JP6996111B2 - 位置推定システム - Google Patents

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Description

本発明は、車載機と返信機との間で送受信する電波を利用して、車外に位置する返信機の車両に対する位置を推定する位置推定システムに関するものである。
特許文献1には、車載機と返信機との間で送受信する電波を利用して、車両の内外のいずれに返信機が存在するか検出する技術が開示されている。特許文献1では、車両の運転席側のピラーに取り付けられた第1の送信アンテナと、車両の助手席側のピラーに取り付けられた第2の送信アンテナとで強度の大小を調整して順番に、同心円状の指向性のない電波を送信する。そして、返信機がどちらの送信アンテナからのどの強度の電波を受信したかによって、車両の内外の運転席側と助手席側とのいずれの位置に返信機が存在するか検出する。
特開2012-107377号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、車外において返信機を携行する人や自転車乗員等の位置の推定に適用しようとした場合に、車両のごく近傍に対象が限られてしまい、位置推定の長距離化が困難であるという問題点があった。詳しくは、以下の通りである。車両から離れた返信機にも送信アンテナからの電波が届くように出力を上げると、車両に対する返信機の位置にかかわらず、運転席側の第1送信アンテナから受信できる電波の強度と助手席側の第2送信アンテナから受信できる電波の強度とに差が生じにくくなる。よって、位置推定の長距離化をしようとすると、車外に位置する返信機の車両に対する位置を推定できなくなってしまう。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、車載機と返信機との間で送受信する電波を利用して車外に位置する返信機の車両に対する位置推定の長距離化が可能な位置推定システムを提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の位置推定システムは、車両で用いられ、アンテナコイルを備えて所定の周波数の電波を送信する送信アンテナ(30a、30b、30c)を複数備える車載機(3)と、
車両の外部で用いられ、送信アンテナから送信される電波を受信した場合に返信信号を車載機に返信する返信部(25,26)を備える返信機(2)とを含み、
複数の送信アンテナに、送信アンテナがそれぞれ備えるアンテナコイルのループ面の法線方向が、お互いに交差するように配置される少なくとも一対の送信アンテナがあり、
車載機は、
一対の送信アンテナから同時に電波を送信させる第1の送信を行うことに加えて、一つの送信アンテナのみから電波を送信させる第2の送信を行う送信部(31)と、
送信部で順次送信させた電波に対して返信機から返信される返信信号をもとに、車両に対する返信機の位置を推定する位置推定部(39)とを備え
返信機は、
送信アンテナから送信された電波を受信した際の受信強度を特定する返信機側受信強度特定部(23)を備え、
返信部は、返信機側受信強度特定部で特定した受信強度を含む返信信号を返信し、
位置推定部は、送信部で順次送信させた電波に対して返信機から順次返信される受信強度の大きさ、返信機が受信した電波は送信部が第1の送信および第2の送信のいずれで送信したか、第1の送信での受信強度と距離との関係、および、第2の送信での受信強度と距離との関係に基づいて、車両に対する返信機の位置を推定する
送信部は、複数の送信アンテナのうち、一対の送信アンテナから同時に、電波を送信させる第1の送信を行う。一対の送信アンテナから同時に電波を送信させることで、一対の送信アンテナのそれぞれから送信される電波により生じる磁界が合成されて、一対の送信アンテナのうちの一方から送信したときと比較して偏りが大きい指向性が生じる。
また、送信部は、第1の送信とは別に第2の送信も行う。第2の送信は、1つの送信アンテナのみから電波を送信させるものである。これにより、第1の送信により生じる磁界と、第2の送信により生じる磁界とは、異なった磁界となる。
そして、前述のように、第1の送信は、偏りが大きい指向性が生じているので、送信アンテナの出力を大きくして電波の届く範囲を長距離化した場合でも、第1の送信と第2の送信とでは、自車周辺における磁界強度の分布のパターンに違いを生じさせることができる。
従って、第1の送信と第2の送信は、自車と返信機との距離が同じであっても、自車に対する返信機の位置が異なると、返信機で電波を受信する受信強度が異なったり、返信機での電波の受信有無が異なったりするようにできる。
これにより、送信部で順次送信させた電波に対して返信機から返信される返信信号も、自車に対する返信機の位置に応じたものとすることが可能になり、自車に対する返信機の位置を推定することも可能になる。その結果、車載機と返信機との間で送受信する電波を利用して車外に位置する返信機の車両に対する位置推定の長距離化が可能になる。
位置推定システム1の概略的な構成の一例を示す図である。 返信機2の概略的な構成の一例を示す図である。 返信機2が受信可能な磁界の一例を示す図である。 車載機3の概略的な構成の一例を示す図である。 Aパターンの場合の磁界強度の分布の一例を示す図である。 Bパターンの場合の磁界強度の分布の一例を示す図である。 Cパターン、Dパターン、Eパターンの場合の磁界強度の分布の一例を示す図である。 車両5の進行方向に対して平行に走行している自転車4の受信領域の一例を示す図である。 車両5の進行方向に対して直交に走行している自転車4の受信領域の一例を示す図である。 自転車4が車両5の進行方向に平行に走行している場合の、送信パターン、自転車4の位置、返信機2の受信強度の関係の代表例を示す図である。 自転車4が車両5の進行方向に直交方向に走行している場合の、送信パターン、自転車4の位置、返信機2の受信強度の関係の代表例を示す図である。 車載機3での位置推定関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<位置推定システム1の概略構成>
