JP6926840B2 - 覚醒維持装置及び制御プログラム - Google Patents

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Description

本発明は、対象者を覚醒させるための覚醒維持装置及び制御プログラムに関するものである。
従来、運転手に刺激を与えて覚醒させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、人が居眠り状態に陥ることを防止するために、冷風を耳下,首筋に向ける技術が開示されている。また、特許文献1には、送風を断続的に続けるオン提示期間の後、オン提示期間に応じた時間の、送風をオフにするオフ期間を挟み、再度オン提示期間を開始するサイクルを繰り返す技術が開示されている。特許文献1に開示の技術では、オン提示期間の間にオフ期間を挟むことで、刺激に対する人体の順応によって送風による覚醒効果が低下しないように、オン提示期間の刺激に対する人体の順応を回復させてから次のオン提示期間の刺激を開始することを試みている。
特許第4682793号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、オン提示期間とオフ期間とを長時間繰り返す場合、冷風によって皮膚温度が下がり続けるため、オン提示期間に応じた時間のオフ期間を設けてもオン提示期間の刺激に対する人体の順応が回復しきれなくなる。よって、冷風による刺激に対する人体の知覚が鈍くなり、覚醒効果が低下してしまう問題がある。
この開示のひとつの目的は、より高い覚醒効果を得ることを可能にする覚醒維持装置及び制御プログラムを提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明の第1の覚醒維持装置は、対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、対象者の対象部位に対して覚醒刺激を発生させる刺激制御部(302)と、覚醒刺激を発生させる期間と覚醒刺激を休止させる期間とを制御する刺激時間制御部(303)とを備え、刺激時間制御部は、覚醒刺激を発生させる期間が終了して覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせ、刺激制御部は、覚醒刺激として対象部位に向けて冷風を発生させる他に、対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する眠気の度合いが閾値以上の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させる一方、眠気の度合いが閾値未満の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させない
上記目的を達成するために、本発明の第2の覚醒維持装置は、対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、対象者の対象部位に対して覚醒刺激を発生させる刺激制御部(302)と、覚醒刺激を発生させる期間と覚醒刺激を休止させる期間とを制御する刺激時間制御部(303)と、対象者の生体情報を取得する生体情報取得部(301)と、生体情報取得部で取得する生体情報が覚醒刺激を発生させる前の基準とする基準値に戻ることをもとに、対象部位の覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングを特定するタイミング特定部(305)とを備え、刺激時間制御部は、覚醒刺激を発生させる期間が終了して覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングとしてのタイミング特定部で特定するタイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせ、刺激時間制御部は、覚醒刺激を発生させる期間が終了して覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、タイミング特定部で特定するタイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせ、刺激制御部は、覚醒刺激として対象部位に向けて冷風を発生させる他に、対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する眠気の度合いが閾値以上の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させる一方、眠気の度合いが閾値未満の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させない。
また、上記目的を達成するために、本発明の第1の制御プログラムは、コンピュータを、対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、対象者の対象部位に対して覚醒刺激を発生させるものであって、覚醒刺激として対象部位に向けて冷風を発生させる他に、対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する眠気の度合いが閾値以上の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させる一方、眠気の度合いが閾値未満の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させない刺激制御部(302)と、覚醒刺激を発生させる期間と覚醒刺激を休止させる期間とを制御し、覚醒刺激を発生させる期間が終了して覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせる刺激時間制御部(303)として機能させる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の制御プログラムは、コンピュータを、対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、対象者の対象部位に対して覚醒刺激を発生させるものであって、覚醒刺激として対象部位に向けて冷風を発生させる他に、対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する眠気の度合いが閾値以上の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させる一方、眠気の度合いが閾値未満の場合は、覚醒刺激を休止させる期間において対象部位に向けて温風を発生させない刺激制御部(302)と、対象者の生体情報を取得する生体情報取得部(301)と、生体情報取得部で取得する生体情報が覚醒刺激を発生させる前の基準とする基準値に戻ることをもとに、対象部位の覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングを特定するタイミング特定部(305)と、覚醒刺激を発生させる期間と覚醒刺激を休止させる期間とを制御し、覚醒刺激を発生させる期間が終了して覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングとしてのタイミング特定部で特定するタイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせる刺激時間制御部(303)として機能させる。
