JP6935565B1 - レトルト用グラビアインキセット、レトルト用印刷物、積層体、レトルト用印刷物の製造方法、積層体の製造方法、包装袋、および蓋材 - Google Patents

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【課題】ハイレトルト殺菌の使用に耐えられる耐レトルト性、金属光沢の高い意匠性及び耐ブロッキング性を有するレトルト用グラビアインキセットを提供する。【解決手段】グラビアインキが未処理アルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)の酸価が2mgKOH/g以上である、2種類のインキのセットであることを特徴とする、レトルト用グラビアインキセット。【選択図】なし

Description

本発明は、レトルト用グラビアインキセット、レトルト用印刷物、積層体、レトルト用印刷物の製造方法、積層体の製造方法、包装袋、および蓋材に関する。
レトルト包装は、包装袋へ内容物である食品を充填・密閉した上で、食品の腐敗の元となる微生物を加熱殺菌することで、常温下での長期保存が可能となる。近年、長期保存性や調理の利便性の点から、多数のレトルト包装を使った食品等の商品が量販店の棚に陳列されるようになり、こうした多数の陳列の中から商品を目立たせるために、ゴールド調やシルバー調の高い金属光沢のレトルト包装が強く要望されていた。
一方で、レトルト包装は、包装袋へ内容物である食品を充填・密閉した上で、食品の腐敗の元となる微生物を加熱殺菌することで、常温下での長期保存が可能となる。しかし、食品の加熱殺菌は同時に食品の味を落とし、加熱時間が長い程、味や風味がより低減する傾向があった。近年では、消費者の味に対する要求レベルが上がり、殺菌方法についても味の低減を抑制するために130℃以上の高温で短時間に殺菌処理を行うハイレトルトと呼ばれる方法がとられるようになり、ハイレトルト包装に対応した包装材が提案されるようになった。
特許文献1は、遊離のカルボキシル基を含むポリウレタン樹脂と、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂と、有機溶剤、及び組成物全量の10質量%未満の水を含有するリキッドインキ組成物が記載されており、フィルムとの密着性、耐ブロッキング性、及びハイレトルトの条件における耐レトルト性に優れ、押出ラミネート強度や硬化剤を加えた際の2液安定性も優れたものであるが、酸化チタンのような顔料を使用した際は優れた耐レトルト性は有するものの、アルミニウム顔料に特許文献1を適用する場合、アルミニウム顔料表面は水と反応して水素ガスを発生するため、使用することはできなかった。また、アルミニウム顔料を使用して、特許文献1に記載される組成から水を抜いて作成したリキッドインキ組成物を、印刷した上でラミネートした場合、耐レトルト性が劣り、金属光沢と呼べる意匠を得ることもできなかった。
特許文献2には、粒子径5〜20μmのアルミニウム微粉末をアクリル樹脂で被覆した樹脂被覆アルミニウムペーストと、バインダー樹脂を含む耐レトルト用高輝度ラミネートインキが記載されており、耐薬品性と輝度感に優れたものとなっている。しかし、アクリル樹脂で被覆されたアルミニウム微粒子であるため、金属のような光沢の意匠性を得ることはできなかった。また、バインダーとしてポリウレタン樹脂及び塩ビ酢ビ共重合体を使用してもよい旨が記載されているものの、具体的に開示されている例である水酸基の官能基を有する塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(ソルバインTA5R)を添加しても、アルミニウム微粉末はアクリル樹脂により被覆されているため、金属光沢と呼べる意匠を得ることはできなかった。
金属光沢を持つ意匠を得るためには、アルミニウム微粉末の持つ金属光沢を印刷に生かしたかったが、高い耐レトルト性を求められる包装では、アルミニウム微粉末とバインダー樹脂との接着性が悪いため、アルミニウム微粉末とバインダー樹脂の間に光沢感を低下させるアクリル樹脂等を処理して入れる必要があった。
特開2010−1932号公報 特開2010−53193号公報
そこで、本発明は、ハイレトルト殺菌の使用に耐えられる耐レトルト性、金属光沢の高い意匠性、及び耐ブロッキング性を有するレトルト用グラビアインキセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、レトルト用グラビアインキセットが、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、0.1〜3μmの膜厚でレトルト用印刷層を形成してなるレトルト用印刷物であって、前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり
前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、
前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、
前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、
前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
ことを特徴とする、レトルト用印刷物
であることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)レトルト用グラビアインキセットが、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、0.1〜3μmの膜厚でレトルト用印刷層を形成してなるレトルト用印刷物であって、前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、ことを特徴とする、レトルト用印刷物
(2)(1)に記載のレトルト用印刷物のレトルト用印刷層上に、シーラント層を積層してなることを特徴とする積層体、
(3)プラスチック基材フィルムを準備する工程と、 該プラスチック基材フィルムの少なくとも一方に、レトルト用グラビアインキセットのグラビアインキと硬化剤溶液を混合の上、0.1〜3μmの膜厚で印刷してなるレトルト用印刷層を形成するグラビア印刷工程と、を含むレトルト用印刷物の製造方法であって、前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、ことを特徴とするレトルト用印刷物の製造方法、
