JP6933438B2 - 熱成形用シート及び食品用トレイ - Google Patents

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Description

本発明は、熱成形用シート及び食品用トレイに関する。
近年、コンビニエンスストア、スーパー等で、調理された惣菜等の冷凍食品が販売されている。この冷凍食品を収容するための容器としては、一般的にポリプロピレンが用いられている。ポリプロピレンは、トレイを熱成形するために必要な熱成形性及び電子レンジで加熱調理される際に必要な耐熱性に優れる。
例えば、特許文献1においては、耐熱性と耐寒性に優れた、ポリプロピレンを含むオレフィン系シートが開示されている。特許文献1においては、シートを130℃で加熱した場合の耐熱性が評価されている。
特開2000−239458号公報
ところで、冷凍食品が油性成分を多く含む場合や、粘調なしょうゆだれのようなものを含む場合には、加熱調理した際にこれらが150℃以上に加熱され、トレイに穴を空けてしまうおそれがある。特許文献1等に記載の従来のシートを用いた場合には、この穴開きを充分に抑制することは難しい。
そこで本発明は、冷凍食品が油性成分を多く含む場合であっても、加熱調理した際のトレイの穴開きが充分に抑制される熱成形用シート、及びこれを用いた食品用トレイを提供することを目的とする。
本発明は、下記の[1]〜[4]を提供する。
[1] 2以上の層が積層されてなる熱成形用シートであって、該熱成形用シートにおける一方の最外層が結晶性ポリエステルを含有し、且つ他方の最外層がポリプロピレンを含有する、熱成形用シート。
[2] 前記結晶性ポリエステルを含有する最外層の厚さが10μm以上であり、且つ前記熱成形用シートの厚さが200μm以上である、[1]に記載の熱成形用シート。
[3] 食品を収容するための食品用トレイであって、[1]又は[2]に記載の熱成形用シートを有し、且つ結晶性ポリエステルを含有する最外層が食品と接する面に位置する食品用トレイ。
[4] 前記結晶性ポリエステルにおける結晶化ピークのエンタルピーΔH(結晶化)と、融解ピークのエンタルピーΔH(融解)との比(ΔH(結晶化)/ΔH(融解))が0を超える、[3]に記載の食品用トレイ。
本発明によれば、冷凍食品が油性成分を多く含む場合であっても、加熱調理した際のトレイの穴開きが充分に抑制される熱成形用シート、及びこれを用いた食品用トレイを提供することができる。
以下、本実施形態の一実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の熱成形用シート(以下、単に「シート」ともいう。)は、2以上の層が積層されてなる。該熱成形用シートにおいては、一方の最外層が結晶性ポリエステルを含有し、且つ他方の最外層がポリプロピレンを含有する。
結晶性ポリエステルとしては、従来公知のものを使用することができる。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタテート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート及びポリブチレンナフタレートが挙げられる。これらの中で、トレイの穴開き抑制効果をより向上させる観点から、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
これらの結晶性ポリエステルは、ジカルボン酸とジオールの重縮合により得られるが、上記のポリエステルを構成するそれぞれのジカルボン酸とジオールに以下のモノマーを含むこともできる。
ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルスルホンカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカジカルボン酸等が挙げられる。
ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、デカメチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分とジオール成分はそれぞれ1種又は2種以上を用いてもよい。また、トリメリット酸などのその他の酸成分やトリメチロールプロパンなどのその他の水酸基成分を適宜添加してもよい。
ジカルボン酸として、イソフタル酸、またジオールとして1,4−シクロヘキサンジメタノールを用い、共重合したポリエステルで、結晶性を有する範囲に共重合したポリエステルも使用できる。
結晶性ポリエステルを含有する最外層における結晶性ポリエステルの含有率は、70質量%以上であると好ましく、85質量%以上であるとより好ましく、95質量%以上であるとさらに好ましく、最外層が結晶性ポリエステルのみからなることが特に好ましい。
