JP6942643B2 - 米粉パン類の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)米粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.25〜5質量部(好ましくは0.5〜2.5質量部)を含有する原料粉を用いること、及び前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが2質量%水溶液において100,000〜250,000cps(好ましくは150,000〜250,000cps)の粘度を示すものであることを特徴とするパン類の製造方法。
(2)さらに、キサンタンガム、アルギン酸エステル、ペクチン、グアーガム、タラガムから選択される増粘多糖類0.05〜2.0質量部(好ましくは0.1〜0.5質量部)及びデキストリン1〜15質量部(好ましくは3〜10質量部)を配合することを特徴とする前記(1)記載のパン類の製造方法。
(3)増粘多糖類が、キサンタンガムであることを特徴とする前記(2)記載のパン類の製造方法。
(4)穀粉原料と混合する前に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.25〜5質量部に5〜20倍量の水、及び5〜25質量部の油脂(好ましくは常温で液状又は半固形状の油脂)を添加・混合してゲルを形成させることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のパン類の製造方法。
(5)米粉が、損傷澱粉が0.5〜25%(好ましくは1.5〜15%)及び平均粒径が90μm以下(好ましくは15〜65μm)であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のパン類の製造方法。
(6)副原料として、卵白及び/又は液糖を用いることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のパン類の製造方法。
また、HPMCは、米粉を主体とする穀粉原料に紛体として添加・混合してもよいが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースをパン類の製造に用いる加水の一部と油脂に添加・混合してゲル化した状態で穀粉原料やその他の副原料に添加するのが好ましい。具体的には、穀粉原料と混合する前に、HPMC0.25〜5質量部に5〜20倍量の水、及び5〜25質量部の油脂(好ましくは常温で液状又は半固形状の油脂)を添加・混合して、製菓・製パン用ミキサーで撹拌(400〜700rpm、1〜5分間)し、冷蔵〜室温(約0〜25℃)で10〜60分間静置してゲルを形成させ、ゲルの状態で穀粉原料やその他の副原料に添加する。HPMCを油脂の存在下でゲルの状態で添加することにより、パン類の製造時の作業性が向上するだけでなく、得られるパン類の食感がよりソフトでしっとりとしたものとなる。ここで用いる油脂としては、パン類の製造に用いられる食用油脂であれば特に限定はされないが、バター、ショートニング、サラダ油、大豆油、菜種油、コーン油、オリーブ油、米油等が好ましい。
さらに、デキストリン1〜15質量部、好ましくは3〜10質量部を配合するのが好適である。デキストリンを配合することにより、得られるパン類の保水性が良好となり、しっとりとした食感が保持され、さらに老化耐性も向上する。
下記の表1に示す配合割合の原料粉(実施例1〜3、比較例1〜2)を用いた。実施例1は米粉に高粘度のHPMC、キサンタンガム、デキストリンを使用しており、比較例1は高粘度のHPMCに代えて低粘度のHPMCを使用した例であり、比較例2はHPMCに代えて他のセルロース誘導体を使用した例であり、実施例2と3はキサンタンガムに代えて他の増粘剤を使用した例である。
※2HPMC:粘度200,000cps(2質量%水溶液)
※3HPMC:粘度4,000cps(2質量%水溶液)
※4メチルセルロール:粘度4,000cps(2質量%水溶液)
生イースト 6
食塩 1.6
ショ糖 12
脱脂粉乳 2
卵白 5
サラダ油 6
水 67
(質量部)
なお、実施例1〜3、比較例1のHPMC(1.5質量部)及び比較例2のメチルセルロース(1.5質量部)は、あらかじめ上記配合中の水24質量部及びサラダ油6質量部に添加し、製菓用ミキサー(ケンミックスアイコープレミアミキサー、(株)愛工舎製作所製)で撹拌(500rpm、3分間)し、室温(約20℃)で30分間静置し、ゲルを形成させた。得られたゲル(31.5質量部)を米粉100質量部、その他の原料に添加した。
