JP6942502B2 - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるテープタイプの使い捨ておむつに関するものである。
使い捨ておむつには、主にテープタイプ、パンツタイプ、パッドタイプの三種類がある。このうち、テープタイプの使い捨ておむつは、展開状態で身体にあてがった後、背側部分の左右両側に設けられた連結部を腹側部分の外面に連結することにより装着を行うものである。
一般的なテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向中央より前側に延在する腹側部分、及び前後方向中央より後側に延在する背側部分を有し、少なくとも背側部分の胴周り部は左右両側に延び出たウイング部分を有し、腹側部分及び背側部分は左右のウイング部分の間に位置する中間部分を有し、背側部分のウイング部分は腹側部分の外面に着脱可能に連結される連結部を有している。通常、中間部分は、吸収体と、吸収体の表側を被覆する液透過性のトップシートと、吸収体の裏側を被覆する液不透過性シートとを有する本体により形成され、背側部分のウイング部分の全体又は先端側の一部が連結部を有するファスナアセンブリにより形成されている。使用時には、背側部分のウイング部分を腰の両側から腹側部分の外面に回して、背側部分のウイング部分の連結部を腹側部分の外面に連結する。このようなテープタイプ使い捨ておむつは、乳幼児向けとして用いられる他、介護用途(成人用途)で広く使用されている。
テープタイプ使い捨ておむつは、パンツタイプ使い捨ておむつと比べて胴周り方向のフィット性に劣る。このため、背側部分の胴周り部における本体に幅方向の伸縮領域(中間伸縮領域)を設けたり、ファスナアセンブリに幅方向の伸縮領域(サイド伸縮領域)を設けたりすることにより胴周りのフィット性を高めることが提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。
例えば、特許文献1記載のものでは、背側部分の胴周り部における本体に、幅方向に伸縮するウエスト伸縮シートが内蔵されており、このウエスト伸縮シートにより中間部分に幅方向の伸縮性が付加されている。
また、特許文献2記載のものは、背側部分の胴周り部における本体に、幅方向に伸縮するウエスト伸縮シートが内蔵されており、このウエスト伸縮シートにより中間部分からウイング部分の基端側にかけて幅方向の伸縮性が付加されている。
特許文献3記載のものは、中間部分を形成する本体と、この本体の側縁から突出するサイドパネル(ファスナアセンブリ)とを有し、このサイドパネルの先端部に連結部が設けられているものである。特許文献3記載のものは、幅方向に伸縮するウエスト伸縮シートが本体に内蔵されるとともに、サイドパネルが幅方向に伸縮するものとなっており、このウエスト伸縮シートにより中間部分に幅方向の伸縮性が付加され、サイドパネルによりウイング部分の伸縮性が付加されている。この形態は、より広範囲に伸縮性を付与することができるため好ましい。
しかしながら、特許文献1に詳述されているように、複数積層されたシート層と、幅方向の伸縮性を有するウエスト伸縮シートを、背側部分の胴周り部における本体に内蔵させて幅方向の伸縮領域を形成する場合、ウエスト伸縮シートの幅方向両端部まで伸縮性を有すると、製造時にウエスト伸縮シートの幅方向両端部に皺や捲れが生じ、製品状態での見栄えが悪くなるおそれがある。
このため、従来は、ウエスト伸縮シートの幅方向全体にわたり伸縮領域を設けることができず、サイドパネルに伸縮領域を設けたとしても、両者の伸縮領域が幅方向に少なからず離間し、左右のサイドパネルにわたる連続的な伸縮領域を形成することが困難であった。
特開2008−29749号公報 特開2005−152168号公報 特開2010−22550号公報
そこで、本発明の主たる課題は、左右のサイドパネルにわたる伸縮領域の連続性を向上させることにある。
上記課題を解決した本発明の代表的態様は以下のとおりである。
<第1の態様>
前後方向中央より前側に延在する腹側部分、及び前後方向中央より後側に延在する背側部分を有するとともに、
前記背側部分の胴周り部の両側部にそれぞれ取り付けられたサイドパネルと、
前記背側部分における少なくともサイドパネルの間に位置する領域に設けられたウエスト伸縮シートとを有しており、
前記サイドパネルは、前記背側部分に取り付けられた基端部と、前記腹側部分の外面に対して着脱可能に連結される連結部と、少なくとも前記基端部と連結部との間の部分に設けられた幅方向に伸縮するサイド伸縮領域とを有しており、
前記ウエスト伸縮シートは、幅方向両端部が非伸縮領域となっているとともに、これら非伸縮領域の間の部分は、幅方向に伸縮する中間伸縮領域となっている、
テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記サイドパネルのサイド伸縮領域の基端が、前記中間伸縮領域の側縁から幅方向に±20mmの範囲内に位置している、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本態様では、サイドパネルのサイド伸縮領域の基端が、中間伸縮領域の側縁から幅方向に±20mmの範囲内に位置しているため、左右のサイドパネルにわたる伸縮領域の連続性を向上させることができる。
<第2の態様>
少なくとも前記背側部分の胴周り部は、左右両側に延び出たウイング部分を有しており、
前記中間伸縮領域は、左右の前記ウイング部分にわたり延びている、