結晶性ポリエステルを含有する最外層の厚さは、トレイの穴開き抑制効果をより向上させる観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であるとより好ましく、20μm以上であるとさらに好ましい。この最外層の厚さの上限は特に限定されないが、例えば150μm以下とすることができる。
ポリプロピレンとしては、従来公知のものを使用することができる。プロピレンと共重合できるエチレンを含むα-オレフィンとのランダム共重合体でもよい。共重合体の場合、コモノマーの種類にもよるが、共重合成分の量が増えるとポリプロピレンの融点が下がり、トレイとしたときの耐熱性が低下する懸念がある。本実施形態のポリプロピレンは、DSC法により求める融点が135℃以上のものが好ましく、この範囲において、コモノマー種、量を選択でき、同様にアイソタクチック、シンジオタクチック、あるいはアタクチックなどの立体規則性、及びその程度を選択できる。
また、特に低温での衝撃性を発現するために、本実施形態のポリプロピレンとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴムなど各種エラストマーを含むブロック共重合体を用いることもできる。本実施形態のポリプロピレンとしては、エラストマー成分を有するブロック共重合体で、樹脂としての融点が、150℃以上であり、230℃、2.16kg荷重で2(g/10分)以下のMFRであるポリプロピレンが、耐熱性、耐衝撃性、あるいは、熱成形性の観点で好ましい。
本実施形態のポリプロピレンを含有する最外層は、プロピレンからなる構成単位を90重量%以上含有するポリプロピレンをフィルム状に成形したものが使用されることが好ましい。ここで、ポリプロピレンは、プロピレンの単独重合体であってもよいし、プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体であってもよい。また、これらを併用してもよい。プロピレンに共重合可能な他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィンを挙げることができる。α−オレフィンは、炭素数4以上であり、好ましくは、炭素数4〜12のα−オレフィンである。炭素数4〜12のα−オレフィンの具体例を挙げれば、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなどの直鎖状モノオレフィン類;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどの分岐状モノオレフィン類;ビニルシクロヘキサンなどである。プロピレンとこれに共重合可能な他のモノマーとの共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
ポリプロピレンが共重合体からなる場合、その共重合体の具体例としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、及びプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体などプロピレンとエチレン、及び炭素数4〜12のα−オレフィンからなる群より選ばれる1種又は2種以上のモノマーとの二元ないし三元の共重合体などが挙げられる。
ポリプロピレンが共重合体からなる場合には、プロピレン由来の構成単位は、耐熱性などの特性により選択することができる。本実施形態の場合は高い耐熱性を有する方が望ましいので、プロピレン由来の構成単位を多く含む方が好ましく、具体的には96重量%以上プロピレン由来の構成単位を含むことが好ましい。なお、共重合体中の当該他のモノマー由来の構成単位の含有率は、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法に従い、赤外線(IR)スペクトル測定を行なうことにより求めることができる。
またプロピレン系単独重合体、及びプロピレン系共重合体の立体規則性はアイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックでも良いが、フィルムに成形した後の剛性や透明性のバランスに優れるという観点では、アイソタクチック性の高いポリプロピレンが好ましい。
本実施形態において、ポリプロピレンは、公知の重合用触媒を用いて重合された重合体又は共重合体であってよく、重合用触媒としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。
(A)マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分からなるTi−Mg系触媒、
(B)マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物などの第三成分とを組み合わせた触媒系、
