JP4682793B2 - 居眠り防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、居眠り防止装置に関する。
従来より、人間が居眠り状態に陥ることを防止するための装置が提案されている。特に、運転者の顔首付近へ冷気を断続的に与える(以下、提示するという)ことにより居眠り運転を防止しようとするための装置として、断続提示における時間間隔を車輪の回転数に応じたほぼ一定の時間間隔とするもの(例えば、特許文献1参照)や、居眠り防止制御の経過時間に比例して冷風吹出時間を長く、また、経過時間に反比例して吹出間隔、すなわち吹出停止時間を短くするもの(例えば、特許文献2参照)がある。
特公昭57−30683号公報 特開平6−8746号公報
前者の従来技術では、提示期間中の風は一定状態(同一レベルの連続風)で提示されるため、この提示期間中の刺激変化に乏しく、触覚順応、すなわち皮膚感覚に慣れが生じて接触状態にあることの知覚が低下することが生じやすいので十分な覚醒効果が得られない。また、提示−休止の時間が一定であるため、次の風が出るまでの時間や風が出たときのシチュエーションが容易に予想でき、風の単調な繰り返し刺激による慣れが生じて十分な覚醒持続効果が得られない。
後者の従来技術においては、制御の経過時間が長くなると、提示時間は段階的に長くなりかつ休止時間は逆に段階的に短くなる。したがって、長時間経過後には、十分な触覚順応の回復が得られる前に次々と提示時間の長い風が提示されることになる。すなわち、実質的に休止時間のない、断続提示が連続して行われ、風の単調な繰り返し刺激による慣れが生じて十分な覚醒持続効果が得られないことになる。
したがって、制御の継続時間が長く、すなわち運転時間が長く続いて、最も眠気が大きくなるときに十分な覚醒効果を得ることができない。また、各提示期間中は風は一定の状態で提示されるので、この提示中の刺激変化が乏しく触覚順応が生じやすいため十分な覚醒効果が得られない。
本発明は、上記点に鑑み、覚醒効果の高い風の提示を行うことを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、人体に向けて風を吹き出すための吹出口(8)と、
前記吹出口より吹き出す風を生成する送風部(4)と、
オン提示期間でオンとなり、前記オン提示期間の終了によりオフとなる断続提示信号を生成する断続パルス生成手段(11)と、
前記断続提示信号に応じて前記オンで前記送風部を駆動し前記オフで前記送風部の駆動を停止する風速制御部(12)と、
前記吹出口の位置を変える吹出口変更手段(16、19、21、23)とを備え、
前記断続パルス生成手段は、前記オン提示期間の終了から、前記オン提示期間の継続時間(T1(i))の半分以上の時間(T2(i))のオフ期間経過後に、次のオン提示期間を開始するよう前記断続提示信号を生成すると共に、前記断続提示信号の前記オン提示期間を、前記オン提示期間の継続時間(T1(i))より短い時間(T3(i))でオンとオフとを複数回繰り返すよう前記断続提示信号を補正し、
また、前記断続パルス生成手段は前記オン提示期間を複数含むよう前記断続提示信号を生成し、
前記吹出口変更手段は、前記吹出口からの風の吹出方向を前記断続提示信号における各オン提示期間において変化させることを特徴とする。
これにより、吹出口(8)より短い時間(T3(i))で断続的に風の発生および送風停止を繰り返し、この断続風を人の皮膚に当てることにより、風が当たった皮膚には、短周期のリズム知覚が与えられ覚醒効果を高めることができる。
なお、この短い時間(T3(i))は、請求項に記載の発明のようにオンの継続時間およびオフの継続時間をそれぞれ1.5秒以下とすることができる。このとき、オン提示期間は10秒ないし1分程度、より好ましくは請求項に記載の発明のように10秒ないし40秒程度の長い期間とすることができ、オン提示期間中の短周期のオンは最大値1.5秒を用いて、10/(1.5×2)≒3回以上含まれることとなる。
また、請求項1に記載の発明は、断続提示信号におけるオン提示期間に駆動される送風部(4)によって吹出口(8)より風を吹き出すものにおいて、一つのオン提示期間の終了時点から、そのオン提示期間の継続時間(T1(i))の半分以上の時間(T2(i))の送風停止期間であるオフ期間が経過した後に、次のオン提示期間を開始するようになっている。
これにより、吹出口よりオン提示期間に断続風を発生させ、オフ期間に送風停止することを順次行い、この発生−停止が繰り返される風を人の皮膚に当てることにより、人に覚醒効果を与えるに際して、特に、送風が停止されるオフ期間の継続時間(T2(i))をその前に提示されたオン提示期間の継続時間(T1(i))の半分以上の比較的長い時間に設定することにより、オン提示期間における断続風に対する順応の回復をオフ期間中に確実に行い、次のオン提示期間での断続風による覚醒効果を高めることができる。
さらに、請求項1に記載の発明では、前記吹出口(8)の位置を変える吹出口変更手段(16、19、21、23)を備え、前記断続パルス生成手段(11)は前記オン提示期間を複数含むよう前記断続提示信号を生成し、前記吹出口変更手段は、前記吹出口(8)からの風の吹出方向を前記断続提示信号における各オン提示期間において変化させるようになっている。
これによれば、短い時間(T3(i))による断続風を吹出口(8)より発生させるオン提示期間が複数設定される場合、このオン提示期間ごとに吹出口(8)の位置を変更して風の吹出方向を変化させることができる。これにより、風の当たる位置の変更により順応し難くすることができ、覚醒効果を高めることができる。さらに、この吹出口の位置をオン提示期間毎にランダムに設定すれば、吹出口の位置の予測困難性により覚醒効果をさらに高めることができる。
