JP6959157B2 - 加工装置、及び加工方法 - Google Patents
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Description
研磨材が砥粒である場合、砥粒が供給部内部で詰まってしまうことがある。砥粒が供給部内部で詰まると砥粒の供給量が低下し、加工能力が低下する。
しかし、特許文献1に開示された切削装置では、砥粒の詰まりを検出することができない。
以下、本発明の第一実施形態に係る加工装置について図1〜図5を参照して説明する。
本実施形態の加工装置100は、アブレッシブウォータージェットを用いた切断装置であって、加工対象物OBJを切断するためのものである。
図1に示すように、加工装置100は、高圧水配管10と、砥粒配管20と、噴射部30と、検出部40と、高圧ポンプ50と、ホッパ60と、を備える。加工装置100は、加工対象物OBJに、砥粒ABを含む高圧混合水MHを噴射する。
高圧ポンプ50は、水を加圧して高圧水WHとし、高圧水配管10を介して、噴射部30に高圧水WHを供給する。
したがって、高圧水配管10は、噴射部30に高圧水WHを供給することが可能である。
ホッパ60内部には、砥粒ABが充填されている。他の装置又は操作者によって、ホッパ60の上部の開口から、砥粒ABがホッパ60内部に供給される。
したがって、砥粒配管20は、噴射部30に砥粒ABを供給することが可能である。
図2に示すように、噴射部30は、高圧水導入部31と、砥粒導入部32と、オリフィス34と、チャンバ35(混合部)と、ノズル36と、を備える。
チャンバ35内では、高圧水導入部31から導入される高圧水WHと砥粒導入部32から導入される砥粒ABとが、オリフィス34とチャンバ35の下面との間の空間において、混合されて高圧混合水MHとなる。
導入された高圧水WHは、高圧水導入部31を介してオリフィス34に供給される。
貫通孔34Hは、オリフィス34の基端側から、オリフィス34の先端側に向けて開いている孔である。
一例として、貫通孔34Hは、オリフィス34の基端側から、オリフィス34の先端側に向けて、内径が小さくなっている孔でも良い。
他の例として、貫通孔34Hは、オリフィス34の基端側から、オリフィス34の先端側に向けて、単に一定の孔径で開いている小径の孔でも良い。
いずれにせよ、オリフィス34は、摩耗を抑制するためにダイヤモンド、ルビー等の硬い材質からなる。これにより、オリフィス34は、高圧水導入部31に導入された高圧水を、ノズル36に向けてオリフィス34の先端側から噴射する。
ノズル36は、チャンバ35の下面側の基端から突出している先端に向かって延びている。ノズル36の上端は、チャンバ35の下面の開口に接続されている。ノズル36は、軸線AXを中心とし、上端から下端に向かって貫通するノズル孔36Hを有する。
ノズル36は、ノズル孔36Hが通常、基端から先端に向けて内径が変化せずに一定の径である筒状である。ノズル孔36Hは、ある一定の長さを有することで高圧混合水MHを整流し、拡散しない絞った流れにする機能を有する。これにより、ノズル36は、絞られた高圧混合水MHを、加工対象物OBJに向けて先端から高圧混合水MHを噴射する。
ここで、高圧水WHは、オリフィス34から高圧で噴射されている。このため、高圧混合水MHもそのままノズル36から高圧で噴射される。
図1に戻って、検出部40は、測定部41と判定部42とを備える。
測定部41は、砥粒配管20の内部の圧力PMを測定する。本実施形態では、測定部41は、分岐配管20Bの分岐端に接続されている。このため、測定部41は、測定箇所として、分岐配管20Bの分岐端における分岐配管20B内の圧力PMを測定する。
測定部41は、測定した圧力PMを判定部42に提供する。
判定部42は、取得した圧力PMが大きいことを検出する。具体的には、判定部42は、さらに圧力PMを予め設定された上限閾値PHと比較する。そして、判定部42は、取得した圧力PMが上限閾値PHより大きい場合、その旨を検出する。
下限閾値PL及び上限閾値PHには、所望の加工能力を得られるときの圧力PMの下限値及び上限値がそれぞれ設定される。所望の加工能力を得られるときの圧力PMの下限値及び上限値は、経験、実績、実験等によって予め決められる。
