JP5915592B2 - 熱成形体及びその製造方法並びに加熱処理方法 - Google Patents

熱成形体及びその製造方法並びに加熱処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱成形体及びその製造方法並びに加熱処理方法に関し、詳しくは、加熱処理に耐え得る熱成形体、及びその製造方法並びに加熱処理方法に関する。
従来より、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いた成形体が製造されている。熱可塑性樹脂の中でも、プロピレン系樹脂組成物は、耐熱性、剛性、耐衝撃性、あるいは衛生面に優れていることから、食品等の容器として好適に用いられており、特に、高い耐熱性を必要とする電子レンジでのレンジアップ容器、高温充填が必要な容器等に使用範囲が広がってきている。
このような成形体は、射出成形あるいは熱成形により製造される。射出成形は用いる金型によって所望の形状に成形しやすいという利点から、成形体の製造に適している。しかし、射出成形は、多数個取りにした場合の金型費用が高い、生産スピードが熱成形と比較し遅い、薄肉成形品を生産しにくいという問題を有している。
一方、熱可塑性樹脂をシート状に押出成形した後、そのシートを再加熱して所望の成形体を得る、真空成形、真空圧空成形、固相圧空成形等の熱成形法は、成形し易く生産性が高いことから、大量生産に向く上、多層化製品を得るのも容易なことから、広く普及している。
しかし、真空成形、真空圧空成形等の、シートを溶融した状態で成形体を成形する熱成形法は、融点以上の温度まで再加熱して容器とするため、固相圧空成形と比較すると冷却時間が長く生産性は劣る。熱成形法の中でも、固相圧空成形は、樹脂の融点以下で成形できるために成形冷却時間を大幅に短縮することが可能で、成形体の寸法精度も高いことから、製品の価値の高い熱成形体を高速サイクルで生産できる点で優れている(特許文献1参照)。
近年は食品の安全性確保のために、高温加熱処理に耐えられる包装材料が求められてきており、フィルム材料については、耐熱性、シール性を兼ね備えた材料が各種提案されている(特許文献2および特許文献3参照)。
一方、シートからの熱成形体についても各種材料の提案がなされてきている(特許文献4〜7参照)が、固相圧空成形による高温加熱処理に耐えられる成形体を得るには十分ではない。通常、ポリプロピレン系樹脂を固相圧空成形することにより得られた成形体は、高温加熱処理したときの収縮率が大きい。融点に近い温度で固相圧空成形すれば、収縮率が小さくなるが、成形プラグへの樹脂の付着や成形エアーによる穴あきが起こりやすく、成形温度幅が非常に狭くなり、生産性が悪化してしまう。
したがって、固相圧空成形による高温加熱処理が可能な熱成形体及び生産性良く成形体を得られる方法が求められている。
特開昭47−011489号公報 特開2006−150892号公報 特開2006−307120号公報 特開2006−282259号公報 特開2008−207818号公報 特開平07−126409号公報 特開2011−126544号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、ポリプロピレン系シートを融解ピーク温度以下の温度で固相圧空成形により製造可能であり、高温加熱処理による収縮率の小さい熱成形体を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、β晶核剤を特定量含有する特定のプロピレン系樹脂組成物からなるポリプロピレン系シートを用いると、融解ピーク温度以下の温度を含む幅広い成形温度条件域で固相圧空成形でき、得られた熱成形体が、高温加熱処理に対する優れた耐熱性を得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の熱成形体、熱成形体の製造方法及び加熱処理方法を提供する。
[1]加熱処理に供される内容物を収納可能な熱成形体であって、β晶核剤(B)を10〜10,000ppmを含有し、MFRが0.1〜100g/10minであるプロピレン系樹脂(A)からなるプロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを、固相圧空成形法により成形してなることを特徴とする熱成形体。
[2]前記プロピレン系樹脂層のβ晶分率が、3%以上20%未満である上記[1]記載の熱成形体。
[3]熱成形体は、深さ/口径の比が0.5以上である深絞り構造を有する容器である上記[1]又は[2]に記載の熱成形体。
[4]前記樹脂シートは、さらに、ガスバリア層を有する上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱成形体。
