JP6939988B2 - 血液成分分離デバイス、血液成分分離方法、及び血液成分分析方法 - Google Patents

血液成分分離デバイス、血液成分分離方法、及び血液成分分析方法 Download PDF

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Description

本発明は、血液成分分離デバイス、血液成分分離方法、及び血液成分分析方法に関する。
血液検査を行う際には、通常、血球成分と血漿成分とに分離され、それぞれ分析が行われる。血球成分と血漿成分とを分離する方法としては、遠心分離法、血球分離フィルターを用いる方法等がある。
しかし、遠心分離法では、遠心分離の操作が煩雑であった。また、血球分離フィルターとしては、例えば、特許文献1には、血液濾過用のガラス繊維フィルター等が記載されている。しかし、従来の血球分離フィルターを用いた方法では、血球画分への血漿成分の混入を十分に防ぐことができなかった。
特開2006−38512号公報
本発明の一実施態様は、血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、を含む、血液成分分離デバイス、である。前記第2流路は、第2導入口を有し、且つ前記第1流路の前記フィルター部で前記第1流路と交差していてもよい。
また、本発明の一実施態様は、前記血液成分分離デバイスを用いて、血液成分を分離する方法であって、(a)前記第1導入口から、血球と血漿とを含む溶液を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記溶液中の血球を捕捉させ、前記溶液中の血漿を前記第1流路において移動させる工程と、(b)前記第1導入口又は前記第2導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させ、溶血により放出された血球成分を前記第2流路において移動させる工程と、を含む、方法である。
また、本発明の一実施態様は、前記血液成分分離デバイスを用いて、血液成分を分析する方法であって、(a)前記第1導入口から、血球と血漿とを含む溶液を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記溶液中の血球を捕捉させる工程と、(b)前記工程(a)の後、前記第1導入口又は前記第2導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する工程と、(c)前記工程(b)の後、前記第1導入口又は前記第2導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる工程と、(d)前記工程(c)で溶血させた前記血球を分析する工程と、を含む、方法である。
また、本発明の一実施態様は、ヘモグロビンA1cを分析する方法であって、(a)血球と血漿とを分離するフィルターに血球と血漿とを含む溶液中の血球を捕捉させる工程と、(b)前記工程(a)の後、前記フィルターに洗浄液を通過させ、前記フィルター内の血漿を除去する工程と、(c)前記工程(b)の後、前記フィルターに溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる工程と、(d)前記工程(c)で溶血させた前記血球中のヘモグロビンA1cを分析する工程と、を含む、方法である。
本発明の1実施形態に係る血液成分分離デバイスの一例を示す模式図である。 本発明に係る血液成分分離デバイスの変形例1を示す模式図である。 本発明に係る血液成分分離デバイスの変形例2を示す模式図である。 本発明に係る血液成分分離デバイスの変形例3を示す模式図である。 本発明に係る血液成分分離デバイスの変形例4を示す模式図である。 本発明に係る血液成分分離デバイスの変形例5を示す模式図である。 本発明に係る血液成分分離デバイスの変形例6を示す模式図である。 (a)及び(b)は、図7の血液成分分離デバイス700のポンプ部P1、P2の構造の一例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、図8のポンプ部の一例の動作を説明する断面図である。 図7の血液成分分離デバイス700のポンプ部P1、P2に適用可能な2色成型バルブの構造の一例を示す断面図である。 図7の血液成分分離デバイス700のポンプ部P1、P2に適用可能な2色成型バルブの構造の一例を示す断面図である。 実験例において、HbA1c測定値に及ぼす血漿含有量の影響を評価した結果を示すグラフである。 実験例で用いた血液成分分離デバイスの構造を示す模式図である。 実験例において、血球画分中の血漿を測定した結果を示すグラフである。 実験例において、血球画分中の血漿を測定した結果を示すグラフである。 実験例において、20μL、25μL又は30μLの洗浄液でフィルターを洗浄後、血球を溶血して回収した後の各血液成分分離デバイスの写真である。 実験例において、HbA1c測定値の再現性を評価した結果を示すグラフである。 実験例において、HbA1c測定値の再現性を評価した結果を示すグラフである。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一又は対応する符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
[血液成分分離デバイス]
1実施形態において、本発明は、第1導入口と、血球と血漿とを分離するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、を含む、血液成分分離デバイスを提供する。
図1は、本実施形態の血液成分分離デバイスの一例を示す模式図である。血液成分分離デバイス100は、第1流路10、第2流路20、第3流路30、血漿分析部50、及び血球分析部60を備えている。第1流路10は、第1導入口12とフィルター部11とを有している。第2流路20及び第3流路30は、第1流路10のフィルター部11に接続し、フィルター部11で第1流路10と交差している。
第1流路10、第2流路20、及び第3流路30は、例えば、ガラス管、樹脂管等の管で形成してもよく、貼り合された2枚のプレートの間に溝を形成することにより流路を形成してもよい。
第1流路10、第2流路20、及び第3流路30の幅及び高さは、特に限定されず、試料の種類に応じて、任意に選択すればよい。例えば、これらの流路の幅及び高さは、試料が通過できる程度の大きさとすることができ、1μm以上、10μm以上、50μm以上、100μm以上等が例示される。第1流路10、第2流路20、及び第3流路30の幅は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、全血試料を用いる場合、第1流路10の直径としては、50μm以上、80μm以上、100μm以上等が例示できる。これらの流路の幅及び高さの上限値は、特に限定されず、血液成分分離デバイスのサイズに応じて適宜選択すればよい。これらの流路の幅及び高さの上限値としては、例えば、100mm以下、50mm以下、10mm以下、5m以下、2mm以下等が挙げられる。一例として、幅0.5〜2.0mm程度、高さ0.2mm〜2.0mm程度が挙げられる。
第1流路10、第2流路20、及び第3流路30の形状は、特に限定されず、流路断面が円形であってもよく、矩形であってもよい。
(第1流路)
第1流路10は、第1導入口12、フィルター部11、及びバルブV1を備えている。
第1導入口12は、第1流路10に血球と血漿とを含む溶液を導入する。また、その他の試料や試薬等を導入するために用いられてもよい。第1導入口12は、試料を導入しやすいように漏斗状になっていてもよい。
フィルター部11は、流路内に血球を捕捉するフィルターが設置された部位である。血球を捕捉するフィルターは、血液中の血球を選択的に捕捉して、血漿を含む、血液中の血球以外の成分から分離する。そのため、血液中の血球と血漿とを分離することが可能となる。フィルターは血球を捕捉し、且つ血漿が通過可能な材質及び構造を備えるものであれば特に限定されず、公知の血球分離フィルターを用いることができる。
フィルターとしては、例えば、多孔質膜や、ガラス繊維膜等が例示される。フィルターの材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ウレタン、アクリル、レーヨン、ガラス等が挙げられる。
フィルターとしては、例えば、上記素材を成形した繊維を不織布状に集積させたもの、上記素材を用いて連続孔が形成された連続気泡発泡体などの成形体、上記素材を成形した略球形の微粒子を細密充填構造となるように集積したもの、あるいはこの集積したものを焼結することにより一体成形したもの、上記素材を成形したフィルムに貫通孔を形成させたもの、あるいはフィルムの片面ないし両面にコロナ放電やプレス加工によりシボ加工したシートを多数枚積層したもの等が挙げられる。
フィルターの平均孔径は、血球を捕捉し且つ血漿の通過を阻害しない程度であればよく、例えば、2〜10μm、又は3〜8μm等が挙げられる。平均孔径は、バブルポイント試験法(JIS K 3832)や電子顕微鏡による拡大画像を用いた実測法などにより計測される。
