JP6983570B2 - 半導体積層物の製造方法、窒化物半導体自立基板の製造方法、半導体積層物および半導体装置 - Google Patents

半導体積層物の製造方法、窒化物半導体自立基板の製造方法、半導体積層物および半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体積層物の製造方法、窒化物半導体自立基板の製造方法、半導体積層物および半導体装置に関する。
III族窒化物半導体は、発光デバイスや電子デバイスなどの半導体装置を構成する材料として広く用いられている。III族窒化物半導体により構成される半導体装置の品質(半導体特性等)を向上させるため、半導体装置の製造用の半導体積層物または窒化物半導体自立基板を結晶品質が良好となるように製造することが望まれている。
窒化物半導体自立基板を製造する方法としては、例えば、基板上にIII族窒化物半導体からなる半導体層をエピタキシャル成長させる工程と、該半導体層をスライスすることで窒化物半導体自立基板を作製する工程と、を有する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2008−156189号公報
近年では、従来方法よりも結晶品質が良好な半導体積層物、窒化物半導体自立基板または半導体装置を製造することが望まれている。
本発明の目的は、結晶品質が良好な半導体積層物、窒化物半導体自立基板または半導体装置を製造することができる技術を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容され、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板を用意する工程と、
前記基板を前記基板収容体から所定の処理室内に投入し、前記基板の少なくとも前記表層のうちの全面を、所定の厚さ以上に亘って、前記処理室内の気相中でエッチングする工程と、
前記基板上に、III族窒化物半導体からなる半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、
を有し、
前記エッチングする工程では、
前記基板を用意する工程で前記基板収容体を起因として前記基板の前記表面に付着した付着不純物を、前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体とともに除去する
半導体積層物の製造方法、およびそれに関連する技術が提供される。
本発明によれば、結晶品質が良好な半導体積層物、窒化物半導体自立基板または半導体装置を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体積層物の製造方法または窒化物半導体自立基板の製造方法を示すフローチャートである。 (a)は、基板を示す概略断面図であり、(b)は、基板用意工程で基板収容体に収容された基板を示す概略断面図であり、(c)は、基板用意工程での基板を示す概略拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係る製造方法に用いられる気相成長装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態のエッチング工程から気相成長工程までの基板の温度変化を示す図である。 (a)は、エッチング工程での基板を示す概略断面図であり、(b)は、エッチング工程後の基板を示す概略断面図である。 (a)は、気相成長工程での半導体積層物を示す概略断面図であり、(b)は、スライス工程で作製される窒化物半導体自立基板を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体積層物の製造方法または半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る半導体積層物を示す概略断面図であり、(b)は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。 (a)は、本発明の第2実施形態の変形例に係る半導体積層物を示す概略断面図であり、(b)は、本発明の第2実施形態の変形例に係る半導体装置を示す概略断面図である。 (a)は、付着不純物の一例を示すSEM像であり、(b)は、(a)の付着不純物のEDX分析を行った結果である。 基板を基板収容体内に保管した保管日数に対する、全反射蛍光X線分析によって測定した基板表面のSi濃度を示す図である。 (a)は、実施例の半導体積層物の外観を示す写真であり、(b)は、比較例の半導体積層物の外観を示す写真である。 (a)〜(c)は、比較例の半導体積層物の表面におけるピットやモフォロジ異常部を示す図である。
<発明者等の得た知見>
まず、発明者等の得た知見について説明する。
発明者等は、鋭意検討により、有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容されていた基板を用いて、半導体積層物、窒化物半導体自立基板または半導体装置を製造する場合に、半導体積層物、窒化物半導体自立基板または半導体装置の品質が低下する可能性があることを見出した。
有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に基板を長期間収容すると、基板収容体を起因として、基板の表面に付着不純物が付着することがある。具体的には、基板収容体は、例えば、ポリプロピレン(PP)などからなる。基板収容体を製造する際には、前駆体としての樹脂組成物のペレット中に安定剤(酸化防止剤または光安定剤等)などの添加剤が添加される。また、金型成形時に金型の表面に離型剤が塗布される。なお、離型剤は、樹脂組成物中に添加剤として添加されることもある。このような添加剤等は、基板収容体を製造(モールド)した後も基板収容体内に残存することがある。このため、基板収容体内に基板を長時間収容すると、その添加剤等がアウトガスになって基板収容体から放出され、付着不純物が基板の表面に付着することとなる。
基板収容体を製造する際に、どのような添加剤等が用いられたのかは、製造メーカのノウハウとして開示されないことが多く、基板収容体のユーザは、添加剤等の詳細な種類を特定することができない。このため、付着不純物が基板上に付着したおそれがあったとしても、どのような材質の付着不純物が基板上に付着しているかが分からず、また、どのような方法や条件で付着不純物を除去すればよいのかが分からなかった。また、基板収容体に残存した添加剤等の量が基板収容体を製造したロットごとに異なることがあるため、基板上に付着する付着不純物の量を把握することは困難であった。さらに、このような付着不純物は、1〜数モノレイヤの厚さで付着するため、基板を光学顕微鏡等で観察しても、発見することが出来ず、その付着位置や平面視での付着範囲を特定することができなかった。以上のような理由により、半導体積層物等を製造する前に、基板上に付着した付着不純物を直接的に除去することは困難であった。
なお、基板を所定の溶媒で洗浄した際においても、基板の表面に付着不純物が付着し残存することがある。洗浄を起因とした場合においても、どのような材質の付着不純物が基板上に付着しているかが分からないため、上述の基板収容体に起因した場合と同様にして、半導体積層物等を製造する前に、基板上に付着した付着不純物を直接的に除去することは困難であった。
このような付着不純物が付着した基板上に半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させると、半導体層の表面のうち当該付着不純物と重なる位置には、ピットやモフォロジ異常部が発生してしまう可能性がある。なお、ピットやモフォロジ異常部としては、半導体層の他の領域に対して極性が反転したインバージョンドメイン(ID:Inversion Domain)を起因としている場合がある。半導体層の表面にピットやモフォロジ異常部が発生すると、ピット斜面やモフォロジ異常部の斜面等のような、c面以外のファセット成長区において、酸素(O)の濃度が高くなる。O濃度が高い部分では、他の部分よりも相対的にキャリア濃度が高くなり、局所的に抵抗が低くなる。このように半導体層において局所的に低抵抗な部分が生じていると、半導体装置の特性が面内でばらついてしまう可能性がある。
また、付着不純物が付着した基板上に半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させると、当該付着不純物上に、半導体層が成長されない非成長領域が形成されてしまう可能性がある。この場合、半導体層をスライスし窒化物半導体自立基板を作製すると、窒化物半導体自立基板のうち半導体層の非成長領域に相当する位置に貫通孔が形成されてしまうこととなる。窒化物半導体自立基板に貫通孔が形成されると、窒化物半導体自立基板を用いて半導体装置を製造するプロセスにおいて各種不具合が生じる可能性がある。具体的には、例えば、窒化物半導体自立基板上に半導体層をエピタキシャル成長させる際に、貫通孔を起因として寄生成長が生じてしまい、成長炉を汚染してしまう可能性がある。また、例えば、窒化物半導体自立基板を真空吸着により搬送することができなくなる可能性がある。また、例えば、窒化物半導体自立基板上にスピンコート法等によりレジスト膜を形成する際に、レジスト液が貫通孔を介して窒化物半導体自立基板に吸い込まれたり、真空吸着用のポンプが貫通孔を介してレジスト液を吸い込んでポンプが故障したりする可能性がある。
また、多くの付着不純物が基板上に付着すると、当該付着不純物からアウトガスが発生しうる。このため、付着不純物に由来するアウトガスによって、半導体層中に不純物(O等の不純物元素)が多く取り込まれてしまったり、半導体層中に多くの結晶欠陥部が形成されてしまったりする可能性がある。
以下で説明する本発明は、本発明者等が見出した上記新規課題に基づくものである。
<本発明の第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)半導体積層物の製造方法または窒化物半導体自立基板の製造方法
