JP6960825B2 - ガス分離膜 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた分離性能を有するガス分離膜に関する。
ガス分離膜によるガスの分離濃縮は、蒸留法、高圧吸着法等と比べ、エネルギー効率に優れ、かつ安全性の高い方法である。その先駆的な実用例としては、例えば、アンモニア製造プロセスにおける水素分離等が挙げられる。最近では、ガス分離膜を用いて、合成ガス、天然ガス等から温室効果ガスである二酸化炭素を除去回収する方法についても、盛んに検討が行われている(特許文献1、2、及び3参照)。
ガス分離膜の一般的な形態は、多孔性支持体の外側表面上にガス分離活性層を形成したものである。多孔性支持体としては、ガス分離膜モジュールとした場合の総表面積の高さから、多孔性中空糸支持体がよく用いられる。この形態は、膜にある程度の強度を付与しつつ、ガスの透過量を多く持たせることに有効である。
ガス分離膜の性能は、透過速度及び分離係数を指標として表される。透過速度は、ガス分離活性層としてガス分離性高分子を用いた場合、例えば、下記数式:
(ガス分離性高分子の透過係数)/(ガス分離活性層の厚さ)
によって表される。上記の数式から明らかなように、透過速度の大きな膜を得るためには、ガス分離活性層の厚さを可能な限り薄くすることが必要である。分離係数は、分離しようとする2種のガスの透過速度の比で表され、ガス分離性高分子の素材に依存する値である。
また、透過速度は、分離対象ガスの供給側と透過側との分圧差にも依存する。この分圧差が大きいと、透過速度が大きくなる。したがって、透過速度を向上させるための運転条件として、分離対象ガスの供給側のガスの線速を高くして、分圧差を大きくすることが挙げられる。
国際公開第2014/157069号 特開2011―161387号公報 特開平9―898号公報 特開平2−56224号公報
セルロース、キトサン、ナフィオン等の高分子ゲルは、その構造的特徴に由来する優れたガス分離性能から、ガス分離膜におけるガス分離性高分子として用いられている。しかし、多孔性中空糸支持体の外側表面上に分離層として高分子ゲルを作製しようとした場合、乾燥温度を高くすると、多孔性中空糸支持材料と高分子ゲルとの熱収縮率の違いにより、ガス分離活性層の剥離、欠陥発生等に伴うガス分離能の低下が生じる。このような事態を避けるためには、例えば、高い乾燥温度を維持したまま乾燥時間の許容幅を狭くし、厳密に制御すること、又は乾燥温度を下げること等が挙げられる。しかし高い乾燥温度を維持したまま乾燥時間を厳密に制御しようとすると、厳密・緻密な工程管理が必要となり、生産性の低下、及び管理コストの増大を招く。一方、乾燥温度を低くすると、欠陥発生までの乾燥時間の許容幅は広くなるが、得られる高分子ゲルの結晶性が低下し、透過速度の低下、ガス分離活性層の化学的耐久性の低下が起こることがあった。
透過速度を大きくするためには、上記のように、目的のガスの供給時の線速を大きくすることが有効である。しかし、多孔性中空糸支持体の外側表面にガス分離活性層を配したガス分離膜を用いた場合、多孔性中空糸支持体の外側に供給するガスの供給時の線速を大きくすると、運転時に糸が揺れるため、糸同士の擦れが生じる。そのため、ガス分離活性層に傷が付き、長期間運転した場合に目的のガスの分離能が低下する場合がある、又は、このときの糸の揺れが激しくなり、糸端の固定部で糸切れが起こるといった問題が生じる場合があった。
この問題に対し、多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性層を配置することで、ガス分離活性層同士の擦れによる分離性の低下を防ぐ方法が提案されている(特許文献4参照)。しかし、目的ガス供給時の線速が大きくなると、ガス分離活性層の一部が剥離する場合があり、更に、多孔性中空糸支持体の内側に加湿したガスを供給しながら長時間運転を行う場合には、ガス分離活性層、多孔性中空糸支持体の中空部及び微細な孔の内部で水分が凝集し、透過性が低下してくる等の課題があった。
本発明は、従来技術におけるこれらの問題を解決しようとしてなされた。
すなわち、本発明の解決すべき課題は、
多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性層を有するガス分離膜であって、高いガス分離性能と高いガス透過性とを有し、かつ、長時間の運転にも耐え得る耐久性の高いガス分離膜、及びその製造方法を提供することである。
本発明が提供しようとするガス分離膜は、好ましくは、加湿ガスを使用したガス分離に対しても、水分の凝集を抑制し、高いガス透過性を維持し得るものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性層を配置するとともに、多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性物質を含浸させたガス分離活性物質含浸層を設けることで、供給ガスの線速が大きい場合にも、擦過による傷が付かず、ガス分離活性層が剥離し難いガス分離膜とすることができることを見出した。
また、多孔性中空糸支持体の内側表面に、ガス分離活性物質を含む塗工液を塗布し、乾燥させる工程を経る本発明のガス分離膜の製造方法によると、ガス分離膜製造時に、多孔性中空糸支持体内側の湿度が高く保たれるため、乾燥温度を高くした場合でも急激な乾燥が防がれ、乾燥時にガス分離活性層の剥離、欠損等に起因するガス分離能の低下が起こり難く、耐久性の高いガス分離膜を製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の実施形態から成るものである。
[1]多孔性中空糸支持体と、前記多孔性中空糸支持体の内側表面上に配置されたガス分離活性層とを有するガス分離膜であって、
前記ガス分離活性層は、ガス分離活性物質を含み、
前記多孔性中空糸支持体は、その内側表面から厚さ方向に前記ガス分離活性物質が含浸したガス分離活性物質含浸層を有している、
ガス分離膜。
[2]前記多孔性中空糸支持体の内径が500μm以上1,500μm以下である、
[1]に記載のガス分離膜。
[3]前記ガス分離活性物質含浸層の厚さが0.1μm以上50μm以下であり、かつ、
前記ガス分離活性物質含浸層の厚さの前記多孔性中空糸支持体の厚さに対する比が1/5以下である、
[1]又は[2]に記載のガス分離膜。
[4]前記多孔性中空糸支持体の内側表面における平均孔径が0.05μm以上1.0μm以下である、
[1]〜[3]のいずれか1項に記載のガス分離膜。
[5]前記多孔性中空糸支持体の内側表面の表面開孔率が5%以上50%以下である、
[1]〜[4]のいずれか1項に記載のガス分離膜。
[6]前記ガス分離活性物質が高分子ゲルを含有する、
