JP6923454B2 - 再粘着制御方法および機械ブレーキ制御装置 - Google Patents

再粘着制御方法および機械ブレーキ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6923454B2
JP6923454B2 JP2018001608A JP2018001608A JP6923454B2 JP 6923454 B2 JP6923454 B2 JP 6923454B2 JP 2018001608 A JP2018001608 A JP 2018001608A JP 2018001608 A JP2018001608 A JP 2018001608A JP 6923454 B2 JP6923454 B2 JP 6923454B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deceleration
transition pattern
braking force
transition
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018001608A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018140770A (ja
Inventor
山下 道寛
道寛 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Publication of JP2018140770A publication Critical patent/JP2018140770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6923454B2 publication Critical patent/JP6923454B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Regulating Braking Force (AREA)

Description

本発明は、車輪の滑走の発生を検知した場合に当該車輪のブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御方法等に関する。
機械ブレーキの動作中に鉄道車両の走行速度よりも車輪の回転速度が低下する「滑走」が生じると、ブレーキ力を引き下げて(緩めて)保持し、再粘着させた後にブレーキ力を復帰させる再粘着制御が行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−210396号公報
しかしながら、従来では、ブレーキ力の復帰制御を開始するタイミングの判断は、滑走した車輪(或いは車軸)の減速度が所定の閾値に達したか否かという単一の固定閾値による単純判定で判断していた(例えば、特許文献1では、図3のステップS9を参照)。
ところで、滑走が発生して再粘着制御がなされた場合、再粘着時に接線力の回復によって車輪に大きな力が生じ、その力が車両に伝わって前後動が生じるため、乗り心地が悪化する問題がある。このときに生じる力は、回復した接線力の回復量が大きいほど大きく、車輪の回転に係る減速度(以下、適宜「減速度」と省略する)の変化量が大きいほど大きい。滑走が生じていない粘着時には、減速度の変化は無い、若しくは緩やかな状態であるが、滑走が生じると減速度は大きく変化する。
すなわち、再粘着制御において、ブレーキ力の復帰制御を開始する時点の減速度が、粘着時の減速度と大きく乖離していると、再粘着時に車輪に大きな力が生じ、乗り心地に大きな影響を与え得る。
従来の技術では、減速度が所定の閾値に達したか否かの単一の固定閾値による単純判定でブレーキ力の復帰開始タイミングを判断しているため、再粘着時に車輪に大きな力が生じる場合があった。
また、単一の固定閾値による単純判定であったため、再粘着させるためのブレーキ力の復帰制御の開始タイミングとして遅過ぎる判断になる場合があるなど、適切でない場合も起こり得た。
滑走した車輪(或いは車軸。以下包括して「滑走軸」ともいう。)の減速度の挙動を正確に予測することができればよいが、それは困難であった。例えば、レール・車輪間の接線力は様々な要因(すべり速度、レール表面粗さ、水等の介在物の粘度や温度など)で大きく変化する場合があり、それが滑走軸の減速度の変動になって現れるからである。
本発明は、上述した背景に基づいて考案されたものであり、その目的とするところは、ブレーキ力の復帰制御の開始可能なタイミングをより適切に判断することができる技術を提案するものである。
第1の発明は、
車輪の滑走の発生を検知した場合に前記車輪のブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御方法であって、
前記引き下げた状態における前記車輪の回転に係る減速度の推移が、所定の推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始すること、
を含む再粘着制御方法である。
また、他の発明として、
車輪のブレーキ力を制御し、当該車輪の滑走の発生を検知した場合に前記ブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御を行う機械ブレーキ制御装置であって、
前記再粘着制御では、前記引き下げた状態における前記車輪の回転に係る減速度の推移が、所定の推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始する、
機械ブレーキ制御装置を構成することとしてもよい。
この第1の発明等によれば、再粘着制御においてブレーキ力を引き下げた状態における車輪の回転に係る減速度の推移が、所定の推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合にブレーキ力を復帰させる制御が開始される。滑走軸の減速度の挙動として取り得る推移パターンを設定しておくことで、ブレーキ力の復帰制御を開始するタイミングを適切に判断することが可能となる。
