JP2024031086A - ベーカリー食品用組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 - Google Patents

ベーカリー食品用組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品 Download PDF

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Abstract

【課題】モチ感付与性澱粉質を使用しても、作業性が良好なベーカリー食品用生地を得ることができるベーカリー食品用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物を使用することで上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明はベーカリー食品用組成物、ベーカリー食品用生地及びベーカリー食品に関するものである。
ベーカリー食品とは、一般には小麦粉を主体とする穀粉にイースト及び又は膨張剤と各種の副資材とを加えて水分と共に混捏して生地を調製し、適度な大きさ及び形状の生地に分割成型し、加熱して得られる多孔質性の食品のことであり、そのような食品としてパン類、パンケーキ類、ワッフル類、ペイストリー類、バターケーキ類等が挙げられる。近年、食の多様化が進み、モチモチとした食感のベーカリー食品が求められるようになってきた。
モチモチとした食感のベーカリー食品を得るためには、その原料としてモチ米等のモチ種穀粉やモチ種作物から分離精製されたモチ種澱粉あるいは変性又は未変性タピオカ澱粉が使用されるのが一般的である。モチ種穀粉類やモチ種澱粉、タピオカ澱粉の配合割合を高くするとモチモチとした食感が強くなるが、その反面、配合割合が高くなるに伴って生地のベタツキが生じ、生地成型時の作業性が悪くなる(具体的には切刃や抜型に生地が付着してシートカットに難が生じる)という問題があった。
モチモチとした食感のベーカリー食品について、特許文献1には、もち米粉、リン酸架橋タピオカ澱粉、グルコマンナン粉及び水を含有するもち様食品を、パン生地に練り込み、これを焼成してなることを特徴とするパンが開示されており、多加水でありながら、パン皮が薄いパリパリのクラスト仕上がり、口に含むと粘りのある噛みごたえのもちもち感を有した内層のフランスパンが得られることが記載されている。しかしながら、うるち米粉及び増粘剤を使用すること、作業性が改善されることには触れられていない。
また特許文献2には、グルコマンナン又はこんにゃく粉と、キサンタンガムを含有する米粉製品用品質改良剤が開示されており、穀粉が米粉からなる米粉パンの歯切れや弾力が良好になり、老化が抑制されることが記載されている。しかしながら、モチ種澱粉質原料を使用したベーカリー食品の食感と作業性の改善に関する記載も示唆もない。
さらに特許文献3には、小麦粉、損傷澱粉量が15質量%以上の米粉、並びにヒドロキシプロピル化澱粉及び/又はアセチル化澱粉を含むベーカリー製品用組成物が開示されており、ベーカリー製品としての十分なボリュームと、和菓子のような粘りのあるもちもち感との両方を有するベーカリー製品を作業性良く製造することができることが記載されている。しかしながら、モチ種澱粉質原料を使用した場合の作業性の改善に関する記載も示唆もない。
特開2016-123392号公報 特開2013-123421号公報 特開2018-153127号公報
モチ感付与性澱粉質を使用しても作業時の良好な生地性を有し、また焼成後の良好な食感を有するベーカリー食品を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った。その結果、ベーカリー食品に、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、前記モチ感付与性澱粉質原料が、モチ種穀粉と、モチ種澱粉と、タピオカ澱粉とからなる群から選択される1以上であり、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物を使用することで作業時の良好な生地性を有し、また焼成後の良好な食感を有するベーカリー食品が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下の通りである。
[1]モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物。
[2]前記モチ感付与性澱粉質原料が、モチ種穀粉と、モチ種澱粉と、タピオカ澱粉とからなる群から選択される1以上である、前記[1]の、ベーカリー食品用組成物。
[3]前記タピオカ澱粉が、ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、ヒドロキシアジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉からなる群から選択される1以上である、前記[1]又は[2]に記載のベーカリー食品用組成物。
[4]前記増粘多糖類が、キサンタンガム及び/又はグアガムある、前記[1]~[3]のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物。
[5]前記[1]~[4]のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物を含有する、ベーカリー食品用プレミックス。
[6]前記[1]~[4]のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物または請求項[5]に記載のベーカリー食品用プレミックスを含むベーカリー食品用生地。
[7]前記[6]に記載のベーカリー食品用生地を焼成してなるベーカリー食品。
本発明によれば、モチ感付与性澱粉質を使用しても作業時の良好な生地性を有し、また焼成後の良好な食感を有するベーカリー食品を提供することが出来る。例えば作業時に生地の成形時にべたつきがなく容易にカットすることができ、焼成後にはモチモチとした弾力がある食感のベーカリー食品を提供することができる。
本発明のベーカリー食品用組成物はモチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなる。
本発明において、モチ感付与性澱粉質原料としては、一般に食品の食感にモチモチ感を付与する澱粉質原料であれば何れも適用することができる。そのような原料としては、もち米粉、もち大麦粉等のモチ種穀粉;モチ種米澱粉、モチ種小麦澱粉、モチ種大麦澱粉等のモチ種澱粉;タピオカ澱粉が挙げられる。モチ感付与性澱粉質原料を使用することにより、ベーカリー食品にモチモチとした食感を付与することができる。