[1]〜[5]のいずれか1項に記載のガス分離膜。
[7]前記高分子ゲルが、アミノ基、ピリジル基、イミダゾリル基、インドリル基、ヒドロキシル基、フェノール基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオール基、チオエーテル基、スルホン基、スルホニル基、及び下記式:
Figure 0006960825
{上記式中、Rはメチレン基又は炭素数2〜5のアルキレン基である。}
で表される基から成る群から選択される1種類以上の官能基を含む重合体である、
[6]に記載のガス分離膜。
[8]前記高分子ゲルが、アミノ基、スルホン基、及びヒドロキシル基から成る群から選択される1種類以上の官能基を含む重合体である、
[7]に記載のガス分離膜。
[9]前記重合体がポリアミンである、
[8]に記載のガス分離膜。
[10]前記ポリアミンがキトサンである、
[9]に記載のガス分離膜。
[11]前記ガス分離活性層が、Ag及びCuから成る群から選択される1種以上の金属イオンを含む金属塩を含有する、
[1]〜[10]のいずれか1項に記載のガス分離膜。
[12]供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたCOガスの透過速度をQとし、
供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたNガスの透過速度をQとしたときに、
が1GPU以上100GPU以下であり、かつ、
がとQとの比Q/Qとして定義されるCO/Nの分離係数αが20以上100以下である、
[1]〜[11]のいずれか1項に記載のガス分離膜。
[13]プロパン60質量%及びプロピレン40質量%から成る混合ガスを用い、
供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定された
プロピレンガスの透過速度が15GPU以上1,500GPU以下であり、
プロピレン/プロパンの分離係数αが50以上1,000以下である、
[1]〜[11]のいずれか1項に記載のガス分離膜。
[14]前記ガス分離膜の製造方法であって、
多孔性中空糸支持体の内側に、ガス分離活性物質を含む塗工液を流通させて塗工面を形成する塗工工程、
前記多孔性中空糸支持体の内側と外側とに圧力差を設け、ガス分離活性物質含浸層を形成するガス分離活性物質含浸層形成工程、及び
前記塗工面を乾燥してガス分離活性層を形成するガス分離活性層形成工程、
を含む、
[1]〜[13]のいずれか1項に記載のガス分離膜の製造方法。
本発明によると、ガスに対して優れた分離能を有するガス分離膜を提供することができる。
本発明のガス分離膜は、特に、COとNとの分離、オレフィンとパラフィンとの分離等に、優れた分離能を有する。
本発明のガス分離膜の一態様を模式的に示す概略断面図。 実施例1で製造されたガス分離膜の内側表面のSEM像。
以下、本発明について、詳細を説明する。
<ガス分離膜>
図1は、本発明のガス分離膜における一実施形態を模式的に示す概略断面図である。
図1のガス分離膜100は、多孔性中空糸支持体10の内側表面上に、ガス分離活性層20が形成されている。このガス分離活性層20は、ガス分離活性物質を含む。
多孔性中空糸支持体10は、内側表面に開口し、厚さ方向に伸び、膜の表裏を繋いで貫通する、微細な孔11を多数有する膜が、中空糸状に形成されて成る。多孔性中空糸支持体10は、内側表面から厚さ方向にガス分離活性物質が含浸して成るガス分離活性物質含浸層12と、ガス分離活性物質が含浸されていない非含浸層13とから成る。
ガス分離活性層20は、図1のガス分離膜100のように、多孔性中空糸支持体10の内側表面の一部にのみ形成されていてもよいし、内側表面の全部を覆って形成されていてもよい。しかしながら、ガス透過速度を高くする観点からは、ガス分離活性層20は、多孔性中空糸支持体10の内側表面の一部にのみ形成し、ガス分離活性層20が形成されていない領域を残すことが適切である。
[多孔性中空糸支持体]
本実施形態のガス分離膜における多孔性中空糸支持体は、膜の表裏を繋いで貫通する微細な孔を多数有する膜が、中空糸状に形成されて成る支持体である。この多孔性中空糸支持体は、実質的にはガス分離性能を有さないが、本実施形態のガス分離膜に機械的強度を与えることができる。
多孔性中空糸支持体の素材は問わない。耐薬品性、耐溶剤性の観点からは、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が好ましく;
耐熱性の観点からは、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール等のホモポリマー又はコポリマー等が好ましく;
これらのうちのいずれか単独又はこれらの混合物から形成されるものが好ましい。
多孔性中空糸支持体が有する微細な孔の平均孔径は、多孔性中空糸支持体の内側表面に開口する孔の開口面の平均直径として、0.05μm以上1.0μm以下が好ましく、0.2μm以上1.0μm以下がより好ましい。これは、この平均孔径が大きすぎると多孔性中空糸支持体の機械的強度が低くなり、逆に平均孔径が小さすぎると、加湿ガスを供給しながら長時間運転を行う場合に、多孔性中空糸支持体の中空部及び微細な孔の内部で水分が凝集し、透過性が低くなる等の問題が生じるおそれがあるためである。
多孔性中空糸支持体が有する微細な孔の平均孔径は、例えば以下の評価で決定できる。
(i)多孔性中空糸支持体の内側表面を測定試料とし、走査型電子顕微鏡(SEM)の加速電圧を20kVとして、倍率10,000倍にてSEM像を撮影する。
(ii)得られたSEM像に、縦横方向に直交する各5本の線をほぼ均等な間隔で引き、それらの線がSEM像中の孔を横切る長さを測定する。そして、それらの測定値の算術平均値を求め、これを平均孔径とする。ここで、孔径測定の精度を上げるために、縦横計10本の線が横切る孔径の数は20個以上とすることが好ましい。
多孔性中空糸支持体の外径は、800μm以上3,000μm以下が好ましく、800μm以上2,500μm以下がより好ましい。これは、多孔性中空糸支持体の外径が小さすぎると、本実施形態のガス分離膜をモジュール化する際に、多孔性中空糸支持体の取り扱いが困難になる等の問題が生じ;
逆に多孔性中空糸支持体の外径が大きすぎると、同じサイズの筒状容器内に挿入できるガス分離膜の本数が減って、得られるモジュールの濾過面積が減少する等の問題が生じるためである。
多孔性中空糸支持体の内径は、500μm以上1,500μm以下が好ましく、700μm以上1,500μm以下がより好ましい。これは、多孔性中空糸支持体の内径が小さすぎると、圧損及び原料代の増加につながる等の問題が生じ;