(4)プラスチック基材フィルムを準備する工程と、 該プラスチック基材フィルムの少なくとも一方に、レトルト用グラビアインキセットを0.1〜3μmの膜厚で印刷してなるレトルト用印刷層を形成するグラビア印刷工程と、 シーラント層を積層するラミネート工程と、を含む積層体の製造方法であって、前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、ことを特徴とする、積層体の製造方法、
(5)外層から順に、プラスチック基材フィルムと、0.1〜3μmの膜厚のレトルト用印刷層と、シーラント層とを必須とする包装袋において、前記レトルト用印刷層がレトルト用グラビアインキセットにて形成され、前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
ことを特徴とする包装袋、
(6)外層から順に、プラスチック基材フィルムと、0.1〜3μmの膜厚のレトルト用印刷層と、シーラント層と、を必須とする蓋材において、前記レトルト用印刷層がレトルト用グラビアインキセットにて形成され、前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
ことを特徴とする蓋材、
に関するものである。

本発明によれば、ハイレトルト殺菌の使用に耐えられる耐レトルト性、金属光沢の高い意匠性、及び耐ブロッキング性を有するレトルト用グラビアインキセットを提供できる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更、実施の形態が可能である。
本発明のレトルト用グラビアインキセット(以下、単に「インキセット」ともいう。)は、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液とを含むレトルト用グラビアインキセットであって、前記グラビアインキが未処理アルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)の酸価が2mgKOH/g以上である、2種類のインキのセットである。
前記グラビアインキと前記硬化剤溶液は異なる液として製造され、印刷物の作成時に混合の上、使用される。以下にグラビアインキ及び硬化剤溶液それぞれに含まれる組成物について記載する。
[グラビアインキ]
グラビアインキに含まれる前記未処理アルミニウム顔料(A)は、平均厚みが0.01〜1.0μmであることが好ましく、0.05〜0.7μmであることがより好ましい。一般に、未処理アルミニウム顔料は、鱗片状の形状をしており、厚みと粒子径により表され、厚みは、直接的には電子顕微鏡で観察する方法で得られる。ここでいう、平均厚みは、粒子10点の厚みについて測定し、その平均値とした。平均厚みが1.0μmを超えると、輝度が劣るため金属光沢を呈しないおそれがあり、0.01μmより小さいと、未処理アルミニウム顔料の生産自体が困難で、高価になる。
前記未処理アルミニウム顔料(A)は、平均粒子径が1〜100μmより大きいものが好ましく、平均粒子径が3〜80μmであることがより好ましい。粒子径は、鱗片形状の最長径の平均粒子径で、光散乱による粒度分布測定装置、あるいは直接的に電子顕微鏡による観察する方法で測定される。ここでいう、平均粒子径とは、レーザー回折/散乱法によるD50粒子径のことをいう。
水・酸・アルカリとの反応の抑制等の目的から、アルミニウム顔料表面でアクリル樹脂等で重合処理するタイプのものがあるが、本発明の未処理アルミニウム顔料(A)はアクリル樹脂等の重合処理を行わない未処理アルミニウム顔料を使用する。未処理アルミニウム顔料を、後述する酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)及びイソシアネート化合物(D)と合わせて含むことにより、親和性が向上し、金属光沢を持つ意匠性を有し、耐レトルト性に優れた印刷物を得ることができる。
前記熱可塑性樹脂(B)は、酸価が2mgKOH/g以上である酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)と、ポリウレタン樹脂(b2)とを含むことが好ましい。
前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)は、酸価が2mgKOH/g以上であることが好ましく、3〜30mgKOH/gの範囲内であることがより好ましい。前記範囲内であることで、耐レトルト性が良好となり、金属光沢の意匠を得ることができる。なお、酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で、JIS K0070による測定値である。
前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)は、塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマーおよび一分子中に不飽和炭素−炭素二重結合を有し、かつ酸性官能基を有するモノマーを共重合反応させたものであり、その重合方法としては、従来からの既知の方法で製造でき、製造方法は特に制限されるものではなく、溶液重合、乳化重合および懸濁重合のいずれの方法でも行うことができる。酸性官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、メルカプト基、ラクトン基、フェノール基、キノンなどが挙げられ、なかでもカルボキシル基がより好ましい。
カルボキシル基を有するモノマーとしては、モノカルボン酸の例である(メタ)アクリル酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、サリチル酸などが挙げられる。ジカルボン酸の例であるリンゴ酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、フタル酸、シュウ酸、グルタル酸、マロン酸、テレフタル酸、フマル酸、イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸などが挙げられる。なかでも、(無水)マレイン酸がより好ましい。
このようなカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂は、市販されており、VINNOL H15/45M、VINNOL H30/48M(Wacker Chemie社製)、ソルバインM5、ソルバインM5R(日信化学工業(株)製)、カネビニールT5DA((株)カネカ製)などが挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂(b2)は、ポリオールとポリイソシアネートおよび鎖伸長剤とを反応させることにより得られるものであればよい。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール類、低分子ポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリブタジエングリコール類、グリコール類、アクリルポリオールなどが挙げられる。これらポリオールは、一種類または二種類以上混合して使用することができる。前記ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。これらポリイソシアネートは、一種類または二種類以上混合して使用することができる。前記鎖伸長剤としては、例えば、1分子中に2個以上の1級または2級アミノ基を含有するポリアミン化合物、ヒドラジド化合物、あるいは分子量600未満の低分子量ポリオールなどが挙げられる。これら鎖伸長剤は、一種類または二種類以上混合して使用することができる。ウレタン化反応において、反応制御のため、溶剤を使用することが好ましく、イソシアネート基に対して不活性のものであるか、低活性のものであることがより好ましい。使用できる溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶剤などが挙げられる。これら溶剤は、一種類または二種類以上混合して使用することができる。そのほかに、必要に応じて、添加剤を加えてもよい。添加剤としては、酸化防止剤、光安定剤、加水分解防止剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、反応遅延剤などが挙げられる。これら添加剤は、一種類または二種類以上添加することができる。また、反応前後あるいは反応の途中に適宜添加することができる。
前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)と前記ポリウレタン樹脂(b2)が、固形分質量比で、(b1)/(b2)=5/95〜95/5であることが好ましい。(b1)/(b2)=10/90〜85/5であることがより好ましい。前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)の比率が、5より小さいと、輝度が低下し、金属光沢の意匠性が劣り、95より大きいと、硬化剤溶液を添加した際に、ゲル化するおそれがある。
前記熱可塑性樹脂(B)は、他の樹脂を含んでもよい。例えば、セラック類、ロジン類、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、硝化綿、酢酸セルロース、セルロースアセチルプロピオネート、セルロースアセチルブチレート、塩化ゴム、環化ゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、酸変性ではない塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ケトン樹脂、ブチラール樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化エチレンビニルアセテート樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、カゼイン、アルキッド樹脂、アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、非晶ポリアリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、などが好ましい。これらの樹脂は、一種類または二種類以上であってもよい。
本発明のグラビアインキセットを構成するグラビアインキは、前記未処理アルミニウム顔料(A)と前記熱可塑性樹脂(B)が、固形分質量比で、(A)/(B)=60/40〜1/99であることが好ましく、(A)/(B)=55/45〜10/90であることがより好ましい。(A)が、60より大きいと、樹脂分が少ないためグラビアインキセットのフィルム基材への密着性が劣り、1より小さいと、顔料分が少ないため輝度が低下し、金属光沢が得られない。
グラビアインキ中の固形分としては、2〜55質量%の範囲内であることが好ましい。2質量%より低いと、印刷時の塗布量が十分でなく、55質量%を超えると、流動性が悪く、インキ化が困難となる。
前記グラビアインキには、通常グラビアインキに使用される溶剤を使用することができる。前記溶剤としては、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤およびこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。なかでも、印刷適性や汎用性の観点から、トルエン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトンなどがより好ましい。これらは、一種類または二種類以上混合して用いることができる。
インキ組成物中に溶剤は45〜98質量%の範囲内であることが好ましい。45質量%より少ないと固形分が多くなり、流動性が悪くなり、インキ製造適性が劣り、98質量%を超えると、インキ膜厚が局部的に不均一になり、印刷面上に、不定形の濃淡(泳ぎ現象)が生じたり、粘度が低くなり、顔料が沈降しやすくなるおそれがある。
前記インキ組成物には、色材、無機充填剤、有機充填剤、消泡剤、レベリング剤、ブロッキング防止剤、ワックス、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、可塑剤、粘着付与剤などを含有することもできる。公知慣用のものであればいかなるものも、インキ組成物としての特性を損なわない範囲で、適宜選択できる。
前記色材としては、顔料または染料あるいはその混合物を含有することができる。