上記したオン提示期間の継続時間(T1(i))は、オン下限値とオン上限値との間の値として設定することができる。このオン下限値を10秒とする、すなわちオン提示期間の継続時間(T1(i))を請求項に記載の発明のように10秒以上とすることにより、人間の順応しにくい覚醒特性に適応したオン提示期間とすることができ、覚醒効果を高めることができる。さらに、オン上限値を40秒とする、すなわちオン提示期間の継続時間(T1(i))を請求項に記載の発明のように40秒以下とすることにより、人間の順応しにくい覚醒感覚に適応したオン提示期間とすることができ、覚醒効果を高めることができる。
さらに、請求項に記載の発明のようにオン提示期間が複数設定されるとき、各オン提示期間の継続時間(T1(i))をランダムに設定することにより、送風状態が一定ではなく、風の提示、特に送風終了時点の予測困難性を高めることができ、これにより覚醒効果を高めることができる。
一方、請求項に記載の発明のようにオフ上限値を20秒とする、すなわち、オフ期間の継続時間(T2(i))を20秒以下とすることにより、人間の順応しにくい覚醒特性、すなわち、この場合は刺激のない状態に順応してしまわない知覚特性に適応したオフ期間とすることができ、オフ期間終了後の次のオン提示期間開始による覚醒効果を高めることができる。
さらに、請求項に記載の発明のようにオフ期間が複数設定されるとき、各オフ期間の継続時間(T2(i))をランダムに設定することにより、送風停止状態が一定ではなく、風の提示、特に送風開始時点の予測困難性を高めることができ、これにより覚醒効果を高めることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の居眠り防止装置において、前記送風部(4)は椅子のシートクッション部(1)またはシートバック部(2)に設けられ、
前記吹出口(8)は、前記送風部(4)からの風を通すダクト(5、7)の先端部に形成されて、前記シートバック部または前記椅子のヘッドレスト部(3)に設けられていると共に、前記椅子に着座する着座員の頭部に向けて配置され、
前記吹出口(8)から吹き出される風を前記着座員の耳下ないし首筋に向けることを特徴とする。
この構成によれば、吹出口(8)からの風を着座員の頭部の皮膚、特に、耳下から首筋に当たることができ、覚醒効果をより向上させることができる。
さらに、請求項に記載の発明のように、送風部(4)と吹出口(8)との間のダクト(5、7)内に、空気を加熱または冷却する加熱冷却部(6)を設け、加熱冷却部(6)をオン提示期間に作動し、オフ期間に作動停止するよう制御すれば、特に加熱冷却部(6)の冷却機能を利用して送風部(4)からの風を冷却して吹出口(8)より吹き出し、着座員の頭部に冷風を当てることができ、覚醒効果を高めることができる。
た、請求項に記載の発明では、人体に向けて風を吹き出すための吹出口(8)と、
前記吹出口より吹き出す風を生成する送風部(4)と、
オン提示期間でオンとなり、前記オン提示期間の終了によりオフとなる断続提示信号を生成する断続パルス生成手段(11)と、
前記断続提示信号に応じて前記オンで前記送風部を駆動し前記オフで前記送風部の駆動を停止する風速制御部(12)と、
前記吹出口の位置を変える吹出口変更手段(16、19、21、23)とを備え、
前記断続パルス生成手段は、前記オン提示期間を複数含むよう前記断続提示信号を生成すると共に、前記断続提示信号の前記オン提示期間を、前記オン提示期間の継続時間(T1(i))より短い時間(T3(i))でオンとオフとを複数回繰り返すよう前記断続提示信号を補正し、
前記吹出口変更手段は、前記吹出口からの風の吹出方向を前記断続提示信号における各オン提示期間において変化させることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様に短い時間(T3(i))による断続風を吹出口(8)より発生させるオン提示期間が複数設定される場合、このオン提示期間ごとに吹出口(8)の位置を変更して風の吹出方向を変化させることができる。これにより、風の当たる位置の変更により順応し難くすることができ、覚醒効果を高めることができる。さらに、この吹出口の位置をオン提示期間毎にランダムに設定すれば、吹出口の位置の予測困難性により覚醒効果をさらに高めることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の全体構成を示す図である。第1実施形態の居眠り防止装置は、車両のシート部に配置され、乗員、特に運転者の居眠りを防止するものである。シートクッション部1の下部に送風部4、シートバック部2に加熱冷却部6がそれぞれ配置されている。
送風部4はシートクッション部1の下部より周辺の空気を吸い込み、ダクト5側へ送風するものであり、空気通路をなすケース、後述する制御装置10の風速制御部12からの制御信号によって制御される駆動用モータ、および、この駆動モータによって駆動される送風ファン(図示せず)を有している。
具体的には、本実施形態の駆動用モータは周知の直流モータであり、風速制御部12が制御信号として出力するブロワ電圧を変更することによって回転数制御される。また、送風ファンは遠心式送風ファンであり、空気は矢印A方向に送風される。
送風部4と加熱冷却部6とはダクト5で接続されている。加熱冷却部6は周知のペルチェモジュールを備えている。本実施形態では、このペルチェモジュールの冷却機能を用いて、加熱冷却部6を通過する空気を冷却するようにしている。なお、このときペルチェモジュールが生ずる排熱は、加熱冷却部6の排熱ダクト(図示せず)よりシートバック部2の背面側へ放出されるようになっている。