(C)メタロセン系触媒など。
(A)の固体触媒成分としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報などに記載の触媒系が挙げられる。また、(B)の触媒系における有機アルミニウム化合物の好ましい例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサンなどが挙げられ、電子供与性化合物の好ましい例としては、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランなどが挙げられる。また、(C)のメタロセン系触媒としては、例えば、特許第2587251号公報、特許第2627669号公報、特許第2668732号公報などに記載の触媒系が挙げられる。
ポリプロピレンは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素化合物に代表される不活性溶剤を用いる溶液重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、気体のモノマーをそのまま重合させる気相重合法などによって製造することができる。これらの方法による重合は、バッチ式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。
本実施形態のポリプロピレンは、本実施形態の多層シートの一部を形成し、おもに熱成形され、トレイとして用いられる。熱成形とは、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、マッチモールド等の成形方法を含む。例えば、真空成形を適用した場合には、シートの上下よりヒーターで加熱したのち、真空で型に押し当て型に沿った形に成形するが、このヒーター加熱の工程で、垂れを発生(ドローダウン)することがある。これを防ぐために、本実施形態のポリプロピレンは、JIS K7210に準拠して、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレイト(MFR)が10g/10分以下の範囲内であることが好ましく、0.01〜8g/10分の範囲内であることがより好ましい。
また、本実施形態のポリプロピレンには、ポリエチレンを添加することができる。ポリエチレンを5〜30重量%程度含有する組成物とすることで、真空成型など熱成形において垂れの発生(ドローダウン)を抑制できるだけでなく、成形後の食品トレイとしての―20℃以下で使用されたときの衝撃性を大きく改善することができ、好ましい。
このポリエチレンとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどの一般的なポリエチレンが使用できる。真空成型時の垂れを抑制するという観点からは、JIS K7210に準拠して190℃、2.16kg荷重で測定されるMFR値が、0.02〜4g/10分以下のポリエチレンが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜2g/10分以下である。
また、ポリプロピレンには、本実施形態の効果をより高めるために造核剤が添加されていてもよい。造核剤を添加する場合、無機系造核剤、有機系造核剤のいずれであってもよい。無機系造核剤としては、タルク、クレイ、炭酸カルシウムなどが挙げられる。また、有機系造核剤としては、芳香族カルボン酸の金属塩類、芳香族リン酸の金属塩類などの金属塩類、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリシクロペンテン、ポリビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中でも有機系造核剤が好ましく、さらに好ましくは上述した金属塩類及び高密度ポリエチレンである。また、ポリプロピレンに対する造核剤の添加量は0.01〜3重量%が好ましく、0.05〜1.5重量%であればさらに好ましい。以上の添加物は、複数種が併用されてもよい。
さらに、高温時の剛性を持たせるために、造核剤としてではなく、タルクを5〜30重量%で含有することも好ましい。