図1〜図6を用い、本実施形態に係る半導体積層物の製造方法または窒化物半導体自立基板の製造方法について説明する。図1は、本実施形態に係る半導体積層物の製造方法または窒化物半導体自立基板の製造方法を示すフローチャートである。なお、ステップをSと略している。図2(a)は、基板を示す概略断面図であり、(b)は、基板用意工程で基板収容体に収容された基板を示す概略断面図であり、(c)は、基板用意工程での基板を示す概略拡大断面図である。図3は、本実施形態に係る製造方法に用いられる気相成長装置の概略構成図である。図4は、本実施形態のエッチング工程から気相成長工程までの基板の温度変化を示す図である。図5(a)は、エッチング工程での基板を示す概略断面図であり、(b)は、エッチング工程後の基板を示す概略断面図である。図6(a)は、気相成長工程での半導体積層物を示す概略断面図であり、(b)は、スライス工程で作製される窒化物半導体自立基板を示す概略断面図である。
なお、以下では、本実施形態で用いられる各種基板において、上側主面(第1主面、上面)を「表面」といい、下側主面(第2主面、下面)を「裏面」という。
本実施形態では、III族窒化物半導体として、例えば、窒化ガリウム(GaN)からなる半導体積層物1または窒化物半導体自立基板(以下、単に自立基板ともいう)2を製造する場合について説明する。
(S120:基板用意工程)
まず、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板(下地基板、種結晶基板)10を用意する基板用意工程S120を行う。
図2(a)に示す基板10は、例えば、III族窒化物半導体自立基板またはIII族窒化物半導体テンプレートとして構成されている。ここでは、基板10を、例えば、気相成長法により作製したGaN自立基板とする。
基板10は、結晶成長面としての表面10aと、表面10aと反対側の裏面10bと、を有している。基板10の表面10aは、例えば、(0001)面(+C面、Ga極性面)、或いは、(0001)面に対して所定のオフ角を有する面である。なお、オフ角の大きさ(オフ量)は、例えば、2°以内である。また、基板10の表面10aにおける転位密度(平均転位密度)は、例えば、1×10個/cm以上1×10個/cm以下である。
このとき、図2(b)に示すように、基板10を、例えば、有機系の樹脂材料からなる基板収容体200内に収容する。基板収容体200を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)などが挙げられる。ここでは、基板収容体200は、例えば、PPからなっている。
本実施形態では、基板10を収容する基板収容体200は、例えば、いわゆるウエハトレイとして構成されている。具体的には、基板収容体200は、例えば、トレイ本体部210と、蓋部220と、スプリング部230と、を有している。トレイ本体部210は、例えば、曲面状の凹部(符号不図示)を有している。蓋部220は、トレイ本体部210と螺合(係合)し、トレイ本体部210を密閉するようになっている。スプリング部230は、湾曲した板状部材である。
基板10を基板収容体200内に収容するとき、まず、基板10の表面10aがトレイ本体部210の凹部と対向するように、基板10をトレイ本体部210の凹部に載置する。基板10をトレイ本体部210に載置したら、基板10の裏面10bと蓋部220との間にスプリング部230を介在させ、蓋部220をトレイ本体部210と螺合させる。これにより、トレイ本体部210と蓋部220との間の空間内に基板10を収容することができる。また、スプリング部230によって基板10をトレイ本体部210の凹部に押し付けることで、基板10のずれを抑制することができる。
基板10は、基板収容体200内に収容された状態で、半導体積層物1または自立基板2の製造時まで所定の期間保管される。半導体積層物1または自立基板2の製造に用いられる基板10を多数枚用意する場合等では、基板10の収容期間が長期に亘ることがある。ここでは、基板収容体200内に基板10を、例えば、少なくとも12時間以上収容する。
このように、有機系の基板収容体200内に基板を長期間収容すると、図2(c)に示すように、基板収容体200を起因として、基板10の表面10aに付着不純物20が付着することがある。具体的には、例えば、基板収容体200内に残留した添加剤等がアウトガスとなって基板収容体200から放出され、付着不純物20が基板10の表面10aに付着することとある。例えば、基板収容体200を製造する際に離型剤が使用される場合では、付着不純物20は、例えば、少なくともシロキサンを含んでいる。また、付着不純物20の厚さは、例えば、1〜数モノレイヤである。
上述のように、基板収容体200内における基板10の収容期間が長くなると、基板10の表面10aに付着不純物20が付着し易くなる。特に、基板収容体200内における基板10の収容期間が上述のように12時間以上となると、その傾向が顕著となる。
また、特に基板収容体200が上記のようなウエハトレイとして構成されている場合では、トレイ本体部210の凹部に基板10の表面10aが接近しているため、上記のような付着不純物20が基板10の表面10aに付着し易い。
このように、一度、付着不純物20が基板10の表面10aに付着すると、付着不純物20を直接的に除去することは困難である。というのも、上述のように、付着不純物20の原因となった基板収容体200の添加剤等の詳細な種類は、製造メーカのノウハウとして開示されず、特定できないため、付着不純物20の材質が不明であったり、また、付着不純物20を除去する方法や条件が不明であったりすることが多い。このため、基板10上に付着した付着不純物20を直接的に除去することは困難である。また、このような付着不純物20は、基板10の表面10aに強固に付着される可能性がある。このため、付着不純物20が一度付着すると、たとえ付着不純物20を所定の溶媒等で洗浄しても除去することが困難である。特に付着不純物20がシロキサンを含んでいる場合では、付着不純物20が基板10の表面10a上に残存し易いことが分かっている。
そこで、本実施形態では、気相成長工程S160の前に、以下のエッチング工程S140を行う。
(S140:エッチング工程)
本実施形態では、例えば、図3に示す気相成長装置400を用い、基板10のうちの表面10aを気相中でエッチングするエッチング工程S140を行う。
気相成長装置400は、例えば、ハイドライド気相成長装置(HVPE装置)として構成されている。気相成長装置400は、石英等の耐熱性材料からなり、処理室401が内部に構成された気密容器403を備えている。処理室401内には、基板10を保持するサセプタ408が設けられている。サセプタ408は、回転機構416が有する回転軸415に接続されており、該サセプタ408上に載置される基板10を周方向(上面に沿った方向)に回転可能に構成されている。気密容器403の一端には、後述するガス生成器433a内へ塩化水素(HCl)ガスを供給するガス供給管432a、処理室401内へ成膜ガスとしてのアンモニア(NH)ガスを供給するガス供給管432b、処理室401内へエッチングガスとしてのHClガスを供給するガス供給管432cがそれぞれ接続されている。なお、ガス供給管432a〜432cは、HClガスやNHガスに加えて、キャリアガスまたはエッチングガスとしての水素(H)ガス、および、不活性ガス、キャリアガスまたはパージガスとしての窒素(N)ガスを供給可能なようにも構成されている。ガス供給管432a〜432cは、流量制御器とバルブと(いずれも図示しない)を、これらガスの種別毎にそれぞれ備えており、各種ガスの流量制御や供給開始/停止を、ガス種別毎に個別に行えるように構成されている。ガス供給管432aの下流には、原料としてのGa融液を収容するガス生成器433aが設けられている。ガス生成器433aには、HClガスとGa融液との反応により生成された成膜ガスとしての塩化ガリウム(GaCl)ガスを、サセプタ408上に保持された基板10に向けて供給するノズル449aが接続されている。ガス供給管432b,432cの下流側には、これらのガス供給管から供給されたガスをサセプタ408上に保持された基板10に向けて供給するノズル449b,449cがそれぞれ接続されている。ノズル449a〜449cは、基板10の上面に対して平行な方向(上面に沿った方向)にガスを流すよう配置されている。一方、気密容器403の他端には、処理室401内を排気する排気管430が設けられている。排気管430には圧力調整器(APC)429を介してポンプ431が設けられている。気密容器403の外周にはガス生成器433a内やサセプタ408上に保持された基板10を所望の温度に加熱するゾーンヒータ407が、気密容器403内には処理室401内の温度を測定する温度センサ409が、それぞれ設けられている。気相成長装置400が備える各部材は、コンピュータとして構成されたコントローラ480に接続されており、コントローラ480上で実行されるプログラムによって、後述する処理手順や処理条件が制御されるように構成されている。
エッチング工程S140は、上述の気相成長装置400を用い、例えば以下の処理手順で実施することができる。
まず、基板収容体200から基板10を取り出す。基板10を取り出したら、基板10を気密容器403(処理室401)内へ投入(搬入)し、サセプタ408上に保持する。なお、このとき、後述の気相成長工程S160で用いられる原料としてのGa融液をガス生成器433a内に収容しておく。次に、ガス供給管432a〜432cのうちの少なくともいずれかから処理室401内へNガスを供給し、処理室401内の加熱および排気を実施する。このとき、サセプタ408の回転も開始する。
図4に示すように、処理室401内の加熱によって基板10の温度が徐々に上昇する。基板10の温度が所定の温度Teに到達し、処理室401内の圧力が所定の圧力に到達したら、基板10の上面に対して所定のエッチングガスを供給する。
これにより、図5(a)に示すように、基板10の表面10aの全面を、所定の厚さ(深さ)以上に亘って、気相中でエッチングすることができる。このとき、基板10のうちでエッチングされる部分は、基板10の外側雰囲気に露出し、該外側雰囲気(例えばエッチングガス)に触れることが可能な部分である。なお、基板10の表面10aだけでなく、基板10の側面もエッチングされることとなる。
このとき、図5(a)に示すように、基板用意工程S120で基板10の表面10aに付着した付着不純物20を、基板10のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。すなわち、基板10の表面10aに対して供給されたエッチングガスは、基板10の表面10aのうちの露出部に即座に行き渡り、該露出部をエッチングする。このとき、基板10の表面10aに付着した付着不純物20は、エッチングガスによってエッチングされなくてもよい。基板10の表面10aのうちの露出部のエッチングが進むと、基板10の表面10aと付着不純物20との間にもエッチングガスが入り込む。基板10の表面10aのうち付着不純物20と接する部分が全てエッチングされると、基板10の表面10aから付着不純物20が剥離する。剥離された付着不純物20は、基板10の表面10aに対するエッチングガスの流れにしたがって基板10の外側に除去(排出)される。このようにして、基板10の表面10aに付着した付着不純物20を、基板10のマトリクスを構成するGaNとともに除去することができる。