フィルターの空隙率は、特に限定されないが、実用可能な濾過時間の確保及びフィルタの安定性を維持するために、例えば、20〜97%、30〜95%等が例示される。
バルブV1は、第1流路10を開状態又は閉状態に制御するためのものである。バルブV1は、第1流路10において、フィルター部11に対して、第1導入口12とは逆側に配置されている。第1流路10において、第1導入口12、フィルター部11、及びバルブV1が、この順に並んでいる。この時、第1導入口12が第1流路10の上流側であり、バルブ部V1は下流側である。第1導入口12から導入された溶液は、フィルター部11を通過し、バルブ部V1に向かって流れる。バルブV1の構造は、特に限定されず、流体デバイス等に使用される任意のバルブを用いることができる。一例として、後述する、図7におけるポンプ部P1、P2を構成するバルブと同様のものを用いることができる。
バルブV1は、一例として、フィルター部11の下流側の末端の近傍に配置されている。デッドボリュームを小さくするため、例えば、バルブV1とフィルター部11とが接していることが好ましい。あるいは、バルブV1とフィルター部11との間が離れて配置されている場合であっても、バルブV1の端部とフィルター部11の端部との間の距離は広くとも数ミリ程度であることが好ましい。バルブV1の端部とフィルター部11の端部との距離は、0〜10mm程度であり、0〜5mm程度である。バルブV1をフィルター部11の近傍に配置することにより、後述する溶血工程により溶血された血球画分を第2流路20又は第3流路30を介して、効率よく回収することができる。
なお、本実施形態の血液成分分離デバイスは、バルブV1を設けない構成としてもよい。また、第1導入口12とフィルター部11とが離れて配置されている場合には、第1導入口12とフィルター部11との間にもバルブを設けるようにしてもよい。
第1流路10の、フィルター部11に対する、第1導入口12とは逆側は、血漿分析部50に接続している。血漿分析部50は、フィルター部11を通過した血漿を分析するためのものである。血漿分析部50は、目的に応じて任意の血漿成分を分析可能な構成とすることができる。例えば、血漿分析部50は、グルコース分析部であってもよい。血漿分析部50は、全コレステロール、LDL、HDL、TG、UA、血中クレアチニン、アルブミン、総タンパク質、ALT、AST、γGTP、BUN、Kイオン、Naイオン、Caイオン、及びClイオン等を分析するものであってもよい。また、血漿分析部50は、BV、HCV、CRP、cTnT、cTnI、BNP、H−FAB、CK−MB、及びIL−6等を分析するものであってもよく、腫瘍マーカー、miRNA等を分析するものであってもよい。血漿分析部50は、単独項目を分析するものであってもよく、複数項目を分析するものであってもよい。 血液成分分離デバイスが、血漿分析部50を備えることにより、フィルター部11で分離した血漿成分をそのままデバイス内で分析することができる。フィルター部11から血漿分析部50までは血液成分分離デバイス上の流路を介して、血漿成分が送液されるため、コンタミネーション等のおそれや、装置の汚染等の心配がなく、簡便な血漿成分の分析が可能となる。また、血球成分の分離からダイレクトに血漿成分を測定できるので、非特異的な測定物のロスがなくなり精度が上がり、さらに検査時間が短時間になる。
本実施形態の血液成分分離デバイスは、血漿分析部50及び/又は血漿回収部を設けてもよい。あるいは、本実施形態の血液成分分離デバイスは、血漿分析部50の替わりに、血漿回収部を設け、フィルター部11を通過した血漿を回収する構成としてもよい。回収した血漿は、手作業や血漿分析装置等を用いて分析を行ってもよく、後の分析等のために保存してもよい。また、血漿分析部50とともに、血漿回収部を設ける構成としてもよい。この場合、血漿分析部50で分析を終えた血漿を、血漿回収部で回収する構成とすることができる。
第1流路10は、さらに、流路内の流体の流れを制御する流体制御部を備えていてもよい。第1流路10が、流体制御部を備える場合、一例として、流体制御部は、フィルター部に対して、第1導入口とは逆側に配置される。この場合、第1導入口12と流体制御部との間にフィルター部11が配置されるため、第1導入口12から第1流路内に導入された試料がフィルター部11を通過する速度を、流体制御部により制御することができる。
流体制御部は、流体デバイス等で流路内の流体の流れを制御するために用いられる任意の構成を採用することができる。流体制御部としては、例えば、吸気ポンプに接続する吸気ポート、ポンプ、バルブ等が挙げられる。
第1流路10において、流体は、流路の軸方向を上流から下流に向かって移動する。この方向を第1方向、または、第1流路の軸方向と称してもよい。第1方向とは、第1導入口12からフィルター部11へと向かう方向であり、また、バルブV1を備える場合、フィルター部11からバルブV1に向かう方向である。
また、第1流路10は、さらに、後述する洗浄工程において、洗浄液を回収する廃液回収部等を備えていてもよい。
(第2流路)
第2流路20は、第1流路10の軸方向とは異なる方向において、第1流路10のフィルター部11に接続している。第2流路20は、フィルター部11で第1流路10と交差している。第2流路20、第2導入口22と、第1流路10との接続部を挟んだ両側に配置されるバルブV2a、V2bとを備えている。
第2流路20が、第1流路10と交差する角度は、特に限定されず、任意の角度とすることができる。一例として、第2流路20は、第1流路10と直交している。また、一例として、第2流路20と第1流路10とは、略同一平面上に配置される。これらの流路を略同一平面上に配置することにより、血液成分分離デバイスを小型化することができる。
第2導入口22は、第2流路20に、溶血剤等の試薬を導入するために用いられる。第2導入口22は、試薬等を導入しやすいように漏斗状になっていてもよい。また、第2導入口22は、図示しない薬液ポート等に接続する構成であってもよい。
バルブV2a、V2bは、第2流路20を開状態又は閉状態に制御するためのものである。バルブV2a、V2bの構造は、特に限定されず、流体デバイス等に使用される任意のバルブを用いることができる。一例として、上述のバルブV1と同様のバルブを採用してもよい。
バルブV2a、V2bは、一例として、フィルター部11の近傍に配置されている。デッドボリュームを小さくするため、例えば、バルブV2a、V2bとフィルター部11とが接していることが好ましい。あるいは、バルブV2a、V2bとフィルター部11との間が離れて配置されている場合であっても、バルブV2a、V2bの端部とフィルター部11の端部との間の距離は広くとも数ミリ程度であることが好ましい。バルブV2a、V2bの端部とフィルター部11の端部との距離は、0〜10mm程度であり、0〜5mm程度である。バルブV2a、V2bをフィルター部11の近傍に配置することにより、フィルター部11における血液成分の分離を効率よく行うことができる。
なお、本実施形態の血液成分分離デバイスは、バルブV2a、V2bを設けない構成としてもよく、バルブV2a、V2bのいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。バルブV2aを備えることにより、第1流路10において血球成分と血漿成分とを分離している間はバルブV2aを閉じておき、血球成分と血漿成分との分離反応後にバルブV2aを解放することが可能となる。このことは、事前に第2導入口22に試薬を導入しておく場合などに有効である。また、バルブV2bを備えることにより、第2流路20に試薬などを滞留することが可能となる。このことは、フィルター部11中の成分と試薬との反応に時間を要する場合などに有効である。
第2流路20の、フィルター部11に対する第2導入口22とは逆側は、閉鎖されていてもよく、開放されていてもよい。あるいは、廃液回収部等に接続していてもよい。
第2流路20において、流体は第1方向とは異なる第2方向に移動する。第2方向は、第1流路の軸方向と異なる方向であり、第2流路の軸方向である。第2方向とは、第2導入口22からフィルター部11にむかう方向である。
(第3流路)
第3流路30は、第1流路10の軸方向とは異なる方向において、第1流路10のフィルター部11に接続している。第3流路30は、第2流路20とは異なる位置において、フィルター部11で第1流路10と交差している。第1流路10においては、第1導入口12、第2流路20との接続部、第3流路30との接続部が、この順番で配置されている。また、第1流路10においては、第1導入口12、第3流路30との接続部、及び第2流路20との接続部が、この順番で配置されていてもよい。第3流路30は、第1流路10との接続部を挟んだ両側に配置されるバルブV3a、V3bとを備えている。
第3流路30が、第1流路10と交差する角度は、特に限定されず、任意の角度とすることができる。第2流路20と第3流路とは、実質同一の角度で第1流路10と交差してもよい。一例として、第3流路30は、第1流路10と直交している。また、一例として、第3流路30は、第1流路10及び第2流路20と、略同一平面上に配置される。これらの流路を略同一平面上に配置することにより、血液成分分離デバイスを小型化することができる。
