JPH03261535A

JPH03261535A - バリヤー性容器の製造方法

Info

Publication number: JPH03261535A
Application number: JP6079890A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiko Yamano; 山野　泰彦; Masayuki Kageyama; 影山　公志
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1990-03-12
Filing date: 1990-03-12
Publication date: 1991-11-21

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野Ｊ本発明はポリエステル樹脂層を有する多層プラスチック
シートからなるバリヤー性容器の製造方法に関し、更に
詳しくはレトルト処理等における各々の工程で容器に所
要のバリヤー性、剛性及び耐熱性を付与しうる上記バリ
ヤー性容器の製造方法に関する。

［従来の技術］従来、食品用容器の内面層には、耐水性、衛生性等の点
からポリオレフィンが用いられている。

しかしながら、このような容器の内面に用いられたポリ
オレフィンについては、内容物である食品の香気成分を
吸着してその風味を低下させたり、また内容物との接触
によりポリオレフィンから低分子量オレフィンが内容物
中へ溶出し、いわゆるオレフィン臭が発生する等の問題
点があった。このため上記欠点のない、ポリエチレンテ
レフタレート等のポリエステル樹脂を包装容器の内面層
として用いることが提案されている。

［発明が解決しようとする課題］しかしながら、上記ポリエステル樹脂として非品性ポリ
エステルを用いた場合、容器としての特性、例えば耐熱
性、剛性、ガスバリヤ−性等が劣るため、用いるポリエ
ステル樹脂には高い結晶化度を付与する必要があった。

このため、例えばポリオレフィン類、無機物等の核剤を
結晶化促進剤として含有させたポリエステル樹脂からな
るシートが用いられており、実際にはこれを１２０〜１
５０℃で予備加熱した後、１５０〜１８０℃の加熱金型
を用いて圧空成型し、次いで常温乃至７０℃の冷却金型
に固定させ、冷却し、結晶化させた後に打抜きを行ない
、容器を成型していた。このため、ポリエステルを用い
た容器成型においては成型時における工程数が多くなり
、生産性が悪化するという欠点があった。また、高い結
晶化度のものを用いるため、耐熱性や剛性が増し、ヒー
トシールや金属蓋による巻締めが困難になるという問題
も生じていた。更に核剤等の結晶化促進剤を使用するこ
とによりレトルト殺菌又はボイル殺菌時に結晶化促進剤
が容器の内容物中に溶出する恐れもあった。

従って、本発明の目的は、ポリエステル樹脂層を有する
多層プラスチックシートから簡単な工程で生産性の高い
バリヤー性容器を製造する方法を提供することにある。

また、本発明の目的は、耐熱性、剛性及びバリヤー性に
優れ、かつヒートシールや金属蓋による巻締めが容易な
バリヤー性容器の製造方法を提供することにある。

［ｉ！題を解決するための手段］本発明者等は上記課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明
の上記目的は、多層プラスチックシートを絞り成型して
最内面にポリエステル樹脂層を有する容器を製造する方
法において、前記ポリエステル樹脂層をＤＳＣ法におい
て９９．９℃／分の速度で昇温し１４０℃に達した時点
から該温度に保った場合結晶化ピークの現われるまでの
時間が１分以上であるポリエステル樹脂から形成し、か
つ前記絞り成型において、該ポリエステル樹脂層の結晶
化度を０〜５％にとどめ、次いで得られた容器に熱処理
を行ない、前記ポリエステル樹ＷＢ層の結晶化度を１０
％以上とすることを特徴とするバリヤー性容器の製造方
法により達成されることを見出した。

以下に本発明を更に詳細に説明する。

本発明においては成型容器の最内層にヒートシールを容
易にするためにポリエステル樹脂層が設けられる。この
ようなポリエステル樹脂層としては絞り成型時の結晶化
の促進を防止するために低結晶化速度ポリエステルが用
いられ、特にＤＳＣ法（デシマル・スキャニング・カロ
リー法〉すなわち、走査型熱量計を用いて９９．９℃／
分の速度で昇温し、１４０℃に達した時点から、該温度
に保ったとき結晶化ピークが現われるまでに１分以上要
するようなものが用いられる。

上記の如きポリエステル樹脂としては二塩基酸とグリコ
ールの共重合体が挙げられ、このような二塩基酸として
はテレフタール酸を主成分として含むものが好ましく、
また、グリコールとしてはエチレングリコールを主成分
として含むものが好ましい。上記二塩基酸及びグリコー
ルはそれぞれコモノマー成分として他の多塩基酸及び他
の多価アルコールを含むことができる。