これによれば、覚醒刺激を発生させる期間が終了して覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、対象部位のその覚醒刺激に対する順応が回復すると推定されるタイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせるので、その都度、前回の覚醒刺激を発生させる期間における覚醒刺激に対する順応が回復すると推定されるタイミングまで待って、次の覚醒刺激を発生させる期間における覚醒刺激を開始することになる。よって、覚醒刺激を発生させる期間と覚醒刺激を休止させる期間とを長時間繰り返す場合であっても、その都度、覚醒刺激を発生させる期間における覚醒刺激に対する順応が回復するまで待って、次の覚醒刺激を発生させる期間における覚醒刺激を開始することが可能になる。よって、順応の回復が不十分であることによる覚醒効果の低下を抑えることが可能になり、より高い覚醒効果を得ることが可能になる。
覚醒維持システム1の概略的な構成の一例を示す図である。 空調装置3の概略的な構成の一例を示す図である。 主空調部31の概略的な構成の一例を示す図である。 シート空調部32の概略的な構成の一例を示す図である。 エアコンECU30の概略的な構成の一例を示す図である。 エアコンECU30での覚醒刺激関連処理の流れの一例を示すフローチャートである。 冷風刺激に対して温風刺激による皮膚温の回復を行わない場合の皮膚温の変化を示す図である。 冷風刺激に対して温風刺激による皮膚温の回復を行う場合の皮膚温の変化を示す図である。
図面を参照しながら、開示のための複数の実施形態を説明する。なお、説明の便宜上、複数の実施形態の間において、それまでの説明に用いた図に示した部分と同一の機能を有する部分については、同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。同一の符号を付した部分については、他の実施形態における説明を参照することができる。
(実施形態1)
<覚醒維持システム1の概略構成>
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。図1に示す覚醒維持システム1は、自動車(以下、単に車両)で用いられるものであり、HMI(Human Machine Interface)システム2及び空調装置3を含んでいる。HMIシステム2及び空調装置3は、例えば車内LANに接続されているものとする。覚醒維持システム1を搭載している車両を以降では自車と呼ぶ。
HMIシステム2は、HCU(Human Machine Interface Control Unit)20、DSM(Driver Status Monitor)21、生体センサ22、及び操作デバイス23を備えている。HMIシステム2は、自車の運転手からの入力操作を受け付けたり、この運転手の状態を監視したりする。この運転手が請求項の対象者に相当する。
DSM21は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御ユニット等とによって構成されている。DSM21は、近赤外カメラを自車の運転席側に向けた姿勢にて、例えばインスツルメントパネルの上面に配置される。DSM21は、近赤外光源によって近赤外光を照射された運転手の頭部を、近赤外カメラによって撮影する。近赤外カメラによる撮像画像は、制御ユニットによって画像解析される。制御ユニットは、撮像画像から、画像認識処理によって顔の輪郭、目、鼻、口などの部位を検出する。また、各部位の相対的な位置関係からドライバの顔向き,顔の位置等の姿勢情報を検出する。さらに、瞼形状の変化を開眼度として算出することで、閉眼の検知を行う。そして、この開眼度の経時的な変化,顔部位の形状的な特徴,顔部位の経時的な変化等から、運転手の覚醒度(つまり、眠気の度合い)を逐次検知する。よって、このDSM21が請求項の眠気検知装置に相当する。
本実施形態では、DSM21において覚醒度を0〜5の6段階の眠気の度合いに区分して検知する場合を例に挙げて説明を行う。6段階に区分される眠気の度合い(以下、眠気レベル)は、覚醒度の高いものから順に、全く眠くなさそうな(言い換えると覚醒状態である)眠気レベル「0」,やや眠そうな眠気レベル「1」,眠そうな眠気レベル「2」,かなり眠そうな眠気レベル「3」,非常に眠そうな眠気レベル「4」,眠っている(言い換えると睡眠状態である)眠気レベル「5」とする。DSM21は、検知した眠気レベルをHCU20へ逐次出力する。
生体センサ22は、運転手の生体情報を計測し、計測した生体情報を、HCU20へ逐次出力する。生体センサ22は、ステアリングホイール,運転席シート等に設けるといったように自車に設ける構成としてもよいし、運転手が装着するウェアラブルデバイスに設けられる構成としてもよい。運転手が装着するウェアラブルデバイスに生体センサ22が設けられている場合には、例えば無線通信を介して、生体センサ22での計測結果をHCU20が取得する構成とすればよい。
生体センサ22としては、例えば生体情報として運転手の皮膚温を検出する温度センサを用いる場合を例に挙げて以降の説明を行う。温度センサによる皮膚温の検出は、運転手に接触して検出する方法によって行ってもよいし、皮膚から放射される赤外線を利用することで運転手に非接触で検出する方法によって行ってもよい。一例として、サーモグラフィ等を用いればよい。
操作デバイス23は、運転手が操作するスイッチ群である。例えば、操作デバイス23としては、自車のステアリングのスポーク部に設けられたステアリングスイッチ,自車で用いられるディスプレイと一体となったタッチスイッチ等がある。本実施形態では、操作デバイス23に、覚醒させるための刺激(以下、覚醒刺激)の発生を運転手が要求するためのスイッチ(以下、刺激要求スイッチ)が含まれるものとして以降の説明を行う。