なお、基板10のマトリクスとともに付着不純物20を除去する上記プロセスでは、半導体プロセスにおいて金属膜等のパターニングに用いられる、いわゆる「リフトオフ」に似た原理で、付着不純物20がGaNとともに除去されると考えてもよい。
また、このとき、基板10の温度を所定の温度に維持した状態で、少なくとも1時間以上、エッチングを行う。エッチング時間が1時間未満であると、基板10の表面10aが充分にエッチングされない可能性がある。このため、基板10の表面10a上でエッチングされない部分に、付着不純物20が残留してしまう可能性がある。これに対し、エッチング時間を1時間以上とすることにより、基板10のうちの表面10aの全面を、所定の厚さ以上に亘って確実にエッチングすることができる。その結果、基板10の表面10aにおいて、どこに付着不純物20が付着していたとしても、付着不純物20を基板10のマトリクスとともに除去することができる。
また、このとき、基板10の表面10aを、少なくとも深さ方向に10nm以上エッチングする。エッチング深さが10nm未満であると、基板10の表面10aと付着不純物20との間にエッチングガスが入り込まない部分が生じ、付着不純物20が基板10の表面10a上に残留してしまう可能性がある。これに対し、エッチング深さを10nm以上とすることにより、基板10の表面10aと付着不純物20との間にエッチングガスを充分に入り込ませ、基板10の表面10aのうち付着不純物20と接する部分を確実に除去することができる。その結果、付着不純物20を基板10のマトリクスとともに確実に除去することができる。
また、このとき、基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域が平滑となる条件下で、基板10の表面10aをエッチングする。なお、ここでいう基板10の「結晶欠陥部」とは、転位、ピットなどのことである。また、ここでいう「基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域が平滑となる条件」とは、基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域において、すなわち、エッチピットを含まない視野(例えば1μm角の視野)において比較したときに、エッチング工程S140前の表面粗さ(算術平均粗さRa)と、エッチング工程S140後の表面粗さとの差が10nm以内、好ましくは5nm以内となる条件のことである。このようなマイルドなエッチング条件により基板10の表面10aを平滑に維持することで、後述の気相成長工程S160において、基板10の表面10a上に半導体層40を平滑にエピタキシャル成長させることができる。
なお、図5(b)に示すように、上記条件下でエッチングを行った場合であっても、基板10の表面10aには、基板10中の結晶欠陥部としての転位に対応したエッチピット10epが出現しうる。
具体的なエッチング条件としては、例えば、エッチングガスとしてHClガスおよびHガスを含む雰囲気下でエッチングを行う。例えば、ガス供給管432cから基板10の表面10aに対して、エッチングガスとしてのHClガスおよびHガスを供給する。HClガスを含む雰囲気でエッチングを行うことで、以下の反応式(1)により、基板10を構成するGaNをエッチングすることができる。
2GaN+2HCl→2GaCl+H+N ・・・(1)
このとき、反応式(1)以外の反応による副生成物として、Gaドロップレットが生じることがある。ここでは、上述のようにマイルドなエッチング条件を適用することから、上記のGaドロップレットが生じ易い。そこで、HClガスに加えHガスを含む雰囲気下でエッチングを行うことで、副生成物としてのGaドロップレットを、Gaの水素化物であるガラン(GaH)として気化させて除去することができる。
また、例えば、上記したエッチングガスとしてのHClガスおよびHガスに加え、不活性ガス(希釈ガス)としてのNガスを含む雰囲気下でエッチングを行い、Nガスの分圧をHClガスおよびHガスのそれぞれの分圧よりも高くする。これにより、基板10の表面10aをマイルドにエッチングし、基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域を平滑に維持することができる。
このとき、Nガスの分圧に対するHClガスおよびHガスのそれぞれの分圧の比率(分圧比率)を、例えば、1%以上10%以下とする。分圧比率が1%未満であると、基板10を構成するGaNのエッチング速度が低くなるため、付着不純物20が除去されるまでの時間が過剰に長くなる可能性がある。これに対し、分圧比率を1%以上とすることにより、基板10を構成するGaNのエッチング速度を所定値以上に確保し、付着不純物20が除去されるまでの時間の長期化を抑制することができる。一方で、分圧比率が10%超であると、基板10を構成するGaNが過剰にエッチングされるため、基板10の表面10aが荒れてしまう可能性がある。これに対し、分圧比率を10%以下とすることにより、基板10の表面10aをマイルドにエッチングし、基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域を平滑に維持することができる。
また、例えば、NHガスを非含有とした雰囲気下でエッチングを行う。NHガスを含む雰囲気下でエッチングを行うと、基板10を構成するGaNと、HClガスおよびHガスのそれぞれとの反応により生成したGa含有ガス(GaClまたはGaH)と、NHガスとが反応して、基板10の表面10aにGaNが再成長してしまう。再成長したGaNは不規則な形状で形成されるため、基板10の表面10aが荒れてしまう可能性がある。これに対し、NHガスを非含有とした雰囲気下でエッチングを行うことで、GaNの再成長を抑制することができる。これにより、基板10の表面10aを平滑に維持することができる。
また、エッチング工程S140での基板10の温度(エッチング温度)Teを、例えば、基板10を構成するGaNがエッチングされ始める臨界温度(以下、エッチング臨界温度という)以上とする。これにより、基板10の表面10aを構成するGaNをエッチングしつつ、表面10a上の付着不純物20を除去することができる。
一方で、図4に示すように、エッチング工程S140での基板10のエッチング温度Teを、例えば、後述の気相成長工程S160での基板10の温度(成膜温度)Tgよりも低くする。これにより、基板10の表面10aをマイルドにエッチングし、基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域を平滑に維持することができる。
エッチング工程S140のより詳細なエッチング条件としては、以下が例示される。
エッチング温度Te:500〜900℃、好ましくは600〜800℃
処理室401内の圧力:90〜105kPa、好ましくは、90〜95kPa
HClガス分圧/Nガス分圧:1〜10%、好ましくは1〜5%
ガス分圧/Nガス分圧:1〜10%、好ましくは3〜7%
ガスの流速:5〜15cm/s
(なお、ガスの流速は、加熱による体積膨張を考慮せず、ガスの供給量から算出した値である。)
エッチング時間:1〜10h、好ましくは2〜5h
エッチングレート:0.1〜10μm/h、好ましくは0.5〜3μm/h
以上のエッチングにより、図5(b)に示すように、基板10の表面10aに付着した付着不純物20を除去することができる。なお、基板10の表面10aは、点線矢印で示したようにエッチングされることとなる。
基板10の表面10aから付着不純物20を除去したら、処理室401内へのエッチングガスとしてのHClガスおよびHガスの供給を停止し、エッチング工程S140を終了させる。
(S160:気相成長工程)
次に、基板10の表面10a上に、III族窒化物半導体からなる半導体層(気相成長層)40を気相成長法によりエピタキシャル成長させる気相成長工程S160を行う。
本実施形態では、例えば、上述の気相成長装置400を用い、HVPE法により半導体層40をエピタキシャル成長させる。
また、本実施形態では、上述のエッチング工程S140の終了後、気相成長装置400の処理室401を大気開放することなく、また処理室401内から基板10を搬出することなく、そのまま同一の気相成長装置400の処理室401内で、以下の気相成長工程S160を連続的に行う。その意味において、上述のエッチング工程S140は、その場エッチング工程(in−situエッチング工程)と考えることができる。
具体的には、気相成長工程S160は、例えば以下の処理手順で実施することができる。
エッチング工程S140で、処理室401内へのエッチングガスとしてのHClガスおよびHガスの供給を停止した後、処理室401内へのNガスの供給と、処理室401内の排気と、サセプタ408による基板10の保持および回転とを継続させた状態で、ガス供給管432bから処理室401内の基板10の表面10aに対してNHガスを供給する。すなわち、処理室401内の雰囲気をエッチングガス非含有の雰囲気、すなわちNHガスおよびNガスを含む雰囲気に切り替える。これにより、昇温時において、基板10を構成するGaNの分解を抑制し、基板10の表面の荒れを抑制することができる。処理室401内へNHガスを供給したら、処理室401内をさらに加熱する。
図4に示すように、処理室401内の加熱によって基板10の温度をエッチング工程S140でのエッチング温度Teよりも上昇させる。このとき、エッチング工程S140から気相成長工程S160まで、基板10の温度を単調に上昇させる。すなわち、エッチング工程S140から気相工程S160までの間において、基板10の温度を一時的に下げることがなく、または、基板10の温度をオーバーシュートさせることがない。これにより、付着不純物20の再付着を抑制することができる。
基板10の温度が所定の温度Tgに到達し、処理室401内の圧力が所定の圧力に到達したら、基板10の表面10aに対してNHガスを供給した状態で、ガス供給管432aからガス生成器433a内にHClガスを供給し、基板10の表面10aに対してGaClガスを供給する。なお、このとき、処理室401内にHガスを供給してもよい。