ここで「タピオカ澱粉」は未処理のタピオカ澱粉及びその変性澱粉等を意味する。そのようなタピオカ澱粉としては、ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、酸化タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉が挙げられる。本発明においてタピオカ澱粉は好ましくはヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、ヒドロキシアジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉からなる群から選択される1以上である。ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷ゆり、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷ゆり8、アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷きんもくせい、アセチル化タピオカ澱粉であれば松谷化学工業社の松谷さくらが挙げられる。
本発明において、うるち米粉は、含まれているデンプンの成分割合がもち米粉と異なる。もち米粉は、アミロペクチンのみでアミロースを含んでいないのに対し、うるち米粉はアミロースとアミロペクチンをおおよそ2:8で含む。
本発明のベーカリー食品用組成物において、モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量は0.2~3.8であり、好ましくは0.15以上であり、より好ましくは0.38以上であり、更に好ましくは2.0以上であり、また、好ましくは3.6以下であり、より好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは1.7以下である。この範囲であれば、生地のベタツキが改善され、生地を良好に成型することができ、モチモチとした食感のベーカリー食品を得ることができる。
本発明において、小麦粉は、一般に製パンに使われる原料であれば何でも適用することができる。そのような原料としては、主には強力粉であるが、中力粉や薄力粉も使用できる。小麦の品種や産地は特に限定されない。
本発明のベーカリー食品用組成物における小麦粉の含有率は、ベーカリー食品用組成物に含まれるモチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上であり、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは8質量%以上であり、更に好ましくは25質量%以上であり、また、好ましくは77質量%以下であり、より好ましくは72質量%以下であり、更に好ましくは60質量%以下である。この範囲であれば、生地のベタツキが改善され、生地を良好に成型することができ、モチモチとした食感のベーカリー食品を得ることができる。
本発明において、増粘多糖類は、一般に食品の製造に使用される増粘多糖類であれば何れも適用することができる。そのような増粘多糖類としては、キサンタンガム、グアガム、ペクチン、カラギーナン、タラガム、ローカストビーンガム、イヌリン等が挙げられる。増粘多糖類を用いることにより、生地のベタツキが改善され、生地を良好に成型することができ、モチモチとした食感のベーカリー食品を得ることができる。なお、マンナンや寒天等の多糖類は、溶媒を非流動化させるゲル化剤であるため、増粘多糖類とは区別されるものである。本発明における増粘多糖類は、好ましくはキサンタンガム及び/又はグアガムである。増粘剤は市販されているものを使用することができ、例えば、キサンタンガムはノヴァザン(ADM社)、グアガムはグアガムD(タカラゲン社)等が挙げられる。
本発明のベーカリー食品用組成物における増粘多糖類の含有量は、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量%であり、好ましくは0.075質量%以上であり、より好ましくは0.15質量%以上であり、更に好ましくは0.2質量%以上であり、また、好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは0.9質量%以下である。この範囲であれば、生地のベタツキが改善され、生地を良好に成型することができ、もちもちとした食感のベーカリー食品を得ることができる。
本発明のベーカリー食品用プレミックスは、前記ベーカリー食品用組成物を含有する。ここで一般にプレミックスは、その使用用途に応じて、穀粉や澱粉等の穀粉類に、化学膨張剤、調味料、香料、色素等の粉末原料などを混合したものをいう。本発明のベーカリー食品用プレミックスは、上記本発明のベーカリー食品用組成物に加えて、ライ麦粉、大麦粉、蕎麦粉等の穀粉(小麦粉、うるち米粉及びもち米粉は含まれない);小麦ふすま、米ぬか等の糠類;イーストフード;セルロース、難消化性澱粉等の水不溶性食物繊維;ポリデキストロース、大麦βグルカン、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維;デキストリン、サイクロデキストリン等の澱粉分解物及びその誘導体;メチルセルロース類等のセルロース誘導体;卵黄、卵白、全卵及びそれらを粉末化したものやその他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;グルテン、大豆蛋白、小麦蛋白、えんどう豆蛋白等のタンパク質類;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、オリーブ油、ダイズ油等の固形状あるいは液状の油脂類;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム等の乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;香料;色素;香辛料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等、通常ベーカリー食品の製造に用いられる副原料を含むことができる。
本発明のベーカリー食品用生地は、前記ベーカリー食品用組成物又は前記ベーカリー食品用プレミックスを含む。また本発明のベーカリー食品は本発明のベーカリー食品用生地を焼成して成る。
本発明のベーカリー食品用生地は特に制限されるものではなく、一般にベーカリー食品の製造に用いられる生地であれば何れであってもよい。そのような生地としては食パン生地、菓子パン生地、ペイストリー生地等の弾力のあるドウ生地;パンケーキ生地、ワッフル生地、バターケーキ生地等の流動性のあるバッター生地;オールドファッション生地等の可塑性生地等が挙げられる。
