JP6984239B2 - キサンテン化合物の製造方法 - Google Patents

キサンテン化合物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6984239B2
JP6984239B2 JP2017164401A JP2017164401A JP6984239B2 JP 6984239 B2 JP6984239 B2 JP 6984239B2 JP 2017164401 A JP2017164401 A JP 2017164401A JP 2017164401 A JP2017164401 A JP 2017164401A JP 6984239 B2 JP6984239 B2 JP 6984239B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
formula
hydrocarbon group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017164401A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019043971A (ja
Inventor
和秀 野田
弘平 松崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyocolor Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyocolor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd, Toyocolor Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2017164401A priority Critical patent/JP6984239B2/ja
Publication of JP2019043971A publication Critical patent/JP2019043971A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6984239B2 publication Critical patent/JP6984239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、染料として有用な化合物の製造方法に関する。
染料は、例えば、繊維材料、液晶表示装置、インクジェット用等の分野で反射光又は透
過光を利用して色表示するために使用されている。このような染料として、例えば、特許文献1には、非対称置換性キサンテン化合物の製造方法が記載されているが、有機溶媒中でアルカリ金属炭酸塩を用いているため、アルカリ金属炭酸塩が有機溶媒に溶解せずに反応容器底部に沈降してしまうという問題を抱えている。このため、特に大スケールで工業的に製造する際には、反応容器底部にアルカリ金属炭酸塩が沈降し反応溶液上部までアルカリ金属炭酸塩が行き渡らないため、反応速度が著しく遅くなるばかりでなく、未反応原料が残留してしまう場合もあった。また、アルカリ金属炭酸塩が反応容器底部に沈降して長時間経過すると固化し、反応容器底部に設置されている底排弁を閉塞させ、反応物の取り出しが困難になるケースもあった。このように、液晶表示装置などに有用な非対称置換性キサンテン化合物の効率的な合成方法は、見出されていないのが現状である。
特開2013−253168号公報
本発明の目的は、非対称置換性キサンテン化合物を工業的に効率よく製造し得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記した課題を解決し得る非対称置換性キサンテン化合物の製造方法について検討した結果、反応に用いるアルカリ金属塩のメジアン径D50を特定の範囲とすることで、極めて短時間かつ高収率で反応を完結させ得ることを見出し、本発明に至った。
即ち本発明は、アルカリ金属塩の存在下、式(1)で表される化合物に式(2)の化合物を反応させる工程を含む式(3)で表される化合物の製造方法であって、アルカリ金属塩のメジアン径D50が、500μm以下であることを特徴とする、式(3)で表される化合物の製造方法に関する。
Figure 0006984239
[式(1)および式(3)中、R101およびR102は、それぞれ独立に炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、または以下の式(i)で表される基を表し、
Figure 0006984239

式(i)中、R2は、炭素数1〜3のアルキル基、−OR3、−NR56、−NO2、−CN、−CF3、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR78を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜5の整数を表し、mが2以上のとき、複数のR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、*は、窒素原子との結合手を表し、
が−SOH、−SONa、−SOKの場合、スルホ基上のプロトン、ナトリウムイオン、カリウムイオンは他のスルホ基と相互にイオン交換していても良く、
3は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されていてもよく、R4は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表し、
5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表し、
7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されていてもよく、
式(2)および式(3)中、R1は、炭素数1〜8の飽和炭化水素基又は炭素数5〜8の脂環式炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、−OR4、または−NR56で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基又は−OR4で置換されていてもよく、
Xは、Br、I、OTfを表し、Tfは、トリフルオロメチルスルホニル基を表す。]
また本発明は、式(1)で表される化合物に式(2)の化合物を反応させる反応容器にバッフルを具備することを特徴とする、前記式(3)で表される化合物の製造方法に関する。
また本発明は、アルカリ金属塩が、水酸化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムまたはリン酸三ナトリウムであることを特徴とする、前記式(3)で表される化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、アルカリ金属塩のメジアン径D50を特定の範囲とすることで、非対称置換性キサンテン化合物を効率よく製造することが可能となる。
本発明のバッフルを具備する装置の形態の一例を説明する縦断面図(反応容器が円筒状で、底部がテーパー状の場合) 本発明のバッフルを具備する装置の形態の一例を説明する縦断面図(反応容器が円筒状の場合) 図1、図2の装置を上から見た上面図(バッフルが四角柱の場合) 図1、図2の装置を上から見た上面図(バッフルが三角柱の場合)
1:反応容器
2:バッフル
3:撹拌翼
R:反応容器の内径
D:バッフルの縦幅
W:バッフルの横幅
H:バッフルの高さ
Hd:バッフルを反応溶液へ挿入する深さ
Dw:反応溶液の深さ
本発明の製造方法は、特定範囲のメジアン径D50を有するアルカリ金属塩の存在下に、式(1)で表される化合物(以下「化合物(1)」と記載することもある。)に、式(2)の化合物(以下「化合物(2)」と記載することもある。)を反応させることにより、式(3)で表される化合物(以下「化合物(3)」と記載することもある。)を短時間・高収率で得る方法である。本発明中の化合物(1)および(3)には、その互変異性体も含まれる。