逆に、多孔性中空糸支持体の内径が大きすぎると、ガス分離膜を稼働する時の加圧によって、膜が折れる等の問題が生じるおそれがあるためである。
[ガス分離活性層]
本実施形態のガス分離膜におけるガス分離活性層は、ガス分離活性物質を含み、任意的に金属塩を更に含んでいてもよい。
(ガス分離活性物質)
本実施形態のガス分離膜におけるガス分離活性物質は、高分子ゲルであることが好ましい。ここで、高分子ゲルとは、水により膨潤する高分子を意味する。
この高分子ゲルは、アミノ基、ピリジル基、イミダゾリル基、インドリル基、ヒドロキシル基、フェノール基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、チオール基、チオエーテル基、スルホン基、スルホニル基、及び下記式:
Figure 0006960825
{上記式中、Rはメチレン基又は炭素数2〜5のアルキレン基である。}
で表される基から成る群から選択される1種類以上の官能基を含む重合体であることが好ましい。
上記官能基が含まれる重合体である高分子ゲルを分離活性層として用いることにより、分離活性層中に任意的に含有される金属塩を高濃度で分散できる。
高分子ゲルの官能基としては、上記のうち、アミノ基、スルホン基、及びヒドロキシル基から成る群から選択される1種類以上が好ましい。
上記官能基を含む高分子ゲルとしては、例えば、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリ1−ヒドロキシ−2−プロピルアクリレート、ポリアリルスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ポリエチレンイミン、ゼラチン、ポリリシン、ポリグルタミン酸、ポリアルギニン等が挙げられる。特にポリアミンは、分離活性層に任意的に含有される金属塩を高濃度で分散できるため好ましい。更に、ポリアミンは、結晶性高分子であることが好ましい。このことにより、得られるガス分離膜における分離活性層の耐久性が向上する。
ポリアミンとしては、例えば、ポリアリルアミン誘導体、ポリエチレンイミン誘導体、ポリアミドアミンデンドリマー誘導体等が挙げられる。
本実施形態において好適に使用されるポリアミンとしては、例えばキトサンが挙げられる。ここで、キトサンとは、繰返し単位として少なくともβ−1,4−N−グルコサミンを含み、全繰り返し単位におけるβ−1,4−N−グルコサミンの割合が70モル%以上のものを指す。キトサンは、繰り返し単位としてβ−1,4−N−アセチルグルコサミンを含んでいてもよい。キトサンの繰り返し単位におけるβ−1,4−N−アセチルグルコサミンの割合の上限値は、好ましくは30モル%以下である。
ポリアミンは、官能基によって化学修飾されていても構わない。この官能基としては、例えば、イミダゾリル基、イソブチル基、及びグリセリル基から成る群から選ばれる少なくとも1種の基であることが好ましい。
ポリアミンの数平均分子量は、ガス分離性能と透過性とのバランスを良好とする観点から、10万以上300万以下であることが好ましく、30万以上150万以下であることがさらに好ましい。この数平均分子量は、プルランを標準物質とし、サイズ排除クロマトグラフィーによって測定して得られた値である。
(金属塩)
分離活性層には、ガス成分との親和性を向上させるために、金属塩を含有することが好ましい。この金属塩は、分離活性層中に分散されて含有されることが好ましい。金属塩としては、1価の銀イオン(Ag)及び1価の銅イオン(Cu)から成る群から選択される1種以上の金属イオンを含む塩を挙げることができる。より具体的には、上記金属塩としては、Ag、Cu、及びこれらの錯イオンから成る群から選ばれるカチオンと、F、Cl、Br、I、CN、NO 、SCN、ClO 、CFSO 、BF 、及びPF 、並びにこれらの混合物から成る群から選ばれるアニオンと、から成る塩が好ましい。これらのうち、入手の容易性及び製品コストの観点から、特に好ましくはAg(NO)である。
分離活性層における金属塩の濃度は、分離活性層におけるガス分離活性物質の質量を100質量%としたときに、10質量%以上70質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましく、50質量%以上70質量%以下が更に好ましい。金属塩の濃度が低すぎると、ガス分離性能の向上効果が得られない場合がある。金属塩濃度が高すぎると、製造コストが高くなるという不都合が生じる場合がある。
[ガス分離活性物質含浸層]
本実施形態におけるガス分離活膜は、多孔性中空糸支持体の内側表面側に、ガス分離活性物質が含浸することによって形成されるガス分離活性物質含浸層が形成されている。
ガス分離活性物質含浸層は、多孔性中空糸支持体のうちのガス分離活性物質が含浸していない部分、及びガス分離活性層との間に、明確な境界を持っていてもよいし、明確な境界を持っていなくても構わない。ガス分離活性物質含浸層におけるガス分離活性物質の割合は、厚さ方向で同じであってもよいし、傾斜組成となっていてもよい。好ましくは、ガス分離活性物質含浸層のうちのガス分離活性層と接する領域においてはガス分離活性物質の含有割合が大きく、該含有割合が深さ方向に漸減して行き、遂にはゼロとなる地点でガス分離活性物質含浸層が終わる場合である。
上記のガス分離活性物質が金属塩を含有する場合、このガス分離活性物質含浸層も金属塩を含有してもよい。ガス分離活性物質含浸層における金属塩の含有割合は、ガス分離活性物質と金属塩との合計に対して占める金属塩の質量割合が、上記ガス分離活性層における金属塩の割合とほぼ等しい値となってよい。
ガス分離活性物質含浸層の厚さは、得られるガス分離膜におけるガス分離能とガス透過速度とのバランスの観点から、設定される。この観点から、
ガス分離活性物質含浸層の厚さが0.1μm以上50μm以下であり、ガス分離活性物質含浸層の厚さの多孔性中空糸支持体に対する比が1/5以下であることが好ましく;
ガス分離活性物質含浸層の厚さが0.1μm以上20μm以下であって、ガス分離活性物質含浸層の厚さの多孔性中空糸支持体に対する比が1/25以下であることがより好ましい。ガス分離活性物質含浸層の厚さが50μmを超えると、ガス分離活性層を経由した水分が凝縮し易くなり、透過速度若しくは分離係数又はこれらの双方が、実用性の高い値を示さない等の不都合が生じる場合がある。また、ガス分離活性物質含浸層の厚さの多孔性中空糸支持体の厚さに対する比が1/5を超えた場合にも、同様に、透過速度若しくは分離係数又はこれらの双方が、実用性の高い値を示さない等の不都合が生じる場合がある。ガス分離活性物質含浸層の厚さが0.1μm未満となると、ガス線速を高くした場合にガス分離活性層の剥離が起こり、長期運転時に分離係数が低下する場合がある。
