JP4069191B2 - 転写箔および転写像形成方法 - Google Patents

転写箔および転写像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はホットスタンプ用転写箔およびそれを用いる転写像形成方法に関する。さらに詳しくは、基材の一方の面に着色インク層および接着層をこの順に設けた構成のホットスタンプ用転写箔およびそれを用いる転写像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホットスタンプ用転写箔としては、基材上に熱溶融性ないし熱軟化性のインク層を設けた構造のものが一般的であるが、被転写体との接着力をより高めるために前記インク層の上にさらに接着層を設けた構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記構造の転写箔において、接着層の材料として被転写体に対して充分な接着力を示すような材料、たとえば軟化点が60℃程度のポリエステル樹脂などを用いると、このような材料は常温でも少なからず接着力を有するものが多く、そのため転写箔をロール状に巻回して保存する場合に、接着層が接触している基材の裏面と接着し(一般にブロッキングといわれている)、ホットスタンプマシンでの巻出しが困難となり、転写安定性が損なわれ、ひいては転写像品質の低下を招くという問題があった。
【0004】
前記ブロッキングを防止するため接着層に無機粒子やワックス類などを添加することも知られているが、接着層への無機粒子やワックス類の添加は同時に被転写体への接着力を低下させ、転写像の固着強度の低下や脱落などを引き起す場合があった。
【0005】
さらに、ポリエチレンやポリプロピレンのような表面張力が比較的低い樹脂からなる被転写体に対しては、接着層がワックス類や比較的極性の高いポリエステル系、ポリアミド系、セルロース系、フェノール系、アクリル系などの樹脂からなる転写箔では、充分な接着力が得られないという問題があった。
【0006】
本発明は前記の点に鑑みて、被転写体に対して充分な接着力を示し、かつブロッキングを起こさないホットスタンプ用転写箔を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)厚さが3〜100μmである基材の一方の面に着色インク層および接着層をこの順に設けたホットスタンプ用転写箔において、接着層が熱可塑性樹脂(A)からなるバインダーと該バインダー中に分散された熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物とからなり、その表面が該粒子状物に起因する凹凸を有する構造を有し、前記熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の少なくとも主要構成単位が同じであることを特徴とするホットスタンプ用転写箔に関する。
【0008】
且つ本発明は、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とが、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、熱可塑性樹脂(A)としての該変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が2万以上4万未満、熱可塑性樹脂(B)としての該変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が4万以上であることを特徴とする転写箔に関する。
【0009】
さらに本発明は、()ポリオレフィン樹脂のフィルムもしくはシート、またはポリオレフィン樹脂からなる受像層を有する被転写体へ、前記(1)の転写箔を使用してホットスタンプマシンにより着色インク層および接着層を熱転写して転写像を形成することを特徴とする転写像形成方法に関する。
【0010】
さらに本発明は、()前記ホットスタンプマシンの刻印部材の温度を70〜100℃として熱転写することを特徴とする前記(2)記載の転写像形成方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の転写箔は、基材の一方の面に着色インク層および接着層をこの順に設けたホットスタンプ用転写箔であって、接着層が熱可塑性樹脂(A)からなるバインダーと該バインダー中に分散された熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物とからなり、その表面が該粒子状物に起因する凹凸を有する構造を有し、前記熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の少なくとも主要構成単位が同じであることを特徴とする。
【0012】