これにより、図6(a)に示すように、基板10の表面10a上に、GaNからなる半導体層40がエピタキシャル成長する。
このとき、上述のように、エッチング工程S140において基板10の表面10aをマイルドにエッチングしたことで、基板10の表面10a上に半導体層40を平滑にエピタキシャル成長させることができ、該半導体層40の表面10aを構成する結晶面((0001)面)以外のファセットの発生を抑制することができる。
また、このとき、上述のように、エッチング工程S140において基板10の表面10aに出現したエッチピット10epを半導体層40によって埋め込む。これにより、基板10の表面10aにエッチピット10epが出現していたとしても、基板10の表面10a上に半導体層40を平滑にエピタキシャル成長させることができる。
また、このとき、半導体層40の表面における転位密度を、基板10の表面10aにおける転位密度と同等以下とすることができる。具体的には、半導体層40の表面における転位密度を、例えば、1×10個/cm以上1×10個/cm以下とすることができる。
また、このとき、基板10としてGaN自立基板を用い、当該基板10上に、基板10の格子定数と等しい格子定数を有するGaNからなる半導体層40をホモエピタキシャル成長させることで、低応力の状態で半導体層40を形成することができる。また、基板10の線膨張係数と半導体層40の線膨張係数とを等しくすることで、半導体層40の成長後に基板10の温度を下げた際であっても、基板10および半導体層40におけるクラックの発生を抑制することができる。これらの結果、半導体層40を厚膜に形成することができる。具体的には、半導体層40の厚さを、例えば、45μm以上5mm以下、好ましくは150μm以上2mm以下とすることができる。
気相成長工程S160を実施する際の成長条件としては、以下が例示される。
成長温度Tg:980〜1100℃、好ましくは1050〜1100℃
処理室401内の圧力:90〜105kPa、好ましくは90〜95kPa
GaClガスの分圧:1.5〜15kPa
NHガスの分圧/GaClガスの分圧:2〜6
ガスの流量/Hガスの流量:1〜20
ガスの流速:5〜15cm/s
(なお、ガスの流速は、加熱による体積膨張を考慮せず、ガスの供給量から算出した値である。)
以上の成長条件で半導体層40を成長させることで、基板10および半導体層40を有する半導体積層物1を作製することができる。
半導体層40の成長が完了したら、処理室401内へNHガスおよびNガスを供給しつつ、処理室401内を排気した状態で、ガス生成器433a内へのHClガスの供給、処理室401内へのHガスの供給、ヒータ407による加熱をそれぞれ停止する。処理室401内の温度が500℃以下となったらNHガスの供給を停止し、その後、処理室401内の雰囲気をNガスへ置換して大気圧に復帰させるとともに、処理室401内を搬出可能な温度にまで低下させた後、処理室401内から半導体積層物1を搬出する。
(S180:スライス工程)
次に、図6(b)に示すように、半導体積層物1の半導体層40をスライスし、GaN自立基板としての自立基板2を複数枚作製する。
その後、自立基板2の少なくとも表面を研磨し、自立基板2の表面をエピレディ面とする。自立基板2の研磨が完了後、自立基板2に対して所定の洗浄を行う。
以上により、本実施形態の自立基板2が製造される。
このように製造された自立基板2の表面は、基板10と同様に、(0001)面、或いは、(0001)面に対して所定のオフ角を有する面となる。また、自立基板2の表面における転位密度は、上記した半導体層40の表面における転位密度と同様に、例えば、1×10個/cm以上1×10個/cm以下となる。
なお、自立基板2をスライスした後に残された基板10若しくは半導体積層物1や、スライスした自立基板2を用いて、上述の気相成長工程S160を再実施してもよい。これにより、結晶品質が良好な自立基板2を繰り返し製造することができる。
(2)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)エッチング工程S140では、基板10の表面10aの全面を、所定の厚さ以上に亘って、気相中でエッチングする。このとき、基板用意工程S120で基板収容体200を起因として基板10の表面10aに付着した付着不純物20を、基板10のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。これにより、気相成長工程S160において、半導体層40の表面におけるピットやモフォロジ異常部の発生を抑制することができ、半導体層40中への局所的なOの取り込みを抑制することができる。その結果、半導体層40中のキャリア濃度を面内で均一にすることができ、半導体層40の抵抗を面内で均一にすることができる。
また、エッチング工程S140において、基板10の表面10aに付着した付着不純物20をGaNとともに除去することで、半導体層40が成長されない非成長領域の形成を抑制することができる。半導体層40における非成長領域の形成を抑制することで、スライス工程S180において半導体層40をスライスし自立基板2を作製する際に、自立基板2における貫通孔の形成を抑制することができる。
また、たとえ多くの付着不純物20が基板10の表面10aに付着していたとしても、エッチング工程S140において、当該付着不純物20をGaNとともに除去することで、気相成長工程S160において、付着不純物20に由来するアウトガスの発生を抑制することもできる。付着不純物20に由来するアウトガスの発生を抑制しつつ半導体層40をエピタキシャル成長させることで、半導体層40中への不純物の取り込みを抑制するとともに、半導体層40中への結晶欠陥部の形成を抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、結晶品質が良好な半導体積層物1または自立基板2を製造することが可能となる。
(b)エッチング工程S140では、付着不純物20を直接エッチングするのではなく、付着不純物20が付着した基板10のマトリクスをエッチングすることで、付着不純物20を除去する。これにより、たとえ付着不純物20の材質、付着不純物20の量、付着不純物20の位置、または付着不純物20の平面視での付着範囲等が不明であったとしても、付着不純物20を基板10のマトリクスとともに確実に除去することができる。
(c)エッチング工程S140では、基板10の表面10aのうち結晶欠陥部を除く領域が平滑となる条件下で、基板10の表面10aをエッチングする。このようなマイルドなエッチング条件により基板10の表面10aを平滑に維持することで、気相成長工程S160において、基板10の表面10a上に半導体層40を平滑にエピタキシャル成長させることができる。また、このとき、該半導体層40の表面を構成する結晶面以外のファセットの発生を抑制することができる。仮に半導体層40の成長時に半導体層40の表面を構成する結晶面以外のファセットが生じた場合、半導体層40中への不純物の取り込みが増加することとなる。これに対し、本実施形態では、このようなファセットの発生を抑制することで、半導体層40中への不純物の取り込みを抑制することができる。
(d)エッチング工程S140と気相成長工程S160とを、気相成長装置400の処理室401を大気開放することなく、同一の処理室401内で連続的に行う。これにより、エッチング工程S140から気相成長工程S160までの間に基板10の表面10aに酸化層が形成されることを抑制することができる。つまり、エッチング工程S140によって浄化された基板10の表面10a上に、直接、半導体層40を成長させることができる。このように基板10と半導体層40との間に酸化層を介在させないことで、基板10の結晶性を低下させずに半導体層40に引き継ぐことができる。
<本発明の第2実施形態>
上述の実施形態では、自立基板2を製造する場合について説明したが、以下の第2実施形態のように、半導体装置3を製造する場合にエッチング工程S140を適用してもよい。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明し、上述の実施形態で説明した要素と実質的に同一の要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(1)本実施形態における課題
III族窒化物半導体系の半導体装置として、例えば、半絶縁性のGaN自立基板上に、GaNからなる電子走行層と、AlGaNからなる電子供給層と、をこの順で積層することにより構成された高電子移動度トランジスタ(HEMT)が知られている。HEMTとしての半導体装置を製造する際において、有機系の樹脂材料からなる基板収容体内にGaN自立基板を長期間収容すると、上述の実施形態と同様に、基板収容体を起因として、GaN自立基板の表面に付着不純物が付着することがある。具体的には、GaN自立基板と電子走行層との間の界面に、付着不純物として、例えばSiがパイルアップする可能性がある。GaN自立基板と電子走行層との間の界面にSiがパイルアップすると、界面のSiによって導電性のGaN:Si層が形成され、リークパスや寄生容量が生成される可能性がある。その結果、例えば、HEMTの耐圧が低下したり、HEMTの高周波特性が劣化したりする可能性がある。
そこで、電子走行層のうちGaN自立基板と電子走行層との間の界面付近に、Fe等をドーピングする技術が知られている。Feをドーピングする際には、例えば、ビスシクロペンタジエニル鉄(CpFe)ガスが用いられる。このように、電子走行層のうちGaN自立基板と電子走行層との間の界面付近に、Feをドーピングすることにより、当該界面にパイルアップしたSiを補償し、当該界面付近の領域を高抵抗化させることができる。
しかしながら、Feをドーピングする際に用いられるCpFeガスは、いわゆるメモリー効果を生じさせうる。すなわち、電子走行層のうちGaN自立基板と電子走行層との間の界面付近の領域を成長させる際にCpFeガスを流したとしても、その後も、CpFeガスを供給する配管内や処理室内にCpFeガスが残留してしまう。このため、電子走行層のうち電子走行層と電子供給層の間の界面付近の領域にまで、意図せずにFeがドーピングされてしまう。その結果、電子走行層のうち電子走行層と電子供給層の間の界面付近の領域に生じた2次元電子ガス(2DEG)が減少してしまう。