HCU20は、プロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成され、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで各種の処理を実行する。ここで言うところのメモリは、コンピュータによって読み取り可能なプログラム及びデータを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体(non- transitory tangible storage medium)である。また、非遷移的実体的記憶媒体は、半導体メモリ又は磁気ディスクなどによって実現される。
HCU20は、覚醒刺激を発生させるためのトリガ(以下、開始トリガ)を検知する。そして、開始トリガを検知した場合には、開始トリガを検知したことを空調装置3に通知する。例えばHCU20は、DSM21で検知した眠気レベルが閾値以上であった場合に、これを開始トリガとして検知する構成とすればよい。ここで言うところの閾値とは、運転手による運転操作を行う場合に、覚醒させる必要が生じる程度の眠気の度合いであって、一例としては眠気レベル「2」とすればよい。
また、HCU20は、操作デバイス23のうちの刺激要求スイッチをオンにする操作を受け付けた場合に、これを開始トリガとして検知する構成とすればよい。刺激要求スイッチは、運転手が自らのタイミングで覚醒刺激を発生させたい場合に、運転手が操作を行ってオンにし、覚醒刺激が不要となった場合にオフにするものとすればよい。なお、覚醒維持システム1を自動運転の自動化レベルを切り替えることが可能な車両で用いる場合、HCU20は、自動運転の自動化レベルが運転手に監視義務のないレベルから運転手に監視義務のあるレベルに切り替わることを開始トリガとして検知する構成としてもよい。
他にも、HCU20は、DSM21で逐次検出される運転手の眠気レベルを空調装置3に送ったり、生体センサ22で逐次計測される運転手の皮膚温を空調装置3に送ったりする。
空調装置3は、図2に示すように、エアコンECU30、主空調部31、及びシート空調部32を備えている。エアコンECU30は、プロセッサ、メモリ、I/O、これらを接続するバスを備えるマイクロコンピュータを主体として構成され、メモリに記憶された制御プログラムを実行することで、自車の空調に関する処理を実行する。エアコンECU30の詳細については後述する。
主空調部31は、エアコンECU30に制御されて、自車の車室内の運転席,助手席の前方に複数設けられた吹き出し口から吹き出す風に関する調整(つまり、空調)を行う。本実施形態では、一例として運転席の前方に設けられた吹き出し口から吹き出す風に関する空調を行う場合を例に挙げて説明を行う。一例として、主空調部31は、図3に示すように送風部310、温度調整部311、吹き出し口312a、吹き出し口312b、及びダクト313を備えているものとする。
送風部310は、エアコンECU30の指示によって制御されるブロワモータによりブロワを回転駆動し、ダクト313内において車室内に向かう空気流を発生させる。また、ダクト313にはダクト313を通過する空気を加熱冷却する温度調整部311が設けられている。温度調整部311は、例えばヒータコアといった熱交換器を備えており、エアコンECU30の指示によって、温度調整部321を通過する空気を加熱冷却して送風の温度調整を行う。
吹き出し口312aは、運転席側の所謂センタフェイス吹き出し口であって、インスツルメントパネルの車幅方向の中央部付近に、運転席に着座した運転者の上半身側に向くように配置される。そして、ダクト313を通して送風されてくる、温度調整部311で加熱冷却された空調風を、シートに着座する運転手の例えば左手に当てる。吹き出し口312bは、運転席側の所謂サイドフェイス吹き出し口であって、インスツルメントパネルのサイドウィンドウ側に、運転席に着座した運転者の上半身側に向くように配置される。そして、ダクト313を通して送風されてくる、温度調整部311で加熱冷却された空調風を、シートに着座する運転手の例えば右手に当てる。
なお、吹き出し口312a,312bから吹き出す空調風の風向は、吹き出し口312a,312bに設けられたルーバをエアコンECU30の指示に従って駆動させることで調整可能な構成であってもよい。また、図2では、主空調部31に、吹き出し口312aと吹き出し口312bとのそれぞれに対応して温度調整部311とダクト313とが設けられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、吹き出し口312aと吹き出し口312bとが共通の温度調整部311とダクト313とを用いる構成としてもよい。
シート空調部32は、シート内部に配置されており、シートを介して、そのシートに着座した乗員に対する空調を行う。シート空調部32もエアコンECU30に制御されて空調を行う。本実施形態では、シート空調部32が運転席シートに配置される場合を例に挙げて説明を行う。一例として、シート空調部32は、図4に示すように送風部320、温度調整部321、吹き出し口322、吹き出し口323、及びダクト324を備えているものとする。
送風部320はシートの外部の空気を吸い込み、ダクト324側へ送風するものであり、空気通路をなすケース、エアコンECU30からの指示によって制御される駆動用モータ、及びこの駆動モータによって駆動される送風ファンを有している。送風部320と温度調整部321とはダクト324で接続されている。温度調整部321は、例えばペルチェ素子といった熱交換器を備えており、エアコンECU30の指示によって、温度調整部321を通過する空気を加熱冷却して送風の温度調整を行う。
吹き出し口322は、シートのヘッドレストの左右両端側に設けられた一対の吹き出し口であって、ヘッドレスト内に設けられる構成であっても、ヘッドレストとは別体としてシートバック部の上端部に固定具により固定配置される構成であってもよい。吹き出し口322の吹出方向は、シートに着座する運転者の左右の耳下,首筋に、吹き出し口322から吹き出される空調風が当たるように向けられている。これにより、ダクト324を通して送風されてくる、温度調整部321で加熱冷却された空調風を、シートに着座する運転手の耳下,首筋に当てる。