顔料としては、例えば、二酸化チタン、弁柄、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、酸化亜鉛、硫化亜鉛、マイカ、タルク、パールなどの無機顔料、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、縮合アゾ系、ジオキサジン系、アントラキノン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、チオインジゴ系、カーボンブラックなどの有機顔料、その他各種蛍光顔料、金属粉顔料、体質顔料などが挙げられる。これらの顔料は、一種類または二種類以上組み合わせて使用してもよい。染料としては、溶剤に溶解または分散するものが好ましく、一種類または二種類以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、耐久性の観点から、顔料を用いることが好ましい。特に、黄色有機顔料を含有するとゴールド調の色相になり、高級感を付与することができる。
本発明のグラビアインキセットを構成する硬化剤溶液は、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含有することが好ましい。イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート(スタビオPDI)などの脂肪族ジイソシアネートおよびこれらのトリメチロールプロパン三量体、イソシアヌレート体、ビュレット体、アロファネート体などの変性体などが利用でき、24A−100、22A−75、TPA−100、TSA−100、TSS−100、TAE−100、TKA−100、P301−75E、E402−808、E405−70B、AE700−100、D101、D201、A201H(旭化成社製)、マイテックY260A(三菱化学社製)、コロネート CORONATE HX、コロネート CORONATE HL、コロネート CORONATE L(東ソー(株)製)、デスモデュール N75MPA/X(バイエル社製)、LG硬化剤C(東京インキ(株)製)等が例示できる。なかでも、脂肪族ジイソシアネートがより好ましい。
前記イソシアネート化合物(D)は印刷時にグラビアインキと混合することで、グラビアインキ中のポリウレタン樹脂(C)が持つアミノ基および/または水酸基と反応し硬化することで、耐レトルト性が良好となる。
前記イソシアネート化合物(D)の濃度は、前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1となる含まれることが好ましく、(B)/(D)=62/38〜95/5であることがより好ましい。(B)が99より大きいと、耐レトルト性が劣り、(B)が60より小さいと、印刷工程において印刷物をロール状に巻き取った際にブロッキングが発生するおそれがある。
前記硬化剤溶液に使用される溶剤(E)としては、例えばトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチルなどのエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのグリコールエーテル系溶剤およびこれらのエステル化物が挙げられ、エステル化物としては主にアセテート化したものが選ばれ、例えばエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。なかでも、印刷適性や汎用性の観点から、トルエン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトンなどがより好ましい。これらは、一種類または二種類以上混合して用いることができる。
本発明のレトルト用印刷物は、前記レトルト用グラビアインキセットが、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、0.1〜3μmの膜厚でインキ層を積層してなるレトルト用印刷層を形成することが好ましい。インキ層の膜厚は、0.3〜2μmであることがより好ましい。0.1μmより小さいと、輝度が低下して金属光沢の意匠が得られない。3μmより大きいと、ブロッキングが発生しやすくなり、耐レトルト性、及び意匠性も劣る。
前記プラスチック基材フィルムは、プラスチックフィルムまたはシートならびにこれらの積層体から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムまたはバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、PETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミナやシリカなどの蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂などをコートした各種コーティングフィルム、などが挙げられる。これらは、一種類または二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものが選択できる。また、印刷面にはアンカーコート層やラミネート層の密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。なかでも、PETフィルム、ポリアミドフィルム、コーティングフィルム、透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、共押出フィルムなどが好ましい。プラスチック基材フィルムの厚さは、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であれば、特に制限はないが、5〜300μmが好ましく、6〜250μmがより好ましい。
前記レトルト用印刷層は、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、インキ層を積層してなることが好ましい。前記レトルト用印刷層は、グラビア印刷法により塗工されて形成されることが好ましい。特に、多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷法により塗工されて形成されることがより好ましい。前記レトルト用印刷層は、レトルト用グラビアインキ組成物で積層してなるインキ層単独でもよいが、当該インキ層と他のグラビアインキセットで積層してなる他のインキ層とを含んでもよい。なかでも、黄色有機顔料の印刷層の上に、レトルト用印刷層を積層することで、ゴールド調の金属光沢を持つ意匠を得ることができる。また、グラビア印刷法による塗工されて形成されるため、全ベタ印刷だけでなく、階調印刷や部分印刷も可能である。これらのインキ層は、最終的な包装態様によっては、これら印刷層を形成するための印刷基材の配置位置が変わることもあり、これらインキ層と他のインキ層の形成順が変わることもある。すなわち、例えば、プラスチック基材フィルム/インキ層/他のインキ層のようにレトルト用印刷層を形成した後、ドライラミネートなどで他の基材を積層(プラスチック基材フィルム/インキ層/他のインキ層/DL/他の基材)する構成としてもよいし、プラスチック基材フィルム/他のインキ層/インキ層(あるいはインキ層/他のインキ層など複数積層)のようにレトルト用印刷層を形成した後、ドライラミネートなどで他の基材を積層(プラスチック基材フィルム/他のインキ層/インキ層/(他のインキ層など/)DL/他の基材)する構成としてもよい。