また、電子走行層のうちGaN自立基板と電子走行層との間の界面付近にFeをドーピングすると、当該Feをドーピングした領域から、電子走行層のうち電子走行層と電子供給層の間の界面付近の領域に、Feが拡散してしまう。この観点からも、2DEGが減少してしまう。
また、電子走行層のうちGaN自立基板と電子走行層との間の界面付近にパイルアップしたSiの濃度が高い場合には、当該界面付近にFeをドーピングしたとしても、パイルアップしたSiを充分に補償することができない可能性がある。
以下で説明する本実施形態は、上記課題に基づくものである。
(2)半導体積層物の製造方法または半導体装置の製造方法
図7および図8を用い、本実施形態に係る半導体積層物の製造方法または半導体装置の製造方法について説明する。図7は、本実施形態に係る半導体積層物の製造方法または半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。図8(a)は、本実施形態に係る半導体積層物を示す概略断面図であり、(b)は、本実施形態に係る半導体装置を示す概略断面図である。
(S120:基板用意工程)
まず、基板10を用意する。このとき、基板10を、例えば、半絶縁性のGaN自立基板とする。基板10中のFeの濃度を、例えば、5.0×1017at・cm−3以上5.0×1018at・cm−3以下とする。
また、このとき、基板10を有機系の樹脂材料からなる基板収容体200内に収容する。基板収容体200内に基板10を収容すると、付着不純物20として、例えば、シロキサンが付着する可能性がある。
(S140:エッチング工程)
本実施形態では、気相成長装置として、例えば、有機金属気相成長(MOVPE:Metalorganic Vapour Phase Epitaxy)装置を用いる。基板用意工程S120後、基板収容体200から基板10を取り出し、基板10をMOVPE装置の処理室内に投入する。基板10をMOVPE装置の処理室内に投入したら、基板10の表面10aの全面を、所定の厚さ以上に亘って、処理室内の気相中でエッチングする。このとき、基板用意工程S120で基板10の表面10aに付着した付着不純物20を、基板10のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。また、このときのエッチング条件を、上述の第1実施形態のエッチング条件と同様とする。
このように、付着不純物20を基板10のマトリクスとともに除去することで、付着不純物20としてのSiが基板10の表面(基板10と半導体層40との間の界面)でパイルアップすることを抑制することができる。
(S160:気相成長工程)
次に、MOVPE装置を用い、基板10の表面10a上に半導体層40をエピタキシャル成長させる。このとき、エッチング工程S140と気相成長工程S160とを、MOVPE装置の処理室を大気開放することなく、同一の処理室内で連続的に行う。
本実施形態では、半導体層40として、例えば、電子走行層(チャネル層)42と、電子供給層(バリア層)44と、を成長させる。
具体的には、まず、所定の温度に加熱された基板10に対して、トリメチルガリウム(TMG)ガスとNHガスとを供給することで、基板10上に、GaNからなる電子走行層42をホモエピタキシャル成長させる。このとき、電子走行層42の厚さを、例えば、500nm以上2500nm以下とする。
なお、電子走行層42を成長させる際、CpFeガスのドーピングを行わない。
次に、所定の温度に加熱された基板10に対して、TMAガスとTMGガスとNHガスとを供給することで、電子走行層42上に、AlGaNからなる電子供給層44をエピタキシャル成長させる。このとき、電子供給層44の厚さを、例えば、5nm以上50nm以下とする。
これにより、図8(a)に示すように、本実施形態の半導体積層物1が製造される。
(S220:半導体装置作製工程)
次に、上記した半導体積層物1を用いて半導体装置3を作製する半導体装置作製工程S220を行う。具体的には、電子供給層44上にニッケル(Ni)/金(Au)からなるゲート電極61を形成する。また、電子供給層44上に、ゲート電極61から所定距離離れた位置にチタン(Ti)/Alからなるソース電極62を形成し、ゲート電極61を挟んでソース電極62から所定距離離れた位置にTi/Alからなるドレイン電極63を形成する。各電極を形成したら、半導体積層物1を、N雰囲気中において所定の温度で所定時間アニール処理する。なお、アニール処理後に、電子供給層44および各電極を覆うように、窒化シリコン(SiN)からなる保護膜を形成してもよい。
以上により、図8(b)に示すように、本実施形態のHEMTとして構成される半導体装置3が製造される。
(3)半導体積層物および半導体装置
本実施形態では、上述のように、気相成長工程S160において基板10上に半導体層40を形成する前に、エッチング工程S140において基板10の表面10a上の付着不純物20を除去している。これにより、半導体積層物1および半導体装置3は、以下の特徴を有している。
基板10の表面10aから付着不純物20が除去されていることから、基板10と半導体層40との界面には、例えばSiのパイルアップが抑制されている。すなわち、基板10と半導体層40との界面には、基板10中のSi濃度または半導体層40中のSi濃度のうちいずれか高い方の10倍以上の濃度にSiが集積していない。言い換えれば、基板10と半導体層40との界面におけるSi濃度は、基板10中のSi濃度または半導体層40中のSi濃度のうちいずれか高い方の10倍未満である。
また、半導体積層物1および半導体装置3において、半導体層40の表面におけるモフォロジ異常部の発生が抑制されている。具体的には、半導体層40の表面内におけるモフォロジ異常部の面密度は、例えば、10cm−2以上1000cm−2以下である。
また、半導体積層物1および半導体装置3において、半導体層40の表面におけるピットの形成が抑制されている。具体的には、半導体層40の表面内におけるピットの面密度は、例えば、例えば、10cm−2以下、好ましくは1cm−2以下である。
(4)本実施形態により得られる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果が得られる。
(a)エッチング工程S140では、基板用意工程S120で基板10の表面10aに付着した付着不純物20を、基板10のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。これにより、基板10と半導体層40との間の界面に、付着不純物20としてのSiがパイルアップすることを抑制することができる。基板10と半導体層40との間の界面におけるSiのパイルアップを抑制することで、当該界面付近に導電性のGaN:Si層が形成されることを抑制し、リークパスや寄生容量の生成を抑制することができる。その結果、半導体装置3の耐圧および高周波特性を向上させることができる。このように、本実施形態によれば、結晶品質が良好であり、且つ、各特性が良好な半導体装置3を製造することができる。
(b)エッチング工程S140で基板10の表面10aから付着不純物20を除去することで、気相成長工程S160では、半導体層40の表面におけるピットやモフォロジ異常部の発生を抑制することができる。これにより、電子供給層44における局所的な電界集中を抑制することができる。その結果、半導体装置3の耐圧を向上させることができる。
(c)エッチング工程S140と気相成長工程S160とを、MOVPE装置の処理室を大気開放することなく、同一の処理室内で連続的に行う。
ここで、参考までに、GaN自立基板の表面に付着不純物としてSiが付着されている場合に、GaN自立基板上に半導体層を成長する前に、GaN自立基板の表面をウェットエッチングして付着不純物を除去する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、ウェットエッチングによりGaN自立基板の表面から付着不純物を除去することができたとしても、ウェットエッチング後に基板収容体内にGaN自立基板を収容すると、すぐにGaN自立基板の表面に付着不純物が再付着してしまう可能性がある。
これに対し、本実施形態では、エッチング工程S140と気相成長工程S160とを同一の処理室内で連続的に行うことで、エッチング工程S140後の基板10の表面10aに付着不純物20が再付着することを抑制することができる。これにより、基板10と半導体層40との間の界面に、付着不純物20としてのSiがパイルアップすることを確実に抑制することができる。
(5)本実施形態の変形例
上述の実施形態では、半導体装置3がHEMTとして構成される場合について説明したが、半導体装置3は、HEMTに限られず、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)として構成されていてもよい。以下、上述の実施形態と異なる要素についてのみ説明する。
(5−1)半導体積層物の製造方法または窒化物結晶基板の製造方法
図7および図9を用い、本変形例に係る半導体積層物の製造方法または半導体装置の製造方法について説明する。図9(a)は、本実施形態の変形例に係る半導体積層物を示す概略断面図であり、(b)は、本実施形態の変形例に係る半導体装置を示す概略断面図である。
(S120:基板用意工程)
まず、基板10を用意する。このとき、基板10を、例えば、シリコン(Si)等のn型不純物を含むn型のGaN自立基板とする。また、基板10中のn型不純物の濃度を、例えば、5.0×1017at・cm−3以上1.0×1019at・cm−3以下とする。
また、このとき、基板10を有機系の樹脂材料からなる基板収容体200内に収容する。
(S140:エッチング工程)
次に、基板10を基板収容体200からMOVPE装置の処理室内に投入し、基板10の表面10aの全面を、所定の厚さ以上に亘って、処理室内の気相中でエッチングする。このとき、基板用意工程S120で基板10の表面10aに付着した付着不純物20を、基板10のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。
(S160:気相成長工程)
次に、MOVPE装置を用い、基板10の表面10a上に半導体層40をエピタキシャル成長させる。本実施形態では、半導体層40として、例えば、下地n型半導体層46と、ドリフト層48と、を成長させる。