Figure 0006984239
式(1)および式(3)中、R101およびR102は、それぞれ独立に炭素数1〜8の脂肪族炭化水素、または以下の式(i)で表される基を表す。
Figure 0006984239
式(i)中、R2は、炭素数1〜3のアルキル基、−OR3、−NR56、−NO2、−CN、−CF3、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR78を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。mは1〜5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。*は、窒素原子との結合手を表す。
が−SOH、−SONa、−SOKの場合、スルホ基上のプロトン、ナトリウムイオン、カリウムイオンは他のスルホ基と相互にイオン交換していても良い。
3は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されていてもよい。
4は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表す。
5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表す。
7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されていてもよい。
式(1)および式(3)中、R101およびR102は、それぞれ独立に炭素数1〜8の脂肪族炭化水素、または式(i)で表される基を表す。
式(1)および式(3)中、R101およびR102としては、式(i)で表される基が好ましい。
炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状脂肪族炭化水素基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1−(1−メチルエチル)ブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1−(1−メチルエチル)ペンチル基、1−ブチルブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1−プロピル−1−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルブチル基、1−プロピル−3−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−1−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基等の分枝鎖状脂肪族炭化水素基;
等が挙げられる。
式(i)中、R2は、炭素数1〜3のアルキル基、−OR3、−NR56、−NO2
−CN、−CF3、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR78を表す。
炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。また、これら炭素数1〜3のアルキル基に含まれる水素原子がハロゲンに置換された基としては、例えば、下記の基が挙げられる。
Figure 0006984239
−OR3のR3は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されていてもよい。R4は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表す。
−OR3のR3としては、炭素数1〜8の飽和炭化水素基が好ましい。
炭素数1〜8の飽和炭化水素基としては、例えば、式(1)および式(3)中、R101およびR102における炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基と同じものが挙げられる。
炭素数7〜12のアラルキル基としては、例えば、下記の基が挙げられる。*は結合手を表す。
Figure 0006984239
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
−OR3としては、例えば、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
−OR4で置換されている−OR3としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−メチルエチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−(1−メチルエトキシ)プロピル基、2−(1−メチルエトキシ)プロピル基、1−(1−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(1−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、3−エトキシプロピル基等が挙げられる。
5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表す。炭素数1〜8の飽和炭化水素基としては、前記と同じものが挙げられる。
5及びR6としては、炭素数1〜8の飽和炭化水素基が好ましい。
−NR56としては、例えば、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミノ基、N,N−ジヘキシルアミノ基、N−ヘプチルアミノ基、N,N−ジヘプチルアミノ基、N−オクチルアミノ基、N,N−ジオクチルアミノ基等が挙げられる。
7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表す。炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、それぞれ前記と同じものが挙げられる。
7及びR8としては、炭素数1〜8の飽和炭化水素基が好ましい。
−SO2NR78としては、例えば、無置換のスルファモイル基、N−1置換スルファモイル基、及びN,N−2置換スルファモイル基が挙げられる。
N−1置換スルファモイル基としては、例えば、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−イソプロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−イソブチルスルファモイル基、N−sec−ブチルスルファモイル基、N−tert−ブチルスルファモイル基、N−ペンチルスルファモイル基、N−(1−エチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,1−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(2,2−ジメチルプロピル)スルファモイル基、N−(1−メチルブチル)スルファモイル基、N−(2−メチルブチル)スルファモイル基、N−(3−メチルブチル)スルファモイル基、N−シクロペンチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−(1,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−(3,3−ジメチルブチル)スルファモイル基、N−ヘプチルスルファモイル基、N−(1−メチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,4−ジメチルペンチル)スルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシル)スルファモイル基、N−(1,5−ジメチル)ヘキシルスルファモイル基、N−(1,1,2,2−テトラメチルブチル)スルファモイル基、N−アリルスルファモイル基等の脂肪族炭化水素基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N−(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基、N−(3−ヒドロキシプロピル)スルファモイル基、N−(2−ヒドロキシプロピル)スルファモイル基、N−(2,3−ジヒドロキシプロピル)スルファモイル基、N−(2−ヒドロキシブチル)スルファモイル基、N−(4−ヒドロキシブチル)スルファモイル基、N−(1−ヒドロキシメチルエチル)スルファモイル基等のヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N−(2−メトキシエチル)スルファモイル基、N−(2−エトキシエチル)スルファモイル基、N−(1−メトキシプロピル)スルファモイル基、N−メトキシプロピルスルファモイル基、N−エトキシプロピルスルファモイル基、N−プロポキシプロピルスルファモイル基、N−イソプロポキシプロピルスルファモイル基、N−ヘキシロキシプロピルスルファモイル基、N−(2−エチルヘキシロキシプロピル)スルファモイル基、N−(3−tert−ブトキシプロピル)スルファモイル基、N−(4,4−ジメトキシブチル)スルファモイル基、N−メトキシヘキシルスルファモイル基等のアルコキシ基を有するアルキル基又はシクロアルキル基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N−[1−(2−エトキシエトキシ)プロピル]スルファモイル基、等のアルコキシアルキル基を有する脂肪族炭化水素基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N−フェニルスルファモイル基、N−(1−ナフチル)スルファモイル基等のアリール基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N−ベンジルスルファモイル基、N−(1−フェニルエチル)スルファモイル基、N−(2−フェニルエチル)スルファモイル基、N−(3−フェニルプロピル)スルファモイル基、N−(4−フェニルブチル)スルファモイル基、N−[2−(2−ナフチル)エチル]スルファモイル基、N−[2−(4−メチルフェニル)エチル]スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−プロピル)スルファモイル基、N−(3−フェニル−1−メチルプロピル)スルファモイル基等のアラルキル基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N−(3,4,5−トリメトキシベンジル)スルファモイル基、N−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル]スルファモイル基、N−[2−(2−エトキシフェニル)エチル]スルファモイル基等の置換基を有するアラルキル基で置換されたN−1置換スルファモイル基;
N,N−2置換スルファモイル基としては、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−エチルメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、N,N−プロピルメチルスルファモイル基、N,N−イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N−tert−ブチルメチルスルファモイル基、N,N−ブチルエチルスルファモイル基、N,N−ビス(1−メチルプロピル)スルファモイル基、N,N−ヘプチルメチルスルファモイル基等の2つの脂肪族炭化水素基で置換されたN,N−置換スルファモイル基;
N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファモイル基、N,N−ビス(2−メトキシエチル)スルファモイル基、N,N−ビス(2−エトキシエチル)スルファモイル基等の置換を有する脂肪族炭化水素基で置換されたN,N−2置換スルファモイル基等が挙げられる。
−SO2NR78におけるR7及びR8としては、炭素数6〜8の分枝鎖状アルキル基、アリル基、フェニル基、炭素数8〜10のアラルキル基、炭素数2〜8のヒドロキシ基含有アルキル基、炭素数2〜8のヒドロキシ基含有アリール基、炭素数2〜8のアルコキシ基含有アルキル基、炭素数2〜8のアリール基が好ましく、2−エチルヘキシル基であることがより好ましい。
式(i)中、R2は炭素数1〜3のアルキル基および−SO3H、−SO3Na、−SO3Kが好ましい。mは1〜5の整数を表し、1〜3であることが好ましい。
式(i)で表される基としては、例えば、下記の基が挙げられる。なかでも(C−1)、
(C−2)、(C−9)、(C−10)で表される基が好ましい。