吹き出し口323は、シートのシートバック部の左右両端側に設けられた一対の吹き出し口であって、シートバック部内に設けられる構成であっても、シートバック部とは別体としてシートバック部の左右端部に固定具により固定配置される構成であってもよい。吹き出し口323の吹出方向は、シートに着座する運転者の左右の腕に、吹き出し口323から吹き出される空調風が当たるように向けられている。これにより、ダクト324を通して送風されてくる、温度調整部321で加熱冷却された空調風を、シートに着座する運転手の腕に当てる。
<エアコンECU30の概略構成>
続いて、図5を用いて、エアコンECU30の概略構成について説明を行う。エアコンECU30は、生体情報取得部301、刺激制御部302、刺激時間制御部303、温度制御部304、及びタイミング特定部305を機能ブロックとして備えている。なお、エアコンECU30が実行する機能の一部または全部を、1つあるいは複数のIC等によりハードウェア的に構成してもよい。また、エアコンECU30が備える機能ブロックの一部又は全部は、プロセッサによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
生体情報取得部301は、運転手の対象部位の皮膚温を取得する。一例としては、HCU20から、生体センサ22で逐次計測される運転手の皮膚温を取得する構成とすればよい。対象部位が腕の場合には、例えば手首に装着するウェアラブルデバイスとしての生体センサ22で計測した皮膚温から腕の皮膚温を推定することで取得する構成とすればよい。手首の皮膚温からの腕の皮膚温の推定は、予め実験等によって求めた手首と腕との皮膚温の差の傾向をもとに行う構成とすればよい。対象部位が手の場合には、ステアリングホイールに設けた温度センサとしての生体センサ22で計測した手の皮膚温を取得する構成とすればよい。対象部位が耳下,首筋の場合には、頭部の熱画像測定を行うサーモグラフィとしての生体センサ22で計測した耳下,首筋の皮膚温を取得する構成とすればよい。
なお、DSM21が放射温度計としても機能する場合には、この放射温度計の機能によってDSM21で計測される運転手の耳下,首筋の皮膚温を、HCU20を介して取得する構成とすればよい。また、本実施形態では、生体情報取得部301が、HCU20を介して運転手の皮膚温といった生体情報を取得する構成を示すが、必ずしもこれに限らない。例えば、生体情報取得部301が、DSM21,生体センサ22等から運転手の皮膚温といった生体情報を直接取得する構成としてもよい。
刺激制御部302は、刺激時間制御部303によって主空調部31,シート空調部32から空調風を発生させる期間を制御し、温度制御部304によって主空調部31,シート空調部32から発生される空調風の温度を制御する。
刺激制御部302は、HCU20から開始トリガが入力された場合に、開始トリガを検出したものとして運転手の対象部位に対する覚醒刺激を開始する。本実施形態では、覚醒刺激は、主空調部31,シート空調部32から発生する冷風とする。よって、主空調部31,シート空調部32が請求項の刺激装置に相当する。一例として、冷風の温度は18℃とすればよい。なお、冷風の温度は、例えば室温が低くなるのに応じて低く設定される構成としてもよい。
本実施形態では、主空調部31の吹き出し口312a,312bから運転手の手に向けて冷風を発生させ、シート空調部32の吹き出し口322からは運転手の耳下,首筋、吹き出し口323からは運転手の腕に向けて冷風を発生させる場合を例に挙げて説明を行う。なお、これは一例であって、覚醒刺激は上述した対象部位の一部に対して行う構成としてもよいし、上述した以外の対象部位に対して行う構成としてもよい。
また、刺激制御部302は、覚醒刺激を開始した後は、覚醒刺激を終了させるタイミングとなるまで、覚醒刺激を行わせる期間(以下、オン期間)と覚醒刺激を休止させる期間(オフ期間)とを繰り返させる。本実施形態では、刺激制御部302が、オフ期間において覚醒刺激以外の空調風である温風による刺激を行わせることがあるものとする。刺激制御部302は、オン期間においては、覚醒刺激を定常的に発生させる構成としてもよいし、断続的に発生させる構成としてもよい。
他にも、刺激制御部302は、HCU20から取得する運転手の眠気レベルや生体情報取得部301で取得する皮膚温に応じて、オフ期間を変動させたり、オフ期間における温風刺激の態様を変更させたりする。なお、詳細については後述する。
タイミング特定部305は、オン期間が終了してオフ期間となった場合に、生体情報取得部301で取得する皮膚温が刺激制御部302で冷風を発生させる前の基準とする基準値(以下、T0)に戻ることをもとに、対象部位の冷風に対する順応が回復すると推定されるタイミング(以下、回復タイミング)を特定する。なお、冷風に対する順応とは、冷風の刺激(以下、冷風刺激)に対する慣れによって、冷風に対する知覚が鈍くなることを示す。刺激制御部302は、オン期間が終了してオフ期間となった場合に、刺激時間制御部303によって、タイミング特定部305で特定する回復タイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミング(つまり、次のオン期間)を遅らせる。
<エアコンECU30での覚醒刺激関連処理>
続いて、図6のフローチャートを用いて、エアコンECU30での冷風刺激を発生させる制御に関連する処理(以下、覚醒刺激関連処理)の流れの一例について説明を行う。図6のフローチャートは、例えば、自車のイグニッション電源がオンになったときに開始する構成とすればよい。例えば覚醒刺激関連処理は、運転手の対象部位ごとに実行する構成とすればよい。
まず、ステップS1では、HCU20から開始トリガが入力された場合(S1でYES)には、ステップS2に移る。一方、開始トリガが入力されていない場合(S1でNO)には、S1の処理を繰り返す。ステップS2では、生体情報取得部301が運転手の対象部位の皮膚温を取得し、取得した皮膚温をこの対象部位の基準となる基準値T0としてエアコンECU30のメモリに一時的に記憶する。対象部位別のT0については、その対象部位についての新たな基準値が得られるごとに更新する構成とすればよい。
ステップS3では、HCU20から取得する運転手の眠気レベルが閾値以上である場合(S3でYES)には、ステップS7に移る。一方、閾値未満である場合(S3でNO)には、ステップS4に移る。ここで言うところの閾値は、例えば前述した閾値と同様に、眠気レベル「2」とすればよい。
