JP6994831B2 - 自動操舵システム - Google Patents

自動操舵システム Download PDF

Info

Publication number
JP6994831B2
JP6994831B2 JP2017010692A JP2017010692A JP6994831B2 JP 6994831 B2 JP6994831 B2 JP 6994831B2 JP 2017010692 A JP2017010692 A JP 2017010692A JP 2017010692 A JP2017010692 A JP 2017010692A JP 6994831 B2 JP6994831 B2 JP 6994831B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reference position
reverse
travel
work
steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017010692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018120364A (ja
Inventor
和央 阪口
友彦 佐野
脩 吉田
鉄弥 仲島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2017010692A priority Critical patent/JP6994831B2/ja
Priority to PCT/JP2017/046475 priority patent/WO2018139143A1/ja
Priority to CN201780070541.3A priority patent/CN109936976A/zh
Priority to KR1020197012836A priority patent/KR102539520B1/ko
Publication of JP2018120364A publication Critical patent/JP2018120364A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6994831B2 publication Critical patent/JP6994831B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Guiding Agricultural Machines (AREA)
  • Harvester Elements (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Description

本発明は、作業地を走行経路に沿って自動走行する作業車の自動操舵システムに関する。
自動走行する作業車では、算出された自車位置と目標となる走行経路との偏差が求められ、この偏差をなくすように制御量が求められ、この制御量に基づいて出力された操舵信号により操舵機構が制御される。例えば、特許文献1に開示された作業車は、自車位置を算定する自車位置算定部と、目標走行経路に対する自車位置との間の位置偏差を演算する位置偏差演算部と、位置偏差に基づいて出力される偏差解消の操舵値に基づいて目標走行経路に沿って走行するための目標操舵値を出力する目標操舵演算部と、目標操舵値から生成された操舵駆動信号に基づいて操向輪の操舵を行う操舵駆動部とを備えている。これにより、作業車は、設定された目標走行経路に沿うように自動操舵され、自動走行での作業が実現する。
特開2008-131880号公報
特許文献1による作業車では、作業車中心と目標走行経路との間隔が位置偏差として求められており、この作業車の自動操舵走行制御は、作業車中心が目標走行経路上にくるように操向輪を操舵する。このため、作業車における作業部位置が作業車中心から離れて車体の前部または車体の後部に偏っている場合、位置偏差の修正過程においては、作業車中心が目標走行経路上に位置していても作業部位置がかならずしも走行経路上に位置しないため、作業性が低下することがある。これを避けるために、位置偏差を求める際の作業車の基準位置を作業部位置の近くに設定することが考えられる。例えば、車体前部に刈取部を装備した収穫機のように、作業部位置が車体の前部に位置する場合、車体前部に作業車の基準位置を設定することが考えられる。しかしながら、このような構成であると、前進の場合には、良好な効果が得られるが、後進の場合には、位置偏差の修正過程において作業車の後部が大きく振れるという逆効果が生じてしまう。
このような実情から、後進走行でも前進走行でも、精度の良い自動操舵が可能な自動操舵システムが要望されている。