第2の発明は、
前記推移パターン条件が、前記推移パターンが異なる複数の推移パターン条件を含み、
前記復帰の制御を開始することは、前記複数の推移パターン条件のうちの何れかの推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始することである、
第1の発明の再粘着制御方法である。
この第2の発明によれば、推移パターンが異なる複数の推移パターン条件のうちの何れかの推移パターン条件を満たした場合に復帰制御が開始される。従って、ブレーキ力の復帰制御を開始可能な様々な推移パターンを示す推移パターン条件を定めておくことで、減速度の多様な推移に対して、適切に復帰制御の開始の是非を判断することが可能となる。
より具体的には、第3の発明として、
前記複数の推移パターン条件が、
前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転した後に、第1の減速度閾値条件を満たすほど前記減速度が変化した推移パターンを示す第1の推移パターン条件、
を少なくとも含む、
第2の発明の再粘着制御方法を構成してもよい。
更には、第4の発明として、
前記複数の推移パターン条件が、
前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転し、前記減速度が、前記第1の減速度閾値条件より閾値の大きさが小さい第2の減速度閾値条件を満たした後、前記第1の減速度閾値条件を満たさずに更なる変化傾向の増減反転が生じた推移パターンを示す第2の推移パターン条件、
を含む、
第3の発明の再粘着制御方法を構成してもよい。
更に、第5の発明として、
前記複数の推移パターン条件が、
前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転して前記減速度の正負が反転した後、前記減速度が、前記第2の減速度閾値条件より閾値の大きさが小さい第3の減速度閾値条件を満たし、さらに前記第2の減速度閾値条件を満たさずに更なる変化傾向の増減反転が生じて前記減速度の更なる正負の反転を生じた推移パターンを示す第3の推移パターン条件、
を含む、
第4の発明の再粘着制御方法を構成してもよい。
この第3〜第5の発明によれば、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度の変化傾向が増減反転した後の様々な推移パターンに対して、適切に復帰制御の開始の是非を判断することが可能となる。
また、第6の発明として、
前記複数の推移パターン条件それぞれには、前記復帰の制御の緩急パターンが異なる複数の復帰制御パターンのうちの何れかが関連付けられており、
前記複数の推移パターン条件のうちの何れかの推移パターン条件を満たして前記復帰の制御を開始する場合に、当該満たした推移パターンに関連付けられた前記復帰制御パターンに従って前記復帰の制御を行う、
第2〜第5の何れかの発明の再粘着制御方法を構成することとしてもよい。
この第6の発明によれば、ブレーキ力の復帰制御を開始する根拠となった減速度の推移に応じて、ブレーキ力を復帰させる緩急を変化させることが可能となる。例えば、復帰制御の始め(初期)はブレーキ力を急激に回復させ、その後、復帰のペースを緩やかにするといった様々な復帰制御パターンの中から、減速度の推移に応じた復帰制御パターンが選択されて、復帰制御が行われる。これにより、減速度の推移に応じて、乗り心地に与える影響を低減させた適切な復帰制御を実現することが可能となる。
また、第7の発明として、
前記車輪の回転に係る速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する減速度検出用平滑化処理とを行って前記減速度を検出することと、
前記速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって前記減速度検出用平滑化処理よりも平滑化時間幅が短い短期平滑化処理とを行って短期平均減速度を検出することと、
を更に含み、
前記推移パターン条件は、
前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転して前記減速度の正負が反転した後、前記短期平均減速度の大きさが前記減速度の大きさ以下となった推移パターンを示す第4の推移パターン条件、
を少なくとも含む、
第1〜第6の何れかの発明の再粘着制御方法を構成することとしてもよい。
この第7の発明によれば、車輪の回転に係る速度をもとにした2種類の減速度が検出される。1つは、微分演算と時間軸方向に平滑化する減速度検出用平滑化処理とを行って検出される減速度であり、もう1つは、微分演算と時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって減速度検出用平滑化処理よりも平滑化時間幅が短い短期平滑化処理を行って検出される短期平均減速度である。そして、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度の変化傾向が増減反転して減速度の正負が反転した後、短期平均減速度の大きさが減速度の大きさ以下となったことで、ブレーキ力の復帰制御を開始することができる。
平滑化時間幅が短いことから、減速度の変化に比べて、短期平均減速度の変化の方が機敏である。そのため、減速度の変化傾向が増減反転して減速度の正負が反転した後、短期平均減速度の大きさが減速度の大きさ以下となった場合には、滑走のピークが過ぎて収まりつつある傾向にあると言え、ブレーキ力の復帰制御を開始可能と判断できる。第7の発明によれば、この時機を適切に判断して、ブレーキ力の復帰制御を開始することができる。
また、第8の発明として、
前記復帰の制御を開始することは、前記推移パターン条件を満たす前に、前記滑走の発生の前記検知に係る条件を満たさなくなった場合には前記復帰の制御を開始すること、
を更に含む第1〜第7の何れかの発明の再粘着制御方法を構成することとしてもよい。