ガス分離活性物質含浸層の厚さは、例えば、アルゴンガスクラスターイオン銃搭載X線光電子分光装置(GCIB―XPS)によって測定された相対元素濃度の分布曲線から知ることができる。
(ガス分離活性層の被覆率)
本実施形態のガス分離膜において、ガス分離活性層は、多孔性中空糸支持体の内側表面の全領域にわたって形成されていてもよいし、多孔性中空糸支持体の内側表面の一部にのみ形成されていてもよい。
多孔性中空糸支持体の内側表面のうち、ガス分離活性層が形成されて被覆されている領域の面積の、多孔性中空糸支持体の内側表面の全面積に対する割合として定義されるガス分離活性層の被覆率は、好ましくは5%以上90%以下であり、より好ましくは7%以上80%以下であり、更に好ましくは10%以上70%以下である。ガス分離活性層の被覆率が過度に低いと、ガス分離能が不足する場合があり;過度に高いと、ガスの透過速度が損なわれる場合があり、いずれも好ましくない。
(表面開孔率)
ガス分離活性層が多孔性中空糸支持体の内側表面の一部にのみ形成されているとき、多孔性中空糸支持体の内側表面のうちのガス分離活性層によって被覆されていない領域では、多孔性中空糸支持体の有する微細な孔が開口している。この場合の多孔性中空糸支持体の内側表面を、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した場合、図2のように多孔性中空糸支持体の微細な孔が開口している層が観察される。
この場合の内側表面における、内側表面全体の面積に対する微細な孔の合計開口面積の割合を、多孔性中空糸支持体の内側表面の「表面開孔率」とする。
本実施形態のガス分離膜における表面開孔率は、5%以上50%以下が好ましく、10%以上50%以下がより好ましい。表面開孔率が低すぎると、多孔性中空糸支持体の内側に加湿したガスを供給しながら長時間運転を行う場合に、ガス分離活性層、多孔性中空糸支持体の内部、更には中空部で水分が凝集し、透過性が低下する場合がある。一方、表面開孔率が高すぎると、多孔性中空糸支持体の機械的強度が低くなる場合がある。
多孔性中空糸支持体の内側表面の表面開孔率は、例えば多孔性中空糸支持体にPVDF、ガス分離活性物質にキトサンを用いた場合、例えば以下の評価で決定できる。
(i)ガス分離膜の内側表面を測定試料とし、SEMの加速電圧を20kVとし、二次電子検出条件にて、倍率5,000〜50,000倍でSEM像を撮影する。
(ii)得られたSEM像を、画像解析処理ソフトで処理して表面開孔率を求める。画像解析ソフトとしては、例えば、ImageJ(フリーソフト)等を使用して処理を行うことができる。とり込んだ画像の微細孔の開口部分を黒、非孔部分を白となるように強調・フィルタ操作を実施する。その後、微細孔開口部の合計面積を算出し、下記式から表面開孔率を算出する。このとき、孔の内部に下層のポリマー鎖が見て取れる場合には、このポリマー鎖は非孔部分とみなして、微細孔開口部の面積には参入しないこととする。
表面開孔率[%]=100×(孔の開口部の合計面積)/(測定範囲の面積)
「測定範囲の面積」は、「孔の開口部の合計面積」+「非孔部分の合計面積」である。また、測定範囲の境界上の孔は除外せずに、上記式の計算に算入するものとする。
[ガス分離膜の使用態様]
本実施形態のガス分離膜は、そのまま使用に供してもよいし、複数本を束ねて筒状容器内に収納してパッケージ化したガス分離膜モジュールとしたうえで使用に供してもよい。
本実施形態のガス分離膜をガス分離膜モジュールとして用いる場合、1つの筒状容器内に収納するガス分離膜の数は、例えば、10本以上1,000本以下とすることができ、50本以上500本以下とすることが好ましい。
[ガス分離膜の性能]
以上、本実施形態のガス分離膜を構成する主たる要素である、多孔性中空糸支持体、分離活性層について説明した。
本実施形態におけるガス分離膜は、例えば、CO/N混合ガスからCOを分離するために好適に用いることができる。具体的には、
600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたCOガスの透過速度をQとし、
供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたNガスの透過速度をQとしたときに、
が1GPU以上100GPU以下であり、かつ、
がとQとの比Q/Qとして定義されるCO/Nの分離係数αが、20以上100以下であるものとすることができる。COガスの透過速度Qは、好ましくは、20GPU以上100GPU以下であり、より好ましくは30GPU以上100GPU以下である。CO/Nの分離係数αは、好ましくは30以上100以下であり、より好ましくは50以上100以下である。
更に、ガス分離活性層に金属塩を含む実施形態のガス分離膜は、オレフィンとパラフィンとの分離に好適に用いることができる。具体的には、例えば、プロパン60質量%及びプロピレン40質量%から成る混合ガスを用い、供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたプロピレンガスの透過速度が15GPU以上1,500GPU以下であり、プロピレン/プロパンの分離係数αが50以上1,000以下であるものとすることができる。プロピレンガスの透過速度は、好ましくは100GPU以上1,500GPU以下であり、より好ましくは300GPU以上1,500GPU以下である。プロピレン/プロパンの分離係数αは、好ましくは100以上1,000以下であり、より好ましくは500以上1,000以下である。これらの値は、プロピレン分圧1気圧以下、具体的には0.4気圧の条件で測定されるべきである。
本明細書において、ガスの透過係数の単位「GPU」とは、「Gas Permeation Unit」の略であり、1GPUは1×10−6cm(STP)/(cm・sec・cmHg)に相当する。
<ガス分離膜の製造方法>
本実施形態のガス分離膜の製造方法について、以下により詳細に説明する。
本実施形態のガス分離膜は、少なくとも下記工程:
多孔性中空糸支持体内側に、ガス分離活性物質を含む塗工液を流通させて塗工面を形成する塗工工程、
多孔性中空糸支持体の内側と外側とに圧力差を設け、ガス分離活性物質含浸層を形成するガス分離活性物質含浸層形成工程、及び
塗工面を乾燥してガス分離活性層を形成するガス分離活性層形成工程、
を含むことを特徴とする。
上記塗工工程の前に、多孔性中空糸支持体を粘性水溶液中に浸漬させる、浸漬工程を有していてもよい。
本実施形態のガス分離膜を製造するに際しては、多孔性中空糸支持体をそのままの形態で本実施形態のガス分離膜の製造に供してもよいし、複数本を束ねて筒状容器内に収納してパッケージ化したうえでガス分離膜の製造に供してもよい。