図1に示すように位置推定システム1は、自転車4に決まった向きで固定された返信機2と、車両5で用いられる車載機3とを含む。
返信機2は、車載機3から送信される電波を受信した場合に、信号を返信する。車載機3は、電波を順次送信し、返信機2から返信される信号を受信した場合、受信したこの信号をもとに返信機2の位置を推定する。
車載機3は、電波を送信する送信アンテナとして、自車の電子キーシステムにおいてLF帯の電波にてリクエスト信号を送信するのに用いる送信アンテナを流用して用いるものとする。LF帯とは、例えば30kHz~300kHzの周波数帯である。電子キーシステムとは、自車の駐車時に、送信アンテナを含む車両側のユニットと電子キーとの間での近距離無線通信によってコード照合を行い、コード照合による認証が成立したことに基づいて、車両ドアの施解錠を行うシステムである。電子キーシステムの構成については、便宜上、詳細な説明は省略する。本実施形態の位置推定システム1では、電子キーシステムで用いられる送信アンテナを流用することで、新たに送信アンテナを設ける無駄を省くことができる。
<返信機2の概略構成>
続いて、図2を用いて返信機2についての説明を行う。図2に示すように、返信機2は、受信アンテナ21、受信回路22、受信強度特定部23、制御部24、送信回路25、及び送信アンテナ26を備えている。
受信アンテナ21は、車載機3から送信されてくるLF帯の電波を受信するためのアンテナである。受信回路22は、受信アンテナ21で受信する電波を、後述の受信強度特定部23で処理できる信号に変換し、受信強度特定部23に出力する。受信強度特定部23は、周知のRSSI回路等を用いて、受信アンテナ21で受信した電波の受信強度を特定する。受信強度特定部23は請求項の返信機側受信強度特定部に相当する。
車載機3が備える後述する送信アンテナ30は磁界型アンテナであり、受信アンテナ21は磁界成分を検出するループアンテナである。送信アンテナ30に対する磁界のベクトル成分のうち、返信機2の受信アンテナ21が受信可能なベクトル成分は、受信アンテナ21の向きで決定される。
図3は、自転車4の前輪の車軸に沿った方向のベクトル成分を受信可能となる向きに受信アンテナ21が向くように、返信機2が自転車4に固定されていることを示している。尚、以降では便宜上、返信機2を自転車4の前輪の車軸に沿った方向のベクトル成分を最大感度で受信可能となるように固定されたものとして説明を行う。しかし、受信アンテナ21がどの方向のベクトル成分を受信可能となるかは、自転車4に対して返信機2を固定する向きによって適宜変化させることができる。
制御部24は、受信アンテナ21でLF帯の電波を受信した場合に、受信強度特定部23で特定した受信強度を示す返信信号を送信回路25に出力する。送信回路25は、UHF帯の電波で信号を送信するための送信アンテナ26から、受信強度特定部23で特定した受信強度を示す返信信号を送信する。この送信回路25及び送信アンテナ26が請求項の返信部に相当する。UHF帯とは、例えば300MHz~3GHzの周波数帯である。
<車載機3の概略構成>
続いて、図4を用いて、車載機3の概略的な構成について説明を行う。図4に示すように車載機3は、第1送信アンテナ30a、第2送信アンテナ30b、第3送信アンテナ30c、送信部31、受信アンテナ37、受信回路38、位置推定部39、及び受信強度特定部40を備えている。送信部31は、第1送信回路32a、第2送信回路32b、第3送信回路32c、発振器33、位相可変器34、位相制御部35、及び出力制御部36を備えている。
第1送信アンテナ30a、第2送信アンテナ30b、及び第3送信アンテナ30cは、自車外に向けてLF帯の電波を送信するための送信アンテナである。以降では、各々を区別しない場合には送信アンテナ30と呼ぶ。送信アンテナ30はアンテナコイルを用いる例えば一軸のバーアンテナであるものとする。つまり、各送信アンテナ30は、アンテナコイルを1つのみ備える構成であるとする。ただし、これとは異なり、各送信アンテナ30が、互いに直交する2つのアンテナコイルを備えた構成としてもよい。
第1送信アンテナ30aは、例えば自車のトランクの下のリアバンパー内など自車後面に設けられる。第2送信アンテナ30bは、例えば自車の右側のサイドドアのドアノブ等の自車右側面に設けられる。第3送信アンテナ30cは、例えば自車の左側のサイドドアのドアノブ等の自車左側面に設けられる。
尚、第1送信アンテナ30aのアンテナコイルのループ面の法線方向と第2送信アンテナ30bのアンテナコイルのループ面の法線方向とが互いに交差するように設けられる。また、第1送信アンテナ30aのアンテナコイルのループ面の法線方向と第3送信アンテナ30cのアンテナコイルのループ面の法線方向とが互いに交差するように設けられる。
具体的には、アンテナ30は、いずれも水平に設けられる。第2送信アンテナ30b、第3送信アンテナ30cは、車両5の側面に設けられるのに対して、第1送信アンテナ30aは車両5の後面に設けられるので、第1送信アンテナ30aのアンテナコイルのループ面の法線方向と第2送信アンテナ30bのアンテナコイルのループ面の法線方向とが互いに交差する。また、第1送信アンテナ30aのアンテナコイルのループ面の法線方向と第3送信アンテナ30cのアンテナコイルのループ面の法線方向も互いに交差する。
