様もとり得る。
前記のようにして得られた第1正極活物質の粒子の集合体と、第2正極活物質の粒子の集合体とは、混ぜ合わされ、これにより、正極活物質粒子の集合体である正極活物質粉末が得られる。
ここで、正極活物質粉末においては、第1正極活物質の粒子の量は、第2正極活物質の粒子の量よりも多く含まれている態様とすることが好ましい。第2正極活物質よりもマグネシウムを多く含む第1正極活物質の量が、第2正極活物質の量よりも少ない場合、得られる電池の放電特性カーブは、放電末期に傾きが変化する形状となりにくくなるからである。
正極24は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、上記したようにして得られた正極活物質粒子の集合体である正極活物質粉末に、導電材、正極添加剤、水及び結着剤を添加して混練し、正極合剤スラリーを調製する。得られた正極合剤スラリーは、例えば、発泡ニッケルに充填され、乾燥させられる。乾燥後、水酸化ニッケル粒子等が充填された発泡ニッケルは、ロール圧延されてから裁断される。これにより、正極合剤を担持した正極24が得られる。
次に、負極26について説明する。
負極26は、帯状をなす導電性の負極基板(芯体)を有し、この負極基板に負極合剤が保持されている。
負極基板は、貫通孔が分布されたシート状の金属材であり、例えば、パンチングメタルシートや、金属粉末を型成形させ焼結させた焼結基板を用いることができる。負極合剤は、負極基板の貫通孔内に充填されるばかりでなく、負極基板の両面上にも層状にして保持されている。
負極合剤は、負極活物質としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粒子、導電材及び結着剤を含む。この結着剤は水素吸蔵合金粒子、負極添加剤及び導電材を互いに結着させると同時に負極合剤を負極基板に結着させる働きをなす。ここで、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等を用いることができ、導電材としては、カーボンブラックや黒鉛を用いることができる。また、必要に応じて負極添加剤を添加しても構わない。
水素吸蔵合金粒子における水素吸蔵合金としては、特に限定されるものではなく、一般的なニッケル水素二次電池に使用されているものが用いられる。
次に、上記した水素吸蔵合金粒子は、例えば、以下のようにして得られる。
まず、所定の組成となるように金属原材料を計量して混合し、この混合物を例えば誘導溶解炉で溶解した後、冷却してインゴットにする。得られたインゴットに、不活性ガス雰囲気下にて900~1200℃で5~24時間保持する熱処理を施す。この後、室温まで冷却したインゴットを粉砕し、篩分けすることにより所望粒径の水素吸蔵合金粒子が得られる。
また、負極26は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、水素吸蔵合金粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末、導電材、結着剤及び水を混練して負極合剤ペーストを調製する。得られた負極合剤ペーストを負極基板に塗着し、乾燥させる。乾燥後、水素吸蔵合金粒子等が付着した負極基板にロール圧延及び裁断を施す。これにより負極26が作製される。
以上のようにして作製された正極24及び負極26は、セパレータ28を介在させた状態で、渦巻き状に巻回され、これにより電極群22が形成される。
このようにして得られた電極群22は、外装缶10内に収容される。引き続き、当該外装缶10内にはアルカリ電解液が所定量注入される。その後、電極群22及びアルカリ電解液を収容した外装缶10は、正極端子20を備えた蓋板14により封口され、本発明に係る電池2が得られる。得られた電池2は、初期活性化処理が施され、使用可能状態とされる。
[実施例]
1.電池の製造
(実施例1)
(1)水素吸蔵合金及び負極の作製
まず、20質量%のLa、80質量%のSmを含む希土類成分を調製した。得られた希土類成分、Mg、Ni、Alを計量して、これらがモル比で0.99:0.01:3.25:0.25の割合となる混合物を調製した。得られた混合物は、誘導溶解炉で溶解され、その溶湯が鋳型に流し込まれた後、室温まで冷却され水素吸蔵合金のインゴットとされた。このインゴットより採取したサンプルにつき、高周波プラズマ分光分析法(ICP)によって組成分析を行った。その結果、水素吸蔵合金の組成は、(La0.20Sm0.800.99Mg0.01Ni3.25Al0.25であった。
次いで、このインゴットに対し、アルゴンガス雰囲気下にて温度1000℃で10時間保持する熱処理を施した。そして、この熱処理後、室温まで冷却された水素吸蔵合金のインゴットをアルゴンガス雰囲気中で機械的に粉砕し、水素吸蔵合金粒子の集合体である水素吸蔵合金粉末を得た。ここで、得られた水素吸蔵合金粉末につき、レーザー回折・散乱式粒径分布測定装置を用いて粒子の粒径を測定した結果、かかる水素吸蔵合金粒子の体積平均粒径(MV)は60μmであった。