ステップS4では、刺激制御部302が対象部位に対する冷風刺激を行わせる。冷風の温度は例えば18℃とすればよく、冷風の温度は温度制御部304が制御する。冷風刺激を行わせるオン期間については、刺激時間制御部303が制御を行う。刺激時間制御部303は、オン期間を例えば固定で30秒とし、冷風刺激を開始してから30秒が経過した時点で冷風刺激を休止させてオフ期間に移行する。S4で冷風刺激を行った場合のオフ期間では、室温において対象部位の皮膚温がT0に向けて戻っていくことになる。
ステップS5では、タイミング特定部305が、生体情報取得部301で取得する皮膚温がT0と近似できる範囲で安定しているか否かを判定する。T0と近似できる範囲は、誤差程度の値とすればよく、任意に設定可能である。また、安定しているか否かについては、任意に設定可能な所定の時間の間、生体情報取得部301で取得する皮膚温がT0と近似できる範囲内におさまる場合に、安定していると判定すればよい。
そして、皮膚温がT0で安定していると判定した場合(S5でYES)には、回復タイミングと特定し、ステップS6に移り、覚醒刺激関連処理の終了タイミングでない場合には次の冷風刺激を刺激制御部302が開始することになる。一方、皮膚温がT0で安定していないと判定した場合(S5でNO)には、刺激時間制御部303がオフ期間を継続し、S5の処理を繰り返す。つまり、タイミング特定部305で回復タイミングと特定するまでは、刺激時間制御部303が次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせる。
ステップS6では、覚醒刺激関連処理の終了タイミングであった場合(S6でYES)には、覚醒刺激関連処理を終了する。一方、覚醒刺激関連処理の終了タイミングでなかった場合(S6でNO)には、S2に戻って処理を繰り返す。覚醒刺激関連処理の終了タイミングの一例としては、HCU20から取得する運転手の眠気レベルが0となったこと,刺激要求スイッチがオフになったこと等がある。
S3で運転手の眠気レベルが閾値以上であった場合に行われるステップS7では、刺激制御部302がオフ期間に発生させる予定の温風の温度が、S2で取得したT0よりも高い場合(S7でYES)、つまり、オフ期間に発生予定の温風よりもT0が低い、対象部位の皮膚温が低めの運転手が対象者の場合には、ステップS13に移る。一方、温風の温度がT0以下の場合(S7でNO)、つまり、オフ期間に発生予定の温風以上にT0が高い、対象部位の皮膚温が高めの運転手が対象者の場合には、S8に移る。オフ期間に発生させる予定の温風の温度は、例えば31.2℃とすればよい。
ステップS8では、S4と同様にして、刺激制御部302が対象部位に対する冷風刺激を行わせる。ステップS9では、タイミング特定部305が、生体情報取得部301で取得する皮膚温がT0以上になったか否かを判定する。そして、皮膚温がT0以上になっていないと判定した場合(S9でNO)には、刺激時間制御部303がオフ期間を継続し、ステップS10に移る。一方、S9で皮膚温がT0以上になったと判定した場合(S9でYES)には、ステップS11に移る。
ステップS10では、刺激制御部302が対象部位に対する温風刺激を行わせ、S9の処理を繰り返す。よって、温風刺激によって皮膚温がT0以上になるまでS9〜S10の処理が繰り返され、温風刺激が継続されることになる。S9で皮膚温がT0以上になったと判定した場合には、温風刺激は終了することになる。なお、温風の温度は前述したように31.2℃とすればよく、温風の温度は温度制御部304が制御する。S8で冷風刺激を行った場合のオフ期間では、温風刺激によって対象部位の皮膚温がT0に向けて戻っていくことになる。
ステップS11では、S5と同様にして、タイミング特定部305が、皮膚温がT0で安定していると判定した場合(S11でYES)には、回復タイミングと特定し、ステップS6に移り、覚醒刺激関連処理の終了タイミングでない場合には次の冷風刺激を刺激制御部302が開始することになる。一方、皮膚温がT0で安定していないと判定した場合(S11でNO)には、刺激時間制御部303がオフ期間を継続し、ステップS12に移る。ステップS12では、対象部位に対して温風刺激は行わず、室温で放置してS11の処理を繰り返す。S9〜S12の処理では、タイミング特定部305で回復タイミングと特定するまでは、刺激時間制御部303が次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせることなる。
S7で温風の温度がT0よりも高い場合に行われるステップS13では、S4と同様にして、刺激制御部302が対象部位に対する冷風刺激を行わせる。ステップS14では、タイミング特定部305が、生体情報取得部301で取得する皮膚温がT0+α以上になったか否かを判定する。そして、皮膚温がT0+α以上になっていないと判定した場合(S14でNO)には、刺激時間制御部303がオフ期間を継続し、ステップS15に移る。一方、S14で皮膚温がT0+α以上になったと判定した場合(S14でYES)には、ステップS16に移る。
ここで、αの説明を行う。発明者は、オフ期間に発生予定の温風以上にT0が高い、対象部位の皮膚温が高めの運転手が対象者の場合、皮膚温がT0を越えるまで温風刺激を行うと眠気が高まる傾向があることを見出した。一方、オフ期間に発生予定の温風よりもT0が低い、対象部位の皮膚温が低めの運転手が対象者の場合、皮膚温がT0を一定以上越えるまで温風刺激を行っても眠気が高まらず覚醒する傾向があることを見出した。よって、このような対象部位の皮膚温が低めの運転手に対しては、皮膚温がT0よりも一定以上高くなるまで温風刺激を行うことで、覚醒効果を与えつつも順応の回復を行わせることができることも見出した。よって、αとして、一定以上の温度を設定することで、覚醒効果を与えつつ冷風刺激に対する順応の回復を行わせることを可能にしている。このαが請求項の所定値に相当し、本実施形態の例では、αは例えば3℃とすればよい。なお、αが正の値でありさえすれば、T0+αまで温風刺激を行う構成は、T0まで温風刺激を行う構成と比較して、覚醒効果をより高めつつ冷風刺激に対する順応の回復を行わせる効果を奏する。
ステップS15では、刺激制御部302が対象部位に対する温風刺激を行わせ、S14の処理を繰り返す。よって、温風刺激によって皮膚温がT0+α以上になるまでS14〜S15の処理が繰り返され、温風刺激が継続されることになる。なお、温風の温度は前述したように31.2℃とすればよく、温風の温度は温度制御部304が制御する。S13で冷風刺激を行った場合のオフ期間では、温風刺激によって対象部位の皮膚温がT0+αに向けて上昇していくことになる。
