JP6919788B2 - 希土類焼結磁石 - Google Patents

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Description

本発明は、NdFe17型結晶構造の化合物を主相とする希土類焼結磁石に関するものである。
Nd−Fe−B磁石やSm−Co磁石に代表される希土類永久磁石はその高磁気特性から各種モータ用、各種アクチュエータ用、MRI装置用など様々な用途に使用されており、年々生産量が増加している。
上記のような金属間化合物を主相とする希土類永久磁石が開発されてから、永久磁石の研究は、主に新しい希土類金属の金属間化合物を見出すことを中心に行われてきた。中でも、特許文献1に記載のSmFe17金属間化合物を主相とする永久磁石材料は、室温で36.8kOeという非常に高い保磁力を得ている。したがって、特許文献1に記載のSmFe17金属間化合物を主相とする永久磁石材料は、有望な永久磁石材料であると考えられる。しかしながら、SmFe17金属間化合物を主相とし、かつ、高特性である希土類焼結磁石は実現されていない。
非特許文献1では、メルトスピンで作製したSmFe17急冷薄帯の熱処理温度に対する保磁力値の変化が報告されている。この報告では、原料組成による違いはあるが、800K以上1100K以下の熱処理温度とする場合に30kOe以上の保磁力が得られている。しかしながら、熱処理温度を1100Kを超える温度とする場合には、SmFe17相が分解することにより、HcJが著しく低下する旨が報告されている。残留磁化を高めるには、磁場中成形後に焼結工程をおこなうことが好ましい。しかし、非特許文献1の報告から、SmFe17金属間化合物を主相とする永久磁石材料に対して焼結のために高温で熱処理を行う場合には、SmFe17金属間化合物を主相とする永久磁石材料の主相であるSmFe17相が分解してしまい、磁気特性が大きく低下してしまうという課題がある。
非特許文献2では、メルトスピンで作製したSmFe17急冷薄帯を放電プラズマ焼結法(SPS法:Spark Plasma Sintering)を用いて焼結した焼結磁石が報告されている。しかしながら、作製した磁石は配向されておらず等方性であるため、残留磁化は約45emu/gと低い値となっている。また、相対密度も約91%程度しか得られていない。
特開2008−133496号公報
Journal of Applied Physics 105 07A716(2009) Materials Science and Engineering 1(2009)012032
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らは、NdFe17型結晶構造を有する化合物について鋭意研究した結果、主相結晶粒子の平均粒径および粒度分布を特定の範囲に制御することにより、主相結晶粒子の配向度が向上して高い残留磁束密度が得られることを見出した。さらに、主相結晶粒子の平均粒径および粒度分布を特定の範囲に制御することにより、主相であるNdFe17型結晶構造を有する相の分解を防ぐことができ、高い保磁力が得られることを見出した。なお、NdFe17型結晶構造とは、NdFe17金属間化合物が有する結晶構造と同種の結晶構造のことである。また、RがNdでありTがFeである場合に限られない。
本発明に係る希土類焼結磁石は、NdFe17型結晶構造を有する主相結晶粒子を含み、RおよびTからなる希土類焼結磁石(RはSmを必須とする1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素)であって、前記希土類焼結磁石のRの組成比率が20at%以上40at%以下であり、前記希土類焼結磁石における前記R以外の残部が実質的に前記Tのみ、または、前記TおよびCのみであり、かつ前記希土類焼結磁石の一の切断面における前記主相結晶粒子の平均粒径をDv、個々の主相結晶粒子の粒径をDiとしたときに、前記Dvが1.0μm以上であり、前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvを満たす前記主相結晶粒子の面積率が80%以上であることを特徴とする。
希土類焼結磁石の主相結晶粒子の平均粒径と粒度分布とを制御する場合、原料粉末の平均粒径と粒度分布の制御が重要となる。原料粉末の粒度分布を制御しない場合には、前記原料粉末中には微細粒子と粗大粒子とが混在している状態となっている。微細粒子と粗大粒子とが混在している状態となっている場合には、磁場中成形時に配向軸を揃えるための粒子の回転が阻害されて配向に乱れが生じる。そして、配向に乱れが生じることで配向度が低下し、最終的に得られる希土類焼結磁石の残留磁束密度が低下する。したがって、原料粉末中に微細粒子と粗大粒子とが混在している状態となっていることは、最終的に得られる希土類焼結磁石の残留磁束密度が低下する要因となる。さらに、比較的低温で焼結する微細粒子と、微細粒子よりも高温で焼結する粗大粒子とが混在することにより、焼結温度が低い場合には、部分的に焼結ムラができやすく、焼結体密度が低下することがある。また、焼結温度が高い場合には、準安定相であるR17相の分解が生じやすく、R17相の分解によって主相が減少し異相が増加することから、磁気特性低下の原因となる。原料粉末の平均粒径と粒度分布の制御、およびそれに合わせた成形・焼結条件の制御によって、希土類焼結磁石の主相結晶粒子の平均粒径と粒度分布とを本発明の範囲とすることで、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を得ることができる。なお、微細な原料粉末を利用することで、主相結晶粒子の平均粒径をより小さくすることもできる。しかし、微細な原料粉末を利用する場合には、焼結工程での主相結晶粒子の粒成長が不均一となりやすく、主相結晶粒子の平均粒径と粒度分布をともに適正な範囲とすることが実質的に困難となる。