本発明による、作業地を走行経路に沿って自動走行する作業車の自動操舵システムは、衛星からの衛星情報に基づいて位置情報を出力する衛星測位モジュールと、前進走行における前記作業車の操舵制御の基準位置となる前進基準位置を前記位置情報に基づいて算出する前進基準位置算出部と、後進走行における前記作業車の操舵制御の基準位置となる後進基準位置を前記位置情報に基づいて算出する後進基準位置算出部と、前進走行時に前記走行経路と前記前進基準位置との偏差に基づいて算出された前進用操舵制御信号を出力するとともに、後進走行時に前記走行経路と前記後進基準位置との偏差に基づいて算出された後進用操舵制御信号を出力する操舵制御部と、前記前進用操舵制御信号及び前記後進用操舵制御信号に基づいて前記作業車の操舵を行う操舵機構とを備え、前記前進基準位置は車体前部に設定されており、前記後進基準位置は車体後部に設定されており、前記前進基準位置及び前記後進基準位置が、前記作業車の左右中央を前後方向に延びる前後方向線上に設定されており、前記作業車の車体の中心に位置する旋回中心点は、前記前後方向線上に位置しており、前記前進基準位置と前記旋回中心点との間の距離は、前記後進基準位置と前記旋回中心点との間の距離に等しい
この構成によれば、走行経路に対する作業車の偏差(位置ずれ)を求める際に用いられる作業車の基準位置が、前進走行時と後進走行時で異なっている。つまり、前進走行では、前進基準位置が操舵制御の基準位置として算出され、後進走行では、後進基準位置が操舵制御の基準位置として算出される。つまり、前進走行での操舵制御では、偏差の算出時に用いる基準値として、前進走行での操舵制御に適するように車体前部に設定された前進基準位置が用いられる。同様に、後進走行での操舵制御では、偏差の算出時に用いる基準値として、後進走行での操舵制御に適するように車体後部に設定された後進基準位置が用いられる。これにより、後進走行でも前進走行でも、精度の良い自動操舵が可能な自動操舵システムが実現する。
また、この構成により、前進走行と後進走行とのいずれにおいても、走行経路から位置ずれした作業車が走行経路に戻るための操舵制御の過程で、作業車の左右の側端のいずれかが走行経路から振れてしまうことを、回避することができる。
圃場で作業走行を行う作業車の1つに、車体前部に刈取部を装備するとともに車体後部に収穫物タンクを備えた収穫機がある。前進走行しながら圃場から米や小麦などの農作物を刈取り収穫するため、前進走行において走行経路に刈取部を迅速かつ正確に合わせていくことが重要である。このためには、前進基準位置は刈取部の近くに設定した方が有利となる。また、収穫機の圃場での作業走行においては、後進を用いた切り返し旋回走行(90°旋回走行または180°旋回走行)が多用される。さらに、収穫機は、車体後部に収穫物タンクを備えているため、収穫機の全長が長く、かつ車体後部の幅も広くなっている。このため、後進走行において車体を走行経路に合わせていく際に、車体後部が走行経路から振れる量を小さくすることが重要である。つまり、後進基準位置は車体後部の近くに設定した方が有利となる。したがって、前記作業車が、前記車体前部に刈取部を装備するとともに前記車体後部に収穫物タンクを備えた収穫機の場合に、本発明の構成を備えていると特に好適である。
収穫機では、刈取部の状態を監視しやすいように、刈取部の真後ろに運転部が設置されている。運転部は、運転部からの見通しが良いように構成されているので、キャビンも含めての運転部の周辺が、衛星電波の受信感度がよい場所となる。また、衛星測位モジュールからの位置情報に含まれる座標位置(経緯度値)は、アンテナの位置の地図上の座標位置を示すものであるので、この座標位置を前進基準位置として用いる場合には、アンテナの位置は前進基準位置と同じ方が好都合である。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記衛星測位モジュールのアンテナが前記車体前部に配置されている。さらに、本発明の好適な実施形態の1つとして、前記前進基準位置算出部は、前記衛星測位モジュールが出力する前記位置情報が示す座標位置を前記前進基準位置として算出するように構成すれば、位置情報が示す座標位置がそのまま前進基準位置として利用できるので、好都合である。
作業車の実施形態の1つである収穫機の圃場における作業走行を模式的に示す説明図である。 収穫機の側面図である。 収穫機の制御系を示す機能ブロック図である。 前進基準位置と後進基準位置とを説明する説明図である。 前進走行時の走行経路からの位置ずれを修正する操舵制御を説明する説明図である。 後進走行時の走行経路からの位置ずれを修正する操舵制御を説明する説明図である。 90°の切り返し旋回走行を示す模式図である。 180°の切り返し旋回走行を示す模式図である。 90°の切り返し旋回走行における刈取部の昇降制御を説明する説明図である。 90°の切り返し旋回走行における刈取部の昇降制御を説明する説明図である。