バルブV3a、V3bは、第3流路30を開状態又は閉状態に制御するためのものである。バルブV3a、V3bは、第1流路10との接続部を挟んだ両側に配置されている。第3流路30において、バルブV3a、第1流路10との接続部、及びバルブV3bが、この順に配置されている。バルブV3a、V3bの構造は、特に限定されず、流体デバイス等に使用される任意のバルブを用いることができる。一例として、上述のバルブV1、V2a、V2bと同様のバルブを採用してもよい。
バルブV3a、V3bは、一例として、フィルター部11の近傍に配置されている。デッドボリュームを小さくするため、例えば、バルブV3a、V3bとフィルター部11とが接していることが好ましい。あるいは、バルブV3a、V3bとフィルター部11との間が離れて配置されている場合であっても、バルブV3a、V3bの端部とフィルター部11の端部との間の距離は広くとも数ミリ程度であることが好ましい。バルブV3a、V3bの端部とフィルター部11の端部との距離は、0〜10mm程度であり、0〜5mm程度である。バルブV3a、V3bをフィルター部11の近傍に配置することにより、フィルター部11における血液成分の分離を効率よく行うことができる。
なお、本実施形態の血液成分分離デバイスは、バルブV3a、V3bを設けない構成としてもよく、バルブV3a、V3bのいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。バルブV3aを備えることにより、第1流路10において血球成分と血漿成分とを分離している間はバルブV3aを閉じておき、血球成分と血漿成分との分離反応後にバルブV3aを解放することが可能となる。また、バルブV3bを備えることにより、第3流路30に試薬などを滞留することが可能となる。このことは、フィルター部11中の成分と試薬との反応に時間を要する場合などに有効である。
第3流路30は、血球分析部60に接続している。血球分析部60は、フィルター部11により捕捉された血球を分析するためのものである。後述するように、フィルター部11に捕捉された血球は、溶血剤等により溶血され、第3流路30を介して血球分析部60に運ばれる。血球分析部60は、目的に応じて任意の血球成分を分析可能な構成とすることができる。例えば、血球分析部60は、ヘモグロビンA1c(HbA1c)を分析可能な構成(HbA1c測定部)であってもよい。一例として、血球分析部60は、ラテックス凝集法により、HbA1cを測定する構成を備える。血球分析部60は、ヘモグロビン量を測定する構成を備えていてもよい。また、血球分析部60は、グルコース6リン酸脱水素酵素やピルピン酸キナーゼ等に代表される、赤血球酵素の活性を測定する構成を備えていてもよい。血球分析部60は、単独項目を分析するものであってもよく、複数項目を分析するものであってもよい。
血液成分分離デバイスが、血球分析部60を備えることにより、フィルター部11で分離した血球成分をそのままデバイス内で分析することができる。フィルター部11から血球分析部60までは血液成分分離デバイス上の流路を介して、血球成分が送液されるため、コンタミネーション等のおそれがなく、また簡便な血球成分の分析が可能となる。
本実施形態の血液成分分離デバイスは、血球分析部60及び/又は血球回収部を設けてもよい。本実施形態の血液成分分離デバイスは、血球分析部60の替わりに、血球回収部を設け、フィルター部11に捕捉され溶血された血球成分を回収する構成としてもよい。回収した血球成分は、手作業や血球成分析装置(HbA1c測定装置など)等を用いて分析を行ってもよく、後の分析等のために保存してもよい。また、血球分析部60とともに、血球回収部を設ける構成としてもよい。この場合、血球分析部60で分析を終えた血球成分を、血球回収部で回収する構成とすることができる。
第3流路30は、さらに、流路内の流体の流れを制御する流体制御部を備えていてもよい。第3流路30が、流体制御部を備えることにより、フィルター部11から第3流路30への流体の流れを制御することができる。
流体制御部は、流体デバイス等で流路内の流体の流れを制御するために用いられる任意の構成を採用することができる。流体制御部としては、例えば、吸気ポンプに接続する吸気ポート、ポンプ、バルブ等が挙げられる。
第3流路30の血球分析部60に接続しない他端は、閉鎖されていてもよく、開放されていてもよい。あるいは、廃液回収部等に接続していてもよい。
第3流路30において、流体は第1方向とは異なる第3方向に移動する。第3方向は、第3流路30の軸方向である。第3方向とは、フィルター部11から血球分析部60または血球回収部に向かう方向である。第2流路20と第3流路30とは略平行であってもよく、この場合第2方向と第3方向とは略同一である。
(使用方法)
上記のような構成を備えた血液成分分離デバイス100の使用方法について、例を挙げて説明する。
まず、バルブV1を開状態にし、バルブV2a、V2b、V3a、V3bを閉状態にする。この状態で、第1導入口12から、第1流路10に、血液試料を導入する。血液試料は、血球成分と血漿成分とを含むものであれば、特に限定されないが、一例として全血試料が挙げられる。また、血液試料は、全血試料から、白血球等を除去したものであってもよい。
第1導入口12から第1流路10に導入された血液試料は、フィルター部11を通過する。この際、血球はフィルターに選択的に捕捉される。血漿の大部分はフィルターを通過する。一部の血漿はフィルターに残存することもある。第1流路10が、流体制御部を有する場合には、流体制御部により、フィルター部11を通過する血液試料の流れを制御してもよい。血液試料の流れを制御することにより、フィルター部11における血液試料の通過速度を短縮することができる。
フィルター部11を通過した血漿は、第1流路10に接続する血漿分析部50において分析される。なお、血球成分分離デバイスが、血漿分析部50に替えて血漿回収部を備える場合には、血漿回収部において血漿を回収してもよい。
次に、第1導入口12から、第1流路10に、洗浄液を導入する。洗浄液は、血球を破壊しないものであれば、特に限定されず、公知の細胞洗浄液等を用いることができる。洗浄液としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate buffered saline:PBS)、生理食塩水等が挙げられる。これにより、フィルター部11に残っている血漿を除去することができる。血液成分分離デバイス100が、流体制御部を有する場合には、流体制御部により、フィルター部11を通過する洗浄液の流れを制御してもよい。洗浄液の流れを制御することにより、フィルター部11の洗浄を短縮することができる。
フィルター部を洗浄した洗浄液は、血漿分析部50において回収してもよく、第1流路10が血漿回収部や廃液回収部を備えている場合には、これらにより回収してもよい。
上記の洗浄工程は、バルブV2aを開状態にし、第2導入口22から洗浄液を導入することにより行ってもよい。第2導入口22から導入された洗浄液は、第2流路20を介して、フィルター部11に導入される。フィルター部11に導入された洗浄液により、上記と同様に、フィルター部11に残っている血漿を除去することができる。
あるいは、第3流路30のバルブV3aを有する一端が、廃液回収部に接続している場合には、バルブV1を閉状態にし、バルブV3aを開状態にして、第1導入口12から洗浄液を導入してもよい。この場合、第3流路30を介して、第3流路30に接続する廃液回収部に、フィルター部11に残っている血漿を洗浄液とともに回収することができる。
また、バルブV2a、V3aを開状態とし、第2導入口22から、第2流路を介して、洗浄液をフィルター部11に導入してもよい。この場合も、第3流路30を介して、第3流路30に接続する廃液回収部に、フィルター部11に残っている血漿を洗浄液とともに回収することができる。
次に、バルブV1、V2b、V3aを閉状態にし、バルブV2a、V3bを開状態にする。この状態で、第2導入口22から、第2流路20に溶血剤を導入する。溶血剤は、血球(例えば、赤血球)を破壊できるものであればよく、公知の溶血剤と特に限定なく用いることができる。溶血剤としては、例えば、低張液、水等が挙げられる。第2導入口22から導入れた溶血剤は、第2流路20を介してフィルター部11に到達し、血液試料がフィルター部11を移動した方向(第1方向)と同じ方向にフィルター部11を移動する。この際に、フィルターに捕捉されている血球(例えば、赤血球)が溶血剤により溶血される。溶血により放出された血球成分は、溶血剤とともにフィルター部11を移動し、第3流路30との接続部に到達すると、第3流路30へと移動する。
第2流路20又は第3流路30が、流体制御部を有する場合には、流体制御部により、第2流路からフィルター部11への溶血剤の流れ、及びフィルター部11から第3流路30への血球成分の流れを制御してもよい。これらの流れを制御することにより、血球成分が血球分析部60に到達する時間を短縮することができる。
フィルター部11から第3流路30に移動した血球成分は、第3流路30に接続する血球分析部60において分析される。なお、血球成分分離デバイスが、血球分析部60に替えて血球回収部を備える場合には、血球回収部において血球成分を回収してもよい。