得られた水素吸蔵合金の粉末100質量部に対し、ポリアクリル酸ナトリウム0.4質量部、カルボキシメチルセルロース0.1質量部、スチレンブタジエンゴム(SBR)のディスパージョン1.0質量部、カーボンブラック1.0質量部、及び水30質量部を添加して混練し、負極合剤のペーストを調製した。
この負極合剤のペーストを負極基板としての鉄製の孔あき板の両面に均等、且つ、厚さが一定となるように塗布した。なお、この孔あき板は60μmの厚みを有し、その表面にはニッケルめっきが施されている。
ペーストの乾燥後、水素吸蔵合金の粉末が付着した孔あき板を更にロール圧延して体積当たりの合金量を高めた後、裁断し、AAサイズ用の負極26を得た。
(2)正極活物質(第1正極活物質粒子、第2正極活物質粒子)及び正極の作製
(i)第1正極活物質粒子の作製
ニッケルに対して亜鉛が4.0質量%、マグネシウムが2.48質量%、コバルトが1.0質量%となるように、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム及び硫酸コバルトを計量し、これらを、アンモニウムイオンを含む1Nの水酸化ナトリウム水溶液に加え、第1混合水溶液を調整した。得られた第1混合水溶液を攪拌しながら、この第1混合水溶液に10Nの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して反応させ、ここでの反応中のpHを13~14に安定させて、水酸化ニッケルを主成分とし、亜鉛、マグネシウム及びコバルトを固溶したベース粒子を生成させた。
次に、得られたベース粒子をアンモニア水溶液中に投入し、当該アンモニア水溶液に硫酸コバルト水溶液を加えて反応させ、その反応中においてpHを9~10に維持させた。これにより、ベース粒子の表面に水酸化コバルトが析出し、厚さが約0.1μmの水酸化コバルトの層を備えた中間体粒子を得た。次いで、この中間体粒子を反応容器中に投入し、この反応容器中にて酸素を含む高温(80℃)の空気中に対流させた。そして、この反応容器内に12Nの水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して、45分間の加熱処理を施した。これにより、中間体粒子の表面の水酸化コバルトが、導電性の高いオキシ水酸化コバルトとなるとともに、オキシ水酸化コバルトの層中にナトリウムが取り込まれ、ナトリウムを含有したオキシ水酸化コバルトを含む導電層が形成された。その後、斯かるオキシ水酸化コバルトの層を備えた中間体粒子を濾取し、10倍の量の純水で3回洗浄した後、脱水し、60℃の環境下で乾燥させた。これにより、ベース粒子の表面にオキシ水酸化コバルトを含む導電層を有した第1正極活物質粒子を得た。ここで、得られた第1正極活物質粒子の集合体である第1正極活物質粉末につき、レーザー回折・散乱式粒径分布測定装置を用いて粒子の粒径を測定した結果、かかる第1正極活物質粒子の体積平均粒径(MV)は、10μmであった。
(ii)第2正極活物質粒子の作製
ニッケルに対して亜鉛が4.0質量%、コバルトが1.0質量%となるように、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛及び硫酸コバルトを計量し、これらを、アンモニウムイオンを含む1Nの水酸化ナトリウム水溶液に加え、第2混合水溶液を調整した。得られた第2混合水溶液を攪拌しながら、この第2混合水溶液に10Nの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加して反応させ、ここでの反応中のpHを13~14に安定させて、水酸化ニッケルを主成分とし、亜鉛及びコバルトを固溶したベース粒子を生成させた。
次に、得られたベース粒子をアンモニア水溶液中に投入し、当該アンモニア水溶液に硫酸コバルト水溶液を加えて反応させ、その反応中においてpHを9~10に維持させた。これにより、ベース粒子の表面に水酸化コバルトが析出し、厚さ約0.1μmの水酸化コバルトの層を備えた中間体粒子を得た。次いで、この中間体粒子を反応容器中に投入し、この反応容器中にて酸素を含む高温(80℃)の空気中に対流させた。そして、この反応容器内に12Nの水酸化ナトリウム水溶液を噴霧して、45分間の加熱処理を施した。これにより、中間体粒子の表面の水酸化コバルトが、導電性の高いオキシ水酸化コバルトとなるとともに、オキシ水酸化コバルトの層中にナトリウムが取り込まれ、ナトリウムを含有したオキシ水酸化コバルトを含む導電層が形成された。その後、斯かるオキシ水酸化コバルトの層を備えた中間体粒子を濾取し、10倍の量の純水で3回洗浄した後、脱水し、60℃の環境下で乾燥させた。これにより、ベース粒子の表面にオキシ水酸化コバルトを含む導電層を有した第2正極活物質粒子を得た。ここで、得られた第2正極活物質粒子の集合体である第2正極活物質粉末につき、レーザー回折・散乱式粒径分布測定装置を用いて粒子の粒径を測定した結果、かかる第2正極活物質粒子の体積平均粒径(MV)は、10μmであった。
(iii)正極の作製