[5]加熱処理に供される内容物を収納可能な熱成形体を製造する方法であって、β晶核剤(B)を10〜10,000ppmを含有し、MFRが0.1〜100g/10minのプロピレン系樹脂(A)からなるプロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを、固相圧空成形法により成形することを特徴とする熱成形体の製造方法。
[6]上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱成形体に内容物を収納し、内容物を加熱処理する加熱処理方法。
[7]加熱処理の温度が100℃以上である上記[6]に記載の加熱処理方法。
本発明の熱成形体は、高温加熱処理によっても、容器の変形が非常に小さいため、特に食品容器や医療容器等に、広く適用することが可能である。
また、プラグアシスト成形等の固相圧空成形法の適用により、容器の大小、形状の違いがあるにもかかわらず、幅広い成形温度条件域で高温加熱処理による変形の少ない容器状の成形品を、歩留まり良く、高速サイクルで、安定して容易に成形することが可能である。
本発明の熱成形体は、加熱処理に供される内容物を収納可能な熱成形体であって、β晶核剤(B)を10〜10,000ppmを含有し、MFRが0.1〜100g/10minであるプロピレン系樹脂(A)からなるプロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを、固相圧空成形法により成形してなることを特徴とする。
以下、本発明を項目毎に、順次説明するが、本発明は以下の説明に制限されるものではなく、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することができる。
なお、本明細書において「〜」という表現を用いてその前後に数値を記載する場合、その前後の数値を含む意味で用いることとする。
[プロピレン系樹脂(A)]
本発明においては、熱成形を行う樹脂シートの主層を構成するプロピレン系樹脂層に用いる第1の成分として、特定のプロピレン系樹脂(A)が用いられている。
本発明において使用するプロピレン系樹脂(A)は、温度230℃、2.16kg荷重で測定するメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分であることを特徴とする。
MFRが0.1g/10分未満では、溶融流動性が低下しシート成形が困難になる。一方、MFRが100g/10分を超えると、ドローダウンによりシート成形が困難となり好ましくない。この中でも、MFRは0.4〜20g/10分であることが好ましく、0.4〜5g/10分であることが更に好ましい。
なお、メルトフローレート(MFR)は、JIS K6921−2の「プラスチック−ポリプロピレン(PP)成形用及び押出用材料−第2部:試験片の作り方及び性質の求め方」に準拠して、試験条件:230℃、2.16kg荷重で測定した値である。
プロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)の制御は、従来から公知の方法で可能であり、通常は、プロピレン系樹脂の重合条件である温度や圧力を調節したり、重合時に添加する水素等の連鎖移動剤の添加量を制御することにより、行うことができる。
β晶核剤を含有させる前のプロピレン系樹脂(A)の融点は、155〜170℃であることが好ましく、160〜170℃であることが更に好ましい。
・プロピレン系樹脂(A)の製造方法
本発明で用いられるプロピレン系樹脂(A)を製造するための重合用触媒としては、チーグラーナッタ型触媒、メタロセン触媒等が挙げられる。
プロピレン系樹脂(A)の重合方法としては、スラリー法、バルク法、溶液法、気相法等の各種汎用プロセスが適用できる。これら重合反応は、単独反応器だけでなく、複数の反応器を用いて多段にしてもよく、重合方法も例えばバルク法−気相法等、複数組み合わせて用いることもできる。
本明細書において、プロピレン系樹脂(A)という語を用いる場合、前記MFRの要件を満たすものであれば、プロピレン単独重合体であっても、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。但し、プロピレンを含む全α−オレフィン成分のうち、プロピレンのモル%が最も多いものを意味する。また、本明細書において、特に断らない限り、「α−オレフィン」という語は、プロピレンを除くものとし、また、エチレンを含むものとする。よって、プロピレン系樹脂(A)は、プロピレンの単独重合体、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体等が挙げられ、一種類でも、二種類以上の混合物としても、用いることができる。
プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体等のプロピレン共重合体に用いるα−オレフィンとしては、炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられる。好ましくはエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の炭素数2〜8のα−オレフィン、より好ましくはエチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のα−オレフィンであり、これらのα−オレフィンは、一種類での共重合体としても、二種類以上の多元系共重合体としてもよい。
具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体のような、各種二元あるいは三元共重合体が挙げられる。
また、重合に用いる触媒は、これにオレフィンを接触させて少量重合されることからなる予備重合処理に付されたものが好ましい。予備重合処理を行うことにより、本重合を行った際に、ゲルの生成を防止できる。その理由としては、本重合を行った際の重合体粒子間で長鎖分岐を均一に分布させることができるためと考えられ、また、そのことにより溶融物性を向上させることができる。
予備重合時に使用するオレフィンは、特に限定はないが、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等を例示することができる。オレフィンのフィード方法は、オレフィンを反応槽に定速的にあるいは定圧状態になるように維持するフィード方法やその組み合わせ、段階的な変化をさせる等、任意の方法が可能である。予備重合温度、時間は、特に限定されないが、各々−20℃〜100℃、5分〜24時間の範囲であることが好ましい。また、予備重合量は、予備重合ポリマー量が、触媒成分1に対する重量比で、好ましくは0.01〜100、さらに好ましくは0.1〜50である。また、予備重合時に触媒成分を添加、又は追加することもできる。
また、上記の各成分の接触の際もしくは接触の後に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、チタニア等の無機酸化物の固体を共存させる等の方法も可能である。
・重合用触媒、重合方法
重合様式は、オレフィン重合用触媒とモノマーが効率よく接触するならば、あらゆる様式を採用しうる。
具体的には、不活性溶媒を用いるスラリー法、不活性溶媒を実質的に用いずプロピレンを溶媒として用いる、所謂バルク法、溶液重合法あるいは実質的に液体溶媒を用いず各モノマーをガス状に保つ気相法などが採用できる。また、連続重合、回分式重合を行う方法も適用される。また、反応器を1つだけ用いる単段重合以外に、2段以上の多段重合することも可能である。
スラリー重合の場合は、重合溶媒として、ヘキサン、ヘプタン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の飽和脂肪族又は芳香族炭化水素の単独又は混合物が用いられる。
また、重合温度、重合圧力、分子量調整剤は、以下の条件にすることが好ましい。重合温度は、通常0℃以上、150℃以下である。特に、バルク重合を用いる場合には、40℃以上が好ましく、更に好ましくは50℃以上である。また上限は80℃以下が好ましく、更に好ましくは75℃以下である。
さらに、気相重合を用いる場合には、40℃以上が好ましく、更に好ましくは50℃以上である。また上限は100℃以下が好ましく、更に好ましくは90℃以下である。
重合圧力は、大気に対する相対圧力として、1.0MPa以上、5.0MPa以下である。特に、バルク重合を用いる場合には、1.5MPa以上が好ましく、更に好ましくは2.0MPa以上である。また上限は4.0MPa以下が好ましく、更に好ましくは3.5MPa以下である。
さらに、気相重合を用いる場合には、大気に対する相対圧力として、1.5MPa以上が好ましく、更に好ましくは2.0MPa以上である。また上限は2.5MPa以下が好ましく、更に好ましくは2.0MPa以下である。
さらに、分子量調節剤として、また活性向上効果のために、補助的に水素を用いることができる。水素は、プロピレンに対してフィード比で、0〜1mol%の範囲で用いるのがよく、好ましくは0.0001mol%以上であり、さらに好ましくは0.001mol%以上用いるのがよい。
使用する水素の量を変化させることで、生成する重合体の平均分子量の他に、分子量分布、分子量分布の高分子量側への偏り、非常に高い分子量成分、分岐(量、長さ、分布)を制御することができ、そのことにより、溶融張力、溶融延展性といった溶融物性を制御することができる。