多塩基酸にコモノマー成分として含むことのできる他の
多塩基酸としてはイソフタール酸、ナフタリンジカルボ
ン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジ
カルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、バラオキシ安息香′Ｍ等の
芳香族ジカルボン酸；へキサヒドロテレフタール酸、ヘ
キザヒドロイソフタール酸等の脂環族ジカルボン酸；ア
ジピン酸、セパチン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカル
ボン酸；ｐ−β−ヒドロキシ安息香酸、ｐ−オキシ安息
香酸、ε−オキシカプロン酸等のオキシ酸ニトリメリッ
ト酸、トリメシン酸、３．３′５．５′−テトラカルボ
キシジフェニル等の芳香族多塩基酸；ブタンテトラカル
ボン酸等の脂肪族多塩基酸；酒石酸、リンゴ酸等のオキ
シポリカルボン酸等が挙げられる。

また、多価アルコールにコモノマー成分として含むこと
のできる他の多価アルコールとしては、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、デカメチレングリコール、ネオベンチレン
ゲリコール、ジエチレンゲリコール、１，１−シクロヘ
キサンジメチロール、１．４−シクロヘキサンジメチロ
ール、２．２−ビス（４−β−ヒドロキシエトキシフェ
ニル）プロパン、ビス−（４−β−ヒドロキシエトキシ
フェニル）スルホンシクロヘキサン、１゜４−ビス（β
−ヒドロキシエトキシ〉ベンゼン、１．３−ビス（β−
ヒドロキシエトキシ〉ベンゼン等のグリコール類；フロ
ログリシン、１，２゜４．５−テトラヒドロキシベンゼ
ン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール
類が挙げられる。

本発明においては上記の如きポリエステル１ｆＡ脂から
なるポリエステル樹脂層の厚さは任意であるが、例えば
１０μＩ〜ｉｍｍの範囲で用いられる。

更に、本発明においてはポリエステル樹脂層中に上記以
外の他の添加剤を含むことができる。このような添加剤
としては滑剤、アンチブロッキング剤、安定剤、防曇剤
、着色剤等が挙げられる。

上記のようなポリエステルとしては具体的には核剤を含
まない無添加ポリエステル　ユニチカ■製Ｎ　Ｅ　０３
０６０、イーストマンコダック社製９９２１等が挙げら
れる。

本発明においては、上記の如きポリエステル樹脂を用い
て絞り成型において、結晶化度を０〜５％に留めるが、
具体的にはこのような結晶化度はポリエステル樹脂をポ
リプロピレン（ＰＰ）　、ポリカーボネート（ＰＣ）、
ポリメチルペンテン（ＴＰＸ）　、ナイロン等の耐熱性
、成型性等に優れた樹脂とともに多層共押出してシート
化し、絞り成型で容器状に成型する際、例えばシート温
度を１９０℃以下、加熱時間を１００秒以下の範囲内で
行なうことによって実現することができる。

本発明における絞り成型としては、型の反対側から加圧
空気を吹出し、かつ型に脱気孔を設けて行なう圧空成型
、型の真空吸引孔から吸引して成型を行なう真空成型、
真空成型と圧空成型を組合わせて行なう形式の真空圧空
成型、真空成型と同時に型の反対側から雄型（プラグ）
で押す形式のプラグ成型等が用いられるが、真空圧空成
型が好ましく用いられる。

また、前記多層共押出により得られるシートには前記耐
熱性、成型性に優れた樹脂層に加えて、必要に応じエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物（ＥＶＯＨ）、ポリ
ごニリデンクロライド（ＰＶＤＣ）　、メタキシレンア
ジパミド（ＭＸＤ−６〉等のハイバリヤー性樹脂層を用
いることができる。また、上記積層シートの各層の間に
は更に不飽和カルボン酸グラフト変性ポリオレフィン等
の接着性樹脂又はウレタン系接着剤等の接着剤の層を介
在させることができる。前記共押出方法としては、通常
の方法が用いられるが、例えばダイ前合流フィードブロ
ック法、ダイ内合流マルチマニホールド法、ダイ外合流
マルチスロット法等が用いられる。

