JP6948170B2 - 限流リアクトル用コアおよび限流リアクトル - Google Patents
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Description
引外し装置は、直流電路に流れる電流が所定の電流値を超えると、接点を開く。接点が開くと電流が遮断される。
この限流リアクトルは、主コイルと短絡コイルが共通のコアに巻かれている。主コイルは、直流電路に挿入されている。短絡コイルは、巻線の巻始めと巻終わりとが短絡されている。主コイルと短絡コイルとは電磁結合している。直流電路に短絡事故が起きたとき、この限流リアクトルは、引外し装置によって接点が開かれる所定の電流値付近まで直流電路の電流を迅速に増加させ、その電流値を超えると電流の増加を抑制する。
変化する磁界中にコアが置かれると、磁束の変化を妨げるようにコア内に渦電流が生じ、熱として消費され損失(鉄損)となる。変圧器、モータ、発電機等の用途では、発熱を防止するためにも渦電流を抑制することが望ましい。そのため、例えば、表面に絶縁被膜を有する強磁性体粉末を圧縮・成形した圧粉磁心がコアの材料として用いられる(例えば、非特許文献1参照)。粒子の表面に形成された絶縁被膜により、粒子間の渦電流を抑制することができる。
しかし、限流リアクトルのコアに短絡コイルを外付けすると、限流リアクトルの形状が制限され、その製造コストが増加する。
また、変圧器、モータ、発電機等の用途で用いられるコアと異なり、限流リアクトルに含まれるコアは、より多くの渦電流を生じさせる方が望ましい。
磁性体で形成された限流リアクトル用コアであって、
前記磁性体よりも電気抵抗率の低い素材で形成された埋込部材であって、第1の主面から当該第1の主面に対向する第2の主面まで貫通する貫通孔を有する複数の埋込部材が埋め込まれており、
前記埋込部材の貫通孔の方向と一致する第1の方向と、前記第1の方向に垂直な第2の方向と、前記第1および第2の方向に垂直な第3の方向の各方向において、複数の前記埋込部材が互いに間隔を空けて埋め込まれている、
ことを特徴とする。
前記磁性体が、鉄系であり、
前記埋込部材が、金、銀、銅、またはアルミニウムで形成されている、
ことを特徴とする。
上述した限流リアクトル用コアと、
前記限流リアクトル用コアに巻かれたコイルと、
を備え、
前記コイルに電流が流れるときに生じる磁界が、前記埋込部材の前記第1の主面および第2の主面と鎖交する、
ことを特徴とする。
限流リアクトル1は、コア10と、コイル20とを有する。
コイル20は、コア10に巻かれている。コイル20の一端と他端は、それぞれ端子T1と端子T2に接続される。コイル20は直流電路に挿入され、例えば端子T1から端子T2に向けて電流iが流れる。
コイル20は、その一部、例えば脚部P1に巻かれる。
図4に示すように、埋込部材30は、例えば環状または矩形状の部材である。埋込部材30は、第1の主面31と、それに対向する第2の主面32とを有し、所定の厚さである。埋込部材30は、第1の主面31から第2の主面32まで貫通する貫通孔33を有する。埋込部材30は、金、銀、銅、またはアルミニウムのような電気抵抗率の小さな素材で形成されている。埋込部材30は、例えば、金、銀、銅、またはアルミニウムのような金属の線でできたリング(輪)であってもよい。
コイル20の電流iが変化する(すなわち、磁束Φmが変化する)と、埋込部材30に渦電流ieが流れる。埋込部材30の電気抵抗はコア10を形成する磁性体よりも小さいため、大きな渦電流ieが流れる。渦電流ieにより、磁束Φmの変化を抑制する向きに磁束Φeが生じる。このため、埋込部材30が無い場合に比べて磁束Φmが飽和しにくくなる。
また、埋込部材30の外形を比較的小さくすることにより、コア10の形状の自由度を高くすることができる。
コア10の製造に用いられる磁性体粉末は、粒子の表面に絶縁被膜が形成されたものであってもよいが、粒子の表面に絶縁被膜が形成されていないものが望ましい。表面に絶縁被膜が形成されていない粒子を用いて製造されたコア10は、粒子間にも渦電流が生じる。
コア10を製造する際には、まず、磁性体の粒子を含む粉末を、その中に複数の埋込部材30を埋め込みながら、金型に投入する(S1)。ここで、粉末に含まれる粒子は、その表面に絶縁被膜が形成されていないものが望ましい。次に、埋込部材30が埋め込まれた粉末をプレス機で圧縮し、成形する(S2)。
コア10が圧縮・成形された後に、埋込部材30が変形したとても、それが閉道をなしている限り問題はない。
また、圧縮・成形中に埋込部材30が変形することを防ぐために、ヨークY1とヨークY2と脚部P1と脚部P2とを別々に角柱として圧縮・成形により製造し、その後に4個の角柱を矩形に接合することとしてもよい。この場合、圧縮・成形の際に角柱の長手方向に沿って力を加えることにより、埋込部材30の第1の主面31と第2の主面32に垂直に力が加わることとなり、埋込部材30の変形を防ぐことができる。
また、多数の短絡コイルが並列に配置されるため、限流リアクトル用コアの周波数特性が向上する。
Claims (3)
- 磁性体で形成された限流リアクトル用コアであって、
前記磁性体よりも電気抵抗率の低い素材で形成された埋込部材であって、第1の主面から当該第1の主面に対向する第2の主面まで貫通する貫通孔を有する複数の埋込部材が埋め込まれており、
前記埋込部材の貫通孔の方向と一致する第1の方向と、前記第1の方向に垂直な第2の方向と、前記第1および第2の方向に垂直な第3の方向の各方向において、複数の前記埋込部材が互いに間隔を空けて埋め込まれている、
ことを特徴とする限流リアクトル用コア。 - 前記磁性体が、鉄系であり、
前記埋込部材が、金、銀、銅、またはアルミニウムで形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の限流リアクトル用コア。 - 請求項1または請求項2に記載の限流リアクトル用コアと、
前記限流リアクトル用コアに巻かれたコイルと、
を備え、
前記コイルに電流が流れるときに生じる磁界が、前記埋込部材の前記第1の主面および第2の主面と鎖交する、
ことを特徴とする限流リアクトル。
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JP2017123900A JP6948170B2 (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | 限流リアクトル用コアおよび限流リアクトル |
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JP2017123900A JP6948170B2 (ja) | 2017-06-26 | 2017-06-26 | 限流リアクトル用コアおよび限流リアクトル |
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