上記の溶血工程は、バルブV1、V2a、V2b、V3aを閉状態にし、バルブV3bを開状態にして、第1導入口12から溶血剤を導入することにより行ってもよい。第1導入口12から導入された溶血剤は、フィルター部11に捕捉されている血球を溶血し、放出された血球成分は、上記と同様に、第3流路を介して血球分析部60へと移動する。
上記のように、本実施形態の血液成分分離デバイスを用いることにより、血漿と血球とを分離した後、それぞれ回収又は分析を行うことができる。特に、血液成分分離デバイスが、血漿分析部50と血球分析部60との両方を備える場合には、血漿分析と血球分析とを1つのデバイスで同時に行うことができるため、迅速且つ簡易に血液分析を行うことができる。血球分離部(フィルター部)と血漿分析部、また、血球分離部(フィルター部)と血球分析部とが、流路で接続されているため、コンタミネーションのおそれがないというメリットがある。
また、従来の血球分離方法では、血球画分への血漿の混入を防ぐことができず、当該血漿の混入により血球成分の分析結果が不安定となる場合があった。例えば、後述する実施例で示すように、血漿が存在する血球試料でHbA1cを測定した場合、測定値が不安定となり、信頼できる測定値を得ることができない。
本実施形態の血液成分分離デバイスでは、フィルターで血球を捕捉した後、洗浄液でフィルターに残っている血漿を除去することができるため、血球画分への血漿の混入量を低減することができる。これにより、血球成分分析における血漿の影響を低減し、安定した血球成分測定値を得ることが可能となる。
本実施形態の血液成分分離デバイスは、上記で説明した態様に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を適宜変更することができる。例えば、以下のような変形例1〜6も、本実施形態の血液成分分離デバイスの範囲内である。
<変形例1>
図2は、本実施形態の血液成分分離デバイスの変形例1を示す模式図である。血液成分分離デバイス200は、第3流路30を有さない以外は、血液成分分離デバイス100と同様の構成となっている。第2流路20の、第1流路との接続部に対する、第2導入口22とは逆側は、血球分析部60に接続している。
血液成分分離デバイス200では、フィルター部11に捕捉された血球を溶血させる溶血工程において、バルブV1を閉状態とし、バルブV2a、V2bを開状態として、第2導入口22から、第2流路20に、溶血剤を導入する。第2流路20に導入された溶血剤は、第2流路20を介してフィルター部11に到達し、血液試料がフィルター部11を移動した方向(第1方向)とは異なる方向(第2方向)にフィルター部11を移動する。溶血剤が移動する第2方向上に捕捉されている血球は、溶血剤により溶血される。溶血により放出された血球成分は、フィルター部11から第2流路20を介して血球分析部60に運ばれ、血球分析部60において分析される。
第2流路20は、血球分析部60に替えて、又は血球分析部60に加えて、血球回収部を備えていてもよい。また、第2流路20は、第2流路20における流体の流れを制御する流体制御部を備えていてもよい。後述する変形例4、変形例5でも同様である。
<変形例2>
図3は、本実施形態の血液成分分離デバイスの変形例2を示す模式図である。血液成分分離デバイス300は、第2流路20及び第3流路30が第1流路10と交差していない以外は、血液成分分離デバイス100と同様の構成となっている。血液成分分離デバイス300において、第2流路20及び第3流路30は、それぞれフィルター部11から突き出るような構成となっている。
血液成分分離デバイス300では、フィルター部11に捕捉された血球を溶血させる溶血工程において、バルブV1を閉状態とし、バルブV2a、V3aを開状態として、第2導入口22から、第2流路20に、溶血剤を導入する。第2流路20に導入された溶血された溶血剤は、第2流路20を介してフィルター部11に到達し、血液試料がフィルター部11を移動した方向(第1方向)と同じ方向にフィルター部11を移動する。この際に、フィルターに捕捉されている血球が溶血剤により溶血される。溶血により放出された血球成分は、溶血剤とともにフィルター部11を移動し、第3流路30との接続部に到達すると、第3流路30へと移動する。そして、第3流路30を介して血球分析部60に運ばれ、血球分析部60において分析される。
<変形例3>
図4は、本実施形態の血液成分分離デバイスの変形例3を示す模式図である。血液成分分離デバイス400は、第2流路20及び第3流路30が第1流路10に対して同方向に配置されている以外は、血液成分分離デバイス300と同様の構成となっている。
溶血工程は、血液成分分離デバイス300と同様に行うことができる。
<変形例4>
図5は、本実施形態の血液成分分離デバイスの変形例4を示す模式図である。血液成分分離デバイス500は、第3流路30を有さず、第2流路20が第1流路10と交差しない構成となっている。第2流路20は、血球分析部60に接続している。
血液成分分離デバイス500では、フィルター部11に捕捉された血球を溶血させる溶血工程において、バルブV1を閉状態とし、バルブV2aを開状態として、第1導入口12から、第1流路10に、溶血剤を導入する。第1流路10に導入された溶血剤は、フィルター部11に到達し、血液試料がフィルター部11を移動した方向(第1方向)と同じ方向にフィルター部11を移動する。この際に、フィルターに捕捉されている血球が溶血剤により溶血される。溶血により放出された血球成分は、溶血剤とともにフィルター部11を移動し、第2流路20との接続部に到達すると、第2流路20へと移動する。そして、第2流路20を介して血球分析部60に運ばれ、血球分析部60において分析される。
第2流路20は、血球分析部60に替えて、又は血球分析部60に加えて、血球回収部を備えていてもよい。また、第2流路20は、第2流路20における流体の流れを制御する流体制御部を備えていてもよい。
<変形例5>
図6は、本実施形態の血液成分分離デバイスの変形例5を示す模式図である。血液成分分離デバイス600は、第3流路30を有さず、第2流路20が第1流路10と交差しない構成となっている。第2流路20は、血球分析部60に接続している。また、第1流路10の第1導入口12とフィルター部11との間に、第4流路40が接続している。第4流路40は、第4導入口42と、バルブV4aとを備えている。
血液成分分離デバイス600では、フィルター部11に捕捉された血球を溶血させる溶血工程において、バルブV1を閉状態とし、バルブV2a、V4aを開状態として、第4導入口42から、第4流路40に、溶血剤を導入する。第4流路40に導入された溶血された溶血剤は、第4流路40を介して第1流路10に到達し、第1流路10を移動して、フィルター部11に到達する。フィルター部11において、溶血剤は、血液試料がフィルター部11を移動した方向(第1方向)と同じ方向にフィルター部11を移動する。この際に、フィルターに捕捉されている血球が溶血剤により溶血される。溶血により放出された血球成分は、溶血剤とともにフィルター部11を移動し、第2流路20との接続部に到達すると、第2流路20へと移動する。そして、第2流路20を介して血球分析部60に運ばれ、血球分析部60において分析される。
<変形例6>
図7は、本実施形態の血液成分分離デバイスの変形例6を示す模式図である。血液成分分離デバイス700は、プレート70内に、第1流路及び第2流路が形成されている。第1流路は第1流路10a、10bから構成されており、第2流路は第2流路20a、20b、20cから構成されている。
第1流路10a、10bは、バルブV1aを介して互いに接続されている。
第1流路10aは、第1導入口12、及びフィルター部11を有している。
第1流路10bは、流路制御部としてのポンプ部P1、及び血漿分析部50を備えている。第1流路10bは、バルブV1fを介して、インレットI1に接続している。インレットI1は、プレート70の下方に配置される図示しない試薬貯留部に接続している。そのため、バルブV1fを開状態とすることにより、インレットI1から、第1流路10bに試薬を導入することができる。第1流路10bは、バルブV1c又はV1dを介して、廃液回収部W1に接続している。そのため、バルブV1c又はV1dを開状態とすることにより、第1流路10bから廃液回収部W1に廃液を排出することができる。
第1流路10bは、バルブV1a、V1c、V1d、V1fを閉状態とし、バルブV1b、V1eを開状態とすることにより、循環流路(第1循環経路)を形成する。
また、第1流路10b及び廃液回収部W1は、バルブV1a、V1b、V1fを閉状態とし、バルブV1c、V1d、V1eを開状態とすることにより、流体を第1流路10bから廃液回収部W1へと排出する流路(第1排出経路)を形成する。
第2流路20a、20bは、バルブV2eを介して互いに接続されている。第2流路20b、20cは、バルブV2k、V2mを介して互いに接続されている。