Figure 0006984239
式(2)および式(3)中、R1における炭素数1〜8の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等の直鎖状脂肪族炭化水素基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、イソペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1−プロピルブチル基、1−(1−メチルエチル)ブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルプロピル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、4−エチルヘキシル基、1−n−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1−(1−メチルエチル)ペンチル基、1−ブチルブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3,4−ジメチルペンチル基、1−エチル−1−メチルブチル基、1−エチル−2−メチルブチル基、1−エチル−3−メチルブチル基、2−エチル−1−メチルブチル基、2−エチル−3−メチルブチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、2,2−ジメチルヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、3,3−ジメチルヘキシル基、3,4−ジメチルヘキシル基、3,5−ジメチルヘキシル基、4,4−ジメチルヘキシル基、4,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−2−メチルペンチル基、1−エチル−3−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、2−エチル−1−メチルペンチル基、2−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2−エチル−4−メチルペンチル基、3−エチル−1−メチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、3−エチル−3−メチルペンチル基、3−エチル−4−メチルペンチル基、1−プロピル−1−メチルブチル基、1−プロピル−2−メチルブチル基、1−プロピル−3−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−1−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−2−メチルブチル基、1−(1−メチルエチル)−3−メチルブチル基、1,1−ジエチルブチル基、1,2−ジエチルブチル基等の分枝鎖状脂肪族炭化水素基;
等が挙げられる。
炭素数1〜8の飽和炭化水素基に含まれる水素原子が置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。炭素数6〜10の芳香族炭化水素基に含まれる水素原子が置換されていてもよい基のうち、炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
炭素数6〜10の芳香族炭化水素基で置換された飽和炭化水素基としては、例えば、下記の基が挙げられる。式中*は、式(2)ではXとの結合手を表し、式(3)では窒素原子との結合手を表す。
Figure 0006984239
またR1における炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基に含まれる水素原子が置換されていてもよい−OR4としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、メトキシペンチル基、1−エトキシプロピル基、2−エトキシプロピル基、1−エトキシ−メチルエチル基、1−メチル−2−エトキシエチル基、1−(1−メチルエトキシ)プロピル基、2−(1−メチルエトキシ)プロピル基、1−(1−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、2−(1−メチルエトキシ)−1−メチルエチル基、3−エトキシプロピル基等が挙げられる。
また−NR56としては、例えば、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−プロピルアミノ基、N,N−ジプロピルアミノ基、N−ブチルアミノ基、N,N−ジブチルアミノ基、N−ペンチルアミノ基、N,N−ジペンチルアミノ基、N−ヘキシルアミン、N,N−ジヘキシルアミン、N−ヘプチルアミン、N,N−ジヘプチルアミン、N−オクチルアミン、N,N−ジオクチルアミン等が挙げられる。
1で表される炭素数5〜8の脂環式炭化水素基としては、例えば、下記の基が挙げられる。式中*は、式(2)ではXとの結合手を表し、式(3)では窒素原子との結合手を表す。
Figure 0006984239
1が飽和炭化水素であると、有機溶媒への溶解性に優れることから好ましく、特に、
1が、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基又は2−エチルヘキシル基であることがより好ましい。
化合物(3)としては、例えば、表1〜4記載の化合物(3−1)〜(3−140)が挙げられる。表1〜4のR1欄記載のうち(A−1)および(B−2)は、前記の基を表し、R101、R102欄記載の(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)、(C−5)、(C−6)、(C−7)、(C−8)、(C−9)、(C−10)、(C−11)、(C−12)、(C−13)および(C−14)は、前記の基を表す。
中でも、モル吸光係数が高いことから、化合物(3−2)、(3−16)、(3−17)、(3−22)、(3−36)、(3−37)、(3−42)、(3−56)、(3−57)、(3−62)、(3−76)、(3−77)、(3−82)、(3−96)、(3−97)、(3−102)、(3−116)、(3−117)、(3−122)、(3−136)、(3−137)が好ましく、化合物(3−16)、(3−17)、(3−36)、(3−37)、(3−56)、(3−57)、(3−76)、(3−77)がより好ましい。
Figure 0006984239
Figure 0006984239
Figure 0006984239
Figure 0006984239
Figure 0006984239
次に化合物(3)の製造方法について説明する。
本発明の化合物(3)の製造方法は、化合物(1)と化合物(2)とをアルカリ金属塩の存在下に反応させる工程を含む。かかる反応は、アルカリ金属塩のメジアン径D50が500μm以下であることを特徴とする。
式(1)および式(3)中のR101、R102は、前記と同じ意味を表す。また、式(2)および式(3)中のR1、Xは、前記と同じ意味を表す。
Figure 0006984239
本発明に用いるアルカリ金属塩は、反応効率をより高めるためメジアン径D50が500μm以下であり、0.1〜300μmの範囲であることが好ましい。メジアン径D50を特定の範囲とすることで、反応容器底部からアルカリ金属塩がより効率的に巻き上げられ反応系中に行き渡り、さらに化合物(1)や(2)との接触確率が高くなるため、極めて短時間で反応を完結させることが可能となる。