なお、送風部4はシートバック部2内に設けてもよい。この場合、送風部4と加熱冷却部6とを一つのケース内に収納することができる。
ダクト7は、一方の端部は加熱冷却部6の吹出側に接続され、これより2つに分岐されてシートバック部2の上端部を通って、他方の端部はヘッドレスト3の左右両端側に設けられた一対の吹出口8として開口するよう配置されている。なお、吹出口8はヘッドレスト3内に設けられても、ヘッドレスト3とは別体としてシートバック部2の上端部に固定具(図示せず)により固定配置されるようにしてもよい。
それぞれの吹出口8の吹出方向(矢印B)は、シートに着座する着座員としての運転者の右側および左側の耳下ないし首筋に吹出空気が当たるように向けられている。これにより、吹出口8より加熱冷却部6により冷却された冷房風を吹き出し、この冷房風をシートに着座する着座員の耳下ないし首筋の皮膚に当てることにより、着座員に覚醒効果を生じさせるようにしている。
次に、本第1実施形態の電気制御部について説明する。電気制御部である制御装置10は、断続パルス生成部11、風速制御部12および温度制御部13をそれぞれ構成するCPU、ROM、RAM等からなる3つのマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。なお、この制御装置10は、全体を1つのハードウェア回路で構成してもよい。
断続パルス生成部11は、図2に示す3つの矩形波状のパルスA、B、Cを発生する。
パルスAは、断続提示信号に相当し、次式で示される条件1および条件2を満足するよう、発生回数iに対してランダムな値として設定されるオン提示期間の継続時間T1(i)、およびオフ期間の継続時間T2(i)に基づく矩形パルス波形である。
すなわち、発生回数iごとに、T1(i)は条件1で示される範囲内の任意のランダムな数値が選択される。さらに、T2(i)は、発生回数ごとに上記決定されたT1(i)に基づき、条件2で示される範囲内の任意のランダムな数値が選択される。
条件1:オン下限値=10sec≦T1(i)≦オン上限値=40sec
条件2:オフ下限値=T1(i)/2≦T2(i)≦オフ上限値=20sec
なお、これらオン下限値、オン上限値、オフ下限値、オフ上限値の意義については、後述する。
パルスBは、パルスAの立ち上がりと同期して立ち上がり、次式の条件3を満足するよう、発生回数iに対してランダムな値として設定される短周期の時間T3(i)でオンとオフとを繰り返す矩形パルス波形である。すなわち、T3(i)は発生回数iごとに、条件3で示される範囲内の任意のランダムな数値が選択される。なお、Tninは送風部4が実現できる最短断続時間である。
条件3:Tmin≦T3(i)≦1.5sec
また、パルスCは、断続提示信号であるパルスAを短周期のパルスBで補正したもの、すなわち、上記パルスAとパルスBとの論理積演算により決定される矩形パルス波形である。したがって、パルスCは、パルスAのオン提示期間(継続時間T1(i)、i=1、2、・・・)中に、パルスBの短周期での繰り返しオン、オフを行う、断続提示信号に相当する。
風速制御部12は、断続パルス生成部11からのパルスCに応じて、パルスCがオン(継続時間T3(i):Tmin≦T3(i)≦1.5sec)のときに送風部4へブロワ電圧を印加して駆動モータを回転させ、パルスCがオフのときにブロワ電圧を0として駆動モータを停止させる。なおこのときのブロワ電圧は、駆動モータを短時間(数100msec)に定常速度まで立ち上げる(起動させる)のに必要な電圧が設定される。
したがって、送風部4は、図2に示すように、比較的長い継続時間T1(i)のオン提示期間中に、短い時間間隔T3(i)でオン(送風)とオフ(停止)とを繰り返して作動し、その後の継続時間T2(i)のオフ期間で送風を停止し、さらにその後、次のオン提示期間で継続時間T1(i+1)の間、短周期(時間間隔T3(i+1))のオンとオフとを繰り返す。
温度制御部13は、断続パルス生成部11からのパルスAに応じて、パルスAがオン提示期間(継続時間T1(i):10sec≦T1(i)≦40sec)中には、加熱冷却部6へ所定量の電力を与えて加熱冷却部6のペルチェモジュールを冷却作動させ、パルスAがオフ期間(継続時間T2(i):T1(i)/2≦T2(i)≦20sec)中には、ペルチェモジュールへの電力供給を停止する。
ここで、上記パルスA〜Cのパルス幅についての具体的数値範囲について説明する。図3、図4は、本発明者らが行った実験結果を示す図である。実験条件は、1〜60secの範囲内の一定値として設定される断続提示間隔Δで断続する風を、被験者の首筋位置に提示したときの、被験者が感じる、「目が覚めそう」〜「眠くなりそう」という覚醒感を、それぞれ数値(3〜−3)で表した結果である。
なお、被験者は9名であり、図3は断続風の風が当たっている期間(Ton=Δ=Toff)における覚醒感の平均値を表し、図4は、同じ断続風の風が休止している期間(Toff=Δ=Ton)における覚醒感の平均値を表している。
図3において、領域P1は短い時間間隔(Ton=1sec)付近において断続風により動的なリズムとしての知覚(以下、リズム知覚という)が生じ、これによる覚醒効果が比較的大きい領域である。また、図3の領域P2は、断続風の提示期間Tonが10〜40secの範囲で、静的な環境変化としての知覚により覚醒効果が比較的大きくなっている領域である。
