JP6966330B2 - Iii型分泌装置標的化分子 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、2015年5月1日に出願された米国仮出願第62/155,967号及び2015年11月13日に出願された米国仮出願第62/254,992号の利益を主張する。これらの各々の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、概して、Pseudomonas aeruginosaに由来するPcrVといったグラム陰性細菌のIII型分泌装置(type III secretion system)の細菌Vチップタンパク質に特異的に結合する分子に関する。より具体的には、本発明は、エフェクター分子の標的細胞への注入を遮断又は阻害する分子に関する。本発明の分子は、単一特異性又は多重特異性であり、一価又は多価の様式でそれらの標的抗原に結合することができる。幾つかの実施形態では、これらの抗体は、シュードモナス(Pseudomonas)タンパク質OprIに結合する細菌表面標的成分と組み合わせてもよい。また、本発明は、概して、OprIのような細菌細胞表面タンパク質に特異的に結合する分子、及びこれらの分子の様々な治療的、診断的及び/又は予防的適用における使用方法に関する。
Pseudomonas aeruginosaのVチップタンパク質(PcrV)は、毒性エフェクター分子を真核細胞に注入することができる細菌III型分泌装置(T3SS)の必須成分である。Vチップタンパク質はT3SS装置の最端部に局在しており、オリゴマー化が、標的細胞膜を通過するエフェクター分子の機能的トランスローカリゼーションに必要であると考えられている。
OprIは、Pseudomonas aeruginosaその他のPseudomonas種の外膜リポタンパク質である。OprIはP.aeruginosa株において高度に保存されているため、Pseudomonas細菌の細胞表面標的化のための優れた候補である。
したがって、グラム陰性細菌のVチップタンパク質及びOprIのような細胞表面成分を標的とする組成物及び療法が必要とされている。
本開示は、分子、例えば、抗体、抗原結合抗体断片、抗体様ポリペプチド、及び/又は融合ポリペプチドを含むポリペプチド、並びに、グラム陰性細菌のIII型分泌装置の細菌Vチップタンパク質、例えばPseudomonas aeruginosaに由来するPcrV、及び/又は細胞表面タンパク質、例えば、Pseudomonas aeruginosaのOprIタンパク質、に結合する組成物、並びに、様々な治療、診断、及び/又は予防の適応におけるこれらの組成物の製造方法及び使用方法を提供する。本発明のVチップタンパク質標的化分子は、単一特異性又は多重特異性であり、一価又は多価の様式でそれらの標的抗原に結合することができる。
これらの分子は、グラム陰性細菌のIII型分泌装置の1つ又は複数の細菌Vチップタンパク質の少なくとも1つの生物学的活性物質に結合し、中和し、あるいは阻害するのに有用である。
Pseudomonas aeruginosaその他薬剤耐性グラム陰性細菌は、地域感染や院内感染を引き起こす主な保険衛生上の懸念事項である。このような細菌による感染は、重篤で生命を脅かす可能性もある。重要な毒性因子は、3型分泌装置(type 3 secretion system:T3SS)である。グラム陰性細菌のT3SSは、毒素の真核細胞への移行に関与し、細胞死及び溶解を引き起こし、それにより細菌が感染を確立することを可能にする。
Pseudomonas aeruginosaのPcrVは、多くのグラム陰性細菌のT3SSに共通するVチップタンパク質の一例である。Vチップタンパク質はT3SS装置の最端部に位置し、オリゴマー化が、標的細胞膜を通過するエフェクター分子の機能的トランスローカリゼーションに必要であると考えられている。P.aeruginosaのPcrVは、エフェクター分子(ExoS、ExoT、ExoU、及びExoY)が真核細胞の細胞質ゾルへ注入されるのに必要であり、細胞死や溶解をもたらす。P.aeruginosaのPcrVは防御抗原であることが示されており、多数のグラム陰性細菌のVチップタンパク質を標的化することが効果的な治療上の選択肢を与えると示唆される。
幾つかの実施形態では、Vチップタンパク質標的化分子は、3型分泌システム(T3SS)装置のグラム陰性細菌Vチップタンパク質に特異的に結合し、真核細胞に対する細胞傷害作用を阻止する抗体及び抗体様分子である。幾つかの実施形態では、Vチップタンパク質結合タンパク質(VPBP)と呼ばれるVチップタンパク質標的化抗体は、抗体又は、例えば、一本鎖可変断片(scFv)、Fab断片、単一ドメイン抗体(sdAb)、VNAR、又はVHHを含む抗原結合抗体断片、に由来する。好ましい実施形態では、VPBPはヒトsdAb又はヒト化sdAbである。sdAb断片は、VHH、VNAR、操作されたVH又はVKドメインに由来し得る。VHHは、ラクダ科の重鎖のみの抗体から生成することができる。VNARは、軟骨魚重鎖のみの抗体から生成することができる。従来のヘテロ二量体VH及びVKドメインから単量体sdAbを生成するために、界面エンジニアリング及び特定の生殖系列ファミリーの選択を含む様々な方法が実施されている。
他の実施形態では、VPBPは、非抗体骨格タンパク質(例えば、限定されるものではないが、設計されたアンキリンリピートタンパク質(ダルピン)、アビマー、アンチカリン/リポカリン、センチリン及びフィノマー)に由来する。
好ましい実施形態では、Vチップタンパク質はPseudomonas aeruginosa PcrVであるか、又はPseudomonas aeruginosa PcrV由来であり、VPBPはPcrVに特異的に結合する。幾つかの実施形態では、VPBPは、少なくともPseudomonas aeruginosaに由来するPcrVを含む様々なグラム陰性細菌の2つ以上のPcrVに結合することができる。幾つかの実施形態では、VPBPは、Pseudomonas aeruginosaに由来するPcrVなどの単一のグラム陰性細菌種に由来するVチップタンパク質に結合する。幾つかの実施形態では、VPBPは、少なくともPseudomonas aeruginosaに由来するPcrVを含む2つ以上のグラム陰性細菌種に由来するVチップタンパク質に結合し、それにより異種間反応性(species-cross reactive)であるとみなされる。
幾つかの実施形態では、Vチップタンパク質標的化分子は融合タンパク質である。予期せぬことに、VPBPの価数(valency)を高めることにより、インビトロ及びインビボの両方でPseudomonas aeruginosaから細胞を保護する効力が大きく向上することが発見された。より驚くべきことに、PcrVにある2つの異なるエピトープを単一の多重特異性融合タンパク質内にある異なる複数のVPBPで標的化すると、Pseudomonas aeruginosaによる細胞傷害作用からの保護が増強されることが見出された。個々の単一特異性VPBPの保護性がわずかであったとしても、上述の発見があてはまった。実際、PCRVにある異なるエピトープを認識するVPBPが単一の融合タンパク質に組み込まれた場合、それらはPCRVにある同じエピトープに対し多価であるVPBP含有融合タンパク質又はPCRVにある別個のエピトープをそれぞれ認識する2つの別個の単一特異性VPBPを含有する融合タンパク質の組合せと比較してより強力な細胞保護を有することが発見された。
幾つかの実施形態では、本発明は、2つ以上のVPBPを組み込む融合タンパク質を含み、本明細書では多価(multivalent)と称する。幾つかの実施形態では、融合タンパク質の複数のVPBPが、標的Vタンパク質にある同じエピトープを認識し、このことを本明細書では単一特異性多価(monospecific multivalent)と称する。他の実施形態では、融合タンパク質の複数のVPBPが、標的Vタンパク質にある異なるエピトープを認識し、このことを本明細書では多特異性多価(multispecific multivalent)と称する。幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、2つのVPBPを含み、標的Vチップタンパク質に対して2価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、3つのVPBPを含み、標的Vチップタンパク質に対して3価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、4つのVPBPを含み、標的Vチップタンパク質に対して4価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、6つのVPBPを含み、標的Vチップタンパク質に対して6価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、8つのVPBPを含み、標的Vチップタンパク質に対して8価の結合能力を有する。これらの実施形態では、本発明の融合タンパク質に組み込まれるVPBPは、単一特異性又は多重特異性であり得る。
一般に、本発明の融合タンパク質は、リンカーポリペプチドを介して作動可能に連結された少なくとも2つ以上のVPBPからなる。本発明の融合体における特異的VPBPとしてsdAb断片を利用することは、多くの二重/多重特異性抗体アプローチに共通する重鎖:軽鎖ミスペアの問題を回避するという利点を有する。さらに、本発明の融合タンパク質は、多くの二重特異性抗体に必要な長いリンカーの使用を回避する。さらに、本発明の融合タンパク質は、一般に、従来の抗体よりもサイズが小さい(約75〜125kDaの範囲にある)。この分子量の小ささが、従来の抗体と比較して、感染部位へのより良好な浸透を可能にしているかもしれない。
幾つかの実施形態では、本発明の融合タンパク質は、単一のポリペプチドから構成される。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、2つ以上のポリペプチドから構成される。例えば、ヘテロ二量体化ドメインが組み込まれて融合タンパク質になり、その構築物が非対称融合タンパク質になる。免疫グロブリンFc領域が融合タンパク質に組み込まれる場合、CH3ドメインはホモ二量体化ドメインとして使用してもよく、あるいはCH3二量体界面領域が突然変異してヘテロ二量体化を可能にするようにしてもよい。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は両末端にVPBPを含む。例えば、VPBPは、融合タンパク質のアミノ末端(N末端)部分及び融合タンパク質のカルボキシ末端(C末端)部分の両方に位置する。他の実施形態では、全てのVPBP残基は融合タンパク質の同じ末端に存在する。例えば、VPBP残基は、融合タンパク質のアミノ又はカルボキシル末端部分のいずれかに存在する。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質はFc領域を欠く。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、免疫グロブリンFc領域を含む。幾つかの実施形態では、免疫グロブリンFc領域は、IgG1サブクラス、IgG2サブクラス、IgG3サブクラス及びIgG4サブクラスからなる群から選択されるIgGアイソタイプを含む。
幾つかの実施形態では、免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片はIgGアイソタイプである。例えば、融合タンパク質の免疫グロブリンFc領域は、ヒトIgG1サブクラスであり、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 0006966330
幾つかの実施形態では、免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヒトIgG1ポリペプチド配列を含む。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域は、アミノ酸Asn297(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、融合タンパク質のグリコシル化が防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、融合タンパク質のFc領域は、アミノ酸Leu235(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、Fc受容体相互作用が改変されている、例えばLeu235Glu(L235E)又はLeu235Ala(L235A)など。幾つかの実施形態では、融合タンパク質のFc領域は、アミノ酸 Leu234(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、Fc受容体相互作用が改変されている、例えばLeu234Ala(L234A)など。幾つかの実施形態では、融合タンパク質のFc領域は、アミノ酸234と235の両方が改変されている、例えば、Leu234AlaとLeu235Ala(L234A/L235A)又はLeu234ValとLeu235Ala(L234V/L235A)など。幾つかの実施形態では、融合タンパク質のFc領域は、Glu233(E233、配列番号1における太字部分)、Leu234(L234)、又はLeu235(L235)の1つ又は複数のアミノ酸を欠き、Fc受容体への結合が低減されている。幾つかの実施形態では、融合タンパク質のFc領域は、Gly235が改変され、Fc受容体への結合が低減されている。例えば、融合タンパク質からGly235が欠失している。幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域はアミノ酸Gly236が修飾されて、CD32Aとの相互作用が増強されている、例えばGly236Ala(G236A、配列番号1のの囲み部分)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域は、配列番号1の残基218に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質の免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片は、ヒトIgG2サブクラスであり、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 0006966330
幾つかの実施形態では、融合タンパク質又はその免疫学的に活性な断片は、配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヒトIgG2ポリペプチド配列を含む。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG2 Fc領域は、アミノ酸Asn297(囲み部分)が修飾され、抗体のグリコシル化を防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG2 Fc領域は、配列番号2の残基217に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質の免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片は、ヒトIgG3サブクラスであり、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 0006966330
