JP6945123B2 - 熱溶融転写型インクリボン - Google Patents

熱溶融転写型インクリボン Download PDF

Info

Publication number
JP6945123B2
JP6945123B2 JP2017233800A JP2017233800A JP6945123B2 JP 6945123 B2 JP6945123 B2 JP 6945123B2 JP 2017233800 A JP2017233800 A JP 2017233800A JP 2017233800 A JP2017233800 A JP 2017233800A JP 6945123 B2 JP6945123 B2 JP 6945123B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
transfer control
control layer
layer
density polyethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017233800A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019093696A (ja
Inventor
堀 芳行
芳行 堀
慎太郎 小島
慎太郎 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dynic Corp
Original Assignee
Dynic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dynic Corp filed Critical Dynic Corp
Priority to JP2017233800A priority Critical patent/JP6945123B2/ja
Publication of JP2019093696A publication Critical patent/JP2019093696A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6945123B2 publication Critical patent/JP6945123B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

本発明は、高温環境下における環境保存性能と印字品質に優れた熱溶融転写型インクリボンに関する。
基材フィルム上に少なくとも顔料等の着色剤と各種ワックスや樹脂などのバインダーを含有するインク層を設けた熱溶融転写型インクリボンは、熱転写プリンタに装填して用いられ、工場や物流倉庫などで各種伝票類や製品タグや物流管理用ラベルなどに文字情報やバーコードを印字する用途等で幅広く利用されている。
熱転写プリンタは、レーザープリンタの様なオフィス用プリンタと比較してプリンタ自体の大きさがコンパクトである為に持ち運びが容易であり、さらに単純な構造で出来ている為に故障しにくいなどの理由から、様々な環境下での利用が想定されている。例えば寒冷地域や冬場の空調の効いていない場所などの気温の低い環境下や、熱帯地域や夏場の空調の効いていない場所などの気温が高い環境下などで実際に使用されることがある。
このような中でも特に気温が高い環境下においては、熱溶融転写型インクリボンを巻きの状態で長時間保管しているだけでも、外気温の熱と巻きの圧力の影響でインク層と耐熱滑性層が接着してしまうブロッキング現象が発生したり、インク層や転写制御層が軟化・変形することによって印字品質が低下したりするなどの環境保存性能の問題が発生することがあった。
また熱転写プリンタに熱溶融転写型インクリボンを装填して連続印字を行うと、印字の際に発生した熱がサーマルヘッドに蓄熱し、その熱が原因で面状剥離と言われる印字品質の問題が発生することがあったが、この面状剥離の現象は気温が高い環境下においてより発生し易い傾向があった。
面状剥離について説明すると、面状剥離は図2に示されるように、本来形成予定であった印字画像部分7aの被印字媒体6の搬送方向の反対側に鱗片状に不均一に形成された印字画像部分7bの事を指し、印字画像部分7aが被印字媒体6に対してしっかり転写して接着しているのに対し、面状剥離した部分7bは被印字媒体6に対して通常は接着していない。この面状剥離が発生すると、文字情報などの印字においては外観上見た目が悪いだけでなくその状態が酷い場合には文字を認識出来なくなり、バーコードなどの印字においてはバーコードの読み取り不良が発生するなどの印字品質上の不具合が発生するだけでなく、面状剥離した部分が取れて飛散する事によって被印字媒体や周囲環境を汚染するなどの問題も発生する。
熱転写プリンタによって行われる通常の印字の仕組みを説明すると、図3に示すように被印字媒体6と熱溶融転写型インクリボン1は熱転写プリンタのサーマルヘッド8とプラテンロール9の間に挟まれて圧着された状態で熱転写プリンタにセットされる。印字の際にはサーマルヘッド8によって印字画像形成する部分の転写制御層4とインク層5が加熱されて軟化・溶融し、それらが被印字媒体6の表層部に対して浸み込んだり濡れたりした後に冷却されてある程度固化したタイミングで熱溶融転写型インクリボン1と被印字媒体6が剥離される事によって被印字媒体6に転写制御層4とインク層5からなる印字画像が転写形成される。
正常な印字の際には、図3のA−B間の転写制御層4とインク層5だけがサーマルヘッド8によって過熱されて軟化・溶融し、最も接着力が弱くなる転写制御層4と基材フィルム2との界面付近で層間剥離が発生して図3のA−B間の転写制御層4とインク層5だけが被印字媒体6に転写され、つまりは図3の7aの部分の本来形成予定であった印字画像部分だけが形成される。
しかしながら面状剥離が発生する印字の際には、サーマルヘッド8が図3のA−B間でしか加熱をしていないにも関わらず、何らかの原因で印字の際にサーマルヘッド8にたくさん蓄積された熱によって、少なくとも図3のB−C間の基材フィルム2に近い側の転写制御層4の一部が軟化・溶融されてしまうがインク層5の最外層までは軟化・溶融されないという状態になり、熱溶融転写型インクリボン1と被印字媒体6を剥離する際にAからBの間の軟化・溶融したインク層5と転写制御層4が固化した本来形成予定の印字画像部分である印字画像7aに引っ張られる形で図3のB−C間の転写制御層4とインク層5の一部が面状剥離部分である印字画像7bとして転写される。この印字画像7bの部分は、印字画像7aの部分に無理やり引っ張られる形で転写されており、図3のB−C間の転写制御層4やインク層5は機械的に無理やり破断されている為にその破断面は図2に示すように非常に不均一に形成されており、またこの部分のインク層5は軟化・溶融されなかった為に被転写媒体6に対して転写はしているもの接着していない。このように面状剥離した印字画像7bは、本来印字形成を意図された部分ではない上に被転写媒体6に対して接着もしていないので、上述したような印字品質の問題や汚染の問題を引き起こす。
前述したような問題を改善する為に、例えば特許文献1には、支持体上に着色材、熱溶融性物質、熱可塑性物質、界面活性剤を含有する色材層を塗設してなる感熱転写記録媒体において、全ての構成素材が40℃以上の融点を有することによって、転写感度の低下がなく、ブロッキング耐性に優れ、高温環境下においても良好な印字品質を示す事が可能であることが記載されている。