次に、95質量部の第1正極活物質粉末と、5質量部の第2正極活物質粉末とを混合し、正極活物質粉末を得た。得られた正極活物質粉末に、0.3質量部の酸化イットリウム、0.6質量部の酸化ニオブ、0.2質量部のHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)、0.2質量部のPTFEディスパージョン液、及び30質量部の水を混合して正極合剤スラリーを調製し、この正極合剤スラリーを正極基体としてのシート状の発泡ニッケルに充填した。正極合剤のスラリーが充填された発泡ニッケルを乾燥後、正極合剤が充填された発泡ニッケルをロール圧延した後、所定形状に裁断し、AAサイズ用の正極24を得た。
(3)ニッケル水素二次電池の組み立て
得られた正極24及び負極26をこれらの間にセパレータ28を挟んだ状態で渦巻状に巻回し、電極群22を作製した。ここでの電極群22の作製に使用したセパレータ28はスルホン化処理が施されたポリプロピレン繊維製不織布で形成され、その厚みは0.1mm(目付量53g/m)であった。
一方、アルカリ電解液として、KOH、NaOH及びLiOHを含む水溶液を準備した。ここで、アルカリ電解液には、KOH、NaOH及びLiOHが、KOH:NaOH:LiOH=0.8:7.0:0.02の比で含まれている。
次いで、有底円筒形状の外装缶10内に上記した電極群22を収容するとともに、準備したアルカリ電解液を所定量注入した。この後、封口体11で外装缶10の開口を塞ぎ、公称容量2000mAhのAAサイズのニッケル水素二次電池2を組み立てた。ここで、公称容量は、温度25℃の環境下にて、0.2Cで16時間充電後、0.4Cで電池電圧が1.0Vになるまで放電した際の電池の放電容量とした。
(4)初期活性化処理
電池2に対し、温度25℃の環境下にて、0.2Cで16時間の充電を行った後に、0.4Cで電池電圧が1.0Vになるまで放電させる充放電作業を5回繰り返すことにより初期活性化処理を行った。このようにして、電池2を使用可能状態とした。
(実施例2)
第1正極活物質粒子に含まれるマグネシウムをニッケルに対して3.62質量%としたことを除いて、実施例1と同様にしてニッケル水素二次電池を組み立てた。
(実施例3)
第1正極活物質粒子に含まれるマグネシウムをニッケルに対して4.05質量%としたことを除いて、実施例1と同様にしてニッケル水素二次電池を組み立てた。
(比較例1)
第1正極活物質粒子に含まれるマグネシウムをニッケルに対して0質量%としたこと(つまり、第1正極活物質粒子にマグネシウムを含有させなかったこと)を除いて、実施例1と同様にしてニッケル水素二次電池を組み立てた。
ここで、実施例1~3、及び比較例1における、第1正極活物質の全体量、第1正極活物質に含まれているマグネシウムの量、第2正極活物質の全体量、第2正極活物質に含まれているマグネシウムの量、及び正極の単位容量を表1に示した。
Figure 0006996960000001
2.ニッケル水素二次電池の評価
(1)充放電特性
実施例1~3、比較例1の初期活性化処理済みの電池に対し、25℃の環境下にて、0.1Cで720分間の充電を行い、その後、60分間放置した。
同一の環境下にて0.2Cで電池の電圧が1.0Vになるまで放電した。
上記した充電の過程において、電池の電圧と充電時間との関係を求め、各電池の充電特性カーブを求めた。
また、上記した放電の過程において、電池の電圧と放電時間との関係を求め、各電池の放電特性カーブを求めた。
得られた結果から、実施例1~3、及び比較例1の充放電特性カーブを図2に示した。なお、図2中において、時間の経過とともに電圧値が上昇している方のカーブが充電特性カーブであり、時間の経過とともに電圧値が下降している方のカーブが放電特性カーブである。
(2)考察
(i)正極活物質中にマグネシウムが固溶されていない比較例1の電池は、従来のニッケル水素二次電池に相当し、その放電特性カーブの形状が、放電初期、例えば、放電時間50分と、放電末期、例えば、放電時間250分との間で、ほぼ平坦である。このため、放電初期の電圧値と放電末期の電圧値との差が小さく、電池の電圧からSOCを検知することは難しい。
(ii)これに対し、第1正極活物質中にマグネシウムが固溶されている実施例1~3の電池の放電特性カーブは、比較例1の放電特性カーブほど平坦な部分が無く、比較例1の放電特性カーブに比べて形状が異なっている。このため、実施例1~3の電池は、比較例1の電池よりも、電池の電圧からSOCの検知を容易に行えるといえる。
(iii)また、実施例1~3の電池の放電特性カーブは、放電末期に傾きが変化することが確認できる。このため、放電初期の電圧値と放電末期の電圧値との差が比較的大きくなり、電池の電圧からSOCの検知を容易に行える。特に、第1正極活物質中に4.05質量%のマグネシウムを固溶している実施例3の電池は、比較例1の電池に比べて作動電圧が上昇しており、しかも、放電特性カーブの形状が放電末期に段差ができているので、よりSOCの検知が容易である。また、実施例1の正極の単位容量は234mAh/gであり、実施例2、3の正極の単位容量は222mAh/gであり、比較例1の正極の単位容量(245mAh/g)に対して91%~96%の容量を確保しており、大幅な容量低下は起こっていない。よって、実施例1~3に係る電池は十分使用可能であるといえる。