幾つかの実施形態では、抗体又はその免疫学的に活性な断片は、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヒトIgG3ポリペプチド配列を含む。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG3 Fc領域は、アミノ酸Asn297(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、抗体のグリコシル化を防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG3 Fc領域は、アミノ酸 435が修飾され、半減期が延長されている、例えばArg435His(R435H、配列番号3の囲み部分)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG3 Fc領域は、配列番号3の残基218に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質の免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片は、ヒトIgG4サブクラスであり、以下のアミノ酸配列を有する:
Figure 0006966330
幾つかの実施形態では、抗体又はその免疫学的に活性な断片は、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるヒトIgG4ポリペプチド配列を含む。
他の実施形態では、ヒトIgG4 Fc領域は、アミノ酸235が修飾され、Fc受容体相互作用が改変されている、例えばLeu235Glu(L235E)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG4 Fc領域は、アミノ酸Asn297(Kabatナンバリングによる)が修飾され、抗体のグリコシル化を防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG4 Fc領域は、配列番号4の残基218に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域は修飾されて、FcRnへの結合が増強されている。FcRnへの結合を増強するFc変異の例として、以下のものが挙げられる:Met252Tyr、Ser254Thr、Thr256Glu(それぞれ、M252Y、S254T、T256E)(Kabat numbering, Dall’Acqua et al 2006, J. Biol Chem Vol 281(33) 23514-23524)、Met428Leu及びAsn434Ser(M428L、N434S)(Zalevsky et al 2010 Nature Biotech, Vol 28(2) 157-159)、Met252Ile、Thr256Asp、Met428Leu(それぞれ、M252I、T256D、M428L)又はMet252Tyr、Met428Leu/Val(それぞれ、M252Y、M428L/V)、(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。Met252は、配列番号1、3、及び4の残基23、並びに配列番号2の残基22に相当する。Ser254は、配列番号1、3、及び4の残基25、並びに配列番号2の残基24に相当する。Thr256は、配列番号1、3、及び4の残基27、並びに配列番号2の残基26に相当する。Met428は、配列番号1、3、及び4の残基199、並びに配列番号2の残基198に相当する。Asn434は、配列番号1、3、及び4の残基205、並びに配列番号2の残基204に相当する。
幾つかの実施形態では、本発明の融合タンパク質がFcポリペプチドを含む場合、Fcポリペプチドは変異又は修飾されている。これらの実施形態では、変異又は修飾されたFcポリペプチドとして、以下の変異体が挙げられる:Met252Tyr及びMet428Leu(M252Y、M428L)(Kabatナンバリングシステムによる)。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG Fc領域は、修飾されて抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害作用(CDC)が改変されている、例えば、Natsume et al., 2008 Cancer Res, 68(10): 3863-72; Idusogie et al., 2001 J Immunol, 166(4): 2571-5; Moore et al., 2010 mAbs, 2(2): 181-189; Lazar et al., 2006 PNAS, 103(11): 4005-4010, Shields et al., 2001 JBC, 276(9): 6591-6604; Stavenhagen et al., 2007 Cancer Res, 67(18): 8882-8890; Stavenhagen et al., 2008 Advan. Enzyme Regul., 48: 152-164; Alegre et al, 1992 J Immunol, 148: 3461-3468; Reviewed in Kaneko及びNiwa, 2011 Biodrugs, 25(1):1-11に記載のアミノ酸修飾。ADCCを増強する変異としては以下のものが挙げられる: Ser239及びIle332における修飾、例えば、Ser239Asp及びIle332Glu(S239D, I332E)。CDCを増強する変異としては以下のものが挙げられる:配列番号1、3、及び4の残基97並びに配列番号2の残基96に相当するLys326における修飾、及び配列番号1、3、及び4の残基104並びに配列番号2の残基103に相当するGlu333における修飾。幾つかの実施形態では、Fc領域は、これらの位置の1つ又は両方、例えば、 Lys326Ala及び/又はGlu333Alaが修飾されている(K326A及びE333A)(Kabatナンバリングシステムによる)。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG Fc領域は修飾されてヘテロ二量体化を促進する。例えば、CH3ドメインのThr366がアミノ酸修飾され嵩が高い(more bulky)アミノ酸、例えば、Try(T366W)に置換されると、嵩が低い(less bulky)アミノ酸、例えば、Ser、Ala及びVal(それぞれ配列番号1、3、及び4の残基137並びに配列番号2の残基135に相当するThr366における修飾、配列番号1、3、及び4の残基139並びに配列番号2の残基138に相当するLeu368における修飾、及び配列番号1、3、及び4の残基178並びに配列番号2の残基177に相当するTyr407における修飾)の位置でアミノ酸修飾(T366S/L368A/Y407V)された第2のCH3ドメインと優先的に対合可能になる。CH3修飾を介したヘテロ二量体化は、例えば、CH3ドメインの両方で、配列番号1、3、及び4の残基125並びに配列番号2の残基124に相当するSer354、配列番号1、3、及び4の残基125並びに配列番号2の残基124に相当するSer354をCysに置換する(S354C)、配列番号1、3、及び4の残基120並びに配列番号2の残基119に相当するY349をCysに置換する(Y349C)ことにより、ジスルフィド結合の導入によりさらに安定化することができる(Reviewed in Carter, 2001 Journal of Immunological Methods, 248: 7-15)。これらの実施形態のいくつかにおいて、Fc領域は、ヘテロ二量体の1つのメンバーのプロテインA結合部位を修飾することにより、プロテインA結合を防止し、それによってヘテロ二量体融合タンパク質のより効率的な精製を可能にするようにしてもよい。この結合部位における修飾の例として、配列番号1、3、及び4の残基24並びに配列番号2の残基23に相当するIle253を、例えばIle253Argとすること(I253R)が挙げられる。例えば、I253Rの修飾は、T366S/L368A/Y407Vの修飾又はT366Wの修飾のいずれかと組み合わせてもよい。T366S/L368A/Y407Vが修飾されたFcは、T336Wが修飾されたFcの場合のように、二量体化界面の立体閉塞がないので、ホモ二量体を形成することができる。したがって、好ましい実施形態では、I253Rの修飾をT366S/L368A/Y407Vが修飾されたFcと組み合わせて、形成され得るホモ二量体Fcの精製を不可能にする。
幾つかの実施形態では、ヒトIgG Fc領域は、修飾されて二量体化を妨げる。これらの実施形態では、本発明の融合タンパク質は、単量体である。例えば、残基Thr366を荷電残基、例えば、Thr366Lys、Thr366Arg、Thr366Asp、又はThr366Gluに修飾すると(それぞれ、T366K、T366R、T366D、又はT366E)、CH3-CH3の二量体化を妨げる。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、免疫グロブリンヒンジ領域に由来するポリペプチドを含む。ヒンジ領域は、任意のヒトIgGサブクラスから選択できる。例えば、融合タンパク質は、軽鎖のC末端システインとジスルフィドを形成するCys220がセリンに変異されたEPKSSDKTHTCPPCの配列(配列番号5)を有する修飾IgG1ヒンジ、例えば、Cys220Ser(C220S)を含んでもよい。他の実施形態では、融合タンパク質は、配列 DKTHTCPPC(配列番号6)を有する短縮型ヒンジ含む。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、例えば、Ser228Pro(S228P)の鎖置換を防止又は低減するように修飾され、配列 ESKYGPPCPPC(配列番号7)を有するIgG4由来の修飾ヒンジを有する。幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、1つ又は複数のリンカーポリペプチドを含む。他の実施形態では、融合タンパク質は、1つ又は複数のリンカー及び1つ又は複数のヒンジポリペプチドを含む。
幾つかの実施形態では、本発明の融合タンパク質は、N297でN結合型グリカン鎖に結合したフコースを欠く又は減少している。フコシル化を防止する多くの方法があり、例えば、限定されないが、FUT8欠損細胞株における産生; 例えば、カスタノスペルミン、2-デオキシフコース、2-フルオロフコースといった阻害剤の哺乳動物細胞培養培地への付加;フコシル化経路が自然的に減少した産生細胞株の使用、及び産生細胞株の代謝工学的方法が挙げられる。
幾つかの実施形態では、VPBPは、ヒトに存在する既存の抗体による認識を排除するように操作されている。幾つかの実施形態では、本発明の単一ドメイン抗体は、位置Leu11、例えばLeu11Glu(L11E)又はLeu11Lys(L11K)の変異によって修飾される。他の実施形態では、本発明の単一ドメイン抗体は、カルボキシ末端領域、例えば、GQGTLVTVKPGG(配列番号8)又はGQGTLVTVEPGG(配列番号9)あるいはそれらの修飾物からなる末端配列、における改変によって修飾される。例えば、末端配列は、本発明の単一ドメイン抗体は、位置11の変異及びカルボキシ末端領域の改変によって修飾される。
幾つかの実施形態では、本発明の融合タンパク質のVPBPは、アミノ酸リンカーを介して作動可能に連結している。幾つかの実施形態では、これらのリンカーは、主として、グリシン及びセリンのアミノ酸から構成され、本明細書ではGSリンカーと称する。本発明の融合タンパク質のGS-リンカーは、例えば5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20個のアミノ酸などの様々な長さであり得る。
幾つかの実施形態では、 GS-リンカーは、GGSGGS、つまり、(GGS)2(配列番号75); GGSGGSGGS、つまり、(GGS)3(配列番号76); GGSGGSGGSGGS、つまり、(GGS)4(配列番号77); GGSGGSGGSGGSGGS、つまり、(GGS)5(配列番号45)、GGGGS(配列番号78); GGGGSGGGGS、つまり、(GGGGS2)(配列番号79)、and GGGGSGGGGSGGGGS、つまり、(GGGGS3)(配列番号80)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は4価である。幾つかの実施形態では、4価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-ヒンジ-Fc、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。幾つかの実施形態では、4価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-ヒンジ-Fc-リンカー-VHH、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は6価である。幾つかの実施形態では、6価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-ヒンジ-Fc、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。幾つかの実施形態では、6価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-ヒンジ-Fc-リンカー-VHH、or VHH-リンカー-ヒンジ-Fc-リンカー-VHH-リンカー-VHH、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質はFc領域を欠く。融合タンパク質が4価であるこれらの実施形態では、該タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー。融合タンパク質が5価であるこれらの実施形態では、該タンパク質は、以下の構造を有する:VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH。融合タンパク質が6価であるこれらの実施形態では、該タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH。これらの実施形態において、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。
幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、Pseudomonas aeruginosaに由来するPcrVなどのグラム陰性細菌の非Vチップタンパク質を認識する追加の結合ドメイン含んでもよい。これらの追加の細菌性結合ドメインは、本発明の融合タンパク質に追加の機能を与えるものであってもよい。これらの追加の機能の例として、追加の細菌毒性又は増殖因子の中和、あるいは宿主食細胞による細菌のオプソニン化貪食作用を可能にすることが挙げられる。幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、非細菌性タンパク質を認識する追加の結合ドメイン含んでもよい。これらの追加の非細菌性結合ドメインは、本発明の融合タンパク質に追加の機能を与えるものであってもよい。これらの追加の機能の例として、好中球、ナチュラルキラー細胞、マクロファージ、単球、樹状細胞及びT細胞を含む、免疫細胞の動員又は活性化を増強することが挙げられる。
幾つかの実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、外膜タンパク質I(OprI)タンパク質又はその断片を認識する追加の結合ドメイン含んでもよい。好ましい実施形態では、VPBP含有融合タンパク質は、少なくともPcrV又はその断片に結合する第1ドメイン及びOprI又はその断片に結合する第2ドメインを含む。これらの二重特異性融合タンパク質は、本明細書において、「PcrV×OprI二重特異性融合タンパク質」、「PcrV×OprI融合タンパク質」、及び/又は「PcrV×OprI融合体」と称する。OprIは、P.aeruginosa株間で高度に保存されている細胞表面タンパク質である。OprIは、N期のCys-脂質化を介して外膜に固定され、試験したP.aeruginosa株の100%に存在し、P.aeruginosa株のゲノム配列において100%保存されている。
幾つかの実施形態では、第1ドメインは、表1に示すPcrV配列の1つ又は複数の配列を含む。幾つかの実施形態では、第2ドメインは、OprIに結合する1つ又は複数の配列を含む。幾つかの実施形態では、第2ドメインは、表2に示すOprI配列の1つ又は複数の配列を含む。
PcrV及びOprIの二重標的化により、融合ポリペプチドは、細菌細胞表面につながれるか、あるいは付着及び/又は結合することが可能になり、in vivoでの保護が強化される。
幾つかの実施形態では、Vチップタンパク質標的化分子は、表1に示すPcrV配列の1つ又は複数の配列を含む。
本明細書において提供される分子は、例えば、グラム陰性細菌1つ又は複数のVチップタンパク質の少なくとも1つの、例えば、標的細胞膜を通過するエフェクター分子の機能的トランスローカリゼーションといった生物学的活性を阻害することにより、阻害活性を示す。本明細書において提供される分子は、Pseudomonas aeruginosaに由来するPcrVのようなVチップタンパク質に結合するか、あるいは相互作用すると、グラム陰性細菌の1つ又は複数のVチップタンパク質の発現又は活性を完全に又は部分的に低下させる。グラム陰性細菌の1つ又は複数のVチップタンパク質の生物学的機能の低下又は調節は、この分子とVチップタンパク質との間の相互作用により完全又は部分的である。本明細書に記載の分子との相互作用(例えば、結合)の非存在下におけるVチップタンパク質の発現又は活性のレベルと比較して、分子の存在下でVチップタンパク質の発現又は活性のレベルが、少なくとも95%、例えば96%、97%、98%、99%又は100%減少した場合、その分子はグラム陰性細菌の1つ又は複数のVチップタンパク質の発現又は活性を完全に阻害すると考えられる。本明細書に記載の分子との相互作用(例えば、結合)の非存在下におけるVチップタンパク質の発現又は活性のレベルと比較して、分子の存在下でVチップタンパク質の発現又は活性のレベルが、95%未満、例えば10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、75%、80%、85%又は90%減少した場合、その分子はグラム陰性細菌の1つ又は複数のVチップタンパク質の発現又は活性を部分的に阻害すると考えられる。
本明細書で提供されるVチップタンパク質標的化分子は、Pseudomonas aeruginosaに由来するPcrVなどのグラム陰性細菌の1つ又は複数のVチップタンパク質の少なくとも1つの生物学的活性、例えば、標的細胞膜を通過するエフェクター分子の機能的トランスローカリゼーション、に関連する疾患又は障害に罹患しているか又はそのリスクがあると同定された対象における疾患又は障害の治療、症状の緩和、改善及び/又は進行の遅延に有用である。
本開示は、例えば、抗体、抗原結合抗体断片、抗体様ポリペプチド、及び/又は融合ポリペプチドを含むポリペプチドなどの分子、Pseudomonas aeruginosa由来のOprIといったグラム陰性細菌のIII型分泌装置の細菌非Vチップタンパク質に結合する組成物、これらの組成物を製造する方法、ならびにこれらの組成物の様々な治療的、診断的及び/又は予防的適用における使用方法を提供する。本発明のOprI標的化分子は、単一特異性又は多重特異性であり、一価又は多価の様式でそれらの標的抗原に結合することができる。
幾つかの実施形態では、OprIタンパク質標的化分子は、OprIに特異的に結合する抗体及び抗体様分子である。幾つかの実施形態では、抗体又はその抗原結合断片は、抗体又は、例えば、一本鎖可変断片(scFv)、Fab断片、単一ドメイン抗体(sdAb)、VNAR、or VHHsを含む抗原結合抗体 断片、に由来する。幾つかの実施形態では、抗OprI 抗体はヒト又はヒト化sdAbである。sdAb断片は、VHH、VNAR、操作されたVH又はVKドメインに由来し得る。VHHは、ラクダ科の重鎖のみの抗体から生成することができる。VNARは、軟骨魚重鎖のみの抗体から生成することができる。従来のヘテロ二量体VH及びVKドメインから単量体sdAbを生成するために、界面エンジニアリング及び特定の生殖系列ファミリーの選択を含む様々な方法が実施されている。
他の実施形態では、抗OprI標的化分子は、非抗体骨格タンパク質(例えば、限定されるものではないが、設計されたアンキリンリピートタンパク質(ダルピン)、アビマー、アンチカリン/リポカリン、センチリン及びフィノマー)に由来する。
幾つかの実施形態では、抗OprI標的化分子は、配列番号46〜70及び88からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む抗体又はその抗原結合断片である。幾つかの実施形態では、抗OprI標的化抗体又はその抗原結合断片は、免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片をも含む。幾つかの実施形態では、抗OprI標的化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号1〜4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片をも含む。
幾つかの実施形態では、本発明の融合タンパク質は、単一のポリペプチドから構成される。他の実施形態では、本発明の融合タンパク質は、2つ以上のポリペプチドから構成される。例えば、ヘテロ二量体化ドメインが融合タンパク質になり、その構築物が非対称融合タンパク質になる。免疫グロブリンFc領域が融合タンパク質に組み込まれる場合、CH3ドメインはホモ二量体化ドメインとして使用してもよく、あるいはCH3二量体界面領域が突然変異してヘテロ二量体化を可能にするようにしてもよい。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は両末端にVPBPを含む。例えば、VPBPは、融合タンパク質のアミノ末端(N末端)部分及び融合タンパク質のカルボキシ末端(C末端)部分の両方に位置する。他の実施形態では、全てのVPBP残基は融合タンパク質の同じ末端に存在する。例えば、VPBP残基は、融合タンパク質のアミノ又はカルボキシル末端部分のいずれかに存在する。
幾つかの実施形態では、本発明は、2つ以上のVPBPを組み込む融合タンパク質を含み、本明細書では多価(multivalent)と称する。幾つかの実施形態では、融合タンパク質のOprI標的化配列は、OprIにある同じエピトープを認識し、本明細書では単一特異性多価と称する。他の実施形態では、融合タンパク質のOprI標的化配列は、OprIにある異なるエピトープを認識し、本明細書では多特異性多価と称する。幾つかの実施形態では、OprI標的化配列含有融合タンパク質は、2つのOprI標的化配列を含み、OprIに対して2価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、OprI標的化配列含有融合タンパク質は、3つのOprI標的化配列を含み、OprIに対して3価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、OprI標的化配列含有融合タンパク質は、4つのOprI標的化配列を含み、OprIに対して4価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、OprI標的化配列含有融合タンパク質は、6つのOprI標的化配列を含み、OprIに対して6価の結合能力を有する。幾つかの実施形態では、OprI標的化配列含有融合タンパク質は、8つのOprI標的化配列を含み、OprIに対して8価の結合能力を有する。これらの実施形態では、本発明の融合タンパク質に組み込まれるOprI標的化配列は、単一特異性又は多重特異性であり得る。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質はFc領域を欠く。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は、配列番号1〜4からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、免疫グロブリンFc領域又はその免疫学的に活性な断片を含む。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのFc領域は、ヒトIgG1領域を含む。幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域は、アミノ酸Asn297(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、抗体及び/又は融合タンパク質のグリコシル化が防止されている、例えば、Asn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質のFc領域は、アミノ酸Leu235(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、Fc受容体相互作用が改変されている、例えばLeu235Glu(L235E)又はLeu235Ala(L235A)など。幾つかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質のFc領域は、アミノ酸Leu234(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、Fc受容体相互作用が改変されている、例えばLeu234Ala(L234A)など。幾つかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質のFc領域は、アミノ酸234と235の両方が改変されている、例えば、Leu234AlaとLeu235Ala(L234A/L235A)又はLeu234ValとLeu235Ala(L234V/L235A)など。幾つかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質のFc領域は、Glu233(E233、配列番号1における太字部分)、Leu234(L234)、又はLeu235(L235)の1つ又は複数のアミノ酸を欠き、Fc受容体への結合が低減されている。幾つかの実施形態では、抗体及び/又は融合タンパク質のFc領域は、Gly235が改変され、Fc受容体への結合が低減されている。例えば、抗体及び/又は融合タンパク質からGly235が欠失している。幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域はアミノ酸Gly236が修飾されて、CD32Aとの相互作用が増強されている、例えばGly236Ala(G236A、配列番号1のの囲み部分)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG1 Fc領域は、配列番号1の残基218に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのFc領域は、ヒトIgG2領域を含む。幾つかの実施形態では、ヒトIgG2 Fc領域は、アミノ酸Asn297(囲み部分)が修飾され、抗体のグリコシル化を防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG2 Fc領域は、配列番号2の残基217に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのFc領域は、ヒトIgG3領域を含む。幾つかの実施形態では、ヒトIgG3 Fc領域は、アミノ酸Asn297(囲み部分、Kabatナンバリングによる)が修飾され、抗体のグリコシル化を防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG3 Fc領域は、アミノ酸 435が修飾され、半減期が延長されている、例えばArg435His(R435H、配列番号3の囲み部分)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG3 Fc領域は、配列番号3の残基218に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのFc領域は、ヒトIgG4領域を含む。他の実施形態では、ヒトIgG4 Fc領域は、アミノ酸235が修飾され、Fc受容体相互作用が改変されている、例えばLeu235Glu(L235E)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG4 Fc領域は、アミノ酸Asn297(Kabatナンバリングによる)が修飾され、抗体のグリコシル化を防止されている、例えばAsn297Ala(N297A)又はAsn297Asp(N297D)など。幾つかの実施形態では、ヒトIgG4 Fc領域は、配列番号4の残基218に相当するLys447を欠く(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのヒトIgG1 Fc領域は修飾されて、FcRnへの結合が増強されている。FcRnへの結合を増強するFc変異の例として、以下のものが挙げられる:Met252Tyr、Ser254Thr、Thr256Glu(それぞれ、M252Y、S254T、T256E)(Kabat numbering, Dall’Acqua et al 2006, J. Biol Chem Vol 281(33) 23514-23524)、Met428Leu及びAsn434Ser(M428L、N434S)(Zalevsky et al 2010 Nature Biotech, Vol 28(2) 157-159)、Met252Ile、Thr256Asp、Met428Leu(それぞれ、M252I、T256D、M428L)又はMet252Tyr、Met428Leu/Val(それぞれ、M252Y、M428L/V)、(EU index of Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological Interest)。