本発明の希土類焼結磁石はさらにCを含有し、Cの含有量が0at%より多く、15.0at%以下であってもよい。
本発明の希土類焼結磁石はR全体に占めるSmの割合が50at%以上99at%以下であり、R全体に占めるPrとNdとの合計の割合が1at%以上50at%以下であってもよい。
本発明によれば、主相結晶粒子の平均粒径と粒度分布とを制御することで、良好な磁気特性の希土類焼結磁石を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)につき、詳細に説明する。なお、下記の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記の実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
本実施形態に係る希土類焼結磁石について説明する。本実施形態に係る希土類焼結磁石は、NdFe17型結晶構造を有する主相結晶粒子を含み、RおよびTからなる希土類焼結磁石(RはSmを必須とする1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素)であって、前記希土類焼結磁石における前記Rの組成比率が20at%以上40at%以下であり、前記希土類焼結磁石における前記R以外の残部が実質的に前記Tのみ、または、前記TおよびCのみであり、かつ前記希土類焼結磁石の一の切断面における前記主相結晶粒子の平均粒径をDv、個々の主相結晶粒子の粒径をDiとしたときに、前記Dvが1.0μm以上であり、さらに前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvを満たす前記主相結晶粒子の面積率が80%以上であることを特徴とする。
前記主相結晶粒子は、NdFe17型結晶構造(空間群P6/mcm)を有する化合物から構成される。前記主相結晶粒子はR−Tを主成分として含んでいれば、他の固溶元素などを含んでもよい。以下では、NdFe17型結晶構造を有する相をR17相と記載する。
本実施形態に係る希土類焼結磁石に含まれる前記主相結晶粒子はR17相の単相であることが好ましいが、その他のRT相、RT相、R相、RT相、RT相、R17相、RT12相などが前記主相結晶粒子に含まれていてもよい。
主相であるR17相は永久磁石全体における体積比率が50%以上であり、好ましくは体積比率が75%以上である。前記R17相の体積比率が大きいほど、希土類焼結磁石の残留磁束密度は大きくなる。
Rは、Smを必須とする1種以上の希土類元素である。ここで、前記希土類元素はSm、Y、La、Pr、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuである。希土類焼結磁石全体における全希土類元素に占めるSmの割合は50at%以上であることが望ましい。
本実施形態に係る希土類焼結磁石におけるRの含有量は、20at%以上40at%以下とする。Rの含有量が20at%未満の場合には、希土類焼結磁石の主相結晶粒子に含まれるR17相の生成が十分でなく、残留磁束密度と保磁力が低下する。一方、Rの含有量が40at%を超えると、希土類焼結磁石に含まれるR17相の割合が減少するため、残留磁束密度と保磁力が低下してしまう。
R全体に占めるSmの割合が50at%以上99at%以下であり、R全体に占めるPrとNdとの合計の割合が1at%以上50at%以下であることがより望ましい。Prおよび/またはNdを合計で1at%以上含有する場合には、Prおよび/またはNdの含有量が合計で1at%未満である場合と比較して、残留磁化が向上する。これは、Nd3+とPr3+の磁気モーメントがSm3+の磁気モーメントよりも大きいためである。ただし、PrとNdとの合計の割合が50at%より大きい場合には、PrとNdとの合計の割合が1at%以上50at%以下である場合と比較して結晶磁気異方性が減少し、保磁力が低下する。これは、Nd3+とPr3+のスティーブンス因子がSm3+より小さいためである。PrとNdとの合計の割合が50at%より大きい場合には、さらに、面内異方性を持つR17相の割合が増加する。R17相の割合が増加することは減磁曲線の0磁場付近でのキンクの発生の原因となる。
Tは、FeまたはFeおよびCoを必須とする1つ以上の遷移金属元素である。TはFe単独であってもよく、Feの一部がCoで置換されていてもよい。Feの一部をCoに置換してCoを含める場合、希土類焼結磁石全体におけるCoの含有量は希土類焼結磁石全体における全遷移金属元素に対して20at%以下であることが好ましい。適切なCo量を選択することにより、飽和磁束密度および耐食性を向上させることができる。