すなわち、この領域P2では、比較的長い時間、風が提示されることにより覚醒感が高まると考えられる。ただし、風の提示期間Tonが長くなりすぎると、覚醒度は低下傾向を示す。これは順応による効果と考えられる。
一方、図4の休止期間に関する実験結果では、領域P3の、断続風の休止期間Toffが40sec以上では、眠くなりそうという感覚が大きくなっており、休止期間を長くしすぎるとその休止期間中に眠くなりそうになることを示している。
また、図5は、人間の指への接触子による振動的な接触刺激を与えたときの順応および回復の時間についての公知の結果である。図5において、縦軸の閾値は、所定強度の刺激を提示時間を種々に変化させて与えて順応した皮膚表面に、振動刺激の振幅を変えながら提示し、感じられる最小の振動振幅を表している。また、マッチング量は、上記閾値の実験対象の指とは反対側の指に、閾値と同程度の振動感覚に調整された振動振幅を示している。
例えば、図5において、P4で示すように600秒の刺激提示により順応した場合、閾値およびマッチング量が刺激提示前の状態の2デシベルに戻るまでに、提示時間の半分の300秒を要することが示されている。この傾向は、いずれの刺激提示時間においても同様である。
すなわち、触覚は振動刺激に対して順応すること、および、いずれの振動刺激提示時間(10〜1500sec)においても、回復に要する時間は提示時間の約半分程度必要なことがわかる。
これらの結果から、図3の領域P1におけるリズム知覚特性を利用して、風の提示を1.5sec以下の短時間間隔T3(i)でオンオフを繰り返すことにより、定常的な風の提示を行う場合よりも覚醒度を高めることができる。なお、このリズム知覚における時間間隔T3(i)の下限値Tminは、送風部4が実現できる最短断続時間であり、送風部4の駆動モータが小さいほど、あるいは、風速制御部12が発生するブロワ電圧が大きいほど短くなり、本実施形態では100msecないし数100msecの値として設定される。
また本実施形態では、パルスAのオン提示期間の継続時間T1(i)を、図3の領域P2に基づきオン下限値を10sec、オン上限値を40secに設定している。これにより、オン提示期間を比較的長い継続時間とすることにより、このオン提示期間中の風の提示によって覚醒度を高めることができる。なお、上記動的なリズム知覚を利用したパルスCの短周期の断続提示は、パルスAにおけるオン提示期間中はほぼ静的な環境変化としても知覚されるので、この継続時間T1(i)のオン提示期間中における、短時間T3(i)の風のオンオフ(断続)提示により、覚醒効果をさらに高めることができる。
一方、風の提示の休止時間については、図5の結果の類推より、オフ期間の継続時間を直前のオン提示期間の継続時間の少なくとも半分以上設けることにより、直前の風の刺激による順応を回復させ、さらに、図4の領域P3についての知見より、休止時間を20秒以内に制限することにより眠くなりそうという感覚を回避することができる。
したがって、上記条件3に示すように、オフ期間の継続時間T2(i)を、直前のオン提示期間の継続時間T1(i)/2をオフ下限値とし、20secをオフ上限値として、これらの間の範囲の値とすることにより、オフ期間において確実に順応を回復させて、次のオン提示期間(T1(i+1))における風の提示に対して覚醒度を高めることができる。
電気制御部の説明に戻ると、制御装置10には、断続パルス生成部11での制御処理を開始させるためのオントリガ信号を発生するものとして、操作部14と眠気検出部15とが接続されている。操作部14は、例えば、車両のステアリング部に設けられたスイッチ(図示せず)により構成され、運転者がこのスイッチのオン操作またはオフ操作を行うことにより、断続パルス生成部11の制御を開始させるためのオントリガ信号または制御を停止させるためのオフトリガ信号を発生し断続パルス生成部11へ出力する。
眠気検出部15は、運転者の心拍数に基づいて運転者の眠気を検出するもので、例えば特開2004−350773号公報等により公知になっている。具体的には、ステアリングホイールに設置された電極によって運転者の心拍数を測定し、さらに、眠気検出部15が備える演算手段により、この心拍数を周波数分析して、予め覚醒時のピーク周波数に基づいて設定された覚醒度合指標帯域と眠気度合指標帯域に属するスペクトル信号の強度によって覚醒低下状態(あるいは眠気状態)にあるか否かを検出できるようになっている。
眠気検出部15は、この覚醒低下状態が検出、すなわち眠気検出されたときにオントリガ信号を断続パルス生成部11へ出力し、覚醒低下状態でないこと、すなわち眠気消失が検出されたときにオフトリガ信号を断続パルス生成部11へ出力するようになっている。
次に、本第1実施形態の作動について説明する。図6のフローチャートは、断続パルス生成部11、風速制御部12および温度制御部13の各マイクロコンピュータが協働して作動するときの、各部の処理手順を示している。なお、各マイクロコンピュータは、電源の投入により作動を開始する。
ステップS100では、操作部14および眠気検出部15の少なくとも一方より、オントリガ信号が出力されるまで待機している。オントリガ信号が出力されると、ステップS110で、演算回数iの初期化処理(i=1)が行われ、次のステップS120で、断続パルス生成部11が、条件1〜条件3に基づき、パルスA〜Cを、1周期分(継続時間T1(i=1)+T2(i=1))のみ発生し、これを断続パルス生成部11のバッファに保持する。
なお、オン提示期間の継続時間T1(i)は条件1を満たす範囲の任意のランダム値として設定され、それに続くオフ期間の継続時間T2(i)は、上記T1(i)に応じて条件2を満たす範囲の任意のランダム値として設定される。さらに、短周期の継続時間T3(i)は、予め設定されている最短断続時間Tminに応じて条件3を満たす範囲の任意のランダム値として設定される。