Met252は、配列番号1、3、及び4の残基23、並びに配列番号2の残基22に相当する。Ser254は、配列番号1、3、及び4の残基25、並びに配列番号2の残基24に相当する。Thr256は、配列番号1、3、及び4の残基27、並びに配列番号2の残基26に相当する。Met428は、配列番号1、3、及び4の残基199、並びに配列番号2の残基198に相当する。Asn434は、配列番号1、3、及び4の残基205、並びに配列番号2の残基204に相当する。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのFc領域は、変異又は修飾されている。これらの実施形態では、変異又は修飾されたFcポリペプチドの例として、以下の変異体が挙げられる:Met252Tyr及びMet428Leu(M252Y、M428L)(Kabatナンバリングシステムによる)。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片又はOprI標的化融合ポリペプチドのヒトIgG Fc領域は、修飾されて抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害作用(CDC)が改変されている、例えば、Natsume et al., 2008 Cancer Res, 68(10): 3863-72; Idusogie et al., 2001 J Immunol, 166(4): 2571-5; Moore et al., 2010 mAbs, 2(2): 181-189; Lazar et al., 2006 PNAS, 103(11): 4005-4010, Shields et al., 2001 JBC, 276(9): 6591-6604; Stavenhagen et al., 2007 Cancer Res, 67(18): 8882-8890; Stavenhagen et al., 2008 Advan. Enzyme Regul., 48: 152-164; Alegre et al, 1992 J Immunol, 148: 3461-3468; Reviewed in Kaneko及びNiwa, 2011 Biodrugs, 25(1):1-11に記載のアミノ酸修飾。ADCCを増強する変異としては以下のものが挙げられる:Ser239及びIle332における修飾、例えば、Ser239Asp及びIle332Glu(S239D、I332E)。CDCを増強する変異としては以下のものが挙げられる:配列番号1、3、及び4の残基97並びに配列番号2の残基96に相当するLys326における修飾、及び配列番号1、3、及び4の残基104並びに配列番号2の残基103に相当するGlu333における修飾。幾つかの実施形態では、Fc領域は、これらの位置の1つ又は両方、例えば、 Lys326Ala及び/又はGlu333Alaが修飾されている(K326A及びE333A)(Kabatナンバリングシステムによる)。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのヒトIgG Fc領域は修飾されてヘテロ二量体化を促進する。例えば、CH3ドメインのThr366がアミノ酸修飾され嵩が高いアミノ酸、例えば、Try(T366W)に置換されると、嵩が低いアミノ酸、例えば、Ser、Ala、及びVal(それぞれ配列番号1、3、及び4の残基137並びに配列番号2の残基135に相当するThr366における修飾、配列番号1、3、及び4の残基139並びに配列番号2の残基138に相当するLeu368における修飾、及び配列番号1、3、及び4の残基178並びに配列番号2の残基177に相当するTyr407における修飾)の位置でアミノ酸修飾(T366S/L368A/Y407V)された第2のCH3ドメインと優先的に対合可能になる。CH3修飾を介したヘテロ二量体化は、例えば、CH3ドメインの両方で、配列番号1、3、及び4の残基125並びに配列番号2の残基124に相当するSer354、配列番号1、3、及び4の残基125並びに配列番号2の残基124に相当するSer354をCysに置換する(S354C)、配列番号1、3、及び4の残基120並びに配列番号2の残基119に相当するY349をCysに置換する(Y349C)ことにより、ジスルフィド結合の導入によりさらに安定化することができる(Reviewed in Carter, 2001 Journal of Immunological Methods, 248: 7-15)。これらの実施形態のいくつかにおいて、Fc領域は、ヘテロダイマーの1つのメンバーのプロテインA結合部位を修飾することにより、プロテインA結合を防止し、それによってヘテロ二量体融合タンパク質のより効率的な精製を可能にするようにしてもよい。この結合部位における修飾の例として、配列番号1、3、及び4の残基24並びに配列番号2の残基23に相当するIle253を、例えばIle253Argとすること(I253R)があげられる。例えば、I253Rの修飾は、T366S/L368A/Y407Vの修飾又はT366Wの修飾のいずれかと組み合わせてもよい。T366S/L368A/Y407Vが修飾されたFcは、T336Wが修飾されたFcの場合のように、二量体化界面の立体閉塞がないので、ホモ二量体を形成することができる。したがって、好ましい実施形態では、I253Rの修飾をT366S/L368A/Y407Vが修飾されたFcと組み合わせて、形成され得るホモ二量体Fcの精製を不可能にする。
幾つかの実施形態では、OprI標的化抗体又はその抗原結合断片あるいはOprI標的化融合ポリペプチドのヒトIgG Fc領域は、修飾されて二量体化を妨げる。これらの実施形態では、本発明の抗体及び/又は融合タンパク質は、単量体である。例えば、残基Thr366を荷電残基、例えば、Thr366Lys、Thr366Arg、Thr366Asp、又はThr366Gluに修飾すると(それぞれ、T366K、T366R、T366D、又はT366E)、CH3-CH3の二量体化を妨げる。
幾つかの実施形態では、本発明の融合タンパク質は、アミノ酸リンカーを介して作動可能に連結している。幾つかの実施形態では、これらのリンカーは、主として、グリシン及びセリンのアミノ酸から構成され、本明細書ではGSリンカーと称する。本発明の融合タンパク質のGS-リンカーは、例えば5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20個のアミノ酸などの様々な長さであり得る。
幾つかの実施形態では、GS-リンカーは、GGSGGS、つまり、(GGS)2(配列番号75); GGSGGSGGS、つまり、(GGS)3(配列番号76); GGSGGSGGSGGS、つまり、(GGS)4(配列番号77); GGSGGSGGSGGSGGS、つまり、(GGS)5(配列番号45)、GGGGS(配列番号78); GGGGSGGGGS、つまり、(GGGGS2)(配列番号79)、and GGGGSGGGGSGGGGS、つまり、(GGGGS3)(配列番号80)からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は4価である。幾つかの実施形態では、4価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-ヒンジ-Fc、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。幾つかの実施形態では、4価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-ヒンジ-Fc-リンカー-VHH、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質は6価である。幾つかの実施形態では、6価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-ヒンジ-Fc、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。幾つかの実施形態では、6価の融合タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-ヒンジ-Fc-リンカー-VHH、又はVHH-リンカー-ヒンジ-Fc-リンカー-VHH-リンカー-VHH、上記構造中、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。
幾つかの実施形態では、融合タンパク質はFc領域を欠く。融合タンパク質が4価であるこれらの実施形態では、該タンパク質は、以下の構造を有する: VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー。融合タンパク質が5価であるこれらの実施形態では、該タンパク質は、以下の構造を有する:VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH。融合タンパク質が6価であるこれらの実施形態では、該タンパク質は、以下の構造を有する:VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH-リンカー-VHH。これらの実施形態において、VHHはヒト化又は完全ヒトVHH配列である。
本発明による治療剤は、輸送、送達、寛容性などを改善するため、製剤に組み込まれる適切な基剤、緩衝液、賦形剤、その他の薬剤とともに投与されることが理解されよう。多数の適切な製剤を、あらゆる医薬化学者に知られている処方集である『Remington's Pharmaceutical Sciences』(第15版、Mack Publishing Company社、イーストン、ペンシルヴェニア州(1975年))の特にBlaug, Seymourによる第87章に見いだすことができる。そうした製剤には、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質類、脂質(カチオン性又はアニオン性)含有小胞(Lipofectin(登録商標)など)、DNA共役体、無水の吸収ペースト、水中油乳剤、油中水乳剤、乳剤カーボワックス(さまざまな分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、カーボワックス含有半固体混合物が含まれる。前記混合物の任意のものが、本発明による治療と療法に適している可能性があるが、製剤中の活性成分がその製剤によって不活性化されないことと、その製剤が、投与経路と生理的に適合していて寛容性であることが条件である。医薬化学者に周知の製剤、賦形剤、基剤に関する追加情報については、Baldrick P.「Pharmaceutical excipient development: the need for preclinical guidance.」Regul. Toxicol Pharmacol. 第32巻(2):210〜218ページ(2000年)、Wang W.「Lyophilization及びdevelopment of solid protein pharmaceuticals.」Int. J. Pharm. 第203巻(1〜2):1〜60ページ(2000年)、Charman WN「Lipids, lipophilic drugs,及びoral drug delivery-some emerging concepts.」J Pharm Sci. 第89巻(8):967〜978ページ(2000年)、Powell他「Compendium of excipients for parenteral formulations」PDA J Pharm Sci Technol. 第52巻:238〜311ページ(1998年)と、これらの中の引用文献も参照のこと。
図1は、本開示のVPBP含有融合タンパク質を例示する一連の模式図である。別々のエピトープを認識するVPBPは、これら模式図で異なる影を付けてある。
図2A、図2B、図2Cは、本開示のさまざまなVPBP含有融合タンパク質を用いた溶血分析を示す一連のグラフである。
図3A、図3Bは、本開示のさまざまなVPBP含有融合タンパク質を用いた細胞毒性分析を示す一連のグラフである。A549細胞系を標的細胞系として用いた。
図4A、図4B、図4Cは、感染モデルにおいて本開示のさまざまなVPBP含有融合タンパク質を用いた生存分析を示す一連のグラフである。V2L2 mAbをPCRV阻止抗体としての陽性対照として用いた。
図5は、OprI抗体の一例がさまざまなPseudomonas aeruginosa株とPseudomonas putidaに結合することを示すグラフである。
図6は、本開示のさまざまなVPBP含有融合タンパク質がOprIを介してPseudomonas aeruginosaに結合する能力を示すグラフである。
図7は、本開示のさまざまなVPBP含有融合タンパク質がPseudomonas aeruginosa予防-肺炎モデルにおいて生体内で優れた保護を提供する能力を示すグラフである。ここには、同じモル用量では(US20150284450とDiGiandomenico他、「A multifunctional bispecific antibody protects against Pseudomonas aeruginosa, 」Sci Transl Med.、第6巻(262):262ra155ページ(2014年)に開示されている)二重特異性標的PCRVとPSLよりも増大した保護能力を示す本開示の多重特異性PCRV-OprI(PCRV-18-15-OprI-7)融合タンパク質が例として含まれている。
特に断わらない限り、本発明との関連で用いる科学技術用語は、当業者が一般に理解している意味を持つ。さらに、文脈で必要とされている場合を除き、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語は単数形を含む。一般に、本明細書に記載した細胞と組織の培養、分子生物学、タンパク質とオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの化学、ハイブリダイゼーションに関して用いられている専門用語と技術は、当該分野で周知かつ一般に用いられている専門用語と技術である。標準的な技術を利用して組み換えDNA、オリゴヌクレオチド合成、組織の培養と形質転換(例えば電気穿孔、リポフェクション)を実施する。酵素反応と精製技術は、製造者の仕様に従って実施するか、当該分野で一般に実施されているようにして、又は本明細書に記載したようにして実施する。上記の技術と手続きは、一般に、当該分野で周知の通常の方法に従って実施するとともに、本明細書の中で引用したり論じたりしたさまざまな一般的な参考文献やより特殊な参考文献に記載されているようにして実施する。例えばSambrook他 『Molecular Cloning: A Laboratory Manual』(第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press社、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク州(1989年))を参照のこと。本明細書に記載した分析化学、合成有機化学、医薬化学に関連して用いる専門用語と、実験室での手続き及び技術は、当該分野で周知かつ一般に用いられている専門用語と、実験室での手続き及び技術である。標準的な技術を利用して化学合成、化学分析、医薬調製、製剤化、送達、患者の治療を実施する。患者という用語には、ヒト対象と獣医が扱う対象が含まれる。