第2流路20aは、第2導入口22を有している。第2導入口22は、プレート70の下方に配置される図示しない溶血剤貯留部に接続しており、第2導入口22から、第2流路20aに溶血剤を導入することができる。第2流路20aは、第1流路10aのフィルター部11に接続し、第1流路10aと交差している。第2流路20aにおける、第1流路10aとの接続部の両側には、バルブV2a、V2bが設置されている。バルブV2a、V2bを開状態とし、第2導入口22から第2流路20aに溶血剤を導入すると、溶血剤は、第2流路20aの軸方向に移動して、フィルター部11を通過する。第2流路20aは、バルブV2dを介して、インレットI2に接続している。インレットI2は、プレート70の下方に配置される図示しない試薬貯留部に接続している。そのため、バルブV2dを開状態とすることにより、インレットI2から、第2流路20aに試薬を導入することができる。さらに、バルブV2eを開状態とすることにより、第2流路20bに試薬を導入することができる。また、第2流路20aは、バルブV2cを介して、エア導入口Aに接続している。そのため、バルブV2eを開状態とすることにより、エア導入口Aから、第2流路20aにエアを導入することができる。さらに、バルブV2eを開状態とすることにより、第2流路20bにエアを導入することができる。
第2流路20bは、流体制御部としてのポンプ部P2、及び血球分析部60を備えている。第2流路20bは、バルブV2h又はV2iを介して、廃液回収部W2に接続している。そのため、バルブV2h又はV2iを開状態とすることにより、第2流路20bから廃液回収部W2に廃液を排出することができる。
第2流路20cは、バルブV2nを介して、インレットI3に接続している。インレットI3は、プレート70の下方に配置される図示しない試薬貯留部に接続している。そのため、バルブV2nを開状態とすることにより、インレットI3から、第2流路20cに試薬を導入することができる。さらに、バルブV2k又はバルブV2mを開状態とすることにより、第2流路20bに試薬を導入することができる。また、第2流路20cは、バルブV2jを介して、廃液回収部W2に接続している。そのため、バルブV2jを開状態とすることにより、第2流路20cから廃液回収部W2に廃液を排出することができる。
第2流路20bは、バルブV2e、V2h、V2i、V2k、V2mを閉状態とし、バルブV2f、V2g、V2lを開状態とすることにより、循環流路(第2循環経路)を形成する。また、第2流路20b及び20cは、バルブV2e、V2h、V2i、V2j、V2l、V2nを閉状態とし、バルブV2f、V2g、V2k、V2mを開状態とすることにより、循環流路(第3循環経路)を形成する。
また、第2流路20b及び廃液回収部W2は、バルブV2e、V2g、V2k、V2mを閉状態とし、バルブV2f、V2h、V2i、V2lを開状態とすることにより、流体を第2流路20bから廃液回収部W2へと排出する流路(第2排出経路)を形成する。また、第2流路20b、20c、及び廃液回収部W2は、バルブV2e、V2g、V2i、V2k、V2l、V2nを閉状態とし、バルブV2f、V2h、V2j、V2mを開状態とすることにより、流体を第2流路20b、20cから廃液回収部W2へと排出する流路(第3排出経路)を形成する。
ポンプ部P1、P2は、3連のバルブから構成されている。前記バルブとしては、ダイアフラム部材を備えるダイアフラムバルブが例示され、ダイアフラム部材としてはエラストマー材料が例示される。
図8(a)及び(b)は、ダイアフラムバルブの構造の一例を説明する断面図である。
図8(a)はダイアフラムバルブ800の開状態を示し、図8(b)はダイアフラムバルブ800の閉状態を示す。図8(a)及び(b)に示すように、ダイアフラムバルブ800は、第1の基板310と、エラストマー材料からなるダイアフラム部材330と、第2の基板320とを備えている。第2の基板320とダイアフラム部材330とは密着した状態で接着されている。また、第1の基板310とダイアフラム部材330との間の空間は流体が流れる流路315を形成している。また、第2の基板320の一部には貫通孔340が設けられている。また、貫通孔340においては、ダイアフラム部材330が露出している。
ダイアフラムバルブ800は、流路315(血液成分分離デバイス700では第1流路10b又は第2流路20b)に配置されており、流路315の内部の流体の流れを調節するものである。
図8(a)に示すダイアフラムバルブ800の開状態では、流路315の内部を流体が流れることができる。一方、図8(b)に示すように、ダイアフラムバルブ800の貫通孔340からバルブ制御用の流体を供給し、貫通孔340の内部を加圧すると、ダイアフラム部材330が変形し、変形したダイアフラム部材330の一部が第1の基板310と密着する。この状態は、ダイアフラムバルブ800の閉状態である。その結果、流路315の内部の流体の流れが遮断される。
ここで、図8(a)及び(b)に示すように、ダイアフラムバルブ800の閉状態をより強固なものとするために、貫通孔340と対向する第1の基板310の領域には凸部311が形成されていてもよい。
バルブ制御用の流体としては、N2ガス、空気等の気体、水、油等の液体等が挙げられる。バルブ制御用の流体は、例えば、貫通孔340に接続されたチューブ等により供給することができる。
また、ダイアフラム部材330を形成するエラストマー材料としては、貫通孔340の内部の圧力変化に応じて貫通孔340の軸線方向に変形可能な材料であれば特に限定されず、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等のシリコーン系エラストマー等が挙げられる。
図8(b)に示す閉状態のダイアフラムバルブ800において、貫通孔340の内部に印加していた圧力を低下させると、変形していたダイアフラム部材330が元の形状に戻り、再び図8(a)に示す開状態となる。その結果、再び流路315の内部を流体が流れることができるようになる。
3連以上のバルブにより、すなわちバルブを3個以上並べることにより、ポンプを形成することができる。図9(a)〜(d)は、3個のダイアフラムバルブ800a、800b及び800cを備えるポンプの一例の動作を説明する断面図である。
図9(a)に示す状態では、3個のバルブ800a、800b及び800cは、いずれも開状態である。この状態では、流路315の内部の流体の流れは制御されていないため、流体は図9(a)に向かって右側に流れる場合もあるし、左側に流れる場合もあるし、流体の流れが停止している場合もある。
続いて、図9(b)に示すように、バルブ800aを閉状態に制御し、バルブ800b及び800cは開状態のままにする。この結果、流路315の内部の流体の流れはバルブ800aによって堰き止められる。
続いて、図9(c)に示すように、バルブ800a及びバルブ800bを閉状態に制御し、バルブ800cは開状態のままにする。ここで、バルブ800bが開状態から閉状態に変化する過程で、ダイアフラム部材330が変形することにより、バルブ800bの周囲に存在していた流体が押しのけられる。ところが、バルブ800aが閉状態にあることから、押しのけられた流体は図9(c)の矢印で示す方向、すなわち、図9(c)に向かって右側に移動する。この結果、流体に矢印で示す方向の流れが生じる。
続いて、図9(d)に示すように、バルブ800b及び800cを閉状態に制御する。
すると、バルブ800cが開状態から閉状態に変化する過程で、ダイアフラム部材330が変形することにより、バルブ800cの周囲に存在していた流体が押しのけられる。ところが、バルブ800aが閉状態にあることから、押しのけられた流体は図9(d)の矢印で示す方向、すなわち、図9(d)に向かって右側に移動する。この結果、流体に矢印で示す方向の流れが更に加速される。この時、バルブ800aは図9(d)に示すように開状態に制御してもよいし、閉状態のまま維持してもよい。
続いて、再び図9(a)に示すように、バルブ800a、800b及び800cを、いずれも開状態に制御する。ここでは、慣性により、流路315の内部の流体は、図9(a)に向かって右側に移動し続けている場合がある。
更に、以上の工程を繰り返すことにより、流路315の内部の流体の流れを制御することができる。
以上の工程は、3個のバルブを備えるポンプの制御方法の一例であり、3個のバルブを備えるポンプの制御方法はこれに限られない。例えば、上述したバルブの制御において、バルブ800aとバルブ800cの開閉のタイミングを逆にすることにより、流路315の内部の流体の流れを上述したものと逆方向に制御することもできる。また、図9(a)〜図9(d)の動作を繰り返す周期を調節して、パルス的な微小溶液のフローを形成し、流速を制御したりすることもできる。また、バルブ800a〜800cを駆動する気体の圧力やバルブの径を調節することによっても、流速を制御することができる。
また、バルブを4個以上備えるポンプにより、流路315の内部の流体の流れを制御することも可能である。
また、ダイアフラムバルブの構造も、上述したものに限られない。例えば、ダイアフラムバルブとして、国際公開第2016/006615号に記載された、外筒部と内筒部とを有する筒状構造体と、前記内筒部の一端を覆うように配置された薄膜部と、前記薄膜部の周縁を一周し、前記外筒部の内壁及び前記内筒部の外壁に沿って密着したアンカー部と、を有するダイアフラム部材と、を備えたバルブを用いることもできる。