本実施形態のガス分離膜をパッケージ化したうえでガス分離膜の製造に供して得られるパッケージ化されたガス分離膜は、そのままガス分離膜モジュールとして、使用に供することができる。
したがって、ガス分離膜をパッケージ化するに際して1つの筒状容器内に収納するガス分離膜の数は、所望のガス分離膜モジュールにおけるガス分離膜の本数と同じとしてよく、例えば、10本以上1,000本以下とすることができ、50本以上500本以下とすることが好ましい。
[浸漬工程]
多孔性中空糸支持体は、これをそのまま次の塗工工程に供してもよいし、多孔性中空糸支持体を粘性水溶液中に浸漬させる浸漬工程を行ったうえで、塗工工程に供してもよい。この浸漬工程により、多孔性中空糸支持体を構成する多孔質膜中に粘性水溶液が含浸して、ガス分離活性物質含浸層の厚さが、適切に制御される。
浸漬工程を含む場合は、粘性水溶液の粘度は1cP以上200cP以下が好ましく、5cP以上150cP以下がより好ましく、10cP以上100cP以下が更に好ましい。これは、粘性水溶液の粘度が1cP未満であると、粘性水溶液を用いる効果が出ない等の問題を生じる場合があり、逆に、粘性水溶液の粘度が200cPを超えると、該粘性水溶液が多孔質膜に十分に含浸されない等の問題を生じる場合があるためである。
本実施形態における粘性水溶液の溶質としては、水と任意の割合で混合する物質を用いることができる。例えば、グリコール、グリコールエーテル等が好適に用いられる。グリコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が、グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノール、エチレングリコールt−ブチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等がそれぞれ挙げられる。好ましくは、グリセリン、エチレングリコール、及びプロピレングリコールから選択される1種以上である。これらの溶質は、単独で使用しても混合して使用してもよい。
粘性水溶液における溶質の濃度は、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上80質量%以下が好ましい。溶質をこの範囲で水と混合し、上記の粘度範囲に調整することにより、粘性水溶液を調製することができる。
粘性水溶液のpHとしては、4以上10以下が好ましく、5以上9以下がより好ましい。粘性水溶液のpHが低すぎても高すぎても、該粘性水溶液の多孔質膜への含浸が十分に起こらない場合があるためである。
多孔性中空糸支持体を粘性水溶液に浸漬させる際の浸漬温度は、0℃以上100℃以下とすることが好ましく、20℃以上80℃以下とすることがより好ましい。浸漬温度が0℃未満であると、粘性水溶液の多孔質膜への含浸が十分に起こらない等の問題を生じる場合があり;逆に、浸漬温度が100℃を超えると、浸漬中に粘性水溶液中の溶媒(水)が過度に揮発する等の問題を生じる場合があるためである。
浸漬時間は、15分以上5時間以下とすることが好ましく、30分以上3時間以下とすることがより好ましい。浸漬時間が15分未満であると、粘性水溶液の多孔質膜への含浸が十分に起こらない等の問題を生じる場合があり;逆に、浸漬時間が5時間を超えると、ガス分離膜の製造効率が落ちる等の問題を生じる場合がある。
[塗工工程]
塗工工程では、多孔性中空糸支持体内側に、ガス分離活性物質を含む塗工液を流通させて、塗工面を形成する。
(塗工液)
本工程で使用される塗工液は、少なくともガス分離活性物質を含有する溶液であり、好ましくは水性溶液であり、特に好ましくは水溶液である。
本実施形態における塗工液は、所望のガス分離活性物質を、水、又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒に溶解することにより、調製することができる。
塗工液中のガス分離活性物質の濃度は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。ガス分離活性物質濃度が0.1質量%未満であると、実用性の高いガス分離膜を得られない場合がある。ガス分離活性物質濃度が10質量%を超えると、塗工が困難になる場合がある。
塗工液には、溶媒の全量に対して80質量%以下の範囲で水溶性の有機溶媒が含まれていても構わない。ここで使用される有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の極性溶媒等が用いられる。これらの有機溶媒は単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
塗工液の粘度は0.5cP以上150cP以下が好ましく、1cP以上100cP以下がより好ましく、2cP以上30cP以下が更に好ましい。これは、塗工液の粘度が0.5cP未満であると、ガス分離活性物質含浸層の厚さが厚くなりすぎ、透過性が低下する等の問題が生じ、逆に、粘性水溶液の粘度が150cPを超えると、ガス分離活性物質含浸層が充分に形成されず、分離性が低下する等の問題が生じるためである。
塗工液には、多孔性中空糸支持体への濡れ性を向上させるため、溶液の全量に対して10質量%以下の界面活性剤が含まれていても構わない。界面活性剤は、ガス分離活性層を形成する素材と静電反発しないこと、酸性、中性、及び塩基性のいずれの水溶液にも均一に溶解すること、等の観点から、ノニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンの長鎖脂肪酸エステル、パーフルオロ基を有するフッ素界面活性剤等が挙げられる。その具体例としては、ポリオキシエチレンの長鎖脂肪酸エステルとして、例えば、Tween20(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート)、Tween40(ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート)、Tween60(ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート)、Tween80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)(以上、東京化成工業社製)、トリトン−X100、プルロニック−F68、プルロニック−F127等を;パーフルオロ基を有するフッ素界面活性剤として、例えば、フッ素系界面活性剤FC−4430、FC−4432(以上、3M社製)、S−241、S−242、S−243(以上、AGCセイミケミカル社製)、F−444、F−477(以上、DIC社製)等を;それぞれ挙げることができる。