以下、図面を用いて、作業地を走行経路に沿って自動走行する作業車の自動操舵システムの実施形態を説明する。この実施形態では、作業地は小麦などを作付けしている圃場であり、作業車は、走行しながら農作物を収穫する収穫機1である。この収穫機1は、図1に示すように、一般に普通型コンバインと呼ばれている機種である。圃場における収穫作業では、収穫機1が畦と呼ばれる圃場の境界線に沿って作業を行いながら周回走行した領域が外周領域SAとして設定される。外周領域SAの内側は中央領域CAとして設定される。外周領域SAは、収穫機1が収穫物の排出や燃料補給のための移動用スペース及び方向転換用スペース等として利用される。外周領域SAの確保のため、収穫機1は、最初の作業走行として、圃場の境界線に沿って3~4周の周回走行を行う。中央領域に対する作業走行に関しては、中央領域の外周形状の一辺に平行な直線経路と90°旋回経路(図7参照)とからなる渦巻き状走行経路や、多角形の一辺に平行な直線経路と180°旋回経路(図8参照)とからなる直線往復経路が生成され、当該走行経路に沿った自動作業走行が行われる。
収穫機1は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)で用いられる人工衛星GSからの衛星情報であるGPS信号に基づいて測位データを含む衛星情報を出力する衛星測位モジュール7を備えており、収穫機1は、測位データから、収穫機1の特定箇所の位置座標を基準位置として算出する機能を有する。収穫機1は、算出された基準位置を走行経路に合わせるように自動操舵機能を有している。
図2を用いて、収穫機1の概要を説明する。図2で矢印とともに示された英字「F」は、収穫機1の前方向を示しており、英字「B」は、収穫機1の後方向を示している。矢印の方向は、収穫機1に関する前後方向を示している。
この収穫機1は、走行装置11によって支持されている車体10を備えている。この実施形態では、走行装置11は、左右一対のクローラ機構から構成され、左のクローラ機構のクローラ速度と右のクローラ機構のクローラ速度とを調整することにより収穫機の操舵が行われる。したがって、左右一対のクローラ機構は、本発明の『操舵機構』に相当する。車体10の前領域である車体前部には、運転部12が配置されている。運転部12の後方から、車体10の後領域である車体後部にかけて、脱穀装置13及び収穫物を貯留する収穫物タンク14が、左右方向(収穫機1の平面視における前後方向に直交する方向)に並んで配置されている。さらに、車体前部で、運転部12の前方に、刈取部15が昇降可能に配置されている。刈取部15の上方には、穀稈を起こすリール17が設けられている。刈取部15と脱穀装置13との間には刈取穀稈を搬送する搬送装置16、収穫物タンク14から収穫物を排出する排出装置18が設けられている。運転部12は、キャビンで区画されており、キャビンにおける機体中央側の前端上部に衛星測位モジュール7のアンテナ7aが設けられている。なお、衛星航法を補完するために、衛星測位モジュール7に、ジャイロ加速度センサや磁気方位センサを組み込んだ慣性航法モジュールを組み合わせることも可能である。
図3には、この収穫機1に構築されている制御系が示されている。制御系は、入力した信号(データ)を処理して、新たに生成された信号(データ)を出力する制御ユニットCUと、データの入力機器群やデータの出力機器群からなる周辺機器群と、に分けて示されている。実際の制御ユニットCUは、複数のECUから構成されるが、ここでは、説明を簡単にするため、1つのコンピュータシステムとして示されている。
制御ユニットCUには、作業走行を行うために、種々の機能がソフトウエアまたはハードウエアあるいはその両方で構築されている。制御ユニットCUは、入出力インタフェースとして、入力信号処理部80、出力信号処理部90、通信処理部60が備えられている。
入力信号処理部80は、走行状態検出センサ群81、作業系検出センサ群82、自動/手動切替操作具83などと接続している。走行状態検出センサ群81には、エンジン回転数や変速状態などの走行状態を検出するセンサが含まれている。作業系検出センサ群82には、刈取部15の昇降高さを検出するセンサや収穫物タンク14の貯留量を検出するセンサなどが含まれている。自動/手動切替操作具83は、自動操舵で走行する自動走行モードと手動操舵で走行する手動走行モードとのいずれかを選択するスイッチである。
出力信号処理部90は、収穫機1に装備されている車両走行機器群91、作業装置機器群92、報知デバイス群93などと接続されている。車両走行機器群91には、左右のクローラ機構の速度を調整して操舵を行う操舵機器をはじめ、図示されていないが変速機構やエンジンユニットなどの動作を制御ユニットCUからの制御信号を通じて制御する機器が含まれている。作業装置機器群92には、刈取部15、脱穀装置13、搬送装置16、排出装置18などの動作を制御ユニットCUからの制御信号に基づいて制御する機器が含まれている。報知デバイス群93には、ランプやブザーやスピーカが含まれている。