また特許文献2には、熱転写記録媒体におけるプライマー層をワックスとそのワックスに非相溶な熱可塑性樹脂とから構成し、さらには熱可塑性樹脂がサーマルヘッドの余熱によって溶融しないような樹脂を使用する事によって、記録画像の面状剥離を防止し、記録画像に高い耐擦過性を付与することが可能であることが記載されている。
しかしながら、特許文献1に示されるような熱溶融転写型インクリボンでは、例えば構成素材の融点を45℃にしたとしても融点より少し低い温度から構成素材は融解し始める事などから実際には気温が40℃の環境下での環境保存においてもブロッキング現象や印字品質の低下などの発生を確実に防止することが出来ない場合があり、そのような熱溶融転写型インクリボンは当然ながら気温50℃の環境下での環境保存においてはほとんどブロッキング現象等を防ぐことが出来なかった。
また特許文献2に示されるような熱溶融転写型インクリボンを用いれば、気温25℃程度の常温環境下においては印字の際のサーマルヘッド蓄熱による印字画像の面状剥離を防止することに効果があったが、気温40℃の高温環境下においてはサーマルヘッドの蓄熱温度がより高くなった事が原因で、プライマー層に用いるワックスの添加量と融点の条件によっては印字画像の面状剥離を効果的に防止することが出来ない事があった。またこのようにプライマー層が互いに非相溶な原料同士から構成され、さらに接着剤となる熱可塑性樹脂の融点又は軟化点が非常に高い場合には、印字の際にプライマー層と基材フィルムの接着力があまり低下せず比較的強いままである為に、面状剥離は発生しにくいものの、本来形成しようとしていた印字画像がカスレたり細線などが転写しにくい等の転写性の不具合などの別の印字品質の問題が発生し易い傾向があった。
特開昭63−3995号公報 特開2003−182254号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高温環境下における環境保存性能に優れ、さらに高温環境下において印字を行った場合に印字画像に面状剥離が発生し難い印字品質に優れた熱溶融転写型インクリボンを提供する事が主たる課題である。
本発明が解決しようとする一つ目の課題は、高温環境下における環境保存性能に優れている熱溶融転写型インクリボンを提供することである。この課題を解決する為に本発明者が検討した結果、インク層に少なくとも着色材とガラス転移点50℃以上110℃以下の熱可塑性樹脂を含有させる事によって、少なくとも気温50℃における環境保存ではインク層自体の軟化・変形がほとんど起こらない事が分かった。次に本発明者が転写制御層について検討した結果、転写制御層に高密度ポリエチレンワックスの微粒子を50質量%以上含有させ、さらにその高密度ポリエチレンワックスの中でも可能な限り高い温度で融解を開始する物だけを選別した結果、高密度ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定法によって測定した融解ピーク温度(JIS K7121(図4のTpm))を110℃以上135℃以下に限定し、さらに融解ピーク温度と補外融解開始温度(JIS K7121(図4のTim))の温度差を10.0℃以内に限定することによって、気温50℃の環境保存試験において転写制御層自体の軟化・変形が全く起こらない事が分かった。本発明者は、上述したようなインク層と転写制御層を組み合わせて用いることによって、少なくとも気温50℃の高温環境下において保存を行っても、ブロッキング現象やインク層と転写制御層の軟化・変形による印字品質の低下がほとんど発生しないような高温環境下における環境保存性能に優れた熱溶融転写型インクリボンを得ることが出来ることを見出した。
本発明が解決しようとする二つ目の課題は、高温環境下において印字を行っても印字画像に面状剥離が発生し難い印字品質に優れた熱溶融転写型インクリボンを提供する事である。この課題を解決する為に本発明者が検討した結果、転写制御層に示差走査熱量測定法によって測定した融解ピーク温度が110℃以上135℃以下で且つ融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃以内である高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を50質量%以上含有させる事によって、気温40℃の高温環境下において連続印字を行った時に図3のB−C間において蓄熱したサーマルヘッドの温度が60℃まで上昇しても、転写制御層に含有させた高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子が全く軟化・溶融しない為に、転写制御層と基材フィルムの界面の接着力が全く低下せず、結果的に面状剥離の発生を防止する事見出した。また本発明者は高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を使用する事によって、サーマルヘッドで正常に加熱融解された部分と加熱融解されなかった部分において転写制御層の状態変化が非常に大きくなった結果、転写制御層の箔切れ性が大きく向上することなどが原因で、面状剥離がより起こり難くなる事を見出した。
以上のように本発明者が全ての課題を解決する為に検討を行った結果、基材フィルムの一方の面に耐熱滑性層を設け、他方の面に転写制御層とインク層を順次積層して設けた熱溶融転写型インクリボンであって、インク層が少なくとも着色材とガラス転移点50℃以上110℃以下の熱可塑性樹脂を含有してなり、転写制御層が示差走査熱量測定法によって測定した融解ピーク温度が110℃以上135℃以下で且つ融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃以内である高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を50質量%以上含有してなる熱溶融転写型インクリボンを発明するに至った。
本発明の熱溶融転写型インクリボンを用いれば、高温環境下において保存を行ってもブロッキング現象や印字品質の低下などの環境保存性能の問題が発生し難く、高温環境下において印字を行っても印字画像に面状剥離などの印字品質の問題も発生し難い。
本発明の熱溶融転写型インクリボンの実施形態の一例を示す模式的断面図。 面状剥離について説明する為の印字画像の模式的平面図。 面状剥離の発生原理について説明する為の熱転写プリンタのサーマルヘッド周辺部の模式的断面図。 示差走査熱量計によって測定したDSC曲線の溶融ピークについての説明図。
本発明の熱溶融転写型インクリボン1は、基本的に図1に示すように基材フィルム2の一方の面に耐熱滑性層3を設け、他方の面に転写制御層4とインク層5を順次積層して設けた構造をしている。
<<熱溶融転写型インクリボンの各構成体>>
次に本発明における熱溶融転写型インクリボンの各構成体についての詳細を下記に示す。
<基材フィルム>
本発明に使用される基材フィルムとしては、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定される事はなく、従来公知の材料を適宜選択して用いる事が出来る。このような耐熱性を有した基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム等が挙げられるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する事が最も好ましい。基材フィルムの厚みは特に限定はされないが、強度・耐熱性・熱伝導性が適切になるように材料に応じて適宜考慮し、2μm以上12μm以下であれば良いが、熱伝導性が良好であるという理由から3μm以上6μm以下がより好ましい。