第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
サイドパネルを有する形態において、本態様のようにウイング部をあえて設け、中間伸縮領域の幅を拡大することにより、その分だけサイド伸縮領域の長さを短くすることができ、コストを低減することができる。
<第3の態様>
前記腹側部分にも、幅方向に伸縮するウエスト伸縮シートが設けられている、
第1又は2の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
腹側部分にもウエスト伸縮シートを備えることにより、胴周りに対するフィット性がより一層良好となる。
以上のとおり、本発明によれば、左右のサイドパネルにわたる伸縮領域の連続性が向上する、等の利点がもたらされる。
テープタイプ使い捨ておむつの内面を示す、本体のみ展開状態(サイドパネルは自然長状態)の平面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、本体のみ展開状態(サイドパネルは自然長状態)の平面図である。 図1の5−5線断面図である。 図1の6−6線断面図である。 (a)図1の7−7線断面図、(b)図1の8−8線断面図である。 (a)ウエスト伸縮シートの平面図、(b)ウエスト伸縮シートの断面図、(c)サイドパネルの平面図、(d)サイドパネルの断面図である。 図1の9−9線断面図である。 テープタイプ使い捨ておむつの外面を示す、本体のみ展開状態(サイドパネルは自然長状態)の平面図である。 他の形態における、図1の9−9線断面図である。 他の形態における、図1の9−9線断面図である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合するホットメルト接着剤を示しているが、ホットメルト接着剤に代えて、他の接着剤を用いたり、ヒートシール、超音波シール等の溶着を用いたりすることにより接合してもよいことはいうまでもない。また、以下の説明において、「前後方向LD(縦方向)」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向WD」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
図1〜図7はテープタイプ使い捨ておむつの一例を示している。このテープタイプ使い捨ておむつは、前後方向中央Cより前側に延在する腹側部分、及び前後方向中央Cより後側に延在する背側部分を有するものであり、背側部分Bの胴周り部の両側部から突出する、腹側部分Fと背側部分Bとを連結するサイドパネル13を備えている。図示例では、腹側部分F及び背側部分Bの胴周り部は、左右両側に延び出た(股間側の側縁よりも側方に位置する)ウイング部分WPを有し、腹側部分F及び背側部分Bは左右のウイング部分WPの間に位置する中間部分CPを有する(換言すれば、側縁が脚周りに沿うように前後方向LDの中間がくびれた)形態となっているが、腹側部分F及び背側部分Bの両方にウイング部分WPを有しない形態としたり、背側部分Bはウイング部分WPを有するが、腹側部分Fはウイング部分WPを有しない形態としたりすることもできる。
(本体)
中間部分CP、背側部分Bのウイング部分WPにおける先端側の一部を除く部分、及び腹側部分Fのウイング部分WPは、吸収体56と、吸収体56の表側を被覆する液透過性のトップシート30と、吸収体56の裏側を被覆する液不透過性シート11とを有する本体10により形成されている。本体10は、吸収体56よりも前側及び後側に延びる、吸収体56を有しないエンドフラップ部EFと、吸収体56よりも側方に延びる、吸収体56を有しないサイドフラップ部SFとを有している。
より詳細には、図示例では、本体10の外面全体が外装シート12により形成されており、その内面側に液不透過性シート11がホットメルト接着剤等の接着剤により固定され、さらにこの液不透過性シート11の内面側に吸収体56を含む吸収要素50、中間シート40、及びトップシート30がこの順に積層されている。トップシート30及び液不透過性シート11は図示例では長方形であり、吸収要素50よりも前後方向LD及び幅方向WDにおいて若干大きい寸法を有しており、トップシート30における吸収要素50の側縁よりはみ出る周縁部と、液不透過性シート11における吸収要素50の側縁よりはみ出る周縁部とがホットメルト接着剤などにより固着されている。この部分はエンドフラップ部EF及びサイドフラップ部SFの一部となる。
さらに、本体10の表面における幅方向WDの両側には、装着者の肌側に立ち上がる起き上がりギャザー60,60が設けられており、この起き上がりギャザー60,60を形成するギャザーシート62,62が、トップシート30の両側部から各サイドフラップ部SFまで延在されている。
以下、各部の素材及び特徴部分について順に説明する。
(外装シート)