本実施形態の血液成分分離デバイスにおいて、他に使用可能なバルブとしては、例えば、2つの金型を使って、樹脂部分とエラストマー部分を連続的に成形して得られた、2色成型バルブが例示される。2色成型バルブは、製造に要する時間が短く、樹脂とエラストマーとの密着性が高い利点がある。
2色成型バルブの具体例を図10及び図11に例示する。図10に例示するバルブ900では、基板909は、下面(一面)909aに形成された窪み(例、流路)940Aと、窪み940Aの底部(例、図10の窪み90Aの上側)および基板909の上面(他面)909bに開口(貫通)する開口部952とを有している。開口部952には、被バルブ駆動部970が設けられている。被バルブ駆動部970は、上述のバルブ部950と同様の軟質材で形成されており、バルブ部(変形部)971、および筒部(接続部)973を備えている。バルブ部971は、開口部952における基板909の下面909a側を閉塞する。例えば、筒部973は、バルブ部971と単一部材で構成され、開口部952の内周面に沿って設けられ、下端においてバルブ部971に一体的に接続されている。筒部973の内部空間は下端がバルブ部971によって閉塞され、上端が開口する開口部970aを形成している。例えば、図10における窪み90Aが流路の場合、図面の左側から右側へ流体(例、試料物質を含む溶液、洗浄液等)が流れるように構成される。
基板909の下面909aは、下板908の上面908bと接合されている。上面908bには、窪み940Aと対向する位置に曲面状(例、半球状)の凹面980が形成されている。
上記構成の被バルブ駆動部970は、例えば、開口部970aを介してバルブ部971に下側への力(例、空圧、液圧、機械的な力など)が加わったときに、バルブ部971の変形によって流路(例、窪み940A)の開閉状態を制御する。一例として、図11に示すように、バルブ部971が窪み940A側に変形して撓んで凹面980に接触することにより流路(例、窪み940A)を閉塞する(バルブが閉じた状態)。また、被バルブ駆動部970は、バルブ部971に下側への力が加わることが解除されることによりバルブ部971の変形(例、撓み)が解消されて凹面980から離れることで流路(例、窪み940A)が開放される(バルブが開いた状態)。
上述の2色成型バルブは、例えば、国際公開第2018/012429号に記載された方法により製造することができる。その他、2色成型バルブとしては、国際公開第2018/012429号に記載されたもの等の公知のものを特に制限なく用いることができる。
上記のような構成を備えた血液成分分離デバイス700の使用方法について、例を挙げて説明する。
まず、バルブV1a、V1b、V1eを開状態とし、他のバルブを閉状態として、第1導入口12から第1流路10aに血液試料(例、全血試料等)を導入する。第1流路10aに導入された血液試料は、フィルター部11に到達し、フィルター部11をバルブV1a方向(第1方向)に移動する。この際に、血液試料中の血球は、フィルターに捕捉される。一方、血漿の大部分は、フィルター部11を通過し、第1流路10bに到達する。ここで、バルブV1aを閉状態とし、ポンプ部P1を適宜作動させると、第1流路10bに到達した血漿を、第1流路10bからなる第1循環経路に循環させることができる。必要に応じて、血漿分析のための試薬をインレットI1から導入し、第1循環経路を循環させて血漿と混合する。血漿を第1循環経路に循環させながら、血漿分析部50で血漿分析を行うことができる。第1循環経路を循環する流体は、必要に応じて、バルブV1b、V1fを閉状態とし、バルブV1c、V1d、V1eを開状態として、第1排出経路により廃液回収部W1に排出することができる。
次に、バルブV1a、V1c、V1d、V1eを開状態とし、他のバルブを閉状態として、第1導入口12から第1流路10aに洗浄液を導入する。第1流路10aに導入された洗浄液は、フィルター部11に到達し、フィルター部11をバルブV1a方向(第1方向)に移動する。この際に、フィルターに残っていた血漿が洗浄液とともに第1方向に移動し、バルブV1aを介して第1流路10bに導入される。第1流路10bに導入された血漿を含む洗浄液は、バルブ1b、V1fを閉状態とし、バルブV1c、V1d、V1eを開状態として、第1排出経路により廃液回収部W1に排出することができる。
次に、バルブV2a、V2b、V2e、V2f、V2g、V2lを開状態とし、他のバルブを閉状態として、第2導入口22から第2流路20aに溶血剤を導入する。第2流路20aに導入された溶血剤は、フィルター部11に到達し、フィルター部11をバルブV2b方向(第2方向)に移動する。この際に、フィルターに捕捉されていた血球が溶血剤により溶血される。溶血により放出された血球成分は、溶血剤とともに第2流路20aを軸方向に移動して、バルブV2bからバルブV2eを介して、第2流路20bに導入される。ここで、バルブV2bを閉状態とし、バルブV2cを開状態として、エア導入口Aから第2流路20aにエアを吹き込むことにより、第2流路20aに滞留していた血球成分を、第2流路20bへと導くことができる。第2流路20bに導入された血球成分は、バルブV2eを閉状態とし、ポンプ部P2を適宜作動させることにより、第2流路20bからなる第2循環経路に循環させることができる。必要に応じて、血球分析のための試薬をインレットI2から導入し、第2循環経路を循環させて血球成分と混合する。あるいは、必要に応じて、血球分析のための試薬をインレットI3から導入し、第2流路20b、20cからなる第3循環経路を循環させて血球成分と混合する。血球成分を、第2循環経路又は第3循環経路に循環させながら、血球分析部60で血球分析を行なうことができる。第2循環経路又は第3循環経路を循環する流体は、必要に応じて、第2排出経路又は第3排出経路により、廃液回収部W2に排出することができる。
[血液成分分離方法]
1実施形態において、本発明は、上記実施形態の血液成分分離デバイスを用いて、血液成分を分離する方法を提供する。本実施形態の方法は、(a)前記第1導入口から、血液試料を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記血液試料中の血球を捕捉させる工程と、(b)前記第1導入口又は前記第2導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる溶血工程と、を含む。
本実施形態の血液成分分離方法は、上記「[血液成分分離デバイス]」で説明した「(使用方法)」で例示した方法と同様に行うことができる。
一例として、本実施形態の方法は、前記工程(a)の後であり前記工程(b)の前に、(c)前記第1導入口又は前記第2導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する血漿除去工程、を更に含むことができる。
[血液成分分析方法]
1実施形態において、本発明は、上記実施形態の血液成分分離デバイスを用いて、血液成分を分析する方法を提供する。本実施形態の方法は、(a)前記第1導入口から、血液試料を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記血液試料中の血球を捕捉させる工程と、(b)前記工程(a)の後、前記第1導入口又は前記第2導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する工程と、(c)前記工程(b)の後、前記第1導入口又は前記第2導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる工程と、(d)前記工程(c)で溶血させた前記血球を分析する工程と、を含む。
本実施形態の血液成分分析方法は、上記「[血液成分分離デバイス]」で説明した「(使用方法)」で例示した方法と同様に行うことができる。本実施形態の方法に血球分析部60を備える血液成分分離デバイスを用いる場合には、工程(d)における血球成分の分析は、血球分析部60で行うことができる。血球分析部60を備えない血液成分分離デバイスを用いる場合には、血液成分分離デバイスから溶血させた血球成分を回収し、回収した血球成分を分析すればよい。
本実施形態の方法は、上記(a)〜(d)の工程に加えて、(d)前記工程(a)又は前記工程(b)の後、フィルターを通過した血漿を分析する工程、をさらに含んでいてもよい。血漿分析部50を備える血液成分分離デバイスを用いる場合には、血漿の分析は、血漿分析部50で行うことができる。血漿分析部50を備えない血液成分分離デバイスを用いる場合には、血液成分分離デバイスから溶血させた血漿を回収し、回収した血漿を分析すればよい。
[ヘモグロビンA1c分析方法]
1実施形態において、本発明は、ヘモグロビンA1cを分析する方法を提供する。本実施形態の方法は、(a)血球と血漿とを分離するフィルターに血液試料中の血球を捕捉させる工程と、(b)前記工程(a)の後、前記フィルターに洗浄液を通過させ、前記フィルター内の血漿を除去する工程と、(c)前記工程(b)の後、前記フィルターに溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる工程と、(d)前記工程(c)で溶血させた前記血球中のヘモグロビンA1cを分析する工程と、を含む。