ここで、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の少なくとも主要構成単位が同じであるとの概念は、つぎのことを意味する。構成単位とは通常繰り返し単位を意味する。単独重合体の場合は、構成単位(繰り返し単位)は1種だけであり、これが主要構成単位である。たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステルまたはポリエステル(1種のジカルボン酸と1種のジオールからなるもの)などで重合度の異なるものは樹脂(A)と樹脂(B)に該当する。また共重合体(3成分以上の縮重合体などを含む)の場合、主要構成単位(繰り返し単位)が2種以上あることになる。たとえば塩素化ポリプロピレンの場合、プロピレン単位と塩素化プロピレン単位が主要構成単位であり、この2種の構成単位からなり、重合度や塩素付加率が異なるものは樹脂(A)と樹脂(B)に該当する。また樹脂(A)と樹脂(B)は少なくとも主要構成単位が同じであればよく、この点から、ポリプロピレン系樹脂の場合、プロピレン単独重合体とプロピレン共重合体とは、共重合体中のコモノマー単位が量的または質的にわずかであれば、両者は、主要構成単位としてのプロピレン単位が同じであるから、樹脂(A)と樹脂(B)に該当するものである。
【0013】
前記構成によるときは、転写箔をロール状に巻回して保存する場合は、熱可塑性樹脂(B)の粒子状物が接着層の表面から突出し、接着層の表面と基材の裏面との接触面積が減少されるためブロッキングが防止される。一方、転写時には、バインダーとしての熱可塑性樹脂(A)が軟化して被転写体に対する接着力を示すわけであるが、熱可塑性樹脂(A)と少なくとも主要構成単位が同じ熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物もある程度軟化して接着力を示すため、従来例のごとく粒子状物による接着力の阻害が生じず、良好な転写性が得られる。
【0014】
また、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とは少なくとも主要構成単位が同じで、相互の親和性が大きいため、バインダーとしての熱可塑性樹脂(A)を溶剤に溶解し、熱可塑性樹脂(B)の粒子状物を添加して接着層用塗工液を調製する場合に、熱可塑性樹脂(B)の粒子状物の塗工液中での分散性が良好で、分離したり沈降したりしにくく、そのため粒子状物が均一に分散された接着層が得られ、さらに熱転写時にも熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とが軟化し、部分的に相溶するため、転写像にボイドや白抜けなどが生じないという利点がある。
【0015】
さらに、本発明の転写箔は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂のような表面張力が比較的低い樹脂からなり、従来の転写箔を用いる場合転写像が接着しにくい被転写体に対しても有効である。たとえば、接着層のバインダーとしてポリプロピレン系樹脂を用い、粒子状物として主要構成単位が同じポリプロピレン系樹脂を用いることによって、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂のフィルムやシート、あるいは上質紙や合成紙などの紙類、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどの樹脂フィルムなどの上に前記ポリオレフィン樹脂からなる受像層を設けた構成の被転写体に対しても良好な熱時接着力が得られる。
【0016】
本発明においては、前記のごとく、接着層のバインダーとしての熱可塑性樹脂(A)と粒子状物を構成する熱可塑性樹脂(B)とに、少なくとも主要構成単位が同じものを使用する。
【0017】
そのため、接着層の形成の際に、熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物の粒子形態がそのまま保持される手段が採られる。このような手段としては、たとえばつぎのものがあげられる。
【0018】
(1)熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との間に、接着層用塗工液の溶剤に対する溶解性の差異をもたせ、熱可塑性樹脂(A)は該溶剤に容易に溶解し、熱可塑性樹脂(B)は該溶剤に溶解せずまたは難溶性であり、粒子形態を保持するようにする。
【0019】
溶解性に差異をもたせる手段としては、分子量、結晶化度などの違いが利用できる。たとえば、熱可塑性樹脂(A)として平均分子量が小さく、熱可塑性樹脂(B)として平均分子量が大きいものを用いる。また熱可塑性樹脂(A)として結晶化度の小さいものを用い、熱可塑性樹脂(B)として結晶化度の大きいものを用いる。
【0020】