<耐熱性滑性層>
本発明の熱溶融転写型インクリボンは、印字の際のサーマルヘッドの熱によって、基材フィルムが破断したり、基材フィルムがサーマルヘッドに融着したり、基材フィルムにシワが発生したり、基材フィルムとサーマルヘッド間の滑り性が悪化するスティッキング現象が発生する事を防止する為に、基材フィルムの一方の面に各種シリコン変性樹脂、フッ素系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂などの公知の各種耐熱性樹脂を主原料とし、その他副原料として接着性樹脂や架橋剤や滑剤や各種有機無機フィラーを適宜混合したものなどからなる耐熱滑性層を設ける。
耐熱滑性層の乾燥後の塗布量は特に限定されず、使用状況やプリンタの種類などに応じて0.01g/m以上0.50g/m以下の範囲から適宜選択して決定すれば良いが、コスト面や性能の安定性の理由から0.05g/m以上0.40g/m以下の範囲がより好ましい。耐熱滑性層の乾燥後の塗布量が0.01g/m未満になると期待される耐熱性の効果が得られなくなり、逆に耐熱滑性層の乾燥後の塗布量が0.5g/m以上になると印字の際の感度が悪化したり、箔落ちなどの問題が発生したりする傾向にある。
<転写制御層>
本発明では、基材フィルムとインク層の間に、基材フィルムとインク層の間の剥離力及び印字のキレ等を制御する為の転写制御層を設ける。本発明の転写制御層は通常の転写制御層の役割に加えて、高温環境下における環境保存性能に悪影響を与えず、さらに高温環境下における印字の際に面状剥離の発生を抑制するような性能を満たす転写制御層である必要がある。
本発明者が前述した性能を満足させる為に転写制御層に使用する剥離性を付与する為の熱融解性物質を検討した結果、比較的高融点であり且つ融解ピークの幅が狭く、融解時の基材フィルムとの離型性が非常に良くて、さらに融解時にインク層と混ざり合い難いような熱融解性物質が好ましい事が分かった。この様な熱融解性物質をさらに精査した結果、高密度ポリエチレンワックスを転写制御層に添加する事が最も好ましい事が分かった。
さらに本発明者が転写制御層に使用する高密度ポリエチレンワックスについて検討を続けた結果、高密度ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定法によって測定した融解ピーク温度が110℃以上135℃以下、より好ましくは120℃以上130℃以下であって、且つ融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃以内、さらに好ましくは6.0以内、最も好ましくは4.0℃以内であるような高密度ポリエチレンワックスを選択して転写制御層に使用する事によって、60℃の熱を転写制御層に加えても高密度ポリエチレンワックスが全く融解しない為に、高温環境下において転写制御層自体が軟化・変形する事を防止すると同時に高温環境下における印字の際の面状剥離の発生も防止する効果がある事を見出した。
転写制御層に使用する高密度ポリエチレンワックスの融解ピーク温度が前記範囲下限の110℃を下回るか、もしくは高密度ポリエチレンワックスの融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃を超えると、高密度ポリエチレンワックスが熱を吸収し始めて僅かながら軟化・溶融が始まりだすと考えられる図4のDSC曲線の融解ピークのaにおける温度が60℃より小さくなる事が多くなる傾向があり、その事が原因で高密度ポリエチレンワックスが60℃より低い温度でも部分的に軟化・溶融し始めるようになり、その結果として高温環境下において転写制御層が軟化・変形して環境保存性能が悪化し易くなったり、高温環境下における印字の際に面状剥離が発生し易くなったりするようになる。逆に高密度ポリエチレンワックスの融解ピーク温度が前記範囲上限の135℃を超えると、印字の際の熱量や融点付近での溶融粘度が急激に高くなる事が原因で印字感度や印字の転写性が悪くなる傾向があり、特に低温環境下において印字カスレなどの問題等が発生し易くなる。
さらに本発明の転写制御層に使用するのに適した高密度ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定法によって測定された融解ピークの特徴についてさらに検討を行ったところ、融解ピークがシングルピークでありその融解ピークの幅が狭ければ狭いほど高温環境下における環境保存性能の悪化の防止や高温環境下における面状剥離の防止に効果があり、その融解ピークの幅は、少なくとも補外融解終了温度(JIS K7121(図4のTem))と補外融解開始温度(図4のTim)の温度差が15℃以内である事が好ましく、10℃以内がより好ましく、8℃以内である事が最も好ましい事が分かった。
さらに本発明の転写制御層に使用するのに適した高密度ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定法によって測定された融解ピークの特徴について検討を行ったところ、高密度ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定法によって測定した融解熱量(JIS K7122)が150J/g以上300J/g以下、より好ましくは180J/g以上280J/g以下である事が好ましい事が分かった。高密度ポリエチレンワックスの融解熱量が前記範囲内であれば、僅かな熱量によって転写制御層の融解が発生し難い為に高温環境下における印字の際の面状剥離の防止に効果がある事が分かった。
さらに本発明の転写制御層に使用するのに適した高密度ポリエチレンワックスについて検討した所、高密度ポリエチレンワックスのGPC法よって測定したスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が4000以上50000以下である事が好ましく、さらには10000以上40000以下である事がより好ましい事が分かった。重量平均分子量が前記範囲の高密度ポリエチレンワックスを本発明の転写制御層に用いれば、低分子量成分の影響が少なく、比較的高分子量の直鎖状高密度ポリエチレンワックスを主成分として構成される為に、高密度ポリエチレンワックスの融解ピーク温度が高く、融解ピークの幅が狭く、融解ピークの60℃未満の低温側において吸熱がほとんど見られないので、高温環境下における環境保存性能悪化の防止や高温環境下における面状剥離の防止に効果があり、さらには融解時の溶融粘度が他の低分子量ワックスと比べて比較的高いのでインク層と転写制御層が混ざり難く、針入度も非常に低いので印字画像の耐擦過性が向上する傾向がある。転写制御層に使用する高密度ポリエチレンワックスの重量平均分子量が前記範囲の下限を下回ると、低分子量成分の影響が大きくなる事が原因で、融解ピーク温度が低くなり、融解ピークの幅が広くなり、融解ピークの60℃未満の低温側においても吸熱が発生し易くなる傾向がある為に、高温環境下において環境保存性能が悪化したり高温環境下において面状剥離が発生し易くなったりする傾向があり、さらには溶融粘度が低くなりインク層と転写制御層が混ざり易くなる上に針入度も高くなるので、印字画像の耐擦過性が低下する傾向がある。また逆に転写制御層に使用する高密度ポリエチレンワックスの重量平均分子量が前記範囲の上限を超えていくと、徐々に融点付近での溶融粘度が高くなり次第に流動性を示さなくなっていくために転写制御層に使用しても転写不良の問題が発生しやすくなる傾向がある。