(iv)以上より、放電特性カーブの形状の変化が顕著になることから、第1正極活物質に固溶されるマグネシウムの量は2.48質量%以上とすることが好ましいといえる。そして、マグネシウムの固溶量が増えるほど放電特性カーブの形状の変化が大きくなるので、マグネシウムの固溶量は多い方が好ましい。ただし、正極活物質中のマグネシウム量が増えると、それにともない水酸化ニッケルの量が減る。その結果、正極容量が低下する。加えて、平衡電位が上昇するために、酸素発生電位との差が小さくなり、高温での充電受入性が低下する。このような不具合は、マグネシウムの固溶量が5.0質量%を超えると顕著になる。よって、上記した不具合の程度を低く抑えつつ、放電特性カーブの形状の変化を十分大きいものとするためには、第1正極活物質に固溶されるマグネシウムの量は4.05質量%以下とすることが好ましい。
(v)以上より、本発明によれば、電池のSOC、ひいては電池の残存容量の検知を容易に行うことができるニッケル水素二次電池を得ることができるといえる。
なお、上記した実施形態及び実施例においては、正極活物質をマグネシウムの固溶量が異なる第1正極活物質と第2正極活物質との2種類の正極活物質を含む態様について説明したが、本発明は、この態様に限定されるものではなく、マグネシウムの固溶量が異なっている2種類以上の正極活物質を含む態様を採用しても構わない。また、本発明に係るニッケル水素二次電池は、角形電池であってもよく、形状は格別限定されることはない。
<本発明の態様>
本発明の第1の態様は、容器と、前記容器内にアルカリ電解液とともに収容された電極群とを備え、前記電極群は、セパレータを介して重ね合わされた正極及び負極を有しており、前記正極は、組成の異なる正極活物質を2種類以上含んでおり、前記正極活物質のそれぞれは、水酸化ニッケルを主成分としており、マグネシウムの固溶量が互いに異なっている、ニッケル水素二次電池である。
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記正極活物質は、第1正極活物質と、第2正極活物質とを含んでおり、前記第1正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をAとし、前記第2正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をBとした場合に、A>B≧0の関係を満たしている、ニッケル水素二次電池である。
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記Aが2.0質量%以上、5.0質量%以下である、ニッケル水素二次電池である。
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第2の態様において、前記Aが2.48質量%以上、4.05質量%以下である、ニッケル水素二次電池である。
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第3又は第4の態様において、前記Bが0質量%である、ニッケル水素二次電池である。
本発明の第6の態様は、前述した本発明の第2~第5の何れかの態様において、前記第1正極活物質は、前記第2正極活物質よりも多く含まれている、ニッケル水素二次電池である。
2 ニッケル水素二次電池
22 電極群
24 正極
26 負極
28 セパレータ

Claims (4)

  1. 容器と、前記容器内にアルカリ電解液とともに収容された電極群とを備え、
    前記電極群は、セパレータを介して重ね合わされた正極及び負極を有しており、
    前記正極は、組成の異なる正極活物質を2種類以上含んでおり、
    前記正極活物質のそれぞれは、水酸化ニッケルを主成分としており、マグネシウムの固溶量が互いに異なっており、
    前記正極活物質は、第1正極活物質と、第2正極活物質とを含んでおり、前記第1正極活物質と、前記第2正極活物質とを混ぜ合わせて得られた正極活物質粒子の集合体である正極活物質粉末であり、
    前記第1正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をAとし、前記第2正極活物質に含まれるマグネシウムの固溶量をBとした場合に、A>B≧0の関係を満たしており、
    前記第1正極活物質は、前記第2正極活物質よりも多く含まれている、ニッケル水素二次電池。
  2. 前記Aが2.0質量%以上、5.0質量%以下である、請求項に記載のニッケル水素二次電池。
  3. 前記Aが2.48質量%以上、4.05質量%以下である、請求項に記載のニッケル水素二次電池。
  4. 前記Bが0質量%である、請求項又はに記載のニッケル水素二次電池。
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