〔工程〕
ミキシング 低速1分→中低速1分
捏上温度 27℃
発酵(27℃、湿度75%) 5分
分割 70g
ベンチタイム 5分
成形 手成形
ホイロ(38℃、湿度85%) 40〜45分
焼成(230/210℃) 10分〜12分(蒸気あり)
外観 5点:ボリュームが大きく、形状も良好
4点:ボリュームがやや大きく、形状もやや良好
3点:ボリュームはあるが、形状がやや悪い
2点:ボリュームがやや小さく、形状もやや悪い
1点:ボリュームが小さく、形状も悪い
食感 5点:極めてソフトな食感で、口どけも良好
4点:ソフトな食感で、口どけも良好
3点:ややソフトな食感で、口どけもやや良好
2点:ややパサついた食感であるか、やや口どけがやや不良
1点:ややパサついた食感であるか、口どけも不良
老化耐性 3点:老化の程度がわずかである
2点:老化がやや進行している
1点:老化が進行している
下記の表2に示す配合割合の原料粉(実施例4〜6、比較例3〜4)を用いた。これらの原料粉を用いて、試験例1と同様にロールパンを製造し、製造したロールパンの外観、食感、老化耐性(常温2日後の食感の変化)を10名のパネラーで評価した。結果の平均値を表2に示す。実施例4〜6は高粘度HPMCの適切な使用範囲の例であり、比較例3及び4は高粘度HPMCの適切な使用の範囲外の例である。
なお、実施例4〜6、比較例3〜4では、実施例1と同様にHPMCを、あらかじめ水24質量部及びサラダ油6質量部とゲルを形成させ、得られたゲル(30.5〜32.5質量部)を米粉とその他の原料に添加して用いた。
以下の表3に示す配合割合の原料粉(実施例7〜10)を用いた。これらの原料粉(実施例1の原料粉も含む)を用いて、総加水量のうち水24質量部、サラダ油6質量部とHPMC1.5質量部を混合・撹拌し、ゲル(31.5質量部)の状態で米粉に添加したこと以外は、試験例1と同様にロールパンを製造し、製造したロールパンの外観、食感、老化耐性(常温2日後の食感の変化)を10名のパネラーで評価した。結果の平均値を下記の表3に示す。実施例7及び8はキサンタンガムの好ましい使用範囲の例であり、実施例9及び10はデキストリンの好ましい使用範囲の例である。また、これら実施例7〜10は高粘度HPMCをゲル状で添加する好ましい実施形態の例でもある。
以下の表4に示す配合割合の原料粉(実施例1、11及び12)を用いた。これらの原料粉を用いて、試験例3と同様にロールパンを製造し、製造したロールパンの外観、食感、老化耐性(常温2日後の食感の変化)を10名のパネラーで評価した。結果の平均値を表4に示す。実施例11及び12は米粉(損傷澱粉10%)の好ましい平均粒径範囲の使用例である。
Claims (6)
- 米粉を主体とする穀粉原料100質量部に対して、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.5〜2.5質量部を含有する原料粉を用いること、及び前記ヒドロキシプロピルメチルセルロースが2質量%水溶液において100,000〜250,000cpsの粘度を示すものであることを特徴とするパン類の製造方法。
- さらに、キサンタンガム、アルギン酸エステル、ペクチン、グアーガム、タラガムから選択される増粘多糖類0.05〜2.0質量部、及びデキストリン1〜15質量部を配合することを特徴とする請求項1記載のパン類の製造方法。
- 増粘多糖類が、キサンタンガムであることを特徴とする請求項2記載のパン類の製造方法。
- 穀粉原料と混合する前に、ヒドロキシプロピルメチルセルロース0.5〜2.5質量部に5〜20倍量の水、及び5〜25質量部の油脂を添加・混合してゲルを形成させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパン類の製造方法。
- 米粉が、損傷澱粉が0.5〜25%及び平均粒径が90μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパン類の製造方法。
- 副原料として、卵白及び/又は液糖を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のパン類の製造方法。
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JP2018010940A JP6942643B2 (ja) | 2018-01-25 | 2018-01-25 | 米粉パン類の製造方法 |
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