さらに本発明の転写制御層に使用するのに適した高密度ポリエチレンワックスについて検討した所、高密度ポリエチレンワックスの密度が960kg/m以上、より好ましくは970kg/m以上であるものを使用する事が好ましい事が分かった。高密度ポリエチレンワックスの密度が上記範囲の物を転写制御層に使用すれば、示差走査熱量測定法によって測定したDSC曲線の融解ピークの幅が狭く、融解ピークの60℃より低い低温側に吸熱が見られないために高温環境下における環境保存性能悪化の防止や高温環境下における面状剥離の防止に効果があり、さらには針入度が高くなるので印字画像の耐擦過性も向上する。
本発明の転写制御層に使用する高密度ポリエチレンワックスは、微粒子状に加工された状態で用いられる。高密度ポリエチレンワックスを転写制御層中に微粒子状で分散させて添加する事によって、印字の際の熱によって微粒子が融解した部分と微粒子が融解しなかった部分との構造的な差異が大きくなる事が原因で、印字の際のインク層や転写制御層の箔切れ性が非常に良好になった結果、面状剥離現象が起こり難くなるようになった。
転写制御層に添加する高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子の粒子径は特に限定はされないがレーザー回折・散乱法によって測定した粒子の体積基準のメジアン径D50が3.0μm以上13.0μm以下である事が好ましく、さらに好ましくは5.0μm以上11.0μm以下である事がより好ましい。高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子のレーザー回折・散乱法によって測定した体積基準のメジアン径D50が前記範囲内であれば印字の際のインク層や転写制御層の箔切れ性が良好で、面状剥離現象が発生し難い。
上述したような本発明の転写制御層に使用する高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子は、少なくとも転写制御層の50質量%以上添加する事が好ましく、70質量%以上添加する事がより好ましく、80質量%以上添加する事が最も好ましく、最大で100質量%添加しても良い。高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子の添加量が上記範囲内であれば高温環境下における環境保存性能悪化の防止や高温環境下における印字の際の面状剥離の防止などの期待した効果が発現するようになる。
本発明の転写制御層は、熱融解性物質である高密度ポリエチレンワックスだけで構成されても良いが、転写制御層の基材フィルムに対する接着力が弱い為に、熱溶融転写型インクリボンを熱転写プリンタにセットする際などに基材フィルムから転写制御層やインク層が取れてしまう所謂フレーキング現象が発生し易くなったり、印字の際に面状剥離現象も発生し易くなったりする傾向がある。その為に必要に応じて転写制御層に熱可塑性の接着性を有した樹脂を添加する事が好ましい。
本発明の転写制御層に添加する熱可塑性接着樹脂は特に限定はされず各種公知の熱可塑性接着性樹脂を使用する事が可能であるが、好ましくはオレフィン系共重合体樹脂を添加する事が好ましい。この様なオレフィン形共重合体樹脂としては、例えばエチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体樹脂・エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体樹脂・エチレン−プロピル(メタ)アクリレート共重合体・エチレン−ブチル(メタ)アクリレート共重合体・プロピレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体・プロピレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体・プロピレン−プロピル(メタ)アクリレート共重合体・プロピレン−ブチル(メタ)アクリレート共重合体などのα−オレフィン−アルキル(メタ)アクリレート共重合体樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂・プロピレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのα−オレフィン−酢酸ビニル共重合体樹脂や、エチレン−(メタ)アタリルアミド共重合体・プロピレン(メタ)アクリルアミド共重合体などのα−オレフィン−(メタ)アクリルアミド共重合体などの各種オレフィン系共重合体樹脂や、それらの共重合体樹脂を無水マレイン酸などの各種カルボン酸で変性した例えばαオレフィン−アルキル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸3元共重合体・αオレフィン−酢酸ビニル−無水マレイン酸3元共重合体・αオレフィン−(メタ)アクリルアミド−無水マレイン酸3元共重合体などの各種オレフィン系3元共重合体などが挙げられるがこれらに限定されない。前述したオレフィン系共重合体のうち、本発明の転写制御層に添加するのに最も好ましいのはエチレンを主骨格とするエチレン系共重合体樹脂である。
高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子と上記のようなオレフィン系共重合体樹脂の溶剤溶解物等を混合して作成した塗料を基材フィルム上に塗布・乾燥して転写制御層を作成した際に、転写制御層は高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子が島でオレフィン系共重合体樹脂が海の海島構造になるが、印字の際にサーマルヘッドから転写制御層に熱が加えられて転写制御層が融解すると、オレフィン系共重合体樹脂と高密度ポリエチレンワックスが融解時に混ざり合い易い性質である為に熱が加えられた部分は均一な混合物になり、その結果として熱が加えられる前に比べて基材フィルムに対する接着性が大幅に低下する為に転写が非常にスムーズに行われるのと同時に、熱で融解された部分と融解されなかった部分の基材フィルムに対する接着力の差異が大きくなる為に面状剥離も発生し難くなる。よって本発明に用いられる熱可塑性接着樹脂は高密度ポリエチレンワックスと融解時に相溶性のあるような樹脂を選択して使用する事が好ましい。
本発明者が転写制御層に添加する熱可塑性接着樹脂の熱的特性について検討を行ったところ、熱可塑性接着樹脂の融解ピーク温度は少なくとも60℃以上150℃以下である事が好ましく、より好ましくは65℃以上130℃以下である事が好ましい事が分かった。熱可塑性接着樹脂の融解ピーク温度が前記範囲であれば、印字感度が適切で高温環境下における環境保存性能や高温環境下における面状剥離現象に対して悪影響を与えない。
さらに本発明者が転写制御層に添加する熱可塑性接着樹脂の熱的特性について検討を行ったところ、熱可塑性接着樹脂のガラス転移点(Tg)は特に限定はされないが−20℃以下である事が好ましく、より好ましくは−30℃以下である事が好ましい事が分かった。なお本発明におけるガラス転移点とは示差走査熱量測定法によって測定した中間点ガラス転移温度(JIS K7121)の事を意味する。熱可塑性接着樹脂のガラス転移点が前記範囲にあれば、低温環境下においても柔軟性を失わない為にフレーキング現象などが発生せず、低温印字の際にも樹脂の状態が変化しない為に印字品質の変化が発生しない。