ステップS16では、S5と同様にして、タイミング特定部305が、皮膚温がT0で安定していると判定した場合(S16でYES)には、回復タイミングと特定し、ステップS6に移り、覚醒刺激関連処理の終了タイミングでない場合には次の冷風刺激を刺激制御部302が開始することになる。一方、皮膚温がT0で安定していないと判定した場合(S16でNO)には、刺激時間制御部303がオフ期間を継続し、ステップS17に移る。ステップS17では、対象部位に対して温風刺激は行わず、室温で放置してS16の処理を繰り返す。S14〜S17の処理では、タイミング特定部305で回復タイミングと特定するまでは、刺激時間制御部303が次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせることなる。覚醒刺激関連処理では、オン期間は固定の期間であるのに対して、オフ期間は皮膚温がT0で安定するまでの変動する期間である。
ここで、図7,図8を用いて、冷刺激に対する皮膚温の変化について説明を行う。図7,図8の縦軸が皮膚温、横軸が経過時間を示している。図7は、覚醒刺激としての冷風刺激に対して温風刺激による皮膚温の回復を行わない場合の皮膚温の変化を示しており、図8は、覚醒刺激としての冷風刺激に対して温風刺激による皮膚温の回復を行う場合の皮膚温の変化を示している。図の実線の矢印が冷風刺激の期間、破線の矢印が室温放置の期間、点線の矢印が温風刺激の期間を示している。
図7に示すように、冷風刺激に対して温風刺激による皮膚温の回復を行わない場合には、冷風刺激後、室温放置によって皮膚温がT0で安定したところで再度の冷風刺激を行う処理を繰り返すことになる。一方、図8に示すように、冷風刺激に対して温風刺激による皮膚温の回復を行う場合には、冷風刺激後、温風刺激を一定期間行い、室温放置によって皮膚温がT0で安定した後、再度の冷風刺激を行う処理を繰り返すことになる。温風刺激を行う場合には、皮膚温の回復が早くなるぶんオフ期間が短くなるため、オン期間とオフ期間とを繰り返すサイクルにおけるオン期間の頻度がより高くなり、覚醒効果をより高めることができる。
<実施形態1のまとめ>
実施形態1の構成によれば、覚醒刺激を発生させるオン期間が終了して覚醒刺激を休止させるオフ期間となった場合に、対象部位のその覚醒刺激に対する順応が回復すると推定される回復タイミングまで、次の覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせる。よって、その都度、前回の覚醒刺激を発生させるオン期間における覚醒刺激に対する順応が回復すると推定される回復タイミングまで待って、次の覚醒刺激を発生させるオン期間における覚醒刺激を開始することになる。従って、覚醒刺激を発生させる期間と覚醒刺激を休止させる期間とを長時間繰り返す場合であっても、その都度、覚醒刺激を発生させる期間における覚醒刺激に対する順応が回復するまで待って、次の覚醒刺激を発生させる期間における覚醒刺激を開始することが可能になる。その結果、覚醒刺激に対する順応の回復が不十分であることによる覚醒効果の低下を抑えることが可能になり、より高い覚醒効果を得ることが可能になる。
また、実施形態1の構成によれば、眠気レベルが閾値以上である場合には、温風刺激によって冷風刺激に対する順応からの回復を早め、オン期間とオフ期間とを繰り返すサイクルにおけるオン期間の頻度をより高くして覚醒効果をより高める。よって、眠気レベルが高く覚醒の必要性が高い場合に、覚醒効果をより高めることが可能になる。
他にも、実施形態1の構成によれば、オフ期間に発生予定の温風よりもT0が低い、対象部位の皮膚温が低めの運転手が対象者の場合に、皮膚温がT0よりも一定の温度以上高くなるまで温風刺激を行うことで、覚醒効果を与えつつ冷風刺激に対する順応の回復を行わせることを可能にしている。一方、オフ期間に発生予定の温風以上にT0が高い、対象部位の皮膚温が高めの運転手が対象者の場合に、皮膚温がT0以上になった場合に温風刺激を終了することで、眠気が高まることを抑えつつ冷風刺激に対する順応の回復を行わせることを可能にしている。
さらに、実施形態1の構成によれば、エアコンECU30に開始トリガが入力された場合に覚醒刺激を発生させるため、常に覚醒刺激を発生させ続ける構成に比べ、運転手の覚醒刺激への慣れが生じにくい。
(実施形態2)
実施形態1では、DSM21で検知した眠気の度合いが閾値以上であったこと、刺激要求スイッチで操作を受け付けたこと、及び自動運転の自動化レベルが運転手に監視義務のあるレベルに切り替わることを開始トリガとして検知する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、上述のうちの一部のみを開始トリガとして検知する構成としてもよい。また、覚醒刺激の発生を運転手が要求する音声コマンドを音声認識装置で認識したことを開始トリガとする等してもよい。
(実施形態3)
前述の実施形態では、エアコンECU30に開始トリガが入力された場合に覚醒刺激を開始させる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、自車のイグニッション電源がオンになった場合に、覚醒刺激を開始させる構成としてもよい。
(実施形態4)
前述の実施形態では、運転手の眠気の度合いを、DSM21を用いて検知する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、生体センサ22で計測した計測結果から運転手の眠気の度合いを検知する構成としてもよい。生体センサ22で計測した計測結果からの眠気の度合いの検知は、例えばHCU20で行う構成とすればよい。
眠気の度合いの検知に用いる生体センサ22及び計測結果の一例としては、脳波計で計測する脳波、心拍計で計測する心拍数,心拍ゆらぎ、脈波計で計測する脈波、皮膚電気活動計で計測する皮膚コンダクタンス等がある。また、計測結果からの眠気の度合いの検知方法については、公知の方法を用いればよい。なお、計測装置は、運転手に装着されて生体情報を計測するウェアラブルデバイスであってもよいし、車両のステアリングホイール等に設けられたものであってもよい。
他にも、自車に搭載されたセンサで検出した情報から運転手の眠気の度合いを検知する構成としてもよい。自車に搭載されたセンサで検出した情報からの眠気の度合いの検知は、例えばHCU20で行う構成とすればよい。眠気の度合いの検知に用いる車載センサ及び情報の一例としては、舵角センサで検出する操舵角、周辺監視カメラで検出した走行区画線等がある。車載センサで検出した情報からの眠気の度合いの検知方法については、公知の方法を用いればよい。例えば、周辺監視カメラで逐次検出する走行区画線の位置から求められる自車の横揺れから眠気の度合いを検知したり、舵角センサで逐次検出する操舵角から求められるステアリング操作のばらつき量から眠気の度合いを検知したりすればよい。