メジアン径D50は、レーザ回折式粒子径分布測定装置(例えば島津製作所社製SALD−2100)を用い、乾式測定により測定された値である。
前記アルカリ金属塩としては、アルカリ金属であるリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウムを有する塩が挙げられる。具体的には、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化フランシウムなどの水酸化物、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩が挙げられ、反応速度の観点から水酸化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、水酸化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウムが好ましく、リン酸三カリウムがより好ましい。
さらに本発明では、化合物(1)と化合物(2)とをアルカリ金属塩の存在下に反応させる工程において、反応容器にバッフルを具備することが好ましい。
反応容器に具備するバッフルについては、公知のバッフルを用いることができる。
反応容器にバッフルを具備した一例を図1、図2、図3、図4に示す。
バッフルの形状として三角柱、四角柱、円柱などが挙げられ、撹拌効率の観点から、三角柱、四角柱がより好ましい。
バッフルの大きさとしては、撹拌を行う撹拌翼に接触しない範囲で任意の大きさのバッフルを具備することができ、撹拌効率の観点から、反応容器の内径(R)とバッフルの縦幅(D)の関係が、0<D/R≦0.2であることが好ましく、0.01≦D/R≦0.13であることがより好ましい。
反応容器に具備するバッフルの数としては、求める撹拌効率に応じて1〜10本を具備することができ、撹拌効率と設備投資費用の観点から2〜6本がより好ましい。
バッフルの設置位置としては、反応容器内部の壁面に均等に配置しても良いし、数本を偏在させて設置しても良い。撹拌効率の観点から、反応容器内部の壁面に均等に配置することが好ましい。
バッフルを反応溶液へ挿入する深さ(Hd)としては、反応溶液の量に応じて任意の深さまでバッフルを挿入することができる。撹拌効率の観点から、バッフルを反応溶液へ挿入する深さ(Hd)と反応溶液の深さ(Dw)の関係が、0.1≦Hd/Dw≦1が好ましく、0.2≦Hd/Dw≦0.9がより好ましく、0.5≦Hd/Dw≦0.8がさらに好ましい。
バッフルを具備する条件を上記の範囲とすることで、アルカリ金属塩が反応容器底部から巻き上げられ、反応容器全体に効率的に行き渡らせる撹拌効率が大幅に向上することで、短時間かつ高収率で反応を行うことが可能となる。
バッフルを具備するその他の条件については、本発明の効果を得られる範囲であれば、これらに限定されるものではない。
撹拌に用いる撹拌翼については、アンカー翼,プロペラ翼,パドル翼,タービン翼、後退翼など公知の形状を有する撹拌翼を用いることができる。
本発明の反応は、有機溶媒の存在下で実施することが好ましい。
前記有機溶媒としては、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド溶媒;アセトニトリル、アセトン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒;ヘキサン、トルエン、キシレン等の低極性溶媒;等が挙げられる。有機溶媒は、式(1)で表される化合物に対し、3〜20質量倍が好ましい。有機溶媒の使用量を前記範囲とすることで、原料がダマになりにくく、効率的に反応が進行する。
有機溶媒中に含まれる水分は、化合物(1)と(2)との反応を阻害するため、有機溶媒中の水分量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。水分量はカールフィッシャー法などの公知の方法で測定することができる。
反応温度は、30〜180℃が好ましく、70〜100℃がより好ましい。反応時間は0.5〜7時間が好ましく、1〜4時間がより好ましく、1〜2時間がさらに好ましい。
化合物(2)の使用量は、化合物(1)1モルに対して、好ましくは2モル以上15モル以下であり、より好ましくは3モル以上10モル以下である。
本発明の化合物(3)の製造方法は、さらに化合物(3)を含む反応混合物から化合物(3)を取得する工程を含んでいてもよい。
該反応混合物から目的物である化合物(3)を取得する方法は特に限定されず、公知の種々の手法が採用できる。該方法としては、例えば、反応混合物を濃縮して揮発性物質を除去した後、水または食塩水と混合し、析出した結晶を濾過や遠心分離により分離する方法などを挙げることができる。前記食塩水との混合は、予め食塩の水溶液を調整してから、反応混合物を前記水溶液に添加することが好ましく、該食塩水の濃度としては、0.5〜5質量%が好ましい。反応混合物を該食塩水に添加する時の温度としては、好ましくは10℃以上40℃以下、より好ましくは15℃以上35℃以下、さらに好ましくは、20℃以上30℃以下である。また反応混合物を水または食塩水に添加後は、同温度で0.5〜2時間程度撹拌することが好ましい。ろ取した結晶は、有機溶媒、水などで洗浄し、ついで乾燥することが好ましい。また必要に応じて、再結晶などの公知の方法によってさらに精製してもよい。
特に、化合物(1)および化合物(3)のR101およびR102のいずれか、もしくは両方が以下の式(i)で表される基を表し、
Figure 0006984239
式(i)中、R2が−SO3H、−SO3Na、−SO3Kのいずれかを含む場合、特開2011−242752公報の段落[0165]に代表されるような、カチオン性基を有する樹脂と、スルホ基を有する化合物(3)を含む該反応混合物とを混合し、目的物である化合物(3)の造塩化合物を析出させ、ろ過・精製する手法を採用することが好ましい。
カチオン性基を有する樹脂としては、公知の樹脂を採用することができ、特開2011−242752号公報記載のカチオン性基を有する樹脂や、特開2012‐32754号公報の段落[0071]から[0082]などの記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明の製造方法は、化合物(3)を短時間かつ高収率で製造するのに有用である。化合物(3)は染料として有用であり、モル吸光係数が高く、かつ有機溶媒へ高い溶解性を示すことから、特に、液晶表示装置等の表示装置のカラーフィルタや固体撮像素子に用いる染料として好適に用いられる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記しない限り、質量基準である。
以下の実施例において、化合物の分子量は質量分析(LC;日本ウォーターズ社製AcquityUPLC、MASS;日本ウォーターズ社製XEVO TQD)で確認した。化合物に含まれる金属種は、ICP発光分光分析法(バリアン社製720−ES)により確認した。
また、アルカリ金属塩のメジアン径D50は、島津製作所社製レーザ回折式粒子径分布測定装置SALD−2100を用い、乾式測定により測定した。
[実施例1]
直径(R)15.0cm、深さ20.0cmの円筒状の反応容器に、縦幅0.1cm、横幅10.0cm、高さ1.0cmの2枚パドル翼を備えた。撹拌翼は反応容器の中心に取り付け、反応容器底部から2cm離して100rpmで回転させた。