この第8の発明によれば、推移パターン条件を満たしたか否かの判定の前提となる滑走の発生が検知されている状態が解消された場合には、ブレーキ力の復帰制御を開始することができる。
再粘着制御の流れを説明するための図。 機械ブレーキ制御装置の構成を説明するための図。 再粘着制御部の構成を示すブロック図。 推移パターンを説明するための図。 推移パターン条件を説明するための図。 推移パターンと復帰制御パターンとの関連付けを説明するための図。 推移パターンを説明するための図。 推移パターン条件を説明するための図。 再粘着制御部の変形例の構成を示すブロック図。 推移パターンの変形例を説明するための図。 推移パターン条件の変形例を説明するための図。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を説明する。尚、以下では、機械ブレーキを空気ブレーキとして説明するが、油圧ブレーキにも本実施形態を同様に適用することができる。また、空気ブレーキの一例として、空気圧によりブレーキシリンダ圧(以下「BC圧」という)を昇圧させることでブレーキ力を得る方式について説明する。また、制御対象の車輪のことを適宜「対象軸」或いは「制御対象軸」と呼称して説明する。
まず、鉄道車両の機械ブレーキの作動中に滑走が生じた場合の再粘着制御について図1を参照して説明する。図1は、滑走時の機械ブレーキの再粘着制御を説明するための図である。横軸を時刻tとして、上から順に、ブレーキ指令、ブレーキシリンダへの給排気制御、ブレーキ制御の対象軸の回転に係る速度V及び走行速度とも言える基準速度Vm、速度Vから検出される対象軸の減速度β、ブレーキ圧とも言えるBC圧、の各グラフを概念的に示している。
時刻t1において、ブレーキ指令がONとなると、給気が開始されてBC圧が増加していく。すなわち、ブレーキ力が増加していく。このブレーキ力の増加に伴って、速度V及び基準速度Vmがともに低下する。
次いで、時刻t2において、速度Vと基準速度Vmとの速度差ΔVが所定の滑走検知閾値Vt(例えば、20km/h)以上となることで滑走の発生が検知される。すると、ブレーキシリンダからの排気制御が開始される。排気制御は吐出電磁弁を断続的にON/OFFする制御となる。この排気制御に伴ってBC圧が低下する。すなわち、ブレーキ力を引き下げる。ブレーキ力を引き下げたことにより減速度βが上昇し、速度Vの低下が徐々に収まってくる。
なお、滑走の検知は、減速度βに基づいて検知することも可能である。減速度βが粘着走行では取り得ない正の減速度として予め定められた滑走検知閾値βtに達すると、滑走の発生を検知する。また、速度差ΔVに基づく判定と、減速度βに基づく判定とのOR条件、或いは、AND条件として滑走の発生を検知することもできる。また、減速度βの代わりに加速度αを用いることとしてもよい。
排気制御を開始して後、時刻t3において、減速度βが回復検知閾値(例えば、ゼロkm/h/sとしてもよいし、1m/h/sや−1m/h/sとしてもよい)以下となって回復検知条件を満たしたことで、ブレーキ力の引き下げの停止および引き下げた状態の保持をすべく、排気が停止されてBC圧が保持される。その結果、速度Vが低下から増加に転じて、速度Vと基準速度Vmとの速度差ΔVが徐々に小さくなっていく。
このとき、詳細に後述する本実施形態の手法により、ブレーキ力の復帰制御の開始が可能と判定されると(時刻t4)、ブレーキ力の復帰制御が開始される。すなわち、給気が再開されてBC圧が昇圧されることでブレーキ力が増加される。但し、復帰制御における給気制御中は、後述する所与の復帰制御パターンに従って、抑止電磁弁を断続的にON/OFFする制御(断続的に給気する制御)となる。復帰制御パターンに従った給気制御が終わると復帰制御が完了となり、再粘着制御が終了となる。
次に、本実施形態の機械ブレーキ制御装置について説明する。図2は、本実施形態の機械ブレーキ制御装置30の構成を説明するための概略図である。機械ブレーキ制御装置30の制御対象を1つの車輪10(又は1つの対象軸とも言える)として図示しているが、複数の車輪それぞれを個別に制御対象として、個別に再粘着制御を行うこととしてもよい。また、1台車分や1車両分など、複数の車輪を包括して制御対象としてもよい。その場合には、制御対象の車輪の何れかに滑走が発生した場合には、全ての制御対象の車輪に対して同様の制御を適用することができる。
機械ブレーキ制御装置30は、ブレーキ指令に従っていわゆる機械ブレーキを制御する制御装置であり、CPUやROM、RAM等の各種メモリから構成されるコンピュータや各種の電子回路等によって実現され、例えば制御ボードとして実装される装置である。機械ブレーキ制御装置30は、速度・減速度検出部40と、再粘着制御部50と、給排気制御部70とを備える。
速度・減速度検出部40は、例えば制御対象の車輪10の車軸12付近に取り付けられた速度発電機15等の速度センサによる検出信号をもとに、車軸12(すなわち車輪10)の回転に係る速度Vおよび減速度βを検出する。勿論、加速度αを検出し、正負を逆にすることで減速度βを検出することとしてもよい。検出した速度Vおよび減速度βは再粘着制御部50に出力される。
再粘着制御部50は、図1を参照して説明した再粘着制御を実行する。具体的には、所与の基準速度Vm、速度・減速度検出部40で検出された速度Vおよび減速度βに基づいて、滑走検知や回復検知等の各種の検知を行って滑走した対象軸を再粘着させる制御を行う。この再粘着制御においては、ブレーキ力を引き下げるための指令信号(より具体的にはBC圧を低減させる指令信号)や、一旦引き下げたブレーキ力を回復させるための指令信号(より具体的にはBC圧を増加させる指令信号)を生成して給排気制御部70に出力する。これらの指令信号は包括して「再粘着制御指令信号」と呼称する。ここで、基準速度Vmは鉄道車両の走行速度(例えば運転台から得られる速度)に応じた車軸の回転速度としてもよいし、鉄道車両内の各軸の速度のうちの最大値として決定してもよい。
また、再粘着制御部50は、滑走検知および回復検知のそれぞれの検知結果を給排気制御部70に出力することとしてもよい。