これらのランダム値は、周知の乱数算出法にて算出することができるが、要は、順次発生する各パルス波形において、着座員にとって予測困難性、あるいは意外性があればよい。
次にステップS130で、断続パルス生成部11は、バッファに保存した1周期分のパルスCを風速制御部12へ出力するとともに、1周期分のパルスAを温度制御部13へ出力する。このS130の処理により、断続パルス生成部11のバッファに保持されていた1周期分のパルスA〜Cは削除され、一方、風速制御部12のバッファには1周期分のパルスCが保存され、温度制御部13のバッファには1周期分のパルスAが保持される。
ステップS140では、風速制御部12が保持している1周期分のパルスCに応じて送風部4を断続制御するとともに、温度制御部13が保持している1周期分のパルスAに応じて加熱冷却部6を制御する。
具体的には、風速制御部12は、パルスCのオンにおいて所定のブロワ電圧を送風部4へ出力し、パルスCのオフにおいてブロワ電圧=0とする。これにより、送風部4の送風ファンは、オン提示期間T1(i)の間のみ、短い時間T3(i)で送風および停止が繰り返される。
一方、温度制御部13は、パルスAのオン提示期間にペルチェモジュールを冷却作動させるので、吹出口8から、冷却された風が短い時間間隔で断続的に着座員の頭部(耳下ないし首筋)へ提示されて、着座員の覚醒を促す。
このS140でのオン提示期間における送風部4および加熱冷却部6の制御が始まると、並行してステップS150にて断続パルス生成部11は、次(i=i+1)の1周期分のパルスA〜Cを発生させて、断続パルス生成部11の上記S130で空になったバッファに保存しておく。
このときの各継続時間T1(i+1)、T2(i+1)、T3(i+1)はそれぞれ、上記S120における処理と同様、条件1〜3を満たすランダムな値として設定される。
ステップS160にて、時間経過が1周期の時間(T1(i)+T2(i))経過するまではステップS140にもどる。すなわち、S140の処理は1周期分の時間(T1(i)+T2(i))が経過するまで行われる。
S140にて1周期分の制御が終了すると、風速制御部12のバッファおよび温度制御部13のバッファからそれぞれ1周期分のパルスCおよびパルスAは破棄される。そして、次のステップS170でiがインクリメントされたのち、ステップS180で操作部14または眠気検出部15よりオフトリガ信号が出力されない場合はステップS130へ戻り、次の周期(i+1)の処理を行う。
具体的には、S130にて、先のS150において生成されて断続パルス生成部11のバッファに保持されている次の周期(i=i+1)のパルスA〜Cのうち、パルスCを風速制御部12へ出力し、パルスAを温度制御部13へ出力する。その後、S140では周期(i=i+1)のパルスC、Aに基づき送風部4、および加熱冷却部6の制御が行われ、並行してS150でその次の周期(i=i+2)のパルスA〜Cが生成、保持される。この処理が、S13〜S180の間で繰り返される。
ステップS180でオフトリガ信号が出力されていれば、スタートに戻る。これにより、本制御ルーチンは、オントリガ信号が出力される(S100)と、処理が開始され、オフトリガ信号が出力される(S180)と処理が停止して、次にオントリガ信号が出力されるまで待機することになる。
以上のように、本第1実施形態では、オン提示期間(継続時間T1(i))において、それよりも短い時間T3(i)で送風(オン)および送風停止(オフ)を繰り返すことにより、着座員に刺激の時間変化量が大きいリズム知覚を与え覚醒度を高めることができる。
また、風を提示する期間であるオン提示期間の継続時間T1(i)を10sec以上、40sec以下の範囲の値としたので、静的な環境変化、すなわち順応しにくい風の提示を行って覚醒度を高めることができる。
さらに、風の提示を行わないオフ期間の継続時間T2(i)を20sec以下の値としたので、眠くならないうちに次のオン提示期間を開始することができ、覚醒度を高めることができる。
また、オフ期間の継続時間T2(i)のオフ下限値を、そのオフ期間の直前のオン提示期間の継続時間T1(i)の半分としているので、あるオン提示期間(継続時間T1(i))において風に順応していても、その次のオフ期間(継続時間T2(i))で確実に回復可能にするので、さらに次のオン提示期間(継続時間T1(i+1))における風の提示に対して、覚醒度を高めることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本第2実施形態は、第1実施形態とは、吹出口8の形状が異なっている。すなわち、第1実施形態では、吹出口8は単にダクト7の先端に設けられた開口部として形成されており、吹出口8から吹き出される風は、パルスCに基づく送風部4のオンオフ作動により断続風として発生するものであった。本第2実施形態では、左右一対の吹出口8の構成は、上記第1実施形態とは異なり、各吹出口8に通風路を開閉して断続風を発生する機構と、風を吹き出す噴出孔の位置を変える機構とを設けている。以下、第1実施形態と異なる構成について説明し、同一構成部分については同一符号を付して説明を省略する。
図7は第2実施形態の全体構成を示す図であり、図8は第2実施形態の吹出口8部分の概略構成を示す図である。