本実施形態に係る希土類焼結磁石において、前記希土類焼結磁石の一の切断面における前記主相結晶粒子の平均粒径をDv、個々の主相結晶粒子の粒径をDiとしたときに、前記Dvが1.0μm以上であり、かつ前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvを満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上である。前記希土類焼結磁石の平均粒径および粒度分布が上記の範囲内であることで、上述したように主相結晶粒子の配向度が向上すると共に焼結密度を高めることができ、高い残留磁束密度が得られる。また、主相であるR17相の分解を防ぐことにより高い保磁力を得ることができる。主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm未満である場合、主相結晶粒子の粒度分布が悪化し、磁気特性が低下する。主相結晶粒子の平均粒径および粒度分布は、微粉砕時の分級条件や粉砕方式、あるいは焼結条件などによって制御することができる。
本実施形態においては、希土類焼結磁石の切断面を画像処理等の手法を用いて解析することにより、主相結晶粒子の粒径を求める。具体的には、希土類焼結磁石の切断面における各主相結晶粒子の切断面の面積を画像解析により求めたうえで、該切断面の面積を有する円の直径(円相当径)を、その切断面における該主相結晶粒子の粒径と定義する。さらに、該切断面において解析対象とした視野に存在する全主相結晶粒子について粒径を求める。ここで個々の主相結晶粒子の粒径をDi、(主相結晶粒子の粒径の合計値)/(主相結晶粒子の個数)で表される算術平均値を該希土類焼結磁石における主相結晶粒子の平均粒径Dvと定義する。前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率は、上記手法で特定した0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす全主相結晶粒子の面積の総和を画像処理ソフトによって算出し、該面積を前記希土類焼結磁石の切断面の面積で除算することで算出する。なお、異方性磁石の場合には、希土類焼結磁石の磁化容易軸に平行な切断面を解析に用いる。また、解析対象とする視野の形状は(40μm〜100μm)×(40μm〜100μm)の正方形または長方形とする。
本実施形態に係る異方性を有する希土類焼結磁石におけるCの含有量は、0at%より多く、15.0at%以下であることが好ましい。Cの含有量が適量であることにより、T−T間の原子間距離を拡げることができ、T−T間の交換結合相互作用を強くすることができる。Cの含有量が15at%より多いときには、得られるR17相の比率が減少し、磁気特性が低下する傾向にある。
また、本実施形態に係る異方性を有する希土類焼結磁石はC以外の元素も含んでもよい。C以外の元素には、N、H、Be、Pの1種以上からなる元素を用いることができる。さらに、本実施形態に係る希土類焼結磁石において、他の元素の含有を許容する。例えば、Bi、Sn、Ga、Si、Ge、Zn等の元素を適宜含有させることができる。また、前記希土類焼結磁石は原料に由来する不純物を含んでもよい。これらの元素の含有量は、前記希土類焼結磁石における前記R以外の残部が実質的に前記Tのみ、または、前記TおよびCのみであるといえる程度の含有量、具体的には、合計で5at%以下である。
<希土類焼結磁石の製造方法>
本実施形態に係る希土類焼結磁石の製造方法の一例を説明する。本実施形態に係る希土類焼結磁石は、原料合金を調製する調製工程、原料合金を粉砕して微粉末を得る粉砕工程、微粉末を成形して成形体を作製する成形工程、および成形体を焼結して焼結体を得る焼結工程を有する。
調製工程は、本実施形態に係る希土類焼結磁石に含まれる各元素を有する原料合金を調製する工程である。なお、本実施形態では、ストリップキャスティング法を用いて原料合金を調製した場合について説明するが、その他の方法を用いて原料合金を調製してもよく、具体的には、超急冷凝固法、蒸着法などを用いて原料合金を調製してもよい。
まず、所定の元素を有する原料金属を準備し、これらを用いてストリップキャスティング法を行う。これによって原料合金を調製することができる。SmおよびFeを含む原料金属を準備し、所望の組成を有する希土類焼結磁石が得られるような原料合金を調製し鋳造する。
粉砕工程は、調製工程で得られた原料合金を粉砕して微粉末を得る工程である。この工程は、粗粉砕工程および微粉砕工程の2段階で行うことが好ましいが、1段階としてもよい。粗粉砕工程は、例えばスタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中で行うことができる。粗粉砕工程においては、原料合金を粒径が数百μmから数mm程度となるまで粉砕して粗粉末を得る。