式(1−56)で表される化合物(C.I.AcidRed 289)150.0部、1−ヨードプロパンを131.9部およびリン酸三カリウムを164.7部(メジアン径D50は250μm)、N−メチルピロリドン1500部を混合し、遮光条件下80℃で1時間撹拌した。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであった。
得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル20000部中に添加し室温で1時間撹拌したところ、結晶が析出した。生じた結晶を吸引濾過の残渣として取得後、酢酸エチルを用いて洗浄し、40℃で24時間減圧乾燥し、式(3−57)で表される化合物156.7部を収率91%で得た。化合物の同定は、質量分析により式(3−57)からカリウムが脱離した分子量を検出し、またICP発光分光分析によりカリウムの存在を確認したため、式(3−57)であることを同定した。カリウムは、リン酸三カリウム由来と推定された。
Figure 0006984239
式(3−57)からカリウムが脱離した化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI−: m/z=[M−H] 737.9
Exact Mass: 737.2
[実施例2]
リン酸三カリウム164.7部(メジアン径D50は250μm)をリン酸水素二カリウム202.7部(メジアン径D50は250μm)に変更すること以外は実施例1と同様にして、式(3−57)で表される化合物146.4部を収率85%で得た。
[実施例3]
リン酸三カリウム164.7部(メジアン径D50は250μm)をリン酸二水素ナトリウム279.2部(メジアン径D50は250μm)に変更すること以外は実施例1と同様にして、式(3−56)で表される化合物143.4部を収率85%で得た。化合物の同定は、質量分析により式(3−56)からナトリウムが脱離した分子量を検出し、またICP発光分光分析によりナトリウムの存在を確認したため、式(3−56)であることを同定した。
Figure 0006984239
式(3−56)からナトリウムが脱離した化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI−: m/z=[M−H] 737.9
Exact Mass: 737.2
[実施例4]
直径(R)15.0cm、深さ20.0cmの円筒状の反応容器の壁面に、縦幅(D)1.5cm、横幅(W)0.1cm、高さ(H)15.0cmの四角柱状のバッフル2本を均等に配置した。また、縦幅0.1cm、横幅10.0cm、高さ1.0cmの2枚パドル翼を備えた。撹拌翼は反応容器の中心に取り付け、反応容器底部から2cm離して100rpmで回転させた。この時のD/Rは0.10であった。
式(1−56)で表される化合物(C.I.AcidRed 289)150.0部、1−ヨードプロパンを131.9部およびリン酸三カリウムを164.7部(メジアン径D50は250μm)、N−メチルピロリドン1500部を混合し、遮光条件下80℃で1時間撹拌した。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであり、四角柱状のバッフルが反応溶液に挿入する深さ(Hd)は6.0cmであった。Hd/Dwは0.55であった。
得られた反応液を室温まで冷却後、酢酸エチル20000部中に添加し室温で1時間撹拌したところ、結晶が析出した。生じた結晶を吸引濾過の残渣として取得後、酢酸エチルを用いて洗浄し、40℃で24時間減圧乾燥し、式(3−57)で表される化合物165.3部を収率96%で得た。
[実施例5]
リン酸三カリウム164.7部(メジアン径D50は250μm)をリン酸二水素カリウム316.7部(メジアン径D50は355μm)に変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物151.6部を収率88%で得た。
[実施例6]
リン酸三カリウムのメジアン径D50を、250μmから355μmに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物149.8部を収率87%で得た。
[実施例7]
高さ(H)15.0cmの四角柱状のバッフルを、高さ17.0cmのバッフルに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物168.8部を収率98%で得た。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであり、四角柱状のバッフルが反応溶液に挿入する深さ(Hd)は8.0cmであった。Hd/Dwは0.73であった。
[実施例8]
高さ(H)15.0cmの四角柱状のバッフルを、高さ12.0cmのバッフルに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物149.8部を収率87%で得た。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであり、四角柱状のバッフルが反応溶液に挿入する深さ(Hd)は3.0cmであった。Hd/Dwは0.27であった。
[実施例9]
高さ(H)15.0cmの四角柱状のバッフルを、高さ18.5cmのバッフルに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物153.3部を収率89%で得た。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであり、四角柱状のバッフルが反応溶液に挿入する深さ(Hd)は9.5cmであった。Hd/Dwは0.86であった。
[実施例10]
縦幅(D)1.5cmの四角柱状のバッフルを、縦幅1.0cmのバッフルに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物160.2部を収率93%で得た。なお、この時のD/Rは0.07であった。
[実施例11]
縦幅(D)1.5cmの四角柱状のバッフルを、縦幅2.5cmのバッフルに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物148.1部を収率86%で得た。なお、この時のD/Rは0.17であった。
[実施例12]
1−ヨードプロパン131.9部を、ヨードメチルベンゼン169.2部に変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−117)で表される化合物160.6部を収率83%で得た。化合物の同定は、質量分析により式(3−117)からカリウムが脱離した分子量を検出し、またICP発光分光分析によりカリウムの存在を確認したため、式(3−117)であることを同定した。カリウムは、リン酸三カリウム由来と推定された。
Figure 0006984239
式(3−117)からカリウムが脱離した化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI−: m/z=[M−H] 834.0
Exact Mass: 833.2
[実施例13]
1−ヨードプロパン131.9部を、ヨードシクロヘキサン163.0部に変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−137)で表される化合物155.8部を収率82%で得た。化合物の同定は、質量分析により式(3−137)からカリウムが脱離した分子量を検出し、またICP発光分光分析によりカリウムの存在を確認したため、式(3−137)であることを同定した。カリウムは、リン酸三カリウム由来と推定された。
Figure 0006984239