第1送信回路32a、第2送信回路32b、及び第3送信回路32cは、後述する出力制御部36による制御に従って、送信アンテナ30から電波を送信させる。発振器33は、一定の周波数及び振幅の搬送波を出力する。搬送波の周波数は、電子キーシステムでリクエスト信号を送信するのに用いるのと同じ周波数であるものとする。第1送信回路32aには位相可変器34を介して発振器33から搬送波が入力され、第2送信回路32b及び第3送信回路32cにも発振器33から搬送波が入力される。すなわち、第1送信回路32a、第2送信回路32b、及び第3送信回路32cには、発振器33から共通の搬送波が入力される。
位相可変器34は、位相制御部35による制御に従って、発振器33から入力される搬送波の位相を変化させる。これは、位相可変器34は、第1送信アンテナ30aから送信される電波の位相を、位相可変器34がない場合に対して変化させることを意味する。位相可変器34は、位相制御部35による制御に従って、発振器33から入力される搬送波の周波数の位相を180度シフトさせるか、若しくは搬送波の位相をシフトさせないかのいずれかを行う。すなわち、搬送波の周波数の位相を反転させるか反転させないかのいずれかを行う。電波の位相を反転させることで、第1送信アンテナ30aから送信されるLF帯の電波が形成する磁界ベクトルの向きが反転する。
尚、位相可変器34は、発振器33から入力される搬送波の周波数の位相を0度及び180度以外にシフトさせることが可能な構成としてもよいが、車載機3の簡略化及びコスト低減のためには、位相を0度及び180度以外にシフトさせることのない簡略な構成とすることが好ましい。
出力制御部36は、第1送信回路32a、第2送信回路32b、及び第3送信回路32cを制御して、各送信アンテナ30の送信出力を変更したり、電波を送信する送信アンテナ30を切り替えたりする。
本実施形態では、第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cの一対の送信アンテナ30から同時に電波を送信する。第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cとで同時に電波を送信する送信パターンは、後述するAパターンとBパターンとが存在する。これらAパターンおよびBパターンは、いずれも請求項の第1の送信に相当する。また、AパターンとBパターンは、位相差が互いに相違する。よって、本実施形態では、互いに異なる位相差で2回(すなわち複数回)、第1の送信を行う。
また、第1送信アンテナ30aのみ電波を送信する送信パターンをCパターンとする。第2送信アンテナ30bのみ電波を送信する送信パターンをDパターンとする。第3送信アンテナ30cのみ電波を送信する送信パターンをEパターンとする。これらCパターン、Dパターン、Eパターンは、いずれも請求項の第2の送信に相当する。また、第1送信アンテナ30a、第2送信アンテナ30b、第3送信アンテナ30cは、車両5の互いに異なる周面に配置されている。よって、本実施形態では、第2の送信を、互いに異なる周面に配置されている送信アンテナ30を単独で用いて3回行うことになる。
尚、同時に電波を送信させる送信アンテナ30の組み合わせは上記に限られるものではなく、第1送信アンテナ30aと第2送信アンテナ30bとで同時に電波を送信させてもよい。例えば、第1送信アンテナ30aと第2送信アンテナ30bとで同時に電波を送信する送信パターンを、後述するAパターン、後述するBパターンとしてもよい。
Aパターンは、第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cとから同時に電波を送信する。Aパターンでは、位相可変器34により、第1送信アンテナ30aから送信する電波の位相に対する、第3送信アンテナ30cから送信させる電波の位相を同位相または逆位相のうち予め定められた側にする。
Bパターンも、第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cとから同時に電波を送信する。Bパターンは、Aパターンとはタイミングをずらして行われる。Bパターンでは、位相可変器34により、第1送信アンテナ30aの位相を、Aパターンとは反対の位相にする。例えば、Aパターンにおいて、第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cとが同位相であった場合、Bパターンでは、第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cが逆位相となるように変化される。
Aパターン、Bパターンは、一対の送信アンテナ30a、30cから電波を同時に送信させる。第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cは、それらのアンテナが備えるアンテナコイルのループ面の法線方向が交差する。よって、それぞれの送信アンテナ30a、30cが送信する電波が形成する磁界の向きが相違する。
したがって、一対の送信アンテナ30a、30cのそれぞれから送信される電波により生じる磁界が合成されると、一対の送信アンテナ30a、30cのうちの一方から送信したときと比較して偏りが大きい指向性が生じる。
Aパターンでは、第1送信アンテナ30aが送信する電波と第3送信アンテナ30cが送信する電波は、それぞれ図5に示す磁界を形成する。なお、図5は、車両5を含む水平面の磁界の向きの一例である。
例えば、図5(a)に示すように、第1送信アンテナ30aが送信する電波は、車両5の後方には上方から見て反時計回りに磁界を形成し、車両5の前方には上方から見て時計回りに磁界を形成する。図5(b)に示すように、第3送信アンテナ30cが送信する電波は、車両5の左側には上方から見て時計回りに磁界を形成し、車両5の右側には上方から見て反時計回りに磁界を形成する。
図5(c)に示すように、第1送信アンテナ30aが送信する電波により形成される磁界と第3送信アンテナ30cが送信する電波により形成される磁界が合成される。これら2つの磁界が合成されることで、同じ方向に形成される磁界は強くなり、お互いが反対方向に形成される磁界は弱くなる。よって、図5(c)の場合、車両5の左側前方と右側後方の磁界強度が大きくなり、車両の右側前方と左側後方の磁界強度が相対的に小さくなる。