また、高い磁気特性を得るために、粉砕工程から焼結工程までの各工程における雰囲気は、低酸素濃度とすることが好ましい。酸素濃度は、各製造工程における雰囲気の制御等によって調整される。各製造工程の酸素濃度が高いと合金粉末中の希土類元素Rが酸化してR酸化物が生成してしまう。R酸化物の生成により希土類焼結磁石に含まれる主相の体積比率が低下してしまう。主相の体積比率の低下により、得られる希土類焼結磁石の残留磁束密度が低下する。そのため、例えば、各工程の酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。
微粉砕工程は、粗粉砕工程で得られた粗粉末を微粉砕して、平均粒径が数μm程度の微粉末を調製する。微粉末の平均粒径は、焼結時の結晶粒の成長度合を勘案して設定すればよい。微粉砕は、例えば、ジェットミル、ビーズミル等を用いて行うことができる。
ジェットミルを用いて微粉砕を行うことで微粉末を得ようとする場合、微粉末の粒径が小さく、粉砕された微粉末表面が非常に活性であるため、粉砕された微粉末同士の再凝集や容器壁への付着が起こりやすく、収率が低くなる傾向がある。そのため、合金の粗粉末を微粉砕する際には、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の粉砕助剤を添加して粉末同士の再凝集や容器壁への付着を防ぐことで、高い収率で微粉末を得ることができる。粉砕助剤の添加量は、微粉末の粒径や添加する粉砕助剤の種類によっても変わるが、0.1質量%以上1質量%以下程度が好ましい。
ジェットミル等を用いて行う乾式粉砕法以外の微粉砕手法として、湿式粉砕法がある。湿式粉砕法には、小径のビーズを用いて高速撹拌させるビーズミルを用いることが好ましい。また、ジェットミルで乾式粉砕した後に、さらにビーズミルで湿式粉砕を行う多段粉砕を行ってもよい。
ジェットミルを使用する場合、分級機付きのものが望ましく、分級機付きの微粉砕機を用いることにより、粗大粒子や超微細粒子の除去および再粉砕が可能になり、希土類焼結磁石の主相結晶粒子の粒度分布を制御することができる。
成形工程は、微粉末を磁場中で成形して成形体を作製する工程である。具体的には、微粉末を電磁石中に配置された金型内に充填した後、電磁石により磁場を印加して微粉末の結晶軸を配向させながら、微粉末を加圧することにより成形を行う。この磁場中の成形は、例えば、1000kA/m以上1600kA/m以下の磁場中、30MPa以上300MPa以下程度の圧力で行えばよい。
焼結工程は、成形体を焼結して焼結体を得る工程である。希土類焼結磁石の主相結晶粒子の平均粒径と粒度分布を制御するためには、粉砕工程で得られた微粉末の粒度分布を保ったまま焼結体を作製することが重要である。SPS法にて焼結を行う場合、焼結保持温度は500℃超700℃未満、処理時間は3分以上10分以下で行うことが好ましい。焼結保持温度をこのような範囲で設定し、かつ焼結保持時間をこのような短時間とすることにより、主相結晶粒子の粒成長を抑制して粒度分布を制御し、高い磁気特性を持つ希土類焼結磁石を得ることができる。焼結保持温度が500℃以下の場合、磁石の密度が十分に得られず、残留磁束密度が低下する傾向がある。焼結保持温度を700℃以上にすると、微粉末の過剰な粒成長が促進されて焼結体の主相結晶粒子の粒度分布が悪化し、さらにR17相が部分的に分解することにより残留磁束密度および保磁力が低下する傾向がある。焼結保持温度および焼結保持時間は、原料合金組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い、焼結方法等、諸条件により調整する必要がある。
以上の方法により、本実施形態に係る希土類焼結磁石が得られるが、希土類焼結磁石の製造方法は上記に限定されず、適宜変更してよい。
次に、本発明を具体的な実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実験例1〜9)
まず、希土類焼結磁石の原料合金を準備し、表1に示す組成を有する希土類焼結磁石が得られるように、ストリップキャスティング法により原料合金を準備し、調製し、鋳造した。
Figure 0006919788
次に、得られた原料合金に400℃にて水素を吸蔵させた後にAr雰囲気下で500℃、1時間の脱水素を行う水素粉砕処理を行った。その後、Ar雰囲気下で室温まで冷却し、粗粉末を得た。
得られた粗粉末に粉砕助剤としてオレイン酸アミドを0.5質量%添加して、混合した後、ジェットミルを用いて微粉砕を行い、微粉末を得た。また、微粉砕に際しては、ジェットミルの分級条件を変えることにより、得られる微粉末の粉砕粒径を調節した。実験例1〜3においては、希土類焼結磁石の主相結晶粒子の平均粒径Dvが0.8μm以上0.9μm以下の範囲となるように微粉末を作製した。同様に実験例4〜6においては希土類焼結磁石の主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上1.1μm以下、実験例7〜9においては2.9μm以上3.0μm以下の範囲となるように微粉末を作製した。
得られた微粉末を磁場中成形し、その後SPS法を用いて焼結保持温度620℃、焼結保持時間5分で焼結し、実験例1〜9の各希土類焼結磁石を作製した。
(実験例10〜15)
表1に示す組成の希土類焼結磁石が得られるように原料を配合し、実験例1と同様にして、原料合金の準備、鋳造および水素粉砕処理を行った。