ドウ生地は、穀粉や糖類等の副原料を含む粉末原料と水分や液卵等を含む液体原料とを用い、グルテンが形成されるように混捏して得られる、非流動性で弾力のある生地であり、液体原料は、穀粉等の澱粉質原料以外の粉末原料の種類と使用量により変動するが、概ね澱粉質原料100質量部に対して50~80質量部である。ドウ生地の加熱膨張にはイースト発酵により発生するガスが利用される。化学膨張剤を併用する場合もあるが、一般的にイースト発酵の助剤という位置づけである。
バッター生地は小麦粉を主成分とする生地作成時に小麦粉などの穀粉類と同量又は数倍以上の水を加えて得られる。可塑性生地は、小麦粉を主成分とする生地作成時に小麦粉などの穀粉類と同程度の水を加えて得られる。バッター生地と可塑性生地どちらも小麦粉などの穀粉類を主体とし、砂糖、膨張剤、卵、牛乳又は水を用い、なるべくグルテンが形成されないように均質になるまで混合して得られる。
本発明のベーカリー食品用生地及びベーカリー食品の製造においては、前記ベーカリー食品用組成物又は前記ベーカリー食品用プレミックス以外に、ライ麦粉、大麦粉、蕎麦粉等の穀粉(小麦粉、うるち米粉及びもち米粉は含まれない);小麦ふすま、米ぬか等の糠類;イースト、イーストフード;セルロース、難消化性澱粉等の水不溶性食物繊維;ポリデキストロース、大麦βグルカン、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維;デキストリン、サイクロデキストリン等の澱粉分解物及びその誘導体;メチルセルロース類等のセルロース誘導体;卵黄、卵白、全卵及びそれらを粉末化したものやその他の卵に由来する成分である卵成分;牛乳、粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;グルテン、大豆蛋白、小麦蛋白、えんどう豆蛋白等のタンパク質類;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、オリーブ油、ダイズ油等の固形状あるいは液状の油脂類;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム等の乳化剤;食塩等の無機塩類;保存料;香料;色素;香辛料;ビタミン;カルシウム等の強化剤等の通常ベーカリー食品の製造に用いる副原料を使用することができる。
本発明のベーカリー食品用生地及びベーカリー食品は、前記ベーカリー食品用組成物又は前記ベーカリー食品用プレミックスを含む以外は常法に従って製造することが出来る。
例えば、パンであれば直捏法や中種法、湯種法、冷蔵長時間法、老麺法、ノータイム法、ポーリッシュ法、加糖中種法が挙げられる。
直捏法は、全材料を最初から混ぜて生地を製造する方法である。例えば全材料を配合、混捏し、生地をつくり、該生地を発酵した後、適当な大きさに分割し、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
中種法は、材料を2段階に分けて混ぜ、生地を製造する方法である。例えば小麦粉の一部にイーストと水を加えて中種生地をつくり1次発酵を行ない、残りの材料と混捏し、生地をつくる。その後室温でフロアタイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
湯種法は、材料の一部で湯種を作製して製造する方法である。例えば小麦粉の一部に熱湯と塩を加える、もしくは小麦粉の一部に水と塩を加えた後に加温することにより得られる湯種生地を、直捏法や中種法の混捏時に加えて生地をつくり、その後室温でフロアタイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
冷蔵長時間法は、全材料もしくは材料の一部を前日に仕込み、低温発酵させた生地を用いて翌日にパンを製造する方法である。例えば、小麦粉の一部にイーストと水を加えて中種生地をつくり、冷蔵庫で一晩かけて発酵を行ない、翌日に残りの材料と混捏し、生地をつくる。その後室温でフロアタイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
老麺法は、事前に発酵させた生地(老麺)を使用して製造する方法である。例えば、前日のパン生地(老麺)を直捏法の材料混捏時に加えて生地をつくり、該生地を発酵した後、適当な大きさに分割し、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
ノータイム法は、全材料を最初から混ぜて生地を製造し、一次発酵を全くもしくは短時間しか取らずに製造する方法である。例えば全材料を配合、混捏し、生地をつくり、該生地を一次発酵せず、適当な大きさに分割し、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
ポーリッシュ法は、ポーリッシュ種を作ってから製造する方法である。例えば小麦粉の一部および小麦粉と同量の水とイーストを加えてポーリッシュ種をつくって発酵を行なった後、残りの材料と混捏し、生地をつくる。その後室温でフロアタイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
加糖中種法は砂糖の一部を中種に加えて生地を製造する方法である。例えば、小麦粉の一部と砂糖の一部とイーストと水を加えて中種生地をつくり1次発酵を行ない、残りの材料と混捏し、生地をつくる。その後室温でフロアタイムをとり、適当な大きさに分割した後、室温でベンチタイムをとり、成形、ホイロを行なった後、焼成する。
例えばパンケーキ類やワッフル類である場合は、パンケーキ類又はワッフル類用のバッター生地を調整し、鉄板や焼き型を用いて焼成することにより製造できる。
以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 パン生地の製造
下記表1にしたがって、米粉を含むパン生地を製造した。表1にその配合を示した。
(1)ショートニングを除く資材をミキサー(エスケーミキサー社製SK-20型ミキサー)に投入し、フックを使用して1速2分、3速3分で混合した後、ショートニングを加えてさらに1速2分、3速5分混合し、生地を得た。
(2)この生地を18℃、相対湿度75%で20分休ませたのち、生地を伸ばして、8.5g/個となるようにカッターで円形状(直径28mm)に分割成形した。
(3)相対湿度55%、38℃にて43分間発酵させた後、得られた発酵済み生地を庫内温度230℃のコンベクションオーブンで5分間焼成した。
表1:配合表(質量部)
Figure 2024031086000001