Bパターンも、一対の送信アンテナ30a、30cから電波を同時に送信させることにより、一対の送信アンテナ30a、30cのそれぞれから送信される電波により生じる磁界が合成される。よって、Bパターンも、一対の送信アンテナ30a、30cのうちの一方から送信したときと比較して偏りが大きい指向性が生じる。AパターンとBパターンの違いは、位相可変器34により、送信アンテナ30aが送信する電波の位相をAパターンに対して180度シフトした位相、すなわち逆位相とする点である。180度位相がシフトすることにより、送信アンテナ30aが送信する電波が形成する磁界の向きがAパターンとは逆になる。
そのため、Aパターンで形成される合成磁界の強度分布と、Bパターンで形成される合成磁界の強度分布は、異なった磁界強度の分布となる。
図6は、Bパターンにおいて形成される磁界を示す図である。図6(a)は、Bパターンにおいて第3送信アンテナ30cが送信する電波により形成される磁界である。図6(b)は、Bパターンにおいて第1送信アンテナ30aが送信する電波により形成される磁界である。図6(c)はBパターンにおいて形成される合成磁界である。
図6(a)に示すように、第1送信アンテナ30aは、Aパターンとは逆向きの磁界を形成する。図6(b)に示すように、第3送信アンテナ30cは、Aパターンと同じ磁界を形成する。図6(c)に示すように、Bパターンでは、位相が180度シフトした、第1送信アンテナ30aが送信する電波が形成する磁界と、第3送信アンテナ30cが送信する電波が形成する磁界が合成される。これら2つの磁界が合成されることで、車両5の右側前方と左側後方の磁界強度が大きくなり、車両5の右側後方と左側前方の磁界強度が相対的に小さくなる。
Cパターンは、第1送信アンテナ30aのみが電波を送信する。Dパターンは、第2送信アンテナ30bのみが電波を送信する。Eパターンは、第3送信アンテナ30cのみが電波を送信する。これらC、D、Eパターンは、1つの送信アンテナ30のみしか電波を送信しないので、電波を送信する各送信アンテナ30に対して水平面内の指向性が円形、すなわち指向性の広い電波が送信される。
図7(a)は、Cパターンの磁界分布を例示している。Cパターンで形成される磁界には、第1送信アンテナ30aから車両5の真後ろ方向に延びる磁界が含まれる。その他に、第1送信アンテナ30aを基点に車両5の前方向にも磁界が形成される。車両5の前方向に形成される磁界が、車両5の後ろ方向に形成される磁界よりも弱い理由は、車両5により磁界が弱められるからである。車両5の幅方向に延びている長楕円形の磁界は、サイドローブである。
Cパターンでの送信出力は、車両5の後方に形成される磁界の強度が、AパターンあるいはBパターンで車両5の後方に形成される磁界の強度と同程度になるように調整される。AパターンあるいはBパターンにおける返信機2の返信により、返信機2が車両5の前後いずれかの遠方に存在していると推定される場合に、返信機2が車両5の前後いずれに存在しているかを判定するためである。
図7(b)は、Dパターンの磁界分布を例示している。Dパターンで形成される磁界には、第2送信アンテナ30bから車両5の右側方に延びる磁界が含まれる。その他に、第2送信アンテナ30bを基点に車両5の左側方にも磁界が形成される。車両5の左方向に形成される磁界は、車両5の影響により、車両5の右側方に延びる磁界よりも弱い。車両5の前後方向に延びている長楕円形の磁界は、サイドローブである。
Dパターンでの送信出力は、車両5の右側方に形成される磁界の強度が、AパターンあるいはBパターンで車両5の右側方に形成される磁界の強度と同程度になるように調整される。
図7(c)は、Eパターンの磁界分布を例示している。Eパターンで形成される磁界には、第3送信アンテナ30cから車両5の左側方に延びる磁界が含まれる。その他に、第3送信アンテナ30cを基点に車両5の右側方にも磁界が形成される。車両5の右方向に形成される磁界は、車両5の影響により、車両5の左側方に延びる磁界よりも弱い。車両5の前後方向に延びている長楕円形の磁界は、サイドローブである。
Eパターンでの送信出力は、車両5の左側方に形成される磁界の強度が、AパターンあるいはBパターンで車両5の左側方に形成される磁界の強度と同程度になるように調整される。Dパターン、Eパターンにおける送信出力がこのような強度に調整されている理由は、AパターンあるいはBパターンにおける返信機2の返信により、返信機2が車両5の左右いずれかの遠方に存在していると推定される場合に、返信機2が車両5の左右いずれに存在しているかを判定するためである。
Aパターン、Bパターンにおいて、各送信アンテナ30の送信出力の比率は同じであってもよいが、磁界強度の分布が、送信パターンに応じて後述の位置推定が行いやすく偏るように比率を異ならせることが好ましい。一例としては、第1送信アンテナ30aと第3送信アンテナ30cの送信出力の比率は2:3とすればよい。
また、Aパターン、Bパターンで各アンテナ30が送信する出力は、車載機3からの距離が15mあるいはそれ以上離れた地点で返信機2が車載機3からの電波を受信できる程度の出力とする。
Cパターン、Dパターン、Eパターンにおける送信出力は、返信機2が車載機3からの電波を受信可能な最大距離が、Aパターン、Bパターンにおいて、返信機2が車載機3からの電波を受信可能な最大距離と同程度になるように調整する。
受信アンテナ37は、返信機2からUHF帯の電波で送信されてくる信号を受信するためのアンテナである。受信回路38は、受信アンテナ37で返信機2から受信した、返信信号を復調し、位置推定部39へ出力する。