外装シート12は、使い捨ておむつの裏面を布のような肌触り・外観とするために設けられる。外装シート12としては不織布が好適であるが、これに限定されない。不織布の種類は特に限定されず、素材繊維としては、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法としてはスパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いることができる。ただし、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好適である。不織布は一枚で使用する他、複数枚重ねて使用することもできる。後者の場合、不織布12相互をホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。不織布を用いる場合、その繊維目付けは10〜50g/m2、特に15〜30g/m2のものが望ましい。外装シート12は省略することもでき、その場合、使い捨ておむつの裏面に液不透過性シート11が露出する形態とすることができる。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に液不透過性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、この他にも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている液不透過性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この液不透過性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂又は疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
図示例の液不透過性シート11は、トップシート30よりも幅が若干広く、外装シート12より幅が狭くなっているが、これに限定されず、液不透過性シート11は外装シート12と同じ幅とするなど、適宜変更することができる。
(トップシート)
トップシート30としては液透過性を有するもの、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを用いることができる。不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
図示例のトップシート30は、吸収体56の側縁よりも側方に延びているが、これに限定されず、外装シート12の側縁まで延びていてもよく、また起き上がりギャザーを有する形態では起き上がりギャザーの付根部分まで延びていれば、吸収体の側縁よりも幅方向内側までしか延びていなくてもよいなど、適宜変更することができる。
(中間シート)
トップシート30を透過した***物を吸収体へ移動させ、逆戻りを防ぐために、トップシート30と吸収要素50との間に中間シート(セカンドシートともいわれる)40を設けることができる。この中間シート40は、***物を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した***物の吸収体からの逆戻りを防止し、トップシート30の表面の肌触りを良くするものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40の素材は特に限定されず、例えばトップシート30と同様の素材を用いることができる。中間シート40はトップシート30に接合するのが好ましく、その接合にヒートエンボスや超音波溶着を用いる場合は、中間シート40の素材はトップシート30と同程度の融点をもつものが好ましい。また、便中の固形分を透過させることを考慮するならば中間シート40に用いる繊維の繊度は5.0〜7.0dtexであるのが好ましいが、トップシート30における液残りが多くなる。これに対して、中間シート40に用いる繊維の繊度が1.0〜2.0dtexであると、トップシート30の液残りは発生しにくいが、便の固形分が透過し難くなる。よって、中間シート40に用いる不織布の繊維は繊度が2.0〜5.0dtex程度とするのが好ましい。なお、中間シート40はポリエチレンなどのフィルム素材に多数の細孔を設けたメッシュフィルムなどとすることも可能である。
図示の形態の中間シート40は、吸収要素50の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、おむつの全長と同一でもよいし、吸収要素50の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(吸収要素)
吸収要素50は、尿や軟便などの液を吸収保持する部分であり、図示例では吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有するものとなっている。吸収体56が形状維持性に優れる場合等、必要に応じて包装シート58は省略することもでき、その場合、吸収要素50は吸収体56のみからなる。吸収要素50は、その裏面においてホットメルト接着剤等の接着剤を介して液不透過性シート11の内面に接着することができる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は図示例のように長方形形状とする他、前後方向中間に、その前後両側よりも幅が狭い括れ部を有する砂時計形状とすると、脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体56の寸法は排尿口位置の前後左右にわたる限り適宜定めることができるが、前後方向LD及び幅方向WDにおいて、本体10の周縁近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の全幅を示し、符号10Xは本体10の全幅を示し、符号10Lは本体10の全長(図示形態ではおむつの全長に等しい)を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用できる。