また、プロピレン以外に、炭素数2〜20のα−オレフィンをコモノマーとして使用する共重合を行ってもよい。プロピレン系樹脂(A)をプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合とする場合には、プロピレン系樹脂(A)中の(総)コモノマー含量は、好ましくは、0.1モル%以上、1モル%以下の範囲であり、上記コモノマーを複数種使用することも可能である。好ましいコモノマーの具体例としては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜8のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)であり、より好ましくはエチレン、1−ブテン等の炭素数2〜4のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)である。
プロピレン系樹脂(A)は、具体的な銘柄としては、例えば、日本ポリプロ社製の商品名「ノバテック(登録商標)PP」が挙げられる。
[β晶核剤(B)]
本発明において、固相圧空成形を行う材料シートを構成するプロピレン系樹脂(A)には、β晶核剤(B)を使用する。β晶核剤(B)はポリプロピレン系樹脂(A)に含有させることで固相圧空成形により得られる熱成形体(容器等)を、加熱処理したときの収縮率を小さくすることができる。本発明の熱成形体(容器等)は、収容された内容物を、100℃以上での加熱処理が可能であり、さらには110℃以上、特には120℃以上での処理も可能であり、その際の収縮率が著しく低減されることを特徴とする。
β晶核剤(B)としては、ポリプロピレン樹脂中に添加することでβ晶を選択的に形成させる結晶化核剤であれば、特に限定しないが、種々の顔料系化合物(キナクリドン等)やアミド系化合物を好ましく用いることができる。
β晶核剤(B)としては、特に下記一般式で表されるアミド系化合物が好ましい。下記一般式で表されるアミド系化合物を用いることで、高いβ晶形成能を達成することが容易になる。
−NHCO−R−CONH−R
ただし、式中、Rは、芳香環、脂環または炭素数2〜24の脂肪族炭化水素を示し、R、Rは脂環または芳香環を示す。好ましくは、Rは脂環族炭化水素であり、具体的には、シクロへキサンやシクロヘプタン、シクロオクタンを好ましく挙げることができる。また、R、Rは好ましくは芳香環であり、具体例としてベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環を好ましく挙げることができる。
上記一般式で表されるアミド系化合物の好ましい具体例としては、N,N’−ジフェニルヘキサンジアミドや、N,N’−ジシクロヘキシルテレフタルアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドなどを挙げることができ、特にN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミドが好ましい。
β晶核剤(B)の含有量は、10〜10,000ppm(重量ppm)であり、100ppm以上3,000ppm以下が好ましく、500ppm以上1,000ppm以下がより好ましい。
10ppm未満である場合、十分なβ晶形成活性が確保できず、10,000ppmを超えて含有しても、β晶核剤の効果はほぼ変わらず経済的にも不利になるほか、ブリ−ドが懸念されるため、好ましくない。
β晶核剤は1種のみで用いても、2種以上を組み合わせ用いることもできる。
これらのプロピレン系樹脂(A)、β晶核剤(B)、及び以下に説明するその他の配合剤の混合は、例えばゲレーションミキサーやヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速撹拌機付混合機、リボンブレンダー、タンブラーなどの通常の混合装置が使用でき、さらに押出機やニーダー、カレンダーロール等も使用できる。これらの装置を単独機或いは2機併用の混合機等で溶融分散させながら混練した後にペレット化することにより、プロピレン系樹脂材料とすることができる。
[その他の配合剤]
ポリプロピレン系樹脂(A)には、本発明の効果を著しく阻害しない範囲であれば、上記ポリプロピレン系樹脂(A)、β晶核剤(B)以外の配合剤を使用することができる。
本発明に用いられるプロピレン系樹脂(A)には、ポリプロピレン系樹脂(A)以外の他の重合体を配合することができる。
他の重合体としては、プロピレン単独あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体(但し、プロピレン系樹脂(A)に該当するものを除く。)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等の重合体、各種熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