本開示で使用するとき、以下の用語は、特に断わらない限り、以下の意味を持つと理解される。
本明細書で用いる「標的融合タンパク質」と「抗体」という用語は同意語とすることができる。本明細書で用いる「抗体」という用語は、免疫グロブリン分子と、免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分、すなわち抗原に特異的に結合する(抗原と免疫反応する)抗原結合部位を含む分子を意味する。「特異的に結合する」又は「と免疫反応する(immunoreacts with)」又は「に向かう(directed against)」は、抗体が望む抗原の1つ以上の抗原決定基と反応する一方で、他のポリペプチドとは反応しないか、はるかに小さな親和性(Kd>10-6)で結合することを意味する。抗体には、非限定的な例として、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、dAb(ドメイン抗体)、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab'フラグメント、F(ab')2フラグメント、Fv、scFvs、Fab発現ライブラリー、単一ドメイン抗体(sdAb)フラグメント(例えばVHH、VNAR、操作されたVH、操作されたVK)が含まれる。
基本的な抗体構造単位は四量体を含むことが知られている。各四量体は、同じ2つのポリペプチド鎖のペアからなり、各ペアは、1つの「軽」鎖(約25 kD)と1つの「重」鎖(約50〜70 kD)を有する。各鎖のアミノ末端部には、抗原認識を主に担う約100〜110個又はそれ以上の個数のアミノ酸からなる可変領域が含まれる。各鎖のカルボキシ末端部は、エフェクター機能を主に担う定常領域を規定している。一般に、ヒトから得られる抗体分子は、分子内に存在する重鎖の性質が互いに異なるIgG、IgM、IgA、IgE、IgDのいずれかのクラスと関係している。いくつかのクラスはサブクラス(アイソタイプとしても知られる)も持っており、例えばIgG1、IgG2などがある。さらに、ヒトでは、軽鎖としてκ鎖又はλ鎖が可能である。
「モノクローナル抗体」(mAb)又は「モノクローナル抗体組成物」という用語は、本明細書で用いるとき、独自の軽鎖遺伝子産物と独自の重鎖遺伝子産物からなる1種類だけの抗体分子を含む抗体分子集団を意味する。特に、モノクローナル抗体の相補性決定領域(CDR)は、その集団の全分子で同一である。mAbは抗原結合部位を含んでいて、その抗原結合部位に対する独自の結合親和性を特徴とする抗原の特定のエピトープと免疫反応することができる。
「抗原結合部位」又は「結合部分」という用語は、免疫グロブリン分子で抗原の結合に関与する部分を意味する。抗原結合部位は、重(「H」)鎖と軽(「L」)鎖のN末端可変(「V」)領域のアミノ酸残基によって形成される。重鎖と軽鎖のV領域内の3つの非常に異なる部分(「超可変領域」と呼ばれる)が、「フレームワーク領域」又は「FR」として知られるより保存された隣接部分の間に挟まれている。したがって「FR」という用語は、免疫グロブリン内の超可変領域の間と超可変領域に隣接して天然状態で見られるアミノ酸配列を意味する。1つの抗体分子では、軽鎖の3つの超可変領域と重鎖の3つの超可変領域が三次元空間内に互いに隣り合って配置されて抗原結合表面を形成している。抗原結合表面は、結合する抗原の三次元表面と相補的であり、重鎖と軽鎖それぞれの3つの超可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」と呼ばれる。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、Kabat、免疫学的に興味深いタンパク質の配列(国立衛生研究所、ベセスダ、メリーランド州(1987年と1991年))又はChothiaとLesk J. Mol. Biol. 第196巻:901〜917ページ(1987年)、Chothia他 Nature第342巻:878〜883ページ(1989年)の定義に従う。
本発明による融合タンパク質の単一ドメイン抗体(sdAb)フラグメント部分は、本明細書では、本明細書の標的ポリペプチドと同じ意味である。
本明細書で用いる「エピトープ」という用語には、免疫グロブリン又はその断片、又はT細胞受容体に特異的に結合できる任意のタンパク質決定基、又は免疫グロブリン又はその断片、又はT細胞受容体が特異的に結合できる任意のタンパク質決定基が含まれる。「エピトープ」という用語には、免疫グロブリン又はT細胞受容体に特異的に結合できる任意のタンパク質決定基、又は免疫グロブリン又はT細胞受容体が特異的に結合できる任意のタンパク質決定基が含まれる。エピトープ決定基は、通常は、分子の化学的に活性な表面基(例えばアミノ酸又は糖側鎖)からなり、通常は特別な三次元構造特性と特別な帯電特性を有する。抗体が特異的に結合すると言われるのは、解離定数が≦1μMのとき、例えば≦100 nM、好ましくは≦10 nM、より好ましくは≦1 nMのときである。
本明細書で用いる「免疫学的結合」と「免疫学的結合特性」と「特異的結合」は、免疫グロブリン分子と、その免疫グロブリン分子が特異的に結合する抗原の間に起こるタイプの非共有結合相互作用を意味する。免疫学的結合相互作用の強度又は親和性は、相互作用の解離定数(Kd)として表現することができ、Kdがより小さいというのは親和性がより大きいことを表わす。選択されたポリペプチドの免疫学的結合特性は、本分野で周知の方法を利用して定量することができる。そのような1つの方法では、抗原結合部位/抗原複合体の形成と解離の速度を測定する。その速度は、複合体のパートナーの濃度と、相互作用の親和性と、両方向でその速度に等しく影響する幾何学的パラメータに依存する。したがって、濃度と、会合及び解離の実際の速度を計算することにより、「オン速度定数」(kon)と「オフ速度定数」(koff)の両方を求めることができる。(Nature 第361巻:186〜187ページ(1993年)を参照のこと)。比koff/konにより、親和性に関係しない全パラメータを消すことができ、その比は解離定数Kdに等しい。(一般に、Davies他(1990年)Annual Rev Biochem第59巻:439〜473ページを参照のこと)。本発明の抗体が抗原に特異的に結合すると言われるのは、放射性リガンド結合アッセイ、表面プラズモン共鳴(SPR)、フローサイトメトリー結合アッセイなどのアッセイや、当業者に知られている同様のアッセイによって測定した平衡結合定数(Kd)が≦1μM、好ましくは≦100 nM、より好ましくは≦10 nM、最も好ましくは≦100 pM〜約1 pMのときである。
同じでない残基位置は、保存されたアミノ酸置換による違いであることが好ましい。
保存されたアミノ酸置換は、似た側鎖を有する残基と同じ意味である。例えば脂肪族側鎖を有する一群のアミノ酸は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンであり;脂肪族-ヒドロキシル側鎖を有する一群のアミノ酸は、セリンとトレオニンであり;アミド含有側鎖を有する一群のアミノ酸は、アスパラギンとグルタミンであり;芳香族側鎖を有する一群のアミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンであり;塩基性側鎖を有する一群のアミノ酸は、リシン、アルギニン、ヒスチジンであり;イオウ含有側鎖を有する一群のアミノ酸は、システインとメチオニンである。好ましい保存されたアミノ酸置換基は、バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リシン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、アスパラギン-グルタミンである。
本明細書で議論しているように、抗体又は免疫グロブリン分子のアミノ酸配列におけるわずかな変動は本発明に包含されると考えられるが、そのための条件は、アミノ酸配列にその変動があっても、配列が少なくとも75%、より好ましくは少なくとも80%、90%、95%、最も好ましくは99%維持されていることである。変動として、保存されたアミノ酸置換が特に考えられる。保存された置換は、アミノ酸の側鎖に互いに関連性がある1つのアミノ酸ファミリー内で起こる置換である。遺伝子にコードされているアミノ酸は一般に複数のファミリーに分割され、(1)酸性アミノ酸のファミリーはアスパラギン酸、グルタミン酸であり;(2)塩基性アミノ酸は、リシン、アルギニン、ヒスチジンであり;(3)非極性アミノ酸は、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファンであり;(4)非帯電極性アミノ酸は、グリシン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、トレオニン、チロシンである。親水性アミノ酸には、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、セリン、トレオニンが含まれる。疎水性アミノ酸には、アラニン、システイン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、チロシン、バリンが含まれる。他のアミノ酸ファミリーには、(i)脂肪族-ヒドロキシファミリーであるセリンとトレオニン;(ii)アミド含有ファミリーであるアスパラギンとグルタミン;(iii)脂肪族ファミリーであるアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン;(iv)芳香族ファミリーであるフェニルアラニン、トリプトファン、チロシンが含まれる。例えば、ロイシンをイソロイシン又はバリンで、アスパラギン酸をグルタミン酸で、トレオニンをセリンで1個だけ置換したり、1個のアミノ酸を構造的に関連した1個のアミノ酸で同様に置換したりしても、特にその置換がフレームワーク部位内のアミノ酸を含んでいない場合には、得られる分子の結合又は特性に対して大きな効果が及ぶことはなかろうと予測するのは合理的である。1個のアミノ酸が変化して機能ペプチドになるかどうかは、そのポリペプチド誘導体の比活性を調べることによって容易に判断することができる。さまざまなアッセイが本明細書に詳細に記載されている。抗体又は免疫グロブリン分子の断片又は類似体は、当業者であれば容易に調製することができる。断片又は類似体の好ましいアミノ末端とカルボキシ末端は、機能ドメインの境界近くに生じる。構造ドメインと機能ドメインは、ヌクレオチド配列及び/又はアミノ酸配列のデータを、公開されている配列データベース又は独自の配列データベースと比較することによって同定できる。コンピュータ化された比較法を用い、構造及び/又は機能が既知の他のタンパク質に生じる配列モチーフ又は予測されるタンパク質のコンフォメーションドメインを同定することが好ましい。既知の三次元構造へと折り畳まれるタンパク質配列を同定するさまざまな方法が知られている。Bowie他 Science第253巻:164ページ(1991年)。したがって上記の例は、本発明による構造ドメインと機能ドメインを規定するのに使用できる配列モチーフと構造コンフォメーションを当業者が認識できることを示している。
好ましいアミノ酸置換は、そのような類似体の(1)タンパク質分解に対する感受性を低下させる置換、(2)酸化に対する感受性を低下させる置換、(3)タンパク質複合体を形成するための結合親和性を変化させる置換、(4)結合親和性を変化させる置換、(5)そのような類似体に他の物理化学的特性又は機能特性を与えるか、そのような類似体の他の物理化学的特性又は機能特性を変化させる置換である。類似体は、天然のペプチド配列とは異なる変異したさまざまなタンパク質の配列を含むことができる。例えば単一又は複数のアミノ酸置換(保存されたアミノ酸置換であることが好ましい)を天然の配列に起こすことができる(ポリペプチド内の、分子間接触を形成するドメインの外側の部分に起こることが好ましい)。保存されたアミノ酸置換は、親配列の構造特性を実質的に変化させてはならない(例えば、置換するアミノ酸は、親配列に生じるヘリックスを壊したり、親配列を特徴づける他のタイプの二次構造を破壊したりする傾向があってはならない)。本分野で認められているポリペプチドの二次構造と三次構造の例は、『Proteins, Structures及びMolecular Principles』(Creighton編、W. H. Freeman及びCompany社、ニューヨーク(1984年))、『Introduction to Protein Structure』 (C. BrandenとJ. Tooze編、Garland Publishing社、ニューヨーク、ニューヨーク州(1991年)); Thornton他 Nature 第354巻:105ページ(1991年)に記載されている。
「ポリペプチド断片」という用語は、本明細書で用いるときには、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端が欠失しているが、残りのアミノ酸配列が、例えば完全長cDNA配列から導出される天然の配列における対応する位置と同じであるポリペプチドを意味する。断片は、典型的にはアミノ酸の長さが少なくとも5個、又は6個、又は8個、又は10個、好ましくはアミノ酸の長さが少なくとも14個、より好ましくはアミノ酸の長さが少なくとも20個、通常はアミノ酸の長さが少なくとも50個、より一層この好ましくはアミノ酸の長さが少なくとも70個である。「類似体」という用語は、本明細書で用いるときには、導出されたアミノ酸配列の一部と実質的に同じ少なくとも25個のアミノ酸の区画を含んでいて、適切な結合条件下でCD47に特異的に結合するポリペプチドを意味する。典型的には、ポリペプチド類似体は、天然の配列に対する保存されたアミノ酸置換(又は付加、又は欠失)を含んでいる。類似体は、典型的には、アミノ酸の長さが少なくとも20個、好ましくはアミノ酸の長さが少なくとも50個又はそれ以上であり、天然の完全長ポリペプチドと同じ長さにできることがしばしばある。