塗工液には、分離活性層の柔軟性を向上させるために、溶液の全量に対して50質量%以下の粘性溶質を添加しても構わない。粘性溶質としては、グリコール、グリコールエーテル等が好適に用いられる。グリコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が、グリコールエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノール、エチレングリコールt−ブチルエーテル、3−メチル3−メトキシブタノール、3−メトキシブタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等がそれぞれ挙げられる。好ましくは、グリセリン、エチレングリコール、及びプロピレングリコールから選択される1種以上である。これらの溶質は、単独で使用しても混合して使用してもよい。
(塗工工程)
本実施形態における塗工工程では、多孔性中空糸支持体の内側に上記の塗工液を流通させて、塗工面を形成する。
多孔性中空糸支持体の内側へ塗工液を流通させるには、例えば以下の方法で行われる。先ず、多孔性中空糸支持体の内側へ、塗工液を注入して排出する。このときの塗工液の線速は、30m/min以下が好ましい。循環速度が速すぎると、圧損によりガス分離活性物質含浸層が厚くなり過ぎる場合があり、透過性が低下する等の問題を生じる場合がある。
多孔性中空糸支持体の内側へ流通させる際の塗工液の温度は、0℃以上100℃以下とすることが好ましく、20℃以上80℃以下とすることがより好ましい。接触温度が0℃未満であると、塗工液が多孔質膜上に均一に塗工されない等の問題を生じる場合があり;逆に、接触温度が100℃を超えると、接触中に塗工液の溶媒(例えば水)が過度に揮発する等の問題を生じる場合がある。
多孔性中空糸支持体の内側へ注入した後、一旦排出された塗工液を、再び多孔性中空糸支持体の内側へ注入して、循環流通させることも、本実施形態における好ましい態様である。
上記塗工工程を行いながら、若しくは塗工工程の後に、又はこれらの双方において、多孔性中空糸支持体の内側と外側とに圧力差を設ける工程を含んでもよい。多孔性中空糸支持体の内側を高圧にし、外側を低圧にすることにより、塗工液が、多孔性中空糸支持体の内側表面から多孔質膜内部に適度に浸み込み、ガス分離活性物質含浸層を容易に形成することができる。この場合の圧力差のかけ方としては、例えば、多孔性中空糸支持体内側を加圧してもよいし、多孔性中空糸支持体外側を減圧させてもよいし、それらを同時に行ってもよい。
多孔性中空糸支持体の内側と外側との圧力差は、1kPa以上150kPa以下であることが好ましく、20kPa以上120kPa以下であることがより好ましい。この圧力差が1kPa未満であると、ガス分離活性物質含浸層が形成され難くなり、分離活性層が剥離し易くなる等の問題を生じる可能性があり;逆に圧力差が150kPaを超えると、ガス分離活性物質含浸層が厚くなりすぎ、透過性が低下する等の問題を生じる場合がある。
[ガス分離活性層形成工程]
そして、ガス分離活性層形成工程において、塗工面を乾燥してガス分離活性層を形成することにより、本実施形態のガス分離膜を製造することができる。
塗工工程の後に塗工面を乾燥する方法としては、例えば、塗工工程後の多孔性中空糸支持体を、所定温度の環境下に所定時間静置する方法;塗工工程後の多孔性中空糸支持体の内側に送風する方法;塗工工程後の多孔性中空糸支持体を減圧下に置き、減圧乾燥させる方法等がある。以下、塗工工程後の多孔性中空糸支持体の内側に送風することで乾燥させる方法について説明する。
塗工工程後の多孔性中空糸支持体の内側に、好ましくは40℃以上160℃以下、より好ましくは60℃以上90℃以下のガスを、好ましくは10分以上3時間以下送風する。送風するガスは、例えば、空気、窒素等である。
乾燥温度が過度に低い場合(40℃未満)若しくは乾燥時間が過度に短い(10分未満)場合、又はこれらの双方である場合には、溶媒を十分に乾燥除去することができない等の問題を生じる場合があり;逆に、乾燥温度が過度に高い(160℃を超える)場合、若しくは乾燥時間が過度に長い(3時間を超える)場合、又はこれらの双方である場合には、分離活性層を構成する高分子ゲルの過度な乾燥による分離性の低下及び製造コストの増加、製造効率の低下等の問題を生じる場合があるためである。
[金属塩を含有する分離活性層を有するガス分離膜の製造方法]
ガス分離活性層が金属塩を含有するガス分離膜は、上記のようにして得られたガス分離膜を、更に、所望の金属塩を含有する金属塩水溶液と更に接触させることにより、製造することができる。その後、任意的に乾燥工程を行ってもよい。
上記金属塩水溶液中の金属塩の濃度は、0.1モル/L以上50モル/L以下が好ましい。金属塩水溶液中の金属塩の濃度が0.1モル/L未満であると、得られるガス分離膜をオレフィンとパラフィンとの分離に使用したときに、実用性の高い分離性能を示さない場合がある。この濃度が50モル/Lを超えると、原料コストの増加につながる等の不都合が生じる。
ガス分離膜の、金属塩水溶液との接触処理は、浸漬法によることが好ましい。浸漬時の水溶液温度は、10℃以上90℃以下とすることが好ましく、20℃以上80℃以下とすることがより好ましい。この浸漬温度が10℃未満であると、ガス分離活性層への金属塩の含浸が十分に起こらない等の問題を生じる場合があり;逆に、浸漬温度が80℃を超えると、浸漬中に金属塩水溶液の溶媒(水)が過度に揮発する等の問題を生じる場合がある。
浸漬時間は、1時間以上72時間以下とすることが好ましく、6時間以上60時間以下とすることがより好ましく、12時間以上48時間以下とすることが更に好ましい。
以上の製造条件により、本実施形態のガス分離膜を製造することができる。
以下に、本発明について、実施例等を用いて更に具体的に説明する。しかしながら本発明は、これらの実施例等に何ら限定されるものではない。
<実施例1>
(1)ガス分離膜モジュールの製造
本実施例においては、外径2,200μm、内径1,200μm、内側表面の平均孔径が0.2μm、及び長さが20cmのポリフッ化ビニリデン(PVDF)から成る多孔性中空糸支持体を用いた。
この多孔性中空糸支持体を200本束ねて筒状容器内に収納し、パッケージ化した。
ガス分離活性物質としてキトサン0.5質量%、界面活性剤としてNovec Fc―4430(商品名、3M社製、フッ素系界面活性剤)0.01質量%、及びpH調整剤としての酢酸0.5質量%を含む、粘度3.2cPの塗工液(液温25℃)を調製した。