詳細には、プロピレン系樹脂組成物(A)を好ましくは80重量%以上、残りの好ましくは0〜20重量%の部分は、汎用の各種プロピレン(共)重合体、エチレン−プロピレン共重合体(但し、プロピレン系樹脂(A)に該当するものを除く。)、低密度又は高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリレート共重合体、各種エラストマー等のような樹脂、エラストマー、充填剤、添加剤のような材料を任意に配合できる。これらの配合材料は、主層であるプロピレン系樹脂層としての役割を果たす特性を備えたものである。
また、プロピレン系樹脂(A)には、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、滑剤、帯電防止剤、金属不活性剤など、通常ポリプロピレンに用いることのできる各種添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤及びチオ系酸化防止剤などが例示でき、中和剤としては、ステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩類が例示でき、光安定剤及び紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン類、ニッケル錯化合物、ベンゾトリアゾール類、ベンゾフェノン類などが例示できる。
[樹脂シート]
本発明の熱成形体に使用される樹脂シートは、1層以上の少なくともβ晶核剤(B)を含むプロピレン系樹脂(A)を用いた主層からなるシートであり、2層以上の多層構造であってもなんら差し支えない。例えば、主層と最内層との間に、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、メタキシリレンジアミンとアジピン酸を主成分として用いて得られるメタキシリレンアジパミド系ポリアミド樹脂(MXD6ポリアミド)といったバリア性(バリア性樹脂層)及び接着層を配置したバリア層を設けることも好ましい。
また、最外層に高光沢層や低光沢層といった意匠性を持たせた層を配置することも可能である。
特に加熱処理を行う医療容器、食品容器では、内容物の酸化劣化を防ぐために、バリア性樹脂をバリア層とする多層構成にすることが好ましい。このため、本発明の樹脂シートは、熱成形体(容器)本体部分を構成する主層と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、メタキシリレンアジパミド(MXD6ポリアミド)、共役ジエン重合体環化物とエチレン−ビニルアルコール共重合体の混合物、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、非結晶ポリエチレンテレフタレート、低発泡ポリスチレンなどからなる各種材料を積層した、ガスバリア性を考慮した、いわゆる3層構造、4層構造の積層体とすることもできる。
ガスバリア性の層としては、前記のうち、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、メタキシリレンアジパミド系ポリアミド樹脂、共役ジエン重合体環化物とエチレン−ビニルアルコール共重合体の混合物が好ましい。
本発明で使用される樹脂シートの厚みは、0.3〜4mmであることが好ましく、0.5〜3.5mmがさらに好ましく、0.8〜3mmが特に好ましい。厚みが0.3mmを下回る場合は、得られる成形体の剛性が損なわれるおそれがある。一方、厚みが4mmを上回る場合は、シート成形が困難になるおそれがある。
さらに、樹脂シートがバリア層を有する場合、バリア層と主層の厚み比(バリア層/主層)は、0.02以上2以下であることが好ましく、0.04以上0.15以下がより好ましく、0.06以上0.12以下がさらに好ましい。バリア層と主層の厚み比が0.02未満になると、加熱処理(例えばレトルト処理)時にバリア性樹脂が吸水しバリア性能が低下する恐れがある。厚み比が2を超えると、容器成形時のバリア層の伸びムラが発生し、容器の商品価値が低下する恐れがある。
なお、本発明において樹脂シートが主層とバリア層からなる時、バリア層及び/又は主層の外側に、本発明の効果を損なわない範囲で他の層があってもよい。同様に、主層とバリア層との間においても他の層があってもよい。
このような樹脂シートを得るには、ポリプロピレンの成形に通常用いられる複数のダイを備えた押出機を用い、フィードブロックやマルチマニホールドを用いて複数層の樹脂シートに成形することができる。
樹脂シートの具体的製造法の例としては、プロピレン系樹脂(A)およびβ晶核剤(B)等を、公知の単軸又は二軸のスクリュー押出機に通して、コートハンガーダイからシート状に押出した後、(内部で冷却水や油が循環している)金属ロール表面に、エアーナイフ、エアーチャンバー、硬質ゴムロール、スチールベルト、金属ロールにて押さえつけ冷却固化されることによって得ることができる。又、シート両面をスチールベルトで挟んで冷却固化することもできる。