本実施形態の効果を阻害しない範囲で、公知の添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤などを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられ、また、1分子中に例えば、フェノール系の酸化防止機構とリン系の酸化防止機構とを併せ持つユニットを有する複合型の酸化防止剤も用いることができる。紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体やヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール誘導体などの公知の紫外線吸収剤で紫外線吸収剤、ベンゾエート系の紫外線遮断剤などが挙げられる。帯電防止剤は、ポリマー型、オリゴマー型、モノマー型のいずれであってもよい。滑剤としては、エルカ酸アミドやオレイン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド、ステアリン酸などの高級脂肪酸及びその塩などが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、球状あるいはそれに近い形状の微粒子が、無機系、有機系を問わず使用できる。
ポリプロピレンを含有する最外層は、発泡層であってもよい。発泡倍率は特に限定されないが、2〜10倍であることができる。発泡層である場合の厚みは、0.5〜2mmとすることができる。発泡剤及び製法については、特開2014−9277号公報を参照できる。
ポリプロピレンを含有する最外層におけるポリプロピレンの含有率は、70質量%以上であると好ましく、85質量%以上であるとより好ましく、95質量%以上であるとさらに好ましく、最外層がポリプロピレンのみからなることが特に好ましい。
ポリプロピレンを含有する最外層の厚さは、特に限定されないが、例えば100μm以上とすることができ、200μm以上2000μm以下とすることができる。
結晶性ポリエステルを含有する最外層とポリプロピレンを含有する最外層とは、直接積層されていてもよいが、これらを接着するための中間層を介して接着されていることが好ましい。中間層としては、市販の接着剤、あるいは、接着性樹脂からなる層を用いることができる。中間層に用いる接着剤としては、従来公知のものを使用することができ、その具体例としては、脂肪族ポリエステル系接着剤、芳香族ポリエステル系接着剤、脂肪族ポリエーテル系接着剤、芳香族ポリエーテル系接着剤、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。これらのうちで、高い接着性と食品用途への使用のし易さからは、脂肪族ポリエステル系接着剤が最も好ましい。中間層として接着剤を用いる場合の中間層厚みは、特に限定されないが、例えば熱成形までのシート中の厚みとして0.5μm以上4μm以下とすることができる。
中間層が接着性樹脂からなる層である場合の接着性樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。その具体例としては、エチレンと(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸グリシジルなどとの2元、あるいは3元以上の共重合体や無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸ポリプロピレンなどの無水マレイン酸変性ポリオレフィンなどを用いることができる。中間層として接着性樹脂を用いる場合の中間層厚みは、特に限定されないが、例えば熱成形までのシート中の厚みとして3μm以上100μm以下とすることができる。
本実施形態のシートは、上述の2種の最外層及び中間層以外の層、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミドなどのガスバリア性樹脂層、必要に応じてガスバリア性樹脂層と再外層との接着のための上記の中間層と同じか、あるいは、別の中間層を用いてもよい。
本実施形態のシートの厚さは、トレイにした時の剛性の観点から、200μm以上であることができ、300μm以上であることが好ましく、400μm以上であることがより好ましく、500μm以上であることがさらに好ましい。シートの厚さの上限は、特に限定されないが、例えば2100μm以下とすることができる。
本実施形態のシートを構成するポリプロピレン、あるいは他の樹脂には、シート製造時の幅調整のために切断除去されるシートの両端部や熱成形でのトレイに成形される部分以外の部位からなる、いわゆるロス部分のシート状物を粉砕、あるいは再溶融したもの(リサイクル材)を本発明の効果を阻害しない範囲で含むこともできる。リサイクル材の添加比率は、大凡40wt%以下が好ましく、また、リサイクル材を添加する樹脂としては、ポリプロピレン層を形成する樹脂、あるいは、中間層に接着性樹脂を用いるときは、中間層を形成する樹脂に添加することが好ましい。このリサイクル材は、多数の樹脂からなる組成物であるため、樹脂としての破断強度、衝撃強度が低い可能性もあり、その場合は、相溶化剤と呼ばれる樹脂を添加して、再溶融し、ペレット化することもできる。さらに、シート成形時にリサイクル材用の押出機を設置し、リサイクル材からなるリサイクル層を設けてもよい。この場合のリサイクル材の含有量は、10wt%以上であることが好ましい。
