JP6950340B2 - 加飾フィルムおよびそれを用いた加飾成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含む樹脂組成物(A)からなる層(I)にポリオレフィン接着性樹脂(C)からなる貼着層(III)が積層されてなり、前記ポリオレフィン接着性樹脂(C)は、少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であって、そのMFR(230℃、2.16kg荷重)が100g/10分以下であり、前記極性官能基が、カルボキシ基又はその金属塩、および酸無水物基からなる群から選ばれ、前記ポリプロピレン系樹脂(A)が下記要件(A‐i)および(A‐ii)を満たすことを特徴とする加飾フィルム。
(A‐i)MFR(A)(230℃、2.16kg荷重)が40g/10分以下であること
(A‐ii)ひずみ硬化度λが1.1以上であること
(2)前記樹脂組成物(A)が、下記要件(A‐i′)および(A‐ii′)を満たすことを特徴とする前記(1)に記載の加飾フィルム。
(A‐i′)MFR(A)(230℃、2.16kg荷重)が20g/10分以下であること
(A‐ii′)ひずみ硬化度λが1.8以上であること
(3)前記樹脂組成物(A)が、下記要件(A‐i″)および(A‐ii″)を満たすことを特徴とする前記(1)に記載の加飾フィルム。
(A‐i″)MFR(A)(230℃、2.16kg荷重)が12g/10分以下であること
(A‐ii″)ひずみ硬化度λが2.3以上であること
(4)前記ポリプロピレン系樹脂(A)が、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(A−1)であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の加飾フィルム。
(5)前記ポリプロピレン系樹脂(A−1)が、架橋法以外の方法により製造されたゲルの少ないポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする前記(4)に記載の加飾フィルム。
(6)前記加飾フィルムは、前記層(I)の、前記貼着層(III)とは反対側の面に、表面加飾層樹脂からなる表面加飾層(II)を有することを特徴とする、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の加飾フィルム。
(7)前記表面加飾層樹脂は、ポリプロピレン系樹脂(B)からなり、該ポリプロピレン系樹脂(B)は、ひずみ硬化度が1以下であることを特徴とする前記(6)に記載の加飾フィルム。
(8)前記(1)〜(7)のいずれかに記載の加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、チャンバー内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、チャンバー内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする加飾成形体の製造方法。
(9)前記樹脂成形体は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびこれらの複合材料より選別される極性樹脂材料からなることを特徴とする前記(8)に記載の加飾成形体の製造方法。
(10)前記樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする前記(8)に記載の加飾成形体の製造方法。
加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含む樹脂組成物(A)からなる層(I)を含むことで、熱成形時にフィルムが破断したり暴れたりすることによる外観不良の発生を抑制することが出来る。これにより、加飾フィルムの熱成形性が改良されるため、熱成形性に優れる熱硬化性樹脂層を含まなくてもよい。樹脂組成物(A)は、ポリプロピレン系樹脂(A)だけで組成すること、およびポリプロピレン系樹脂(A)および他のポリプロピレン系樹脂のブレンドで組成することのいずれも可能である。樹脂組成物(A)が、ポリプロピレン系樹脂(A)だけで組成するとき、ポリプロピレン系樹脂(A)は、後述する要件(A-i)および(A-ii)を満たす。また樹脂組成物(A)が、ポリプロピレン系樹脂(A)および他のポリプロピレン系樹脂のブレンドで組成するとき、樹脂組成物(A)に加え、少なくともポリプロピレン系樹脂(A)が、後述する要件(A-i)および(A-ii)を満たすとよい。ポリプロピレン系樹脂(A)および他のポリプロピレン系樹脂のブレンドは、特に制限されるものではなく、ペレットおよび/またはパウダーの混合、溶融ブレンド、或は溶液ブレンドのいずれでもよく、これらの組合せでもよい。
(A‐ii)ひずみ硬化度λが1.1以上であること
(A‐ii′)ひずみ硬化度λが1.8以上であること
(A‐ii″)ひずみ硬化度λが2.3以上であること
λ=ηe(3.5)/{3×η*(0.01)} 式(1)