このようなシートの冷却方法の中では、シート両面に金属ロール及び/又はスチールベルトを使用する方法が表面凹凸の少ないシート表面、つまり平滑性に優れたシートを得られることから最も好ましい方法である。
[熱成形体]
本発明の熱成形体は、ポリプロピレン系シートを用い、固相圧空成形により得られるものである。
本発明の熱成形体は、好ましくはプラグアシスト固相圧空成形で得られ、容器の剛性、衝撃強度に優れたものである。通常、固相圧空成形では、加熱処理による収縮が小さい成形体は得られにくい。しかし、本発明の熱成形体(容器等)は、加熱処理による収縮の小さな成形体となる。一方、本発明の熱成形体(容器等)は、内容物を収納し、これを加熱処理やレトルト処理等で高温での加熱処理した際の収縮率を著しく小さくすることができる。
本発明の熱成形体は、上記樹脂シートを用い、好ましくは該シートを主層の融解ピーク温度以下の温度で軟化させ、シート成形され、好ましくはプラグアシスト固相圧空成形機により得ることができる。
このような成形における加熱方法としては、間接加熱、熱板加熱、熱ロール加熱などが挙げられる。成形を、該シートの融解ピーク温度を越える温度で成形を行うと、得られる熱成形体(容器)の透明性、光沢、肉厚均一性が悪化しやすく、アシストプラグに付着し、圧空エアーによる穴あきが発生したり、成形不能となる場合があるので好ましくない。
本発明の熱成形体は、このような固相圧空成形を、樹脂シートを構成する主層のβ晶核剤(B)を含有するプロピレン系樹脂(A)の融解ピーク温度より低い温度でプラグアシスト成形にて行い、製造することが好ましい。
好ましい成形方法であるプラグアシスト固相圧空成形は、プロピレン系樹脂組成物(A)の主層の融解ピーク温度以下で行う際、好ましくは、融解ピーク温度較差5〜30℃の範囲になるような温度で加熱をすることにより主層を軟化させ、次に、アシストプラグを押し下げることにより、ポリプロピレン系シートを容器状にし、固相圧空成形により容器状に予備賦形をして、引き続き、該予備賦形部分に対して、空気圧を付加して該樹脂シートを金型キャビティ表面に密着させることにより熱成形体を成形することができる。
[熱成形体のβ晶分率]
本発明の熱成形体は、好ましくは、そのプロピレン系樹脂層のβ晶分率が3%以上20%未満である。3%未満では加熱処理による収縮が大きくなりやすく、20%以上は融点以上での成形時に得られるが、溶融成形であり、固相圧空成形においては製造上難しい。β晶分率は3%以上15%未満であることが好ましい。
なお、β晶分率は、熱成形体の側面の高さ方向中心部分より試験片を切り出し、切り出した試験片をX線回折により測定して求める。その具体的な方法は、後記実施例に記載のとおりである。
[深絞り熱成形体]
本発明の熱成形体は、上記樹脂シートを用い、固相圧空成形により得られるが、成形体としては、深さ/口径の比が0.5以上である深絞り構造を有する容器形状の熱成形容器が好ましい。
熱成形容器は、容器の形状が角型や丸型に関係無く、容器本体の底面部までの(最大)深さと容器本体の(最大)幅(口径)との比である絞り比が0.5以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。深絞り比は本明細書の実施例で例示するように、ノギス等で測定することができる。
絞り比が0.5以上であるものは、好ましくはプラグアシスト固相圧空成形で得られ、容器の剛性、衝撃強度に優れたものであるが、固相圧空成形では通常は絞り比が大きいほど加熱処理による収縮の小さな容器は得られにくい。しかし、本発明の熱成形体は、例え絞り比が1.0以上であっても加熱処理による収縮の小さな深絞り容器となり得る。
[熱成形容器の用途]
本発明の熱成形体は、意匠性に優れレトルト加熱処理が可能なため、食品容器、洗剤容器、医療用容器等の各種分野の容器に用いることができ、特に、飲料食品分野などにおいて、広く用いることができる。
特に、本発明の熱成形体は、高温での加熱処理に対する耐加熱処理性に優れるので、熱成形体に内容物を収納し、これを高い温度で加熱処理やレトルト処理を施すことが可能となる。この際の加熱処理温度としては、100℃以上が可能であり、さらには110℃以上が可能であり、さらには120℃以上での処理が可能である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
なお、実施例及び比較例において、熱成形容器又はその構成成分についての諸物性は、下記の評価方法に従って測定、評価し、また、使用した樹脂(使用材料)としては下記のものを用いた。
[1.評価方法]
(1)メルトフローレート(MFR)[単位:g/10分]:
プロピレン系樹脂(A)のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のA法、条件M(230℃、2.16kg荷重)に準拠して測定した。