上述したようなガラス転移点が0℃以下の熱可塑性接着樹脂はガラス転移点が低い為に、高温環境下において加圧した状態で長時間保存するとその性質上どうしても変形してしまうので通常であればそのまま転写制御層に添加すると高温環境下における環境保存試験において転写制御層が変形してしまい、その結果としてブロッキング現象や印字品質の低下などの問題が発生につながる恐れがある。しかしながら熱可塑性接着樹脂の溶剤溶解物等に前述したような高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を混合して作成した塗料を用いて転写制御層を作成することによって、転写制御層が海島構造になり、さらに島部分の高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を海部分である熱可塑性接着樹脂の塗膜より突起させる事により、高温環境下で圧力を加えられても高密度ポリエチレンワックス粒子が全く軟化・変形しないので、その結果として転写制御層自体の軟化・変形が全く起こらない様にする事が可能となった。
本発明の転写制御層に添加する熱可塑性接着樹脂の添加量は特に限定はされないが、転写制御層の1質量%以上30質量%以下である事が好ましく、より好ましくは5質量%以上20質量%以下である事が好ましい。熱可塑性接着樹脂の添加量が前記範囲であれば、印字の転写性や高温環境下における環境保存性能や高温環境下における面状剥離現象に対して悪影響を与えず且つ基材フィルムと転写制御層間及びインク層と転写制御層間の密着性を向上させることによりフレーキング現象を防止し、面状剥離現象の発生防止にも一定の効果を発揮する。熱可塑性接着樹脂が上記範囲の上限を超えて転写制御層に添加されると、転写制御層と基材フィルム間の接着力が大きくなりすぎて印字の転写性が悪化し、さらには熱可塑性接着樹脂からなる塗膜の厚みが高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子の粒子径よりも大きくなる事が原因で高温環境下における環境保存性能が悪化する傾向があった。
本発明の転写制御層には上述した高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子や熱可塑性接着樹脂の他に、各種公知の有機・無機のフィラーや各種ワックスや各種熱可塑性樹脂や界面活性剤や帯電防止剤等の各種機能添加剤を必要に応じて適宜添加しても構わない。
本発明の転写制御層の乾燥後の塗布量は特に限定されず、0.1g/m以上2.0g/m以下の範囲から適宜選択すればよいが、印字感度や転写性を考慮して0.2g/m以上1.0g/m以下の範囲から選択する事がより好ましい。転写制御層の乾燥後の塗布量が0.1g/m未満だと転写制御層と基材フィルムの界面で剥離が適切に行うことが出来ずに転写不良が発生する傾向があり、逆に転写制御層の乾燥後の塗布量が2.0g/mを超えると、印字の際に感度不足になったり、印字物に転移する転写制御層の成分が多くなることにより印字画像の耐擦過性が低下したりする傾向がある。
<インク層>
本発明では、転写制御層の上に、少なくともカーボンブラックなどの各種公知の有機・無機顔料や染料などの着色剤と熱可塑性樹脂などのバインダー成分からなるインク層を設ける。着色剤の添加量は特に限定はされないが、使用状況に応じてインク層の全質量比率の10質量%以上50質量%以下、より好ましくは20質量%以上30質量%以下の範囲から適宜選択する事が好ましい。添加量が10質量%未満であると、印字物の印字濃度が十分でなく、50質量%を超えると印字の転写性に悪影響する傾向がある。
本発明のインク層に使用されるバインダー成分の主構成体について本発明者が検討した結果、インク層のバインダー成分の主構成体としてガラス転移点が50℃以上110℃以下、より好ましくは60℃以上100℃以下の熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移点が50℃以上110℃以下であれば、少なくとも50℃の高温環境下において軟化・変形しないので環境保存性能に悪影響を与えない。逆にインク層に使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点が50℃未満になると、50℃の高温環境下において軟化・変形し始める傾向がある為に、ブロッキング現象の発生やインク層の軟化・変形による印字品質の大幅な低下が見られる傾向がある。またインク層に使用する熱可塑性樹脂のガラス転移点が110℃を超えると、印字の際にインク層が溶融する為に必要な熱量が高くなるだけでなく、熱可塑性樹脂の溶融粘度が高くなる事が原因で、印字カスレや転写不良などの印字品質の問題が発生し易くなる傾向がある。
本発明のインク層に使用される前記熱可塑性樹脂の軟化点(環球法)は特に限定はされないが60℃以上190℃以下である事が好ましく、さらには70℃以上170℃以下である事がより好ましい。熱可塑性樹脂の軟化点が前記範囲であれば、高温環境下における環境保存性能に優れ、高温環境下における印字の際に面状剥離現象が発生し難く、印字の際に印字カスレや転写不良が発生せず適切な印字が行うことが可能である。通常はガラス転移点が50℃以上の熱可塑性樹脂を選択するとその熱可塑性樹脂の軟化点はほぼ全てが60℃以上となるが、逆に軟化点が60℃以上の熱可塑性樹脂を選択してもその熱可塑性樹脂のガラス転移点は全て50℃以上になるわけではなく50℃未満や場合によっては0℃より低くなる樹脂も多く存在する。つまりは熱可塑性樹脂のガラス転移点が環境保存試験時の環境温度より高ければ、熱可塑性樹脂の軟化点は環境温度よりも高いので軟化せず、ガラス転移点も環境温度より高いので体積変化に伴う変形や性状変化も起こらないので、ブロッキング現象やインク層の軟化・変形による印字品質の低下なども発生しないが、逆に熱可塑性樹脂の軟化点を環境温度より高くしてもガラス転移点が環境温度より低くなった場合には、熱可塑性樹脂の体積変化による変形や性状変化によってブロッキング現象やインク層の軟化・変形による印字品質の低下などが発生したりするようになる。よって本発明においてはインク層の熱可塑性樹脂の熱的特性を限定する為の要素としてガラス転移点を用いる事とした。
本発明のインク層に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、アクリル系樹脂及びそれらの変性物やそれらの共重合体などの数平均分子量(Mn)3000以上の比較的高分子量の熱可塑性樹脂や、クマロン系樹脂、ロジン系樹脂、ケトン系樹脂、スチレン炭化水素系樹脂、テルペン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、石油系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂及びそれらの変性物などの所謂粘着付与樹脂と呼ばれる数平均分子量(Mn)3000未満の比較的低分子量の熱可塑性樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるわけではない。前記熱可塑性樹脂は、単独もしくは複数を混合して使用しても良いが、より好ましくは数平均分子量3000以上の比較的高分子量の熱可塑性樹脂と数平均分子量3000未満の比較的低分子量の熱可塑性樹脂、さらに好ましくは数平均分子量5000以上の比較的高分子量の熱可塑性樹脂と数平均分子量3000未満の比較的低分子量の熱可塑性樹脂を混合して使用することが好ましい。