具体的には、まず、基板10上に、n型GaN層としての下地n型半導体層46をエピタキシャル成長させる。このとき、例えばn型不純物としてSiまたはGeをドーピングすることにより、下地n型半導体層46中のn型不純物の濃度を、基板10とほぼ等しく、例えば、5.0×1017at・cm−3以上1.0×1019at・cm−3以下とする。
次に、下地n型半導体層46上に、n−型GaN層としてのドリフト層48をエピタキシャル成長させる。このとき、ドリフト層48中のn型不純物濃度を、基板10および下地n型半導体層46のそれぞれのn型不純物濃度よりも低く、例えば、1.0×1015at・cm−3以上5.0×1016at・cm−3以下とする。
これにより、図9(a)に示すように、本変形例の半導体積層物1が製造される。
(S220:半導体装置作製工程)
次に、上記した半導体積層物1を用いて半導体装置3を作製する半導体装置作製工程S220を行う。具体的には、平面視で円形の開口を有する保護膜50を半導体層40上に形成する。このとき、保護膜50を例えば酸化シリコン(SiO)膜とする。保護膜50を形成したら、保護膜50の開口内の半導体層40に接するとともに、平面視で保護膜50の開口よりも広く覆うように、フィールドプレート電極としてのp型電極64を形成する。このとき、p型電極64を例えばパラジウム(Pd)/ニッケル(Ni)膜とする。また、基板10の裏面側に、n型電極65を形成する。このとき、n型電極65を例えばチタン(Ti)/(Al)膜とする。
以上により、図9(b)に示すように、本変形例のショットキーバリアダイオード(SBD)として構成される半導体装置3が製造される。
(5−2)半導体積層物および半導体装置
本実施形態の半導体積層物1および半導体装置3も、上述の実施形態と同様に、以下の特徴を有している。半導体積層物1および半導体装置3において、半導体層40の表面内におけるモフォロジ異常部の面密度は、例えば、10cm−2以上1000cm−2以下である。半導体層40の表面内におけるピットの面密度は、例えば、例えば、10cm−2以下、好ましくは1cm−2以下である。なお、基板10と半導体層40との界面には、基板10中のSi濃度または半導体層40中のSi濃度のうちいずれか高い方の10倍以上の濃度にSiが集積していない。
(5−3)本実施形態により得られる効果
(a)半導体層40においてピットやモフォロジ異常部の成長を抑制することにより、SBDとして構成される半導体装置3において所望の整流性を得ることができる。
ここで、半導体層の表面にピットやモフォロジ異常部が存在すると、その周囲のキャリア濃度が低かったとしても、半導体層のうちピットやモフォロジ異常部が成長した部分では、上述のようにO濃度が高くなり、キャリア濃度が高くなる。半導体層のショットキー障壁幅は、キャリア濃度の平方根に逆比例するため、半導体層のうちキャリア濃度が高くなった部分において、逆バイアス印加時にトンネル電流が流れ易くなる。すなわち、これは、SBDと抵抗とを有する並列回路が形成されることに相当する。このため、SBDとして構成される半導体装置において所望の整流性が得られなくなる可能性がある。
これに対し、半導体層40においてピットやモフォロジ異常部の成長を抑制することにより、局所的にO濃度が高く、キャリア濃度が高い部分の形成を抑制することができる。これにより、逆バイアス印加時に局所的にトンネル電流が流れることを抑制することができる。その結果、SBDとして構成される半導体装置3において所望の整流性を得ることができる。
(b)半導体層40の表面におけるピットやモフォロジ異常部の発生を抑制することにより、ドリフト層48における局所的な電界集中を抑制することができる。その結果、半導体装置3の耐圧を向上させることができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態を具体的に説明した。しかしながら、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、基板10および窒化物半導体自立基板2のそれぞれがGaN自立基板である場合について説明したが、基板10および窒化物半導体自立基板2のそれぞれは、GaN自立基板に限らず、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化インジウム(InN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化アルミニウムインジウムガリウム(AlInGaN)等のIII族窒化物半導体、すなわち、AlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式で表されるIII族窒化物半導体からなる自立基板であってもよい。
また、基板10は、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板であればよく、例えば、サファイア等からなる支持基板と、AlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)の組成式で表されるIII族窒化物半導体からなる半導体層とを有するIII族窒化物半導体テンプレートであってもよい。
上述の実施形態では、基板収容体200がウエハトレイとして構成されている場合について説明したが、基板収容体200は、複数の基板10を収容するウエハボックスとして構成されていてもよい。
上述の第1実施形態では、気相成長工程S160でのドーピングに関して説明しなかったが、半導体層40に所定の導電性または絶縁性を付与するために、気相成長工程S160において半導体層40に不純物をドーピングしてもよい。
上述の実施形態では、エッチング工程S140と気相成長工程S160とを同一の気相成長装置400の処理室401内で連続的に行う場合について説明したが、エッチング工程S140と気相成長工程S160とをそれぞれ別の装置で行ってもよい。ただし、エッチング工程S140と気相成長工程S160とを同一の気相成長装置400の処理室401内で連続的に行うほうが、基板10の露出部への酸化層の形成を抑制できる点で好ましい。
上述の第2実施形態の変形例では、MOVPE法により半導体層40を成長させる場合について説明したが、HVPE法により半導体層40を成長させてもよい。HVPE法は、成長速度が高いため、半導体装置を製造する際のスループットを向上させることができる。
上述の第2実施形態の変形例では、エッチング工程S140後の気相成長工程S160において、まず、基板10上にn型GaN層としての下地n型半導体層46を成長させてから、次に、n−型GaN層としてのドリフト層48を成長させる場合について説明したが、エッチング工程S140によって基板10の表面10a上の付着不純物20(例えばパイルアップしたSi)が除去されることから、エッチング工程S140後の気相成長工程S160において、基板10上にn型GaN層としての下地n型半導体層46を介さずにn−型GaN層としてのドリフト層48を直接成長させてもよい。これにより、結晶品質が良好なドリフト層48を基板10上に直接成長させることができる。
上述の第2実施形態およびその変形例では、半導体装置3としてHEMTまたはSBDを製造する場合について説明したが、半導体装置3として、例えば、ジャンクションバリアショットキーダイオード(JBS)、pn接合ダイオード、発光ダイオード、レーザダイオード、ゲートインジェクショントランジスタ(GIT)、バイポーラトランジスタ等を製造してもよい。
[第2実施形態の他の変形例]
ここで、第2実施形態の他の変形例について説明する。本変形例では、例えば、半導体装置としてpn接合ダイオードを製造する場合について説明する。なお、図7のフローチャートを用いて説明する。
(S120:基板用意工程)
まず、n型のGaN自立基板からなる下地基板を用意する。
ここで、例えば、半導体装置として高耐圧のpn接合ダイオードを得るためには、数十μmの厚さを有するn−型GaN層としてのドリフト層を下地基板上に成長させる必要がある。MOVPE法での成長速度は数μm/h程度であるため、上記ドリフト層をMOVPE法で成長させるためには非常に時間がかかり、スループットが低くなってしまう。そこで、本変形例では、成長速度が高いHVPE法によりn−型GaN層としてのドリフト層を下地基板上に成長させる。
以上により、表層がn−型GaN層としてのドリフト層からなる基板が作製される。基板が作製されたら、基板を有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容する。
(S140:エッチング工程)
次に、基板を基板収容体からMOVPE装置の処理室内に投入し、基板の表層を構成するドリフト層の全面を、所定の厚さ以上に亘って、処理室内の気相中でエッチングする。このとき、基板用意工程S120で基板の表面(すなわちドリフト層の表面)に付着した付着不純物を、基板の表層(すなわちドリフト層)のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。
(S160:気相成長工程)
次に、MOVPE装置を用い、ドリフト層上にp−型GaN層としての第1p型半導体層をエピタキシャル成長させる。第1p型半導体層中のp型不純物としては、例えば、マグネシウム(Mg)が挙げられる。また、第1p型半導体層中のp型不純物濃度は、例えば、1.0×1017at・cm−3以上2.0×1019at・cm−3以下とする。
次に、第1p型半導体層上にp型GaN層としての第2p型半導体層をエピタキシャル成長させる。第2p型半導体層中のp型不純物濃度は、第1p型半導体層中のp型不純物濃度よりも高く、例えば、5.0×1019at・cm−3以上2.0×1020at・cm−3以下とする。
これにより、本変形例の半導体積層物が製造される。
(S220:半導体装置作製工程)
次に、上記した半導体積層物を用いて半導体装置を作製する半導体装置作製工程S220を行う。具体的には、第2p型半導体層上にp型電極(例えばPd/Ni)を形成し、下地基板の裏面側にn型電極(例えばTi/Al)を形成する。
以上により、本変形例の半導体装置が製造される。
本変形例によれば、成長速度が高いHVPE法によりn−型GaN層としてのドリフト層を下地基板上に成長させることで、半導体装置としてpn接合ダイオードを製造する際のスループットを向上させることができる。
また、本変形例によれば、エッチング工程S140では、基板用意工程S120でドリフト層の表面に付着した付着不純物を、ドリフト層のマトリクスを構成するGaNとともに除去する。これにより、ドリフト層と第1p型半導体層との間の界面に、付着不純物としてのSiがパイルアップすることを抑制することができる。ドリフト層と第1p型半導体層との間の界面におけるSiのパイルアップを抑制することで、第1p型半導体層中のp型不純物が、パイルアップしたSiによって補償されることを抑制することができる。