本実施形態のシートを製造する際、結晶性ポリエステルを含有する最外層を形成する樹脂、あるいは、リサイクル材は、樹脂乾燥することで、樹脂中の水分率を3000ppm以下、好ましくは、1000ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下としたものを用いることができる。結晶性ポリエステルの水分による加水分解を抑制できる観点である。樹脂乾燥の手段は限定されず、一般の乾燥機、除湿乾燥機、真空乾燥機、N還流式の除湿乾燥機などを適宜使用することができる。
本実施形態のシートは、共押出Tダイ溶融押出法や、押出ラミネーション法、ドライラミネーションなど公知の積層成形法により製造することができる。上述の接着性樹脂を用いた中間層は、共押出Tダイ溶融押出法や、押出ラミネーション法について適用することができ、上述の接着剤を用いた中間層は、ドライラミネーションに適用することができる。これらの中で、共押出Tダイ溶融押出法で成形されることが、生産性が高く、コストの観点で好ましい。この共押出Tダイ溶融押出法は、必要な数の押出機を備え、それぞれの押出機が1台のTダイに連結され、このTダイより樹脂を積層した状態でフィルム状に押し出し、冷却ロールにて冷却固化し、多層シートを製造する方式である。
具体的に、共押出Tダイ溶融押出法にて前記多層シートを製造する方法の一例として、ポリプロピレン/無水マレイン酸変性ポリオレフィン/結晶性ポリエステル構成品を例として、以下、説明する。
3本の押出機をそれぞれ180〜330℃程度に加熱し、ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、及び結晶性ポリエステルのパウダー状物又はペレット状物をそれぞれの押出機に供給する。各押出機のスクリューにより溶融混練し、Tダイの上流側に設置されたフィードブロックあるいはコンバーティングアダプターに供給され、最終フィルムの多層構成順に並べた状態でTダイに入り、Tダイ中でシート状にし、Tダイ先端のスリットよりシート状に溶融共押し出された後、種々の手段で冷却ロールに接触させ、冷却することで多層シートが製造される。
共押出されるポリプロピレンを含む溶融シート状物の温度は、180〜300℃程度が好ましい。このときの溶融シート状物の温度が180℃を下回ると、延展性が十分でなく、得られるフィルムの厚みが不均一になり、位相差ムラのあるフィルムとなる可能性がある。また、その温度が300℃を超えると、樹脂の劣化や分解が起こりやすく、シート中に気泡が生じたり、炭化物が含まれたりすることがある。
3本の押出機は、それぞれ単軸押出機であっても二軸押出機であってもよく、各押出機は、統一されていなくてもよい。また、各層の多層シートの構成比により押出機のサイズを選択すると最も設備的に安定した押出量で製造できるため、好ましいこともある。各押出機で溶融混練された各樹脂は、アダプターと呼ばれる温調された単管を通り、フィードブロック、あるいはコンバーティングアダプターに供給される。これらは、Tダイの種類により選択されるものであり、Tダイ中の流路が一つのものは、事前に多層フィルムの樹脂構成に従いフィードブロック内で樹脂を並べた後、Tダイに供給される。一方、マルチマニホールドと呼ばれるTダイ中に流路が複数あり、Tダイリップ部分の直前に各樹脂層が積層される場合は、各押出機からの流路をフィルム構成に応じてTダイ中の各流路とをコンバーティングアダプターにより結合させる。
なお、ポリプロピレンや結晶性ポリエステル、無水マレイン酸変性ポリオレフィンなどの押出変動を抑制する観点から、各押出機とTダイとの間には、各々ギアポンプを取り付け、圧力を安定させTダイに樹脂を供給することができる。このときの圧力は、変動値として0.3MPa以内であることが好ましい。このようにすることで、得られるシートの厚み変動を小さくすることができる。
さらにポリプロピレンや結晶性ポリエステル、無水マレイン酸変性ポリオレフィン中に含まれる異物を取り除くため、各押出機の先端には、ブレーカープレートなどで保持される金属メッシュや金属のファイバーからなる燒結メッシュを取り付けることが好ましい。金属メッシュの場合、400メッシュ以下の金属メッシュが、そして金属ファイバーの燒結メッシュの場合、200μm以下の濾過精度のものが使用できる。
Tダイから押し出された溶融シート状の多層シートは、引き続き金属製の冷却ロール(チルロール又はキャスティングロールともいう)に接触し、冷却ロールに密着することで冷却される。冷却ロールへの密着が、シートの厚み精度に影響する。冷却ロールの密着手段としては、例えば、
a)溶融シート状の多層シート状物に静電気を付与し、表面状態が鏡面の冷却ロールに密着させて冷却する方法、
b)溶融シート状の多層シート状物を、表面状態が冷却ロールと表面状態がゴムロール(タッチロールともいう)との間で挟圧し、冷却ロールに密着させて冷却する方法、