上記式(1)において、η*(0.01)は動的周波数掃引実験により測定される、測定温度180℃、角振動数ω=0.01rad/sにおける複素粘性率[単位:Pa・s]であり、複素粘性率η*は、複素弾性率G*[単位:Pa]と角振動数ωから、η*=G*/ωにて計算される。またηe(3.5)は伸長粘度測定により測定される、測定温度180℃、歪速度1.0s−1、ひずみ量3.5における伸長粘度である。
(A‐i)MFR(A)が40g/10分以下であること
(A‐i′)MFR(A)が20g/10分以下であること
(A‐i″)MFR(A)が12g/10分以下であること
分岐指数g’=[η]br/[η]lin
[η]br:長鎖分岐構造を有するポリマー(br)の固有粘度
[η]lin:ポリマー(br)と同じ分子量を有する線状ポリマーの固有粘度
上記定義から明らかな通り、分岐指数g’が1よりも小さな値を取ると、長鎖分岐構造が存在すると判断され、長鎖分岐構造が増えるほど分岐指数g’の値は、小さくなっていく。
[測定方法]
GPC:Alliance GPCV2000(Waters社製)
検出器:接続順に記載
多角度レーザー光散乱検出器(MALLS):DAWN−E(Wyatt Technology社製)
示差屈折計(RI):GPC付属
粘度検出器(Viscometer):GPC付属
移動相溶媒:1,2,4−トリクロロベンゼン(Irganox1076を0.5mg/mLの濃度で添加)
移動相流量:1mL/分
カラム:東ソー社製 GMHHR−H(S) HTを2本連結
試料注入部温度:140℃
カラム温度:140℃
検出器温度:全て140℃
試料濃度:1mg/mL
注入量(サンプルループ容量):0.2175mL
多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)から得られる絶対分子量(Mabs)、二乗平均慣性半径(Rg)、および、Viscometerから得られる極限粘度([η])を求めるにあたっては、MALLS付属のデータ処理ソフトASTRA(version4.73.04)を利用し、以下の文献を参考にして計算を行う。
参考文献:
1.「Developments in Polymer Characterization−4」(J.V. Dawkins ed. Applied Science Publishers, 1983. Chapter1.)
2.Polymer, 45, 6495−6505(2004)
3.Macromolecules, 33, 2424−2436(2000)
4.Macromolecules, 33, 6945−6952(2000)
13C―NMRは、上述のように、短鎖分岐構造と長鎖分岐構造を区別することができる。Macromol.Chem.Phys.2003,vol.204,1738に詳細な説明があるが、その概要は以下の通りである。
なお、本発明における13C−NMRの測定方法については下記の通りである。
試料200mgをo−ジクロロベンゼン/重水素化臭化ベンゼン(C6D5Br)=4/1(体積比)2.4mlおよび化学シフトの基準物質であるヘキサメチルジシロキサンと共に内径10mmφのNMR試料管に入れ溶解し、13C−NMR測定を行った。
13C−NMR測定は10mmφのクライオプローブを装着したブルカー・バイオスピン(株)のAV400M型NMR装置を用いて行った。
試料の温度120℃、プロトン完全デカップリング法で測定を実施した。その他の条件は以下の通りである。
パルス角:90°
パルス間隔:4秒
積算回数:20000回
化学シフトはヘキサメチルジシロキサンのメチル炭素のピークを1.98ppmとして設定し、他の炭素によるピークの化学シフトはこれを基準とした。
44ppm付近のピークを使用して長鎖分岐量を算出することができる。
本発明の加飾フィルムは、樹脂成形体(基体)との貼着面に、ポリオレフィン接着性樹脂(C)からなる貼着層(III)を含むことで、極性を有する樹脂材料からなる基体と強固に接着することが出来る。
本発明における加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含む樹脂組成物(A)からなる層(I)およびポリオレフィン接着性樹脂(C)からなる貼着層(III)を含む。加飾フィルムは、層(I)、貼着層(III)の他に様々な構成を取ることが可能である。すなわち、加飾フィルムは、層(I)および貼着層(III)からなる二層フィルムであっても、層(I)および貼着層(III)と他の層からなる多層フィルムであってもよい。なお、貼着層(III)は、樹脂成形体(基体)に貼着する、加飾フィルムの最表面に配置される。なお、加飾フィルムの最表面には、シボ、エンボス、印刷、サンドプラスト、スクラッチ、等が施されていてもよい。
脂成分等を溶融混練する方法、プロピレン系重合体と添加剤、フィラー等を溶融混練した
ものにその他の樹脂成分をドライブレンドする方法、プロピレン系重合体とその他の樹脂
成分に加え添加剤、フィラー等をキャリアレジンに高濃度で分散させたマスターバッチを
ドライブレンドする方法等によって製造することができる。
本発明の加飾フィルムは、公知の様々な成形方法により製造することが出来る。