上記多孔性中空糸支持体のパッケージに、上記の塗工液を、多孔性中空糸支持体の内側を通るように注入し、循環させた。塗工液の循環を継続しながら、多孔性中空糸支持体の外側を、常圧−50kPaの圧力で10分間減圧した。多孔性中空糸支持体の内側から塗工液を抜いた後、多孔性中空糸支持体内側に60℃の空気を3時間送り込んで乾燥させることにより、多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性物質層を有するガス分離膜のモジュールを製造した。
(2)CO及びNの透過速度の評価
上記で得られたガス分離膜モジュールを用いて、CO及びNそれぞれの透過速度を測定した。
測定は、CO及びNそれぞれの純ガスを単独で用い、供給側ガス線速を600cm/min、透過側ガス線速を50cm/minとして、加湿雰囲気下等圧式により、測定温度30℃において行い、ガスの供給開始から1日後(24時間後)及び7日後(168時間後)の透過速度(GPU)を測定した。
また、COの透過速度とNの透過速度との比として定義されるCO/N分離係数を計算により求めた。
これらの結果を表1に示す。
<実施例2〜7>
上記実施例1において、多孔性中空糸支持体の種類、塗工液に含有されるガス分離活性物質の種類、及び塗工液の粘度を、それぞれ、表1に記載のとおりとした以外は、実施例1と同様の方法により、ガス分離膜モジュールを製造し、CO及びNの透過速度を測定した。その結果を表1に示す。
実施例7の7日後の透過係数が「nd」とは、多孔性中空糸支持体の破断(糸切れ)により、測定ができなかったことを示す。
<比較例1>
(1)ガス分離膜モジュールの製造
多孔性中空糸支持体及び塗工液は、実施例1と同様のものを用いた。
多孔性中空糸支持体を、粘性水溶液としてのグリセリン30質量%水溶液(液温25℃)に4時間浸漬させた。次に塗工を、ディップコートにより行った。具体的には、1cm/secの速度で上記多孔性中空糸支持体を塗工液に浸漬させ、中空糸の全部が上記水溶液中に没した後、5秒間静置した。その後、1cm/secの速度で引上げ、140℃において7.5分乾燥して、多孔性中空糸支持体の外側表面にガス分離活性物質層を有するガス分離膜を得た。
このガス分離膜を200本束ねて筒状容器内に収納することにより、ガス分離膜のモジュールを製造した。
(2)CO及びNの透過速度の評価
得られたガス分離膜モジュールについて、実施例1と同様の方法により測定したCO及びNの透過速度、並びにCO/N分離係数を、表1に示す。
比較例1の7日後の透過係数が「nd」とは、多孔性中空糸支持体の破断(糸切れ)により、測定ができなかったことを示す。
Figure 0006960825
<実施例8〜12>
(1)ガス分離膜モジュールの製造
実施例1〜5とそれぞれ同様の方法により製造したガス分離膜モジュール中の、中空糸状のガス分離膜の内側に、0.8M水酸化ナトリウム溶液(溶媒=エタノール:水(体積比80:20))を充填して1日間静置した後、蒸留水で5回洗浄した。その後、中空糸状のガス分離膜の内側に7M硝酸銀水溶液を充填して24時間静置することにより、多孔性中空糸支持体の内側表面に銀塩を含有するガス分離活性層を有するガス分離膜のモジュールを得た。
(2)プロパン及びプロピレンの透過速度の評価
上記で得られたガス分離膜モジュールを用いて、プロパン及びプロピレンの透過速度を測定した。
測定は、プロパン及びプロピレンから成る混合ガス(プロパン:プロピレン=60:40(質量比))を用い、供給側ガス流量を600cm/min、透過側ガス流量を50cm/minとして、加湿雰囲気下等圧式により、測定温度30℃において行い、ガスの供給開始から1日後(24時間後)及び7日後(168時間後)の透過速度(GPU:Gas Permeation Unit、1GPU=1×10−6cm(STP)/(cm・sec・cmHg))を測定した。
また、プロピレン透過速度とプロパンの透過速度との比として定義されるプロピレン/プロパン分離係数を計算により求めた。
これらの結果を表2に示す。
<比較例2>
(1)ガス分離膜モジュールの製造
多孔性中空糸支持体を粘性水溶液及び塗工液に順次に浸漬させた後の乾燥温度及び時間を60℃、3時間とした他は、比較例1と同様にしてガス分離膜モジュールを製造した。
このガス分離膜モジュールの、中空糸状のガス分離膜の外側に、0.8M水酸化ナトリウム溶液(溶媒=エタノール:水(体積比80:20))を充填して1日間静置した後、蒸留水で5回洗浄した。その後、中空糸状のガス分離膜の外側に7M硝酸銀水溶液を充填して24時間静置することにより、多孔性中空糸支持体の外側表面に銀塩を含有するガス分離活性層を有するガス分離膜のモジュールを得た。
(2)プロパン及びプロピレンの透過速度の評価
上記で得られたガス分離膜モジュールを用いて、実施例8〜12と同様にしてプロパン及びプロピレンの透過速度を測定し、プロピレン/プロパン分離係数を求めた。
結果を表2に示す。
7日後の透過係数が「nd」とは、多孔性中空糸支持体の破断(糸切れ)により、測定ができなかったことを示す。
Figure 0006960825
<実施例13〜17>
これらの実施例では、上記実施例8で使用したガス分離膜モジュールにおいて、硝酸銀水溶液と接触させる前のガス分離活性層の乾燥温度及び時間を変更して、モジュールを製造し、プロパン及びプロピレンの透過速度を測定した。
具体的には、以下のように操作した。
(1)ガス分離膜モジュールの製造
実施例1と同様にして得た多孔性中空糸支持体のパッケージに、実施例1と同じ塗工液を、多孔性中空糸支持体の内側を通るように注入し、循環させながら、多孔性中空糸支持体の外側を、常圧−50kPaの圧力で10分間減圧した。多孔性中空糸支持体の内側から塗工液を抜いた後、多孔性中空糸支持体内側に、表3に記載の温度の空気を表3に記載の時間にて送り込んで乾燥させて、多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性物質層を有するガス分離膜のモジュールを得た。
このガス分離膜モジュールを用い、実施例8と同様に、中空糸状のガス分離膜の内側に、水酸化ナトリウム溶液を充填し、静置及び洗浄した後、硝酸銀水溶液を充填及び静置することにより、多孔性中空糸支持体の内側表面に、銀塩を含有するガス分離活性層を有するガス分離膜のモジュールを得た。
(2)プロパン及びプロピレンの透過速度の評価
上記で得られたガス分離膜モジュールを用いて、実施例8と同様にして、ガスの供給開始から1日後(24時間後)のプロパン及びプロピレンの透過速度を測定し、プロピレン/プロパン分離係数を求めた。
これらの結果を表3に示す。表3には、比較のために実施例8の1日後の結果を再録した。
<比較例3〜6>
(1)ガス分離膜モジュールの製造
比較例2において、多孔性中空糸支持体を粘性水溶液及び塗工液に順次に浸漬させた後の乾燥温度及び時間を、それぞれ、表3の記載のとおりとした他は、比較例2と同様にして、多孔性中空糸支持体の外側表面に銀塩を含有するガス分離活性物質層を有するガス分離膜のモジュールを製造した。