数平均分子量が3000以上の比較的高分子量の熱可塑性樹脂をインク層の配合に添加すると、インク層の塗膜強度が向上し、印字画像の耐擦過性や耐薬品性を向上させる事が可能であるが、それらの熱可塑性樹脂の数平均分子量が高くなればなるほどインク層の塗膜強度が上がると同時にインク層の溶融粘度も高くなる傾向があるので、印字の際の被印字媒体への接着性やインク層の箔切れ性が悪化する傾向があり、その結果として印字画像の転写性や印字画像の精細性が低下する傾向がある。この様な比較的高分子量の熱可塑性樹脂の数平均分子量の上限は、印字の際の被印字媒体へのインク層の接着性や転写性及び印字画像のキレ性など関係から100000以下である事が好ましく、50000以下である事がより好ましく、30000以下である事が最も好ましい。
数平均分子量が3000未満の熱可塑性樹脂をインク層に添加するとインク層の溶融粘度が低下し、印字の際の被印字媒体への接着性やインク相の箔切れ性が大きく向上する傾向があるので、印字画像の転写性や印字画像の精細性が大きく向上するが、その一方で印字画像の耐擦過性や耐薬品性が大きく低下する傾向がある。この様な比較的低分子量の熱可塑性樹脂の数平均分子量の下限は特に限定はされないが、この様な熱可塑性樹脂の数平均分子量は少なくとも300以上であり、通常は500以上である。
本発明者がさらにインク層に使用する前記熱可塑性樹脂について検討を行った結果、数平均分子量5000以上30000以下の熱可塑性ポリエステル系樹脂と数平均分子量300以上3000未満の熱可塑性樹脂を混合して使用することが最も好ましい事が分かった。数平均分子量が300以上3000未満の範囲の熱可塑性樹脂は特に限定はされないが、より好ましくはケトン系樹脂、スチレン炭化水素系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、などを使用することが好ましい。また数平均分子量5000以上30000以下の熱可塑性ポリエステル系樹脂と数平均分子量300以上3000未満の熱可塑性樹脂の混合比率は特に限定はされないが、数平均分子量5000以上30000以下の熱可塑性ポリエステル系樹脂と数平均分子量300以上3000未満の熱可塑性樹脂の混合比率は質量比で7/3〜3/7の範囲であれば好ましい。インク層に前記熱可塑性樹脂同士の混合物を使用することによって、印字の際のインク層の被印字媒体に対する接着性や転写性が良好で、インク層の箔切れ性が良好になり印字画像の精細性に優れ、さらには印字画像の耐擦過性等の性能に優れた性能バランスの良いインク層が得られる事が分かった。
本発明のインク層に使用する前記熱可塑性樹脂の添加量は特に限定はされないが、インク層の30質量%以上90質量%以下であれば良く、より好ましくは60質量%以上80質量%以下である事が好ましい。熱可塑性樹脂のインク層中の添加量が前記範囲内であれば、印字の際のインク層の被印字媒体に対する接着性や転写性及び印字画像の精細性及び耐擦過性などが適切であり、さらにはインク層の高温環境下における環境保存性能に与える熱可塑性樹脂の影響力が充分にある為に熱可塑性樹脂の性状をほとんどそのままインク層へ反映させる事が可能となる。
本発明のインク層には、副原料として、インク層の箔切れ性や印字感度や耐ブロッキング性を向上させるために、ワックス類をインク層に少量添加しても良い。ワックスの例としては、カルナウバワックス、モンタン酸ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュスワックス、ポリエチレンワックス等が挙げられるが、特にこれに限定されるわけではない。またその他の副原料として各種公知の界面活性剤や無機及び有機フィラーを適宜必要に応じてインク層に少量添加して、着色剤の分散性、インクの箔切れ性、インク層の溶融粘度等の改良及び調整を行っても良い。
本発明のインク層の乾燥後の塗布量は特に限定はされず、0.3g/m以上3.0g/m以下の範囲より要求品質に応じて適宜選択すれば良いが、コスト面や性能安定性の面から0.5g/m以上2.0g/m以下の範囲から適宜選択する事がより好ましい。インク層の乾燥後の塗布量が0.3g/m未満であると充分な印字濃度及び耐擦過性が得られない傾向があり、逆に塗布量が3.0g/mを超えると印字感度と箔切れ性が悪化する傾向がある。
次に実施例を挙げて本発明について具体的に説明する。
<基材フィルム及び耐熱滑性層の形成方法>
グラビア塗装機にて、厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)の片面に下記に示す耐熱滑性層用塗料をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して塗布量0.2g/mの耐熱滑性層を形成した。本発明の以後の実施例及び比較例は全て前記耐熱性基材フィルム及び耐熱滑性層を用いる。
(耐熱滑性層用塗料配合)
原料成分 質量%
・シリコン変性ポリエステルポリウレタン系樹脂の
メチルエチルケトン/トルエン=1/1溶剤溶解液(固形分15%) 25.0
・メチルエチルケトン 60.0
・トルエン 15.0
上記耐熱滑性層用塗料は、容器にメチルエチルケトンとトルエンの混合溶媒とシリコン変性ポリエステルポリウレタン系樹脂をメチルエチルケトンとトルエンの質量比率が1:1の溶媒に溶かした溶解液をそれぞれ上記配合に従って計量投入し、ディゾルバー等で攪拌混合する事によって作成される。上述した耐熱滑性層用塗料の作成方法や耐熱滑性層の塗布方法は一例でありこれに限定されず、各種公知の方法が使用可能である。
<転写制御層の形成方法>
本発明の実施例・比較例の転写制御層に使用する各熱融解性物質の性状の詳細を表1に示す。
Figure 0006945123
前記耐熱滑性層を塗布形成したPETフィルムの反対側の面に下記に示す転写制御層用塗料をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して塗布量0.5g/mの転写制御層を形成した。下記転写制御層用塗料配合中の熱融解性物質として上記表1の各熱融解性物質を用いて本発明の各実施例・比較例に使用される各転写制御層用塗料を作成した。なお転写制御層用塗料配合中の各原料別の配合比率の詳細は下記表3に示す。
(転写制御層用塗料配合)
成分 質量部
・熱融解性物質のトルエン分散液(固形分10%) 85.0
・エチレン酢酸ビニル樹脂「Tg:−30℃、融解ピーク温度:60℃、
VA:33%」のトルエン溶解液(固形分10%) 15.0
転写制御層用塗料の作成方法としては、まず初めに密閉可能で攪拌と加熱が出来る容器の中にトルエンと熱融解性物質を計量投入して容器を密閉した後に攪拌しながら加熱することによって熱融解性物質をトルエンに完全に溶解させた後に、それらを攪拌しながら30℃以下まで徐々に冷却していく事によって熱融解性物質の微粒子がトルエン中に分散された固形分10%の熱融解性物質のトルエン分散液を作成する。次に密閉可能で攪拌と加熱が出来る容器の中にトルエンとエチレン酢酸ビニル樹脂を計量投入した後に、それらを攪拌しながら加熱してエチレン酢酸ビニル樹脂をトルエンに完全に溶解させた後に30℃以下に冷却し、固形分10%のエチレン酢酸ビニル樹脂のトルエン溶解液を作成する。最後に容器に上記配合に従って熱融解性物質のトルエン分散液とエチレン酢酸ビニル樹脂のトルエン溶解液を計量投入し、ディゾルバーで攪拌混合した後に、ビーズミルで分散しながら熱融解性物質の微粒子のレーザー回折・散乱法によって測定した体積基準のメジアン径D50を5.0〜11.0μmの範囲になるように調整することによって転写制御層用塗料が完成する。なお、前述した転写制御層用塗料配合において熱融解性物質を2種類以上塗料配合に使用する場合には、それぞれの熱融解性物質ごとに熱融解性物質のトルエン分散液をそれぞれ別々に作成し、ビーズミルの分散前にそれらを混合して使用すればよい。上述した転写制御層用塗料の作成方法や転写制御層の塗布方法は一例でありこれに限定されず、各種公知の方法が使用可能である。