高吸収性ポリマー粒子の粒径は特に限定されないが、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)、及びこのふるい分けでふるい下に落下する粒子について180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)を行ったときに、500μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下で、180μmの標準ふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定なく用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう現象(いわゆる逆戻り)を発生しやすくなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概にはいえないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、巻き重なる部分及び前後はみ出し部分の重なり部分をホットメルト接着剤、素材溶着等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(サイドギャザー)
図2、3及び7に示すように、本体10の側部の前後方向LD中間に位置する脚周り部分のフィット性を向上させるために、サイドフラップ部SFの前後方向LD中間におけるシート層間に、前後方向LDに延びるサイド弾性部材70が設けられており、このサイド弾性部材70の伸縮により、サイド弾性部材70を有する部分(つまり図示例では後述するサイドフラップ部SF)が前後方向LDに伸縮するようになっている。
(起き上がりギャザー)
トップシート30上を横方向に移動する尿や軟便を遮り、横漏れを防止するために、使い捨ておむつの表面の幅方向WDの両側には、トップシート30の側部から肌側に立ち上がる(突出する)起き上がりギャザー60が前後方向全体にわたり設けられている。
図示例の起き上がりギャザー60は、サイドフラップ部SFを含む領域に固定された付根部分65と、この付根部分65から延び出た突出部分66と、この突出部分の前後方向両端部が倒伏状態に固定された倒伏部分67と、突出部分66のうち前後の倒伏部分間に位置する非固定の起き上がり部分68と、この起き上がり部分68の少なくとも先端部に、前後方向に伸張した状態で固定されたギャザー弾性部材63とを有している。起き上がりギャザー60は、先端で折り返されたギャザーシート62により形成されており、ギャザーシート62としては撥水性不織布を用いることができ、またギャザー弾性部材63としては糸ゴム等の細長状弾性部材を用いることができる。ギャザー弾性部材63は、図1及び図2に示すように各複数本、間隔を空けて設ける他、各1本設けることができる。ギャザー弾性部材63を有する部分の伸長率は特に限定されないが、通常の場合150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。
図示例の起き上がりギャザー60の付根部分65は、サイドフラップ部SFにのみ設けられており、液不透過性シート11の側部及び外装シート12の側部に接合されているが、サイドフラップ部SFから吸収体56と重なる領域の側部まで延びていてもよい。
起き上がりギャザー60の突出部分66は、前後方向LDの両端部が倒伏部分となっているものの、その間の部分は非固定の起き上がり部分68とされており、この起き上がり部分68がギャザー弾性部材63の収縮力により起立するようになる。おむつの装着時には、おむつが舟形に体に装着され、そしてギャザー弾性部材63の収縮力が作用するので、ギャザー弾性部材63の収縮力により起き上がりギャザー60が立ち上がり脚周りに弾力的に密着する。その結果、脚周りからのいわゆる横漏れが防止される。
(ウエスト伸縮シート)
背側部分Bにおける本体10の胴周り部には帯状のウエスト伸縮シート90が設けられ、背側部分Bが幅方向WDに弾性伸縮するものとなっていると好ましい。ウエスト伸縮シート90は、幅方向WDの両端部が非伸縮領域96となっているとともに、これら非伸縮領域96の間の部分は、幅方向WDに伸縮する中間伸縮領域95となっているものである。ウエスト伸縮シート90は、エンドフラップ部EFにのみ位置していてもよいが、図示例のようにエンドフラップ部EFから吸収体56の後端部までにわたるように配置されていると、吸収体56の後端部がしっかりと体に押し当てられるため、好ましい。
ウエスト伸縮シート90は、ゴムシート等のシート状弾性部材を用いても良いが、通気性の観点から不織布を用いるのが好ましい。この場合、伸縮不織布のような通気性を有するシート状弾性部材を用いることもできるが、図6に示すように、二枚の不織布等のシート層91をホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせるとともに、両シート層91間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性部材92を幅方向WDに沿って伸長した状態で固定したものが好適に用いられる。この場合におけるシート層91の素材としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。弾性部材92の伸長率は150〜250%程度であるのが好ましい。また、弾性部材92として細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの間隔72dで5〜15本程度設けるのが好ましい。