式(3−137)からカリウムが脱離した化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI−: m/z=[M−H] 818.0
Exact Mass: 817.3
[実施例14]
1−ヨードプロパン131.9部を、1−ヨードヘキサン164.5部に変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−77)で表される化合物173.7部を収率91%で得た。化合物の同定は、質量分析により式(3−77)からカリウムが脱離した分子量を検出し、またICP発光分光分析によりカリウムの存在を確認したため、式(3−77)であることを同定した。カリウムは、リン酸三カリウム由来と推定された。
Figure 0006984239

式(3−77)からカリウムが脱離した化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI−: m/z=[M−H] 822.1
Exact Mass: 821.3
[実施例15]
直径(R)15.0cm、深さ20.0cmの円筒状の反応容器に、縦幅0.1cm、横幅10.0cm、高さ1.0cmの2枚パドル翼を備えた。撹拌翼は反応容器の中心に取り付け、反応容器底部から2cm離して100rpmで回転させた。
式(1−42)で表される化合物150.0部、1−ヨードプロパンを155.3部およびリン酸三カリウムを193.9部(メジアン径D50は250μm)、N−メチルピロリドン1500部を混合し、遮光条件下80℃で1時間撹拌した。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであった。
得られた反応液を室温まで冷却後、5%メタノール水溶液20000部中に添加し室温で1時間撹拌したところ、結晶が析出した。生じた結晶を吸引濾過の残渣として取得後、精製水を用いて洗浄し、40℃で24時間減圧乾燥し、式(3−42)で表される化合物151.3部を収率88%で得た。
Figure 0006984239