給排気制御部70は、機械ブレーキであるブレーキ装置20の電磁弁22をON/OFF(開閉)することで、空気タンク21(空気タンク21は各軸共通である)からブレーキシリンダ23への空気圧力の供給(給気)や、ブレーキシリンダ23内の空気圧力の排出(排気)を制御する。電磁弁22には、ブレーキシリンダ23への空気圧力の供給/抑止に係る抑止電磁弁と、ブレーキシリンダ23内の空気圧力の吐出に係る吐出電磁弁とがある。
給排気制御部70による具体的な制御内容を説明すると、運転台等の外部から入力される「ブレーキ指令」によってブレーキの作動を指示されると、給気制御を開始する。すなわち、ブレーキ力を増加させる。次いで、再粘着制御部50によって滑走が検知されてブレーキ力を低減させる再粘着制御指令信号が入力されると、給気を停止させるとともに、排気制御を開始する。すなわち、ブレーキ力を低下させる。続いて、再粘着制御部50によって回復検知がなされると、再粘着制御指令信号がその旨の指令信号に変化するため、排気制御を停止させて、ブレーキシリンダ23内の空気圧力(BC圧)を一定に保つ。すなわち、ブレーキ力を保持する。
その後、再粘着制御部50がブレーキ力の復帰制御の開始を決定すると、再粘着制御指令信号がその旨の指令信号に変化するため、当該信号に含まれる所与の復帰制御パターンに従った給気制御を行ってブレーキ力を増加させる。
機械ブレーキ制御装置30に入力される「ブレーキ指令」は、機械ブレーキであるブレーキ装置20に対して外部から与えられる指令であり、鉄道車両が電気ブレーキを具備する場合には、例えば、運転台からのブレーキ指令から電気ブレーキに対する指令分を除いたものとされる。
図3は、再粘着制御部50の構成を示すブロック図である。再粘着制御部50は、加算器503と、滑走検知部510と、保持判定部520と、復帰制御開始判定部530と、再粘着制御指令生成部540とを有して構成される。
加算器503は、再粘着制御部50に入力される速度・減速度検出部40からの速度Vから、同じく再粘着制御部50に入力される基準速度Vmを減算して速度差ΔVを出力する。もしも滑走が発生していたならば速度差ΔVは負の値となる。
滑走検知部510は、速度差ΔVと、速度・減速度検出部40から入力される減速度βとを用いて滑走の発生を検知する。具体的には、速度差ΔVが滑走したと見なす所定の滑走検知用速度差閾値以下であること、減速度βが滑走したと見なす所定の滑走検知用減速度閾値以上であることの何れか又は両方の判定結果から滑走の発生を検知する。滑走の発生を検知した場合には、検知信号を保持判定部520、復帰制御開始判定部530および再粘着制御指令生成部540に出力する。
保持判定部520は、滑走検知部510による検知信号を受けて、減速度βが所定の滑走回復閾値以上(例えばゼロ以下)となったことで、滑走の回復開始の検知、すなわちブレーキ力の低減を停止して保持することを決定する。ブレーキ力の保持を決定した場合、保持判定部520は、ブレーキ力の保持を指示する保持決定信号を復帰制御開始判定部530および再粘着制御指令生成部540に出力する。
復帰制御開始判定部530は、滑走検知部510の検知信号および保持判定部520の保持決定信号を受けて、減速度βに基づき、ブレーキ力の復帰制御を開始できるか否かの判定を行う。復帰制御を開始できるか否かの判定については図面を参照して詳細に後述する。復帰制御を開始できると判定した場合、ブレーキ力の復帰の緩急パターン(復帰制御パターン)を決定して、この復帰制御パターンを含めた復帰制御の開始指示信号を再粘着制御指令生成部540に出力する。
再粘着制御指令生成部540は、滑走検知部510から入力される滑走検知信号、保持判定部520から入力される保持決定信号、復帰制御開始判定部530から入力される復帰制御の開始指示信号を用いて、図1を参照して説明した再粘着制御の通り、ブレーキ力の低減・保持・復帰の一連の再粘着制御を実現するための再粘着制御指令信号を生成して給排気制御部70に出力する。この再粘着制御指令信号に従って、給排気制御部70が、図1を参照して説明したような給排気制御を行うこととなる。
次に、復帰制御開始判定部530によるブレーキ力の復帰制御を開始できるかの判定処理について説明する。
復帰制御開始判定部530による判定の時点では、滑走検知部510の検知がなされ、且つ、保持判定部520の保持決定がなされていることから、ブレーキ力を引き下げて保持した状態にある。このブレーキ力を引き下げた状態における減速度βの推移が、所定の推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たしたか否かで、復帰制御開始判定部530は、復帰制御を開始できるか否かを判定する。
推移パターン条件には、推移パターンが異なる複数の推移パターン条件が含まれ、何れか1つの推移パターン条件を満たした場合にブレーキ力の復帰制御を開始できると判定する。滑走時の減速度βの推移は画一的ではなく、傾斜路を走行中であるか、曲線を走行中であるか、高速走行中であるか、出発直後であるか、降雨や降雪があるか、といった滑走した場面や状況に応じて様々に変化する。そこで、再粘着する可能性が高い推移パターンをたどって減速度βが推移していることを早期に見極めて、できるだけ早期にブレーキ力の復帰制御を開始する条件として推移パターン条件を定め、これを満たすかを判断する。
本実施形態では、推移パターンは第1〜第3の3つの推移パターンとする。
図4,5は、推移パターンそれぞれについて、減速度βが当該推移パターンの推移をたどったことを判定するための推移パターン条件を説明するための図である。図4,5を参照して推移パターンおよび推移パターン条件について説明する。
第1の推移パターンは、滑走検知後、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度βの変化傾向が増減反転(増加傾向から減少傾向へ反転)した後に、その傾向が増大して、第1の減速度閾値条件を満たすほど減速度βが変化した推移パターンであり、図4の(1)に示す推移パターンである。滑走検知後、減速度βが閾値D3以下→D2以下→D1以下となったことを第1の推移パターン条件として、第1の推移パターンの推移をたどったと判定する。但し、閾値は、D1<D2<D3<0であり、その大きさは|D1|>|D2|>|D3|である。第1の減速度閾値条件は、減速度βの大きさが閾値D1の大きさ以下となったこと、ということができる。