本発明の積層体は、前記レトルト用印刷層上に、ドライラミネートにより形成されるシーラント層を積層してもよい。前記シーラント層は、例えば、ヒートシール性を付与した積層体や公知のシーラントフィルムの貼り合わせにより積層される層が挙げられる。
前記シーラント層としては、シール強度が十分確保できるものであれば、貼り合わせ方法は印刷基材、用途、構成などに応じて適宜選択される。例えば、前記プラスチック基材フィルム上のレトルト用印刷層に接着剤を介した公知のシーラントフィルムとドライラミネート法により貼り合わせる。
シーラント層の厚みは、特に制限はないが、シーラントフィルムでは2〜200μmが好ましい。
前記シーラントフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、これらの共重合体などのポリオレフィンフィルムを一種類または二種類以上を積層していてもよい。
本発明の積層体は、前記レトルト用印刷層、前記シーラント層の他に、剛性、腰、ガスバリア性、保香性、防湿性、耐ピンホール性、デッドホール性、遮光性、直線カット性などの性能を付与または強化するための中間層を積層してもよい。なお、中間層を設ける場合、必ずしもプラスチック基材フィルムにレトルト用印刷層を施す必要はなく、中間層にレトルト用印刷層を設けてもよい。
前記中間層としては、プラスチックフィルム、シートならびにこれらの積層体などが挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、のポリエステルフィルム、エチレン−ビニルアルコール、のアルコール系フィルム、ポリアミドフィルムまたはバリア層を中間に配したバリア性ポリアミドフィルム、PETフィルムまたはポリアミドフィルムにアルミナやシリカなどの蒸着層を設けた透明蒸着ポリエステルフィルムまたは透明蒸着ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂などをコートした各種コーティングフィルム、PETとナイロンの共押出フィルム、などが挙げられる。これらは延伸、未延伸のどちらでもよく、一種類または二種類以上を積層していてもよい。機械的強度や寸法安定性などを考慮して、適切なものが選択できる。貼り合わせ面には密着性を向上させるため、コロナ処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、コート処理などを施すか、あらかじめ施されたものが選択できる。処理は両面処理が好ましい。
中間層としては、印刷適性、巻き取り適性などに支障のない範囲内であればよく、5〜300μmの厚みが好ましく、6〜250μmの厚みがより好ましい。
前記ドライラミネート法に使用する接着剤は市販のものでよく、例えば、2液型ウレタン系樹脂接着剤が挙げられる。シーラント層を積層するための接着剤の塗布方法としては、公知の塗布法を用いることができ、例えば、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、ディップコーター等を用いることができる。接着剤の厚みは特に制限はないが、0.001〜10μm程度の範囲が好ましく、0.01〜5μmの範囲が特に好ましい。
本発明の積層体は、包装用途、食品保存用途、電子レンジ用途、農業用途、土木用途、漁業用途、自動車内外装用途、船舶用途、日用品用途、建材内外装用途、住設機器用途、医療・医療機器用途、医薬用途、家電品用途、家具類用途、文具類・事務用品用途、販売促進用途、商業用途、電機電子産業用途および産業資材用途などに供されることが好ましい。
本発明のレトルト用印刷物の製造方法は、プラスチック基材フィルムを準備する工程と、該プラスチック基材フィルムの少なくとも一方に、前記レトルト用グラビアインキセットを0.1〜3μmの膜厚で印刷してなる印刷層を形成するグラビア印刷工程と、を含むことが好ましい。前記印刷層の膜厚は、0.3〜2μmであることがより好ましい。0.1μmより小さいと、輝度が低下するため金属光沢を得ることができず、3μmより大きいと、耐レトルト性及び耐ブロッキング性が劣るおそれがある。
前記レトルト用印刷物の製造方法は、前記レトルト用グラビアインキセットを印刷してなる印刷層単独でもよいが、当該印刷層と他のグラビアインキセットを印刷してなる他の印刷層を作成するグラビア印刷工程を含んでもよく、多色グラビア印刷機を用いたグラビア印刷工程により作成されることがより好ましい。
本発明の積層体は、レトルト用印刷物の製造方法によるグラビア印刷工程の後に、シーラント層を積層する工程を含んでもよい。 前記シーラント層を積層する工程は、例えば、ヒートシール性を付与した積層体や公知のシーラントフィルムの貼り合わせる工程であってもよい。
前記印刷層、前記シーラント層の他に、剛性、腰、ガスバリア性、保香性、防湿性、耐ピンホール性、デッドホール性、遮光性、直線カット性などの性能を付与または強化するための中間層を積層する工程を含んでもよい。
本発明の包装袋は、外層から順に、プラスチック基材フィルム、レトルト用印刷層、シーラント層を必須とし、前記レトルト用印刷層が前記レトルト用グラビアインキセットにて形成されたものであることが好ましい。
前記包装袋としては、二方シール、三方シール、四方シール、ピローシール、スタンディングパウチ、封筒貼り、ガゼット、溶断シールなどの周知の形態のいずれでもよい。
本発明の蓋材は、プラスチック基材フィルム、レトルト用印刷層、シーラント層を必須とし、前記レトルト用印刷層が前記レトルト用グラビアインキセットにて形成されたものであることが好ましい。蓋材の形態としては、カバー、蓋、キャップなど周知の形態のいずれでもよい。
前記レトルト用グラビアインキセットは、 グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、好ましくは(B)/(D)=60/40〜99/1となるよう調整され、より好ましくは62/38〜95/5となるよう調整される。