式(3−42)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H] 659.3
Exact Mass: 658.3
<側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P)の製造>
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)溶液)
ガス導入管、コンデンサー、撹拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルアクリレート25.0部、tert−ブチルアクリレート40.0部、メタクリル酸5.0部、メチルメタクリレート15.0部、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩15.0部、テトラメチルエチレンジアミン1.6部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.1部、塩化第一銅1.9部、プロピレングリコールモノメチルエーテル62.3部を仕込み、窒素気流下で、100℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。次に、この反応装置に、プロピレングリコールモノメチルエーテル8.1部、第二ブロックモノマーとしてメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩15.0部を投入し、100℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして固形分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。GPC測定の結果、ポリマーのMw9200、Mw/Mn=1.5であり、反応転化率は98.5%であった。このようにして、固形分当たりの4級アンモニウム塩価が40mgKOH/gのブロック樹脂(P−1)を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分間加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が40質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加して側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)(ブロック樹脂)溶液を得た。
ここで、側鎖にカチオン性基を有する樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。また、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P)のアンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した値であり、固形分のアンモニウム塩価を示す。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−2)溶液)
温度計、撹拌翼、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、メチルエチルケトン67.3 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、メチルメタクリレート34.0部、n−ブチルメタクリレート28.0部、2−エチルヘキシルメタクリレート28.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6.5部、およびメチルエチルケトン25.1部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、6830である事を確認し、50℃へ冷却した。ここへ、塩化メチル3.2部、エタノール64.0 部を追加し、50℃で2時間反応させた後、1時間かけて80℃まで加温し、更に、2時間反応させた。このようにして樹脂成分が40質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−2)溶液を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は34mgKOH/gであった。
(側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−3)溶液)
温度計、撹拌翼、蒸留管、冷却器を具備した4つ口セパラブルフラスコに、イソプロピルアルコール62.4 部を仕込み、窒素気流下で75 ℃ に昇温した。別途、エチルメタクリレート32.1部、n−プロピルメタクリレート25.1部、ラウリルメタクリレート25.1部、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド17.7部、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を5.7部、およびメチルエチルケトン15.6部を均一にした後、滴下ロートに仕込み、4つ口セパラブルフラスコに取り付け、2時間かけて滴下した。滴下終了2時間後、固形分から重合収率が98%以上であり、重量平均分子量(Mw)が、7420である事を確認し、50℃へ冷却した。その後、イソプロピルアルコールを72部加え、樹脂成分が40質量%の側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−3)溶液を得た。得られた樹脂のアンモニウム塩価は45mgKOH/gであった。
[実施例16]
直径(R)15.0cm、深さ20.0cmの円筒状の反応容器の壁面に、縦幅(D)1.5cm、横幅(W)0.1cm、高さ(H)15.0cmの四角柱状のバッフル2本を均等に配置した。また、縦幅0.1cm、横幅10.0cm、高さ1.0cmの2枚パドル翼を備えた。撹拌翼は反応容器の中心に取り付け、反応容器底部から2cm離して100rpmで回転させた。この時のD/Rは0.10であった。
式(1−56)で表される化合物(C.I.AcidRed 289)150.0部、1−ヨードプロパンを131.9部およびリン酸三カリウムを164.7部(メジアン径D50は250μm)、N−メチルピロリドン1500部を混合し、遮光条件下80℃で1時間撹拌し、式(3−57)で表される化合物を含む反応液を得た。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであり、四角柱状のバッフルが反応溶液に挿入する深さ(Hd)は6.0cmであった。Hd/Dwは0.55であった。
得られた反応液を室温まで冷却後、精製水2000部を添加し40℃で1時間撹拌した。その後、98%硫酸溶液を滴下し、pH4.0となるよう調整した。別途、精製水6750部を用意し、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)溶液を固形分換算で675部少量ずつ滴下し、十分撹拌した後に60℃加熱した。得られた側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)水溶液を、式(3−57)で表される化合物を含む反応液に滴下し、60℃で4時間撹拌した。反応の終点確認としては濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点として、造塩化合物が得られたものと判断した。撹拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過を行い、精製水を用いて水洗後、濾紙上に残った造塩化合物を40℃で18時間減圧乾燥し、式(3−57)で表される化合物と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)との造塩化合物(Z−1)を826.7部、収率98%で得た。なお、この造塩化合物(Z−1)に含まれる水分量をカールフィッシャー法にて測定したところ、8.8質量%であった。
[実施例17]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)を側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−2)に変更すること以外は実施例16と同様にして、式(3−57)で表される化合物と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−2)との造塩化合物(Z−2)を809.9部、収率96%で得た。なお、この造塩化合物(Z−2)に含まれる水分量をカールフィッシャー法にて測定したところ、3.6質量%であった。
[実施例18]
側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)を側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−3)に変更すること以外は実施例16と同様にして、式(3−57)で表される化合物と側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−3)との造塩化合物(Z−3)を818.3部、収率97%で得た。なお、この造塩化合物(Z−3)に含まれる水分量をカールフィッシャー法にて測定したところ、5.7質量%であった。
[比較例1]
リン酸三カリウムのメジアン径D50を1000μmに変更すること以外は実施例1と同様にして、式(3−57)で表される化合物34.4部を収率20%で得た。
[比較例2]
リン酸三カリウムのメジアン径D50を1000μmに変更し、高さ(H)15.0cmの四角柱状のバッフルを、高さ9.5cmのバッフルに変更すること以外は実施例4と同様にして、式(3−57)で表される化合物37.9部を収率22%で得た。なお、この時の反応溶液の高さ(Dw)は11.0cmであり、四角柱状のバッフルが反応溶液に挿入する深さ(Hd)は0.5cmであった。Hd/Dwは0.05であった。
[比較例3]
リン酸三カリウム164.7部(メジアン径D50は250μm)を水酸化マグネシウム45.2部(メジアン径D50は300μm)に変更し、反応時間を4時間とすること以外は実施例4と同様にして、式(3−56)で表される化合物8.4部を収率5%で得た。
[比較例4]
リン酸三カリウム193.9部(メジアン径D50は250μm)を炭酸カリウム126.3部(メジアン径D50は710μm)に変更すること以外は実施例15と同様にして、式(3−42)で表される化合物79.1部を収率46%で得た。
反応条件と結果を表5にまとめる。
Figure 0006984239
実施例1から3および15、比較例1および4に示す通り、特定範囲のメジアン径D50を有するアルカリ金属塩を用いることで、短時間かつ高収率で目的とする化合物が得られることが分かる。
また、実施例4から14および比較例2に示す通り、バッフルを所定の条件で具備することにより、より高収率で目的とする化合物が得られることが分かる。
さらに実施例4および比較例3に示す通り、アルカリ金属塩を用いることで反応が効率的に進行し、短時間かつ高収率で目的とする化合物が得られることが分かる。
実施例16から18に示す通り、反応後の化合物(3−57)を含む溶液に、側鎖にカチオン性基を有する樹脂(P−1)(P−2)(P−3)を滴下して造塩化合物(Z−1)(Z−2)(Z−3)とすることで、収率が良好となるばかりでなく、精製時に有機溶媒を用いず水を用いた精製で造塩化合物を取り出すことが可能となり、生産性が向上する。
本発明によれば、アルカリ金属塩を用いた際に、アルカリ金属塩のメジアン径D50を特定の範囲とすることで、非対称置換性キサンテン化合物を短時間・高収率で製造することが可能となる。本発明により製造される非対称置換性キサンテン化合物は、繊維材料、液晶表示装置、インクジェット用等の分野で好適に使用し得る。