ペプチド類似体が、鋳型ペプチドの特性と似た特性を持つ非ペプチド薬として医薬産業で一般に用いられている。そうしたタイプの非ペプチド化合物は「ペプチド模倣体」又は「ペプチドミメティクス」と呼ばれる。Fauchere、J. Adv. Drug Res. 第15巻:29ページ(1986年);VeberとFreidinger TINS 392ページ(1985年);Evans他 J. Med. Chem. 第30巻:1229ページ(1987年)。そのような化合物は、コンピュータ化された分子モデリングの助けを借りて開発されることがしばしばある。構造が治療上有用なペプチドと似たペプチド模倣体を用いて同等な治療効果又は予防効果を生じさせることができる。一般に、ペプチドミメティクスは、ヒト抗体などのパラダイムポリペプチド(すなわち生化学的特性又は薬理活性を有するポリペプチド)と構造が似ているが、1つ以上のペプチド結合を持ち、そのペプチド結合は、場合によっては、本分野において周知の方法により、--CH2NH--、--CH2S-、--CH2-CH2--、--CH=CH--(シスとトランス)、--COCH2--、CH(OH)CH2--、-CH2SO--からなる群から選択した連結で置換されている。コンセンサス配列の1個以上のアミノ酸を同じタイプのD-アミノ酸で系統的に置換すること(例えばL-リシンの代わりにD-リシン)を利用してより安定なペプチドを生成させることができる。それに加え、コンセンサス配列、又はコンセンサス配列と実質的に同じバリエーションを含む拘束性ペプチドを、本分野で知られている方法(RizoとGierasch、Ann. Rev. Biochem. 第61巻:387ページ(1992年))により、例えば、ペプチドを環化する分子内ジスルフィド架橋を形成することのできる内部システイン残基を付加することによって生成させることができる。
本明細書で用いる「薬剤(agent)」は、化合物、及び/又は化合物の混合物、及び/又は生物巨大分子、及び/又は生物材料から作られた抽出物を指す。
本明細書で用いる「標識する」又は「標識された」という用語は、検出可能なマーカーを、例えば放射性標識されたアミノ酸を組み込んだり、印を付けたアビジン(例えば、光学的方法によって検出できる蛍光マーカー、又は熱量測定法によって検出できる酵素活性を含むストレプトアビジン)によって検出できるビオチニル部分のポリペプチドを付着させたりすることによって組み込むことを意味する。いくつかの状況では、標識又はマーカーは治療薬になることもできる。ポリペプチドと糖タンパク質を標識するさまざまな方法が本分野では知られていて、それらの方法を利用することができる。ポリペプチドに対する標識の非限定的な例には、放射性同位体又は放射性核種(例えば3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えばFITC、ローダミン、ランタノイド燐光)、酵素標識(例えばセイヨウワサビのペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)、化学発光、ビオチニル基、二次レポータによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えばロイシンジッパーペア配列、二次抗体のための結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)が含まれる。いくつかの実施態様では、標識をさまざまな長さのスペーサアームによって付着させて立体障害の可能性を小さくする。「医薬」という用語は、本明細書で使用するとき、患者に適切に投与されたときに望む治療効果を誘導することのできる化合物又は組成物を意味する。
本明細書で使用する「治療する」、「治療している」、「治療」などの用語は、障害及び/又はそれに関連する症状を軽減及び/又は緩和することを意味する。「緩和する」及び/又は「緩和している」は、疾患(例えばがん)の発展又は進行を減らす、及び/又は抑制する、及び/又は減弱させる、及び/又は軽減する、及び/又は停止させる、及び/又は安定させることを意味する。障害又は疾患の治療には、その障害、疾患、それに関連する症状が完全に消失することが含まれる必要はないことを理解されたい。
本開示では、「含む」、「含んでいる」、「含有している」、「有する」などは、アメリカ合衆国特許法で認められている意味を持つことができ、「包含する」、「包含している」などを意味することができる。「主に〜からなる」又は「主として〜からなる」などの用語は、アメリカ合衆国特許法で認められている意味を持ち、これらの用語は終わりが決められていないため、記載されているよりも多くのことの存在によって記載されていることの基本的性質又は新規な性質が変化しない限り、記載されているよりも多くのことの存在が許されるが、先行技術の実施態様は除外される。
「有効量」は、未治療の患者に関する疾患の症状を改善するのに必要な量を意味する。疾患の治療を目的として本発明を実施する際に用いられる活性化合物の有効量は、投与法、対象の年齢、体重、一般的な健康状態によって変化する。最終的には、関与する医師又は獣医師が適切な量と投与計画を判断することになる。そのような量を「有効な」量と呼ぶ。
「対象」は哺乳動物を意味し、その非限定的な例に、ヒト又は非ヒト哺乳動物、例えばウシ、ウマ、イヌ、齧歯類、ヒツジ、霊長類、ラクダ、ネコが含まれる。
「投与する」という用語は、本明細書で用いるとき、治療剤を、そのような治療剤を用いた治療を必要とする対象に移す、送達する、導入する、輸送する任意の方法を意味する。そのような方法の非限定的な例に、経口投与、局所投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、皮内投与、鼻腔内投与、皮下投与が含まれる。
「断片」は、ポリペプチド又は核酸分子の一部を意味する。この部分は、参照する核酸分子又はポリペプチドの全長の少なくとも10%、又は少なくとも20%、少なくとも30%、又は少なくとも40%、又は少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%を含んでいることが好ましい。断片は、ヌクレオチド又はアミノ酸を10個、又は20個、又は30個、又は40個、又は50個、又は60個、又は70個、又は80個、又は90個、又は100個、又は200個、又は300個、又は400個、又は500個、又は600個、又は700個、又は800個、又は900個、又は1000個含むことができる。
本明細書に提示した範囲は、その範囲内のすべての値を簡略表記したものであると理解する。例えば1〜50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50からなる群からの任意の数、又は数の任意の組み合わせ、又は任意の部分範囲を含むと理解する。
特に断わるか文脈から明らかでない限り、本明細書で用いる「1つの」と「その」という用語は、単数又は複数であると理解する。特に断わるか文脈から明らかでない限り、本明細書で用いる「又は」という用語は、包括的であると理解する。
特に断わるか文脈から明らかでない限り、本明細書で用いる「約」という用語は、本分野で通常許容される範囲内、例えば平均値の2標準偏差内であると理解する。約は、記載されている値の10%以内、又は9%以内、又は8%以内、又は7%以内、又は6%以内、又は5%以内、又は4%以内、又は3%以内、又は2%以内、又は1%以内、又は0.5%以内、又は0.1%以内、又は0.05%以内、又は0.01%以内であると理解することができる。文脈から明らかである場合を除き、本明細書に提示したすべての数値は「約」という用語によって改変される。本発明のVチップタンパク質標的化分子を含む本発明の治療用製剤を用い、対象におけるグラム陰性細菌(例えばPseudomonas aeruginosa由来のPcrV)の1つ以上のVチップタンパク質の異常な活性及び/又は発現に付随する疾患又は障害に付随する症状を治療又は緩和する。治療計画は、多彩な臨床手続き及び/又は実験手続きを含む標準的な方法を利用して対象(例えばグラム陰性細菌(例えばPseudomonas aeruginosa由来のPcrV)の1つ以上のVチップタンパク質の異常な活性及び/又は発現に付随する疾患又は障害に苦しむ(又はその疾患又は障害が進展するリスクのある)ヒト患者)を同定することによって実施する。患者という用語には、ヒト対象と、獣医が扱う対象が含まれる。患者という用語には、ヒトとそれ以外の哺乳動物が含まれる。
治療の有効性は、グラム陰性細菌(例えばPseudomonas aeruginosa由来のPcrV)の1つ以上のVチップタンパク質の異常な活性及び/又は発現に付随する特定の疾患又は障害を診断又は治療するための任意の既知の方法との関連で判断する。グラム陰性細菌(例えばPseudomonas aeruginosa由来のPcrV)の1つ以上のVチップタンパク質の異常な活性及び/又は発現に付随する疾患又は障害の1つ以上の症状の緩和は、Vチップタンパク質標的化分子が臨床上有益であることを示している。
望む特異性を有するVチップタンパク質標的化分子をスクリーニングする方法の非限定的な例には、酵素結合免疫吸着法(ELISA)、酵素アッセイ、フローサイトメトリーや、免疫学を媒介とした本分野で知られている他の技術が含まれる。
本発明を以下の実施例においてさらに詳しく記載するが、実施例が請求項に記載した本発明の範囲を限定することはない。
実施例1:溶血阻止
本発明のVPBPが細菌によって誘導される赤血球細胞(RBC)の溶血を阻止する能力は、本分野で知られている多数のプロトコルによって評価することができる。例えばヒトRBCをPBSの中で洗浄し、DMEMの中に2%(v/v)で再懸濁させた。Pseudomonas aeruginosa菌と系列希釈した抗体を96ウエル丸底プレートの中のRBCに添加した。プレートを37℃で2時間インキュベートした後、4℃で2時間インキュベートした。次にプレートの回転によって完全なRBCをペレットにした後、上清を平底96ウエルプレートに移して放出されたヘモグロビンを分光測光器で観察した。
図2A〜図2Dに示したように、本発明の単一特異性多価VPBPと多重特異性多価VPBPの両方とも、細菌によって誘導されるRBCの溶血を阻止することができる。
実施例2:細胞毒性阻止
本発明のVPBPが細菌によって誘導される哺乳動物細胞の細胞毒性を阻止する能力は、本分野で知られている多数のプロトコルによって評価することができる。例えばA549(肺上皮)細胞の集密的単層を96ウエルプレートの中で増殖させた。細胞をCalcein AMに装填した後、洗浄して過剰なCalceinを除去した。Pseudomonas aeruginosaとさまざまな濃度の抗体をA549細胞に添加し、37℃で2時間インキュベートした。次に単層を洗浄した後、残った細胞を蛍光によって定量した。
図3A〜図3Bに示したように、本発明の単一特異性多価VPBPと多重特異性多価VPBPの両方とも、細菌によって誘導される哺乳動物細胞の細胞毒性を阻止することができる。
実施例3:Pseudomonas aeruginosa感染モデル
本発明のVPBPが細菌感染から保護する能力は、Pseudomonas aeruginosa感染のマウスモデルを用いて評価することができる。マウスにPseudomonas aeruginosaを感染させる24時間前にPcrV抗体であらかじめ処理した。t=0の時点でマウスにPseudomonas aeruginosaを気管内感染させ、生存を4日間監視した。重要なことだが、多重特異性多価VPBP含有融合タンパク質は、単一特異性多価VPBP含有融合タンパク質と比べて実質的により高い保護を与えることが見いだされた(図4A〜図4C)。本発明の多重特異性多価VPBP含有融合タンパク質は、抗PCRV抗体であるV2L2よりも実質的に強力でもある。なおV2L2は、本分野において、Pseudomonas aeruginosaが誘導する溶血の強力な阻止剤として知られている(例えばWO 2013/0170565として公開されたPCT/US2012/063639を参照のこと)。
実施例4:OprI抗体は複数種の株に結合する
OprI標的抗体がPseudomonas株に結合する能力は、細胞全体細菌ELISAによって評価することができる。細菌培養物を標準的な細菌培地の中で半対数相まで増殖させた後、PBSの中で洗浄して再懸濁させた。等しい体積の細菌懸濁液を96ウエルプレートに入れて37℃で24時間インキュベートした。プレートをBSAでブロックした後、抗体の系列希釈液を添加した。その後洗浄し、HRPが共役した抗ヒトFc特異性二次抗体を添加した。インキュベーションと洗浄の後、TMB基質を添加し、吸光度を600 nmで測定して細菌に対する抗体の結合を検出した。図5に示したように、OprI抗体は、調べたすべてのPseudomonas aeruginosa株、並びにPseudomonas putidaに結合することが見いだされた。
実施例5:Pseudomonas aeruginosa感染モデルにおける二重特異性分子
本明細書に提示する研究により、本発明のVPBPが細菌感染から保護する能力をPseudomonas aeruginosa感染のマウスモデルを用いて評価できることを示す。これらの研究では、PcrVと外側膜タンパク質I(「OprI」)の両方に結合するVPBPを特に利用する。それを本明細書では、「PcrV×OprI二重特異性融合タンパク質」、及び/又は「PcrV×OprI融合タンパク質」、及び/又は「PcrV×OprI融合体」と呼ぶ。PcrVとOprIを二重に標的とすることで、その融合ポリペプチドが細菌細胞表面に係留又は付着及び/又は結合することが可能になる。そして本明細書に提示する研究により、この二重標的が生体内でも保護を増大させることを示す。
PcrV×OprI二重特異性融合体は、OprIを標的とすることによって細菌細胞表面を標的とする。図6は、本開示のPcrV×OprI二重特異性融合体がPseudomonas aeruginosaに結合することをフローサイトメトリーによって示している。
PcrV×OprI二重特異性融合体は、生体内でも、二重特異性分子Bis4より強力である。なおBis4は、PcrVとPSLに結合し、Pseudomonas aeruginosaによって誘導される溶血の阻止剤として本分野で知られている(例えばDiGiandomenico他、「A multifunctional bispecific antibody protects against Pseudomonas aeruginosa」Sci Transl Med.、第6巻 (262):262ra155ページ(2014年)を参照のこと)。図7は、PcrV×OprI二重特異性融合タンパク質がPseudomonas aeruginosa肺炎-予防動物モデルにおいて生体内で優れた保護を提供することを示している。
表1: PcrV-VPBP配列
PcrV1A(1A7)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASGRIFGTYGMGWFRQAPGKERVFVAAISKSGPTTYYADSVKGRFTISRDNAENTVYLQMNSLKPEDTAVYYCGASSHSMLVVTTSQVDYWGRGTQVTVSS(配列番号10)
PcrV2A(1B9)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAVSGLIFDNYGIGWFRQAPEKEREGVSCIHESDGSTYYTDSVKGRFAISRDNAKNTGYLEMNNLKPEDTAVYYCVVLSYVSRCPEGSKYDYWGQGTQVTVSS(配列番号11)
PcrV3A(1B12)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTLDYYPIGWFRQAPGKEREGVSCISSSEGSTYYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNNMKPEDTAVYYCATDFFTTGCPSGGGKYDYWGQGTQVTVSS(配列番号12)