例えば、ポリプロピレン系樹脂(A)を含む樹脂組成物(A)からなる層を押出成形する方法、樹脂組成物(A)からなる層(I)と他の層とを共押出成形する方法、あらかじめ押出成形した一方の層の片方の面の上に、他の層を熱及び圧力をかけて貼り合せる熱ラミネーション法、層(I)と他の層とを接着剤を介して貼り合せるドライラミネーション法及びウェットラミネーション法、あらかじめ押出成形した一方の層の片方の面の上に、ポリプロピレン系樹脂を溶融押出しする押出ラミネーション法やサンドラミネーション法などが挙げられる。加飾フィルムを形成するための装置としては、公知の共押出Tダイ成形機や、公知のラミネート成形機を用いることができる。この中で、生産性の観点から、共押出Tダイ成形機が好適に用いられる。
本発明において加飾される成形体(加飾対象)として、好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびこれらの複合材料より選別される極性樹脂材料からなる各種成形体(以下、「基体」と言うことがある。)を用いることが出来る。或いは、加飾される樹脂成形体は、好ましくはポリプロピレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂組成物からなる各種成形体を用いることができる。また、これら樹脂に無機フィラー等の補強剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等の添加剤を添加してもよく、これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。成形方法は、特に制限されるものでなく、例えば射出成形、ブロー成形、プレス成形、押出成形等を挙げることができる。
より具体的に代表的な成形方法を以下に例示する。
チャンバーボックス11,12内の減圧は、空気だまりが発生しない程度であれば良く、チャンバー内の圧力が10KPa以下、好ましくは3KPa、より好ましくは1KPa以下である。
(i)MFR
ISO 1133:1997 Conditions Mに準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定した。単位はg/10分である。
ひずみ硬化度λの求め方は、前述した方法で行った。このとき、剪断粘度の値として用いるη*(0.01)、伸長粘度の値として用いるηe(3.5)は以下の方法で測定を行った。また、このとき測定に用いた試料は、温度180℃、加圧10MPaの条件で1時間プレスすることで厚さ0.7mmおよび2mmの平板に成形したものであり、厚さ0.7mmの試料を伸長粘度測定に、2mmの試料を動的周波数掃引実験に用いた。
Rheometric Scientific社製ARESを用いて、動的周波数掃引実験を行った。測定ジオメトリには直径25mmの平行円板を使用した。装置制御ソフトウェアTA Orchestratorを用い、測定モードDynamic Frecuency Sweep Testにて測定を実施した。試料は上記の方法で作成した厚さ2mmのプレス成形体を用いた。測定温度は180℃とした。角振動数ωは0.01〜100rad/sの間を、対数スケールで等間隔となるように一桁あたり5点測定した。
試料の低剪断速度での粘度を示す指標として、ω=0.01rad/sにおける複素粘性率η*(0.01)[単位:Pa・s]を採用する。なお、複素粘性率η*は、複素弾性率G*[単位:Pa]とωから、η*=G*/ωにて計算される。
Rheometric Scientific社製ARESの測定治具に、ティーエーインスツルメント社製 Extensional Viscosity Fixtureを使用して伸長粘度測定を行った。装置制御ソフトウェアTA Orchestratorを用い、測定モードExtensional Viscosity Testにて測定を実施した。試料は上記の方法で成形した厚さ0.7mmの試験片を用いた。試験片の幅は10mm、長さ18mmとした。歪速度は1.0s−1、測定温度は180℃である。その他の測定パラメータは以下のように設定した。
Sampling Mode:log
Points Per Zone:200
Solid Density:0.9
Melt Density:0.8
Prestretch Rate:0.05s−1
Relaxation after Prestretch:30sec
本条件で、少なくとも測定開始からの時間3.7秒までのデータを採取する。ソフトウェアにより、伸長粘度の時間依存性データが得られる。得られた伸長粘度カーブの、時間3.5sec(すなわち歪量3.5)の時点での伸長粘度の値をηe(3.5)[単位:Pa・s]とした。
示差走査熱量計(DSC)を用い、一旦200℃まで温度を上げて10分間保持した後、10℃/分の降温速度で40℃まで温度を降下させ、再び昇温速度10℃/分にて測定した際の、吸熱ピークトップの温度を融点とした。単位は℃である。
前述した方法に従って、光散乱計と粘度計を検出器に備えたGPCを使用した測定を行い、前述した解析方法に基づき、分岐指数g’を求めた。