水素粉砕処理により得られた粗粉末に対してオレイン酸アミドを0.2質量%添加して、混合した。その後、ジェットミルを用いてD50で粒径4.0μmになるまで微粉砕を行った。ジェットミルで微粉砕した粉末に対して、さらにビーズミルを用いて微粉砕を行う多段粉砕を行った。ビーズミルでの微粉砕に際しては、ビーズミルの粉砕時間を変えることにより、微粉末の粉砕粒径を調節した。実験例10〜12においては、希土類焼結磁石の主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上1.1μm以下の範囲となるように微粉砕を行い、実験例13〜15においては2.9μm以上3.0μm以下の範囲となるように微粉末を作製した。ビーズミルでの微粉砕後、不活性ガス中にて10時間以上24時間以下の乾燥を行った。
得られた微粉末に対して実験例1と同様に磁場中成形および焼結を行い、実験例10〜15の各希土類焼結磁石を得た。
実験例1〜15の各希土類焼結磁石の組織および磁気特性を評価した。組織としては、具体的には、希土類焼結磁石の一の切断面における主相結晶粒子の平均粒径Dv、および、前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率を求めた。磁気特性としては、希土類焼結磁石の残留磁束密度Brおよび保磁力HcJを測定した。
実験例1〜15の各希土類焼結磁石について、主相結晶粒子の平均粒径Dvを評価した。主相結晶粒子の平均粒径Dvは、試料の断面を研磨してSEMで観察し、画像解析ソフトを用いて算出した。さらに、前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率を、主相結晶粒子の平均粒径Dvと同様に画像解析ソフトを用いて算出した。主相結晶粒子の平均粒径Dv、および前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率を表2に示す。なお、SEM観察を行った視野の形状は50μm×50μmの正方形とした。
実験例1〜15の各希土類焼結磁石について、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により組成分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石も狙い組成(表1に示す組成)と略一致していることが確認できた。また、X線回折法(XRD)を用いて生成相の分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石もR17相が主相であった。
実験例1〜15の各希土類焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサーを用いて測定した。各希土類焼結磁石の残留磁束密度Brと保磁力HcJの測定結果を表2に示す。なお、表2では、「乾式」とは乾式粉砕のみを行い湿式粉砕を行わなかった場合を指し、「湿式」とは乾式湿式後に湿式粉砕を行う多段粉砕を行った場合を指す。
Figure 0006919788
主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm未満である実験例1〜3においてはBr、HcJともに低下した。また、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率も80%未満となっている。主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上であり、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上である実験例4〜9、および実験例13〜15では、BrとHcJともに良好な特性が得られることが確認された。
乾式粉砕と湿式粉砕とを比較すると、湿式粉砕を行い作製した実験例10〜15では、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が、乾式粉砕のみを行い作製した実験例4〜9と比較して減少している。この理由については、湿式粉砕では粉砕中に粒子が端から欠けるように粉砕されることで粉砕後の微粉末には狙い粒径通りの粒子の他に超微細な粒子と比較的粗大な粒子とが存在し、前記超微細な粒子と前記比較的粗大な粒子とが焼結後の主相結晶粒子の粒度分布に影響を与えているためであると推察される。主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上であるが、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が80%未満である実験例10〜12においては、実験例1〜3と同様にBr、HcJともに低下した。
(実験例16〜21)
希土類焼結磁石の原料合金を準備し、表3に示す各組成の希土類焼結磁石が得られるように原料を配合し、原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を実験例1と同様に行い、表4に示す実験例16〜18の各希土類焼結磁石を得た。また、表3に示す各組成ごとに原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を実験例4と同様に行い、実験例19〜21の各希土類焼結磁石を得た。