ウエスト伸縮シート90の幅は適宜定めることができるが、図示例のように、左右のサイドフラップ部SF間にわたる幅となっていることが好ましく、特に左右のウイング部分WP間にわたる幅となっていることが好ましい。具体的な寸法としては、ウエスト伸縮シート90の幅は本体10の全幅10Xの80〜95%程度とすることが好ましい。
ウエスト伸縮シート90における中間伸縮領域95及び非伸縮領域96の寸法は適宜定めることができるが、中間伸縮領域95の幅は後述する左右のサイドパネル13の連結部13A間の幅の45〜90%とすることが好ましく、非伸縮領域96の幅は本体10への取付け時の縮みやめくれ防止のため5〜50mm程度とすることが好ましい。非伸縮領域96は弾性部材92を有しない領域としてもよいが、特許文献3記載のように、中間伸縮領域95及び非伸縮領域96にわたり弾性部材92を取り付けるとともに、非伸縮領域96では弾性部材92を切断する等により、非伸縮領域96に弾性部材92が残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造としてもよい。
また、弾性部材92の一部が吸収体56を横断するように配置することもできるが、図6に示すように、弾性部材92が吸収体56と重なる部分の一部又は全部を切断する等により、弾性部材92が残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造とすると、吸収体56の後端部が幅方向に縮まないため、フィット性がさらに向上する。
ウエスト伸縮シート90は、図示形態では、液不透過性シート11と吸収要素50との間に配置されているが、この配置に特に限定されるものではない。例えば、ウエスト伸縮シート90は液不透過性シート11と外装シート12との間に配置されていてもよいし、外装シート12の外側に設けてもよい。また、外装シート12を複数枚のシート層を重ねて形成する場合には、ウエスト伸縮シート90全体を、外装シート12のシート層間に設けても良い。
図8に示すように、腹側部分Fにも、幅方向WDに伸縮するウエスト伸縮シート90が設けられていると、胴周りに対するフィット性がより一層良好となるため好ましい。
(サイドパネル)
サイドパネル13は、背側部分Bの両側部からそれぞれ突出するものであり、背側部分Bの本体10に取り付けられた基端部13Bと、腹側部分Fの外面に対して着脱可能に連結される連結部13Aと、少なくとも基端部13Bと連結部13Aとの間の部分に設けられた幅方向WDに伸縮するサイド伸縮領域13Eとを有するものである。
サイドパネル13の連結部13Aとしては、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフック材(雄材)を設ける他、粘着剤層を設けてもよい。フック材は、その連結面に多数の係合突起を有するものであり、係合突起の形状としては、(A)レ字状、(B)J字状、(C)マッシュルーム状、(D)T字状、(E)ダブルJ字状(J字状のものを背合わせに結合した形状のもの)等が存在するが、いずれの形状であっても良い。おむつの装着に際しては、背側部分Bのウイング部分WPを腰の両側から腹側部分Fの外面に回して、背側部分Bのウイング部分WPの連結部13Aを腹側部分F外面の適所に連結する。
サイドパネル13は、少なくとも基端部13Bと連結部13Aとの間の部分が幅方向WDに伸縮するサイド伸縮領域13Eとなっている。サイド伸縮領域13Eの伸長率は特に限定されないが、150〜250%程度であるのが好ましい。サイド伸縮領域13Eの構造は特に限定されるものではなく、例えばゴムシートや伸縮不織布等のようにそれ自体で弾性を有するシートを用いて、サイドパネル13の少なくともサイド伸縮領域13Eを形成することもできる。また、図6(c)(d)にも例示するように、二枚の不織布等のシート層13Sをホットメルト接着剤等の接着剤により貼り合わせるとともに、両シート層13S間に有孔のシート状、網状、細長状(糸状又は紐状等)等の弾性部材13Gを幅方向WDに沿って伸張した状態で固定したものを用いて、サイドパネル13の少なくともサイド伸縮領域13Eを形成するのも好適である。このようにシート層13Sに複数本の細長状弾性部材13Gを間隔を空けて取り付けたものは、使い捨ておむつの技術分野では汎用されているため製造が容易であるだけでなく、細長状弾性部材13Gの太さ、本数、伸長率、間隔、及び素材の種類を異ならしめることにより、サイドパネル13の収縮特性を容易に調整できる利点もある。この場合におけるシート層13Sの素材としては、外装シート12と同様のものを用いることができる。また、弾性部材13Gとして細長状(糸状又は紐状等)のものを用いる場合、例えば太さ420〜1120dtexのものを3〜10mmの前後方向間隔で5〜15本程度設けることができる。
サイド伸縮領域13Eは、少なくとも基端部13Bと連結部13Aとの間の部分に設けられる限り、サイドパネル13の幅方向WDの全体にわたり(つまり基端部13B及び連結部13Aを含む)設けられていてもよいが、基端部13Bや連結部13Aが収縮すると、連結部13Aの連結が不十分になるおそれや、基端部13Bの接合不良が発生するおそれがあるため、基端部13Bと連結部13Aとの間の幅方向WD範囲の80〜100%の範囲に設けられていることが好ましい。この場合、基端部13B及び連結部13Aは弾性部材13Gを有しない領域としてもよいが、サイドパネル13の幅方向WD全体にわたり弾性部材13Gを取り付けるとともに、基端部13B及び連結部13Aでは弾性部材13Gを切断する等することにより、基端部13B及び連結部13Aに弾性部材13Gが残留するもののほとんど又は全く伸縮しない構造としてもよい。