前述した方法に従って、13C−NMRを使用した測定を行い、長鎖分岐構造の有無を測定した。
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)
以下のポリプロピレン系樹脂を用いた。
(A−1−1):マクロマー共重合法により製造された長鎖分岐を有するプロピレン単独重合体、日本ポリプロ(株)製、商品名「WAYMAX(登録商標)MFX8」、MFR=1.0g/10分、ひずみ硬化度λ=9.7、Tm=154℃、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=0.89、13C−NMRの測定により長鎖分岐構造を有することを確認。
(A−1−2):マクロマー共重合法により製造された長鎖分岐を有するプロピレン単独重合体、日本ポリプロ(株)製、商品名「WAYMAX(登録商標)MFX3」、MFR=8.8g/10分、ひずみ硬化度λ=7.8、Tm=154℃、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=0.85、13C−NMRの測定により長鎖分岐構造を有することを確認。
(A−1−3):架橋法により製造された長鎖分岐を有するプロピレン単独重合体、ボレアリス社製、商品名「Daproy(登録商標)WB140」、MFR=2.2g/10分、ひずみ硬化度λ=10.6、Tm=158℃、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=0.58、13C−NMRの測定により長鎖分岐構造を有することを確認。
(A−1−4):ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)96重量%に黒色顔料MB(ポリコール興業(株)社製 EPP−K−120601)を4重量%ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=1.0g/10分、ひずみ硬化度λ=9.3)
(A−2−1):長鎖分岐を有しないプロピレン単独重合体(MFR=10g/10分、Tm=161℃、ひずみ硬化度λ=1.0)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FA3KM」、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=1.0、13C−NMRの測定により長鎖分岐構造を有しないことを確認。
(A−2−2):長鎖分岐を有しないプロピレン単独重合体(MFR=2.4g/10分、Tm=161℃、ひずみ硬化度λ=0.9)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ノバテック(登録商標)FY6」、絶対分子量Mabsが100万における分岐指数g’=1.0、13C−NMRの測定により長鎖分岐構造を有しないことを確認。
(2)ポリプロピレン系樹脂(B)
(B−1):ポリプロピレン系樹脂(A−2−1)100重量部に、造核剤(ミリケン・ジャパン(株)社製、商標名「Millad NX8000J」)を0.4重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=10g/10分、Tm=164℃)
(B−2):メタロセン系触媒によるプロピレン−α−オレフィン共重合体(MFR=7g/10分、Tm=125℃)、日本ポリプロ(株)製、商品名「ウィンテック(登録商標)WFX4M」
(B−3):ポリプロピレン系樹脂(B−2)100重量部に、造核剤(ミリケン・ジャパン(株)社製、商標名「Millad NX8000J」)を0.4重量部ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=7g/10分、Tm=127℃)
(B−4):ポリプロピレン系樹脂(A−2−1)96重量%にMFR=11g/10分の白色顔料MB(ポリコール興業(株)社製 EPP−W−59578、酸化チタン含有量80重量%)を4重量%ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=10g/10分、Tm=161℃)
(B−5):ポリプロピレン系樹脂(A−2−1)96重量%に銀色顔料MB(トーヨーカラー(株)社製 PPCM913Y−42 SILVER21X)を4重量%ブレンドしたポリプロピレン系樹脂組成物(MFR=10g/10分、Tm=161℃)
(3)ポリオレフィン接着性樹脂(C)
(C−1):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=7.0g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F534A」
(C−2):無水マレイン酸変性ポリオレフィン(MFR=1.6g/10分)、三菱化学(株)製、商品名「モディックAP(登録商標)F532」
(3)樹脂成形体(基体)に用いた極性樹脂(X)
以下の極性樹脂(X−1)〜(X−3)を用いた。
(X−1):PMMA樹脂、三菱レイヨン(株)製、「アクリペット MD」
(X−2):ABS樹脂、テクノポリマー(株)製、「ABS130」