通信処理部60は、外部のデータ処理装置で処理されたデータを受け取るとともに、制御ユニットCUで処理されたデータを外部のデータ処理装置に送信する機能を有する。この実施形態では、グラフィック・ユーザ・インターフェイスを備えた汎用端末VTが、通信処理部60を介して、あるいは直接車載LANを介して制御ユニットCUと接続される。汎用端末VTはタッチパネルを装備したタブレット型コンピュータであり、タッチパネルに、圃場の外形、走行済の走行経路(走行軌跡)やこれから走行すべき走行経路、搭乗者への警告情報など、種々の報知情報を表示する。また、制御ユニットCUに対する種々の操作指令やデータを送ることもできる。さらに、通信処理部60は、ここでは図示されていない遠隔地の管理コンピュータとの間でのデータ交換を行うためにも用いられるので、種々の通信フォーマットを取り扱う機能を有する。
制御ユニットCUには、自動走行に関するデータを取り扱う自動走行系機能部と、操舵制御のための演算処理を行う操舵演算系機能部と、制御信号を出力するための制御データを生成する制御系機能部とが構築されている。
自動走行系機能部には、自車位置算出部70、走行経路生成部61、走行経路設定部62が含まれている。自車位置算出部70は、衛星測位モジュール7から出力される測位データに基づいて、収穫機1の機***置(自車位置)を算出する。この機***置は、基本的には、衛星測位モジュール7のアンテナ7aの座標位置(緯度と経度)である。走行経路生成部61は、作業対象となる圃場の地形などを含む圃場情報を参照し、予めインストールされている走行経路生成プログラムを用いて走行経路を生成する。走行経路設定部62は、走行経路生成部61によって生成された走行経路を自動走行の目標となる走行経路と用いられるように、この走行経路を、読み出し可能にメモリに展開する。なお、走行経路生成部61は、管理コンピュータや汎用端末VTなどに構築して、そこで生成された走行経路を制御ユニットCUに入力するような構成を採用してもよい。
操舵演算系機能部には、前進基準位置算出部71、後進基準位置算出部72、前後進判定部73、偏差算出部74が含まれている。前進基準位置算出部71は、前進走行における操舵制御の基準位置となる前進基準位置を機***置に基づいて算出する。上述したように、機***置は、衛星測位モジュール7からの位置情報に基づいて自車位置算出部70よって算出される。後進基準位置算出部72は、後進走行における操舵制御の基準位置となる後進基準位置を機***置に基づいて算出する。
図4に示すように、この実施形態では、衛星測位モジュール7のアンテナ7aのほぼ真下に前進基準位置FPが設定されている。したがって、自車位置算出部70で算出される車***置(図4では、大きな白丸と符号VPで示されている)と、前進基準位置FPが実質的に同じ位置となっているので、前進基準位置算出部71は、車***置を前進基準位置FPとして、または車***置にわずかな補正値を加えて前進基準位置FPとして算出することができる。後進基準位置RPは、車体10の後部に設定されている。
図4において、符号CPで示されている点は、旋回するための操舵量によって規定される旋回基準経路LSを通る点であり、ここでは、旋回基準点CP(本発明に係る「旋回中心点」に相当)と称する。この旋回基準点CPは、ほぼ車体10の中心に設定されている。図4に示されているように、この実施形態では、前進基準位置FPと旋回基準点CPと後進基準位置RPとは、収穫機1の左右中央を前後方向に延びる前後方向線である車体基準線VL上に位置している。また、前進基準位置FPと旋回基準点CPとの間の距離は、後進基準位置RPと旋回基準点CPとの間の距離と実質的に同一に設定されている。
前後進判定部73は、走行状態検出センサ群81からの検出信号に基づいて、収穫機1が前進走行状態であるか、後進走行状態であるかを判定する。
偏差算出部74は、前後進判定部73によって前進走行状態が検出されている場合、つまり前進走行時には、走行経路と前進基準位置FPとの偏差を算出し、前後進判定部73によって後進走行状態が検出されている場合、つまり後進走行時には、走行経路と後進基準位置RPとの偏差を算出する。
制御系機能部には、操舵制御部64、走行制御部65、作業制御部66、報知制御部63が含まれている。
操舵制御部64は、自動走行(自動操舵)モードまたは手動走行(手動操舵)モードのいずれかで車両走行機器群91に含まれている機器を制御する。手動走行モードでは、操舵制御部64は、運転者による操作に基づいて走行装置11の左右の一対のクローラ機構に速度差を作り出するように車両走行機器群91を制御する。自動走行制御モードでは、操舵制御部64は、偏差算出部74によって算出された偏差に基づいて、走行装置11の左右のクローラ機構に速度差を作り出するように車両走行機器群91を制御する。