さらに、検出部40は、圧力PMが下限閾値PLより小さいことを検出した場合又は取得した圧力PMが上限閾値PHより大きいことを検出した場合、高圧水配管10の途中であって、高圧水導入部31直前に設けた高圧弁37に指令を出力し、検出後直ちに高圧弁を閉じるように制御してもよい。
加工装置100は、高圧水配管10から高圧水WHと、砥粒配管20から砥粒ABとを、噴射部30にそれぞれ供給する。噴射部30内に導入された高圧水WHと砥粒ABは、チャンバ35内部で混合されて、高圧混合水MHとなる。加工装置100は、混合された高圧混合水MHを、加工対象物OBJに向けてノズル36の先端から噴射する。
このとき、検出部40は、砥粒配管20の内部の圧力PMを測定し、圧力PMが下限閾値PLより小さい場合、その旨を検出する。他方、検出部40は、圧力PMが上限閾値PHより大きい場合、その旨を検出する。
本実施形態では、検出部40は、砥粒配管20の内部の圧力PMを測定している。
その際、ホッパ60は、押し出した砥粒ABを、砥粒配管20を介して噴射部30に供給している。このため、少なくとも砥粒配管20の上流端では、砥粒配管20内部の圧力は、大気圧より大きくなる。
他方、高圧水導入部31から導入される高圧水WHは、オリフィス34から噴射される。このため、ベンチュリー効果により、オリフィス34直下で負圧が形成され、砥粒導入部32から導入される砥粒ABが吸い込まれる。このため、少なくとも砥粒配管20の下流端では、砥粒配管20内部の圧力は、少なくとも大気圧より小さくなる。
このため、検出部40によって、測定された圧力が下限閾値PLより小さいことを検出すれば、分岐配管20Bより上流(ホッパ60含む)において砥粒ABが詰まっていることを検出することができる。
このため、検出部40によって、測定された圧力が上限閾値PHより大きいことを検出すれば、分岐配管20Bより下流(ノズル36含む)において砥粒ABが詰まっていることを検出することができる。
したがって、加工装置100は、砥粒ABの詰まりを検出することができる。
この砥粒ABの搬送には、本実施形態の加工装置100のように、ウォータージェットのベンチュリー効果を利用したアスピレーターによる真空搬送がしばしば用いられる。アスピレーターによる真空搬送を用いる理由は、砥粒搬送用に新たな動力を用いる必要が無く、装置の簡素化が図れるからである。
しかし、ノズル36内で砥粒ABが詰まったり、砥粒配管20内で瞬間的に砥粒ABが詰まったりすると、一時的にジェットの圧力が低下する場合がある。このような状態になると、トリムの「切れ味」が悪くなって、切断品質が急激に低下するばかりでなく、ジェットの圧力低下時間が長いと切断不能になってしまうこともある。
砥粒ABは、切断能力や品質を向上させるために、尖った形状をしており、この形状のために流動性が悪く、本質的につまりが生じ易い。
したがって、検出部40は、圧力PMが上限閾値PHより大きいことを検出すれば、閉塞を検出することができる。
位置XHにおいて、主配管20Aが砥粒ABにより閉塞されたとする。この場合、ベンチュリー効果の負圧により、検出部40で検出される圧力は、通常時に比べて小さくなる。すなわち、分岐配管20Bよりも下流側で砥粒ABが詰まる場合とは逆の変化となる。
したがって、検出部40は、圧力PMが上限閾値PHより大きいことを検出するだけではなく、圧力PMが下限閾値PLより小さいことを検出する。
すなわち、検出部40は、圧力PMが、図4に示すように、下限閾値PL以上であって、上限閾値PH以下である範囲(正常範囲)になく、下限閾値PLより小さい範囲、または上限閾値PHより大きい範囲(異常範囲)にあることを検出する。
本実施形態のように、例えば、上限閾値PHを−50kPaに設定し、下限閾値PLを−70kPaに設定すれば、上記変動に対応可能である。
他方、検出部40による圧力の測定箇所(分岐配管20B)よりも下流側で閉塞があると、砥粒配管20の閉塞、及び噴射部30の閉塞の少なくともいずれかが発生していることとなる。砥粒配管20が閉塞されている場合は上記と同様に砥粒ABの流れが停止する。噴射部30が閉塞された場合は加工装置100から噴射されるジェットが停止する。