うるち米粉:高砂117(ニップン社製)
もち米粉:高砂z-07(ニップン社製)
小麦粉:イーグル(ニップン社製)
増粘剤(キサンタンガム):ノヴァザン(ADM社製)
官能評価
調製したパン生地について、10名の熟練パネラーにより下記評価表に従って官能評価を行った。なお澱粉質材料として小麦粉のみを使用した参考例1の食感を評点1.0、生地の作業性を評点5.0とした。
表2:評価基準表
Figure 2024031086000002
試験1:もち米粉の配合量の検討
澱粉質材料の組成を表3記載の通りにした以外は製造例1に従ってパン生地を製造し、上記評価例に従って評価した。もち米粉の割合を増減する際は小麦粉と置換した。また生地の硬さを調整し、硬さの違いによる作業性の低下を防ぐため、68~73質量部の範囲で水の量を調整した。
結果を表3に示す。参考例1はもち米粉不含なので作業性は良好だがもちもち感がなかった。参考例2~5はもち米粉を増やすともちもち感は出るが作業性は悪くなった。参考例3は作業性を考慮した場合のもち米粉を使用できる限界の量である。参考例5はもち米粉が多すぎて求肥様のべとついた食感になって不適であった。
Figure 2024031086000003
試験2:うるち米粉配合量の検討
澱粉質材料におけるうるち米粉の配合量を、表4記載の使用量にした以外は製造例1に従ってパン生地を製造し、上記評価例に従って評価した。うるち米粉の割合を増減する際は小麦粉と置換した。また生地の硬さを調整し、硬さの違いによる作業性の低下を防ぐため、72~80質量部の範囲で水の量を調整した。
結果を表4に示す。実施例1~7では、生地のべたつきが改善され、もちもち感にも優れていた。比較例1、2はうるち米粉が少なく、作業性を改善できない。比較例3は生地のべたつきが激しい上、食感も求肥様のべとついた食感となった。
Figure 2024031086000004