自動操舵制御では、操舵演算系機能部と制御系機能部とが連係し、前進走行時には、偏差算出部74によって算出された偏差に基づいて算出された前進用操舵制御信号が車両走行機器群91に与えられる。また、後進走行時には、偏差算出部74によって算出された偏差に基づいて算出された後進用操舵制御信号が車両走行機器群91に与えられる。
走行制御部65は、手動走行モードでは運転者による手動操作に基づいて決定される車速が実現するように、自動走行モードでは予め設定された車速が実現するように、車両走行機器群91を制御する。この実施形態では、走行装置11は操舵機構であるので、走行制御部65と操舵制御部64とは、互いに連係されている。操舵制御部64は、走行制御部65に組み込まれてもよい。走行制御部65は、さらに、エンジン回転数制御信号やその他の走行に関する制御信号を車両走行機器群91に与える機能も有する。
作業制御部66は、収穫機1を構成する刈取部15、脱穀装置13、排出装置18などに設けられている動作機器の動きを制御するために、作業装置機器群92に制御信号を与える。作業制御部66も、手動走行モードでは運転者による操作に基づいて、自動走行モードでは設定されているプログラムに基づいて作業装置機器群92に制御信号を与える。
報知制御部63は、報知デバイス群93を通じて運転者や監視者に必要な情報(視覚情報や聴覚情報)を報知するための報知信号を生成する。例えば、報知制御部63は、収穫物タンク14の満杯が検出されると、キャビンに備えられた作業灯931(図2参照)を所定パターンで点滅させるとともに、ブザーから所定パターンで間欠音を鳴す。これにより、監視者は、収穫機1が収穫物タンク14の満杯のために自動的に走行経路を離れて、収穫物排出点に移動することを知る。収穫機1が収穫物の排出のために走行経路を離脱し、刈取部15の駆動クラッチが遮断されると、上述した収穫物タンク14の満杯検出に伴う報知が停止される。あるいは、収穫機1が収穫物排出点に移動するまで、満杯検出に伴う報知を続けてもよい。なお、収穫物タンク14の満杯検出に伴う報知は、作業灯931の点滅だけでもよいし、ブザーの発音だけでもよい。
次に、図5と図6とを用いて、収穫機1の前進走行時(図5)における走行経路からの位置ずれ、及び、後進走行時(図6)における走行経路からの位置ずれを修正する自動操舵制御の流れを説明する。図5に示す前進走行時では、上述したように、収穫機1の走行経路からの位置ずれ距離を表す偏差は、前進基準位置FPと自動走行の目標となっている走行経路との間の最短距離、つまりここでは前進基準位置FPから走行経路に下した垂線の距離として算出される。この偏差を低減するための操舵量が算出され、その操舵量に基づいて決定される旋回基準経路LS(図5と図6では二点鎖線で示されている)で収穫機1が前進しながら位置ずれ修正を行う。その際、車体10のほぼ中心に設定された旋回基準点CPが、旋回基準経路LSの上を移動する。
図6に示す後進走行時では、上述したように、収穫機1の走行経路からの位置ずれ距離を表す偏差は、後進基準位置RPと自動走行の目標となっている走行経路との間の最短距離、つまりここでは後進基準位置RPから走行経路に下した垂線の距離として算出される。この偏差を低減するための操舵量が算出され、その操舵量に基づいて決定される旋回基準経路LSで収穫機1が後進しながら位置ずれ修正を行う。その際、車体10のほぼ中心に設定された旋回基準点CPが、旋回基準経路LSの上を移動する。前進基準位置FPと旋回基準点CPとの間の距離と、後進基準位置RPと旋回基準点CPとの間の距離とは、同じに設定されているので、前進走行時の位置ずれ修正走行と後進走行時の位置ずれ修正走行は、図5と図6とから明らかなように、同じ位置ずれ修正軌跡を描くことになる。
なお、この収穫機1における後進走行は、例えば、直線状の走行経路から直線状の走行経路に移行する際に用いられる後進を用いた切り返し旋回走行において発生する。図7では、渦巻き走行での経路移行に用いられる90°の切り返し旋回走行が示されている。この切り返し旋回走行では、その経路は、移行元走行経路L1から、前進走行経路ML1、後進走行経路ML2、前進走行経路ML3を経て、移行先走行経路L2に至る。図8では直線往復走行での経路移行で用いられる180°の切り返し旋回走行が示されている。この切り返し旋回走行でも同様に、その経路は、移行元走行経路L1から、前進走行経路ML4、後進走行経路ML5、前進走行経路ML6を経て、移行先走行経路L2に至る。収穫機1が後進走行となる、後進走行経路ML2及び後進走行経路ML5において、上述した自動操舵制御が有効に機能する。収穫機1の後進走行は、収穫物タンク14が満杯になって、収穫機1が自動的に走行経路を離脱して収穫物排出点に位置合わせする排出走行時や、収穫物排出点から自動的に最適な次の走行経路に移動する復帰走行時などにも行われる、