<インク層の形成方法>
(インク層)
本発明の実施例・比較例のインク層に使用する熱可塑性樹脂の性状の詳細を表2に示す。
Figure 0006945123
前記転写制御層の上に下記に示すインク層用塗料をグラビア塗装機にて塗布し、乾燥して塗布量1.2g/mのインク層を形成した。下記インク層用塗料配合中の熱可塑性樹脂として上記表2の各熱可塑性樹脂を用いて本発明の各実施例・比較例に使用される各インク層用塗料を作成した。なおインク層用塗料配合中の各原料別の配合比率の詳細は下記表3に示す。
(インク層用塗料配合)
成分 質量部
・熱可塑性樹脂 14.0
・カーボンブラック 6.0
・トルエン 40.0
・メチルエチルケトン 40.0
上記インク装用塗料の作成方法としては、密閉可能で攪拌と加熱が出来る容器の中にトルエンとメチルエチルケトンと熱可塑性樹脂を計量投入した後に、それらを攪拌しながら加熱して熱可塑性樹脂を溶剤に完全に溶解させた後に、その溶液を30℃以下に冷却した後にカーボンブラックをさらに計量投入してよく攪拌混合した後に、ビーズミルによって分散してカーボンブラックを発色させる事によって完成する。なお前記インク層用塗料配合において熱可塑性樹脂を2種類以上混合して使用してもよい。上述したインク層用塗料の作成方法やインク層の塗布方法は一例でありこれに限定されず、各種公知の方法が使用可能である。
<印字試験条件>
表3の実施例及び比較例に示す熱溶融転写型インクリボンを用いて下記の条件により各種印字試験を行った。なお気温25℃の室温環境下において下記印字試験条件で、実施例・比較例の熱溶融転写型インクリボンを用いて印字を行ったところ、印字エネルギーが適切で、印字カスレ、細線などの転写不良、印字の面状剥離等の問題はほとんど発生しなかった。
プリンタ: ZEBRA110XiIV (セブラ社製)
印字解像度: 300dpi
印字速度: 2inch/sec
印字濃度: 14/20
被印字媒体: PETラベル
<高温環境下の印字における印字画像の面状剥離の評価>
気温を40℃に設定した恒温槽の中に、印字試験に使用するプリンタ、被印字媒体、印字に使用する熱溶融転写型インクリボンを1時間静置した後に、前述した印字試験の条件で印字を連続して1分間行い、最後の印字画像から10枚前までの印字画像を目視で確認し下記に示す条件で評価した。
A・・・印字画像に面状剥離が全く発生していない。
B・・・印字画像の一部に僅かに面状剥離が発生している。
C・・・印字画像の一部に面状剥離がはっきり発生していた。
D・・・印字画像のほぼ全面に酷い面状剥離が発生していた。
<低温環境下の印字における印字感度の評価>
気温を5℃に設定した恒温槽の中に、印字試験に使用するプリンタ、被印字媒体、印字に使用する熱溶融転写型インクリボンを1時間静置した後に、前述した印字試験の条件で印字をラベルに対して10回行い、その10枚の印字画像を目視で確認し下記に示す条件で評価した。
A・・・印字カスレは全く発生しない。
B・・・印字カスレが一部に僅かながら発生する。
C・・・印字カスレがほぼ全面に明確に発生する。
D・・・印字カスレが酷く印字がほとんど転写していない。
<耐擦過性の評価>
気温25℃の室温環境下において前述した印字試験条件で印字を行った印字画像に、直径1cmのABS製樹脂球を500gの点荷重で当てて、毎秒1往復の速度で30回往復した後の印字画像の状態を目視して下記に示す条件で評価した。
A・・・印字画像の欠けがなく、印字画像の変形もない。
B・・・印字画像の欠けはないが、印字画像に僅かに変形が見られる。
C・・・印字画像の欠けが僅かに見られ、印字画像の変形も明確に見られる。
D・・・印字画像の欠けと変形が共に明確に見られる。
<耐ブロッキング性(環境保存性能)>
耐ブロッキング性の評価には、熱溶融転写型インクリボンの原反を所定のサイズにスリットした物を紙コアに巻付けてロール状に加工したリボンサンプル(巾60mm、長さ300m、インク面内巻)を作成し、そのリボンサンプルを気温50℃湿度80%RHの雰囲気中に96時間保存した後に気温25℃の室温環境下において24時間冷却し、そのリボンサンプルの巻きを解した時のブロッキングの状態を目視して以下に示す条件で評価した。
A・・・ブロッキングが全く見られない。
B・・・リボンサンプルの紙コア付近で僅かにブロッキングが見られる。
C・・・リボンサンプルの巻きの途中から紙コア付近までの間で部分的にブロッキングが見られる。
D・・・リボンサンプルの全面にブロッキングが見られる。
<環境保存試験前後の印字品質の変化(環境保存性能)>
環境保存試験前後の印字品質の変化の評価には、熱溶融転写型インクリボンの原反を所定のサイズにスリットした物を紙コアに巻付けてロール状に加工したリボンサンプル(巾60mm、長さ300m、インク面内巻)を作成し、そのリボンサンプルを気温50℃湿度80%RHの雰囲気中に96時間保存した後に、さらに気温25℃の室温環境下において24時間静置冷却した後に、気温25℃の室温環境下において前述した記印字試験条件で印字を行った際の印字の状態を目視して以下に示す条件で評価した。
A・・・環境保存試験前後において印字品質に全く変化がない。
B・・・環境保存試験後において、印字カスレ、転写不良、面状剥離現象などの印字品質が環境保存試験前と比べて僅かであるが悪化している。
C・・・環境保存試験後において、印字カスレ、転写不良、面状剥離現象などの印字品質が環境保存試験前と比べて明確に悪化している。
D・・・環境保存試験後において、印字カスレ、転写不良、面状剥離現象などの印字品質が環境保存試験前と比べて非常に悪化している。
各種実施例及び比較例の熱溶融転写型インクリボンを作成し、実施例比較例の各塗料配合の詳細と前述した各種評価を行った結果を下記表3に示す。
Figure 0006945123
表3の結果より、実施例1〜実施例7の熱溶融転写型インクリボンのように、インク層が少なくとも着色材とガラス転移点50℃以上110℃以下の熱可塑性樹脂を含有してなり、転写制御層が示差走査熱量測定法によって測定した融解ピーク温度が110℃以上135℃以下で且つ融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃以内である高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を50質量%以上含有してなる熱溶融転写型インクリボンを用いると、高温環境下において環境保存試験を行ってもブロッキング現象の発生や印字品質の低下がほとんど見られず、さらには高温環境下において印字を行っても面状剥離現象がほとんど発生していない。一方で、比較例1〜比較例5の様に融解ピーク温度が110℃以下もしくは融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃を超える様な熱融解性物質を転写制御層に使用した場合には、ややブロッキング現象が発生し易くなる傾向がある事に加えて、特に高温環境下で環境保存試験を行った後に転写制御層が軟化・変形する事が原因で印字カスレや転写不良といった印字品質の低下が顕著に発生し、さらには高温環境下での印字の際に面状剥離現象の発生も明確に見られるようになった。また比較例6のように転写制御層に融解ピーク温度が110℃以上135℃以下で且つ融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃以内である高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を添加しても、その添加量が転写制御層の50質量%未満になると高温環境下における環境保存性能が悪化したり、高温環境下における印字の際に面状剥離が発生したりするようになった。さらに比較例7のようにガラス転移点が50℃未満の熱可塑性樹脂をインク層のバインダー成分の主構成体として使用すると、高温環境下における環境保存性能が急激に悪化した。