本実施形態の方法は、上記「[血液成分分離デバイス]」で説明した「(使用方法)」で例示した方法と同様に行うことができる。また、本実施形態の方法は、上記実施形態の血液成分分離デバイスを用いることなく、血球分離フィルターを備えたカラム等を用いて行ってもよい。
HbA1cの分析は、公知のHbA1c測定方法を用いて行うことができる。ヘモグロビンA1cの測定方法としては、例えば、ラテックス凝集法が挙げられる。
ラテックス凝集法では、ラテックス粒子にHbA1cを吸着させて(吸着反応)、抗HbA1c抗体(マウスIgG等)を反応させ、さらに二次抗体(抗マウスIgG抗体等)を反応させる。これにより、HbA1cが抗HbA1c抗体及び二次抗体で架橋され、ラテックス粒子が凝集する(凝集反応)。HbA1c濃度が高いほど、ラテックス粒子の凝集量が多くなる。凝集していないラテックス粒子は、光を反射しないが、凝集すると光を反射するため、光の透過量はラテックス粒子の凝集量により変化する。そのため、凝集反応後の吸光度を測定することにより、HbA1c濃度を測定することができる。一例として、660nmの吸光度から800nmの吸光度を差し引いた値から、HbA1c濃度を算出することができる。
後述する実施例で示すように、HbA1cの測定値は、血漿が存在すると不安定になり、信頼性の高い測定値を得ることができない。本実施形態の方法は、フィルターに血球を捕捉させた後、洗浄液でフィルターを洗浄してフィルター中の血漿を除去する。これにより、溶血剤により溶血させた血球成分中に混入する血漿の量を大幅に低減することができる。そのため、信頼性の高いHbA1c測定値を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]HbA1c測定値に及ぼす血漿含有量の影響
HbA1c標準検査試薬(HbA1c濃度6.1%、HbA1c濃度10%;ヘモグロビンA1cカットオフテスト認証標準物質、検査医学標準物質機構)に0〜60%(v/v)となるようにヒト血漿を添加した。前記ヒト血漿を添加したHbA1c標準検査試薬のHbA1c濃度を、ラピディア(登録商標) オートHbA1c−L(富士レビオ)を用いたラテックス凝集法により測定した。各サンプルについて、660nmの吸光度及び800nmの吸光度を測定し、660nmの吸光度−800nmの吸光度の値を求めた。
その結果を表1及び図12に示す。
Figure 0006939988
血漿含有量が15%(v/v)以下であれば、HbA1c濃度10%の標準検査試薬で変動係数(Coefficient of Variation;CV)は2.0%以下であり、ラテックス凝集反応が安定した。そのため、HbA1cを安定的に測定するためには、試料中の血漿含有量を15%(v/v)以下とすることが望ましいことが確認された。
[実験例2]血球画分中の血漿成分測定
ウサギの全血1000μLに、血漿成分をトレースするためにCy5を1μLを添加して混合して、Cy5添加ウサギ全血を調製した。
前記Cy5添加ウサギ全血試料を遠心分離(遠心力(1000×g)、5分)し、血球画分と血漿画分とを分離した。血球画分と血漿画分の希釈系列をそれぞれ調製し、各希釈系列を用いてヘモグロビン量及びCy5量に対する検量線を作成した。
次に、図13に示す構造を備えた血液成分分離デバイスを用いて、前記のCy5添加ウサギ全血試料の血球分離を行った。導入口からCy5添加ウサギ全血試料15μLを第1流路に導入し(大気圧:1分間)、導入口の逆側から5kPaで2分間陰圧印加して、Cy5含有ウサギ全血試料をフィルターに通した。その後、第3流路のポートb及びdを塞ぎ、第2流路のポートcから100μLの低張液(超純水)を導入し、フィルターに捕捉されていた血球画分を溶解させて、ポートaから溶血した血球画分を回収した。同様に、第2流路のポートa及びcを塞ぎ、第3流路のポートdから100μLの低張液を導入し、フィルターに捕捉されていた血球画分を溶解させて、ポートbから溶血した血球画分を回収した。回収した血球画分について、ヘモグロビン吸光度及びCy5蛍光を測定し、上記で作成した検量線から、血球画分中の血漿含有量を算出した。
結果を図14に示す。低張液を第2流路に導入して血球画分を回収した場合には、血漿画分含有量は26%(v/v)であった。一方、低張液を第3流路に導入して血球画分を回収した場合には、血漿画分含有量は42%(v/v)であった。
[実験例3]血球画分中の血漿成分測定(洗浄の影響)
上記実験例1と同様に、Cy5添加ウサギ全血試料を調製し、図11に示す構造を備えた血液成分分離デバイスを用いて、前記のCy5添加ウサギ全血試料の血球分離を行った(大気圧:1分間、5kPa陰圧:2分間)。次いで、導入口からPBS 15μLを第1流路に導入し(5kPa陰圧:2分間)、フィルターの洗浄を行った。その後、第3流路のポートb及びポートdを塞ぎ、第2流路のポートcから100μLの低張液を導入し、フィルターに捕捉されていた血球画分を溶解させて、ポートaから溶血した血球画分を回収した。実験例1と同様に、回収した血球画分中の血漿含有量を算出した。
結果を図1に示す。図1中、「洗浄なし」は、PBS洗浄を行わなかった場合であり、実験例1の第2流路にて血球画分を回収した場合と同様である。「洗浄あり」は、PBS洗浄を行った場合であり、「洗浄なし」と比較して、血漿成分含有量が大きく低減した。
[実験例4]フィルター洗浄液量の評価
ウサギの全血9μLに、血漿をトレースするためにCy5を1μLを添加して混合して、Cy5添加ウサギ全血試料を調製した。
次に、図13に示す構造を備えた血液成分分離デバイスを用いて、前記のCy5添加ウサギ全血試料の血球分離を行った。導入口からCy5添加ウサギ全血試料10μLを第1流路に導入し、導入口の逆側から10kPaで2分間陰圧印加して、Cy5含有ウサギ全血試料をフィルターに通した。次いで、導入口からPBS 20μL、25μL、又は30μLを第1流路に導入し(10kPa陰圧:2分間)、フィルターの洗浄を行った。その後、第2流路のポートa及び第3流路のポートdを塞ぎ、第2流路のポートcから50μLの低張液を導入し、フィルターに捕捉されていた血球画分を溶解させて、第3流路のポートbから溶血した血球画分を回収した。血液画分の大部分が押し出されたところで、低張液の導入を停止した。
図16は、各PBS量でフィルターを洗浄後、血球画分を回収した後の各血液成分分離デバイスの写真である。フィルター通過直後(点線の楕円部分)の液体の色を比較すると、洗浄液量が多いほど、Cy5の青色成分が薄くなっていくことが定性的に示された。Cy5の青色部分が血漿とすると、洗浄液量25μLでフィルター内の血漿の大部分が除去されたと考えられた。
[実験例5]HbA1c測定値の再現性評価
(実施例1)
図1に示す構造を備えた血液成分分離デバイスを用いて、ヒト冷蔵血液(正常ヒト全血液・O型、コージンバイオ)の血球分離を行った。導入口からヒト冷蔵血液10μLを第1流路に導入し、導入口の逆側から10kPaで2分間陰圧印加して、ヒト冷蔵血液をフィルターに通した。次いで、導入口からPBS 25μL、25μL、又は30μLを第1流路に導入し(10kPa陰圧:2分間)、フィルターの洗浄を行った。その後、第2流路のポートa及び第3流路のポートdを塞ぎ、第2流路のポートcから100μLの低張液を導入し、フィルターに捕捉されていた血球画分を溶解させて、第3流路のポートbから溶血した血球画分を回収した。溶血液が約15μL押し出された時点で、溶血液の回収を終了した。
前記のように回収した溶血液5μLを用いて、ラピディア(登録商標) オートHbA1c−Lを用いたラテックス凝集法を行い、660nm及び800nmの吸光度を測定した。測定された吸光度から、HbAc1濃度、及び変動係数(CV)を算出した。
(比較例1)
Cobas(登録商標) c101(Roche)のカートリッジ内で、ヒト冷蔵血液2.0μLを用いたラテックス凝集阻害法を行い、HbAc1濃度、及び変動係数(CV)を算出した。
(比較例2)
Affinion(登録商標) HbAic(Alere)のカートリッジ内で、ヒト冷蔵血液1.5μLの溶血処理を行った。その後、ボロン酸アフィニティ―法により、HbA1cに起因する発色を測定した。発色の測定値から、HbAc1濃度、及び変動係数(CV)を算出した。
(結果)
実施例1、並びに比較例1及び2の結果を図1に示す。実施例1では、比較例1及び2と比較して、変動係数(CV)を小さく、再現性の高い測定が可能であることが確認された。
[実験例6]HbA1c測定値の再現性評価
図13に示す構造を備えた血液成分分離デバイスを用いて、ヒト全血(正常ヒト全血液・O型、コージンバイオ)の血球分離を行った。導入口からヒト全血15μLを第1流路に導入し、導入口の逆側から10kPaで2分間陰圧印加して、標準検査試薬をフィルターに通した。次いで、導入口からPBS25μLを第1流路に導入し(10kPa陰圧:2分間)、フィルターの洗浄を行った。その後、第2流路のポートa及び第3流路のポートdを塞ぎ、第2流路のポートcから50μLの低張液を導入し、フィルターに捕捉されていた血球画分を溶解させて、第3流路のポートbから溶血した血球画分を回収した。溶血液が約50μL押し出された時点で、溶血液の回収を終了した。