前記レトルト用グラビアインキセットは、グラビア印刷で使用されることが好ましく、そのまま塗工することもできるが、塗工条件、塗工効果に応じ、ザーンカップ#3((株)離合社製)にて、希釈溶剤で希釈することにより所望の粘度に調整して使用できる。この場合の粘度は、25℃において10〜40秒であることが好ましい。10秒より小さいと、泳ぎやすく、40秒より大きいと印刷時の転移性が悪くなる。
前記グラビアインキは、未処理アルミニウム顔料、熱可塑性樹脂、色材、各種添加剤などを溶剤中に均一に溶解または分散することにより公知の方法で製造できる。溶解または分散は、ディゾルバー、ロールミル、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライター、ペイントシェーカー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、パールミル、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ニーダー、ホモミキサーなどの各種撹拌機または分散機を使用できる。これらの装置は一種類または二種類以上組み合せて使用してもよい。インキ組成物中に気泡や粗大粒子が含まれる場合、印刷適性や印刷物品質を低下させるため、公知のろ過機や遠心分離機などを用いて、取り除くことが好ましい。
前記インキ組成物の粘度は、印刷に支障のない範囲であれば、特に制限はない。グラビア印刷で使用されるインキの製造適性、取扱いなどを考慮すれば、25℃において10〜1,000mPa・sであることが好ましい。10mPa・sより小さいと、粘度が低すぎて、顔料が沈降しやすい傾向になり、1,000mPa・sより大きいと、流動性が悪く、インキ製造時に支障が出たり、容器への充填が困難となる。この場合、ブルックフィールド型粘度計やコーンプレート型粘度計などの市販の粘度計を用いて測定することができる。
前記硬化剤溶液は、イソシアネート化合物、各種添加剤などを溶剤中に均一に溶解または分散することにより公知の方法で製造できる。溶解または分散は、ディゾルバー、ロールミル、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、アトライター、ペイントシェーカー、アジテータ、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、パールミル、超音波ホモジナイザー、湿式ジェットミル、ニーダー、ホモミキサーなどの各種撹拌機または分散機を使用できる。これらの装置は一種類または二種類以上組み合せて使用してもよい。硬化剤溶液中に気泡や粗大粒子が含まれる場合、印刷適性や印刷物品質を低下させるため、公知のろ過機や遠心分離機などを用いて、取り除くことが好ましい。
硬化剤溶液中の前記希釈溶剤は、前記硬化剤溶液の粘度を調整して使用できるものであれば、いずれでもよく、有機溶剤などが挙げられ、市販のものも使用でき、特に制限はない。市販品としては、PU533溶剤(含トルエン系溶剤)、PU515溶剤(ノントルエン系溶剤)、SL9155溶剤(ノントルエン系溶剤)、SL9164溶剤(ノンケトン系溶剤)、SL9170溶剤(ノンケトン系溶剤)(以上、いずれも東京インキ(株)製)などが挙げられる。
以下に実施例および比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部は質量部を、%は質量%を表す。
[塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂の作製]
カルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(ソルバインM5、酸価5.9mgKOH/g、日信化学工業(株)製)20部、メチルエチルケトン(MEK)80部を、ビーカーに入れ、600rpmで30分間攪拌し、固形分20%のカルボキシル変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂CL1を100部を得た。同様に、カルボキシル変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(カネビニールT5DA、酸価6.5mgKOH/g、(株)カネカ製)を用いて固形分20%のカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂CL2、固形分20%の水酸基含有塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(水酸基価98mgKOH/g、酸価0mgKOH/g、日信化学工業(株)製)を用いて固形分20%のCL3、変性していない塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(ソルバインCL、酸価0mgKOH/g、日信化学工業(株)製)を用いて固形分20%のCL4を得た。
[未処理アルミニウム顔料]
アトマイズ法で製造された原料アルミニウム粉100 g 、オレイン酸3g 、ミネラルスピリット500mLを原料として、これを3 .2φのベアリングボール5kgと共に、ボールミル内に仕込み粉砕を行い、スラリーを得た。
粉砕終了後、スラリーを37μmの篩にかけて粗粒子を取り除いた後、フィルタープレスにより余分の溶剤を除去して固形分90% のケーキを得た。得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、ミネラルスピリットを加え、15分撹拌し、未処理アルミニウム顔料を含むアルミニウムペーストA1を得た。該組成物に含まれるアルミニウム顔料はノンリーフィングタイプであり、固形分70% であった。
[グラビアインキ]
グラビアインキセットG1(実施例1)
カルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂CL1 25部、ポリウレタン樹脂PU1(固形分30%、東京インキ(株)製) 30部、アルミペーストA1(未処理アルミニウム顔料 70%) 5部、酢酸プロピル 40部を、ビーカーに仕込み、600rpmで30分混合攪拌して、グラビアインキg1を作成した後、硬化剤溶液S1(LG硬化剤C、イソシアネート化合物、溶剤:酢酸エチル、固形分50%、東京インキ(株)製)5部とを、ビーカーに仕込み撹拌し、10分間分散させて、グラビアインキセットG1を105部得た。