次に、図9と図10とを用いて、90°の切り返し旋回走行における刈取部15の昇降制御を説明する。上述したように、90°の切り返し旋回走行は、移行元走行経路L1からこの移行元走行経路L1に対して直角な方向に延びている移行先走行経路L2への移行走行である。図9は、移行元走行経路L1から切り返し旋回走行に進入する前の状態を示している。図10は、切り返し旋回走行の最後の直線状の走行で、移行先走行経路L2に進入する前の状態を示している。図9の状態で、収穫機1の刈取部15が移行元走行経路L1を抜けると、刈取り作業を行う必要がないので、作業制御部66は刈取部15を作業位置(図10ではH1で示されている)から、畦などへの突っ込みを回避できる程度に十分に高い上昇位置(図10ではH3の高さで示されている)まで上昇させる。そして、切り返し旋回走行を終えて移行先走行経路L2に進入する前に、作業制御部66は、刈取り作業が可能なように刈取部15を作業位置まで下降させる。
しかしながら、図10に示されているように、収穫機1は、移行先走行経路L2に進入する手前で、移行元走行経路L1を走行した際に走行装置11(左右一対のクローラ機構)が作り出している轍を踏むことになる。この轍には、圃場面から盛り上がっている箇所があるので、刈取部15が作業位置であると、刈取部15の先端がその轍の盛り上がりに突っ込んでしまう可能性がある。その一方で、これを避けるために、轍を通過するまでは刈取部15を、上昇位置まで上昇させたままであると、移行先走行経路L2の直前で行われる作業位置への下降が不十分なまま、移行先走行経路L2に進入し、刈取部15の不都合な高さ位置での刈取りが行われてしまう。このため、作業制御部66は、上昇位置と作業位置との間に中間上昇位置(図10ではH2の高さで示されている)を刈取部15の昇降制御位置として設定している。そして、作業制御部66は、轍に進入する前に刈取部15を上昇位置から、一旦、中間上昇位置まで下降させ、刈取部15の先端が轍を通過した後、刈取部15を作業位置に下降させる。これにより、90°の切り返し旋回走行における不都合が解消する。このような轍の問題は、90°の切り返し旋回走行以外の旋回走行でも起こり得るので、そのような場合にも、この刈取部15の昇降制御を行っても良い。
なお、図10において、上昇位置と中間上昇位置との間に刈取りクラッチの遮断と接続とのクラッチしきい値(図10ではTHの高さで示されている)が設定されている。つまり、刈取部15がクラッチしきい値を超えて上昇すると、刈取りクラッチが遮断され、刈取部15の駆動(カッタなど)が停止し、刈取部15がクラッチしきい値以下に下降すると、刈取りクラッチが接続され、刈取部15の駆動(カッタなど)が再開する。なお、脱穀装置関係の駆動系は、自動走行の続行中はONとなるが、走行経路を離脱して、収穫物排出や燃料補給のために他の場所に移動する際には、OFFとなる。
汎用端末VTを取り外し可能に構成した場合、取り外した汎用端末VTを他の収穫機1はもちろん、田植機やトラクタにも持ち込んで、それらの制御系と接続することができる。これにより、汎用端末VTは、田植機、トラクタ、収穫機1などの農作業機の制御系の一部として共通に使用することができ、汎用端末VTに、各種農作業機によって圃場で実施された作業情報を蓄積していくことができる。その結果、当該圃場に対する農作業の計画時に、各種農作業機の作業情報を利用することが可能となる。例えば、田植機に接続された際に蓄積された作業情報から、田植機によって行われた苗植付け作業での植付け条方向を読み出すことができ、この植付け条方向と収穫機1の刈取り方向とを一致させることで、より効率的な刈取り作業が可能となる。このため、走行経路生成部61などの機能を、汎用端末VTに構築することも好適な実施形態の1つである。また、このような汎用端末VTの利用を行っていない場合でも、収穫機1は、外部のコンピュータ等も蓄積されている作業情報から通信やUSBメモリを介して取得された苗植付け作業での植付け条方向を参照して、植付け条方向と収穫機1の刈取り方向とを一致させることも可能である。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、衛星測位モジュール7のアンテナ7aのほぼ真下に前進基準位置FPを設定し、自車位置算出部70で算出された機***置(自車位置とも呼ばれる)をそのまま前進基準位置FPとしていた。これに代えて、前進基準位置FPを機***置からずらせて、機***置から補正して前進基準位置FPを算出するようにしてもよい。
(2)上述した実施形態では、前進基準位置FPと旋回基準点CPとの間の距離は、後進基準位置RPと旋回基準点CPとの間の距離と実質的に同じに設定されていた。これに代えて、前進基準位置FPと旋回基準点CPとの間の距離と、後進基準位置RPと旋回基準点CPとの間の距離とを相違させてもよい。