前記のように回収した溶血液を用いて、ラピディア(登録商標) オートHbA1c−Lを用いたラテックス凝集法を行い、660nm及び800nmの吸光度を測定した。測定された吸光度から、変動係数(CV)を算出した。
また、遠心分離法(遠心力(1000×g)、5分)により、ヒト全血の血球画分を分離し、同様に660nm及び800nmの吸光度を測定した。
なお、Affinion(登録商標) HbAic(Alere)を用いて、ヒト全血のHbAc1濃度を測定ところ、HbAc1濃度は5.06%であった。
結果を図18に示す。図18には、標準検体(HbA1c濃度6.1%、HbA1c濃度10%;ヘモグロビンA1cカットオフテスト認証標準物質、検査医学標準物質機構)を、ラピディア(登録商標) オートHbA1c−Lを用いて測定した結果も併せて示す。血液成分分離デバイスを用いて全血から分離された血球画分では、遠心分離法で得られた血球画分と同等のHbA1c測定値が得られた。また、変動係数(CV)は、遠心分離法と比較して、小さかった。さらに、血液成分分離デバイスを用いて分離された血球画分では、標準検体よりもラテックス凝集法による測定値が低かった。一般的に、正常ヒト全血のHbA1c濃度は、6%以下である。そのため、標準検体(HbA1c濃度6.1%、HbA1c濃度10%)の測定値との比較により、本方法による測定値の信頼性が示された。
10,10a,10b 第1流路、
11 フィルター部
12 第1導入口
20,20a,20b,20c 第2流路
22 第2導入口
30 第3流路
40 第4流路
42 第4導入口
50 血漿分析部
60 血球分析部
70 プレート
100,200,300,400,500,600,700 血液成分分離デバイス
310 第1の基板
311,311a,311b,311c 凸部
315 流路
320 第2の基板
330 ダイアフラム部材
331 アンカー部
340,340a,340b,340c 貫通孔
800,800a,800b,800c ダイアフラムバルブ
V1、V1a〜V1f,V2a〜V2n バルブ
P1,P2 ポンプ部
I1〜I3 インレット
W1,W2 廃液回収部
A エア導入口

Claims (15)

  1. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、
    を含み、
    前記第2流路は、第2導入口を有し、且つ前記第1流路の前記フィルター部で前記第1流路と交差する
    液成分分離デバイス。
  2. 前記第1導入口から導入された溶液は、前記フィルター部の内部を前記第1流路の軸方向に流れ、
    前記第2導入口から導入された溶液は、前記フィルター部の内部を前記第1流路の軸方向とは異なる方向に流れる、請求項に記載の血液成分分離デバイス。
  3. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、
    を含み、
    前記第1流路に接続する血漿分析部を備える
    液成分分離デバイス。
  4. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第3流路と、を含み、
    前記第1流路において、前記第1導入口、前記第2流路との接続部、及び前記第3流路との接続部が、この順番で配置されており、
    前記フィルター部において、
    前記第2流路との接続部は前記フィルター部の一端に配置され、
    前記第3流路との接続部は前記フィルター部の他端に配置される
    液成分分離デバイス。
  5. 前記第3流路は、前記第1流路の前記フィルター部で、前記第1流路と交差している、請求項に記載の血液成分分離デバイス。
  6. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、
    を含み、
    溶血された血球を分析する血球分析部を備える
    液成分分離デバイス。
  7. 前記血球分析部は、前記第2流路に接続している、
    請求項に記載の血液成分分離デバイス。
  8. 前記第1流路の前記フィルター部に接続する第3流路をさらに含み、
    前記第1流路において、前記第1導入口、前記第2流路との接続部、及び前記第3流路との接続部が、この順番で配置されており、
    前記血球分析部は、前記第2流路又は前記第3流路に接続している、
    請求項に記載の血液成分分離デバイス。
  9. 前記血球分析部は、ヘモグロビンA1cを測定するヘモグロビンA1c測定部である、請求項又はに記載の血液成分分離デバイス。
  10. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、
    を含み、
    血球回収部を備える
    液成分分離デバイス。
  11. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、を含む、血液成分分離デバイスを用いて、
    血液成分を分離する方法であって、
    (a)前記第1導入口から、血球と血漿とを含む溶液を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記溶液中の血球を捕捉させ、前記溶液中の血漿を前記第1流路において移動させる工程と、
    (b)前記第1導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させ、溶血により放出された血球成分を前記第2流路において移動させる工程と、
    (c)前記工程(a)の後であり前記工程(b)の前に、前記第1導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する血漿除去工程と、
    を含む、方法。
  12. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続し、第2導入口を有し、且つ前記第1流路の前記フィルター部で前記第1流路と交差する、第2流路と、を含む、血液成分分離デバイスを用いて、
    血液成分を分離する方法であって、
    (a)前記第1導入口から、血球と血漿とを含む溶液を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記溶液中の血球を捕捉させ、前記溶液中の血漿を前記第1流路において移動させる工程と、
    (b)前記第1導入口又は前記第2導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させ、溶血により放出された血球成分を前記第2流路において移動させる工程と、
    (c)前記工程(a)の後であり前記工程(b)の前に、前記第1導入口又は前記第2導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する血漿除去工程と、
    を含む、方法。
  13. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続する第2流路と、を含む、血液成分分離デバイスを用いて、
    血液成分を分析する方法であって、
    (a)前記第1導入口から、血球と血漿とを含む溶液を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記溶液中の血球を捕捉させる工程と、
    (b)前記工程(a)の後、前記第1導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する工程と、
    (c)前記工程(b)の後、前記第1導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる工程と、
    (d)前記工程(c)で溶血させた前記血球を分析する工程と、
    を含む、方法。
  14. 血球と血漿とを含む溶液が導入される第1導入口と、血球を捕捉するフィルターが設置されたフィルター部と、を備える第1流路と、
    前記第1流路の前記フィルター部に接続し、第2導入口を有し、且つ前記第1流路の前記フィルター部で前記第1流路と交差する、第2流路と、を含む、血液成分分離デバイスを用いて、
    血液成分を分析する方法であって、
    (a)前記第1導入口から、血球と血漿とを含む溶液を前記第1流路に導入し、前記フィルターに前記溶液中の血球を捕捉させる工程と、
    (b)前記工程(a)の後、前記第1導入口又は前記第2導入口から、洗浄液を前記第1流路に導入し、前記フィルター内の血漿を除去する工程と、
    (c)前記工程(b)の後、前記第1導入口又は前記第2導入口から溶血剤を導入し、前記フィルター内の血球を溶血させる工程と、
    (d)前記工程(c)で溶血させた前記血球を分析する工程と、
    を含む、方法。
  15. (d)前記工程(a)又は前記工程(b)の後、前記フィルターを通過した血漿を分析する工程、をさらに含む、
    請求項14に記載の血液成分を分析する方法。
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