砥粒ABの流れが停止したり、加工装置100から噴射されるジェットが停止したりすると、上記同様にジェットの切れ味が悪くなり、被切削物の切断面が荒れたり、切断できなくなったりする。
このような事態に陥ると、閉塞を解除してもすぐトリムを再開することはできず、荒れた切断面を何らかの方法で補修する必要が生じる。
これに対し、本実施形態の加工装置100は、砥粒ABの詰まりを検出することができる。さらに、砥粒ABの詰まり箇所が、検出部40による圧力検出箇所である分岐配管20Bより上流か下流かを検出することができる。このため、切断面が荒れたり、切断できなくなったりする前に対応可能であるため、コストや納期の点で非常にインパクトが大きい。
本実施形態では、検出部40は、圧力PMが下限閾値PLより小さい範囲、または上限閾値PHより大きい範囲(異常範囲)にあることを検出する。変形例として、図5に示すように、検出部40は、圧力PMが、下限閾値PLより小さい範囲(異常範囲(I))にあることと、上限閾値PHより大きい範囲(異常範囲(II))にあることとを区別して検出しても良い。
さらに、検出部40は、異常範囲(I)にあれば、検出部40による圧力の測定箇所の上流に異常(閉塞)があることを特定し、異常範囲(II)にあれば、検出部40による圧力の測定箇所の下流に異常(閉塞)があることを特定してもよい。
以下、本発明の第二実施形態に係る加工装置について図6を参照して説明する。
本実施形態の加工装置200は、第一実施形態と基本的に同じであるが、真空ポンプを備える点及び噴射部の構成が異なっている。
加工装置200は、高圧水配管10と、砥粒配管20と、噴射部230と、検出部40と、高圧ポンプ50と、ホッパ60と、を備える。図6に示すように、加工装置200は、真空ポンプ80をさらに備える。
噴射部230は、高圧水導入部31と、砥粒導入部32と、排気部33と、オリフィス34と、チャンバ235(混合部)と、ノズル36と、隔壁管70とを備える。
隔壁管70は、砥粒導入部32から砥粒ABの導入方向に延びる導入直線Li上に開口70Hを有する。
チャンバ235内は、真空ポンプ80によって減圧されている。このため、砥粒導入部32から導入される砥粒ABの多くは、チャンバ235に吸い込まれるように、導入直線Liの方向に加速される。そして、加速された砥粒ABの多くは、慣性運動により、開口70Hに突入し、高圧水WHと混合され、高圧混合水MHとなり、ノズル36から噴射される。
ベンチュリー効果によって形成される負圧は、一般的に細かい変動が多いので、第一実施形態のようなベンチュリー効果を利用して砥粒ABを噴射部内へ搬送すると、砥粒ABの搬送量が不安定となる場合がある。砥粒ABの搬送量が不安定となると、噴射部内への砥粒ABの搬送流速を高く保つことが難しい。
また、高圧ジェットのベンチュリー効果による負圧は小さい。このような場合、別途真空ポンプ80を設けて砥粒ABを減圧空気で搬送した方が、流速を大きくできる。
このため、噴射部230内への砥粒ABの流速を大きく保つことが可能となる。
加えて、高圧ジェットの負圧変動を抑制できる効果も期待できる。
したがって、砥粒ABの詰まりを抑制することができる。
もし、隔壁管70を設けずに、チャンバ235の内部をベンチュリー効果によって形成される圧力より小さい圧力に排気すると、導入直線Li上における砥粒導入部32から開口70Hへの砥粒ABの流れが阻害される。
これに対し、本実施形態では、隔壁管70を設けているため、導入直線Li上における砥粒ABの流れが阻害されにくい。これにより、砥粒導入部32から開口70Hを介して、砥粒ABが第一空間SP1に導入される。
したがって、砥粒ABの詰まりをさらに抑制することができる。
上記各実施形態における加工方法について、図8を参照して説明する。
以下、加工装置100を用いた場合について説明するが、加工装置200を用いた場合であっても同様である。
まず、加工装置100は、砥粒配管20の内部の圧力を測定する(ST10:圧力を測定するステップ)。