Figure 2024031086000005
試験3:増粘多糖類配合量の検討
澱粉質材料と増粘多糖類の配合量を、表5記載の使用量にした以外は製造例1に従ってパン生地を製造し、上記評価例に従って評価した。
結果を表5に示す。実施例5、8~10では、生地のべたつきが改善され、もちもち感にも優れていた。比較例4は増粘剤種類が少なく、作業性を改善できなかった。比較例5は増粘剤種類が多く、生地のべたつきは軽減しているものの、食感がガムのようになり、不適であった。
Figure 2024031086000006

キサンタンガム:ノヴァザン(ADM社製)
グアガム:グアガムD(タカラゲン社製)
試験4:加工澱粉種類の検討
澱粉質材料の組成を表6記載の通りにした以外は製造例1に従ってパン生地を製造し、上記評価例に従って評価した。
結果を表6に示す。実施例11~14では作業性は若干劣るものの、もちもち感に非常に優れていた。
Figure 2024031086000007

タピオカ澱粉1:ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉(松谷ゆり、松谷化学工業社製)
タピオカ澱粉2:ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉(松谷ゆり8、松谷化学工業社製)
タピオカ澱粉3:アセチル化アジピン酸架橋タピオカ澱粉(松谷きんもくせい、松谷化学工業社製)
タピオカ澱粉4:アセチル化タピオカ澱粉(松谷さくら、松谷化学工業社製)

Claims (7)

  1. モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉、小麦粉及び増粘多糖類とからなるベーカリー食品用組成物であって、
    モチ感付与性澱粉質原料の含有量を1としたときに、うるち米粉の含有量が0.2~3.8であり、
    増粘多糖類の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計100質量部に対して0.06~2.3質量部であり、
    小麦粉の含有量が、モチ感付与性澱粉質原料、うるち米粉及び小麦粉の合計に対して5質量%以上である、前記ベーカリー食品用組成物。
  2. 前記モチ感付与性澱粉質原料が、モチ種穀粉と、モチ種澱粉と、タピオカ澱粉とからなる群から選択される1以上である、請求項1に記載のベーカリー食品用組成物。
  3. 前記タピオカ澱粉が、ヒドロキシプロピルタピオカ澱粉、ヒドロキシプロピルリン酸架橋タピオカ澱粉、ヒドロキシアジピン酸架橋タピオカ澱粉、アセチル化タピオカ澱粉からなる群から選択される1以上である、請求項1又は2に記載のベーカリー食品用組成物。
  4. 前記増粘多糖類が、キサンタンガム及び/又はグアガムある、請求項1~3のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物を含有する、ベーカリー食品用プレミックス。
  6. 請求項1~4のいずれか1項に記載のベーカリー食品用組成物または請求項5に記載のベーカリー食品用プレミックスを含むベーカリー食品用生地。
  7. 請求項6に記載のベーカリー食品用生地を焼成してなるベーカリー食品。
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