(実施例2〜5及び比較例2〜8)
同様に、表1および表2の配合に従い、実施例2〜5、比較例2〜8の各グラビアインキセットG2〜G5及びG7〜G13を作成した。なお、比較例8では、ポリウレタン樹脂として、遊離カルボキシル基を持つポリウレタン樹脂PU2(製品名:UR−1400、東洋紡株式会社 製 酸変性ポリウレタン樹脂、固形分30%)を使用した。
(比較例1)
カルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂CL1 35部、ポリウレタン樹脂PU1 25部、アルミペーストA2(樹脂コートアルミニウム顔料44%:BP−280PA、東洋アルミニウム株式会社 製) 13部、酢酸プロピル 27部を、ビーカーに仕込み、600rpmで30分攪拌させて、グラビアインキg6を作成した後、硬化剤溶液S1(LG硬化剤C) 5部とを、ビーカーに仕込み撹拌し、10分間分散させて、グラビアインキセットG6を105部得た。
Figure 0006935565
Figure 0006935565
[レトルト用印刷物の作製]
GRAVO−PROOF (品番:CM−W、(株)日商グラビア製)に、彫刻ヘリオ版(コンプレスト スタイラス130°、70L/m)を取り付け、グラビアインキセットG1を希釈溶剤(MEK 40部、酢酸プロピル 40部、IPA 20部)にて、ザーンカップNo.3で粘度17秒に調整した後、厚み12μmのPETフィルム(E−5102、東洋紡(株)製)に膜厚1.2μmで印刷し、レトルト用印刷物PR1を得た。同様に、表3の通り、グラビアインキセットと膜厚を変更し、それぞれレトルト用印刷物PR2〜3、PR6〜7、及びPR9〜13を得た。
さらにフィルム基材を、厚み12μmの透明蒸着PETフィルムのバリアロックス1011SBR2(略称:透明蒸着PET、東レフィルム加工(株)製)に代えて、レトルト用グラビアインキセットG4を印刷し、レトルト用印刷物PR4を得た。同様に、表3の通り、レトルト用インキセットと膜厚を変更し、それぞれレトルト用印刷物PR5及びPR8を得た。
[積層体の作製]
レトルト用印刷物PR1の印刷層上にタケラックA−525/タケネートA−52(略称:DL、三井化学(株)製)をA−Bar OSP−10(オーエスジーシステムプロダクツ(株)製)により塗工して、厚み15μmのナイロンフィルムのエンブレムONMB−RT(ユニチカ(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、厚み60μmのCPPのトレファンNO ZK93KM(東レフィルム加工(株)製)を貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、積層体LAM1を得た。同様に、レトルト用印刷物PR2〜3、PR6〜7、及びPR9〜13に代えて、それぞれ積層体LAM2〜3、LAM6〜7、及びLAM9〜13を得た。
レトルト用印刷物PR4の印刷上に、ディックドライLX−760/KP−70(略称:DL、DIC(株)製)をA−Bar OSP−10(オーエスジーシステムプロダクツ(株)製)で塗工して、厚み15μmのナイロンフィルムのエンブレムONMB−RT(ユニチカ(株)製)を貼り合わせ、さらに同様に、厚み60μmのトレファンNO ZK93KM(東レフィルム加工(株)製)を貼り合わせた後、50℃で72時間エージングを行って、積層体LAM4を得た。次いで、印刷物PR5、及びPR8に代えて、それぞれ積層体LAM5、及びLAM8を得た。
<耐レトルト性>
各積層体の2枚を3kgf/cm、180℃、1秒の条件にてヒートシールにより接着させ、開口部を有する15cm×10cmの包装袋を得た。この包装袋に、内容物として、サラダ油/ケチャップ/食酢=1/1/1の混合物を充填後、前記開口部を前記条件と同様にしてヒートシールにより密封し、包装袋を作成した。この包装袋を135℃で30分間、熱水シャワー式でレトルト処理して、包装袋の外観を目視にて観察し、評価した。包装袋の外観に印刷層の剥離による浮きがある箇所がないかを評価した。
評価は、〇:まったく変化ない、×:浮きが認められる、の2段階で評価した。
<耐ブロッキング性>
2枚のレトルト用印刷物を3cm×3cmの大きさに切り、印刷面と非印刷面とを重ね合わせて、50℃で24時間、5N/cmの荷重を掛けた後、印刷面と非印刷面の重ね合わせ部を剥離した時のインキ剥離状態を確認し、その際のインキ剥離と剥離抵抗を評価した。
評価は、〇:抵抗なく剥離し、インキ剥離がない、×:剥離時に抵抗が大きく、インキ剥離が認められる、の2段階で評価した。
<意匠性>
前記の耐レトルト性評価試験のサンプルを、標準光源(型式:Macbeth judgeII、X−Rite社製)下で、実施例及び比較例の積層体の表面状態について金属光沢が認められる意匠であるかを評価した。金属光沢が認められるものを1点、金属光沢が認められないものを0点として、10人のパネラーが評価を行い、合計点を算出した。評価は、〇:合計点が7以上、×:7未満、の2段階で評価した。
Figure 0006935565
表3によると、実施例1〜5のグラビアインキセットを使用したレトルト用印刷物は、耐レトルト性、耐ブロッキング性、意匠性について、優れることが明確である。
特許文献2に類似の、樹脂コートされたアルミニウム顔料を使用したグラビアインキg6と、硬化剤溶液S1のグラビアインキセットG6を使用した比較例1の積層体LAM6は、耐レトルト性、意匠性ともに劣ることが明確である。
また、遊離カルボキシル基を持つポリウレタン樹脂と水酸基含有塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂を使用したグラビアインキg13を使用した比較例8の積層体LAM13は、耐レトルト性、意匠性ともに劣ることが明確である。
また、比較例2の、水酸基含有塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂CL3を使用したグラビアインキg7と硬化剤溶液S1のグラビアインキセットG7を使用した積層体LAM7は、耐レトルト性、意匠性ともに劣ることが明確である。
また、比較例5の、変性していない塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂CL4を使用したグラビアインキg10と硬化剤溶液S1のグラビアインキセットG10を使用した積層体LAM10は、耐レトルト性、意匠性ともに劣ることが明確である。