比較の結果、加工装置100が、取得した圧力PMが予め設定された下限閾値PLより小さいと判断した場合(ST20:YES)、ST40に進む。
比較の結果、加工装置100が、取得した圧力PMが予め設定された下限閾値PLより小さくないと判断した場合(ST20:NO)、ST30に進む。
比較の結果、加工装置100が、取得した圧力PMが予め設定された上限閾値PHより大きくないと判断した場合(ST30:NO)、ST10に戻り、再び砥粒配管20の内部の圧力を測定する。
比較の結果、加工装置100が、取得した圧力PMが予め設定された上限閾値PHより大きいと判断した場合(ST30:YES)、ST40に進む。
本加工方法の各ステップは、加工装置が実施しているが、変形例として、ST10〜ST50の少なくともいずれかのステップを作業者が実施してもよい。
また、本加工方法のステップST20及びST30において、加工装置は、取得した圧力PMを下限閾値PLと比較すると共に上限閾値PHと比較しているが、変形例として取得した圧力PMを予め設定された下限閾値PLと比較するだけで上限閾値PHと比較しなくても良い。この場合、ST40では、加工装置は、圧力PMが下限閾値より小さいことだけを検出し、圧力PMが上限閾値PHより大きいことを検出しない。
20 砥粒配管
20A 主配管
20B 分岐配管
30 噴射部
31 高圧水導入部
32 砥粒導入部
33 排気部
34 オリフィス
34H 貫通孔
35 チャンバ
36 ノズル
36H ノズル孔
37 高圧弁
40 検出部
41 測定部
42 判定部
50 高圧ポンプ
60 ホッパ
70 隔壁管
70H 開口
80 真空ポンプ
100 加工装置
200 加工装置
230 噴射部
235 チャンバ
AB 砥粒
AX 軸線
Li 導入直線
MH 高圧混合水
OBJ 加工対象物
PH 上限閾値
PL 下限閾値
PM 圧力
SP1 第一空間
SP2 第二空間
WH 高圧水
Claims (5)
- 高圧水を供給可能な高圧水配管と、
砥粒を供給可能な砥粒配管と、
前記高圧水が導入される高圧水導入部と、前記砥粒が導入される砥粒導入部と、前記高圧水と前記砥粒とを混合する混合部と、前記砥粒が混合された前記高圧水を加工対象物に噴射するノズルと、を有する噴射部と、
前記砥粒配管の内部の圧力を測定し、前記圧力が下限閾値より小さいことを検出すると共に、前記圧力が上限閾値より大きいことをさらに検出する検出部と、
を備える加工装置。 - 前記検出部が、前記圧力が前記下限閾値より小さい場合に、前記検出部による圧力の測定箇所の上流に異常があることを特定する請求項1に記載の加工装置。
- 前記混合部の内部に、前記高圧水導入部から前記ノズルに一方向に延びる第一空間と前記第一空間の周囲の第二空間とを隔てると共に、前記砥粒導入部から前記砥粒の導入方向に延びる導入直線上に開口を有する隔壁管と、
前記第一空間を挟んで前記砥粒導入部と対向する位置に設けられ、前記第二空間内を排気する排気部と、
をさらに備える請求項1又は2に記載の加工装置。 - 高圧水を供給可能な高圧水配管と、
砥粒を供給可能な砥粒配管と、
前記高圧水が導入される高圧水導入部と、前記砥粒が導入される砥粒導入部と、前記高圧水と前記砥粒とを混合する混合部と、前記砥粒が混合された前記高圧水を加工対象物に噴射するノズルと、を有する噴射部と、
前記混合部の内部に、前記高圧水導入部から前記ノズルに一方向に延びる第一空間と前記第一空間の周囲の第二空間とを隔てると共に、前記砥粒導入部から前記砥粒の導入方向に延びる導入直線上に開口を有する隔壁管と、
前記第一空間を挟んで前記砥粒導入部と対向する位置に設けられ、前記第二空間内を排気する排気部と、
を備える加工装置。 - 高圧水を供給可能な高圧水配管と、砥粒を供給可能な砥粒配管と、前記高圧水配管及び前記砥粒配管に接続され、前記砥粒を混合して前記高圧水を加工対象物に噴射するノズルと、を有する加工装置の前記砥粒配管の内部の圧力を測定するステップと、
前記圧力が下限閾値より小さいことを検出と共に、前記圧力が上限閾値より大きいことをさらに検出するステップと、
を含む加工方法。
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