Figure 0006919788
実験例16〜21の各希土類焼結磁石について、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)と酸素気流中燃焼−赤外線吸収法により組成分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石も狙い組成(表3に示す組成)と略一致していることが確認できた。また、X線回折法(XRD)を用いて生成相の分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石もR17相が主相であった。
実験例1〜15と同様に、実験例16〜21で得られた希土類焼結磁石の組織および磁気特性を評価した結果を表4に示す。
Figure 0006919788
主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm未満である実験例16〜18においてはBr、HcJともに低下した。また、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率も80%未満となっている。主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上で、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上である実験例19〜21では、BrとHcJともに良好な特性が得られることが確認された。
実験例19ではほぼ同様のSmとFeの比を有する実験例4よりも良好な保磁力が得られた。適切なC量を固溶させることにより、T−T間の交換相互作用が強固なものになったからであると考えられる。実験例20ではほぼ同様のSmとFeの比を有する実験例6よりも良好な保磁力が得られた。一方、実験例21は実験例19〜20と比較して保磁力と残留磁化が減少した。C量が多く、R17相の比率が減少したためであると考えられる。すなわち、C量が0at%より多く、15.0at%以下である場合には、より良好な磁気特性が得られる。
(実験例22〜25)
表5に示す各組成の希土類焼結磁石が得られるように原料を配合し、実験例4と同様にして、原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を行い、表6に示す実験例22〜25の各希土類焼結磁石を得た。
Figure 0006919788
実験例22〜25の各希土類焼結磁石について、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により組成分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石も狙い組成(表5に示す組成)と略一致していることが確認できた。また、X線回折法(XRD)を用いて生成相の分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石もR17相が主相であった。
実験例4と同様にして、実験例22〜25で得られた各希土類焼結磁石の組織および磁気特性を評価した結果を表6に示す。
Figure 0006919788
Rの含有量が20at%未満である実験例22、および40at%を超える実験例25においては、主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上で、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上であるにもかかわらず、残留磁束密度と保磁力が低下した。Rの含有量が20at%以上40at%以下である実験例23〜24においては、良好なBrとHcJが得られている。
(実験例α〜実験例σ)
希土類焼結磁石の原料合金を準備し、表7に示す各組成の希土類焼結磁石が得られるように原料を配合し、原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を実験例1と同様に行い、表8に示す実験例α〜実験例ιの各希土類焼結磁石を得た。また、表7に示す各組成の原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を実験例4と同様に行い、表8に示す実験例κ〜実験例σの各希土類焼結磁石を得た。
Figure 0006919788
Figure 0006919788
実験例α〜実験例σの各希土類焼結磁石について、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS法)により組成分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石も狙い組成(表7に示す組成)と略一致していることが確認できた。また、X線回折法(XRD)を用いて生成相の分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石もR17相が主相であった。