(2)融解ピーク温度(融点、Tm):
TAインスツルメンツ社製示差走査熱量計(DSC)「Q2000」を使用し、試料(プロピレン系樹脂、その組成物又はシート)を5mgアルミパンに充填し、室温から一旦200℃まで昇温速度100℃/分で昇温し、5分間保持した後に、10℃/分で40℃まで降温して、結晶化させた時の結晶最大ピーク温度(℃)として結晶化温度(Tc)を求め、その後、10℃/分で200℃まで昇温させた時の100℃以上155℃以下の主たる融解最大ピーク温度(℃)として融解ピーク温度(Tm)を求めた。
(3)熱成形体の絞り比:
得られた熱成形容器の口部外径及び深さをノギスで測定し、その比(深さ/外径)を絞り比とした。
(4)プロピレン系樹脂層のβ晶分率:
プロピレン系樹脂層のβ晶分率は、特開平6−64038、特開平6−287369、特開平7−118429、特開平7−126409公報等に示される様にターナー・ジョーンズらの「Makromol.Chem 75、135〜137(1964)」に記載された方法に準じて以下の式を用いて算出した。X線回折は熱成形容器の高さ方向中心部分を切り出し、容器円周方向を透過法にて測定した。測定はRigaku社製X−ray
diffractmater SmartLabを用い、波長1.54Å、出力40KV 30mAで、2θスキャン範囲5〜40°を0.1°ステップ、スキャン速度10°/minの条件で測定した。
β晶分率=(hβ)/(hβ+hα+hα+hα) ×100
但し、hβはβ晶(300)面による回折強度(高さ)、hαはα晶(110)面による回折強度(高さ)、hαはα晶(040)面による回折強度(高さ)、hαはα晶(130)面による回折強度(高さ)を表す。
(5)固相圧空成形時の樹脂温度:
固相圧空成形機内の成形直前のシート表面温度を非接触式放射温度計で測定し、最高温度(MAX)と最低温度(MIN)を確認した。
(6)成形性(プラグ付着性):
得られた樹脂シートを用い、30分間連続して12shot/minのスピードで容器成形を行い、樹脂シートがプラグへ付着するかどうかを確認した。
○:樹脂シートの付着なし
×:樹脂シートの付着があり、成形不能
(7)耐加熱処理性:
得られた熱成形容器を、温度125℃のオーブン中で30分間処理し、その前後の容積を測定し、体積収縮率(%)を測定した。体積収縮率が小さいほど耐加熱処理性に優れると評価され、以下の基準で○×を判定した。
○:3%未満
×:3%以上
(8)成形温度条件幅
耐加熱処理性が「○」であるものについて、成形時におけるヒーター温度設定可能範囲を成形温度条件幅として調べた。温度範囲が大きいものほど優れていると評価され、具体的には5℃以上の温度条件幅を有するものが良好であるといえる。
[2.使用材料]
(1)プロピレン系樹脂(A):
プロピレン系樹脂(A)として、以下のプロピレン樹脂を使用した。
「EA9H」(商品名、日本ポリプロ社製、プロピレン単独重合体)
MFR=0.5g/10分
「FY6H」(商品名、日本ポリプロ社製、プロピレン単独重合体)
MFR=1.9g/10分
「FY4」(商品名、日本ポリプロ社製、プロピレン単独重合体)
MFR=5.0g/10分
(2)β晶核剤(B)
β晶核剤(B)として、以下を使用した。
N,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキサミド
新日本理化株式会社製、商品名「エヌジェスターNU−100」
(実施例1)
上記NU−100:0.1重量%とEA9H:99.9重量%からなる混合物を、口径50mmφの単軸押出機で、温度230℃で、押し出し、プロピレン系樹脂ペレットを得た。
スクリュー口径50mmの押出機にこのプロピレン系樹脂ペレットを投入し、樹脂温度230℃にて加熱溶融可塑化しT型ダイスより押出して得たポリプロピレン系シートを、表面温度が80℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み、冷却固化させながら、1m/分の速度で連続的に引き取り、幅500mm、全体厚み2.0mmの樹脂シートを得た。
次いで、この樹脂シートを用いて、固相圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)で口径75mmφ、深さが105mmの熱成形容器(絞り比1.4)を成形した。容器成形温度は146.1℃であった。
この熱成形体について、前述の各種評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
EA9Hの代わりにFY6Hを使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例3)
EA9Hの代わりにFY6Hを使用し、NU100:0.02重量%とFY6H:99.98重量%からなる混合物とした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