比較例3〜4のグラビアインキセット(G8,G9)を使用したレトルト用印刷物(PR8、PR9)及び積層体(LAM8、LAM9)は、耐レトルト性、耐ブロッキング性、意匠性のいずれかが劣ることが明確である。
また、膜厚が、範囲外である、比較例6〜7のレトルト印刷物(PR11、PR12)及び積層体(LAM11、LAM12)は、耐レトルト性、耐ブロッキング性、意匠性のいずれかが劣ることが明確である。

Claims (6)

  1. レトルト用グラビアインキセットが、プラスチック基材フィルムの少なくとも一方の面に、0.1〜3μmの膜厚でレトルト用印刷層を形成してなるレトルト用印刷物であって、前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり
    前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、
    前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、
    前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、
    前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
    前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
    ことを特徴とする、レトルト用印刷物
  2. 請求項に記載のレトルト用印刷物のレトルト用印刷層上に、シーラント層を積層してなることを特徴とする積層体。
  3. プラスチック基材フィルムを準備する工程と、
    該プラスチック基材フィルムの少なくとも一方に、レトルト用グラビアインキセットのグラビアインキと硬化剤溶液を混合の上、0.1〜3μmの膜厚で印刷してなるレトルト用印刷層を形成するグラビア印刷工程と、を含むレトルト用印刷物の製造方法であって、
    前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、
    前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、
    前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、
    前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
    前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
    ことを特徴とするレトルト用印刷物の製造方法。
  4. プラスチック基材フィルムを準備する工程と、
    該プラスチック基材フィルムの少なくとも一方に、レトルト用グラビアインキセットを0.1〜3μmの膜厚で印刷してなるレトルト用印刷層を形成するグラビア印刷工程と、
    シーラント層を積層するラミネート工程と、
    を含む積層体の製造方法であって、
    前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、
    前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、
    前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、
    前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、
    前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
    前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
    ことを特徴とする、積層体の製造方法。
  5. 外層から順に、プラスチック基材フィルムと、0.1〜3μmの膜厚のレトルト用印刷層と、シーラント層とを必須とする包装袋において、前記レトルト用印刷層がレトルト用グラビアインキセットにて形成され
    前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、
    前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、
    前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、
    前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、
    前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
    前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
    ことを特徴とする包装袋。
  6. 外層から順に、プラスチック基材フィルムと、0.1〜3μmの膜厚のレトルト用印刷層と、シーラント層と、を必須とする蓋材において、前記レトルト用印刷層がレトルト用グラビアインキセットにて形成され、
    前記レトルト用グラビアインキセットが、グラビアインキと、前記グラビアインキとともに用いられる硬化剤溶液の2種類のインキのセットであり、
    前記グラビアインキがアトマイズ法で得られ重合処理のされていないアルミニウム顔料(A)と、熱可塑性樹脂(B)を含み、
    前記熱可塑性樹脂が酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)、及びポリウレタン樹脂(b2)を含み、
    前記硬化剤溶液が、イソシアネート化合物(D)と溶剤(E)を含み、
    前記グラビアインキ中の熱可塑性樹脂(B)と前記硬化剤溶液中のイソシアネート化合物(D)の固形分重量比が、(B)/(D)=60/40〜99/1であり、
    前記酸変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂(b1)が、酸価3〜30mgKOH/gのカルボキシル基変性塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体樹脂である、
    ことを特徴とする蓋材。
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