(2)熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)との間に、接着層用塗工液の溶剤に対する溶解性の差異がない場合であっても、たとえば、熱可塑性樹脂(A)を溶剤中で熱時溶解後冷却して溶液を得、熱可塑性樹脂(B)を常温下で該溶剤中で粉砕し、分散させて分散液を得、これらを混合して得られた塗工液を用いるなどの手段を採ることができる。
【0021】
本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)としては、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、塩化ビニル系樹脂およびエポキシ系樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも1種があげられる。
【0022】
ポリエチレンやポリプロピレンなどの比較的表面張力の低いものからなる被転写体に対しても良好な接着力を示す接着層を得ようとする場合は、熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン系樹脂を用いるのが好ましい。ポリプロピレン系樹脂としては一般のポリプロピレン樹脂や変性ポリプロピレン樹脂が使用できる。
【0023】
ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン樹脂に極性基を導入したものが、転写性能や塗工液溶剤への溶解性の差異をもたせやすいため好ましく、この点から無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂がとくに好適である。
【0024】
無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を用いる場合、分子量の差で塗工液の溶剤に対する溶解性の差異をもたせるためには、熱可塑性樹脂(A)用として重量平均分子量が2万以上4万未満のもの、熱可塑性樹脂(B)として重量平均分子量が4万以上のものを用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂(A)用としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が2万より小さいと、常温下でも粘着性を示すためブロッキングを防止するのが困難であり、一方4万以上になると塗工液の溶剤に対する溶解性が低く、好ましくない。また熱可塑性樹脂(B)用としての無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が4万より小さいとブロッキング防止効果が小さいと共に、塗工液の溶剤に部分的に溶解し、粒子同士が癒着し、ゲル化を起しやすくなる。塗工液溶剤に対する溶解性の差をもたせるためには、熱可塑性樹脂(A)用と熱可塑性樹脂(B)用との重量平均分子量の差が2万以上あるのが好ましい。
【0025】
熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を用いる場合、無水マレイン酸付加率が1〜10重量%の範囲のものが好ましい。ここで、無水マレイン酸付加率は変性ポリプロピレン樹脂の全量に対する付加された無水マレイン酸の量の割合(重量%)をいう。無水マレイン酸付加率が前記範囲未満では、熱可塑性樹脂(A)として用いる場合の接着力が充分に発揮されず、一方前記範囲を超えると熱可塑性樹脂(B)として用いる場合のブロッキング防止効果が小さい。
【0026】
熱可塑性樹脂(A)および熱可塑性樹脂(B)として、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を用いる場合、無水マレイン酸付加率が1〜10重量%の範囲であって、かつ重量平均分子量が前記条件を満足するものを用いるのが好ましい。
【0027】
なお、無水マレイン酸付加率が等しく、平均分子量に差異がない無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂を熱可塑性樹脂(A)、(B)として使用する場合でも、結晶化度が異なりさえすれば、塗工液用溶剤に対する溶解性の差異をもたせることができる。
【0028】
なお、転写感度の点から、バインダーとしての熱可塑性樹脂(A)は軟化点が50〜90℃の範囲のものが好ましい。熱可塑性樹脂(B)の軟化点はとくに制限されないが、熱転写時に熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物の一部が軟化して接着力を示すのが好ましい点から、軟化点が90〜130℃の範囲のものが好ましい。
【0029】
このように本発明においては、接着層のバインダーとしての熱可塑性樹脂(A)と、粒子状物の構成材料としての熱可塑性樹脂(B)とに、少なくとも主要構成単位が同じ熱可塑性樹脂を用いる構成によって、熱可塑性樹脂(A)として、熱転写時に被転写体に対して充分な接着力を有し、転写感度も良好であるもの(ただし常温下でのブロッキングは生じやすい)を用い、一方熱可塑性樹脂(B)として、熱転写時に熱可塑性樹脂(A)の接着力を阻害しない程度の接着力を有し、かつ常温下でのブロッキングを防止する効果の大きなものを用いることができ、それによって熱転写時に被転写体に対する充分な接着力を有し、かつ常温下でのブロッキングは充分に防止し得る転写箔が得られる。