第2の推移パターンは、滑走検知後、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度βの変化傾向が増減反転(増加傾向から減少傾向へ反転)し、減速度βが、第1の減速度閾値条件より閾値の大きさが小さい第2の減速度閾値条件を満たした後、第1の減速度閾値条件を満たさずに更なる変化傾向の増減反転(減少傾向から増加傾向への反転)が生じた推移パターンであり、図4の(2)に示す推移パターンである。第2の減速度閾値条件は、減速度βの大きさが閾値D2の大きさ以下となったことである。
より詳細には、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度βが増加傾向から減少傾向に反転し、閾値D1よりも大きさが小さい閾値D2以下となることで第2の減速度閾値条件を満たした後、閾値D1以下とならず(第1の減速度閾値条件を満たさず)、閾値D4以上となることで変化傾向の更なる増減反転が生じたことを第2の推移パターン条件として、第2の推移パターンの推移をたどったと判定する。ここで、閾値D4は、D2<D4<D3<0であり、その大きさは|D2|>|D4|>|D3|である。
第3の推移パターンは、滑走検知後、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度βの変化傾向が増減反転(増加傾向から減少傾向へ反転)して減速度βの正負が反転(正から負へ反転)した後、減速度βが、第2の減速度閾値条件より閾値の大きさが小さい第3の減速度閾値条件を満たして後、第2の減速度閾値条件を満たさずに更なる変化傾向の増減反転(減少傾向から増加傾向への反転)と更なる正負の反転(負から正への反転)を生じた推移パターンであり、図4の(3)に示す推移パターンである。第3の減速度閾値条件は、減速度βの大きさが閾値D3の大きさ以下となったことである。
より詳細には、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度βが増加傾向から減少傾向に反転し、更に正負が反転して負となった後、減速度βが、閾値D2よりも大きさが小さい閾値D3以下となることで第3の減速度閾値条件を満たした後、閾値D2以下とならず(第2の減速度閾値条件を満たさず)、減速度βの減少傾向が増加傾向に反転するとともに正負が正に反転したことを示す閾値D5以上となったことを第3の推移パターン条件として、第3の推移パターンの推移をたどったと判定する。ここで、閾値D5は、0≦D5である。
推移パターンは、滑走軸の減速度の挙動として取り得るパターン(例えばレール・車輪間の接線力が急変し得る時の推移パターン)を設定することができ、上述の第1〜第3の推移パターン以外を含めてもよいし、第1〜第3の推移パターンの何れかのみとしてもよい。
このように、復帰制御開始判定部530は、滑走時において減速度βが様々に推移したとしても、ブレーキ力の復帰制御を開始可能とする推移パターンに沿った推移となっているかを早期に且つ適切に判断することができる。
よって、再粘着制御部50(ひいては機械ブレーキ制御装置30)は、再粘着制御において、ブレーキ力の復帰制御の開始可能なタイミングをより適切に判断することができる。
また、復帰制御開始判定部530は、復帰制御を開始する際、何れの推移パターン条件を満たしたかによって、ブレーキ力の復帰制御パターンを決定する。復帰制御パターンとは、ブレーキ力を復帰させる際の緩急度合を時系列に定めたものである。例えば、図6に、各推移パターンに対する復帰制御パターンの関連付けの一例を示す。第1の推移パターンの推移をたどったとして、復帰制御を開始する場合には、例えば、緩急度合を順次、急→中→緩とする復帰制御パターンAが選定される。緩急度合は、BC圧を昇圧させる給気のON/OFFのデューティ比として表され、所定の単位時間当たりの給気ON時間の割合が大きい方から急・中・緩という例えば3段階で定義することができる。復帰制御開始判定部530は、推移パターン条件を満たした推移パターンに関連付けられた復帰制御パターンを含めた復帰制御の開始指示信号を再粘着制御指令生成部540に出力する。
なお、本発明を適用可能な形態は上述した形態に限られるものではない。
例えば、減速度βではなく、正負が逆の加速度αを用いて、滑走検知・ブレーキ力の低減と保持・復帰の一連の再粘着制御を実現することとしてもよい。
図7,8に、減速度βに代えて加速度αとした場合の推移パターンと、加速度αが各推移パターンの推移をたどったことを判定するための推移パターン条件とを示す。図4,5の正負が逆になった推移パターンおよび推移パターン条件となっている。
また、例えば、推移パターン(および推移パターン条件)を3つとして説明したが、他の推移パターン(推移パターン条件)を加えることとしてもよい。或いは、選択した1つ又は2つの推移パターンおよび推移パターン条件のみでブレーキ力の復帰制御が開始可能かを判定してもよい。
例えば、第4の推移パターンおよび第4の推移パターン条件で復帰制御の開始判定を行う変形例を、図9〜11を参照して説明する。
図9は、この変形例における再粘着制御部50Aの構成を示すブロック図である。再粘着制御部50Aは、図3に示した再粘着制御部50から、短期平均減速度検出部506を追加して、復帰制御開始判定部530Aが、減速度βと、短期平均減速度検出部506が出力する短期平均減速度βとを用いて復帰制御の開始判定を行う。なお、速度・減速度検出部40は、速度Vを検出する速度検出部42と、速度Vに基づいて減速度βを検出する減速度検出部44とを有している。