主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm未満である実験例α〜実験例ιにおいてはBr、HcJともに低下した。また、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率も80%未満となった。主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上であり、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上である実験例κ〜実験例σでは、良好なBrとHcJが得られた。
実験例κ、実験例λ、実験例μではほぼ同様のRとFeの比を有する実験例5よりも良好なBrの値が得られた。PrおよびNdをSmに対して適切な量で置換することにより、磁気モーメントが増加する効果が得られたからであると考えられる。しかし、実験例5よりも保磁力は減少した。これはPrやNdをSmに対して置換することで結晶磁気異方性が減少したためであると考えられる。また、実験例ξではPrおよびCeをSmに対して置換した。実験例λと比較して、ほぼ同等の残留磁化、保磁力を得ることが可能であった。他の希土類元素による置換においても良好な磁気特性が得られた。実験例ο、実験例π、実験例ρも実験例5よりもBrの値が増加していることを確認した。それに対し、実験例μ、実験例πでは実験例5と比較してBrの値も減少した。これはSmに対するPrおよびNdの置換量が合計で50at%を超えたため、面内異方性を持つR17相が生成しやすくなり、減磁曲線において、0磁場付近でキンクが発生したためであると考えられる。
(実験例τ〜実験例χ)
希土類焼結磁石の原料合金を準備し、表9に示す各組成の希土類焼結磁石が得られるように原料を配合し、原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を実験例1と同様に行い、表10に示す実験例τ〜実験例υを得た。また、表9に示す各組成の原料合金の鋳造、粉砕、成形、焼結を実験例4と同様に行い、表10に示す実験例φ〜実験例χを得た。
Figure 0006919788
Figure 0006919788
実験例τ〜実験例χの各希土類焼結磁石について、ICP−MS法と酸素気流中燃焼―赤外吸収法により組成分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石も狙い組成(表9に示す組成)と略一致していることが確認できた。また、X線回折法(XRD)を用いて生成相の分析を行った。その結果、いずれの希土類焼結磁石もR17相が主相であった。
主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm未満である実験例τ〜実験例υにおいてはBr、HcJともに低下した。また、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率も80%未満となった。主相結晶粒子の平均粒径Dvが1.0μm以上であり、0.7Dv≦Di≦2.0Dvの範囲を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上である実験例φ〜実験例χでは、良好なBrとHcJが得られた。
実験例φ、実験例χではほぼ同様のR量とFe量の比、Sm量とPr量の比を有する実験例λよりも良好な保磁力が得られた。Cを適切な量で固溶させることにより、T−T間の交換相互作用がより強固なものになったからであると考えられる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
本発明によれば、主相結晶粒子の平均粒径および粒度分布を特定の範囲に制御することにより、良好な磁気特性を有する希土類焼結磁石を提供できる。

Claims (3)

  1. NdFe17型結晶構造を有する主相結晶粒子を含み、RおよびTからなる希土類焼結磁石(RはSmを必須とする1種以上の希土類元素、TはFeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素)であって、前記希土類焼結磁石のRの組成比率が20at%以上40at%以下であり、前記希土類焼結磁石における前記R以外の残部が実質的に前記Tのみ、または、前記TおよびCのみであり、かつ前記希土類焼結磁石の一の切断面における前記主相結晶粒子の平均粒径をDv、個々の主相結晶粒子の粒径をDiとしたときに、前記Dvが1.0μm以上であり、前記希土類焼結磁石の切断面の面積に対する0.7Dv≦Di≦2.0Dvを満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上であることを特徴とする希土類焼結磁石。
  2. さらにCを含有し、
    Cの含有量が0at%より多く、15.0at%以下である請求項1に記載の希土類焼結磁石。
  3. R全体に占めるSmの割合が50at%以上99at%以下であり、R全体に占めるPrとNdとの合計の割合が1at%以上50at%以下である請求項1または2に記載の希土類焼結磁石。
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