(3)上述した実施形態では、走行装置11としてクローラ機構が採用されている作業車に本発明による自動操舵システムを適用させていた。これに代えて、走行装置11として車輪走行機構を採用した作業車や、車輪とクローラとを組み合わせた走行機構を採用した作業車に本発明による自動操舵システムを適用させてもよい。
(4)図3で示された機能ブロック図における各機能部の区分けは、説明を分かりやすくするための一例であり、種々の機能部を統合したり、単一の機能部を複数に分割したりすることは自由である。
本発明は、走行経路に沿って作業走行する自動走行作業車に本発明の操舵システムは適用可能であり、普通型コンバイン以外の自動走行作業車、例えば、自脱型コンバインや、その他の農作業車(トラクタ、田植機等)、あるいは、建設機械などにも、適用可能である。
1 :収穫機(作業車)
7 :衛星測位モジュール
7a :アンテナ
10 :車体
11 :走行装置(操舵機構)
15 :刈取部
62 :走行経路設定部
63 :報知制御部
64 :操舵制御部
65 :走行制御部
66 :作業制御部
70 :自車位置算出部
71 :前進基準位置算出部
72 :後進基準位置算出部
73 :前後進判定部
74 :偏差算出部
81 :走行状態検出センサ群
82 :作業系検出センサ群
91 :車両走行機器群(操舵機器を含む)
CP :旋回基準点(旋回中心点)
FP :前進基準位置
LS :旋回基準経路
RP :後進基準位置
VL :車体基準線(前後方向線)

Claims (4)

  1. 作業地を走行経路に沿って自動走行する作業車の自動操舵システムであって、
    衛星からの衛星情報に基づいて位置情報を出力する衛星測位モジュールと、
    前進走行における前記作業車の操舵制御の基準位置となる前進基準位置を前記位置情報に基づいて算出する前進基準位置算出部と、
    後進走行における前記作業車の操舵制御の基準位置となる後進基準位置を前記位置情報に基づいて算出する後進基準位置算出部と、
    前進走行時に前記走行経路と前記前進基準位置との偏差に基づいて算出された前進用操舵制御信号を出力するとともに、後進走行時に前記走行経路と前記後進基準位置との偏差に基づいて算出された後進用操舵制御信号を出力する操舵制御部と、
    前記前進用操舵制御信号及び前記後進用操舵制御信号に基づいて前記作業車の操舵を行う操舵機構と、を備え、
    前記前進基準位置は車体前部に設定されており、前記後進基準位置は車体後部に設定されており、
    前記前進基準位置及び前記後進基準位置が、前記作業車の左右中央を前後方向に延びる前後方向線上に設定されており、
    前記作業車の車体の中心に位置する旋回中心点は、前記前後方向線上に位置しており、
    前記前進基準位置と前記旋回中心点との間の距離は、前記後進基準位置と前記旋回中心点との間の距離に等しい自動操舵システム。
  2. 前記作業車は、前記車体前部に刈取部を装備するとともに前記車体後部に収穫物タンクを備えた収穫機である請求項1に記載の自動操舵システム。
  3. 前記衛星測位モジュールのアンテナが前記車体前部に配置されている請求項に記載の自動操舵システム。
  4. 前記前進基準位置算出部は、前記衛星測位モジュールが出力する前記位置情報が示す座標位置を前記前進基準位置として算出する請求項1からのいずれか一項に記載の自動操舵システム。
JP2017010692A 2017-01-24 2017-01-24 自動操舵システム Active JP6994831B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017010692A JP6994831B2 (ja) 2017-01-24 2017-01-24 自動操舵システム
PCT/JP2017/046475 WO2018139143A1 (ja) 2017-01-24 2017-12-25 コンバイン、収穫機、及び、自動操舵システム
CN201780070541.3A CN109936976A (zh) 2017-01-24 2017-12-25 联合收割机、收割机、以及自动转向***
KR1020197012836A KR102539520B1 (ko) 2017-01-24 2017-12-25 콤바인, 수확기, 및 자동 조타 시스템

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017010692A JP6994831B2 (ja) 2017-01-24 2017-01-24 自動操舵システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018120364A JP2018120364A (ja) 2018-08-02