なお、本変形例では、エッチング工程S140後の気相成長工程S160においてドリフト層上にp−型GaN層としての第1p型半導体層を直接エピタキシャル成長させる場合について説明したが、エッチング工程S140後の気相成長工程S160においてドリフト層上に薄いn−型GaN層を成長させてから、次に、n−型GaN層上に第1p型半導体層を成長させてもよい。
以下、本発明の効果を裏付ける各種実験結果について説明する。
(1)付着不純物の確認
(1−1)基板の用意
まず、基板として、直径2inch、厚さ400μmのGaN自立基板を用意した。次に、基板を基板収容体としてのウエハトレイに収容し、所定期間、保管した。
(1−2)評価
240日間ウエハトレイに収容した基板の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察するとともに、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray Spectroscopy)により基板の表面の組成分析を行った。
また、全反射蛍光X線分析(TXRF)により、0〜240日間ウエハトレイに収容した基板のそれぞれの表面の組成分析を行った。
(1−3)結果
図10(a)は、付着不純物の一例を示すSEM像であり、(b)は、(a)の付着不純物のEDX分析を行った結果である。
図10(a)に示すように、ウエハトレイ内に収容した基板の表面には、付着不純物が付着していた。この付着不純物についてEDXによる組成分析を行ったところ、図10(b)に示すように、付着不純物は、Si、CおよびOを含むことを確認した。この結果から、付着不純物は、ウエハトレイを製造する際に用いられた離型剤を起因としたシロキサンを含んでいると推定される。
図11は、基板を基板収容体内に保管した保管日数に対する、全反射蛍光X線分析によって測定した基板表面のSi濃度を示す図である。
図11に示すように、基板表面のSi濃度は、ウエハトレイ内の保管日数に対して単調増加することを確認した。つまり、付着不純物としてのSiは、保管日数が長いほど、多く付着する可能性があることを確認した。
(2)エッチング工程の効果の確認
(2−1)基板の用意
まず、基板として、直径2inch、厚さ400μmのGaN自立基板を複数用意した。次に、複数の基板をそれぞれ基板収容体としてのウエハトレイに収容し、240日間、保管した。
(2−2)半導体積層物の製造
以下の条件下で、比較例の半導体積層物と実施例の半導体積層物とを製造した。
(比較例)
エッチング工程:不実施
気相成長工程:
方法:HVPE法
半導体層の材質:GaN
成長温度:1050℃
処理室内圧力:一定
NHガスの分圧/GaClガスの分圧:3
ガスの流量/Hガスの流量:5
半導体層の厚さ:200μm
(実施例)
エッチング工程:実施
装置:気相成長工程と同じHVPE装置
エッチング温度:650℃
処理室内圧力:一定
ガス:Nガス、HClガス、Hガス
HClガス分圧/Nガス分圧:3%
ガス分圧/Nガス分圧:5%
エッチング時間:3h
気相成長工程:
比較例と同じ
(2−3)評価
比較例および実施例の半導体積層物について、半導体層の表面におけるピットやモフォロジ異常部の有無、半導体層における非成長領域の有無を観察した。
(2−4)結果
図12および図13を用い、結果について説明する。図12(a)は、実施例の半導体積層物の外観を示す写真であり、(b)は、比較例の半導体積層物の外観を示す写真である。図13(a)〜(c)は、比較例の半導体積層物の表面におけるピットやモフォロジ異常部を示す図である。
比較例の半導体積層物では、図12(b)に示すように、半導体層において非成長領域(矢印)が生じていた。比較例の半導体積層物では、図13(a)〜(c)に示すように、半導体層の表面に、ピットやモフォロジ異常部が発生していた。比較例では、ウエハトレイを起因として基板の表面に付着不純物が付着していたため、気相成長工程において、半導体層の表面にピットやモフォロジ異常部が形成されたり、または非成長領域が形成されたりしてしまったと考えられる。
これに対し、実施例の半導体積層物では、図12(a)に示すように、半導体層において非成長領域は生じていなかった。また、半導体層の表面は、平滑であった。
実施例では、エッチング工程において基板の表面に付着した付着不純物を基板のマトリクスを構成するGaNとともに除去することで、気相成長工程において半導体層の非成長領域の形成を抑制することができることを確認した。また、エッチング工程においてマイルドな条件で基板の表面をエッチングすることで、気相成長工程において半導体層を平滑にエピタキシャル成長させることができることを確認した。これらの結果、結晶品質が良好な半導体積層物を製造することができることを確認した。
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容され、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板を用意する工程と、
前記基板を前記基板収容体から所定の処理室内に投入し、前記基板の少なくとも前記表層のうちの全面を、所定の厚さ以上に亘って、前記処理室内の気相中でエッチングする工程と、
前記基板上に、III族窒化物半導体からなる半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、
を有し、
前記エッチングする工程では、
前記基板を用意する工程で前記基板収容体を起因として前記基板の前記表面に付着した付着不純物を、前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体とともに除去する
半導体積層物の製造方法。
(付記2)
前記エッチングする工程では、
前記表層の前記表面のうち結晶欠陥部を除く領域が平滑となる条件下で前記表層の前記表面をエッチングする
付記1に記載の半導体積層物の製造方法。
(付記3)
前記エッチングする工程では、
塩化水素ガスおよび水素ガスを含む雰囲気下で前記エッチングを行う
付記1又は2に記載の半導体積層物の製造方法。
(付記4)
前記エッチングする工程では、
前記塩化水素ガス、前記水素ガスおよび不活性ガスを含む雰囲気下で前記エッチングを行い、
前記不活性ガスの分圧を前記塩化水素ガスおよび前記水素ガスのそれぞれの分圧よりも高くする
付記3に記載の半導体積層物の製造方法。
(付記5)
前記エッチングする工程では、
前記不活性ガスの分圧に対する前記塩化水素ガスおよび前記水素ガスのそれぞれの分圧の比率を、1%以上10%以下とする
付記4に記載の半導体積層物の製造方法。
(付記6)
前記エッチングする工程では、
アンモニアガスを非含有とした雰囲気下で前記エッチングを行う
付記1〜5のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記7)
前記エッチングする工程での前記基板の温度を、前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程での前記基板の温度よりも低くする
付記1〜6のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記8)
前記エッチングする工程から前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程まで、前記基板の温度を単調に上昇させる
付記7に記載の半導体積層物の製造方法。
(付記9)
前記エッチングする工程と前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程とを、同一の処理室内で連続的に行う
付記1〜8のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記10)
前記エッチング工程では、
前記基板の温度を所定の温度に維持した状態で、少なくとも1時間以上、前記エッチングを行う
付記1〜9のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記11)
前記エッチング工程では、
前記基板の前記表層の全面を、少なくとも深さ方向に10nm以上エッチングする
付記1〜10のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記12)
前記エッチング工程では、
前記基板の前記表層の表面に、該表層中の転位に対応したエッチピットが出現し、
前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程では、
前記表層の表面に出現した前記エッチピットを前記半導体層によって埋め込む
付記1〜11のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記13)
前記基板を用意する工程では、
前記基板収容体内に前記基板を、少なくとも12時間以上収容する
付記1〜12のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記14)
前記基板を用意する工程では、
ポリプロピレンからなる前記基板収容体内に前記基板を収容する
付記1〜13のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記15)
前記付着不純物は、少なくともシロキサンを含む
付記1〜14のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記16)
前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体は、窒化ガリウムである
付記1〜15のいずれか1つに記載の半導体積層物の製造方法。
(付記17)
前記基板の前記表層の表面は、+C面、または+C面に対して2°以内のオフ角を有する面である
付記16に記載の半導体積層物の製造方法。
(付記18)
有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容され、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板を用意する工程と、