(実施形態5)
前述の実施形態では、オフ期間に発生予定の温風がT0よりも高いか否かに応じて、皮膚温がT0+α以上になるまで温風刺激を行うか、皮膚温がT0以上になるまで温風刺激を行うかを切り替える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、オフ期間に発生予定の温風よりもT0が高いか否かにかかわらず、皮膚温がT0以上になるまで温風刺激を行う構成としてもよいし、皮膚温がT0+α以上になるまで温風刺激を行う構成としてもよい。なお、対象部位の皮膚温が高めの運転手の眠気を温風刺激によって高めることを抑えるためには、オフ期間に発生予定の温風よりもT0が高いか否かにかかわらず、皮膚温がT0以上になるまで温風刺激を行う構成とすることが好ましい。
(実施形態6)
前述の実施形態では、対象者である運転手の眠気レベルが閾値以上であるか否かに応じて、温風刺激を行うか否かを切り替える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、眠気レベルが閾値以上であるか否かにかかわらず、温風刺激を行わない構成としてもよいし、温風刺激を行う構成としてもよい。なお、覚醒効果をより高めるためには、眠気レベルが閾値以上であるか否かにかかわらず、温風刺激を行う構成とすることが好ましい。
(実施形態7)
前述の実施形態では、覚醒刺激として、冷風刺激を例に挙げて説明を行ったが、必ずしもこれに限らない。覚醒刺激として、冷風刺激に加え、発光,振動等による刺激を用いる構成としてもよい。発光については、LED等から、覚醒効果があると考えられる波長の発光を行わせる構成とすればよい。振動については、例えばステアリングホイール,運転席のシート等の自車の運転手が接触する箇所に設けられた振動子を振動させる構成とすればよい。
覚醒刺激として発光による刺激を用いる場合には、覚醒刺激に対する順応の回復は発光による刺激を休止することで行う構成とすればよい。また、タイミング特定部305での回復タイミングの特定は、オン期間となる前の基準値としての瞳孔サイズに戻ることをもとに行ったりすればよい。
また、覚醒刺激として振動による刺激を用いる場合には、覚醒刺激に対する順応の回復は振動による刺激を休止することで行う構成とすればよい。また、タイミング特定部305での回復タイミングの特定は、対象部位の血流量がオン期間となる前の基準値としての血流量に戻ることをもとに行ったりすればよい。血流量については、例えばレーザードップラーフローメトリー法によって血流量を計測する血流センサ等を用いる構成とすればよい。
(実施形態8)
前述の実施形態では、タイミング特定部305が、皮膚温といった生体情報がオン期間となる前の基準値に戻ることをもとに回復タイミングを特定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、人に固有の回復タイミングのパターンを予め記憶しておくことで、このパターンから回復タイミングを特定する構成としてもよい。なお、このパターンは、個々の対象者別に学習する構成としてもよいし、複数の対象者の統計をとることによって一般化する構成としてもよい。
一例として、回復タイミングのパターンとしては、実験や学習等によって、覚醒刺激の時間及び覚醒刺激の積算回数に、順応が回復するまでの時間を対応付けた対応関係を用いる等すればよい。そして、タイミング特定部305は、覚醒刺激の時間及び覚醒刺激の積算回数をもとに、この対応関係を参照して得られる順応が回復するまでの時間から、回復タイミングを特定すればよい。
(実施形態9)
前述の実施形態では、覚醒維持システム1が自動車で用いられる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。覚醒維持システム1は種々の移動体で用いることが可能であり、例えば、鉄道車両,原動機付自転車等の自動車以外の車両で用いられる構成としてもよいし、航空機,船舶等の車両以外の移動体で用いる構成としてもよい。また、本発明は、移動体以外の家屋,施設等の室内で用いる構成としてもよい。この場合、この室内における覚醒状態の維持の対象者が請求項の対象者に相当する。また、本発明を、移動体以外の家屋,施設等の室内で用いる構成を採用する場合には、運手席シートの代わりに対象者が着座するシートを用いればよい。
なお、本発明は、上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 覚醒維持システム、2 HMIシステム、3 空調装置、20 HCU、21 DSM(眠気検知装置)、22 生体センサ、23 操作デバイス、30 エアコンECU(覚醒維持装置)、31 主空調部(刺激装置)、32 シート空調部(刺激装置)、301 生体情報取得部、302 刺激制御部、303 刺激時間制御部、304 温度制御部、305 タイミング特定部、310 送風部、311 温度調整部、312a 吹き出し口、312b 吹き出し口、313 ダクト、320 送風部、321 温度調整部、322 吹き出し口、323 吹き出し口、324 ダクト

Claims (5)

  1. 対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、前記対象者の対象部位に対して前記覚醒刺激を発生させる刺激制御部(302)と、
    前記覚醒刺激を発生させる期間と前記覚醒刺激を休止させる期間とを制御する刺激時間制御部(303)とを備え、
    前記刺激時間制御部は、前記覚醒刺激を発生させる期間が終了して前記覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、前記対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングまで、次の前記覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせ
    前記刺激制御部は、前記覚醒刺激として前記対象部位に向けて冷風を発生させる他に、前記対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、前記対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する前記眠気の度合いが閾値以上の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させる一方、前記眠気の度合いが閾値未満の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させない覚醒維持装置。