送風部4からダクト5、加熱冷却部6およびダクト7までの送風路の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態の吹出口8は、ダクト7の下流側端に設けられ、気圧緩衝用タンク17、ステッピングモータ19、外筒部20、回転板22、吹出口シリンダ23および4つの噴出孔24a〜24d等を備えている。
気圧緩衝用タンク17は、ダクト7の下流側端に設けられた所定容量の空間を備え、ダクト7との連通面と直角方向の面に開口部18が形成されている。開口部18をおおうように、気圧緩衝用タンク17の壁面に外筒部20が固定して設けられており、外筒部20は開口部18からの通風路を形成している。
外筒部20内には、開口部18の中心位置にステッピングモータ19が図示しない固定部材により外筒部20に固定配置されている。このとき、開口部18から吐出される空気はステッピングモータ19の外周を通って外筒部20の下流側へ流れる。
ステッピングモータ19の回転軸19aは外筒部20の軸心と一致するよう配置される。回転軸19aには軸方向に対して垂直な回転板21が設けられている。回転板21には、所定の半径位置に円形の通気穴22が1つ設けられている。したがって、ステッピングモータ19が指令値に基づき正逆回転するのに応じて、通気穴22の位置は正逆回転方向に移動する。
外筒部20における回転板21の下流側には、吹出口シリンダ23が外筒部20の内壁に密着嵌合するように設けられている。吹出口シリンダ23には、通気のための4つの噴出孔24a、24b、24c、24dが設けられている。
図9(a)は噴出孔24a〜24dの出口側からみた吹出口シリンダ23の平面図であり、同(b)は送風時の出口側から回転板21をみた図、同(c)は送風停止時の出口側から回転板21をみた図である。
これらの噴出孔24a〜24dは、吹出口シリンダ23において、外筒部20の軸方向に貫通する円筒状の孔として形成されている。さらに、これらの噴出孔24a〜24dは、図9(a)に示すように、通気穴22の回転板21上の半径位置と同一周上で、互いに90度隔てて設けられている。各噴出孔24a〜24dの直径は、回転板21の通気穴22の直径に等しく、かつ、吹出口シリンダ23における中心角で45度未満となるように設定されている。
次に、第2実施形態の電気制御部について説明する。第2実施形態においても、電気制御部である制御装置10は、断続パルス生成部11、風速制御部12、温度制御部13および吹出口制御部16をそれぞれ構成するCPU、ROM、RAM等からなる4つのマイクロコンピュータと、その周辺回路にて構成されるものである。なお、この制御装置10は、全体を1つのハードウェア回路で構成してもよい。
断続パルス生成部11は、上記第1実施形態と同様、図2に示すパルスA、パルスB、パルスCを生成する。これらは、上記第1実施形態と同様の発生条件1〜3に基づき生成されるので、説明を省略する。
さらに、本第2実施形態では、断続パルス生成部11は、パルスAのオンに同期して、噴出孔位置信号をランダムに生成する。具体的には、パルスAの各オン提示期間の立ち上がり時に、噴出孔24a〜24dの位置を表す角度(例えば、−90度、0度、90度、180度)のうちの1つをランダムに選択して、これを表す信号を噴出孔位置信号とする。これをオン提示期間の開始時に毎回行う。
風速制御部12は、断続パルス生成部11からのパルスAに応じて、パルスAがオン提示期間(継続時間T1(i):10sec≦T1(i)≦40sec)中には送風部4へブロワ電圧を印加して駆動モータを回転させ、パルスAがオフ期間(継続時間T2(i):T1(i)/2≦T2(i)≦20sec)中にはブロワ電圧を0として駆動モータを停止させる。
温度制御部13は、断続パルス生成部11からのパルスAに応じて、パルスAがオン提示期間(継続時間T1(i):10sec≦T1(i)≦40sec)中には、加熱冷却部6へ所定量の電力を与えて加熱冷却部6のペルチェモジュールを冷却作動させ、パルスAがオフ期間(継続時間T2(i):T1(i)/2≦T2(i)≦20sec)中には、ペルチェモジュールへの電力供給を停止する。
したがって、送風部4における送風が行われる間、加熱冷却部6においてペルチェモジュールが通過する空気を冷却することとなる。
吹出口制御部16は、断続パルス生成部11からのパルスCおよび噴出孔位置信号に応じて、ステッピングモータ19への指令値を出力する。具体的には、パルスCのオフからオンへの立上がり時に、ステッピングモータ19を噴出孔位置信号で指定される噴出孔24a〜24dの位置へ回転させ、パルスCのオンからオフへの立下り時に、噴出孔位置から退避位置である−45度回転位置へ回転させる。
吹出口制御部16が、これを、オン提示期間中の短時間(T3(i))毎に、オン、オフのそれぞれの立上がりに同期して繰り返すことにより、ステッピングモータ19により回転される回転板21の通気穴22の位置は、パルスCのオン時には、図9(b)に示すように例えば噴出孔24aと一致し、パルスCのオフ時には、図9(c)に示すように、その退避位置である、−45度の位置(噴出孔24aと噴出孔24bとの中間位置)に回転する。
通気穴22の位置が噴出孔24a〜24dのいずれかと一致すれば、その一致した噴出孔から着座員に向けて冷風が吹き出される。また、通気穴22が−45度の位置に回転移動することにより、回転板21は吹出口シリンダ23の全ての噴出孔を塞いで、着座員への送風を停止させる。
なお、吹出口8の外筒部20におおわれた、ステッピングモータ19、通気穴22を備えた回転板21、噴出孔24a〜24dを備えた吹出口シリンダ23および吹出口制御部16が吹出口変更手段に相当する。