Claims (3)

  1. アルカリ金属リン酸塩の存在下、式(1)で表される化合物に式(2)の化合物を反応させる工程を含む式(3)で表される化合物の製造方法であって、アルカリ金属リン酸塩のメジアン径D50が、500μm以下であることを特徴とする、式(3)で表される化合物の製造方法。
    Figure 0006984239
    [式(1)および式(3)中、R101およびR102は、それぞれ独立に炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、または以下の式(i)で表される基を表し、
    Figure 0006984239
    式(i)中、R2は、炭素数1〜3のアルキル基、−OR3、−NR56、−NO2、−C
    N、−CF3、−SO3H、−SO3Na、−SO3K、−SO2NR78を表し、該アルキ
    ル基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、mは1〜5の整数を表し、mが2以上のとき、複数のR2は、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、
    *は、窒素原子との結合手を表し、
    が−SOH、−SONa、−SOKの場合、スルホ基上のプロトン、ナトリウムイオン、カリウムイオンは他のスルホ基と相互にイオン交換していても良く、
    3は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、ま
    たは炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されていてもよく、R4は、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表し、
    5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基を表し、
    7及びR8はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜8の飽和炭化水素基、炭素数7〜12のアラルキル基、または炭素数6〜10の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基、該アラルキル基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、−OR4で置換されて
    いてもよく、
    式(2)および式(3)中、R1は、炭素数1〜8の飽和炭化水素基又は炭素数5〜8の
    脂環式炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、−OR4、または−NR56で置換されていてもよく、該芳香族炭化水
    素基に含まれる水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基又は−OR4で置換されていても
    よく、
    Xは、Br、I、OTfを表し、Tfは、トリフルオロメチルスルホニル基を表す。]
  2. 式(1)で表される化合物に式(2)の化合物を反応させる反応容器にバッフルを具備することを特徴とする、請求項1に記載の式(3)で表される化合物の製造方法。
  3. アルカリ金属リン酸塩が、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムまたはリン酸三ナトリウムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の式(3)で表される化合物の製造方法。
JP2017164401A 2017-08-29 2017-08-29 キサンテン化合物の製造方法 Active JP6984239B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164401A JP6984239B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 キサンテン化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017164401A JP6984239B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 キサンテン化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019043971A JP2019043971A (ja) 2019-03-22
JP6984239B2 true JP6984239B2 (ja) 2021-12-17

Family

ID=65813703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017164401A Active JP6984239B2 (ja) 2017-08-29 2017-08-29 キサンテン化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6984239B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019043971A (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5221787B2 (ja) 色材、及びその製造方法
JP2014528831A (ja) 炭化水素溶剤へのカルボン酸含有化合物の可溶化方法
CN1926116A (zh) 制备其阳离子包含sp2-杂化的季氮原子的离子流体的方法
CN106164180A (zh) 若丹明系着色组合物
JP2003128645A (ja) ポリスルフィド組成物の調製法
JP6984239B2 (ja) キサンテン化合物の製造方法
JP5978015B2 (ja) 化合物の製造方法
WO2021054309A1 (ja) 芳香族ビスエーテル化合物の製造方法
KR102141103B1 (ko) 화합물 및 이의 제조 방법
CN103242368B (zh) 一种纳米螯合剂及其制备方法
TW202100669A (zh) 著色高分子化合物及其用途
RU2641743C1 (ru) Металлокомплексы окта-4,5-[4-(1-метил-1-фенилэтил)фенокси]фталоцианина в качестве люминесцентных материалов и красителей для полимерных материалов и способ их получения
CN108424396B (zh) 一种光稳定剂tinuvin 1600的制备方法
BR112018070090B1 (pt) Processos para sintetizar uma amido alquil betaína e uma amido amina
CN106188085A (zh) 一种制备荧光素的工艺方法
KR101920499B1 (ko) 염료용 염
US4260803A (en) Chloromethylbenzoic acid esters of phenols
JP5251240B2 (ja) 液晶相溶性第13族元素ナノ粒子及びそのペースト並びにそれらの製法
JP5393757B2 (ja) 新規化合物及びその製造方法
KR101885231B1 (ko) 화합물 및 이를 함유하는 착색 감광성 수지 조성물
Gupta et al. Synthesis, Characterization and Ion-Exchange Properties of Terpolymer Resin-II Derived from p-Hydroxybenzaldehyde, Thiourea and Ethylene Glycol
WO2023090221A1 (ja) フッ化フタロシアニン化合物、着色組成物、及びインクジェット用インク
JP2006233040A (ja) 硫黄原子含有環状化合物およびその製造方法
RU2436764C1 (ru) Способ получения 2,3-диметил-2,3-динитробутана
TWI498385B (zh) Pyridine ketone compound compounds

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200605

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210413

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210520

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211026

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211108

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6984239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350