(2)プロパン及びプロピレンの透過速度の評価
上記で得られたガス分離膜モジュールを用いて、実施例13と同様にして、プロパン及びプロピレンの透過速度を測定し、プロピレン/プロパン分離係数を求めた。
これらの結果を表3に示す。
Figure 0006960825
<分析例1>
実施例1及び実施例3で得られたガス分離膜モジュールを分解してガス分離膜を取り出し、それぞれ、SEM−EDX(走査型電子顕微鏡−エネルギー分散型X線分光法)により、多孔性中空糸支持体の内側表面に対するガス分離活性層の被覆率(面積割合)を調べた。また、このとき得られたSEM像から、多孔性中空糸支持体の内側表面の表面開孔率を調べた。
その結果を表4に示す。
Figure 0006960825
<分析例2>
実施例1、実施例5、及び実施例6で得られたガス分離膜モジュールを分解してガス分離膜を取り出し、それぞれ、アルゴンガスクラスターイオン銃搭載X線光電子分光装置(GCIB―XPS)により、相対元素濃度を外側表面から深さ方向に調べた。この相対元素濃度より導出したガス分離活性物質含浸層の厚さ、及びガス分離活性物質含浸層の厚さの多孔性中空糸支持体に対する比を、それぞれ表5に示す。
Figure 0006960825
<分析例3>
実施例1で得られたガス分離膜モジュールを分解してガス分離膜を取り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)により、ガス分離膜の内側表面の観察を行った。
得られたSEM画像を図2に示す。
図2を参照すると、ガス分離膜の内側表面の全てがガス分離活性層で覆われているわけではなく、ガス分離活性層で覆われていない多孔性中空糸支持体の微細孔開口面が露出された領域を有することが確認できる。
以上の実施例から、多孔性中空糸支持体の内側にガス分離活性物質を含む分離活性層を有し、かつ多孔性中空糸支持体の内側表面にガス分離活性物質が含浸したガス分離活性物質含浸層を有する、本発明のガス分離膜は、高いガス透過性と高度のガス分離性を示すことが確認された。
更に、ガス分離膜を製造する際の乾燥工程において高温で乾燥させても、ガス透過性及びガス分離能が低下せず、更に高度の擦過耐久性を示すことが分かった。なお、高温での乾燥によりガス分離能が低下しなかったのは、本発明のガス分離膜の製造方法によると、ガス分離活性物質が適切な含水率を有していたため、多孔性中空糸支持体の熱収縮率に追随できたことが要因であると推察される。
一方で、比較例の結果から、多孔性中空糸支持体の外側に分離活性層を有するガス分離膜は、高温で乾燥させるとガス分離能が低下し、更にガス線速を早くした場合には、分離活性層同士の擦れが生じるため、擦過耐久性が低いことが分かった。
本発明のガス分離膜は、目的のガスに対する高い透過速度と高い分離性能とを具備し、長期間にわたって高いガス分離性能を維持できるものである。本発明のガス分離膜は、例えば合成ガス、天然ガス等から、オレフィンガス、二酸化炭素等を分離回収するガス分離膜として、広く利用することができる。
10 多孔性中空糸支持体
11 孔
12 ガス分離活性物質含浸層
13 非含浸層
20 ガス分離活性層
100 ガス分離膜

Claims (8)

  1. 多孔性中空糸支持体と、前記多孔性中空糸支持体の内側表面上に配置されたガス分離活性層とを有するガス分離膜であって、
    前記ガス分離活性層は、ガス分離活性物質及び金属塩を含み、
    前記ガス分離活性物質は、キトサン又はナフィオンであり、
    前記金属塩は、Ag 及びCu から成る群より選択される1種以上の金属イオンを含み、
    前記多孔性中空糸支持体は、その内側表面から厚さ方向に前記ガス分離活性物質が含浸したガス分離活性物質含浸層を有しておりそして、
    供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたCO ガスの透過速度をQ とし、
    供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定されたN ガスの透過速度をQ としたときに、
    が1GPU以上100GPU以下であり、かつ、
    がとQ との比Q /Q として定義されるCO /N の分離係数αが20以上100以下である、
    ガス分離膜。
  2. 前記多孔性中空糸支持体の内径が500μm以上1,500μm以下である、
    請求項1に記載のガス分離膜。
  3. 前記ガス分離活性物質含浸層の厚さが0.1μm以上50μm以下であり、かつ、
    前記ガス分離活性物質含浸層の厚さの前記多孔性中空糸支持体の厚さに対する比が1/5以下である、
    請求項1又は2に記載のガス分離膜。
  4. 前記多孔性中空糸支持体の内側表面における平均孔径が0.05μm以上1.0μm以下である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス分離膜。
  5. 前記多孔性中空糸支持体の内側表面の表面開孔率が5%以上50%以下である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス分離膜。
  6. 前記ガス分離活性物質がキトサンである、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス分離膜。
  7. 前記金属塩が、Ag を含み、
    プロパン60質量%及びプロピレン40質量%から成る混合ガスを用い、
    供給側ガス流速を600cm/min、透過側ガス流速を50cm/minとし、加湿雰囲気下等圧式によって30℃において測定された
    プロピレンガスの透過速度が15GPU以上1,500GPU以下であり、
    プロピレン/プロパンの分離係数αが50以上1,000以下である、
    請求項1〜のいずれか1項に記載のガス分離膜。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のガス分離膜の製造方法であって、
    多孔性中空糸支持体の内側に、前記ガス分離活性物質を含む塗工液を流通させて塗工面を形成する塗工工程、
    前記多孔性中空糸支持体の内側と外側とに圧力差を設け、ガス分離活性物質含浸層を形成するガス分離活性物質含浸層形成工程
    前記塗工面を乾燥してガス分離活性層を形成するガス分離活性層形成工程、及び
    前記ガス分離活性層を、前記金属塩を含有する金属塩水溶液と接触させる、接触工程
    を含む、
    ス分離膜の製造方法。
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