JP6994831B2 true JP6994831B2 (ja) 2022-01-14

Family

ID=63045178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017010692A Active JP6994831B2 (ja) 2017-01-24 2017-01-24 自動操舵システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6994831B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7014687B2 (ja) * 2018-08-07 2022-02-01 株式会社クボタ 収穫機
JP7106418B2 (ja) * 2018-10-04 2022-07-26 株式会社クボタ 作業車両
EP3874926B1 (en) * 2018-10-30 2022-12-21 Tokyo Keiki Inc. Error correction apparatus
KR20220155266A (ko) 2020-03-18 2022-11-22 도쿄 케이키 가부시키가이샤 오차 보정 장치

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016178294A1 (ja) 2015-05-07 2016-11-10 ヤンマー株式会社 自律走行車の誘導制御システム

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016178294A1 (ja) 2015-05-07 2016-11-10 ヤンマー株式会社 自律走行車の誘導制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018120364A (ja) 2018-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3729935B1 (en) Automatic steering system and automatic steering method
US11895937B2 (en) Slip determination system, travel path generation system, and field work vehicle
EP3351075B1 (en) Work vehicle support system
WO2020031473A1 (ja) 外形形状算出システム、外形形状算出方法、外形形状算出プログラム、及び外形形状算出プログラムが記録されている記録媒体と、圃場マップ作成システム、圃場マップ作成プログラム、圃場マップ作成プログラムが記録されている記録媒体、及び圃場マップ作成方法
JP7357444B2 (ja) 収穫機
JP6994831B2 (ja) 自動操舵システム
JP6749448B2 (ja) 作業車支援システム
JP7174484B2 (ja) 農作業車
JP2020022397A (ja) 収穫機
JP7345534B2 (ja) 自動走行システム
JP7117985B2 (ja) 自動走行制御システム
WO2020111102A1 (ja) 自動走行制御システム、自動走行制御プログラム、自動走行制御プログラムを記録した記録媒体、自動走行制御方法、制御装置、制御プログラム、制御プログラムを記録した記録媒体、制御方法
JP2022016479A5 (ja)
WO2018139143A1 (ja) コンバイン、収穫機、及び、自動操舵システム
JP6991058B2 (ja) 自動操舵システム
JP2020028224A (ja) 圃場マップ作成システム
JP7042732B2 (ja) 自動操舵システムおよび自動操舵方法
JP7466276B2 (ja) 作業車協調システム
JP7224275B2 (ja) 収穫機
KR102539520B1 (ko) 콤바인, 수확기, 및 자동 조타 시스템
JP6976156B2 (ja) 作業車の自動操舵システム
JP6952597B2 (ja) 作業車
JP7094326B2 (ja) 作業車の制御システム
JP7387572B2 (ja) 農作業機
JP7403397B2 (ja) 農作業機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170929

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210406

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6994831

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150