(X−3):PC樹脂、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、「ノバレックス 7022A」
極性樹脂(X−1)〜(X−3)を、箱型オーブンを用いて、80℃、2時間乾燥を行った。乾燥後の樹脂を、以下の方法で射出成型を行い、射出成形体を得た。
3−1.PMMA樹脂成形条件:
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:230℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
3−2.ABS樹脂成形条件:
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:210℃
金型温度:40℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
3−3.PC樹脂成形条件:
射出成形機:東芝機械株式会社製「IS100GN」、型締め圧100トン
シリンダー温度:290℃
金型温度:80℃
射出金型:幅×高さ×厚さ=120mm×120mm×3mmの平板
状態調整:温度23℃、湿度50%RHの恒温恒湿室にて5日間保持
・加飾フィルムの製造
口径40mm(直径)の押出機−1及び口径30mm(直径)の貼着層用押出機−2が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの2種2層Tダイを用いた。押出機−1にポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を、貼着層用押出機−2にポリオレフィン接着性樹脂(C−1)を、それぞれ投入し、樹脂温度240℃、押出機−1の吐出量を12kg/h、貼着層用押出機−2の吐出量を8kg/h、の条件で溶融押出を行った。溶融押出されたフィルムを、80℃の3m/minで回転する冷却ロールにて貼着層が接するように冷却固化させ、厚さ100μmの貼着層と、厚さ150μmの層が積層された2層の未延伸フィルムを得た。
樹脂成形体(基体)5として、上記により得られた極性樹脂(X−1)からなる射出成形体を用いた。三次元加飾熱成形装置として、布施真空株式会社製「NGF−0406−SW」を用いた。加飾フィルム1を、貼着層が基体に対向するとともに長手方向がフィルムのMD方向となるように、幅250mm×長さ350mmで切り出し、開口部のサイズが210mm×300mmのフィルム固定用治具13に、貼着層を下方となるようにセットした。樹脂成形体(基体)5は、フィルム固定用治具13よりも下方に位置するテーブル14上に設置された、高さ20mmのサンプル設置台の上に、ニチバン株式会社製「ナイスタック NW−K15」を介して貼り付けた。フィルム固定治具13とテーブル14をチャンバー11,12内に設置し、チャンバーを閉じてチャンバーボックス11,12内を密閉状態とした。チャンバーボックスは、加飾フィルム1を介して上下に分割されている。上下ボックスを真空吸引し、大気圧(101.3kPa)から1.0kPaまで減圧した状態で、上チャンバーボックス11上に設置された遠赤外線ヒータ15を出力80%で始動させて加飾フィルム1を加熱した。加熱中も真空吸引を継続し、最終的に0.1kPaまで減圧した。加飾フィルム1が加熱され一時的にたるみ、その後、張り戻るスプリングバック現象が終了してから40秒後に、下チャンバーボックス12内に設置されたテーブル14を上方に移動させて、樹脂成形体(基体)5を加飾フィルム1に押し付け、直後に上チャンバーボックス11内の圧力が270kPaとなるように圧縮空気を送り込んで樹脂成形体(基体)5と加飾フィルム1を密着させた。このようにして、樹脂成形体(基体)5の上面及び側面に加飾フィルム1が貼着された加飾成形体6を得た。
(1)加飾成形体の外観の評価
三次元加飾熱成形時の加飾フィルムのドローダウン状態、ならびに基体に加飾フィルムを貼着した加飾成形体の加飾フィルムの貼着状態を目視にて観察し、以下に示した基準で評価した。
○:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムがドローダウンせずに基材と加飾フィルムとの接触が接触面全面にて同時に行われたため、接触ムラが発生せず、均一に貼着され加飾成形体はきれいな外観をしている。
△:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムが若干ドローダウンしたため、基体中心から加飾フィルムと接触し、基体上面端部に接触ムラが発生したものの加飾成形体の外観は維持されている。
×:三次元加飾熱成形時に、加飾フィルムが大きくドローダウンしたため、基体全面に接触ムラが発生し、加飾成形体の外観は実用に適さないものであった。
加飾フィルムが貼着された加飾成形体の中央付近の光沢(グロス)を日本電色工業(株)製GLOSS計Gloss Meter VG2000を用いて、入射角60°で測定した。測定方法はJIS K7105−1981に準拠した。測定結果を表1に示す。