連結部13Aは、サイド伸縮領域13Eを構成するシート13Sに設けることもできるが、図示例のようにサイドパネル13の先端部にサイド伸縮領域13Eの先端から突出する支持片13Cを取付け、この支持片13Cに連結部13Aを設けると、製造が容易であるため好ましい。支持片13Cは、幅方向WD中間に連結部13Aを有し、先端部が連結部13Aを有しない摘み部となっていることが望ましい。支持片13Cの形状は適宜定めることができ、図示例では先端に向かうにつれて前後方向LDの長さが短くなっており、この前後方向LDの長さが短くなった部分に連結部13Aを有しているが、矩形状とすることもできる。支持片13Cを矩形状とする場合、サイド伸縮領域13Eを構成するシート13Sよりも前後方向LD長さが短いことが好ましい。支持片13Cの素材としては、不織布、プラスチックフィルム、ポリラミ不織布、紙やこれらの複合素材等、特に限定なく公知の素材を使用できるが、繊度1.0〜3.5dtex、目付け20〜100g/m2、厚み1mm以下のスパンボンド不織布、エアスルー不織布、又はスパンレース不織布が好ましい。
サイド伸縮領域13Eの基端は、中間伸縮領域95の側縁から幅方向WDに±20mmの範囲A1内、より好ましくは±10mmの範囲A1内に位置するように、サイドパネル13が本体10に取り付けられていると好ましい。これにより、左右のサイドパネル13にわたる伸縮領域の連続性を向上させることができる。
サイドパネル13の基端部13Bは、中間伸縮領域95と重なる位置に連結されていても、中間伸縮領域95の側縁に隣接して配置されていてもよい。サイドパネル13の基端部13Bと本体10との接合は、図示例のように前後方向LDに沿って細長く形成されていることが好ましく、また強固であることが好ましいため、超音波シールやヒートシール等の溶着によりなされていることが好ましいが、ホットメルト接着剤によりなされていてもよい。サイドパネル13の基端部13B(本体10に対する接合部分)の幅は0.5〜5mm以下であることが好ましい。
サイドパネル13の形状は適宜定めることができ、サイド伸縮領域13Eが図示例のような矩形であると製造が容易であるため好ましいが、サイド伸縮領域13Eが先端側に向かうにつれて前後方向LDの長さ短くなる台形とすることもできる。サイドパネル13の寸法は適宜定めることができるが、サイド伸縮領域13Eの前後方向LDの長さは40〜120mm程度であることが好ましく、サイド伸縮領域13Eの幅方向WDの長さは15〜100mm程度であることが好ましい。特に、後述するカバー部分80を有する場合、サイドパネル13の前後方向LD寸法は、カバー部分80を有しない場合と比べて短くしてもよいため、例えばカバー部分80の前後方向LD寸法の最小値(一定の場合はその値)の30〜60%とすることができる。
サイドパネル13の収縮応力は適宜定めることができるが、自然長状態から展開状態へ伸長する際の収縮応力はウエスト伸縮シート90を有する部分とサイドパネル13を比べると、同じ伸長率ではウエスト伸縮シート90を有する部分の方がサイドパネル13よりも収縮応力が大きいと好ましい。これにより、サイドパネル13が軽い力で伸縮するため、お腹が膨らんだり萎んだりするような胴周り方向の大きな変化に対する追従性に優れるものとなる。このとき、ウエスト伸縮シート90はより強い力でないと伸縮しないため、サイドパネル13が伸縮するときにはあまり伸縮しないが、体をねじる等の大きな力が働くときには伸縮して背側部分Bが良好にフィットするものとなる。このような効果は、後述するカバー部分80と腹側部分Fの外面との静摩擦係数の大小関係を有する場合に特に顕著となる。
(ターゲットシート)
腹側部分Fにおけるサイドパネル13の連結箇所には、連結を容易にするためのターゲットを有するターゲットシート12Tを設けるのが好ましい。ターゲットシート12Tは、連結部13Aがフック材の場合、フック材の係合突起が絡まるようなループ糸がプラスチックフィルムや不織布からなるシート基材の表面に多数設けられたものを用いることができ、また粘着材層の場合には粘着性に富むような表面が平滑なプラスチックフィルムからなるシート基材の表面に剥離処理を施したものを用いることができる。また、腹側部分Fにおけるサイドパネル13の連結箇所が不織布からなる場合、例えば図示形態の外装シート12が不織布からなる場合であって、サイドパネル13の連結部13Aがフック材の場合には、ターゲットシート12Tを省略し、フック材を外装シート12の不織布に絡ませて連結することもできる。この場合、ターゲットシート12Tを外装シート12と液不透過性シート11との間に設けてもよい。
(カバー部分)