PcrV4A(1G9)
EVQLVQSGGGLVRAGGSLRLSCAPSERTFGSFGMGWFRQAPGKEREFVAALMWGTSYTSYADSVKGRFTVSKDNAKNTLYLQMNSLKPEDTAVYYCAAGAVGADPRRYDYWGQGTQVTVSS(配列番号13)
PcrV5A(2A5)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASGLAFRNYRMGWFRQAPGKEREFVAAISGNIGGSGVGTDYADSVKGRFTISRDNDKDTAYLQMNSLKPEDTAVYYCAADHHLTMLPGEYDFWGEGTQVTVSS(配列番号14)
PcrV6A(2A11)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGSTLDYYAIGWFRQAPGKEREGVACISSSDGSTDYADSMKGRFTISRDNAQKTVYLQMNSLKPEDTAVYSCAAVAFFCGSSWYLSSGMDYWGKGTQVTVSS(配列番号15)
PcrV7A(2A12)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASGGTFSSNAMYWYRQAPGKQRELVASISGTSNANYPDSVKGRFTISRDNAKNTVTLQMNSLKPEDTAVYYCRAAPVSGPLIGRIFWGQGTQVTVSS(配列番号16)
PcrV8A(2B4)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCATSGLTFSVYAMGWFRQAPGKQREFVARITAGGSGTYYADSMEGRFTISRDNARNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAAARHWTRGTEHLPTAYDYWGQGTQVTVSS(配列番号17)
PcrV9A(2B7)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCASSGSTFRTYGMGWFRQPPGKQREWVAGMAIDGLTTYADSAKGRFTASRDNARNIVYLQMNELKPEDTAVYYCYAAGYWGQGTQVTVSS(配列番号18)
PcrV10A(2G6)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCTTSGITFSDNAMYWYRQAPGKQRELVASISSGGWTNYADSVKGRFTISRDNVKNTVTLQMNSLEPEDTALYYCRAAPVRGNFIGRVFWGQGTQVTVSS(配列番号19)
PcrV11A(4H7)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAAFGSIFTIGTMGWYRQAPGKQRELVATITRGSSTNYADSVKGRFTISIDSAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCAADRGAVGPAMRVVADYWGQGTQVTVSS(配列番号20)
PcrV12A(3B7)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASGSTFSSNAMYWYRQAPGKQRELVASISDGGFTTYYADSVKGRFTISKDNAENTVYLQMNIMKPEDTAVYYCAASISSRVVVHTAQADYWGQGTQVTVSS(配列番号21)
PcrV13A(4G2)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLPCAASGSIFTIGTMGWYRQAPGKQRELVATITRGSSTNYADSVKDRFTISRDNAKRTLHLQMNGLKAEDTAVYYCATDLFENSCPLKHDFWGQGTQVTVSS(配列番号22)
PcrV14A(4G10)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASRITFALYVIDWYRQTPESQRELVARIRPEGLAVYADSVKGRFTISRDNGRNTAYLQMNSLQEEDTAVYYCHADPVFTPGRNDYWGQGTQVTVSS(配列番号23)
PcrV15A(4G9)
EVQLVQSGGGLVQPGESLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQVPGKQRELVASITNQGIPHYADSVKGRFTISRENAKNTVNLQMNSLKPEDTAVYVCNAWIRSDGVSPYLNYWGQGTQVTVSS(配列番号24)
PcrV16A(3B10)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLGLSCVGSGSISGIHTMGWYRRAPGNQRELIATATSAGITNYSESVKGRFTISRDNAKSTVYLQMSSLKPEDTGVYYCNDVFGRTSWGQGTQVTVSS(配列番号25)
PcrV17A(3G1)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGNIFGGNVMGWYRQAPGKQRELVAGIGSLGRTTYADSVKGRFSISRDNAKNTVYLQMDSLKPEDTAVYYCNVVRLGGPDYWGQGTQVTVSS(配列番号26)
PcrV18A(3F2)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCTTSGNTFSDNAMYWYRQAPGKQREQVASISSGGWTNYADSVKGRFTISRDNVKNTVTLQMDRLEPEDTALYYCRAAPVRGYLIGRVFWGQGTQVTVSS(配列番号27)
PcrV19A(4E12)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCSASGSNSIFNMGWYRQRPGRQRELVALISSGTGSTSYAGSVKGRFAISRDNAKATVYLQMNSLKLEDTAVYYCRITTDNARLVYWGQGTQVTVSS(配列番号28)
PcrV20A(3C1)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQTPGKQRELVAVITVNGITTYSDSVKGRFTLSRDNAKNTIYLQMNSLKPEDTAVYSCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTQVTVSS(配列番号29)
PcrV21A(3C7)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMGWYRQAPGNQRDIVATITMNGVPHYADAVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNGLKPEDTAVYYCNAWINLYGSPPLQNYWGQGTQVTVSS(配列番号30)
PcrV22A(4H8)
EVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASGSIFSINAMGWYRQAPGKQRELVTSITNQGIPHYADSVKGRFTISRENAKNTVNLQMNSLKPEDTAVYVCNAWIRGDGGSPYLNYWGQGTQVTVSS(配列番号31)
PcrV23A(1G6)
EVQLVQSGGGLVQPGESLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQVPGKQRELVASITNQGIPHYADSVKGRFTISRENAKNTVNLQMNSLKPEDTAVYVCNAWIRSDGVPPYLNYWGQGTQVTVSS(配列番号32)
PcrV24A(2E1)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGSIFNINSMHWYRQAPGNQRELVASISKGGITNYADSVKGRFAISRDDAQNTLYLQMNSLKPEDTAVYYCNAWISEIATGPILYNYWGQGTQVTVSS(配列番号33)
PcrV25A(1F9)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLSLSCAASGSVFSINRMAWYRQAPGKQRELVADIGTMGASDYADSVKGRFTISRDNAKKTVDLQMNSLKPEDTAVYFCNAWMRGAPDVAYTNYWGQGTQVTVSS(配列番号34)
PcrV26A(4H1)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGRVVSINNMGWYQQTPGNQRELVAIITLNGVTTYADSVKGRFTISRDNAKNTVYLQMASLKPEDTAIYYCNAWVRTVPGSAYSNYWGQGTQVTVSS(配列番号35)
PcrV27A(1B4)
EVQLVQSGGDLVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKQRELVAVITMNGVTTYEDSVKGRFTLSRDNAKNTIYLQMNSLKPEDTAVYFCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTQVTVSS(配列番号36)
hzPcrV15v1
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKQRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSDGVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号37)
hzPcrV15v2
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKQRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSYGVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号38)
hzPcrV15v3
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKQRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSEGVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号39)
hzPcrV15v4
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKQRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSQGVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号40)
hzPcrV15DAv5
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKQRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSDAVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号41)
hzPcrV15DTv6
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKQRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSDTVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号42)
hzPcrV15v7
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKGRELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSQGVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号81)
hzPcrV15v8
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSINTMVWYRQAPGKGLELVSSITNQGIPHYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNAWIRSQGVSPYLNYWGQGTLVTVKP(配列番号82)
hzPcrV18
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGNTFSDNAMYWYRQAPGKQRELVSSISSGGWTNYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCRAAPVRGYLIGRVFWGQGTLVTVKP(配列番号43)
hzPcrV18v2
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGNTFSDNAMYWYRQAPGKGRELVSSISSGGWTNYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCRAAPVRGYLIGRVFWGQGTLVTVKP(配列番号83)
hzPcrV18v3
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGNTFSDNAMYWYRQAPGKGLELVSSISSGGWTNYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCRAAPVRGYLIGRVFWGQGTLVTVKP(配列番号84)
hzPcrV20v1
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKQRELVSVITVNGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号44)
hzPcrV20v2
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKQRELVSVITVGGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号71)
hzPcrV20v3
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKQRELVSVITVQGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号72)
hzPcrV20v4