c)溶融シート状の多層シート状物を冷却ロールに接触させるときに、エアチャンバー、あるいはエアナイフから吹き出されるエアによって冷却ロールに密着させて冷却する方法、などの公知の方法で実施できる。
上記のうち、b)の方法の場合は、ゴムの硬度が、60−100のシリコンゴム、ネオプレンゴムものなど一般的なものが使用できる。
上記の3種類の方式で用いられる冷却ロールは、例えば表面温度を20〜80℃の範囲に調整されることが好ましい。冷却ロールの表面温度が80℃を超えると、溶融多層シート状物の冷却固化に時間がかかるため、多層シート状物中のポリプロピレンの冷却が十分でなく、シートの引取張力に負けてシートの製造方向に変形をおこす可能性がある。一方、冷却ロールの表面温度が20℃を下回ると、冷却ロールの表面が結露して水滴が付着し、得られるフィルムの外観を悪化させる傾向がある。
本実施形態の多層シートを製造するときの加工速度は、一般的な範囲で実施できるが、一般的には2〜20m/minが好ましい。また、製造時はポリプロピレンと結晶性ポリエステルからなる両外層のうち、どちらの面を冷却ロール側に配置してもよいが、結晶性ポリエステル側を冷却ロール側に配置する方が結晶促進を良くできるという意味で好ましい。後工程でのトレイの成形において、融点の高い結晶成分が多く生じる場合、ポリプロピレンの成形温度では、結晶性ポリエステル層の伸びを欠き、熱成形性を損なう可能性がある観点からである。
本実施形態のシート又は食品用トレイにおいては、結晶性ポリエステルにおける結晶化ピークのエンタルピーΔH(結晶化)と、融解ピークのエンタルピーΔH(融解)との比(ΔH(結晶化)/ΔH(融解):以下、エンタルピー比と呼ぶことがある)が0を超えることが好ましく、0.10以上であることがより好ましく、0.2以上であることがさらに好ましく、0.30以上であることがより一層好ましい。なお、この比が0を超えるということはシート又は食品用トレイの状態では結晶化していない結晶性ポリエステルが存在することを示し、この比が0.20以上あるいは0.30以上であるということは、シート又は食品用トレイの状態では結晶化していない結晶性ポリエステルの量が多いことを示す。このような結晶性ポリエステルの例はA−PETである。
本発明のシート及び熱成形直後の食品用トレイのポリエステル層の結晶化していない成分の量を大きくする方法としては、例えば、多層構造のシートを製造する際の条件と、当該シートを熱成形してトレイにする際の条件をそれぞれ制御する方法があげられる。前者の方法では、多層シートを製造する際、ダイから押し出された溶融シート状物を冷却する際、シートを冷却固化させる冷却ロールの表面温度を70℃以下とし、急冷することにより、ポリエステル層における結晶化していない成分の量を多くできる。なお、この冷却ロールの表面温度は、シートの総厚みやライン速度の影響を受ける。
後者の方法では、シートの熱成形において、シート中の結晶性ポリエステルからなる層の結晶が溶ける温度(融点付近)となる、ヒーターの位置(距離)、温度、そして時間等の条件とした上で、当該シートを加熱してトレイを成形することにより、ポリエステル層の結晶化していない成分の量を多くできる。
上記の2つの方法を単独、あるいは両方適用しトレイを製造することにより、結晶化していない成分が多く、そのため、より配向の少ないトレイが製造でき、食品を入れて電子レンジ調理をしても問題が少なく、かつ、変形の少ないトレイが得られる。
本実施形態の食品用トレイにおける結晶性ポリエステルは、熱成形して結晶化していない成分を含む液晶ポリエステル層を得た後に、例えば100〜160℃でエージングすることにより結晶化させたものでもよく、また結晶化していない結晶性ポリエステルが存在する状態で食品を収容して、加熱調理する際にこれを結晶化させてもよい。これにより耐熱性を向上させることができる。熱成形して結晶化していない成分を含む液晶ポリエステル層を得た後に、トレイの形状を保持できる金型にトレイをはめ込み、あるいは上下二組の金型で挟み込むなどを行い、金型を例えば120℃以上230℃以下に温調し、2秒以上30秒程度保持すること、即ち、後工程での熱処理によりトレイの結晶性ポリエステルを結晶化してもよい。また、温調したギアオーブンなど加熱炉中にトレイを保持することで結晶性ポリエステルを結晶化してもよい。
食品用トレイと蓋材を熱シールにより封緘する場合は、結晶化を促進する前にトレイを熱シールし、その後にトレイを加熱して結晶性ポリエステル中の結晶成分を増やす方がシールしやすく、蓋材の選択が比較的容易となるため、好ましい。
食品と接する面に位置する最外層に含まれる結晶性ポリエステルを結晶化させることにより、トレイの穴開きをより効果的に抑制することができる。結晶化させることにより、トレイの耐熱性の上限が、結晶融点付近の温度となるためである。