背側部分Bの両側部は、サイドパネル13の厚み方向の内側に突出するカバー部分80(図1の左側のカバー部分のみ斜線を付し、カバー部分80を明示した)をそれぞれ有していると好ましい。カバー部分80は、サイド伸縮領域13Eが自然長の状態で、少なくともサイドパネル13の基端からサイド伸縮領域13Eの幅方向WDの中間までの領域について、その前後方向LD全体を被覆するものである。そして、このカバー部分80は少なくとも前記基端部を除く部分がサイドパネル13に接合されておらず、サイドパネル13に対して自由に移動及び伸縮できる部分である。図示例では、本体10の一部によりカバー部分が形成されているため、サイドパネル13の基端部13Bはカバー部分80と接合されており、それ以外の部分はサイドパネル13に接合されていない。このようなカバー部分80を有することにより、サイドパネル13の内面の大部分はカバー部分80により被覆されるため、サイドパネル13の伸縮領域に肌触りの柔軟性を確保しなくてもよく、例えば後述するサイドパネル13のように収縮皺が形成されるようなものを採用しても、カバー部分80により収縮皺の肌への接触をカバーすることができる。また、カバー部分80により脚周りの縁が形成されるため、サイドパネル13の伸縮領域の前後方向LDの寸法を必要以上に確保する必要はない。脚周りの縁を曲線状にする場合には、図示例のようにカバー部分80の下縁を脚周りに沿う曲線状に切断するだけで済み、サイドパネル13の下縁を切断するよりも低コストで済む。つまり、このようなカバー部分80を有することにより、サイドパネル13の伸縮性と肌触りの柔軟性を両立でき、サイドパネル13の寸法、形状の自由度が高いものとなる。
カバー部分80の幅方向WDの寸法は適宜定めることができるが、サイド伸縮領域13Eが自然長の状態で、サイド伸縮領域13Eの幅方向WDの50%以上、より好ましくは70%以上にわたりサイドパネル13の前後方向LDの全体がカバー部分80により被覆されるようになっていと好ましい。カバー部分80の先端は、サイド伸縮領域13Eが自然長の状態で、サイドパネル13の連結部13Aを被覆する位置まで側方に延びていてもよいし、図示例のようにサイドパネル13の連結部13Aより基端側に位置していてもよい。
カバー部分80の前後方向LD寸法は一定であってもよいが、カバー部分80の下縁は脚周りの縁となるため、これを脚周りに沿う曲線状にするため、又は他の目的のために、カバー部分80の前後方向LD寸法が側方に向かうにつれて連続的(図示例)又は段階的に減少しているのは好ましい形態である。
サイドパネル13を有するテープタイプ使い捨ておむつでは、本体10はウイング部分WPを有しなくてもよい。しかしその場合、カバー部分80を設けるには専用の部材を本体10に取り付けることが必要となる。これに対して、図示例のように、本体10の中間部分CPを構成するシート(図示例ではギャザーシート62及び外装シート12)によりウイング部分WPをあえて形成し、このウイング部分WPによりカバー部分80の少なくとも側部を形成すると、別途カバー部分80専用の部材を取り付ける必要がなくなるため好ましい。
カバー部分80の素材は特に限定されるものではないが、肌触り等を考慮すると、不織布が好適である。図示例では、ギャザーシート62がカバー部分80の内面を形成し、外装シート12がカバー部分80の外面を形成するため、これらの素材として不織布を用いることにより、肌触り及び強度に優れたカバー部分80を形成することができる。特に、腹側部分Fの外面(図示例では外装シート12)とカバー部分80の表面(図示例ではギャザーシート62)との静摩擦係数が、腹側部分Fの外面とサイドパネル13の表面との静摩擦係数よりも大きいものとなっていると、装着時に背側部分Bのカバー部分80が腹側部分Fの外面に対してずれにくく、胴周りの被覆が維持されやすいものでありながら、お腹が膨らんだり萎んだりするような胴周り寸法の変化に対してサイドパネル13が伸縮しやすいものとなる。
テープタイプ使い捨ておむつでは、製品状態では連結部13Aを有する部分を幅方向WDの中央側に折り返し、連結部13Aを仮止めしておくことが一般的となっている。サイドパネル13を有するテープタイプ使い捨ておむつにおいて、このような連結部13Aの仮止めを行う場合、連結部13Aをサイドパネル13に仮止めすることもできる。しかし、サイドパネル13のサイド伸縮領域13Eが、弾性部材と、この弾性部材の表裏両面を被覆するシート層とを有するとともに、自然長状態では弾性部材とともにシート層が収縮してシート層の表裏両面に収縮皺が形成され、かつ伸長状態では弾性部材とともにシート層が伸長して収縮皺が伸びるようになっているサイドパネル13の場合、収縮皺を有する面に連結部13Aを仮止めすることになり、仮止めが不十分となりやすい。これに対して、カバー部分80を設けると、図11及び図12に示すように、カバー部分80の先端と連結部13Aとの間の中間位置よりも先端側の部分をカバー部分80の上に折り返し、連結部13Aをカバー部分80に仮止めすることができる。これにより、カバー部分80は収縮皺がないため、仮止めが不十分になりにくいものとなる。
また、サイドパネル13の弾性部材の表裏両面を被覆するシート層が引張強度15〜30N/50mm、引張伸度40〜90%、厚み0.100〜0.245mmの不織布である場合、サイドパネル13の肌触りは柔軟となるが、連結部13Aをサイドパネル13に仮止めすると、弱いシート層に連結部13Aを仮止めすることになり、使用時に連結部13Aの仮止めを外すと、シート層が毛羽立つという問題がある。これに対して、カバー部分80を設けるとともに、カバー部分80の表面を、引張強度20〜35N/50mm、引張伸度10〜50%、厚み0.115〜0.260mmのスパンボンド不織布とし、図11及び図12に示すように、カバー部分80の先端と連結部13Aとの間の中間位置よりも先端側の部分をカバー部分80の上に折り返し、連結部13Aをカバー部分80に仮止めすると、仮止めを外したときの毛羽立ちが発生しにくくなる。
なお、サイドパネル13の折り返し位置は、図9に示すように支持片13Cにおける連結部13Aより基端側としても、図10に示すようにサイド伸縮領域13Eとしてもよい。