株式会社ニトムズ社製「クラフト粘着テープ No.712N」を幅75mm、長さ120mmに切り出し、樹脂成形体(基体)の端部より75mm×120mmの範囲で樹脂成形体(基体)に貼り付けてマスキング処理を施した(基体表面露出部は幅45mm、長さ120mm)。樹脂成形体(基体)のマスキング面が加飾フィルムと接触するように三次元加飾熱成形装置NGF−0406−SWに設置し、三次元加飾熱成形を行った。
加飾成形体の加飾フィルム表面に、株式会社ディー・アップ製、商品名「DNailsネイルポリッシュリムーバーEX」(除光液)を滴下し、23℃で5分間放置した後、液滴を布で吸収して除去し、外観を目視にて観察し、以下に示した基準で評価した。
○:変化なし。
△:わずかに跡が残る。
×:著しく痕が残る。
実施例1の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を、表1に記載したポリプロピレン系樹脂(A−1−1)および(A−2−1)のブレンド(樹脂組成物(A))に変更した以外は、実施例1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表1に示す。
樹脂組成物(A)のMFRが40g/10分以下で、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。
実施例3の加飾成形体の製造において、基材を極性樹脂(X−2)からなる樹脂成形体に変更した以外は、実施例3と同様に成形、評価を行った。評価結果を表1に示す。
樹脂組成物(A)のMFRが40g/10分以下で、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。
実施例3の加飾フィルムの製造において、基材を極性樹脂(X−3)からなる樹脂成形体に変更した以外は、実施例3と同様に成形、評価を行った。評価結果を表1に示す。
樹脂組成物(A)のMFRが40g/10分以下で、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。
実施例3の加飾フィルムの製造において、貼着層に用いたポリオレフィン接着性樹脂(C−1)をポリオレフィン接着性樹脂(C−2)に変更した以外は、実施例3と同様に評価を行った。評価結果を表1に示す。
樹脂組成物(A)のMFRが40g/10分以下で、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−2)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。
実施例1の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−1−2)に変更した以外は、実施例1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−2)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。
実施例9の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1−2)を、表1に記載したポリプロピレン系樹脂(A−1−2)および(A−2−1)のブレンド(樹脂組成物(A))に変更した以外は、実施例9と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−2)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。
実施例1の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−1−3)に変更した以外は、実施例1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−3)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。ただし得られたフィルムにゲルが観測された。
加飾フィルムの製造には、口径40mm(直径)の押出機−1、口径30mm(直径)の貼着層用押出機−2およびが口径30mm(直径)の表面層用押出機−3が接続された、リップ開度0.8mm、ダイス幅400mmの3種3層Tダイを用いた。押出機−1にポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を、貼着層用押出機−2にポリオレフィン接着性樹脂(C−1)を、表面層用押出機−3にポリプロピレン系樹脂(A−2−1)をそれぞれ投入し、樹脂温度240℃、押出機−1の吐出量を12kg/h、貼着層用押出機−2の吐出量を8kg/h、表面層用押出機−3の吐出量を4kg/hの条件で溶融押出を行った。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。また、ポリプロピレン系樹脂(A−2−1)が表面加飾層[層(II)]として、最表面側に積層されたことで、実施例1の加飾成形体に比べ、光沢に優れる結果であった。