ここで、減速度検出部44は、速度検出部42が検出した速度Vに対して、微分演算と、時間軸方向に平滑化する減速度検出用平滑化処理とを行って、減速度βを検出することとする。微分演算および減速度検出用平滑化処理のどちらを先に行うかは任意である。実際問題として、速度検出部42が検出する速度Vにはノイズ成分が含まれているため、このノイズ成分を低減する目的で減速度検出用平滑化処理を行うことが好適である。上述した実施形態においても同様である。
例えば、移動平均演算を施したり、演算に用いるサンプリング時間間隔を所定間隔にする(より具体的には、随時検出される速度のうち、減速度演算に用いる速度のサンプリング間隔を所定間隔とする。)等の時間軸方向にある程度の平滑化を施す。
そして、本変形例において、短期平均減速度検出部506は、速度検出部42によって検出された速度Vをもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって減速度検出部44の減速度検出用平滑化処理よりも平滑化時間幅が短い短期平滑化処理とを行って短期平均減速度βを検出する。平滑化時間幅の短縮は、移動平均演算の時間幅を短くしたり、演算に用いるサンプリング時間間隔の短縮ないし使用するサンプリング数を少なくすることで実現される。
復帰制御開始判定部530Aは、減速度βおよび短期平均減速度βの推移が、第4の推移パターンをたどる推移となった場合に再粘着が可能と判断して、復帰制御を開始できると判定する。第4の推移パターンは、ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって減速度βの変化傾向が増減反転して減速度βの正負が反転した後、短期平均減速度βの大きさが減速度βの大きさ以下となる推移パターンである。滑走時の再粘着制御における第4の推移パターンを図10に示す。
図10に示すように、短期平均減速度βは、減速度βに比べて平滑化時間幅が短いことから、その値の変化が機敏である。
ブレーキ力の引き下げおよび引き下げた状態の保持によって、減速度βの変化傾向が増加傾向から減少傾向となってさらに時刻t21の時点で正負が負となる。その後、時刻t22の時点で短期平均減速度βの大きさが減速度βの大きさ以下となる。第4の推移パターン条件は、図11に示すように、滑走が検知され、減速度βの正負が反転して後、短期平均減速度βの大きさが減速度βの大きさ以下となることである。
この第4の推移パターンに沿った推移がなされた場合には、滑走のピークが過ぎて収まりつつある傾向にあると言え、復帰制御開始判定部530Aは、ブレーキ力の復帰制御を開始可能と判断して、復帰制御の開始指示信号を再粘着制御指令生成部540に出力する。
復帰制御開始判定部530は、上述した実施形態における第1〜第3の推移パターン条件に第4の推移パターン条件を加えて、第1〜第4の推移パターン条件のうちの何れか1つの条件を満たした場合に、ブレーキ力の復帰制御を開始可能と判断して、復帰制御の開始指示信号を再粘着制御指令生成部540に出力することができる。
また、図9の変形例における再粘着制御部50Aにおいて、減速度βの代わりとなる長期平均減速度βを検出する長期平均減速度検出部505を更に設けて、復帰制御開始判定部530Aが、減速度βの代わりに長期平均減速度βを用いることとしてもよい。長期平均減速度検出部505は、速度検出部42によって検出された速度Vをもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって短期平均減速度検出部506の短期平滑化処理よりも平滑化時間幅が長い長期平滑化処理とを行って長期平均減速度βを検出するものである。
図9〜11を参照して説明した変形例においては、減速度に基づく復帰制御として説明したが、正負の符号を逆とすることで、減速度に代えて加速度に基づく復帰制御とすることができる。
また、復帰制御パターンは、推移パターンに応じたものとして説明したが、更に、ブレーキ指令の内容や、鉄道車両の走行速度(基準速度Vmとしても可)に応じて細分化されるとしてもよい。例えば、ブレーキ指令の内容としては、非常ブレーキであるか、常用ブレーキの何れのブレーキノッチであるかによって、復帰制御パターンが異なることとする。また、走行速度が高速・中速・低速の何れの速度域かによって復帰制御パターンが異なることとする。結果、復帰制御の開始の判定がなされた推移パターン条件が何れであるか、ブレーキ指令の内容が何か、走行速度の速度域がどれか、に基づいて復帰制御パターンが決定されることとなる。勿論、ブレーキ指令の内容と、走行速度の速度域との両者を細分化の条件として追加採用するのではなく、どちらかのみを採用することとしてもよい。例えば、走行速度に関わらず、復帰制御の開始の判定がなされた推移パターン条件が何れであるか、ブレーキ指令の内容が何か、に基づいて復帰制御パターンを決定することとしてもよい。
また、上述した実施形態でのブレーキ力の復帰制御の開始判定は、滑走検知部510の検知がなされ、且つ、保持判定部520の検知(回復開始の検知)がなされている状態であることを前提条件としている。そのため、復帰制御開始判定部530の判定内容にこの前提条件を付加することができることは勿論である。
具体的には、復帰制御開始判定部530は、減速度β(或いは加速度α)の推移が所定の推移パターン条件を満たすか否かを判定している間に、滑走検知部510から入力される検知信号が滑走の検知条件を満たさなくなった旨(例えば、速度差ΔVが所定の滑走検知用速度差閾値Vt以上)ではなくなった旨)を示す信号となった場合に、上記の前提条件が解消されたとしてブレーキ力の復帰制御を開始すると判定することができる。
また、上述した実施形態の各種の閾値判定においては、振動する信号に対するチャタリングを防止するために応差(ヒステリシス)判定を採用することができるのは勿論である。例えば、閾値D1〜D5,D11〜D15それぞれに係る判定を、応差判定とすることができる。
10 車輪
20 ブレーキ装置
23 ブレーキシリンダ
30 機械ブレーキ制御装置
40 速度・減速度検出部
50 再粘着制御部
510 滑走検知部
520 保持判定部
530 復帰制御開始判定部
70 給排気制御部