断続パルス生成部11には、オントリガ信号およびオフトリガ信号を発生する操作部14と眠気検出部15とが接続されている。なお、これらは第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
次に、本第2実施形態の作動について説明する。図10のフローチャートは、第1実施形態と同様、断続パルス生成部11、風速制御部12、温度制御部13および吹出口制御部16の各マイクロコンピュータが協働して作動するときの、各部の処理手順を示している。なお、各マイクロコンピュータは、電源の投入により作動を開始する。なお、第1実施形態と同様の処理を行うステップには同一符号を付して説明を省略する。
ステップS100からステップS120までは、第1実施形態と同様である。次のステップS132では、断続パルス生成部11は、バッファに保存した1周期分(継続時間T1(i)+T2(i))のパルスAを風速制御部12および温度制御部13へ出力する。
また、本第2実施形態においては、断続パルス生成部11は、パルスAのオン提示期間の立ち上がりに対応して、4つの噴出孔24a〜24dの一つをランダムに選択することにより噴出孔位置信号を生成し、この噴出孔位置信号と1周期分のパルスCとを吹出口制御部16へ出力する。
このS132の処理により、断続パルス生成部11のバッファに保持されていた1周期分のパルスA〜Cは削除され、一方、風速制御部12および温度制御部13の各バッファには1周期分のパルスAが保持され、吹出口制御部16のバッファには1周期分のパルスCと噴出孔位置信号とが保持される。
ステップS142では、風速制御部12が保持している1周期分のパルスAに応じて送風部4を制御し、同時に温度制御部13が保持している1周期分のパルスAに応じて加熱冷却部6を制御する。
具体的には、パルスAのオン提示期間(継続時間T1(i))の間、送風部4は送風を継続するとともに、加熱冷却部6のペルチェモジュールは冷却作動して、この間、吹出口8に設けた気圧緩衝用タンク17内に冷風が送られる。
次のステップS144では、吹出口制御部16が保存している1周期分のパルスCおよび噴出孔位置信号に基づき回転板21の位置制御を行う。具体的には、パルスCの立上がり時に、ステッピングモータ19を噴出孔位置信号で指定される位置(−90度、0度、90度、180度のいずれか)まで回転させ、パルスCの立下り時にその指定位置から−45度の退避位置へ回転させることを、パルスCの短時間(T3(i))のオンオフ毎に繰り返す。
すなわち、このオンオフの繰り返しは1周期中のオン提示期間(継続時間T1(i))の間継続され、これにより、指定された噴出孔24a〜24dのうちの1つより、短時間T3(i)冷風の吹き出しが繰り返し行われ、この冷風が断続的に着座員の頭部(耳下ないし首筋)へ提示されて、着座員の覚醒を促す。
なお、ステップS160での判定に基づき、S142、S144にて1周期分の制御が終了すると風速制御部12、温度制御部13および吹出口制御部16の各バッファに保持されていた1周期分のパルスA、パルスCおよび噴出孔位置信号は削除される。
このS142およびS144でのオン提示期間における送風部4、加熱冷却部6および吹出口制御部16の制御が始まると、第1実施形態と同様、並行してステップS150にて断続パルス生成部11は、次(i=i+1)の1周期分のパルスA〜Cを発生させて、断続パルス生成部11の上記S132で空になったバッファに保持しておく。このパルスA〜Cの各継続時間T1(i+1)、T2(i+1)、T3(i+1)も第1実施形態と同様条件1〜3を満たすランダムな値として設定される。
なお、ステップS160、S170、S180での処理は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
以上のように、本第2実施形態では、第1実施形態と同様の効果を奏する。
さらに、本第2実施形態では、噴出孔位置をオン提示期間毎にランダムに変化させるので、着座員の風に当たる位置を変化させて風の提示に対して順応しにくくすることができるとともに、着座員にどの部位に風が当たるかの予測を困難にさせることができる。これにより、着座員の覚醒度を高めることができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、ステップS180において、操作部14または眠気検出部15からオフトリガ信号が出力されるまで、繰り返しオン提示期間を設ける例を示したが、これに限らず、1回のオントリガ信号の出力(S100)毎に、オン提示期間を1回分のみ生成し、この1回のオン提示期間における制御が終了したら、動作を終了するようにしてもよい。すなわち、1回のオン提示期間が終了して、着座員がさらに覚醒度を高めたいと判断したときに操作部14のスイッチ操作により制御を再度開始させることは、その操作自体、着座員の覚醒度を高める効果があり有効である。
上記各実施形態では、吹出口8はヘッドレスト3の左右両端部に一対設け、これらから吹き出される風を同様に生成する例を示したが、これに限らない。すなわち、吹出口8は1つのみでもよい。あるいは、一対設けた場合は、左右でそれぞれ異なった風の生成を行ってもよい。例えば、パルスCにおけるオンオフを左右で逆にし、左の吹出口8から風を吹き出しているときに、右の吹出口8からは風を停止するようにしてもよい。
さらには、吹出口8を、車室天井やセンターピラー部に設けて、これらの吹出口から運転者の頭部へ断続風(冷風)を吹き出すようにしてもよい。この場合は、フロントエアコンの空調ユニットを送風部として利用することができる。