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKQRELVSVITNQGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号73)
hzPcrV20v5
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKQRELVSVITVSGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号74)
hzPcrV20v6
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKGRELVSVITNQGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号85)
hzPcrV20v7
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKGLELVSVITNQGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号86)
hzPcrV20v8
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGRIFSVNNMGWYRQAPGKGLEWVSVITNQGITTYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCYGYIRLAATNPYVQYWGQGTLVTVKP(配列番号87)
表2:OprI結合タンパク質配列
OprI-VHH-1(本願明細書では「OprI-1」とも称される)
QLQLQESGGGLVQSGRSLRLSCSASGSLFRFDTVWWYRQAPGKQREWVAYITAGGMTNYADSVKGRFTISKDNAKNMVYLQMDSLLPEDTAVYYCNVGRNWGQGTQVTVSS(配列番号46)
OprI-VHH-2(本願明細書では「OprI-2」とも称される)
EVQLVQSGGGLVQPGESLRLSCAASGNIFRFDTVWWYRQPPGEQREWVSYITAGSITNYADSVKGRFTISRDNAKNMVYLQMDNLKPEDTAVYYCRVGGSSWGQGTQVTVSS(配列番号47)
OprI-VHH-3(本願明細書では「OprI-3」とも称される)
EVQLVQSGGGLVQAGDSLRLSCAASGGISSTYAMGWFRQAPGKEREFVASIRLGSEATYYADSVKGRFTISRDNALKTIYLQMNSLKPDDTAVYYCAVDASLFLVTVDYWGRGTQVTVSS(配列番号48)
OprI-VHH-4(本願明細書では「OprI-4」とも称される)
QVQLVQSGGGLVQAGGSLRLSCAASGRTFSRCVMGWFRQAPGKEREFVATISWSGASTVYADSVKGRFTISRENAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCAAAESSWNGDIRLKGYDYWGQGTQVTVSS(配列番号49)
OprI-VHH-5(本願明細書では「OprI-5」とも称される)
QVTLKESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRSFRTYTMAWFRQPPGKEREFVAAITWSGGSTFYADPVKGRFTISRDNAKNTVYLQMNTLKPEDTAVYYCAVETSISGRYTVFQPRFYDSWGQGTQVTVSS(配列番号50)
OprI-VHH-6(本願明細書では「OprI-6」とも称される)
QVQLQESGGGLVQPGESLRLSCAASGNIFRFDTVWWYRQPPGEQREWVSYITAGSITNYADSVKGRFIISRDNAKNMVYLQMDNLKPEDTAVYYCRVGGGSWGQGTQVTVSS(配列番号51)
OprI-VHH-7(本願明細書では「OprI-7」とも称される)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCIASGSIFSTKTMGWYRQAPGKQREWVALITTGLSTQYLDSLEGRFTISRDNANNRVFLQMNNLKPEDTGVYYCNVVPGRGATYWGKGTQVTVSS(配列番号52)
OprI-VHH-8(本願明細書では「OprI-8」とも称される)
QLQLQESGGGLVQPGRSLRLSCAGSGSIFRYDTVWWYRQAPGKQREWVAYVTAGGITNYADSVKGRFTISKDNAKNMVYLQMDSLLPEDTAVYYCHVGRNWGQGTQVTVSS(配列番号53)
OprI-VHH-9(本願明細書では「OprI-9」とも称される)
QLQLQESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRTFSSNVYSMGWFRQAPGKEREFVSAITWRGGTTYYADSVKDRFTISKDNAKNTVYLQMNSLKSEDTAVYYCACSRMDSTRYDYWGQGTQVTVSS(配列番号54)
OprI-VHH-11(本願明細書では「OprI-11」とも称される)
EVQLVQSGGGLVQSGRSLRLSCSASGSLFRFDTVWWYRQAPGKQREWVAYITAGGITNYADSVKGRFTISKDNAKNMVYLQMDSLLPEDTAVYYCSVGRNWGQGTQVTVSS(配列番号55)
OprI-VHH-12(本願明細書では「OprI-12」とも称される)
QVQLQESGGGLVQPGGSLRLSCAASGITVRINTMGWYRQAPGKQRELVAYITSGGITNYVDSVKGRFTIARDDAKNTVYLQMNSLKPEDTAVYYCNVHGWRDFWGQGTQVTVSS(配列番号56)
OprI-VHH-13(本願明細書では「OprI-13」とも称される)
QVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGTIFRFNTMAWYRQAPGKQREFVAYITWAGMTGYQDSVQDRFTISRDNAKNTVSLQMNNLKPEDTAVYFCNKHGSSFVRDYWGQGTQVTVSS(配列番号57)
OprI-VHH-14(本願明細書では「OprI-14」とも称される)
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAAAGSDFAIGAMGWYRQAPGKQRDFVAHITSGGIPSFADSVKGRFTLSRDNAKNTVYLQMDSLKPDDTAVYYCYLRKRGSGTTTWGQGTQVTVSS(配列番号58)
OprI-VHH-15(本願明細書では「OprI-15」とも称される)
QVQLQESGGGLVQAGGSLRLSCAASGRIFSNCVMGWFRQAPGKEREFVAAISWSGDTTHYADSLKGRFAISRDNANNTVFLQKDSLTPSDTAVYYCAASSRITSCQAMGVVPLLQPWYDYWGRGTQVTVSS(配列番号59)
OprI-VHH-16(本願明細書では「OprI-16」とも称される)
QVQLQESGGGLVQPGRSLRLSCAASGNIFRFDTVWWYRQAPGKQREWVAYVTAGGITNYADSVKGRFTISKDNAKNIVYLHTDNLAPEDTAVYYCRVGQNWGQGTQVTVSS(配列番号60)
OprI-VHH-17(本願明細書では「OprI-17」とも称される)
QLQLQESGGGLVQPGGSPRLSCAASESIFRFNTMAWYRQAPGKQRELVAYITWAGRTDYGDFVKGRFTISRDNAKNTVSLQMNSLKPEDTAVYYCNKHGSRFERDYWGQGTQVTVSS(配列番号61)
OprI-VHH-18(本願明細書では「OprI-18」とも称される)
QVQLQESGGDLVQPGGSLRLSCVASETIFRFNTMAWYRQAPGKRRELVGYITWAGRTGYGDFVEGRFTISRDNSKNTVSLQMNSLKPEDTAVYYCNKHGSSFTQDYWGQGTQVTVSS(配列番号62)
OprI-VHH-19(本願明細書では「OprI-19」とも称される)
QLQLQESGGDLVQPGGSLRLSCVASETIFRFNTMAWYRQAPGKRRELVGYITWAGRTGYGDFVEGRFTVSRDNSKNTVSLQMNSLKPEDTAVYYCNKHGASFTQDYWGQGTQVTVSS(配列番号63)
OprI-VHH-21(本願明細書では「OprI-21」とも称される)
QLQLQESGGGLVRPGSSLTLSCVASETIFRFNTMAWYRQAPGKRRELVGYITWAGRTGYGDFVEGRFTISRDNSKNTVSLQMNSLEPEDTADYYCNKHGSSFLRDYWGQGTQVTVSS(配列番号64)
OprI-VHH-22(本願明細書では「OprI-22」とも称される)
QVQLQESGGGLVQPGRSLRLSCAGSGSMFRFDTVWWYRQAPGKQRDWVSYITAGSIANYADSVKGRFTISRDNTKNMVYLQMDSLKPEDTAVYYCRVGGNSWGQGTQVTVSS(配列番号65)
OprI-VHH-23(本願明細書では「OprI-23」とも称される)
QVQLQQSGGGLVQPGGSLRLSCEASSNIFRFNTMAWYRQAPGKQREFAAYITWAGLTGYGDSLKGRFIISRDNAKNIVTLQMNSLKPEDTAVYYCNKHGSDFVRDYWGQGTQVTVSS(配列番号66)
hzOprI-7v1(本願明細書では「OprI-7v1」とも称される)
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSTKTMGWYRQAPGKQREWVSLITTGLSTQYAESVKGRFTISRDNANNTVYLQMSSLRAEDTAVYYCNVVPGRGATYWGQGTLVTVKP(配列番号67)
hzOprI-7v2(本願明細書では「OprI-7v2」とも称される)
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSTKTMGWYRQAPGKQREWVSLITTGLSTQYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNVVPGRGATYWGQGTLVTVKP(配列番号68)
hzOprIv3(本願明細書では「OprI-7v3」とも称される)
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSTKTMGWYRQAPGKGLEWVSLITTGLSTQYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNVVPGRGATYWGQGTLVTVKP(配列番号69)
hzOprI-7v4(本願明細書では「OprI-7v4」とも称される)
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSTKTMGWYRQAPGKGLEWVSLITTGLSTQYAESVKGRFTISRDNAKNTVYLQMSSLRAEDTAVYYCNVVPGRGATYWGQGTLVTVKP(配列番号70)
hzOprI-7v5
EVQLLESGGGEVQPGGSLRLSCAASGSIFSTKTMGWYRQAPGKGREWVSLITTGLSTQYAESVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRAEDTAVYYCNVVPGRGATYWGQGTLVTVKP(配列番号88)

Claims (17)

  1. Pseudomonas aeruginosaに由来するPcrVに結合する第1の結合ドメインおよびPseudomonas aeruginosaに由来するOprIに結合する第2の結合ドメインを含む単離されたポリペプチドであって
    前記第1の結合ドメインおよび前記第2の結合ドメインは抗体又はその抗原結合断片であり、前記ポリペプチドは、標的細胞膜を通過するエフェクター分子の機能的トランスローカリゼーションを阻害する、単離されたポリペプチド。
  2. 前記第1の結合ドメインは、第1のVHHドメインである、請求項に記載の単離されたポリペプチド。
  3. 前記第1のVHHドメインは、Chothiaナンバリングによる配列番号41のCDRを含む、請求項に記載の単離されたポリペプチド。
  4. 前記第1のVHHドメインは、ヒト化されている、請求項又はに記載の単離されたポリペプチド。
  5. 前記第2の結合ドメインは、第2のVHHドメインである、請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。
  6. 前記第2のVHHドメインは、Chothiaナンバリングによる配列番号62のCDRを含む、請求項に記載の単離されたポリペプチド。
  7. 前記第2のVHHドメインは、ヒト化されている、請求項又はに記載の単離されたポリペプチド。
  8. 前記ポリペプチドはPseudomonas aeruginosaに由来するPcrVに結合する第3の結合ドメインを含み、ここで前記第1の結合ドメインと前記第3の結合ドメインはPcrVの異なるエピトープに結合し、かつ、前記第3の結合ドメインは抗体又はその抗原結合断片である、請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。
  9. 前記第3の結合ドメインは、第3のVHHドメインである、請求項に記載の単離されたポリペプチド。
  10. 前記ポリペプチドは、免疫グロブリンFc領域ポリペプチドを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の単離されたポリペプチド。
  11. 前記免疫グロブリンFc領域ポリペプチドは、配列番号1、2、3、又は4のアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の単離されたポリペプチド。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリペプチドを治療的有効量で含む、Pseudomonas aeruginosaの感染を治療するための医薬組成物。
  13. 前記Pseudomonas aeruginosaの感染は地域感染である、請求項12に記載の医薬組成物。
  14. 前記Pseudomonas aeruginosaの感染は院内感染である、請求項12に記載の医薬組成物。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリペプチドを治療的有効量で含む、Pseudomonas aeruginosaの感染を予防するための医薬組成物。
  16. 前記Pseudomonas aeruginosaの感染は地域感染である、請求項15に記載の医薬組成物。
  17. 前記Pseudomonas aeruginosaの感染は院内感染である、請求項15に記載の医薬組成物。
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