位置推定部39は、送信部31で順次送信させた電波に対して返信機2から返信される信号により示されている、車載機3からの信号を返信機2が受信した受信強度を比較する。比較の対象は閾値、あるいは、他の送信パターンで送信したときの返信信号に含まれている受信強度である。この比較により、受信強度の大きさを、大小2つの区分など、複数の区分から決定する。
加えて、位置推定部39は、送信パターンで送信させた電波に対して返信機2からの返信の有無を判断する。これらから自車に対する返信機2の位置を推定する。
一例として、送信部31で順次電波を送信させる送信パターンを、Aパターン、Bパターン、Cパターン、Dパターン、Eパターンとした場合の推定位置の考え方を以下に説明する。
車両5の進行方向に対して平行に走行している自転車4を考える。Aパターンでの磁界強度の分布のうち、返信機2が車載機3から送信された電波を受信できる領域である第1の受信領域を図8(a)に示す。
図5にも示したように、Aパターンでは、車両5の左側前方と右側後方の磁界強度が大きくなり、車両5の右側前方と左側後方の磁界強度が相対的に小さくなる。また、自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行している場合、受信アンテナ21のループ面は、車両5の進行方向に対して平行である。自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行している場合の受信領域は、Aパターンにより形成される磁界のうち、このループ面を通過する磁界成分を抽出したものとなる。そのため、図8(a)に示すように、自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行している場合、Aパターンにより形成される受信領域は、左側前方と右側後方の受信領域が大きくなり、車両5の正面、真後ろ、真横方向が非受信領域となる。
図8(b)は、自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行している場合の受信領域である点では図8(a)と同じである。図8(b)は、Bパターンで磁界を形成した場合に、返信機2が車載機3から送信された電波を受信できる領域である第2の受信領域である。Bパターンでは、車両の右側前方と左側後方の磁界強度が大きくなり、車両の右側後方と左側前方の磁界強度が相対的に小さくなるため、車両の右側前方と左側後方の受信領域が、車両の右側後方と左側前方の受信領域よりも大きくなる。
これらのことから分かるように、車両5が前進走行中であるときに車載機3がAパターンとBパターンを交互に繰り返すと、車両5の左前方から車両5に向かって進行してくる自転車4は、先にAパターンの受信領域に入ることになる。また、その後も、Aパターンのときの受信強度のほうが、Bパターンのときの受信強度よりも大きくなる。
一方、車両5の右前方から車両5に向かって進行してくる自転車4は、先にBパターンの受信領域に入ることになる。また、その後も、Bパターンのときの受信強度のほうが、Aパターンのときの受信強度よりも大きくなる。このことから、図8にも示すように、Aパターンは左判定のパターンであり、Bパターンは右判定のパターンであるとしている。
なお、自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行しているとしても、Aパターンでは車両5の左側前方だけでなく、右前、右後、左後にも受信領域は形成され、Bパターンでは車両5の右側前方だけでなく、左前、左後、右後にも受信領域は形成される。よって、これらのどこに自転車4が存在するかの絞り込み処理が必要になる。この点については後述する。
加えて、道路を走行中の車両5に対する自転車4の進行方向は、車両5の進行方向に対して平行とは限らない。交差点などでは、車両5に対して直交する方向に自転車4が進行していることもある。
そこで、車両5の進行方向に対して直交する方向に走行している自転車4を考える。車載機3が同じAパターンで電波を送信しても、自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行していると、自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行している場合とは、返信機2が受信可能なベクトル成分が異なる。
具体的には、自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行している場合、返信機2が車載機3から送信された電波を受信できる領域は、図9に示すような領域となる。
自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行している場合において、Aパターンで車載機3が電波を送信したときに、返信機2が車載機3から送信された電波を受信できる領域である第3の受信領域を図9(a)に示す。
自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行している場合は、受信アンテナ21のループ面は、車両5の進行方向に対して直交する。したがって、自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行している場合の受信領域は、Aパターンにより形成される磁界のうち、車両5の進行方向に平行な磁界成分を抽出したものとなる。図9(a)に示すように、第3の受信領域は、車両5の右側前方、右側方にも受信領域が形成される。
Aパターンでは、車両5の左側前方と右側後方の磁界強度が大きくなり、車両5の右側前方と左側後方の磁界強度が相対的に小さくなるにもかかわらず、第3の受信領域は、車両5の右側前方と左側後方の受信領域が、車両5の右側後方と左側前方の受信領域よりも大きくなる。