実施例15の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を、ポリプロピレン系樹脂(A−1−2)に変更した以外は、実施例15と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−2)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観、接着力および耐薬品性に優れるものであった。また、ポリプロピレン系樹脂(A−2−1)が表面加飾層[層(II)]として、最表面側に積層されたことで、実施例9の加飾成形体に比べ、光沢に優れる結果であった。
実施例1の加飾フィルムの製造において、層(I)を構成するポリプロピレン系樹脂(A−1−1)を長鎖分岐を有しないポリプロピレン系樹脂(A−2−2)に変更した以外は、実施例1と同様に成形、評価を行った。評価結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂(A−2−2)はひずみ硬化度λが1.1未満であるため、熱成形の安定性に劣り、三次元加飾熱成形時に加飾フィルムが大きくドローダウンしたため、基体全面に接触ムラが発生し、加飾成形体の外観が著しく劣る結果であった。
実施例1の加飾フィルムの製造において、貼着層(III)を構成するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)を官能基を有しないポリプロピレン系樹脂(A−2−1)に、変更した以外は、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
ポリプロピレン樹脂組成物(A−2−1)はポリオレフィン接着性樹脂(C)でないため極性を有しておらず、基材と接着することがなく、耐薬品性が劣るものであった。
実施例1に記載の樹脂成形体の製造により得られた、極性樹脂(X−1)からなる射出成形体のみを用い、耐薬品性の評価を行った。結果を表3に示す。
耐溶剤性を有する加飾フィルムが貼着されていないため、除光液により表面が溶解され、液滴跡が強く残る結果であった。
比較例3の極性樹脂(X−1)を、極性樹脂(X−2)に変更した以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
耐溶剤性を有する加飾フィルムが貼着されていないため、除光液により表面が溶解され、液滴跡が強く残る結果であった。
比較例3の極性樹脂(X−1)を、極性樹脂(X−3)に変更した以外は、比較例3と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
耐溶剤性を有する加飾フィルムが貼着されていないため、除光液により表面が溶解され、液滴跡が強く残る結果であった。
実施例15の加飾フィルムの製造において、表面層に用いたポリプロピレン系樹脂(A−2−1)をポリプロピレン系樹脂(B−1)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。得られた結果を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。また、造核剤が添加されたポリプロピレン系樹脂(B−1)が表面加飾層[層(II)]として最表面側に積層されたことで、光沢に優れる結果であった。
実施例15の加飾フィルムの製造において、表面層に用いたポリプロピレン系樹脂(A−2−1)をポリプロピレン系樹脂(B−2)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。得られた結果を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。また、ポリプロピレン系樹脂(B−2)が表面加飾層[層(II)]として最表面側に積層されたことで、光沢に優れる結果であった。
実施例15の加飾フィルムの製造において、表面層に用いたポリプロピレン系樹脂(A−2−1)をポリプロピレン系樹脂(B−3)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。得られた結果を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。また、造核剤が添加されたポリプロピレン系樹脂(B−3)が表面加飾層[層(II)]として最表面側に積層されたことで、光沢に優れる結果であった。
実施例15の加飾フィルムの製造において、表面層に用いたポリプロピレン系樹脂(A−2−1)をポリプロピレン系樹脂(B−4)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。得られた結果を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。また、光沢に優れる表面層[層(II)]が白色に着色されているため、外観に優れるものであった。