<明細書中の用語の説明>
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載がない限り、以下の意味を有するものである。
・「展開状態」とは自然長の状態から、収縮や弛みなく完全に完全に平坦に伸ばし広げた状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置した後常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「人工尿」は、尿素:2wt%、塩化ナトリウム:0.8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.03wt%、硫酸マグネシウム七水和物:0.08wt%、及びイオン交換水:97.09wt%を混合したものであり、特に記載のない限り、温度37度で使用される。
・厚みはKES測定器(例えばカトーテック株式会社製の型式「KES−G5」)を用いて測定することができる。加圧板の降下速度0.002cm/s、荷重の最大値を0.098N/cm2とし、最大荷重時の厚みを読み取る。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、10倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「吸水量」は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・試験や測定における環境条件についての記載がない場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載がない限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなテープタイプ使い捨ておむつに利用可能なものである。
B…背側部分、C…前後方向中央、CP…中間部分、EF…エンドフラップ部、F…腹側部分、LD…前後方向、SF…サイドフラップ部、WD…幅方向、WP…ウイング部分、10…本体、11…液不透過性シート、12…外装シート、12T…ターゲットシート、13…サイドパネル、13A…連結部、13B…基端部、13C…支持片、13E…サイド伸縮領域、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…起き上がりギャザー、62…ギャザーシート、63…ギャザー弾性部材、70…サイド弾性部材、80…カバー部分、90…ウエスト伸縮シート、95…中間伸縮領域、96…非伸縮領域。

Claims (3)

  1. 前後方向中央より前側に延在する腹側部分、及び前後方向中央より後側に延在する背側部分を有するとともに、
    前記背側部分の胴周り部の両側部にそれぞれ取り付けられたサイドパネルと、
    前記背側部分における少なくともサイドパネルの間に位置する領域に設けられたウエスト伸縮シートとを有しており、
    前記サイドパネルは、前記背側部分に取り付けられた基端部と、前記腹側部分の外面に対して着脱可能に連結される連結部と、少なくとも前記基端部と連結部との間の部分に設けられた幅方向に伸縮するサイド伸縮領域とを有しており、
    前記ウエスト伸縮シートは、幅方向両端部が非伸縮領域となっているとともに、これら非伸縮領域の間の部分は、幅方向に伸縮する中間伸縮領域となっている、
    テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
    前記サイドパネルのサイド伸縮領域の基端が、前記中間伸縮領域の側縁から幅方向に±20mmの範囲内に位置しており、
    前記背側部分の両側部は、前記サイドパネルの厚み方向の内側に突出するカバー部分をそれぞれ有しており、
    前記カバー部分は、前記サイド伸縮領域が自然長の状態で、少なくとも前記サイドパネルの基端から前記サイド伸縮領域の幅方向の中間までの領域の前後方向全体を被覆するものであり、
    前記サイドパネルにおける少なくとも前記基端部を除く部分は前記カバー部分に接合されておらず、
    前記カバー部分は、前記サイドパネルの前後方向の両側にはみ出ており
    前記腹側部分の外面と前記カバー部分の内面との静摩擦係数が、前記腹側部分の外面と前記サイドパネルの内面との静摩擦係数より大きい、
    ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
  2. 少なくとも前記背側部分の胴周り部は左右両側に延び出たウイング部分を有しており、
    前記腹側部分及び背側部分は左右のウイング部分の間に位置する中間部分を有しており、
    前記ウイング部分は、前記中間部分を構成するシートが側方に延び出た部分であり、
    前記カバー部分の少なくとも側部が前記ウイング部分により形成されている、
    請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記前記サイド伸縮領域及び前記中間伸縮領域は、同じ伸長率では前記中間伸縮領域の方が前記サイド伸縮領域よりも収縮応力が大きい、
    請求項1又は2記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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