  2. 対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、前記対象者の対象部位に対して前記覚醒刺激を発生させる刺激制御部(302)と、
    前記覚醒刺激を発生させる期間と前記覚醒刺激を休止させる期間とを制御する刺激時間制御部(303)と、
    前記対象者の生体情報を取得する生体情報取得部(301)と、
    前記生体情報取得部で取得する前記生体情報が前記覚醒刺激を発生させる前の基準とする基準値に戻ることをもとに、前記対象部位の前記覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングを特定するタイミング特定部(305)とを備え、
    前記刺激時間制御部は、前記覚醒刺激を発生させる期間が終了して前記覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、前記対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングとしての前記タイミング特定部で特定する前記タイミングまで、次の前記覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせ
    前記刺激時間制御部は、前記覚醒刺激を発生させる期間が終了して前記覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、前記タイミング特定部で特定する前記タイミングまで、次の前記覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせ、
    前記刺激制御部は、前記覚醒刺激として前記対象部位に向けて冷風を発生させる他に、前記対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、前記対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する前記眠気の度合いが閾値以上の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させる一方、前記眠気の度合いが閾値未満の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させない覚醒維持装置。
  3. 前記生体情報取得部は、前記生体情報として前記対象部位の皮膚温を取得するものであり、
    前記タイミング特定部は、前記皮膚温が前記覚醒刺激を発生させる前の前記基準値に戻ることをもとに、前記対象部位の前記覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングを特定するものであり、
    前記刺激制御部は、前記眠気の度合いが閾値以上、且つ、前記対象部位の皮膚温が前記温風の温度以上の場合は、前記皮膚温が前記基準値となるまで前記対象部位に向けて前記温風を発生させる一方、前記眠気の度合いが閾値以上、且つ、前記対象部位の皮膚温が前記温風の温度未満の場合は、前記皮膚温が前記基準値よりも所定値以上高くなるまで前記対象部位に向けて前記温風を発生させる請求項に記載の覚醒維持装置。
  4. コンピュータを、
    対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、前記対象者の対象部位に対して前記覚醒刺激を発生させるものであって、前記覚醒刺激として前記対象部位に向けて冷風を発生させる他に、前記対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、前記対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する前記眠気の度合いが閾値以上の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させる一方、前記眠気の度合いが閾値未満の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させない刺激制御部(302)と、
    前記覚醒刺激を発生させる期間と前記覚醒刺激を休止させる期間とを制御し、前記覚醒刺激を発生させる期間が終了して前記覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、前記対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングまで、次の前記覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせる刺激時間制御部(303)として機能させるための制御プログラム。
  5. コンピュータを、
    対象者を覚醒させるための覚醒刺激を発生する刺激装置(31,32)から、前記対象者の対象部位に対して前記覚醒刺激を発生させるものであって、前記覚醒刺激として前記対象部位に向けて冷風を発生させる他に、前記対象部位に向けて温風を発生させることも可能なものであり、前記対象者の眠気の度合いを検知するのに用いられる眠気検知装置(21)を用いて検知する前記眠気の度合いが閾値以上の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させる一方、前記眠気の度合いが閾値未満の場合は、前記覚醒刺激を休止させる期間において前記対象部位に向けて温風を発生させない刺激制御部(302)と、
    前記対象者の生体情報を取得する生体情報取得部(301)と、
    前記生体情報取得部で取得する前記生体情報が前記覚醒刺激を発生させる前の基準とする基準値に戻ることをもとに、前記対象部位の前記覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングを特定するタイミング特定部(305)と、
    前記覚醒刺激を発生させる期間と前記覚醒刺激を休止させる期間とを制御し、前記覚醒刺激を発生させる期間が終了して前記覚醒刺激を休止させる期間となった場合に、前記対象部位のその覚醒刺激に対する順応から回復すると推定されるタイミングとしての前記タイミング特定部で特定する前記タイミングまで、次の前記覚醒刺激を発生させるタイミングを遅らせる刺激時間制御部(303)として機能させるための制御プログラム。
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