本実施形態の食品を収容するための食品用トレイは、従来公知の熱成形法により、上記結晶性ポリエステルを含有する最外層が食品と接する面に位置するように、上述のシートを成形することにより得られる。
トレイの形状は、従来公知のものとすることができ、特に限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1)
(積層シート製造:ドライラミ)
未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東和化工株式会社製:厚み20μm、幅=500mm)をドライラミネーターの繰り出し機に取り付け、2液混合型脂肪族ポリエステル系接着剤を有機溶剤に希釈して調整した接着剤を含む溶液を、乾燥後の膜厚が2μmとなるようにグラビア塗布した。その後、120℃に温度制御したオーブン中に通し、有機溶剤を揮発させ、除去した。さらに、接着剤面に厚み550μmのポリプロピレンシート(融点=164℃)を重ね、ニップロールにて積層した。40℃で2日間エージングして積層シート1を得た。
(トレイ真空成形)
積層シート1をバッチ式の真空成形機に取り付け、508℃に設定したヒーターで上下方向から12秒加熱し、シート表面温度が190℃となった時点でヒーターを離し、トレイ状(50mm×120mm×深さ40mm)にポリエステル面を内側として真空成形し、評価用トレイを得た。なお、シート表面温度は、温度表示が10℃刻みの市販のサーモラベルで異なる測定温度範囲のものを複数枚使用し計測した。
(真空成形後の結晶性評価)
このトレイの内側のポリエステル層を剥離し、DSCを用いて昇温速度10℃/min、窒素フロー50ml/minで測定し、結晶化に伴うピーク、融解に伴うピークをそれぞれ求めた。
(加熱調理、及び、その後の結晶性評価)
ついで、成形したトレイに市販のサラダ油を底部より10mm高さまで注ぎ、電子レンジ中に静置したのち、700Wで180秒加熱した。穴の有無を目視にて確認し、その後、サラダ油を廃棄し、水洗いを行った後、ポリエステル層を剥ぎとり、再びDSC測定を実施した。
(高温耐久試験)
成形した別のトレイに市販のサラダ油を底部より10mm高さまで注ぎ、電子レンジ中に静置したのち、1800Wでサラダ油が160℃となるまで加熱した。その後、トレイに変形が生じたか否かを目視で観察した。
参考例2:ドライラミ+熱処理による結晶化)
積層シート1を用い、ヒーター温度550℃、加熱時間10秒、シート表面温度190℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製した。得られたトレイのDSCにより測定したエンタルピー比は0.50であった。この後、成形したトレイを150℃に加熱したギアオーブン中に設置し、15分間熱処理を行って結晶化させた以外は参考例1と同様に評価を行った。熱処理後のシートのDSC測定も行った。熱処理後のエンタルピー比が0であることから、トレイが結晶化していることがわかる。
参考例3:押出ラミ)
積層体1と同じ未延伸ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンシートを用い、変性ポリオレフィン樹脂(三井化学株式会社製、アドマーSF731)を280℃に温度調節した50mmφ押出機に投入し、Tダイより厚み30μmとなる押出量で未延伸ポリエチレンテレフタレートとポリプロピレンシートの間に押し出した。その後、40℃に温調した金属ロールとゴムロール間でニップすることで積層シート2を得た。ヒーター温度530℃、加熱時間11秒、シート表面温度190℃とした以外は参考例1と同様に真空成形によりトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例4:共押出)
270℃に設定した50mmΦ押出機(押出機A)に150℃で4時間乾燥させたポリエステル樹脂(PET:SHINKONG社製、SHINPETTM5522W)を、同じく260℃に設定した50mmΦ押出機(押出機B)に接着性樹脂(三井化学株式会社製アドマーSF731)を、さらに260℃に設定した40mmΦ押出機(押出機C)にポリプロピレン樹脂組成物(住友化学株式会社製ノーブレンWF836DG3/住友化学株式会社製エクセレンGH030=70/30)をそれぞれ投入し、270℃に設定した300mm幅マルチマニホールドダイより層比として押出機A/押出機B/押出機C=50/20/230μmとなるように各押出機のスクリュー回転数を調整した上で押し出し、15℃温調したゴムロールと20℃で温調した金属ロール間に挟み込み冷却することで積層シート3を得た。ヒーター温度530℃、加熱時間17秒、シート表面温度210℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例5:共押出)