EA9Hの代わりにFY6Hを使用し、NU100:0.05重量%とFY6H:99.95重量%からなる混合物とした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例5)
EA9Hの代わりにFY6Hを使用し、NU100:0.2重量%とFY6H:99.8重量%からなる混合物とした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例6)
EA9Hの代わりにFY4を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
結果を表1に示す。
(実施例7)
上記NU−100:0.1重量%、FY6H:99.9重量%からなる混合物を、口径50mmφの単軸押出機で、温度230℃で、押し出し、プロピレン系樹脂ペレットを得た。
スクリュー口径50mmの押出機にこの樹脂ペレットを投入し、またスクリュー口径40mmの押出機にEVOHペレット(「BX6804B」、商品名、日本合成化学工業社製)を投入し、さらに、他のスクリュー口径40mmの押出機に接着性樹脂(「モディックP604V」、商品名、三菱化学社製、接着性のポリプロピレン樹脂)を投入し、樹脂温度230℃にて加熱溶融可塑化してT型ダイスより押出して得たポリプロピレン系シートを、表面温度が80℃に制御された鏡面仕上げの金属製キャストロ−ルにて挟み冷却固化させながら1m/minの速度で連続的に引き取り、幅500mm、EVOHの層厚み0.1mm、接着性樹脂の厚み各0.1mm、全体厚み2.0mmの3種5層シートを得た。
次いで、この積層樹脂シートを用いて、固相圧空成形機RDM50K(イーリッヒ社製)で口径75mmφ、深さが105mmの熱成形容器を成形した。
この多層熱成形容器について、前述の各種評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
EVOHの代わりに、メタキシリリレンアジパミド樹脂(商品名「MXD6 S7007」、三菱ガス化学社製)を用いた以外は、実施例7と同様に実施した。
評価結果を表1に示す。
(実施例9)
EVOHの代わりに、共役ジエン重合体環化物とエチレン−ビニルアルコール共重合体の混合物(商品名「クインティア」、日本ゼオン株式会社製)を用いた以外は、実施例7と同様に実施した。
評価結果を表1に示す。
(比較例1)
β晶核剤を使用しなかった以外は、実施例2と同様に実施した。
評価結果を表2に示す。
(比較例2)
β晶核剤を使用しなかった以外は、実施例6と同様に実施した。
評価結果を表2に示す。
(比較例3)
β晶核剤を使用しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。
評価結果を表2に示す。
Figure 0005915592
Figure 0005915592
上記表1及び表2から明らかなように、本発明の規定を満足する実施例では、固相圧空成形で加熱処理を想定した熱処理による収縮の小さな熱成形体が安定的に得られたのに対し、本発明の規定を満たさない比較例で得られた熱成形体は、加熱処理を想定した熱処理で大きな収縮が起こり、商品価値の劣る熱成形体であった。
本発明の熱成形体は、固相圧空成形による意匠性に優れた、加熱処理が可能な容器であるため、食品容器や飲料容器分野などにおいて、広く用いることができ、産業上の利用可能性は非常に大きい。

Claims (6)

  1. 加熱処理に供される内容物を収納可能な熱成形体を製造する方法であって、β晶核剤(B)を10〜10,000ppmを含有し、MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜100g/10minのプロピレン系樹脂(A)からなるプロピレン系樹脂層を有する樹脂シートを、固相圧空成形法により成形することを特徴とする熱成形体の製造方法。
  2. 前記プロピレン系樹脂層のβ晶分率が、3%以上20%未満である請求項1記載の熱成形体の製造方法
  3. 熱成形体は、深さ/口径の比が0.5以上である深絞り構造を有する容器である請求項1又は2に記載の熱成形体の製造方法
  4. 前記樹脂シートは、さらに、ガスバリア層を有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱成形体の製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱成形体の製造方法によって製造された熱成形体に内容物を収納し、内容物を加熱処理する加熱処理方法。
  6. 加熱処理の温度が100℃以上である請求項に記載の加熱処理方法。
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