前記基板を前記基板収容体から所定の処理室内に投入し、前記基板の少なくとも前記表層のうちの全面を、所定の厚さ以上に亘って、前記処理室内の気相中でエッチングする工程と、
前記基板上に、III族窒化物半導体からなる半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、
を有し、
前記エッチングする工程では、
前記基板を用意する工程で前記基板収容体を起因として前記基板の前記表面に付着した付着不純物を、前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体とともに除去する
半導体装置の製造方法。
(付記19)
有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容され、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板を用意する工程と、
前記基板を前記基板収容体から所定の処理室内に投入し、前記基板の少なくとも前記表層のうちの全面を、所定の厚さ以上に亘って、前記処理室内の気相中でエッチングする工程と、
前記基板上に、III族窒化物半導体からなる半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、
前記半導体層をスライスし、窒化物半導体自立基板を作製する工程と、
を有し、
前記エッチングする工程では、
前記基板を用意する工程で前記基板収容体を起因として前記基板の前記表面に付着した付着不純物を、前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体とともに除去する
窒化物半導体自立基板の製造方法。
(付記20)
少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板と、
前記基板上に設けられ、III族窒化物半導体からなる半導体層と、
を有し、
前記基板と前記半導体層との界面には、前記基板中のシリコン濃度または前記半導体層中のシリコン濃度のうちいずれか高い方の10倍以上の濃度にシリコンが集積していない
半導体積層物。
(付記21)
少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板と、
前記基板上に設けられ、III族窒化物半導体からなる半導体層と、
を有し、
前記基板と前記半導体層との界面には、前記基板中のシリコン濃度または前記半導体層中のシリコン濃度のうちいずれか高い方の10倍以上の濃度にシリコンが集積していない
半導体装置。
1 半導体積層物
2 窒化物半導体自立基板
10 基板(基板)
20 付着不純物
40 半導体層

Claims (17)

  1. 有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容され、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板を用意する工程と、
    前記基板を前記基板収容体から所定の処理室内に投入し、前記基板の少なくとも前記表層のうちの全面を、所定の厚さ以上に亘って、前記処理室内の気相中でエッチングする工程と、
    前記基板上に、III族窒化物半導体からなる半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、
    を有し、
    前記エッチングする工程では、
    当該エッチングする工程での前記基板の温度を、前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程での前記基板の温度よりも低くしつつ、
    前記基板を用意する工程で前記基板収容体を起因として前記基板の表面に付着した付着不純物を、前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体とともに除去し、
    前記エッチングする工程から前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程まで、前記基板の温度を一時的に下げることなく、且つ、前記基板の温度をオーバーシュートさせることなく、前記基板の温度を単調に上昇させる
    半導体積層物の製造方法。
  2. 前記エッチングする工程では、
    前記表層の前記表面のうち結晶欠陥部を除く領域が平滑となる条件下で前記表層の前記表面をエッチングする
    請求項1に記載の半導体積層物の製造方法。
  3. 前記エッチングする工程では、
    塩化水素ガスおよび水素ガスを含む雰囲気下で前記エッチングを行う
    請求項1又は2に記載の半導体積層物の製造方法。
  4. 前記エッチングする工程では、
    前記塩化水素ガス、前記水素ガスおよび不活性ガスを含む雰囲気下で前記エッチングを行い、
    前記不活性ガスの分圧に対する前記塩化水素ガスおよび前記水素ガスのそれぞれの分圧の比率を、1%以上10%以下とする
    請求項3に記載の半導体積層物の製造方法。
  5. 前記エッチングする工程では、
    アンモニアガスを非含有とした雰囲気下で前記エッチングを行う
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  6. 前記エッチングする工程と前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程とを、同一の前記処理室内で連続的に行う
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  7. 前記エッチング工程では、
    前記基板の温度を所定の温度に維持した状態で、少なくとも1時間以上、前記エッチングを行う
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  8. 前記エッチング工程では、
    前記基板の前記表層の全面を、少なくとも深さ方向に10nm以上エッチングする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  9. 前記エッチング工程では、
    前記基板の前記表層の表面に、該表層中の転位に対応したエッチピットが出現し、
    前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程では、
    前記表層の表面に出現した前記エッチピットを前記半導体層によって埋め込む
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  10. 前記基板を用意する工程では、
    前記基板収容体内に前記基板を、少なくとも12時間以上収容する
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  11. 前記基板を用意する工程では、
    ポリプロピレンからなる前記基板収容体内に前記基板を収容する
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  12. 前記付着不純物は、少なくともシロキサンを含む
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  13. 前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体は、窒化ガリウムである
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体積層物の製造方法。
  14. 前記基板の前記表層の表面は、+C面、または+C面に対して2°以内のオフ角を有する面である
    請求項13に記載の半導体積層物の製造方法。
  15. 有機系の樹脂材料からなる基板収容体内に収容され、少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板を用意する工程と、
    前記基板を前記基板収容体から所定の処理室内に投入し、前記基板の少なくとも前記表層のうちの全面を、所定の厚さ以上に亘って、前記処理室内の気相中でエッチングする工程と、
    前記基板上に、III族窒化物半導体からなる半導体層を気相成長法によりエピタキシャル成長させる工程と、
    前記半導体層をスライスし、窒化物半導体自立基板を作製する工程と、
    を有し、
    前記エッチングする工程では、
    当該エッチングする工程での前記基板の温度を、前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程での前記基板の温度よりも低くしつつ、
    前記基板を用意する工程で前記基板収容体を起因として前記基板の表面に付着した付着不純物を、前記基板の少なくとも前記表層を構成する前記III族窒化物半導体とともに除去し、
    前記エッチングする工程から前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程まで、前記基板の温度を一時的に下げることなく、且つ、前記基板の温度をオーバーシュートさせることなく、前記基板の温度を単調に上昇させる
    窒化物半導体自立基板の製造方法。
  16. 少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板と、
    前記基板上に設けられ、III族窒化物半導体からなる半導体層と、
    を有し、
    前記基板と前記半導体層との界面には、前記基板中のシリコン濃度または前記半導体層中のシリコン濃度のうちいずれか高い方の10倍以上の濃度にシリコンが集積しておらず、
    前記半導体層の表面内において、酸素濃度が他部よりも相対的に高いピットの面密度は10cm −2 以下である
    半導体積層物。
  17. 少なくとも表層がIII族窒化物半導体からなる基板と、
    前記基板上に設けられ、III族窒化物半導体からなる半導体層と、
    を有し、
    前記基板と前記半導体層との界面には、前記基板中のシリコン濃度または前記半導体層中のシリコン濃度のうちいずれか高い方の10倍以上の濃度にシリコンが集積しておらず、
    前記半導体層の表面内において、酸素濃度が他部よりも相対的に高いピットの面密度は10cm −2 以下である
    半導体装置。
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