自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行している場合において、Bパターンで車載機3が電波を送信したときに、返信機2が車載機3から送信された電波を受信できる領域である第4の受信領域を図9(b)に示す。
Bパターンでは、車両5の右側前方と左側後方の磁界強度が大きくなり、車両5の右側後方と左側前方の磁界強度が相対的に小さくなるにもかかわらず、第4の受信領域は、車両5の右側後方と左側前方の受信領域が、車両5の左側後方と左側前方の受信領域よりも大きくなる。
自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行していても、位置推定部39は、誤って自転車4の位置を推定しないようにする必要がある。仮に、位置推定部39は、単純に、BパターンよりAパターンの方が、返信機2での受信強度が大きかった場合、自転車4が車両5の左側前方に存在すると推定すると、図9(a)の位置に示す自転車4を車両5の左側に位置していると判定してしまう。自転車4が図9(a)の位置に存在している場合にも、返信機2が受信する受信強度は、Aパターンのときの方が大きくなってしまうからである。
また、図9(b)の位置に示す自転車4を車両5の右側に位置していると判定してしまう。自転車4が図9(b)の位置に存在している場合にも、返信機2が受信する受信強度は、Bパターンのときの方が大きくなってしまうからである。
つまり、BパターンとAパターンで、返信機2での受信強度を比較するだけでは、位置推定部39は、自転車4が車両5の左側前方に存在するのか車両5の右側前方に存在するのか、または、自転車4が車両5の右側後方に存在するのか車両5の左側後方に存在するのかを判断することができない。
その他にも、AパターンとBパターンだけでは、自転車4が左側前方に存在しているのか、右側後方に存在しているかを区別できないなど、AパターンとBパターンだけでは、自転車4の位置を推定することは容易ではない。そこで、位置推定部39は、Aパターン、Bパターンに加えて、Cパターン、Dパターン、Eパターンも利用して自車に対する返信機2の位置を推定する。
図10は、自転車4が車両5の進行方向に対して平行に走行しているとした場合において、送信パターン、自転車4の位置、返信機2の受信強度の関係の代表例を示す図である。図10には、自転車の位置の例として12の位置を示している。
図10の見方を説明する。自転車4が車両5と平行に走行している場合、Aパターンで送信すると、受信領域は図8(a)に示す第1の受信領域になる。この第1の受信領域において、大きな受信領域が生じている方向である左前遠方および右後遠方に自転車4が存在している場合、返信機2は、受信強度「小」で電波を受信する。この方向において距離が近くなると、返信機2は受信強度「大」で電波を受信する。
なお、受信強度「小」は第1閾値以上、かつ、第1閾値よりも大きい第2閾値以下の受信強度を意味し、受信強度「大」は第2閾値よりも大きい受信強度を意味する。また、図10および図11において、「遠」は、受信領域の最大距離の1/2~受信領域の最大距離までを意味し、「近」は、車両5からの距離が0m~受信領域の最大距離の1/2までを意味する。ただし、最大距離の1/2は、厳密な意味ではなく、目安として用いている。
また、左前や右後に比べて相対的に小さな受信領域が生じている右前、左後に自転車4が位置している場合、車両5からの距離が近いときに、返信機2は受信強度「小」で電波を受信する。
Bパターンについては、Aパターンと左右が入れ替わるだけであるので、説明を省略する。Cパターンでは、車両5の後方に大きな受信領域が形成されている。したがって、自転車4が車両5の後方の遠い位置に位置している場合、方向が車両5の左後でも、また、車両5の右後でも、受信強度「小」で電波を受信する。また、自転車4の位置が車両5の後方において近い位置であると、受信強度「大」で電波を受信する。Cパターンでは車両5の前方にも、ある程度、受信領域が形成される、したがって、自転車4の位置が車両の前方の近い位置であれば、車両5に対する自転車4の方向が右でも左でも、返信機2は受信強度「小」で電波を受信する。
Dパターンでは車両5の右側方に大きな受信領域が形成される。したがって、自転車4が右側方に存在している場合、返信機2は、車両5からの距離が遠いと受信強度「小」で電波を受信し、車両5からの距離が近いと受信強度「大」で電波を受信する。また、Dパターンは、車両5の前後方向にも、車両5からの距離が近いところには、メインローブおよびサイドローブにより、受信領域が形成される。そのため、Dパターンでは、自転車4の位置が車両5の前の近い位置であるとき、および、車両5の後ろの近い位置であるときにも、返信機2は受信強度「小」で電波を受信する。Eパターンについては、Dパターンと左右が入れ替わるだけであるので、説明を省略する。
図11は、自転車4が車両5の進行方向に対して直交する方向に走行しているとした場合において、送信パターン、自転車4の位置、返信機2の受信強度の関係の代表例を示す図である。自転車4の位置の例として、図10と同じ12の位置を示している。
図11の見方は、図10と同じである。また、図10と同様、大きな受信領域が形成されている方向では、遠方の受信強度を「小」、近距離の受信強度を「大」としており、相対的に小さな受信領域が形成されている方向では近距離の受信強度を「小」としている。受信強度の「大」「小」を付与する考え方が図10と同じなので、詳細な説明は省略する。
図10、図11から分かるように、Aパターン、Bパターンだけでは、No.1~No.24において○印がついている組み合わせに同じ組み合わせが生じる。しかし、Aパターン~Eパターンまでを行うとNo.1~No.24において○印がついている組み合わせは全て異なる。つまり、よって、Aパターン~Eパターンまでの送信を行い、受信強度の有無、および、受信強度の大小を判定することで、返信機2の位置を絞り込むことができる。