上記の如く得られた結晶化度０〜５％の容器は種々の食
品、例えばカレー、シチュー、コーンスーブ等を例えば
８０〜１００℃の温度で熱充填してもＰＰ、ＰＣ，ＴＰ
Ｘ等の樹脂層を有するため変形現象等は発生しない。

本発明においては、更に上記食品を充填した容器に熱処
理を行ない、ポリエステルの結晶化度を１０％以上とし
て結晶化ポリエステルとし、耐熱性、剛性及びバリヤー
性を付与することができる。

上記熱処理としては、特に８０℃以上のボイル殺菌処理
、レトルト殺菌処理等の内容食品の殺菌処理が挙げられ
る。このような熱処理により食品等から発生した水蒸気
の影響により、容器最内層のポリエステルの結晶化が促
進され、上記結晶化度を達成することができる。

本発明のバリヤー性容器の形状に関しては、特に限定さ
れるものではなく、トレイ状、カップ状、ボウル状等い
ずれでも可能である。容器に食品等を充填した後の口部
の封止方法としては内面にポリエステル系のシーラント
（例えばＰＥＴ　　Ｇ５１１６　（デュポン社製）、Ｐ
７４（東し■製〉〉を用いた蓋材をヒートシールする方
法、金属蓋の二重巻締等の方法が好ましく行なわれる。

［実施例］以下に本発明を実施例を挙げて更に具体的に説明する。

ポリエステル樹脂（ユニチカ■製、　Ｎ　Ｅ　Ｃ３０６
０）５０μ−とポリプロピレン６３０μ園を、接着性樹
脂（アトマーＡＴ　４６９Ｇ　（三井石油化学側製））
２０μｍを介して共押出してシートを作成した。

このシートを、シート温度１８５℃で真空成形（４０秒
）し、第１図に示す形状の容器を得た。

このときのポリエステルの結晶化度は３％であった。こ
の容器に調理法カレー（品温８０℃）を充填したが、容
器の変形は見られなかった。この容器を金属蓋で巻締め
た。ポリエステルが結晶化していないため加工は容易で
あった。

次いで、密封された容器を条件を変えてレトルト又はボ
イルによる加熱殺菌をした。このときのポリエステルの
結晶化度、剛性、水蒸気バリヤー＄１　：評価Ｏ：変形発生なし Δニ一部変形（うねり）発生 ×：変形発生尚、結晶−化度は密度法にて、また、剛性、水蒸気バリ
ヤー性、酸素バリヤー性は下記試験方法により測定した
。

・弾性率：ＪＩＳ−に−６９１１・水蒸気バリヤー性：ＪＩＳ−Ｚ−０２０８（４０℃、
９０％Ｒ，Ｈ，）・酸素バリヤー性：ＡＳＴＭ　　Ｄ　３９８５（２０℃
、０％Ｒ８口、〉［発明の効果］以上詳細に述べたように、本発明により成型時にポリエ
ステルの結晶化を制御することにより、容器成型におけ
る工程を簡略化して生産性を向上することができる。ま
た、成型後、レトルト殺菌等の加熱処理前は低結晶化度
のため剛性が低く、ヒートシール及び金属蓋による巻締
めが容易となるが、上記加熱処理し結晶化度を上げるこ
とにより剛性、耐熱性及びバリヤー性が増大し、容器と
しての性能が向上する。更に本発明に係る容器に食品類
の熱充填を行なっても容器変形現象がおこらず、また、
結晶化促進剤としての核剤を添加する必要がないため、
容器内容物への溶出という弊害も発生しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例において作成した本発明の方法によるバ
リヤー性容器の概略断面図を示す。く主な参照番号〉１・・・ポリエステル層２・・・接着性樹脂層３・・・ポリプロピレン層

Claims

【特許請求の範囲】

多層プラスチックシートを絞り成型して最内面にポリエ
ステル樹脂層を有する容器を製造する方法において、前
記ポリエステル樹脂層を、ＤＳＣ法において９９．９℃
／分の速度で昇温し１４０℃に達した時点から該温度に
保った場合結晶化ピークの現われるまでの時間が１分以
上であるポリエステル樹脂から形成し、かつ前記絞り成
型において、該ポリエステル樹脂層の結晶化度を０〜５
％にとどめ、次いで得られた容器に熱処理を行ない、前
記ポリエステル樹脂層の結晶化度を１０％以上とするこ
とを特徴とするバリヤー性容器の製造方法。