270℃に設定した50mmΦ押出機(押出機A)に150℃で4時間乾燥させたポリエステル樹脂(PET:SHINKONG社製、SHINPETTM5522W)を、同じく260℃に設定した50mmΦ押出機(押出機C)に接着性樹脂(三井化学株式会社製アドマーSF731)を、さらに280℃に設定した65mmΦ押出機(押出機B)にポリプロピレン樹脂組成物(住友化学株式会社製ノーブレンAH1311/東ソー株式会社製ニポロンハード6300=85/15)をそれぞれ投入し、280℃に設定した1000mm幅マルチマニホールドダイより押出機A/押出機C/押出機Bの順に積層し押出した。層比は押出機A/押出機C/押出機B=10/20/270μmとなるように各押出機のスクリュー回転数を調整した上で押し出し、15℃温調したゴムロールと50℃で温調した金属ロール間に挟み込み冷却することで積層シート3を得た。ヒーター温度530℃、加熱時間14秒、シート表面温度220℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。ヒーター温度530℃、加熱時間14秒、シート表面温度220℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例6:共押出)
層比として押出機A/押出機B/押出機C=20/20/260μmとする以外は、実施例5と同様にして、積層シートを得た。ヒーター温度530℃、加熱時間10秒、シート表面温度210℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例7:共押出)
層比として押出機A/押出機B/押出機C=100/20/180μmとする以外は、実施例5と同様にして、積層シートを得た。ヒーター温度530℃、加熱時間17秒、シート表面温度200℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例8:共押出)
層比として押出機A/押出機B/押出機C=20/20/160μmとする以外は、実施例5と同様にして、積層シートを得た。ヒーター温度530℃、加熱時間17秒、シート表面温度210℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例9:共押出)
層比として押出機A/押出機B/押出機C=20/20/760μmとする以外は、実施例5と同様にして、積層シートを得た。ヒーター温度530℃、加熱時間14秒、シート表面温度210℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例10:共押出)
層比として押出機A/押出機B/押出機C=30/50/1120μmとする以外は、実施例5と同様にして、積層シートを得た。ヒーター温度530℃、加熱時間46秒、シート表面温度220℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(実施例11:共押出)
層比として押出機A/押出機B/押出機C=20/20/260μmとする以外は、実施例5と同様にして、積層シートを得た。ヒーター温度380℃、加熱時間63秒、シート表面温度160℃とした以外は参考例1と同様にトレイを作製し、参考例1と同様に評価した。
(比較例1)
比較対象として、積層シート1を製造するときに用いたポリプロピレンシートを用いて、参考例1と同様にしてトレイを成形し、参考例1と同様にサラダ油を用いて同様に電子レンジによる評価を行った。
実施例及び比較例で得られたシートの構成及び製造条件を表1に、試験の結果を表2に示す。
Figure 0006933438

Figure 0006933438

Claims (2)

  1. 2以上の層の積層体を有する熱成形用シートであって、
    該熱成形用シートにおける一方の最外層が結晶性ポリエステルを含有し、且つ他方の最外層がポリプロピレンを70質量%以上含有しポリエチレンを5〜30重量%含有し、
    前記結晶性ポリエステルにおける結晶化ピークのエンタルピーΔH(結晶化)と、融解ピークのエンタルピーΔH(融解)との比(ΔH(結晶化)/ΔH(融解))が0.20以上であり、
    前記結晶性ポリエステルを含有する最外層の厚さが10〜100μmであり、
    前記ポリプロピレンを含有する最外層の厚さが160〜2000μmである、熱成形用シート(但し、前記最外層が、DSC法において、99.9℃/分の速度で昇温し、140℃に達した時点から該温度に保った場合に、結晶化ピークの現れるまでの時間が1分以上であるものを除く)。
  2. 食品を収容するための食品用トレイであって、
    請求項1に記載の熱成形用シートを有し、且つ結晶性ポリエステルを含有する最外層が食品と接する面に位置する食品用トレイ。
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