なお、図10、図11は、説明の簡略化のために、自転車4の位置を12の位置とし、受信強度を「大」「小」2段階とした。しかし、受信強度を3段階以上に分ければ、自転車4の位置を、13よりも多い位置とすることもできる。つまり、受信強度をより詳細に判断することにより、自転車4の位置を、より詳細に判断することができる。加えて、次に説明する受信強度特定部40が特定した受信強度を用いることでも、自転車4の位置をより詳細に判断することができる。
請求項の車載機側受信強度特定部に相当する受信強度特定部40は、返信機2が備える図示しないUHF送信器からのUHF帯の電波を受信した際の受信強度を特定する。車載機3と返信機2との距離が遠くなるほど、この受信強度が低下することを利用して、位置推定部39は、AパターンからEパターンの送信を行って推定した返信機2の距離を、受信強度特定部40が特定した受信強度に基づいて補正する。
補正の方法は、たとえば、AパターンからEパターンの送信を行って推定した返信機2の距離と、受信強度特定部40が特定した受信強度から決定した距離とを平均する。あるいは、AパターンからEパターンの送信を行って推定した返信機2の距離を、受信強度特定部40が特定した受信強度から決定した距離に置き換えてもよい。
また、複数の送信パターンを行って得られた返信機2の位置の候補を、受信強度特定部40が特定した受信強度を用いて絞り込んでもよい。
<車載機3での位置推定関連処理>
続いて、車載機3での自車に対する返信機2の位置推定に関連する処理(以下、位置推定関連処理)について、図12のフローチャートを用いて説明を行う。図12のフローチャートは、例えばウィンカレバーといった自車の方向指示器を動作させるための操作部材が操作された場合に開始される構成とすればよい。これにより、自車の右左折時に、自車の進行方向周辺に返信機2を携帯した自転車が位置するか推定する。一例としては、ボデーECUから出力されるウィンカスイッチの信号が、ウィンカレバーが操作されたことを示す信号であったことをトリガに送信部31が処理を開始する構成とすればよい。
まず、ステップS1では、送信部31が、Aパターンで電波を送信させる。ステップS2では、受信アンテナ37及び受信回路38が、返信機2から返信されてくる返信信号を受信する。そして、返信信号を位置推定部39へ出力する。なお、車載機3から電波を送信してから一定時間内に返信機2からの返信がなかった場合には、返信機2からの返信なしとして、例えば受信強度0を示す信号を位置推定部39へ出力する構成とすればよい。以降についても同様である。
ステップS3では、Bパターンで電波を送信させる。ステップS4では、受信アンテナ37及び受信回路38が、返信機2から返信されてくる返信信号を受信する。
ステップS5では、Cパターン、すなわち、第1送信アンテナ30aのみから電波を送信させる。ステップS6では、受信アンテナ37及び受信回路38が、返信機2から返信されてくる返信信号を受信する。
ステップS7では、Dパターン、すなわち、第2送信アンテナ30bのみから電波を送信させる。ステップS8では、受信アンテナ37及び受信回路38が、返信機2から返信されてくる返信信号を受信する。
ステップS9では、Eパターン、すなわち、第3送信アンテナ30cのみから電波を送信させる。ステップS10では、受信アンテナ37及び受信回路38が、返信機2から返信されてくる返信信号を受信する。
ステップS11では、S2、S4、S6、S8、S10で受信した結果から、位置推定部39が自車に対する返信機2の位置を推定する。自車に対する返信機2の位置を推定した後は、自車に対する返信機2の位置をもとに、その返信機2が取り付けられている自転車4の自車に対する位置を表示装置や音声出力装置等の報知装置から報知させる構成とすればよい。なお、位置推定部39は、ウィンカスイッチの信号をもとに、自車が方向転換しようとする方向周辺に限った返信機2の位置を推定する構成としてもよい。例えば、自車が右折しようとする場合には、自車の右側前方に位置するか、右側後方に位置するか、いずれにも位置しないかを推定する構成とすればよい。また、自車が左折しようとする場合には、自車の左側前方に位置するか、左側後方に位置するか、いずれにも位置しないかを推定する構成とすればよい。
ステップS12では、位置推定関連処理の終了タイミングであった場合(S12でYES)には、位置推定関連処理を終了する。一方、位置推定関連処理の終了タイミングでなかった場合(S12でNO)には、S1に戻って処理を繰り返す。位置推定関連処理の終了タイミングとしては、ウィンカレバーが中立位置に戻ったとき等が挙げられる。
なお、図12のフローチャートでは、Aパターン、Bパターン、Cパターン、Dパターン、Eパターンの順で送信タイミングをずらして電波を送信させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。送信パターンの順序は、図12の並び順以外であっても構わない。また、位置推定関連処理は、自車が走行を開始したときに開始し、自車が停車したときに終了する構成としてもよいし、自車の車速が0よりも大きい所定値以上となったときに開始し、自車の車速がこの所定値未満となったときに終了する構成としてもよい。
<実施形態1のまとめ>
第1実施形態によれば、送信部31は、複数の送信アンテナ30のうち、アンテナコイルのループ面の法線方向が直交する一対の送信アンテナ30a、30cから同時に電波を送信させる第1の送信を行う。
一対の送信アンテナ30a、30cから同時に電波を送信させることで、図5、6に示すように、一対の送信アンテナ30a、30cのそれぞれから送信される電波により生じる磁界が合成される。その結果、一対の送信アンテナ30a、30cのうちの一方から送信したときと比較して偏りが大きい指向性が生じる。