本発明の熱溶融転写型インクリボンは、各種伝票類や製品タグや物流管理用ラベルなどに文字情報やバーコードを印字する一般的な用途等に使用出来るだけでなく、特に高温環境下において使用する可能性が高いサーマルプリンタ用の熱溶融転写型インクリボンとして利用が可能である。
1;熱溶融転写型インクリボン
2;基材フィルム
3;耐熱滑性層
4;転写制御層
5;インク層
6;被印字媒体
7a;印字画像(本来形成予定であった印字画像部分)
7b;印字画像(面状剥離した部分)
8;サーマルヘッド
9;プラテンロール
10;融解ピーク(DSC曲線)
Tpm;融解ピーク温度
Tim;補外融解開始温度
Tem;補外融解終了温度

Claims (6)

  1. 基材フィルムの一方の面に耐熱滑性層を設け、他方の面に転写制御層とインク層を順次積層して設けた熱溶融転写型インクリボンであって、インク層が少なくとも着色材とガラス転移点50℃以上110℃以下の熱可塑性樹脂を含有してなり、転写制御層が示差走査熱量測定法によって測定した融解ピーク温度が110℃以上135℃以下で且つ融解ピーク温度と補外融解開始温度の温度差が10.0℃以内である高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子を50質量%以上含有してなる熱溶融転写型インクリボン。
  2. 高密度ポリエチレンワックスのGPC法によって測定したスチレン換算の重量平均分子量が4000以上50000以下である請求項1に記載の熱溶融転写型インクリボン。
  3. 高密度ポリエチレンワックスからなる微粒子のレーザー回折・散乱法によって測定した体積基準のメジアン径D50が3.0μm以上13.0μm以下である請求項1又は請求項2に記載の熱溶融転写型インクリボン。
  4. 熱可塑性樹脂が数平均分子量5000以上30000以下の熱可塑性ポリエステル系樹脂と数平均分子量300以上3000未満の熱可塑性樹脂の混合物である請求項1〜3のいずれかに記載の熱溶融転写型インクリボン。
  5. 高密度ポリエチレンワックスの示差走査熱量測定法によって測定した融解熱量が150J/g以上300J/g以下である請求項1〜4のいずれかに記載の熱溶融転写型インクリボン。
  6. 高密度ポリエチレンワックスの密度が960kg/m以上である請求項1〜5のいずれかに記載の熱溶融転写型インクリボン。
JP2017233800A 2017-11-17 2017-11-17 熱溶融転写型インクリボン Active JP6945123B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233800A JP6945123B2 (ja) 2017-11-17 2017-11-17 熱溶融転写型インクリボン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017233800A JP6945123B2 (ja) 2017-11-17 2017-11-17 熱溶融転写型インクリボン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019093696A JP2019093696A (ja) 2019-06-20
JP6945123B2 true JP6945123B2 (ja) 2021-10-06

Family

ID=66972517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017233800A Active JP6945123B2 (ja) 2017-11-17 2017-11-17 熱溶融転写型インクリボン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6945123B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019093696A (ja) 2019-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5984117B2 (ja) 熱転写シート
JP6945123B2 (ja) 熱溶融転写型インクリボン
JP6152526B2 (ja) 溶融転写型インクリボン
US7494699B2 (en) Low energy thermal transfer recording medium and method
WO2018105491A1 (ja) 保護層転写シート及びその製造方法
JP4485990B2 (ja) 熱転写記録媒体、熱転写記録方法及び記録体
JP4069191B2 (ja) 転写箔および転写像形成方法
JP2016196175A (ja) 熱溶融転写型インクリボン
JP2001138646A (ja) 熱転写記録媒体
JPH05177954A (ja) 熱転写記録媒体
JP2023069973A (ja) 熱溶融転写型インクリボン
JP2001191652A (ja) 熱転写媒体
JP4263833B2 (ja) 熱転写媒体
JP4897317B2 (ja) 熱転写記録媒体及びその製造方法、並びに熱転写記録方法
JPH04259595A (ja) 熱転写記録媒体
JP4307353B2 (ja) 熱転写記録媒体および熱転写記録方法
JPH11321116A (ja) 熱転写記録媒体
JP2001171233A (ja) 熱転写記録媒体及びその製造方法
JP2000141923A (ja) 熱転写記録媒体及びその製造方法
JP2014136390A (ja) 感熱転写媒体
JP4827777B2 (ja) 熱転写記録媒体
JP2006347057A (ja) 熱転写媒体
JP2019001056A (ja) 保護層転写シート
JP2000318328A (ja) 熱転写記録媒体およびその製造方法
JPH06286336A (ja) 熱転写記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180626

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200821

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6945123

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150