実施例5の加飾フィルムの製造において、ポリプロピレン系樹脂(A−1−1)をポリプロピレン系樹脂(A−1−4)に変更した以外は、実施例15と同様に評価を行った。得られた結果を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−4)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。また、層(I)が黒色に着色されているため、外観に優れるものであった。また、ポリプロピレン系樹脂(A−2−1)が表面加飾層[層(II)]として最表面側に積層されたことで、光沢に優れる結果であった。
実施例21の加飾フィルムの製造において、表面層に用いたポリプロピレン系樹脂(A−2−1)をポリプロピレン系樹脂(B−5)に変更した以外は、実施例21と同様に評価を行った。得られた結果を表3に示す。
ポリプロピレン系樹脂(A−1−4)のMFRが40g/10分以下、ひずみ硬化度λが1.1以上、かつ無水マレイン酸基を有するポリオレフィン接着性樹脂(C−1)のMFRが100g/10分以下であるため、得られた加飾成形体は外観および接着力に優れるものであった。また、ポリプロピレン系樹脂(B−5)が表面加飾層[層(II)]として最表面側に積層されているため、光沢に優れる結果であった。さらに、層(I)が黒色に、層(II)が銀色に着色されているため、金属調のフィルムとなり、外観に優れるものであった。
2 層(I)
3 貼着層(III)
4 表面加飾層(II)
5 樹脂成形体(加飾対象、基体)
6 加飾成形体
11 上チャンバーボックス
12 下チャンバーボックス
13 治具
14 テーブル
15 ヒータ
Claims (10)
- 樹脂成形体上に熱成形によって貼着するための加飾フィルムであって、該加飾フィルムは、ポリプロピレン系樹脂(A)を含む樹脂組成物(A)からなる層(I)にポリオレフィン接着性樹脂(C)からなる貼着層(III)が積層されてなり、
前記ポリオレフィン接着性樹脂(C)は、少なくとも1種のヘテロ原子を含む極性官能基を有するポリオレフィン樹脂であって、そのMFR(230℃、2.16kg荷重)が100g/10分以下であり、前記極性官能基が、カルボキシ基又はその金属塩、および酸無水物基からなる群から選ばれ、前記樹脂組成物(A)が下記要件(A‐i)および(A‐ii)を満たすことを特徴とする加飾フィルム。
(A‐i)MFR(A)(230℃、2.16kg荷重)が40g/10分以下であること
(A‐ii)ひずみ硬化度λが1.1以上であること - 前記樹脂組成物(A)が、下記要件(A‐i′)および(A‐ii′)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の加飾フィルム。
(A‐i′)MFR(A)(230℃、2.16kg荷重)が20g/10分以下であること
(A‐ii′)ひずみ硬化度λが1.8以上であること - 前記樹脂組成物(A)が、下記要件(A‐i″)および(A‐ii″)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の加飾フィルム。
(A‐i″)MFR(A)(230℃、2.16kg荷重)が12g/10分以下であること
(A‐ii″)ひずみ硬化度λが2.3以上であること - 前記ポリプロピレン系樹脂(A)が、長鎖分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(A−1)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の加飾フィルム。
- 前記ポリプロピレン系樹脂(A−1)が、架橋法以外の方法により製造されたゲルの少ないポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項4に記載の加飾フィルム。
- 前記加飾フィルムは、前記層(I)の、前記貼着層(III)とは反対側の面に、表面加飾層樹脂からなる表面加飾層(II)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の加飾フィルム。
- 前記表面加飾層樹脂は、ポリプロピレン系樹脂(B)からなり、該ポリプロピレン系樹脂(B)は、ひずみ硬化度が1以下であることを特徴とする請求項6に記載の加飾フィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の加飾フィルムを準備するステップ、樹脂成形体を準備するステップ、減圧可能なチャンバーボックス中に、前記樹脂成形体及び前記加飾フィルムをセットするステップ、チャンバー内を減圧するステップ、前記加飾フィルムを加熱軟化させるステップ、前記樹脂成形体に前記加飾フィルムを押し当てるステップ、チャンバー内を大気圧に戻す又は加圧するステップを含むことを特徴とする加飾成形体の製造方法。
- 前記樹脂成形体は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびこれらの複合材料より選別される極性樹脂材料からなることを特徴とする請求項8に記載の加飾成形体の製造方法。
- 前記樹脂成形体は、プロピレン系樹脂組成物からなることを特徴とする請求項8に記載の加飾成形体の製造方法。
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