また、送信部31は、第2の送信も行う。第2の送信は、1つの送信アンテナ30のみから電波を送信させる。第2の送信では、図7に示すように、水平面内の指向性が円形に電波が送信される。よって、第1の送信により生じる磁界と、第2の送信により生じる磁界とは、異なった磁界となる。
よって、送信アンテナ30の出力を大きくして電波の届く範囲を長距離化した場合でも、第1の送信と第2の送信とでは、自車周辺における磁界強度の分布のパターンに違いを生じさせることができる。
従って、第1の送信と第2の送信は、自車に対する返信機2の位置に応じて、返信機2で電波を受信する受信強度が異なったり、返信機2での電波の受信有無が異なったりするようにできる。これにより、送信部31で順次送信させた電波に対して返信機2から返信される信号も、自車に対する返信機2の位置に応じたものとすることが可能になり、自車に対する返信機2の位置を推定することも可能になる。
その結果、車載機3と返信機2との間で送受信する電波を利用して車外に位置する返信機2の車両に対する位置を推定することを、位置推定の長距離化を可能にしつつも、より精度よく行うことが可能になる。
(実施形態2)
図10、図11を用いて説明したように、返信機2が受信した受信強度をもとにして、返信機2の位置を推定することができる。よって、車載機3が備える受信強度特定部40により特定した受信強度による位置補正を省略してもよい。
(実施形態3)
実施形態1では、自車の電子キーシステムにおいてLF帯の電波にてリクエスト信号を送信するのに用いる送信アンテナを流用して用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車の電子キーシステムで用いるのとは別の送信アンテナを用いる構成としてもよい。この場合、車載機3から返信機2に送信する電波は、LF帯以外の周波数の電波としてもよく、返信機2から車載機3に信号を送信するのに用いる電波は、UHF帯以外の周波数の電波としてもよい。
(実施形態4)
送信アンテナ30を、車両5の前面に備えてもよい。
(実施形態5)
同位相および逆位相以外の位相差を生じさせて一対の送信アンテナ30から同時に電波を送信してもよい。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 位置推定システム、2 返信機、3 車載機、21 受信アンテナ、22 受信回路、23 受信強度特定部、24 制御部、25 送信回路(返信部)、26 送信アンテナ(返信部)、30a 第1送信アンテナ(送信アンテナ)、30b 第2送信アンテナ(送信アンテナ)、30c 第3送信アンテナ(送信アンテナ)、31 送信部、32a 第1送信回路、32b 第2送信回路、32c 第3送信回路、33 発振器、34 位相可変器、35 位相制御部、36 出力制御部、37 受信アンテナ、38 受信回路、39 位置推定部、40 車載機側受信強度特定部。

Claims (6)

  1. 車両で用いられ、アンテナコイルを備えて所定の周波数の電波を送信する送信アンテナ(30a、30b、30c)を複数備える車載機(3)と、
    前記車両の外部で用いられ、前記送信アンテナから送信される電波を受信した場合に返信信号を前記車載機に返信する返信部(25,26)を備える返信機(2)とを含み、
    複数の前記送信アンテナに、前記送信アンテナがそれぞれ備える前記アンテナコイルのループ面の法線方向が、お互いに交差するように配置される少なくとも一対の前記送信アンテナがあり、
    前記車載機は、
    一対の前記送信アンテナから同時に電波を送信させる第1の送信を行うことに加えて、一つの前記送信アンテナのみから電波を送信させる第2の送信を行う送信部(31)と、
    前記送信部で順次送信させた電波に対して前記返信機から返信される前記返信信号をもとに、前記車両に対する前記返信機の位置を推定する位置推定部(39)とを備える位置推定システムであって、
    前記返信機は、
    前記送信アンテナから送信された電波を受信した際の受信強度を特定する返信機側受信強度特定部(23)を備え、
    前記返信部は、前記返信機側受信強度特定部で特定した受信強度を含む前記返信信号を返信し、
    前記位置推定部は、前記送信部で順次送信させた電波に対して前記返信機から順次返信される前記受信強度の大きさ、前記返信機が受信した電波は前記送信部が前記第1の送信および前記第2の送信のいずれで送信したか、前記第1の送信での前記受信強度と距離との関係、および、前記第2の送信での前記受信強度と距離との関係に基づいて、前記車両に対する前記返信機の位置を推定する位置推定システム。
  2. 複数の前記送信アンテナとして、前記車両の前面、後面、左側面、および右側面である周面において、互いに異なる前記周面に配置されている前記送信アンテナを備え、
    前記送信部は、前記第2の送信として、互いに異なる前記周面に配置されている前記送信アンテナをそれぞれ単独で用いて電波を送信させる請求項1に記載の位置推定システム。
  3. 前記送信部は、前記第1の送信を、互いに異なる位相差で複数回行う請求項1または2に記載の位置推定システム。
  4. 前記位相差として、同位相および逆位相を含む請求項3に記載の位置推定システム。
  5. 前記位置推定部は、前記送信部で順次送信させた電波に対して前記返信機から前記返信信号が返信されたか否か、および、前記返信信号の大きさをもとに、前記車両に対する前記返信機の位置を推定する請求項1~4のいずれか1項に記載の位置推定システム。
  6. 前記車載機は、前記返信機から前記返信信号の受信強度を特定する車載機側受信強度特定部(40)を備え、
    前記位置推定部は、前記車載機側受信強度特定部が特定した前記返信信号の受信強度も用いて、前記車両に対する前記返信機の位置を推定する請求項に記載の位置推定システム。
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