また、上記各実施形態では、車両のシートに着座する運転者の居眠り防止装置に適用した例を示したが、これら車両用に限らない。例えば、室内で、椅子に着座して、あるいは立ったまま、作業行為や学習行為などを行う作業者や学生等に対して、これらの行為者が着座している椅子や行為者近傍の机、柱等の構造物に上記実施形態の吹出口を設けて、これによりこれら行為者の眠気を防止することが可能である。
第1実施形態の全体構成を示す図である。 パルスA、B、Cの各波形と、生成条件を示す図である。 断続提示間隔と提示時の知覚との関係の実験結果を示す図である。 断続提示間隔と停止時の知覚との関係の実験結果を示す図である。 振動接触刺激に対する順応時間および回復時間に関する公知の実験結果を示す図である。 第1実施形態の全体の処理手順を示す図である。 第2実施形態の全体構成を示す図である。 第2実施形態の吹出口の概略構成を示す図である。 (a)は噴出孔の出口側から見た吹出口シリンダの平面図、(b)は同方向から見た送風時の回転板の平面図、(c)は同方向からみた送風停止時の回転板の平面図である。 第2実施形態の全体の処理手順を示す図である。
符号の説明
4…送風部、5、7…ダクト、6…加熱冷却部(ペルチェモジュール)、8…吹出口、
10…制御装置、11…断続パルス生成部、12…風速制御部、13…温度制御部、
14…操作部(操作スイッチ)、15…眠気検出部。

Claims (9)

  1. 人体に向けて風を吹き出すための吹出口(8)と、
    前記吹出口より吹き出す風を生成する送風部(4)と、
    オン提示期間でオンとなり、前記オン提示期間の終了によりオフとなる断続提示信号を生成する断続パルス生成手段(11)と、
    前記断続提示信号に応じて前記オンで前記送風部を駆動し前記オフで前記送風部の駆動を停止する風速制御部(12)と、
    前記吹出口の位置を変える吹出口変更手段(16、19、21、23)とを備え、
    前記断続パルス生成手段は、前記オン提示期間の終了から、前記オン提示期間の継続時間(T1(i))の半分以上の時間(T2(i))のオフ期間経過後に、次のオン提示期間を開始するよう前記断続提示信号を生成すると共に、前記断続提示信号の前記オン提示期間を、前記オン提示期間の継続時間(T1(i))より短い時間(T3(i))でオンとオフとを複数回繰り返すよう前記断続提示信号を補正し、
    また、前記断続パルス生成手段は前記オン提示期間を複数含むよう前記断続提示信号を生成し、
    前記吹出口変更手段は、前記吹出口からの風の吹出方向を前記断続提示信号における各オン提示期間において変化させることを特徴とする居眠り防止装置。
  2. 前記オフ期間の時間(T2(i))の上限値は20秒であることを特徴とする請求項に記載の居眠り防止装置。
  3. 人体に向けて風を吹き出すための吹出口(8)と、
    前記吹出口より吹き出す風を生成する送風部(4)と、
    オン提示期間でオンとなり、前記オン提示期間の終了によりオフとなる断続提示信号を生成する断続パルス生成手段(11)と、
    前記断続提示信号に応じて前記オンで前記送風部を駆動し前記オフで前記送風部の駆動を停止する風速制御部(12)と、
    前記吹出口の位置を変える吹出口変更手段(16、19、21、23)とを備え、
    前記断続パルス生成手段は、前記オン提示期間を複数含むよう前記断続提示信号を生成すると共に、前記断続提示信号の前記オン提示期間を、前記オン提示期間の継続時間(T1(i))より短い時間(T3(i))でオンとオフとを複数回繰り返すよう前記断続提示信号を補正し、
    前記吹出口変更手段は、前記吹出口からの風の吹出方向を前記断続提示信号における各オン提示期間において変化させることを特徴とする居眠り防止装置。
  4. 前記送風部(4)は椅子のシートクッション部(1)またはシートバック部(2)に設けられ、
    前記吹出口(8)は、前記送風部(4)からの風を通すダクト(5、7)の先端部に形成されて、前記シートバック部または前記椅子のヘッドレスト部(3)に設けられていると共に、前記椅子に着座する着座員の頭部に向けて配置され、
    前記吹出口(8)から吹き出される風は前記着座員の耳下ないし首筋に向けられることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の居眠り防止装置。
  5. 前記ダクト内(5、7)には空気を加熱または冷却するよう作動する加熱冷却部(6)が設けられており、前記加熱冷却部(6)は前記オン提示期間に作動し、前記オフ期間に作動停止するよう制御されることを特徴とする請求項に記載の居眠り防止装置。
  6. 前記短い時間のオンおよびオフの各継続時間(T3(i))の最大値は1.5秒として設定されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の居眠り防止装置。
  7. 前記オン提示期間の継続時間(T1(i))は10秒〜40秒の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の居眠り防止装置。
  8. 前記オン提示期間が複数設定されるとき、前記オン提示期間の各継続時間(T1(i))はランダムに設定されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の居眠り防止装置。
  9. 前記オフ期間が複数設定されるとき前記オフ期間の各継続時間はランダムに設定されることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の居眠り防止装置。
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