【0030】
接着層の塗布量(乾燥塗布量をいう、以下同様)は、0.1〜10g/m2、なかんづく0.1〜5.0g/m2の範囲が好ましい。塗布量が前記範囲より少ないと接着力が充分でなく転写性が劣る傾向がある。一方塗布量が前記範囲より多いと転写感度が劣る傾向がある。
【0031】
熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物が接着層の表面から突出するようにするため、粒子状物の平均粒径は0.1μm以上、なかんづく1μm以上であるのが好ましい。一方、粒子状物の平均粒径が大きすぎると、転写性が劣る傾向にあるから、50μm以下、なかんづく20μm以下であるのが好ましい。
【0032】
また接着層中における粒子状物の含有量は、少なすぎるとブロッキング防止効果が乏しくなり、多すぎると接着力が低下するから、0.1〜80重量%、なかんづく5〜60重量%の範囲が好ましい。
【0033】
接着層には、必要に応じ、本発明の目的を損なわない範囲内で、可塑剤、消泡剤、界面活性剤、酸化防止剤などの添加剤を適宜配合することができる。
【0034】
接着層は、溶剤中に熱可塑性樹脂(A)が溶解され、熱可塑性樹脂(B)の粒子状物が分散された形態の塗工液を着色インク層上に塗布、乾燥することによって形成できる。
【0035】
本発明における着色インク層としては熱溶融性ないし熱軟化性(あるいは熱不溶融性)のビヒクルと着色剤とからなる従来から知られている着色インク層がとくに制限なく使用できる。前記ビヒクルとしては従来から知られているものがとくに制限なく使用でき、熱可塑性樹脂を主体とするものがあげられる。
【0036】
前記熱可塑性樹脂(エラストマーを含む)としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、塩化ビニル系(共)重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、アセトフェノン−ホルムアルデヒド樹脂、セルロース系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、石油系樹脂、スチレン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、クマロン−インデン樹脂などがあげられる。これら樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0037】
前記着色剤としてはカーボンブラックをはじめとして、この種の着色インク層で一般に使用されている有機、無機の着色顔料、染料などが使用できる。着色剤のインク層中における含有量は20〜60重量%程度が適当である。
【0038】
着色インク層は、前記ビヒクル成分を適宜の溶剤に溶解し、これに着色剤、必要により他の配合剤を添加した塗工液を基材上に塗布、乾燥することによって形成できる。ホットメルト塗工法によって形成することもできる。
【0039】
着色インク層の塗布量は、転写感度、印像濃度の点から、0.1〜5g/m2程度が適当である。
【0040】
本発明においては、必要に応じ、基材と着色インク層との間に離型層を設け、転写感度を向上するようにしてもよい。また、着色インク層と接着層の間に金属蒸着層を設けても良い。
【0041】
本発明のホットスタンプ用転写箔における基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの各種のプラスチックフィルムが使用できる。基材の厚さは通常3〜100μm程度である。強度を向上しかつ熱拡散を小さくして解像度を高める点からは、10〜50μmの範囲が好ましく、さらに10〜25μmの範囲がより好ましい。
【0042】
本発明の転写箔を、ホットスタンプマシンで使用する場合は、基材の裏面(活字などの刻印部材に接触する側の面)にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂などの各種の離型性樹脂などからなる、ブロッキング防止層を設けてもよい。
【0043】
本発明の転写箔を用いる転写は、その接着層に含まれる熱可塑性樹脂(A)の軟化点以上の温度に加熱して行うことができる。ホットスタンプにおける一般的な転写温度は、150〜250℃である。ところが、本発明の転写箔は、材料選択により転写インクの高感度化が容易であるため、前記ホットスタンプマシンの活字などの刻印部材の温度を70〜100℃で使用すること可能であり、それにより被転写体の搬送速度を上げることも容易である。刻印部材の温度が70℃より低いと転写不足が起こりやすく、一方100℃より高いと転写像につぶれが起こりやすい。
【0044】