Claims (7)

  1. 車輪の滑走の発生を検知した場合に前記車輪のブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御方法であって、
    前記引き下げた状態における前記車輪の回転に係る減速度の推移が、所定の推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始すること、
    を含み、
    前記推移パターン条件は、
    前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転した後に、前記減速度の絶対値が第1の減速度閾値条件を満たすほど前記減速度が変化した推移パターンを示す第1の推移パターン条件と、
    前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転し、前記減速度の絶対値が、前記第1の減速度閾値条件より閾値の絶対値が小さい第2の減速度閾値条件を満たした後、前記第1の減速度閾値条件を満たさずに更なる前記減速度の変化傾向の増減反転が生じて、前記第2の減速度閾値条件より閾値の絶対値が小さい第4の減速度閾値条件を前記減速度の絶対値が満たす推移パターンを示す第2の推移パターン条件と、
    を少なくとも含む複数の推移パターン条件を含み、
    前記復帰の制御を開始することは、前記複数の推移パターン条件のうちの何れかの推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始することである、
    再粘着制御方法。
  2. 前記複数の推移パターン条件は、
    前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転して前記減速度の正負が負に反転した後、前記減速度の絶対値が、前記第2の減速度閾値条件より閾値の絶対値が小さく且つ前記第4の減速度閾値条件より閾値の絶対値が小さい第3の減速度閾値条件を満たし、さらに前記第2の減速度閾値条件を満たさずに更なる変化傾向の増減反転が生じて前記減速度の正負が正に反転して第5の減速度閾値条件を前記減速度の絶対値が満たす推移パターンを示す第3の推移パターン条件、
    を含む、
    請求項1に記載の再粘着制御方法。
  3. 前記複数の推移パターン条件それぞれには、前記復帰の制御の緩急パターンが異なる複数の復帰制御パターンのうちの何れかが関連付けられており、
    前記複数の推移パターン条件のうちの何れかの推移パターン条件を満たして前記復帰の制御を開始する場合に、当該満たした推移パターンに関連付けられた前記復帰制御パターンに従って前記復帰の制御を行う、
    請求項1又は2に記載の再粘着制御方法。
  4. 前記車輪の回転に係る速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する減速度検出用平滑化処理とを行って前記減速度を検出することと、
    前記速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって前記減速度検出用平滑化処理よりも平滑化時間幅が短い短期平滑化処理とを行って短期平均減速度を検出することと、
    を更に含み、
    前記推移パターン条件は、
    前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転して前記減速度の正負が反転した後、前記短期平均減速度の絶対値が前記減速度の絶対値以下となった推移パターンを示す第4の推移パターン条件、
    を少なくとも含む、
    請求項1〜の何れか一項に記載の再粘着制御方法。
  5. 車輪の滑走の発生を検知した場合に前記車輪のブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御方法であって、
    前記車輪の回転に係る速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する減速度検出用平滑化処理とを行って、前記引き下げた状態における前記車輪の回転に係る減速度を検出することと、
    前記速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって前記減速度検出用平滑化処理よりも平滑化時間幅が短い短期平滑化処理とを行って短期平均減速度を検出することと、
    前記減速度の推移が、前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転して前記減速度の正負が反転した後、前記短期平均減速度の絶対値が前記減速度の絶対値以下となった推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始すること
    を含む再粘着制御方法。
  6. 車輪のブレーキ力を制御し、当該車輪の滑走の発生を検知した場合に前記ブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御を行う機械ブレーキ制御装置であって、
    前記再粘着制御、前記引き下げた状態における前記車輪の回転に係る減速度の推移が、所定の推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始することを含み、
    前記推移パターン条件は、
    前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転した後に、前記減速度の絶対値が第1の減速度閾値条件を満たすほど前記減速度が変化した推移パターンを示す第1の推移パターン条件と、
    前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転し、前記減速度の絶対値が、前記第1の減速度閾値条件より閾値の絶対値が小さい第2の減速度閾値条件を満たした後、前記第1の減速度閾値条件を満たさずに更なる前記減速度の変化傾向の増減反転が生じて、前記第2の減速度閾値条件より閾値の絶対値が小さい第4の減速度閾値条件を前記減速度の絶対値が満たす推移パターンを示す第2の推移パターン条件と、
    を少なくとも含む複数の推移パターン条件を含み、
    前記復帰の制御を開始することは、前記複数の推移パターン条件のうちの何れかの推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始することである、
    機械ブレーキ制御装置。
  7. 車輪のブレーキ力を制御し、当該車輪の滑走の発生を検知した場合に前記ブレーキ力を引き下げ、当該引き下げた状態を保持した後に復帰させる再粘着制御を行う機械ブレーキ制御装置であって、
    前記再粘着制御
    前記車輪の回転に係る速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する減速度検出用平滑化処理とを行って、前記引き下げた状態における前記車輪の回転に係る減速度を検出することと、
    前記速度をもとに、微分演算と、時間軸方向に平滑化する平滑化処理であって前記減速度検出用平滑化処理よりも平滑化時間幅が短い短期平滑化処理とを行って短期平均減速度を検出することと、
    前記減速度の推移が、前記ブレーキ力の引き下げおよび前記引き下げた状態の保持によって前記減速度の変化傾向が増減反転して前記減速度の正負が反転した後、前記短期平均減速度の絶対値が前記減速度の絶対値以下となった推移パターンに相当する推移をたどったことを示す所定の推移パターン条件を満たした場合に前記復帰の制御を開始することと
    を含む、
    機械ブレーキ制御装置。
JP2018001608A 2017-02-28 2018-01-10 再粘着制御方法および機械ブレーキ制御装置 Active JP6923454B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017036453 2017-02-28
JP2017036453 2017-02-28

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018140770A JP2018140770A (ja) 2018-09-13
JP6923454B2 true JP6923454B2 (ja) 2021-08-18

Family

ID=63527433

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018001608A Active JP6923454B2 (ja) 2017-02-28 2018-01-10 再粘着制御方法および機械ブレーキ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6923454B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021123246A (ja) * 2020-02-05 2021-08-30 ナブテスコ株式会社 鉄道車両用滑走制御装置、鉄道車両用滑走制御装置の制御方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5711142A (en) * 1980-06-23 1982-01-20 Nissan Motor Co Ltd Antiskid controller
JPS62149546A (ja) * 1985-12-25 1987-07-03 Nippon Denso Co Ltd 車両用アンチスキツド装置
JP3138086B2 (ja) * 1992-10-12 2001-02-26 財団法人鉄道総合技術研究所 ブレーキ制御装置
JP3684714B2 (ja) * 1996-10-25 2005-08-17 日産自動車株式会社 アンチスキッド制御装置
WO1998039188A1 (en) * 1997-03-05 1998-09-11 Kelsey-Hayes Co. Brake control using proportional plus integral slip regulation and proportional pressure regulation
JP2000313326A (ja) * 1999-04-30 2000-11-14 Unisia Jecs Corp ブレーキ制御装置
JP4348828B2 (ja) * 2000-04-24 2009-10-21 株式会社アドヴィックス アンチスキッド制御装置
JP2004173399A (ja) * 2002-11-19 2004-06-17 Toshiba Corp 空転滑走検出装置
DE102009006743A1 (de) * 2009-01-30 2010-08-05 Wabco Gmbh ABS-Regelverfahren für ein Fahrzeug und Fahrzeug mit einem ABS-Bremssystem

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018140770A (ja) 2018-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101830231B (zh) 一种机车空转滑行保护控制方法
JP5779526B2 (ja) 電気車の制御装置
US8897937B2 (en) Apparatus for controlling railcar and methods for detecting synchronous slide/slip
US9079502B2 (en) Electrically driven vehicle
US11167738B2 (en) Method for improving the control behavior of an electronic motor vehicle braking system
CN113696915B (zh) 高速制动大蠕滑粘着控制方法及装置
JP6923454B2 (ja) 再粘着制御方法および機械ブレーキ制御装置
JP2008289237A (ja) 電動機制御装置及び再粘着制御方法
WO2015152272A1 (ja) 車両の運転支援装置
JP2009523650A (ja) 自動車の長手方向の速度を推定する方法
JP6716483B2 (ja) 機械ブレーキ制御方法および機械ブレーキ制御装置
JP4872931B2 (ja) 車両用トルク制御装置
JP2014046898A (ja) ブレーキ制御装置およびブレーキ制御方法
JP3138086B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP3817892B2 (ja) 車両用走行制御装置
WO2015152224A1 (ja) 車両の運転支援装置
JP2009124810A (ja) 電動機制御装置及び再粘着制御方法
JP2009100603A (ja) 電気車制御装置
JP6730057B2 (ja) 電気車制御装置
JPH01119464A (ja) 鉄道車両の複数の車輪の周速度を制御する方法および装置
JP2020083027A (ja) 制動制御装置
JP2005239024A (ja) 車両用トラクション制御装置
JP4391890B2 (ja) 鉄道車両の制振システム
JPH10215505A (ja) 電気車の再粘着制御方法
JPH1170870A (ja) ブレーキ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180110

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210119

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210318

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210518

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6923454

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150