【実施例】
つぎに実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。
【0045】
実施例1
片面にシリコーン樹脂からなるブロッキング防止層を形成した厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのブロッキング防止層と反対側の面に、下記組成の離型層組成物をホットメルト塗工して塗布量1.0g/m2の離型層を形成した。
【0046】
Figure 0004069191
【0047】
前記離型層上に下記組成のインク層塗工液をグラビア塗工し、乾燥して塗布量4.0g/m2の着色インク層を形成した。
【0048】
Figure 0004069191
【0049】
前記着色インク層上に下記組成の接着層塗工液をグラビア塗工し、乾燥して塗布量1.0g/m2の接着層を形成し、転写箔を得た。
【0050】
Figure 0004069191
【0053】
比較例1
実施例1において、接着層塗工液として下記組成のものを使用したほかは実施例1と同様にして転写箔を得た。
【0054】
Figure 0004069191
【0055】
比較例2
実施例1において、接着層塗工液として下記組成のものを用いたほかは実施例1と同様にして転写箔を得た。
【0056】
Figure 0004069191
【0057】
前記で得られた各転写箔について下記の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0058】
(1)転写性
ホットスタンプマシンで下記転写条件下に活字文字を印字し、得られた文字印像を目視により観察し、下記基準で評価した。
【0059】
転写条件
活字温度:85℃
被転写体の搬送速度:400mm/秒
転写パターン:活字文字
被転写体:厚さ50μmのポリプロピレンフィルム
評価基準
○‥‥‥判読可能で、見た目にも鮮明な印字である。
×‥‥‥判読不可能。
【0060】
(2)印像固着強度
前記(1)で得られた印字物上にセロハンテープを2kg/cm2の加圧下に貼り付け、ついで引き剥した後の印像を目視にて観察し、下記基準で評価した。なお、転写性の評価が×であるものは、本試験は行なわなかった。
【0061】
評価基準
○‥‥‥判読可能。
×‥‥‥判読不可能で、被転写体側よりもセロハンテープ側の方にインクが多く移っている。
【0062】
(3)耐ブロッキング性
各転写箔(長さ300m)を直径34mmのコアに巻取り、50℃、85%RHの条件下で96時間放置したのち、下記基準で評価した。
【0063】
評価基準
○‥‥‥ブロッキングが起きない。
×‥‥‥ブロッキングが起きる。
【0064】
【表1】
表1
Figure 0004069191
【0065】
【発明の効果】
本発明の転写箔は、被転写体に対して充分な接着力を示し、転写性よく固着強度の良好な印像を与え、かつブロッキングを生じることがない。とくに、接着層のバインダーおよび粒子状物に変性ポリプロピレン樹脂を用いるとポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムなどの被転写体に対しても良好な接着力を示す。

Claims (3)

  1. 厚さが3〜100μmである基材の一方の面に着色インク層および接着層をこの順に設けたホットスタンプ用転写箔において、接着層が熱可塑性樹脂(A)からなるバインダーと該バインダー中に分散された熱可塑性樹脂(B)からなる粒子状物とからなり、その表面が該粒子状物に起因する凹凸を有する構造を有し、前記熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の少なくとも主要構成単位が同じであり熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)とが、無水マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂であり、熱可塑性樹脂(A)としての該変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が2万以上4万未満、熱可塑性樹脂(B)としての該変性ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量が4万以上であることを特徴とするホットスタンプ用転写箔。
  2. ポリオレフィン樹脂のフィルムもしくはシート、またはポリオレフィン樹脂からなる受像層を有する被転写体へ、前記請求項1記載の転写箔を使用してホットスタンプマシンにより着色インク層および接着層を熱転写して転写像を形成することを特徴とする転写像形成方法。
  3. 前記ホットスタンプマシンの刻印部材の温度を70〜100℃として熱転写することを特徴とする請求項2記載の転写像形成方法。
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